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発明の名称 両親媒性コポリマー組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−185494(P2007−185494A)
公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
出願番号 特願2006−320494(P2006−320494)
出願日 平成18年11月28日(2006.11.28)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 パラサナ・ブイ・ナラヤナン / ジョナサン・ゼット・チャオ
要約 課題
両親媒性のコポリマー組成物を提供する。

解決手段
本発明は、物品の一つの表面の少なくとも一部分の上に供給するための、両親媒性の被膜材料、を提供している。この両親媒性の被膜材料は、1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位と、1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位と、40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位と、を含有しているコポリマー、を含んでいる。随意的に、1種類以上の生物学的に活性な分子が、上記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位に、共有結合していてよい。本発明はまた、表面に本発明に関する両親媒性の被膜を有している物品、も提供している。
特許請求の範囲
【請求項1】
物品の一つの表面の少なくとも一部分の上に供給するための、両親媒性の被膜材料において、
コポリマーであって、
1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位、
1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位、および、
40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位、
を含有している、コポリマー、
を含む、被膜材料。
【請求項2】
請求項1に記載の被膜材料において、
前記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位は、以下の構造を含んでおり、
【化1】


この場合に、
Rは、水素原子、1〜6個の炭素原子のアルキル基、または、生物学的に活性な分子、であり、
nは、2〜100の整数であり、
mは、100〜5000の整数である、
被膜材料。
【請求項3】
請求項1に記載の被膜材料において、
前記nは、2〜10である、被膜材料。
【請求項4】
請求項1に記載の被膜材料において、
約10×10-10〜約5000×10-10m(約10〜約5000Å)の厚さを有している、被膜材料。
【請求項5】
請求項1に記載の被膜材料において、
前記コポリマーは、約10K〜約5000Kダルトン(約1.66×10-20g〜約8.30×10-18g)の範囲内の調整可能な分子量を有している、被膜材料。
【請求項6】
請求項2に記載の被膜材料において、
前記生物学的に活性な分子は、抗血栓形成剤、免疫抑制薬、抗腫瘍剤、抗炎症剤、新脈管形成抑制因子、または、蛋白質キナーゼ抑制因子、である、被膜材料。
【請求項7】
請求項2に記載の被膜材料において、
前記生物学的に活性な分子は、ヘパリン、ラパマイシン(rapamycin)、パクリタキセル、ピメクロリムス(pimecrolimus)、ならびに、これらの類似体および誘導体、から成る群から選択される、被膜材料。
【請求項8】
請求項1に記載の被膜材料において、
前記1種類以上のメタクリレートのコモノマーは、メチル・メタクリレート、エチル・メタクリレート、ブチル・メタクリレート、ヘキシル・メタクリレート、および、オクチル・メタクリレート、から成る群から選択される、被膜材料。
【請求項9】
請求項1に記載の被膜材料において、
前記1種類以上のアクリレートのコモノマーは、メチル・アクリレート、エチル・アクリレート、ブチル・アクリレート、ヘキシル・アクリレート、および、オクチル・アクリレート、から成る群から選択される、被膜材料。
【請求項10】
請求項1に記載の被膜材料において、
前記コポリマーは、以下の反復単位を含み、
【化2】


この場合に、
5 は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、
6 は、水素原子、または、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、であり、
nは、2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜2500の整数である、
被膜材料。
【請求項11】
請求項1に記載の被膜材料において、
前記コポリマーは、以下の反復単位を含み、
【化3】


この場合に、
7 は、1〜12個の炭素のアルキル基であり、
nは、2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜2500の整数である、
被膜材料。
【請求項12】
物品の少なくとも一つの表面の上に供給するための、両親媒性の被膜材料において、
コポリマーであって、
1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位、
1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位、および、
40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位、
を含有している、コポリマー、
を含み、
1種類以上の生物学的に活性な分子が、前記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位に、共有結合している、
被膜材料。
【請求項13】
表面に両親媒性の被膜を有する物品において、
前記両親媒性の被膜は、コポリマーを含み、
前記コポリマーは、
1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位、
1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位、および、
40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位、
を含有している、
物品。
【請求項14】
請求項13に記載の物品において、
前記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位は、以下の構造を含んでおり、
【化4】


