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発明の名称 MMP抑制因子を組み込んでいる植え込み可能な高分子の生物分解性の装置による動脈瘤の治療
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−152103(P2007−152103A)
公開日 平成19年6月21日(2007.6.21)
出願番号 特願2006−324173(P2006−324173)
出願日 平成18年11月30日(2006.11.30)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 アイリーン・パン
要約 課題
抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子を組み込んでいる、高分子の生物分解性の装置、の植え込みによる、小腹大動脈瘤の治療方法を提供する。

解決手段
本発明は、内部に、抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子を組み込んでいる、生物分解性の高分子材料、により製造されている、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置に、さらに関連している。本発明によれば、動脈瘤の開始および成長を妨げるだけでなく、定着している動脈瘤の後退を誘発させることも可能である。
特許請求の範囲
【請求項1】
哺乳動物における大動脈瘤を治療するための方法において、
少なくとも1種類の薬物を組み込んでいる、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置を、前記哺乳動物における動脈瘤の部位に送達する処理であって、前記少なくとも1種類の薬物は、抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子を含んでいる、処理、
を含む、方法。
【請求項2】
高分子の生物分解性の植え込み可能な装置において、
高分子の生物分解性の材料と、
前記装置に組み込まれている抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子と、
を含んでいる、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、
前記高分子の生物分解性の材料は、乳酸およびグリコール酸、ポリ(ジオキサノン)(poly(dioxanone))、ポリ(トリメチレン・カーボネート)のコポリマー(poly(trimethylene carbonate) copolymers)、ポリ(ε−カプロラクトン)のホモポリマーおよびコポリマー(poly (ε-caprolactone) homopolymers and copolymers)、ポリ酸無水物(polyanhydrides)、ポリオルソエステル(polyorthoesters)、および、ポリホスファゼン(polyphosphazene)、により形成されている材料から成る群から選択される、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置において、
前記生物分解性の高分子材料は、ポリラクチド(polylactide)とトリメチレン・カーボネート(trimethylene carbonate)との混合物である、装置。
【請求項5】
請求項2に記載の装置において、
前記MMP抑制因子は、テトラサイクリン(tetracycline)の配合物である、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置において、
前記テトラサイクリン(tetracycline)の配合物は、ドキシサイクリン(doxycycline)、オーレオマイシン(aureomycin)、または、クロロマイシン(chloromycin)、である、装置。
【請求項7】
請求項5に記載の装置において、
前記テトラサイクリン(tetracycline)の配合物は、化学的に修飾されているテトラサイクリン(chemically-modified tetracycline)である、装置。
【請求項8】
請求項2に記載の装置において、
前記MMP抑制因子の抗動脈瘤の量は、約0.1mg/kg/日〜約30mg/kg/日である、装置。
【請求項9】
請求項2に記載の装置において、
前記MMP抑制因子は、前記高分子の生物分解性の材料の中に、直接に組み込まれている、装置。
【請求項10】
請求項2に記載の装置において、
前記MMP抑制因子は、前記高分子の生物分解性の植え込み可能な装置に供給される被膜の中に組み込まれている、装置。
発明の詳細な説明
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
