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発明の名称 歪み集中ブリッジを備えた管腔内医療装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−125394(P2007−125394A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2006−299322(P2006−299322)
出願日 平成18年11月2日(2006.11.2)
代理人 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭
発明者 クレイグ・ボンシグノア / ジョン・イー・カールソン / ウィリアム・ショー
要約 課題
少なくとも一つの歪み集中ブリッジで連結した軸方向隣接セグメントを有する管腔内医療装置を提供する。

解決手段
目的治療部位への送達時には軸方向隣接セグメント100は連結したままである。送達後、管腔内医療装置50が配された領域内で十分な運動負荷が加えられると、少なくとも一つの歪み集中ブリッジ150は折れて、少なくとも二つの軸方向隣接セグメント100を離す。管腔内医療装置50及びブリッジ150は生体適合性金属材料で構成され、歪み集中ブリッジ150は軸方向隣接セグメントの歪み閾値レベルよりも低い歪み閾値レベルを有する。歪み集中ブリッジ150の構成材料あるいは寸法を変えることで、ブリッジ150の歪み閾値レベルを変えることができる。さらに、歪み集中ブリッジ150は切欠き歪み発生部、薄肉部、あるいは突起を受け入れる溝穴付き部を含んでもよい。
特許請求の範囲
【請求項1】
管腔内医療装置において、
解剖学的内腔への配置時は連続的に連結している一連の少なくとも二つの軸方向隣接セグメントと、
2つの前記一連の少なくとも二つの軸方向隣接セグメントを連結している少なくとも一つの金属製歪み集中ブリッジであって、各ブリッジは歪み閾値レベルを超える局所化した負荷が加わると折れる、金属製歪み集中ブリッジと、
を具備する、管腔内医療装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製歪み集中ブリッジのそれぞれは、
第1脚部と、
第2脚部と、
前記第1脚部を前記第2脚部に接続する歪み発生部であって、前記歪み閾値レベルを超えた場合に折れる脆弱点を有する、歪み発生部と、
をさらに有する、管腔内医療装置。
【請求項3】
請求項2に記載の管腔内医療装置において、
前記歪み発生部は、前記脆弱点が存在する円弧を含む、管腔内医療装置。
【請求項4】
請求項3に記載の管腔内医療装置において、
前記歪み発生部の前記歪み閾値レベルは、前記第1脚部あるいは前記第2脚部の長さに応じて変化する、管腔内医療装置。
【請求項5】
請求項3に記載の管腔内医療装置において、
前記歪み閾値レベルは、前記歪み発生部の前記円弧の長さに応じて変化する、管腔内医療装置。
【請求項6】
請求項3に記載の管腔内医療装置において、
前記軸方向隣接セグメントは、前記少なくとも一つの金属製歪み集中ブリッジを構成する金属材料とは異なる金属材料で構成されている、管腔内医療装置。
【請求項7】
請求項6に記載の管腔内医療装置において、
前記軸方向隣接セグメントは、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金のうち少なくとも一つからなる生体適合性材料で構成されている、管腔内医療装置。
【請求項8】
請求項7に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製ブリッジは、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金のうち少なくとも一つからなる生体適合性材料で構成されている、管腔内医療装置。
【請求項9】
請求項1に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製ブリッジのそれぞれは、溝穴付き部材を含み、
軸方向に整列して対になった一連の前記軸方向隣接セグメントは、対応する溝穴付き部材に受け入れられた突起をさらに含む、
管腔内医療装置。
【請求項10】
請求項9に記載の管腔内医療装置において、
各前記溝穴付き部材は、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金のうち少なくとも一つからなる生体適合性金属材料で構成されている、管腔内医療装置。
【請求項11】
請求項10に記載の管腔内医療装置において、
前記突起は、前記生体適合性材料のうちの一種類以上を含んでいる、管腔内医療装置。
【請求項12】
請求項1に記載の管腔内医療装置において、
ステント、
をさらに具備する、管腔内医療装置。
【請求項13】
請求項1に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製ブリッジのそれぞれの少なくとも一部内に含ませたか、あるいは前記少なくとも一部上に塗布した、放射線不透過性材料、
をさらに含む、管腔内医療装置。
【請求項14】
請求項13に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製ブリッジのそれぞれの少なくとも一部内に含ませたか、あるいは前記少なくとも一部上に塗布した、一種類以上の薬物あるいは生体活性剤、
をさらに含む、管腔内医療装置。
【請求項15】
管腔内医療装置において、
一連の少なくとも二つの軸方向隣接セグメントと、
前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメントを連結している少なくとも一つの歪み集中ブリッジと、
前記少なくとも一つのブリッジの薄肉部であって、前記薄肉部の耐荷力を超える局所化した負荷が加わると折れる、薄肉部と、
を具備する、管腔内医療装置。
【請求項16】