この場合に、
Rは、水素原子、1〜6個の炭素原子のアルキル基、または、生物学的に活性な分子、であり、
nは、2〜100の整数であり、
mは、100〜500の整数である、
物品。
【請求項15】
請求項14に記載の物品において、
前記nは、2〜10である、物品。
【請求項16】
請求項14に記載の物品において、
前記生物学的に活性な分子は、抗血栓形成剤、免疫抑制薬、抗腫瘍剤、抗炎症剤、新脈管形成抑制因子、または、蛋白質キナーゼ抑制因子、である、物品。
【請求項17】
請求項14に記載の物品において、
前記生物学的に活性な分子は、ヘパリン、ラパマイシン(rapamycin)、パクリタキセル、ピメクロリムス(pimecrolimus)、ならびに、これらの類似体および誘導体、から成る群から選択される、物品。
【請求項18】
請求項13に記載の物品において、
前記両親媒性の被膜は、約10×10-10〜約5000×10-10m(約10〜約5000Å)の厚さを有している、物品。
【請求項19】
請求項13に記載の物品において、
前記コポリマーは、約10K〜約500Kダルトン(約1.66×10-20g〜約8.30×10-19g)の範囲内の調整可能な分子量を有している、物品。
【請求項20】
請求項13に記載の物品において、
前記コポリマーは、以下の反復単位を含み、
【化5】


この場合に、
5 は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、
6 は、水素原子、または、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、であり、
nは、2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜5000の整数である、
物品。
【請求項21】
請求項13に記載の物品において、
前記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位に共有結合している1種類以上の生物学的に活性な分子、
をさらに含む、物品。
【請求項22】
請求項21に記載の物品において、
前記コポリマーは、以下の反復単位を含み、
【化6】