〔発明の分野〕
本発明は、動脈瘤、特に、大動脈瘤、の治療、に関連している。さらに具体的に、本発明は、MMP抑制因子を組み込んでいる、高分子の生物分解性の装置、の植え込みによる、小腹大動脈瘤(small abdominal aortic aneurysms)(「AAA」)の治療、に関連している。本発明はまた、MMP抑制因子を組み込んでいる、植え込み可能な高分子の生物分解性の装置、にも関連している。
【0002】
〔関連技術〕
大動脈は体の最大の動脈であり、およそ庭用ホースほどの直径を有しており、心臓から高濃度酸素の血液を運ぶ血管である。この大動脈は、心臓から、下方に延びて、胸部および腹部の領域を通り、骨盤および足に血液を供給する二本のより細い血管に分かれる。大動脈瘤は、大動脈の壁部に沿うあらゆる場所において生じる可能性のある異常な膨張、である。たいていの大動脈瘤、すなわち、その約75%は、腹部を通る部分において生じ、したがって、「腹部動脈瘤」と呼ばれている。また、「胸部動脈瘤」と呼ばれている、他の大動脈瘤は、胸部を通る大動脈の部分において生じる。
【0003】
大動脈瘤、特に、腹部大動脈瘤、の一つの原因は、大動脈壁の中のエラスチンおよびコラーゲンの変性であり、膨張、進行性の成長、および最終的な破裂、を引き起こす。さらに、この大動脈瘤の破裂は、生命を脅かす内部の出血、を引き起こす。もちろん、動脈瘤が大きくなるほど、その破裂の危険性が高くなる。およそ15,000人が、毎年、米国において、破裂した大動脈瘤により、亡くなっている。間に合って検出されれば、大動脈瘤は、通常において、手術により、治療できる。
【0004】
不幸にも、たいていの大動脈瘤は症状が無く、胸部X線撮影、心エコー図、磁気共鳴画像法(MRI)またはコンピュータ連動断層撮影(CT)スキャン等のような、他の状況の評価中に、発見されるだけである。この動脈瘤の治療は、動脈瘤の大きさ、場所、および患者の全体的な健康、に依存している。動脈瘤が小さく、日常の検診中に発見される場合、すなわち、患者に動脈瘤の発見につながるいかなる症状も無い場合には、動脈瘤の治療は、通常において、その定期的な評価を含む。毎年の超音波診断法(ultrasound)は、動脈瘤の成長を追跡するために、最も多く用いられている。手術は、一般に、直径が5cmよりも小さい動脈瘤には、薦められていない。一方、直径が5cm以上の動脈瘤、モニターされてその大きさが急速に(すなわち、1年で1cmを超えて)増大していることが分かっている動脈瘤、または、患者に症状を引き起こしている動脈瘤は、通常において、破裂等のような合併症を防ぐために、手術を必要とする。
【0005】
動脈瘤の外科処置は、一般的に、その動脈瘤の摘出後の、血管の置換または人口的なプロテーゼの使用、を含む。また、他の場合に、患部の血管の中に、ステントまたはその他の脈管内装置(intravascular device)等のような、支持構造体を植え込むことにより、その患部の血管の中におけるストレスを軽減することも可能である。
【0006】
動脈瘤の形成を防ぐための予防法は、主に、患者の血圧を低下させることにより、脈管組織における機械的なストレスを減少させること、に関連している。不幸にも、血圧を下げるために用いられる薬物は、長期の使用にわたって望ましくない副作用を引き起こし、影響を受けている血管の構造を改善せず、既存の動脈瘤の成長を後退させることにおいて有効性を有していない、ということも示されている。
【0007】
上述したように、一部の動脈瘤の一つの具体的な原因は大動脈壁の中のエラスチンおよびコラーゲンの変性であることが決定されている。基質金属結合蛋白分解酵素(matrix metalloproteinases)(MMPs)として知られている、酵素、の系統群は、上記の変性過程を引き起こしてその速度を左右する原因になっている、と考えられている(トンプソン(Thompson)他に付与されている、米国特許第5,834,449号、を参照されたい)。また、MMPsの抑制因子は、上記の変性過程を遅らせる、一部の場合に、変性過程を抑える、ということが、示されている。このような抑制因子の一例である、ドキシサイクリン(doxycycline)、は、動物体モデルにおける動脈瘤の進行を遅らせることにおいて有効であると、示されている(カイト,K.(Kaito, K.)他による,「ドキシサイクリン・トリートメント・イン・ア・モデル・オブ・アーリー・AAA(Doxycycline Treatment In A Model Of Early AAA)」,サージェリー・トゥデイ(Surgery Today),33巻,p.426−433,(2003年)、および、ペトリニック,D.(Petrinic, D.)