請求項15に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つのブリッジは、U字形である、管腔内医療装置。
【請求項17】
請求項16に記載の管腔内医療装置において、
前記薄肉部は、前記少なくとも一つのブリッジのU字形の頂点に在る、管腔内医療装置。
【請求項18】
請求項16に記載の管腔内医療装置において、
ステント、
を具備する、管腔内医療装置。
【請求項19】
請求項18に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメント、前記少なくとも一つのブリッジ、および前記ブリッジのそれぞれの前記薄肉部のうち少なくとも一つの中あるいは表面に含ませた放射線不透過性材料、薬物あるいは他の物質、
をさらに含む、管腔内医療装置。
【請求項20】
請求項18に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメント、前記少なくとも一つのブリッジ、および前記少なくとも一つのブリッジのそれぞれの前記薄肉部は、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金のうち少なくとも一つからなる生体適合性金属材料で構成されている、管腔内医療装置。
【請求項21】
請求項20に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つのブリッジのそれぞれの前記薄肉部は、前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメントのセグメント幅より狭い薄肉部幅を含む、管腔内医療装置。
【請求項22】
請求項20に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つのブリッジのそれぞれの前記薄肉部は、前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメントのセグメント幅に等しいか、あるいはほぼ等しい薄肉部幅を含む、管腔内医療装置。
【請求項23】
請求項21に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つのブリッジのそれぞれの前記薄肉部は、前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメントのセグメント幅より均一に狭い薄肉部幅を含む、管腔内医療装置。
発明の詳細な説明
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
〔発明の分野〕
本発明は管腔内医療装置に関する。また更に特定すれば、本発明はステントに関し、特定の閾値を超える荷重条件を受けるとステントの隣接するセグメントを離脱可能に連結する少なくとも一つの歪み集中ブリッジ(strain concentrating bridge)を有するステントに関する。
【0002】
〔関連技術〕
経皮経管血管形成術(PTA)は動脈の血流を増すために用いられる治療医療処置である。この処置においては、血管形成バルーンを狭窄した血管あるいは内腔(body passageway)内で膨らませて血管の壁成分を剪断し破壊して血管を拡げる。しかし、下にある組織の切開皮弁(dissection "flap")が発生することがあり、好ましくないことに折り重なって血管を塞いでしまうことがある。その結果、直ちに矯正手術が必要となる。
【0003】
より最近になって、ステントのような経皮プロテーゼ(transluminal prosthesis)を患者の血管、胆管、あるいは他の同じ様な器官に埋め込み、それらを開いたり、拡張したり、あるいはそれらの開存性を維持するのに使用されている。このようなステントの一例がパルマズ(Palmaz)に付与された米国特許第4,733,665号に記載されている。このようなステントはよくバルーン拡張ステントと呼ばれている。バルーン拡張ステントは普通一連の切れ目が入ったステンレス鋼の堅牢なチューブでできている。ステントは小さい第1直径部分を有し、これによりステントを人間の脈管系を通って目的の治療部位に到達するようにバルーンカテーテルに圧着結合できる。ステントはまた目的の治療部位に配置されたときにバルーンカテーテルによって管状のステントの内側から半径方向外側に向かって力を加えて拡張した第2直径部分を有する。
【0004】
このようなバルーンステントはある種の血管、例えば頚動脈などへの使用は実用的ではない。頚動脈は近づきやすく患者の皮膚の表面に近い。従って、そのような血管にバルーン拡張ステントを入れることは、日常の身体の動きを通しても患者にひどい傷を負わせてしまう危険を生じる、特に患者の首へ力が加わると血管内でステントが潰れてしまうような場合などは危険である。このような危険に一部対応する自己拡張(self-expanding)ステントが開発されており、自己拡張ステントは患者の首あるいはその周辺に加えられた力で一時的に潰れた後また拡張状態に戻る。
【0005】
自己拡張ステントの一つが米国特許第4,655,771号に開示されている。米国特許第4,655,771号に開示されているステントは半径方向と軸方向に撓みやすく、弾力性がある筒状の本体部分を有し、この本体部分は、その両端が相対的に軸方向に動くにつれ変化する所定の直径を持ち、また、この本体部分は、半径方向に自己拡張する螺旋を画定する、個々には頑丈ではあるがしなやかで弾力性のある複数の繊条素子(thread elements)でできている。このタイプのステントは当該分野では「編組ステント」の名で知られていて、本明細書でもそのように呼ぶ。このような編組ステントは、遠位端にステントを保持するための外側カテーテルおよび所定位置に置かれるとステントを前方に押す内側ピストンを含む装置を使用して血管内に配置できる。
【0006】