この場合に、
7 は、水素原子、または、1〜6個の炭素のアルキル基、であり、
nは、2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜2500の整数である、
物品。
【請求項23】
請求項13に記載の物品において、
医療装置、または、医療装置の部品、である、物品。
発明の詳細な説明
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、物品の一つの表面の少なくとも一部分の上に供給するための、両親媒性の被膜材料、に関連している。また、本発明は、本発明に関する両親媒性の被膜を有する物品、にも関連している。
【0002】
〔発明の背景〕
たいていの医療装置は、金属、セラミック、または高分子材料により、作られている。しかしながら、これらの材料は、疎水性で、非順応性(non-conformal)であり、滑りにくいので、使用中または動作中に、粘膜に対して、血栓の形成、炎症、またはその他の傷害、を引き起こす可能性がある。したがって、この生体適合性の問題は、医療装置、特に、医療用移植片、の製造者にとって、重要な問題である。適正に且つ安全に機能するために、医療装置は、通常において、生体適合性の材料の一つ以上の層により、被覆されている。これらの医療装置における被膜は、一部の場合において、治療用または薬事用の物質を送達させるために、用いることも可能である。
【0003】
医療装置、特に、植え込み可能な医療装置は、長期の使用が目的とされており、体組織、体液、電解質、蛋白質、酵素、脂質、およびその他の生物学的な分子に対して、直接に相互作用するので、これらの医療装置のための被膜材料は、厳しい生物学的および身体的な必要条件、を満たさなければならない。これらの必要条件は、最低限として、以下の条件、すなわち、(1)上記被膜は、体組織に対する接触時に、親水性で潤滑である必要があり、これにより、手術中に患者の快適感を高めて、医療装置の操作性を向上すること、(2)上記被膜は柔軟で弾性である必要があり、これにより、これらの被膜は、有害なストレスを誘発することなく、生物学的な構造に一致すること、(3)上記被膜は血液適合性である必要があり、これにより、血栓または塞栓の形成を減少させるか回避すること、(4)上記被膜は体組織および体液に対して化学的に不活性である必要があること、および(5)上記被膜は、医療装置の上において形成される時に、機械的に耐久性があり、割れない必要があること、を含んでいる。また、上記の被膜が、薬事用または治療用の物質により含浸されていれば、これらの被膜およびそれらの形成は、その薬事用または治療用の物質に対して、適合性を有していることが、一般的に、必要とされる。また、上記の被膜が被覆材として用いられていて、その下層の基礎被膜が薬事用または治療用の物質により含浸されていれば、その被膜およびその形成は、基礎被膜とその中に含浸されている薬事用または治療用の物質とに対して、適合性を有していなければならず、その被膜は、その薬事用または治療用の物質がその被膜を透過することを可能にしなければならない、ということが、さらに、必要とされる。また、上記被膜は、上記下層の基礎被膜の中の薬事用または治療用の物質の溶出を調整するために、物理的なバリア、化学的なバリア、またはこれらの組み合わせ物、として機能することも望ましい。
【0004】
異なる高分子材料の所望の特性を組み合わせるために、市販の薬物溶出式ステントのための従来の被膜組成物は、ポリエチレン−ビニルアセテート(EVAc)とポリブチルメタクリレート(BMA)との、ポリマー混合物、すなわち、物理的な混合物、を用いていた。しかしながら、この従来の被膜の不都合点はポリマー混合物の相分離であり、このことは、その被膜の性能と、その中に含浸されている薬物の安定性とに対して、有害になる可能性がある。
【0005】
先行技術の別の被膜組成物は、支持用のポリマーと、親水性のポリマーと、を含んでおり、この場合に、支持用のポリマーは、架橋反応を生じることのできる機能的な部分、を含んでおり、親水性のポリマーは支持用のポリマーに結合している(例えば、米国特許第6,238,799号を参照されたい)。しかしながら、この先行技術の被膜組成物の調製は、化学的な架橋反応と高温の硬化処理と、を用いており、これらは、薬物含有の被膜に対して、適合性を有していない。
【0006】
また、先行技術は、ポリエチレングリコール・ビニルエーテルの化合物のモノマーを含むガスの、気相またはプラズマによる、重合により、形成される被膜組成物、も用いている(例えば、米国特許出願公開第2003/0113477号を参照されたい)。しかしながら、このようなプラズマ処理により調製されたポリマーは、不十分に定められている分子量と大きな多分散性と、を有している。さらに、低分子量のプラズマ重合したポリマーは、限られた機械的な耐久性、を有している。また、このようなプラズマ処理は下層の基礎被膜に浸透して、その中の薬物含有物を損傷させる可能性がある。さらに、この先行技術の方法に伴う別の問題は、このプラズマ処理中に発生されるフリーラジカルまたはその他の高エネルギーの種が被膜の中に残存して、経時的に、基礎被膜の中における薬物含有物の損失を引き起こす可能性があることである。
【0007】
医療装置の使用により生じる血栓症を減少させるために、先行技術は、上記被膜に抗血栓性の物質を、共役させる、すなわち、共有結合させる、ことにより、医療装置の被膜を改良している(例えば、米国特許第4,973,493号およびwww.surmodics.comを参照されたい)。この方法は優れた抗血栓性の特性を伴う被膜を製造することが可能であるが、この先行技術の共役法は、UV照射処理および/または化学的な架橋処理、を用いており、これらの処理は、被膜の中の抗血栓性の物質の劣化、を引き起こす可能性がある。
【0008】
したがって、医療装置の少なくとも一つの表面に供給するための、上述のような、厳しい必要条件を満たすことができる、被膜材料であって、当該被膜の中に含浸されている敏感な薬事用または治療用の物質に対して適合性である方法により調製可能である、被膜材料、に対する要望が依然として存在している。
【0009】
〔発明の概要〕
したがって、本発明は、物品の一つの表面の少なくとも一部分の上に供給するための、両親媒性の被膜材料、を提供している。この「両親媒性」とは、疎水性および親水性の特性を、同時に、有していること、を意味する。このような両親媒性の被膜材料は、1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位と、1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位と、40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位と、を含有しているコポリマー、を含む。随意的に、1種類以上の生物学的に活性な分子が、上記のポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位に共有結合していてもよい。
【0010】
好ましくは、上記のポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位は以下の構造を含んでおり、
【化1】