他による,「ドキシサイクリン・インヒビション・オブ・アニューリズマル・ディジェネレーション・イン・アン・エラスターゼ−インデュースド・ラット・モデル・オブ・AAA:プリザーベイション・オブ・アオーチック・エラスチン・アソシエイテッド・ウィズ・サプレスド・プロダクション・オブ・92kD・ゲラチナーゼ(Doxycycline Inhibition Of Aneurismal Degeneration In An Elastase-Induced Rat Model Of AAA: Preservation Of Aortic Elastin Associated With Suppressed Production Of 92kD Gelatinase)」,ジャーナル・オブ・バスキュラー・サージェリー(J. Vascular Surgery),23巻,2号,p.336−346,(1996年)を参照されたい。)
【0008】
動脈瘤の部位へのMMP抑制因子の送達は、変性の病気の有効な治療に対して、極めて重要である。米国特許第5,834,449号において開示されているように、抑制因子の送達は、ステントまたは移植片、カテーテル、塞栓コイル、フィルター、カニューレ、プロテーゼおよび当業者に周知のその他の類似の装置、等のような、植え込み可能な装置に、抑制因子の配合物を組み込むことにより、達成できる。このような抑制因子の配合物を、植え込み可能な装置の上の被膜の中、またはその植え込み可能な装置自体(この場合に、この装置は高分子材料により形成されている)に、組み込むことにより、その配合物を、原位置(in situ)において、制御放出(controlled-release)の方法で、送達できる。このような植え込み可能な装置を用いることにより、関連の血管のための付加的な直接の構造的な支持が行なえる。しかしながら、このように、相当な機能を与えるが、植え込み可能な装置は患者の体内に残る。
【0009】
〔発明の概要〕
本発明は、抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子を組み込んでいる、高分子の生物分解性の装置、の植え込みによる、哺乳動物における動脈瘤、特に、大動脈瘤、最も具体的には、小腹大動脈瘤(small abdominal aortic aneurysms)、の治療に関連している。本発明は、有機性の液体の存在下に生物学的な分解を受けやすく、抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子を組み込んでいる、高分子材料、により製造されている、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置に、さらに、関連している。本発明による治療は、動脈瘤の開始および成長を妨げるだけでなく、定着している動脈瘤の後退を誘発させることも可能である。いったん装置が動脈瘤の部位またはその近くに送達されて、MMP抑制因子も送達されると、その植え込みされた装置は生物分解して、最終的に、存在しなくなる。したがって、その薬物送達用の装置(drug-delivering device)を除去するために、別の外科処置は必要とされない。
【0010】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、哺乳動物における、小動脈瘤、具体的には、腹部大動脈瘤、の治療のための、薬物−装置の組み合わせ製品と、その方法と、に関連している。本発明によれば、被膜を介して、または、装置の材料の中への直接の組み込みにより、植え込み可能な高分子の生物分解性の装置の中に、1種類以上の薬物が組み込まれている。本発明による方法と植え込み可能な装置、の使用によるその装置の局所的な送達は、薬物または複数の薬物が病気の部位に直接に送達されることを可能にし、2種類以上の薬物を同時に送達させることにより、さらに有効な治療につながることを可能にし、その体の別の部分における薬物または複数の薬物によるあらゆる副作用を最小限にし、構造が無傷のままで、病気の部位が治療されている状態で、付加的な構造の支持を与えて、その装置が無用になった後にその装置が生物分解するので、治療後のその装置の「除去」に備えている。すなわち、装置の除去のために、別の外科的な介入は必要とされない。
【0011】
さらに具体的にいえば、本発明は、哺乳動物における大動脈瘤を治療するための方法において、少なくとも1種類の薬物を組み込んでいる、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置を、前記哺乳動物における動脈瘤の部位またはその近くに、送達する処理であって、前記少なくとも1種類の薬物は抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子を含んでいる、処理、を含む、方法、に関連している。用語の「大動脈瘤を治療する」は、既存の大動脈瘤の後退を誘発させることが望まれている既存の大動脈瘤の治療と、動脈瘤の全体的な予防、の両方、に及ぶことを意味する。本発明は、全ての種類の動脈瘤を治療する目的のために使用可能であるが、本発明は、特に、大動脈瘤の治療に関連しており、最も具体的には、腹部大動脈瘤の治療に関連している。