しかしながら、編組ステントには病変した血管を効果的に拡げておくには半径方向の力が不十分であることを始めとして多くの欠点がある。さらに、編組ステントを構成する複数のワイヤあるいはファイバーは、ステント本体から遊離したときには血管を突き抜けることがあるので危険になる。形状記憶および/あるいは超弾性特性を有する合金から作られたチューブに切れ目を入れた(tube-cut)ステントが編組ステントが抱える懸念にいくらか対応するものとして開発された。
【0007】
形状記憶特性によりステントが変形して内腔あるいは体腔内へ挿入し易くなりその後、例えば患者の身体の熱が十分加わることでステントは最初の形に戻る。他方、超弾性特性により通常ステントは変形しその変形状態を保持し患者の体内への挿入が容易にでき、このステントの変形によりステントを構成する材料に相変態が生じる。一旦患者の体腔内に入ると、超弾性ステントに対する制約はなくなりステントは最初の変形されていない状態に戻る。
【0008】
形状記憶/超弾性合金は普通少なくとも二つの相を持っている。これらの相は、引張り強度が比較的弱くまた比較的低温では安定しているマルテンサイト相と、引張り強度が比較的強くまたマルテンサイト相よりも高い温度で安定しているオーステナイト相である。
【0009】
形状記憶特性を合金に持たせるには、マルテンサイト相からオーステナイト相への変態が完了する温度、即ちオーステナイト相が安定している温度(Af温度)より高い温度まで合金を加熱する。この熱処理時の金属の形状が「記憶された」形状である。熱処理した合金はマルテンサイト相が安定する温度にまで冷却してオーステナイト相からマルテンサイト相への変態をおこなう。次に、マルテンサイト相の合金を、例えば患者の体内への挿入を容易にするために塑性変形する。つづいて変形したマルテンサイト相の合金をマルテンサイト相からオーステナイト相への変態温度より高い温度に加熱すると、変形した合金のマルテンサイト相がオーステナイト相に変態し、この相変態時に合金は抑制がなければ元の形状に戻る。抑制されているならば、それがなくなるまで合金はマルテンサイト相にとどまる。
【0010】
患者の体内に配置する目的の医療装置にこれら合金の形状記憶特性を利用する方法は操作上困難がある。例えば、マルテンサイト相安定温度が体温より低い形状記憶合金の場合、そのような合金を含む医療装置を患者の体内に挿入している時にマルテンサイト相からオーステナイト相への相変態を防ぐために医療装置の温度を体温より十分低く維持するのが困難であることがよくある。マルテンサイト相からオーステナイト相への相変態温度が体温よりも十分高い形状記憶合金で作った血管内配置の装置の場合、患者の体内への挿入はほとんど問題ないが、しばしば組織を損傷するほど高いマルテンサイトからオーステナイトへの相変態温度にまで装置を加熱する必要がある。
【0011】
オーステナイト相が安定している温度(即ち、マルテンサイト相からオーステナイト相への相変態が終了している温度)より高い温度で超弾性特性を示すニチノールのような合金あるいは金属の試験片(specimen)に応力(stress)を掛けると、応力によりオーステナイト相からマルテンサイト相への相変態が合金に起きるある特定の応力レベルになるまで、試験片は弾性的に変形する。相変態が進むにつれて、合金の歪み(strain)はかなり増加するが応力がそれに対応して増加することはほとんどない、あるいはまったくない。オーステナイト相からマルテンサイト相への相変態が終わるまで応力はほぼ一定であるが歪みは増加する。その後、さらに変形させるには応力を大きくする必要がある。マルテンサイト合金または金属は、応力をさらに掛けると最初は弾性的に変形するがそれに続いて永続的に残る塑性変形をおこなう。
【0012】
もし永久変形が発生する前に試験片への負荷(load)を取除くと、マルテンサイト相の試験片は弾性的に回復し元のオーステナイト相に戻る。応力が減少すると、最初に歪みが減少する。応力の減少がマルテンサイト相から元のオーステナイト相に戻るレベルに近づくにつれ、試験片内の応力レベルはオーステナイト相への変態が完了するまでほぼ一定(しかしオーステナイト相からマルテンサイト相への変態時の一定な応力レベルよりかなり低い)である、即ち歪みはかなり回復するがそれに対応する応力の減少は無視できる程度のものである。オーステナイト相への変態が完了した後、さらなる応力減少が弾性歪みを減少させる。負荷が加わると比較的一定した応力でかなり歪みが発生しまた負荷がなくなると変形から回復するこの能力は、一般に超弾性(superelasticity)あるいは擬似弾性(pseudoelasticity)と呼ばれている。チューブに切れ目を入れた自己拡張ステントを製作するのに役立つのはこの特性である。
【0013】
ステントの挿入とその配置に関連する圧縮力が自己拡張ステントの問題になることがある。例えば、周期的に配置されたブリッジを有するステントのデザインでは、結果として生じる、ブリッジで繋がっていないループ間の間隙が不都合となる場合がある。ステントの挿入とその配置の両方において、ステントは小さな直径にしかならず強い軸方向の圧縮力を受ける。この力はループを繋ぐブリッジによってステントの軸方向に伝達され、ループがブリッジで繋がっていない所では隣接するループがバックリングあるいは圧縮されることもあり、このようなバックリングまたは圧縮は好ましくない。
【0014】
自己拡張ステントについての他の問題としては放射線不透過性の低下があり、そのためマーカーをステントに付けることがよくある。マーカーを取付けるとステントが厚くなりがちで、ステントから剥がれたりあるいはステントの性能を損なったりする可能性がある。
【0015】
さらに他の問題はステントの相互接続された素子間の力の伝達である。従来の血管用ステントは、架橋素子で軸方向に接続された一連のリング状の半径方向に拡張可能な構造部材を具備する傾向にある。ステントが患者の生理的運動により生体内で屈折、伸張あるいは圧縮されると、それに応じてリング状の構造部材が分散して血管内の周囲の形状に合った形になる。このような荷重状態により、リング状構造部材がたがいに軸方向の位置を変える。架橋素子はリング状構造部材を拘束し、従ってそれらのリング状構造部材間の歪みの伝達を助長する。送達および配置時に起こる、別なやり方で構造部材が拘束されるステントの軸方向および半径方向への拡張とステントの屈曲により従来の構造部材を相互接続したステントは疲労破断を起こしやすい。患者の体内での生理的運動も従来のステントの疲労破断の一因となる。