この場合に、
Rは、水素原子、1〜6個の炭素原子のアルキル基、または生物学的に活性な分子、であり、
nは2〜100の整数であり、
mは100〜5000の整数である。
【0011】
本発明はまた、表面に両親媒性の被膜を有している物品、も提供している。この両親媒性の被膜材料は、1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位と、1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位と、40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位と、を含有しているコポリマー、を含む。随意的に、1種類以上の生物学的に活性な分子が、上記のポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位に共有結合していてもよい。好ましくは、上記の物品は、医療装置または医療装置の構成部品、である。
【0012】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、物品の一つの表面の少なくとも一部分の上に供給するための、両親媒性の被膜材料、を提供している。この両親媒性の被膜材料は、1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位と、1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位と、40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位と、を含有しているコポリマー、を含む。このコポリマーの中のコモノマー、すなわち、アルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー、ビニル・アセテートのコモノマー、およびポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー、はランダム・シーケンスである。なお、「アルキル・メタクリレート」とは、メタクリレートの誘導体を意味し、この場合に、カルボニル基の炭素原子に結合している酸素原子はアルキル基により置換されている。また、「アルキル・アクリレート」とは、アクリレートの誘導体を意味し、この場合に、カルボニル基の炭素原子に結合している酸素原子はアルキル基により置換されている。また、「ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレート」とは、メタクリレートの誘導体を意味し、この場合に、カルボニル基の炭素原子に結合している酸素原子はポリエチレン・オキシドの部分により置換されている。
【0013】
上記のコポリマーは、ビニル基の重合により形成されている疎水性の主鎖、を有している。また、上記のポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマーにおけるポリエチレン・オキシドの部分は、上記疎水性の主鎖に沿って点在している親水性の垂下している鎖(pendent chain)、を与えている。さらに、また、このポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマーにおけるポリエチレン・オキシドの部分は、1個以上の生物学的に活性な分子が結合可能である官能基、も与えている。この「生物学的に活性な分子」は、本明細書において用いられる場合に、生きている組織からの応答に影響を及ぼすか、その応答を引き出す、化合物または物質、を示している。このような生物学的に活性な分子は、ポリエチレン・オキシドの部分の遠端の位置における酸素原子に対して共有結合を形成することにより、そのポリエチレン・オキシドの部分に結合する。なお、「遠端の位置における酸素原子」とは、上記のポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートの中のカルボニル基から最も離れているポリエチレン・オキシドの部分の酸素原子、を意味する。これにより、上記コポリマーにおける親水性の垂下した鎖は生理学的な条件下に膨潤して、柔軟で潤滑な三次元の網状構造を形成し、これにより、結合している生物学的に活性な分子の最適な活性を維持するための親水性の環境を与えることができる。
【0014】
好ましくは、上記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位は以下の構造を有しており、
【化2】


この場合に、
Rは、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、または生物学的に活性な分子、であり、
nは2〜100の整数であり、
mは100〜5000の整数である。
好ましくは、nは2〜10の整数である。また、本発明に適しているアルキル基は、直鎖状、分枝状、または環状、であってよい。適当なアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチル、を含むが、これらに限定されない。好ましくは、上記アルキル基はメチルである。
【0015】
上記の生物学的に活性な分子は、共役処理により、上記のポリエチレン・オキシドの部分に対して共有結合する。この共役処理は、1種類以上の化学的なまたは光照射の反応、を含む。本発明に適している生物学的に活性な分子は、例えば、病気または上記医療装置の生体への導入に対する生物学的な生体の反応を治療または予防するために、治療的な効果を有する、あらゆる薬物、薬剤、配合物および/またはこれらの組み合わせ物、を含む。好ましい生物学的に活性な分子は、抗血栓形成剤、免疫抑制薬、抗腫瘍剤、抗炎症剤、新脈管形成抑制因子、蛋白質キナーゼ抑制因子、および哺乳類動物における再狭窄を治療、減少、または予防できる他の薬剤、を含むが、これらに限定されない。さらに、本発明の生物学的に活性な分子の例は、ヘパリン、アルブミン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲン活性化因子(tissue plasminogin activator)(TPA)、ウロキナーゼ、ラパマイシン(rapamycin)、パクリタキセル、ピメクロリムス(pimecrolimus)、およびこれらの類似体および誘導体、を含むが、これらに限定されない。また、上記のコポリマーが2種類以上の生物学的に活性な分子を含む場合には、それらの生物学的に活性な分子は同種でも異種でもよい。
【0016】
好ましくは、上記アルキル・メタクリレートのコモノマー単位は以下の一般式を有しており、
【化3】


この場合に、R1 は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基である。このアルキル基は、直鎖状、分枝状、または環状、であってよい。適当なアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチル、を含むが、これらに限定されない。好ましくは、上記のアルキル基はメチルまたはブチルである。
【0017】
好ましくは、上記アルキル・アクリレートのコモノマー単位は以下の一般式を有しており、
【化4】


この場合に、R2 は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基である。このアルキル基は、直鎖状、分枝状、または環状、であってよい。適当なアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチル、を含むが、これらに限定されない。好ましくは、上記のアルキル基はメチルまたはブチルである。
【0018】
さらに、上記のコポリマーが2種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマーを含む場合には、これらの2種類以上のメタクリレートまたはアクリレートのコ−モノマーは同種でも異種でもよい。好ましいアルキル・メタクリレートのコモノマーは、メチル・メタクリレート、エチル・メタクリレート、ブチル・メタクリレート、および環状アルキル・メタクリレート、を含む。また、好ましいアルキル・アクリレートのコモノマーは、メチル・アクリレート、エチル・アクリレート、ブチル・アクリレート、および環状アルキル・アクリレート、を含む。なお、当業界の熟練者において、適当なアルキル・メタクリレートまたはアクリレートのコモノマーは、上記のアルキル・メタクリレートおよびアルキル・アクリレートのコモノマーの、任意の類似のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートも含むこと、が理解される。
【0019】
好ましくは、ビニル・アセテートのモノマーは以下の一般式を有しており、
【化5】