【0012】
なお、5cm以上の直径を有するたいていの大動脈瘤は手術を必要とするという事実により、本発明は、主として、5cm以下の直径を有する動脈瘤の治療に関連している。
【0013】
既に示されているように、本発明は、哺乳動物における動脈瘤の治療に関連しており、この哺乳動物の中で、人間が最重要である。ただし、本発明は、イヌ、ネコ、ウマおよびウシ等のような、他の哺乳動物の治療のために、使用することも可能である。
【0014】
本発明によれば、高分子の生物分解性の装置は、動脈瘤の部位またはその近くにおいて、哺乳動物に植え込まれる。すなわち、高分子の生物分解性の装置を、動脈瘤の部位に直接に植え込むことの代わりに、その装置は、病気になっている大動脈瘤の上流側にある血管の一部分の中に、植え込むことも可能である。このような様式において、薬物または複数の薬物は、その後、下流側に送達されて、病気の部位を治療することになる。AAAを治療するために用いられている現行の移植片における一つの課題は、特に、腹部大動脈の解剖学的な構造による、経時的な、装置の移動、である。この場合に、上流側の領域に植え込まれた、ステント等のような、生物分解性の装置は、比較的に容易に定着しやすく、これと同時に、薬物または複数の薬物は、正常な血流により、その病気の部位に運ばれることが可能になる。前記植え込み可能な高分子の生物分解性の装置は、適当な高分子の生物分解性の材料により作られている、当業者において周知の、任意の脈管内に植え込み可能な装置、とすることができる。本発明に従って使用可能である植え込み可能な装置の例は、ステントまたは移植片、カテーテル、塞栓コイル、フィルター、カニューレ、プロテーゼおよび当業者において周知のその他の類似の装置、である。これらの装置のいずれもが、動脈瘤の部位への薬物または複数の薬物の脈管内における送達、を可能にする。ただし、生物分解性のステントまたは移植片の使用が好ましい。
【0015】
本発明に従って用いられる植え込み可能な脈管内装置は、高分子の生物分解性の材料により、形成されている。当業者に周知の、任意の適当な、高分子の生物分解性の材料を用いることができる。生体適合物質としての使用のためのポリマーを選択するための一般的な基準は、機械的な特性と分解の時間とが、用途の要求に、一致することである。これらの基準は当業者において周知である。例えば、特定の用途のための理想的なポリマーは、(a)その機械的な特性が、用途に一致する、すなわち、周囲の組織が治療または治癒されるまで、十分に強く保たれる、(b)毒性または炎症反応を結果として生じない、(c)容易に滅菌される、(d)最終製品の形態に、容易に形成されること、(e)許容可能な貯蔵寿命を有している、および(f)その目的を果たした後に、体内において代謝されること、すなわち、何らの痕跡も残さない、ように、構成される。
【0016】
上述のように、生物分解性のポリマーにより調製された植え込み可能な装置は、薬物送達システムの単独として、または、医療装置として機能することに関連して、特定の所望の速度において分解して、薬物の送達のための基礎として作用するように設計できるという利点、を有している。生物分解性のポリマーの機械的な性能に影響する要因は、ポリマーの科学者において、周知であり、モノマーの選択、開始剤の選択、処理条件、および添加物の存在、を含む。これらの要因は、最終的に、ポリマーの親水性、結晶度、溶融温度およびガラス転移温度、分子量、分子量分布、末端基、シーケンス分布(sequence distribution)(ランダム型対ブロック型(random versus blocky))、および残留のモノマーまたは添加物の存在、に影響する。加えて、生物分解性の材料と共に研究しているポリマーの科学者は、生物分解におけるこれらの変数のそれぞれの影響について、これらの変数のそれぞれを評価する必要がある。
【0017】
周知の、高分子の生物分解性の材料の例は、乳酸およびグリコール酸、ポリ(ジオキサノン)(poly(dioxanone))、ポリ(トリメチレン・カーボネート)のコポリマー(poly(trimethylene carbonate) copolymers)、およびポリ(ε−カプロラクトン)のホモポリマーおよびコポリマー(poly (ε-caprolactone) homopolymers and copolymers)、に基く材料、を含む。これらの、植え込み可能な装置のために使用可能である、認可されている材料に加えて、多くの進行中の研究は、ポリ酸無水物(polyanhydrides)、ポリオルソエステル(polyorthoesters)、ポリホスファゼン(polyphosphazenes)、およびその他の生物分解性のポリマー、に向けられている。本発明に従って用いられる、最も好ましい装置は、グリコリド(glycolide)およびラクチド(lactide)、のホモポリマーまたはコポリマー、により構成されているポリエステルを含む。さらに、別の好ましい材料は、トリメチレン・カーボネート(trimethylene carbonate)およびε−カプロラクトン(ε-caprolactone)、のコポリマー(copolymers)、により構成されている。生物分解性の脈管内ステントの一つの具体的な例は、ポリラクチド(polylactide)とトリメチレン・カーボネート(trimethylene carbonate)との混合物、により成形されているもの、である。