【0016】
従って、歴史的に見るとステントは患者の体内に連続した形のまま在るように設計されてきた。しかし、長手方向に伸張、あるいは過度に圧縮または屈曲させられたりする血管内などの場合ようにステントが体内で分離できるのが望ましいことがある。そのような場合、脆弱な(frangible)ステントは血管の抵抗(vessel opposition)を強めたりあるいは拡がったステントが血管の内腔領域に入り込むのを最小にしたりするのに役立つことが分かる。ステントの各部分が体内で物理的に分離する場合には、生理的運動あるいは他の原因でステントの構造部材を伝わりそれらを損傷することがある周期的な歪みを最小限に抑制できる。
【0017】
譲受人が本願と同じである2003年10月18日に提出した同時係属米国特許出願第10/687,143号に記載した場合の様に、疲労破断の発生を極力抑えるために連結した支柱部分(connected strut segments)をステントの配置と同時に分離するように設計しても、そのようなステントは、特に目的部位への移動時、特にLD比、即ち拡張した支柱部分の長さLの拡がったステントの直径Dに対する比が1より大きい場合は、不安定で血管内で傾きやすいか、あるいは回転しやすいのが分かる。他方、LD比が零に近づく場合、特にLが零に近づく場合には、ステントを構成するいろいろなセグメントが所望の血管の内腔にしっかりと対向する前に分離する傾向があるので、それらのセグメントの一様で予測可能な位置決めが損なわれる。またステント移送装置からセグメントが不意に押出されることもある。
【0018】
本願と同じ出願人で2004年2月13日に提出された同時係属米国特許出願第10/779,493号で2005年8月18日に米国特許公告第2005/0182479号においては、管腔内ステント装置の隣接するリングは重合材でできている壊れやすいブリッジ部材で連結されているおり、上記米国特許公告のすべてのないようは参照により本明細書に組込まれる。重合材のブリッジは、歪みのレベルが閾値レベルをこえると隣接するリングが折れる前にブリッジが折れるように隣接するリングよりも脆弱である。実際、ステントはその隣接するリングを連結した状態で送達されるが、配置後に十分な歪みが加えられると重合材のブリッジが折れて一つあるいは複数の隣接するリングが他の隣接するリングから分離するようにできる。しかし、重合材のブリッジの特徴は金属などの他の材料でできたブリッジでは見られず、また患者の要求になおいっそう応えるためにさまざまな歪み閾値レベルに対応できるブリッジあるいはリングのいろいろな大きさまたは他の変更に対処していない。
【0019】
上述したところを考えると、血管あるいは他の内腔内にステントをより安定して配置するため送達時にまた配置後まで連結している、隣接したセグメントを有するステントが求められている。さらに、金属材料製で、所望の歪み閾値レベルに対応する大きさとされ、隣接するセグメントを連結している脆弱なブリッジを有するステントが求められている。
【0020】
〔発明の概要〕
本発明のシステムおよび方法のさまざまな態様は、軸方向に隣接するセグメントを少なくとも一つの歪み集中ブリッジ(strain concentrating bridge)で連結した管腔内医療装置を含み、軸方向隣接セグメントは装置の所望治療部位への送達時には連結されたままとなっている。上記少なくとも一つの歪み集中ブリッジは、装置が患者の体内で十分大きな運動負荷が加わる領域に置かれると折れて、軸方向に隣接するセグメントを分離する。勿論、運動負荷が最小または小さい領域に装置が置かれた時には、装置はそのままである。この医療装置は少なくとも二つの軸方向隣接セグメントを含むステントであるのが好ましい。
【0021】
好ましい実施例では、連結した軸方向隣接セグメントは脆弱なブリッジにより連結され、脆弱なブリッジそれぞれは切欠き歪み発生部により第2ブリッジ脚部に連結されている第1ブリッジ脚部を含む、ほぼU字形の金属部品である。従って、各ブリッジはヒューズとして作用し、それにより切欠き歪み発生部は負荷状態下のブリッジの周期的な歪みの集中点となる。実際、ステントを従来のやり方で目的治療部位に配置すると、ステントが配置された血管または他の内腔で発生する周期的な負荷、あるいは他の生理的運動状態に応じて第1ブリッジ脚部および第2ブリッジ脚部が撓むことができる。周期的な負荷、あるいは他の生理的運動状態がある所定の閾値レベルを超えると、切欠き歪み発生部がその歪み集中点で疲労し破断する。各ブリッジの切欠き歪み発生部はこのように破断して、周期的な負荷あるいは歪みをステントの隣接するセグメントに伝えるのではなくその隣接するセグメントを分離させる。各ブリッジの第1ブリッジ脚部と第2ブリッジ脚部のいずれか一方または両方の長さを増やしてブリッジによる長手方向あるいは圧縮力を吸収して、ブリッジが例えばその長手方向の撓みにより折れる前にそれぞれのブリッジに加えられるモーメントを増やすこともできる。従って、ブリッジの閾値レベルを少なくとも一部はブリッジの寸法に基づいて決定してもよい。ブリッジの閾値レベルを、少なくとも一部で、ブリッジを構成する材料に基づいて決めることもでき、本発明では金属材料が好ましい。勿論、局所化した周期的歪みあるいは他の負荷がブリッジの所定の閾値レベルをこえなければ、隣接するセグメントはブリッジにより連結されたままである。
【0022】
他の実施例では、連結された軸方向隣接セグメントは薄肉部を有するブリッジにより連結される。ブリッジとその薄肉部は軸方向隣接セグメントを同じ生体適合性材料で構成されるが、十分な運動負荷を受けるとブリッジの薄肉部で折れる。ブリッジとその薄肉部はそれ以外の点では上述した切欠き歪み発生部を有する脆弱なブリッジを備えた実施例と概ね同じである。