この場合に、
3 は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
4 は水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である。
本発明に適しているアルキル基は、直鎖状、分枝状、または環状、であってよい。本発明の一例の好ましい実施形態において、上記ビニル・アセテートのコモノマーは、R3 がメチルであって、R4 が水素である、化学式(IV)の構造を有する化合物である。なお、当業界の熟練者において、適当なビニル・アセテートのコモノマーは、上記のビニル・アセテートのコモノマーのあらゆる類似のビニル・アセテートも含むことが理解される。
【0020】
本発明の一例の実施形態において、上記コポリマーは以下の反復単位を含み、
【化6】


この場合に、
5 は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、
6 は水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
nは2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜2500の整数である。
好ましくは、nは2〜10の整数である。
【0021】
本発明の一例の実施形態において、上記コポリマーは以下の反復単位を含み、
【化7】


この場合に、
7 は1〜12個の炭素のアルキル基であり、
nは2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜2500の整数である。
好ましくは、nは2〜10の整数である。ヘパリンは、血液の凝固能力を低下させて、血管の中に有害な血餅が形成するのを防ぐために用いられる、周知の抗血液凝固薬である。上記のポリエチレン・オキシドの部分へのヘパリンの結合は、その結果として得られるコポリマーが塗布処理において用いられる一般的な有機溶媒に可溶性になることを可能にし、これにより、水の使用を排除して、被膜の形態学的な性質を改善する。上記化学式(VI)のコポリマーを含有している被膜は高められた血液適合性を有しており、したがって、植え込み可能な医療装置のための被膜として、特に有用である。
【0022】
本発明に関するコポリマーは、望ましい機械的な耐久性および適当な接着性を伴うポリマーの形成を可能にするために、約10K〜約5000Kダルトン(約1.66×10-20g〜約8.30×10-18g)の範囲内の調整可能なポリマー分子量、を有していることが好ましい。被膜の機械的な耐久性は、ポリマーの分子量を増加すると、改善されるので、本発明のコポリマーは、生体内において拡張および配備を必要とする特定の医療装置(例えば、ステント)のための被膜において使用するために、50K〜5000Kダルトン(8.30×10-20g〜8.30×10-18g)の、高いポリマー分子量、を有していることが特に好ましい。
【0023】
本発明の両親媒性の被膜は、高品質のフィルム形成を助長するために、可塑剤、消泡剤、クレーター防止剤(anticrater agents)、および合同溶媒等(coalescing solvents)のような、共溶媒および/またはその他の添加物、をさらに含んでもよい。このような両親媒性の被膜材料に対する別の適当な添加物は、生物活性剤、抗菌剤、抗血栓形成剤、抗生物質、顔料、放射線不透過剤(radiopacifiers)およびイオン伝導体、を含むが、これらに限定されない。なお、これらの成分の選択および量に関する詳細は、当業界における熟練者において、既知である。
【0024】
本発明に関する両親媒性の被膜材料は、物品の一つの表面の少なくとも一部分に、供給可能である。一部の実施形態において、本発明の被膜は、物品の全ての曝されている表面、に供給される。この両親媒性の被膜の厚さは、その被膜の形成において用いる方法と、物品の目的用途とにより、変更可能である。一般的に、医療装置においては、本発明に関する被膜は約10×10-10〜約5000×10-10m(約10〜約5000Å)の厚さに供給され、約20×10-10〜約1000×10-10m(約20〜約1000Å)の厚さがさらに一般的である。
【0025】
物品の一つの表面の少なくとも一部分に供給される場合に、本発明に関するコポリマーの疎水性の主鎖は、非膨潤性の基部層を形成して下層の表面に固着するが、本発明に関するコポリマーの親水性の垂下した鎖は、生理学的条件下に、水和して膨潤し、潤滑で血液適合性の表面を形成する。このような親水性の垂下した鎖の低摩擦性および血液適合性は、亜急性血栓症(SAT)を潜在的に減少させる優れた抗血栓特性、を与える。さらに、上記疎水性の主鎖は、ポリマーの機械的な耐久性を改善する、狭い範囲の分布を伴う、所定の分子量、を有しているが、上記親水性の垂下した鎖は、ポリマーの望ましい弾性を得るために、種々の長さに調節可能である。したがって、本発明に関する被膜は、丈夫であり、すなわち、機械的に耐久性があり、柔軟性、すなわち、弾性、である。このような本発明に関するポリマーの丈夫さおよび柔軟性は、医療装置における多くの現在の被膜、特に、ステントにおける被膜、において一般に見られる、はがれ、剥離、およびその他の欠陥、をかなり減少させる。