【0018】
上記において示されているように、本発明によれば、少なくとも1種類の薬物が、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置、に組み込まれており、この薬物は抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子を含んでいる。多数のMMP抑制因子が、動脈瘤の成長および定着を抑制することにおける使用のために適している技術において、既に知られている。そのような、抗動脈瘤の作用を有する抑制因子の、一つの既知の系統群は、テトラサイクリンの配合物(tetracycline compounds)である。好ましいテトラサイクリンの配合物は、テトラサイクリンと、オーレオマイシン(aureomycin)およびクロロマイシン(chloromycin)等のような、その誘導体と、を含む。また、他の好ましいテトラサイクリンの配合物は、ドキシサイクリン(doxycycline)である。
【0019】
加えて、本発明に従って用いられるMMP抑制因子は、化学的に修飾されているテトラサイクリン(chemically-modified tetracycline)(CMT)、を含んでもよい。このようなCMTは、当業者において周知であり、4−デジメチルアミノテトラサイクリン(4-dedimethylaminotetracycline)(CMT−1)、4−デジメチルアミノ−5−オキシテトラサイクリン(4-dedimethylamino-5-oxytetracycline)、4−デジメチルアミノ−7−クロロテトラサイクリン(4-dedimethylamino-7-chlorotetracycline)(CMT−4)、4−ヒドロキシ−4−デジメチルアミノテトラサイクリン(4-hydroxy-4-dedimethylaminotetracycline)(CMT−6)、5a,6−アンヒドロ−4−ヒドロキシ−4−デジメチルアミノテトラサイクリン(5 a,6-anhydro-4-hydroxy-4-dedimethylaminotetracycline)、6−デメチル−6−デオキシ−4−デジメチルアミノテトラサイクリン(6-demethyl-6-deoxy-4-dedimethylaminotetracycline)(CMT−3)、4−デジメチルアミノ−12a−デオキシテトラサイクリン(4-dedimethylamino-12a-deoxytetracycline)(CMT−7)、6−α−デオキシ−5−ヒドロキシ−4−デジメチルアミノテトラサイクリン(6-α-deoxy-5-hydroxy-4-dedimethylaminotetracycline)(CMT−8)、6−α−ベンジルチオメチレンテトラサイクリン(6-α-benzylthiomethylenetetracycline)、テトラサイクリンのモノ−N−アルキル化アミド(mono-N-alkylated amide of tetracycline)、6−フルオロ−6−デメチルテトラサイクリン(6-fluoro-6-demethyltetracycline)、および11−α−クロロテトラサイクリン(11-α-chlorotetracycline)、を含むが、これらに限定されない。さらに、本発明に従って用いられる他の適当な抑制因子は、MMP関連の蛋白分解性の活性(MMP-related proteolytic activity)の、任意の有効な抑制因子、である。このような抑制因子は、関連のMMPsの合成または発現の抑制因子、ならびに、発現されたMMPの蛋白分解性の活性の抑制因子、を含む。また、上記の一つ以上の組み合わせ物も使用可能である。
【0020】
上記の使用する、抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子は、当業者が適当な量、すなわち、所望の結果を達成するために有効である投薬量、を決定できる。特に、動脈瘤の部位を治療するために有効であると共に、何らの望ましくない副作用も引き起こさない、最大限の投薬量を用いることが望ましい。例えば、約50mg/kg/日よりも多い投薬量におけるテトラサイクリンの配合物の投与でも、おそらく、望まれない副作用を結果として生じないであろう。したがって、約0.1mg/kg/日〜約30mg/kg/日の量の、テトラサイクリンの配合物の投薬量は、さらに許容可能であり、好ましい投薬量は、約1mg/kg/日〜約18mg/kg/日、である、ことが当業者において認められている。