【0023】
ある実施例では、ステントはニチノール(Nitinol)などの自己拡張材料で構成され、圧迫された状態でステントが目的の治療部位に送達されその後ステントが配置された血管あるいは他の内腔で拡張状態に戻るように構成されている。他の実施例では、ステントは塑性変形材料で構成され、生体吸収性拘束手段でその拘束手段が吸収されるまで圧迫された状態に保持され目的の治療部位に送達されその後ステントは塑性拡張状態になるよう構成されている。さらに他の実施例では、ステントは本明細書に記載のバルーン拡張ステントでの実施例とほぼ同じのバルーン拡張ステントで構成されている。さらに他の実施例では、少なくとも一つのブリッジは軸方向隣接セグメントから延長する突起が挿入される溝穴のついた部材で構成される。いずれにしても、ブリッジの数、形状、および配列は変更可能で、さまざまな医療および生理学的必要性に応えるために、ブリッジの一部に放射線不透過材料あるいは薬剤溶出または他の生体活性剤を含ませることもできる。
【0024】
不連続なステント構造の独立、非連結特性により、ステントのセグメントの形状を血管あるいは他の内腔のステントを入れていない部分(unstented segment)の形状により近づけることができる。従来の連続したステント構造は、その架橋素子が急激な局部的な負荷の変化あるいはステントの長さにおける歪みを隣接する構造へ伝えてしまうのでこれらの局部的な影響に簡単に対応しない。不連続なセグメントで構成したステントでは、局部的な加負荷状態に基づいて、負荷あるいは歪みを軸方向隣接セグメントのリング間に軸方向に送らずに架橋素子が折れるとその局部的な影響をそのまま局所にとどめておくことができる。この作用によって、ステントが配されている血管あるいは他の内腔の撓みの自然発生状態に各セグメントを、より容易に合わせることができる。臨床結果の治癒および持続性(healing and durability)は結果として改良傾向にある。
【0025】
部品の構造および組み合わせについてのいろいろな新規な詳細事項を含む本発明の上述した特徴また他の特徴を、添付図面および特許請求の範囲に関してより具体的に説明する。本明細書に述べる本発明のさまざまな代表的実施例は発明の例示のために過ぎず発明を限定するものではないことは理解されよう。本発明の原理および特徴は発明の範囲を逸脱することなく他のいろいろな実施例に適用することもできる。
【0026】
本発明の装置ならびに方法のこれらと他の特徴、側面および利点は以下の説明、添付特許請求の範囲および添付図面からさらによく理解されるであろう。
【0027】
〔発明の詳細な説明〕
図1A〜図1Cは一連の軸方向隣接セグメント100を含むステント50を示す。これらのセグメント100は、コーディス・コーポレイション(Cordis Corporation)製のパルマズ(商標)(Palmaz)ステントあるいはパルマズ‐シャッツ(商標)(Palmaz-Schatz)ステントまたは同じくコーディス・コーポレイション製のスマートステント(商標)(Smart Stent)におけるようにステンレス鋼あるいはニチノールで構成することができる。これらのセグメント100は体内に配置されたときには半径方向の強度が大きいものとしている。セグメント100は自己拡張するものでもよいし、または拘束がなくなると塑性拡張するものでもよく、あるいはバルーンカテーテル(図示せず)を使って拡張させることもできる。いずれにしても、ステントを目的どおり患者の血管内あるいは他の内腔内に配置したときにセグメント100が拡張するのが理想的である。
【0028】
図1A〜図1Cに示す実施例において、軸方向隣接セグメント100の幾つかは少なくとも一つの脆弱な歪み集中ブリッジ150により連結されている。図1A〜図1Cに示すように、三つの脆弱なブリッジ150が各セグメント100の周囲に離れて配置されている。しかし、隣接するセグメント100の間に少なくとも一つのブリッジ150を配置する限り、一つのセグメント100当たり三つより多い、または三つより少ない数の脆弱なブリッジ150を配置する場合のように一つのセグメント100当たりに別の配列も可能であることは当業者には分かるであろう。このようにして、いくつかの隣接セグメントを他の隣接セグメント100よりも多いブリッジ150で連結することもできる。
【0029】
脆弱なブリッジ150はそれぞれ第1ブリッジ脚部151、第2ブリッジ脚部152、および第1および第2ブリッジ脚部を結ぶ切欠き歪み発生部(notched strain riser)160をさらに含む。切欠き歪み発生部160は、ブリッジ150の第1および第2ブリッジ脚部151、152を結ぶためにほぼブリッジ150の頂点にある。脆弱点161の位置は歪み発生部160の円弧内に置かれている。歪み発生部160は、脆弱点161の位置での破損、即ち破断まで耐えることのできる所定の歪み閾値レベルを持っている。このような破損により、歪みが閾値を超えた局部的な領域内で隣接するセグメント100が分離する。脆弱点161の位置は歪み発生部160がその円弧に沿ったどの点ででも折れる、即ち破断する位置となる。例えば、図1Bは他のブリッジ150は歪みがその閾値レベルを超えていないので折れないでそのままであるのに、閾値レベル以上の局部的な歪みを受けたブリッジは破断状態Xにあるのを示す。
【0030】