【0026】
したがって、本発明は改善された生体適合性の被膜を提供しており、この被膜は、再狭窄、または血栓症、またはその他の望ましくない反応、を減少させるために十分に潤滑性である、哺乳類動物、例えば、人間、の体組織に接触するための不活性な親水性の表面、だけではなく、例えば、医療装置等の、物品の上に形成されると、割れに抵抗するために十分に耐久性のある、下層の表面に固着するための、疎水性の主鎖、も有している。
【0027】
本発明に関する両親媒性の被膜は、医療装置の基礎被膜、例えば、ステントの基礎被膜からの、治療の投薬量の薬剤の溶出を調整するために、適用することも可能である。この基礎被膜は、一般に、1種類以上の薬物、薬剤、および/または配合物の基材、およびポリマー等のような生体適合性の材料、を含んでいる。上記の溶出の調整は、物理的なバリア、または化学的なバリア、またはこれらの組み合わせ物、のいずれかからの結果として生じる。この溶出は被膜の厚さを変えることにより調整され、これにより、上記基礎被膜から拡散するための、薬物、薬剤、および/または配合物のための、拡散経路の長さを変えることができる。本質的に、上記基礎被膜の基材の中の、薬物、薬剤および/または配合物は、上記被膜の中の介在性の空間を通して拡散する。したがって、被膜が厚くなるほど、拡散経路が長くなり、逆に、被膜が薄くなるほど、拡散経路が短くなる。なお、上記の基礎被膜および被膜の厚さは、これらが適用される物品の所望の全体の外形により、限定可能であることに、注目することが重要である。
【0028】
本発明に関するコポリマーの特性は、上記コモノマーのモル比率を調節することにより、調整可能である。換言すれば、上記コモノマーのモル比率は、本発明に関するコポリマーの所望の特性に従って、調節可能である。例えば、生物学的に活性な分子が上記のポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートに結合すると、上記のコモノマーは、生物学的に活性な分子の最適な活性を保持するための親水性の環境を与えながら、上記コポリマーの所望の機械的な強度を確実にするモル比率になる。好ましくは、上記コポリマーは、1:1:1のモル比率における、上記のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレート、上記のビニル・アセテート、および上記のポリエチレン・オキシド置換型メタクリレート、を含有している。
【0029】
上記本発明に関するポリマーの疎水性の主鎖の構造および分子量は、種々の重合の方法の採用により、調整可能である。本発明の好ましい重合の方法は、グループ・トランスファー重合(GTP)、アニオン重合、およびリビング重合、を含む。本発明のさらに好ましい重合の方法はGTPである。このGTPは、シリル・ケテン・アセタール開始剤を用いるマイケル型付加反応を含むリビング重合法、である(例えば、バムバカリ,M(Vamvakari, M)他,ポリマー(Polymer),40巻,1999年,p.5161−5171、を参照されたい)。多くの従来の重合法は、化学的な架橋反応、高温硬化処理、および/またはプラズマ処理、を必要とするが、これらは、上記のポリマーの主鎖構造および分子量分布に関して極めて限られている制御を有していることだけでなく、下層の基礎被膜の中の薬物含有物に対して損傷を引き起こす。このような従来の重合法とは異なり、GTPは、周囲温度において、狭い分子量分布の、調整された構造のアクリレートまたはメタクリレートのポリマーの合成のために、使用できる。上記の本発明に関するコポリマーの親水性の垂下した鎖は望ましい潤滑性と血液適合性を与え、これらの親水性の垂下した鎖の長さは、重合反応において、所望数の反復しているエチレン・オキシド単位を伴うモノマーを用いることにより、制御可能である。この重合において好ましいモノマーは、2〜10の反復しているエチレン・オキシド単位を含むモノマー、である。さらに、これらのポリエチレン・オキシドの部分は機能的な垂下した鎖として役立ち、これにより、1つ以上の生物学的に活性な分子が、その生物学的に活性な分子に対して適合性である共役処理により、導入されてよい。
【0030】
本発明の一般的な共重合化は、以下のような式1において、示される。
【化8】