【0021】
治療される哺乳動物の状況に応じて、1種類以上の薬物を、生物分解性の装置に、組み込むことができる。この生物分解性の装置に組み込まれる別の薬物は同一の攻撃目標を有していてもよいが、異なっているメカニズムによりその攻撃目標と戦ってもよく、または、まったく異なっている攻撃目標を有していてもよい。前記1種類以上の薬物は、例えば、MMP抑制因子に加えて、治療用または診断用の薬剤(agent)であってもよい。このような治療用の薬剤の例は、蛋白質(例えば、インスリンおよび他のホルモン)、多糖類(例えば、ヘパリン)、麻酔薬、抗生物質および化学療法剤(chemotherapeuric agents)、を含む。また、診断用の薬剤の例は、画像化剤(imaging agents)および造影剤(contrast agents)、を含む。
【0022】
動脈瘤の部位へのMMP抑制因子(および、組み込まれている、任意の他の薬物)の送達は、その抑制因子の配合物を、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置、に組み込むことにより、本発明に従って達成される。このことは、抑制因子の配合物を含有している被膜を、植え込み可能な装置に供給することにより、または、その抑制因子の配合物を、高分子の生物分解性の装置、に直接に組み込むことにより、行なうことができる。これらの両方の場合において、前記配合物は、動脈瘤の部位またはその近くに、直接に、制御放出(controlled-release)の方法で、送達されることになる。
【0023】
本発明の、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置、に組み込まれているMMP抑制因子の配合物の、経時的な放出(Time-release)または調整された送達(controlled-delivery)は、当業者における既知の方法に従って、用いられる。
【0024】
上記において、本発明の好ましい実施形態と考えられるものが図示および説明されているが、もちろん、形態または詳細におけるさまざまな変更および変形が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、容易に行なうことが可能であることが、理解されるであろう。それゆえ、本発明は、ここにおいて説明されていて図示されている、正確な形態、に限定されず、添付の特許請求の範囲の各請求項の範囲内に該当し得る全ての変更に及ぶ、と解釈されるべきである。
【0025】
〔実施の態様〕
(1)哺乳動物における大動脈瘤を治療するための方法において、
少なくとも1種類の薬物(drug)を組み込んでいる、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置を、前記哺乳動物における動脈瘤の部位に送達する処理であって、前記少なくとも1種類の薬物は、抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子を含んでいる、処理、
を含む、方法。
(2)実施態様1に記載の方法において、
前記大動脈瘤は、腹部大動脈瘤である、方法。
(3)実施態様1に記載の方法において、
前記大動脈瘤は、5cm以下の直径を有している、方法。
(4)実施態様1に記載の方法において、
前記哺乳動物は、人間である、方法。
(5)実施態様1に記載の方法において、
前記高分子の生物分解性の植え込み可能な装置は、ステント、移植片、カテーテル、塞栓コイル、フィルター、カニューレ、プロテーゼ等、である、方法。
【0026】
(6)実施態様1に記載の方法において、
前記高分子の生物分解性の植え込み可能な装置は、有機性の液体の存在下で生物学的な分解を受けやすい、生物分解性の高分子材料、を含む、方法。
(7)実施態様6に記載の方法において、
前記生物分解性の高分子材料は、乳酸およびグリコール酸、グリコリド(glycolide)およびラクチド(lactide)のホモポリマーまたはコポリマーにより構成されているポリエステル、ポリ(ジオキサノン)(poly(dioxanone))、ポリ(トリメチレン・カーボネート)のコポリマー(poly(trimethylene carbonate) copolymers)、ポリ(ε−カプロラクトン)のホモポリマーおよびコポリマー(poly (ε-caprolactone) homopolymers and copolymers)、ポリ酸無水物(polyanhydrides)、ポリオルソエステル(polyorthoesters)、および、ポリホスファゼン(polyphosphazenes)、により形成されている材料から成る群から選択される、方法。