脆弱点161の位置における歪みの所定閾値レベルは、ブリッジ150を構成する材料、切欠き歪み発生部160の形状、ならびに第1および第2ブリッジ脚部151、152の大きさを始めとする幾つかの要因に基づく。例えば、第1ブリッジ脚部151と第2ブリッジ脚部152の一方あるいは両方を、第1ブリッジ脚部151の長さAのように長くすると、歪み発生部160の所定の閾値レベルにより早く到達するように歪み発生部160に加わる中心力、即ちモーメントが最大になる傾向がある。その結果、ステント50の他の部分の歪みあるいは応力が減少傾向に、あるいはステント50のいろいろな軸方向隣接セグメント100の周囲に少なくともよりよく分散される。あるいは、ひとつのセグメント100から歪み発生部160のほぼ中点(図1)までのブリッジ150の長さ(B)(図1A)を長くしても、歪み発生部160の閾値レベルを変えることもでき、長さ(B)を長くすると歪み発生部160の閾値レベルが低下傾向になる。勿論、歪み発生部160の円弧を長くし、あるいは短くしてブリッジ150の閾値レベルを変えることもでき、円弧を長くすると閾値レベルが低下してブリッジ150がそれだけ早く折れることになる。ブリッジ150のあるものだけが折れるがブリッジ150の他のものは折れることなくそのままであるように歪みを局部化できることは当業者には分かるであろう。
【0031】
歪み発生部160ならびに第1および第2ブリッジ脚部151、152を含むブリッジ150は、本発明によれば一種類または複数種類の生体適合金属材料で構成するのが好ましい。生体適合金属は、例えばチタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金あるいは組み合わせ、または患者の解剖学的構造(anatomy)内での使用に適した他の既知の、あるいは後に開発された生体適合材料でよい。生体適合性材料は、ブリッジが折れたときにステントが配置されている血管の管腔あるいは他の内腔に望ましくない衝撃を与えないために生体吸収性(bioabsorbable)のものが最も好ましい。ステント50を患者の脈管系あるいは他の内腔に配置するので、ステント50、または特にブリッジ150を映像化するために放射線不透過(radiopaque)物質をブリッジ150あるいはステント50のセグメント100に添加または塗布してもよい。医療または生理学的要求にさらによく応えるために、薬物あるいは他の生物活性剤をステント50のブリッジ150あるいはセグメント100の全部または一部に添加したりまたは塗布したりしてもよい。
【0032】
ステントを患者の脈管系あるいは他の内腔に配置すると、患者の生理的運動によりステントに周期的な歪みが発生する。内腔の長手方向の運動により、例えば図1Aおよび1Bの矢印で示すようにステント50のセグメント100は長手方向に伸縮する。従って、切欠き歪み発生部160は、ステントが配置されている血管あるいは他の内腔の長手方向の運動により第1ブリッジ脚部151または第2ブリッジ脚部152が撓むときのような加負荷状態時に加えられる周期的な歪みの集中点として作用する。切欠き歪み発生部160は、加負荷状態がブリッジ150が耐えるように設計されている所定の歪み閾値レベルを超えた場合折れる、即ち破断するように構成されている。このようにして、周期的な歪みあるいは他の応力は、脆弱なブリッジが接続している隣接セグメントには伝わらない。かえって、歪みが閾値レベル以上になっている、一つあるいはそれ以上の脆弱なブリッジ150が折れると軸方向隣接セグメント100はそれらのブリッジから離れ、それによりステントの他のセグメント100における有害な疲労破断の可能性を最小限にする。
【0033】
上述したように軸方向隣接セグメントを接続する少なくとも一つの脆弱なブリッジ150を有するステント50は従来のステント製造法で作るのが好ましい。しかし、切欠き歪み発生部160は、患者の血管あるいは他の内腔内への配置時に脆弱なブリッジ150が意図したとおり折れるように脆弱なブリッジ150をレーザカットまたはエッチングして形成する。その任意の部分を含めたステント50に当該技術分野でよく知られているように薬物または他の生体活性剤を装填することができる。
【0034】
図2A〜図2Cは不連続なセグメントを少なくとも一つの歪み集中ブリッジで連結したステントの他の実施例を示す。ステント500は、その少なくとも一つのブリッジ1150が軸方向隣接のセグメント1100から突起1300が嵌め込まれた溝穴付き部材1200を含むことを除いて上述したステント50と大体同じである。前述したように、上記少なくとも一つのブリッジ1150は、ブリッジが折れたときにステント500が配置されている血管の管腔あるいは他の内腔に望ましくない衝撃を与えないために生体吸収性のものが最も好ましい一種類または複数種類の既知の、あるいは後に開発された生体適合金属材料、合金あるいはその組み合わせで構成する。放射線不透過性物質、薬物または生体活性剤を上記少なくとも一つのブリッジあるいはステントのセグメントの一部または全部に添加または塗布してその映像化を向上したり、あるいは医療あるいは生理学的要求にさらによく応えるようにしたりすることもできる。突起1300は、そのような放射線不透過物質、薬物あるいは他の物質を受け入れる、例えば穴1301を備えていてもよい。
【0035】
製作時にはいろいろな隣接セグメント1100が、例えば図2Cに示すように一対一に並置される。次にブリッジ1150の溝穴付き部材1200を、突起1300を囲むために、また可能ならば放射線不透過物質、薬物あるいは他の物質を穴1301に充填するために、所望の隣接セグメント1100に直接融着する。このようにして、送達時にはステントは連続しているが、上記少なくとも一つのブリッジ1150のいずれかが十分な歪みにより折れると局所的に不連続になることもある。ブリッジ1150を構成する生体適合性金属材料は、周期性歪みあるいは他の負荷状態が隣接するセグメントに伝わる望ましくない可能性を減らすためにセグメント1100または突起1300を構成する材料よりも周期性歪みの閾値が低い。
【0036】
図3Aと図3Bはセグメントを少なくとも一つの歪み集中ブリッジで連結したステントの他の実施例を示す。図3Aおよび図3Bに示す実施例は図1A〜図1Cに示し説明した実施例とほぼ同じであるが、図3Aおよび図3Bではブリッジ1500が図1A〜図1Cにおける切欠き歪み発生部160の代わりに薄肉部1700を含む点が異なる。
【0037】