この場合に、
5 は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、
6 は水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
x、yおよびzは、独立して、10〜2500の整数であり、
nは2〜100の整数である。
なお、上記の重合化処理において適当な触媒は当業界における熟練者において既知である。この触媒の例は、1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチル−1−プロペン(MTS)、n−テトラブチルアンモニウム・ビベンゾエート(n-tetrabutylammonium bibenzoate)(TBABB)、およびその他の重合開始剤、を含むが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の一般的な共役処理は、以下のような式2において、示される。
【化9】


この場合に、
7 は1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、
x、yおよびzは、独立して、10〜2500の整数であり、
nは2〜100の整数である。
上記の式2により示されている共役処理において、ポリエチレン・オキシドの部分は、DMAP(ジメチルアミノピリジン)の存在下で、その後DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)およびNHS(N−ヒドロキシル・スクシンイミド)の存在下で、クロロ酢酸により水酸基を処理することにより、活性化される。次に、ヘパリンが、その活性化されたポリエチレン・オキシドの部分により、共役処理される。このような、ヘパリンを誘導することによらない、コポリマーの段階的な活性化は、ヘパリンの誘導処理において一般的に見られる望ましくない架橋反応を最小限にするだけでなく、共役の程度に関して高度な制御を行なう。さらに、上記式2の共役処理は、穏やかな条件下に行なわれ、これにより、従来のUV照射式の共役処理において発生される、望ましくない長期継続のフリーラジカル、を無くすことができる。
【0032】
本発明はまた、本発明に関する両親媒性の被膜を表面に有する物品も提供している。本発明の両親媒性の被膜は上記物品の一つの表面の少なくとも一部分の上にある。このような、物品の一つの表面の少なくとも一部分は、高分子被膜、プラスチックの物質、セラミック、スチール、またはその他の合金、の表面であってよい。本発明に関する両親媒性の被膜材料により被覆可能である物品は任意の形状であってよく、好ましくは、医療装置、または医療装置の部品である。この用語の「医療装置」は、本明細書において用いられる場合に、医療処置において用いられる物理的な物品、を示しており、この物品は、外部医療装置と、植え込み可能な医療装置と、の両方、を含む。本発明に関する両親媒性の被膜材料により被覆可能である医療装置は、カテーテル、ガイドワイヤ、薬物溶出式ステント、蝸牛移植片、網膜移植片、胃帯、神経刺激装置、筋刺激装置、植え込み可能な薬物送達装置、眼内装置、および種々の他の医療装置、を含むが、これらに限定されない。
【0033】
本発明の両親媒性の被膜材料は、例えば、噴霧塗布、超音波塗布、浸漬塗布等、のような、従来の塗布技法を用いて、物品の表面に供給できる。浸漬塗布処理において、上記の物品は、両親媒性の被膜材料を入れた槽の中に浸漬された後に、取り出される。約1分〜約2時間の範囲内の滞留時間は、構造の材料、装置の複雑さ、および所望の被膜の厚さに応じて、使用可能である。次に、上記の両親媒性の被膜材料により塗布された物品は、乾燥した被膜にするために、乾燥させることができる。なお、この乾燥は、単に、周囲条件において放置することにより、達成させてもよく、約30℃〜約65℃等のような、穏やかな温度において加熱することにより、加速することも可能である。
【0034】
上記において、本発明は、その好ましい実施形態に関連して、特に図示および記載されているが、上記およびその他の実施形態は形態を変えることが、当業界の熟練者により、理解されることとなるであろう。さらに、それらの詳細は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、行なうことが可能である。それゆえ、本発明が、上記の正確な形態と、説明されていて図示されている詳細とに、限定されず、添付の特許請求の範囲の各請求項の範囲内に該当する、ということが意図されている。
【0035】
〔実施の態様〕
(1)物品の一つの表面の少なくとも一部分の上に供給するための、両親媒性の被膜材料において、
コポリマーであって、
1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位、
1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位、および、
40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位、
を含有している、コポリマー、
を含む、被膜材料。
(2)実施態様1に記載の被膜材料において、
前記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位は、以下の構造を含んでおり、
【化10】