(8)実施態様7に記載の方法において、
前記生物分解性の高分子材料は、ポリラクチド(polylactide)とトリメチレン・カーボネート(trimethylene carbonate)との混合物である、方法。
(9)実施態様1に記載の方法において、
前記MMP抑制因子は、テトラサイクリン(tetracycline)の配合物である、方法。
(10)実施態様9に記載の方法において、
前記テトラサイクリン(tetracycline)の配合物は、ドキシサイクリン(doxycycline)、オーレオマイシン(aureomycin)、または、クロロマイシン(chloromycin)、である、方法。
【0027】
(11)実施態様10に記載の方法において、
前記テトラサイクリン(tetracycline)の配合物は、化学的に修飾されているテトラサイクリン(chemically-modified tetracycline)である、方法。
(12)実施態様1に記載の方法において、
前記抗動脈瘤の量のMMP抑制因子は、約0.1mg/kg/日〜約30mg/kg/日である、方法。
(13)実施態様1に記載の方法において、
前記抗動脈瘤の量のMMP抑制因子は、約1mg/kg/日〜約18mg/kg/日である、方法。
(14)実施態様1に記載の方法において、
前記MMP抑制因子は、前記高分子の生物分解性の植え込み可能な装置の中に、直接に組み込まれている、方法。
(15)実施態様1に記載の方法において、
前記MMP抑制因子は、前記高分子の生物分解性の植え込み可能な装置に供給される被膜の中に組み込まれている、方法。
【0028】
(16)実施態様1に記載の方法において、
前記少なくとも1種類の薬物を組み込んでいる、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置を、前記哺乳動物における動脈瘤の部位に送達する処理は、その動脈瘤の部位への直接のその装置の送達、を含む、方法。
(17)実施態様1に記載の方法において、
前記少なくとも1種類の薬物を組み込んでいる、高分子の生物分解性の植え込み可能な装置を、前記哺乳動物における動脈瘤の部位に送達する処理は、その動脈瘤の部位の上流側へのその装置の送達、を含む、方法。
(18)高分子の生物分解性の植え込み可能な装置において、
高分子の生物分解性の材料と、
前記装置に組み込まれている抗動脈瘤に有効な量のMMP抑制因子と、
を含んでいる、装置。
(19)実施態様18に記載の装置において、
前記高分子の生物分解性の材料は、乳酸およびグリコール酸、ポリ(ジオキサノン)(poly(dioxanone))、ポリ(トリメチレン・カーボネート)のコポリマー(poly(trimethylene carbonate) copolymers)、ポリ(ε−カプロラクトン)のホモポリマーおよびコポリマー((poly (ε-caprolactone) homopolymers and copolymers)、ポリ酸無水物(polyanhydrides)、ポリオルソエステル(polyorthoesters)、および、ポリホスファゼン(polyphosphazene)、により形成されている材料から成る群から選択される、装置。
(20)実施態様18に記載の装置において、
前記生物分解性の高分子材料は、ポリラクチド(polylactide)とトリメチレン・カーボネート(trimethylene carbonate)との混合物である、装置。
【0029】
(21)実施態様18に記載の装置において、
前記MMP抑制因子は、テトラサイクリン(tetracycline)の配合物である、装置。
(22)実施態様21に記載の装置において、
前記テトラサイクリン(tetracycline)の配合物は、ドキシサイクリン(doxycycline)、オーレオマイシン(aureomycin)、または、クロロマイシン(chloromycin)、である、装置。
(23)実施態様21に記載の装置において、
前記テトラサイクリン(tetracycline)の配合物は、化学的に修飾されているテトラサイクリン(chemically-modified tetracycline)である、装置。
(24)実施態様18に記載の装置において、
前記抗動脈瘤の量のMMP抑制因子は、約0.1mg/kg/日〜約30mg/kg/日である、装置。
(25)実施態様18に記載の装置において、
前記MMP抑制因子は、前記高分子の生物分解性の材料の中に、直接に組み込まれている、装置。
【0030】
(26)実施態様18に記載の装置において、
前記MMP抑制因子は、前記高分子の生物分解性の植え込み可能な装置に供給される被膜の中に組み込まれている、装置。




 

 


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