図3Aに示すように、ステント5000は軸方向隣接セグメント1000を含み、少なくともその一部はほぼU字形のブリッジ1500で連結されている。U字形ブリッジ1500の一部に薄肉部1700を含む。図3Aおよび図3BではU字形ブリッジ1500の頂点に薄肉部1700を有するように示されているが、薄肉部1700はブリッジ1500の頂点以外のところでもよい。ブリッジ1500およびその薄肉部1700は軸方向隣接セグメント1000を構成するものと同じ生体適合性材料で構成するのが好ましい。ブリッジ1500の薄肉部1700を軸方向隣接セグメント1000のセグメント幅(sw)よりも狭い薄肉部幅(tpw)にまで均一に薄くするのが理想的である。あるいは、薄肉部幅(tpw)はセグメント幅(sw)に等しいかあるいはほぼ等しくしてもよく、この場合でも少なくとも一部はブリッジ1500のU字形状によりブリッジ1500内に自然に発生する歪みを集中させる。
【0038】
図3Bは図3Aの囲み部分の差込図で、セグメント1000、ブリッジ1500およびその薄肉部1700の関係をより詳細に示す。図3Bに示すように、セグメント1000のセグメント幅(sw)は、例えば約0.1372mm(0.054インチ)で、この幅swはブリッジ1500全体に続いてその後、例えば約0.1041mm(0.0041インチ)の薄肉部幅(tpw)になる。勿論、他のセグメント幅(sw)および薄肉部幅(tpw)にして、当業者には容易に分かるように、医療および生理学的必要に応じてブリッジ1500とその薄肉部の耐荷力(load bearing capacity)あるいはたわみ傾向(yield tendencies)を得てもよい。同様に、薄肉部1700を均一な薄さのもとして述べたが、医療および生理学的必要に従って、薄肉部をステントの耐荷力あるいはたわみ傾向に合わせるために薄さを均一なもの以外にしてもよい。前述したように、ブリッジ1500とその薄肉部1700あるいはステント5000のセグメント1000は放射線不透過性物質、薬物または他の物質を組込んだりあるいは塗布してステントの映像化および治療効果を向上したりすることもできる。
【0039】
所定の治療部位に送達後、ステント50、500あるいは5000をそれに対する拘束が低下した後にバルーンカテーテル、自己拡張材料、または塑性拡張材料の使用などの従来の方法によって拡張させる。いずれにしても、ステントが血管の内腔或いは他の内腔で拡張した後、ブリッジは体内で自然に発生する腐食作用を受ける。生理的運動と相俟って、これらの腐食作用は一定時間経過後にはブリッジの金属材料を分解しようとする。そのような時間経過後に十分な歪みを受けると、一つあるいはそれ以上のブリッジが折れて隣接するセグメントの一部が互いに離間できるのが理想的である。隣接セグメントがこのように離間すると、ステントが配置されている血管あるいは他の内腔の生理的運動をステントはより容易に対応できる。
【0040】
上述したさまざまな実施例の歪み集中ブリッジは柔軟な蝶番として作用するので、これもステントの展開特性を向上させることができる。上述したブリッジは送達時には標準的な接続部材よりも若干柔軟なので、ステントは従来のものに比べてより厄介な内腔を通り抜けることができる。従って、上述したブリッジによればステントが曲がったり、引っ張られたり、圧縮されたり、あるいは捩れたときにステントの他の部分よりも早くまたより大きい大きさで歪みがブリッジに集中する。ブリッジで最大の歪みを受けるので、ブリッジが折れて半径方向の負荷を受ける軸方向隣接セグメントなどのステントの他の構造部分が一体に保たれる。そのように構成されているので、ステントの合成構造は送達および配置時に単一のステントとして機能する。しかし、少なくとも一つの歪み集中ブリッジが吸収された後は軸方向隣接セグメントがつながっていず、不連続でたがいに無関係になる。このことは長手方向に伸長、圧縮あるいは屈曲する血管においては利点である。
【0041】
さらに、薬剤溶出技術と組み合わせると、前記少なくとも一つのブリッジがステントにおいて付加的な薬物送達貯蔵部を形成する。薬物の塊(bolus)を一部あるいは全部のブリッジ上あるいはそれらの中に保持してブリッジが患者の体内に吸収されたら送達するようにできる。
【0042】
上述した本発明のさまざまな典型的な実施例は本発明のシステムおよび方法の他の実施例を限定するものではない。本明細書で述べた内容は、当業者には分かるように、単に例示目的で言及した材料、設計あるいは形状に限定されず、記載したシステムおよび方法に適した他のいろいろな材料、設計あるいは形状を含むことができる。
【0043】
本発明の好ましい実施例と思われるものを図示し説明したが、形状および詳細な点についてのさまざまな変形および変更が本発明の精神あるいは範囲を逸脱することなく容易にできることは理解すべきは勿論である。従って、本発明がここに記載しまた図示した正確な形状に限定される意図はなく、添付の特許請求の範囲に入るすべての変形をカバーするものと解釈すべきである。
【0044】
〔実施の態様〕
(1)管腔内医療装置において、
解剖学的内腔への配置時は連続的に連結している一連の少なくとも二つの軸方向隣接セグメントと、
2つの前記一連の少なくとも二つの軸方向隣接セグメントを連結している少なくとも一つの金属製歪み集中ブリッジであって、各ブリッジは歪み閾値レベルを超える局所化した負荷が加わると折れる(yielding)、金属製歪み集中ブリッジと、
を具備する、管腔内医療装置。
(2)実施の態様1に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製歪み集中ブリッジのそれぞれは、
第1脚部と、
第2脚部と、
前記第1脚部を前記第2脚部に接続する歪み発生部であって、前記歪み閾値レベルが超えた場合に折れる(yield)脆弱点を有する、歪み発生部と、
をさらに有する、管腔内医療装置。
(3)実施の態様2に記載の管腔内医療装置において、
前記歪み発生部は、前記脆弱点が存在する円弧を含む、管腔内医療装置。
(4)実施の態様3に記載の管腔内医療装置において、