この場合に、
Rは、水素原子、1〜6個の炭素原子のアルキル基、または、生物学的に活性な分子、であり、
nは、2〜100の整数であり、
mは、100〜5000の整数である、
被膜材料。
(3)実施態様1に記載の被膜材料において、
前記nは、2〜10である、被膜材料。
(4)実施態様1に記載の被膜材料において、
約10×10-10〜約5000×10-10m(約10〜約5000Å)の厚さを有している、被膜材料。
(5)実施態様1に記載の被膜材料において、
前記コポリマーは、約10K〜約5000Kダルトン(約1.66×10-20g〜約8.30×10-18g)の範囲内の調整可能な分子量を有している、被膜材料。
【0036】
(6)実施態様2に記載の被膜材料において、
前記生物学的に活性な分子は、抗血栓形成剤、免疫抑制薬、抗腫瘍剤、抗炎症剤、新脈管形成抑制因子、または、蛋白質キナーゼ抑制因子、である、被膜材料。
(7)実施態様2に記載の被膜材料において、
前記生物学的に活性な分子は、ヘパリン、ラパマイシン(rapamycin)、パクリタキセル、ピメクロリムス(pimecrolimus)、ならびに、これらの類似体および誘導体、から成る群から選択される、被膜材料。
(8)実施態様1に記載の被膜材料において、
前記1種類以上のメタクリレートのコモノマーは、メチル・メタクリレート、エチル・メタクリレート、ブチル・メタクリレート、ヘキシル・メタクリレート、および、オクチル・メタクリレート、から成る群から選択される、被膜材料。
(9)実施態様1に記載の被膜材料において、
前記1種類以上のアクリレートのコモノマーは、メチル・アクリレート、エチル・アクリレート、ブチル・アクリレート、ヘキシル・アクリレート、および、オクチル・アクリレート、から成る群から選択される、被膜材料。
(10)実施態様1に記載の被膜材料において、
前記コポリマーは、以下の反復単位を含み、
【化11】


この場合に、
5 は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、
6 は、水素原子、または、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、であり、
nは、2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜2500の整数である、
被膜材料。
【0037】
(11)実施態様1に記載の被膜材料において、
前記コポリマーは、以下の反復単位を含み、
【化12】


この場合に、
7 は、1〜12個の炭素のアルキル基であり、
nは、2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜2500の整数である、
被膜材料。
(12)物品の少なくとも一つの表面の上に供給するための、両親媒性の被膜材料において、
コポリマーであって、
1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位、
1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位、および、
40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位、
を含有している、コポリマー、
を含み、
1種類以上の生物学的に活性な分子が、前記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位に、共有結合している、
被膜材料。
(13)表面に両親媒性の被膜を有する物品において、
前記両親媒性の被膜は、コポリマーを含み、
前記コポリマーは、
1種類以上のアルキル・メタクリレートまたはアルキル・アクリレートのコモノマー単位、
1種類以上のビニル・アセテートのコモノマー単位、および、
40モル%までのポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位、
を含有している、
物品。
(14)実施態様13に記載の物品において、
前記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位は、以下の構造を含んでおり、
【化13】


この場合に、
Rは、水素原子、1〜6個の炭素原子のアルキル基、または、生物学的に活性な分子、であり、
nは、2〜100の整数であり、
mは、100〜500の整数である、
物品。
(15)実施態様14に記載の物品において、
前記nは、2〜10である、物品。
【0038】
(16)実施態様14に記載の物品において、
前記生物学的に活性な分子は、抗血栓形成剤、免疫抑制薬、抗腫瘍剤、抗炎症剤、新脈管形成抑制因子、または、蛋白質キナーゼ抑制因子、である、物品。
(17)実施態様14に記載の物品において、
前記生物学的に活性な分子は、ヘパリン、ラパマイシン(rapamycin)、パクリタキセル、ピメクロリムス(pimecrolimus)、ならびに、これらの類似体および誘導体、から成る群から選択される、物品。
(18)実施態様13に記載の物品において、
前記両親媒性の被膜は、約10×10-10〜約5000×10-10m(約10〜約5000Å)の厚さを有している、物品。
(19)実施態様13に記載の物品において、
前記コポリマーは、約10K〜約500Kダルトン(約1.66×10-20g〜約8.30×10-19g)の範囲内の調整可能な分子量を有している、物品。
(20)実施態様13に記載の物品において、
前記コポリマーは、以下の反復単位を含み、
【化14】


この場合に、
5 は、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、
6 は、水素原子、または、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、であり、
nは、2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜5000の整数である、
物品。
【0039】
(21)実施態様13に記載の物品において、
前記ポリエチレン・オキシド置換型メタクリレートのコモノマー単位に共有結合している1種類以上の生物学的に活性な分子、
をさらに含む、物品。
(22)実施態様21に記載の物品において、
前記コポリマーは、以下の反復単位を含み、
【化15】


この場合に、
7 は、水素原子、または、1〜6個の炭素のアルキル基、であり、
nは、2〜100の整数であり、
x、yおよびzは、同一であるか異なっていて、独立して、10〜2500の整数である、
物品。
(23)実施態様13に記載の物品において、
医療装置、または、医療装置の部品、である、物品。




 

 


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