前記歪み発生部の前記歪み閾値レベルは、前記第1脚部あるいは前記第2脚部の長さに応じて変化する、管腔内医療装置。
(5)実施の態様3に記載の管腔内医療装置において、
前記歪み閾値レベルは、前記歪み発生部の前記円弧の長さに応じて変化する、管腔内医療装置。
(6)実施の態様3に記載の管腔内医療装置において、
前記軸方向隣接セグメントは、前記少なくとも一つの金属製歪み集中ブリッジを構成する金属材料とは異なる金属材料で構成されている、管腔内医療装置。
(7)実施の態様6に記載の管腔内医療装置において、
前記軸方向隣接セグメントは、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金のうち少なくとも一つからなる生体適合性材料で構成されている、管腔内医療装置。
(8)実施の態様7に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製ブリッジは、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金のうち少なくとも一つからなる生体適合性材料で構成されている、管腔内医療装置。
(9)実施の態様1に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製ブリッジのそれぞれは、溝穴付き部材を含み、
軸方向に整列した対になった一連の前記軸方向隣接セグメントは、対応する溝穴付き部材に受け入れられた突起をさらに含む、管腔内医療装置。
(10)実施の態様9に記載の管腔内医療装置において、
各前記溝穴付き部材は、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金のうち少なくとも一つからなる生体適合性金属材料で構成されている、管腔内医療装置。
【0045】
(11)実施の態様10に記載の管腔内医療装置において、
前記突起は、前記生体適合性材料のうちの一種類以上を含んでいる、管腔内医療装置。
(12)実施の態様1に記載の管腔内医療装置において、
ステント、
をさらに具備する、管腔内医療装置。
(13)実施の態様1に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製ブリッジのそれぞれの少なくとも一部内に含ませたか、あるいは前記少なくとも一部上に塗布した、放射線不透過性材料、
をさらに含む、管腔内医療装置。
(14)実施の態様13に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つの金属製ブリッジのそれぞれの少なくとも一部内に含ませたか、あるいは前記少なくとも一部上に塗布した、一種類以上の薬物あるいは生体活性剤、
をさらに含む、管腔内医療装置。
(15)管腔内医療装置において、
一連の少なくとも二つの軸方向隣接セグメントと、
前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメントを連結している少なくとも一つの歪み集中ブリッジと、
前記少なくとも一つのブリッジの薄肉部であって、前記薄肉部の耐荷力を超える局所化した負荷が加わると折れる(yield)、薄肉部と、
を具備する、管腔内医療装置。
(16)実施の態様15に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つのブリッジは、U字形である、管腔内医療装置。
(17)実施の態様16に記載の管腔内医療装置において、
前記薄肉部は、前記少なくとも一つのブリッジのU字形の頂点に在る、管腔内医療装置。
(18)実施の態様16に記載の管腔内医療装置において、
ステント、
を具備する、管腔内医療装置。
(19)実施の態様18に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメント、前記少なくとも一つのブリッジ、および前記ブリッジのそれぞれの前記薄肉部のうち少なくとも一つの中あるいは表面に含ませた放射線不透過性材料、薬物あるいは他の物質(agent)、
をさらに含む、管腔内医療装置。
(20)実施の態様18に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメント、前記少なくとも一つのブリッジ、および前記少なくとも一つのブリッジのそれぞれの前記薄肉部は、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデン、およびそれらの合金のうち少なくとも一つからなる生体適合性金属材料で構成されている、管腔内医療装置。
【0046】
(21)実施の態様20に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つのブリッジのそれぞれの前記薄肉部は、前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメントのセグメント幅より狭い薄肉部幅を含む、管腔内医療装置。
(22)実施の態様20に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つのブリッジのそれぞれの前記薄肉部は、前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメントのセグメント幅に等しいか、あるいはほぼ等しい薄肉部幅を含む、管腔内医療装置。
(23)実施の態様21に記載の管腔内医療装置において、
前記少なくとも一つのブリッジのそれぞれの前記薄肉部は、前記少なくとも二つの軸方向隣接セグメントのセグメント幅より均一に狭い薄肉部幅を含む、管腔内医療装置。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】本発明によるU字形の脆弱なブリッジの一実施例の概略図である。
【図1B】本発明によるステントの隣接するセグメント間で局部的に破断した状態および連結状態の脆弱なブリッジの態様を示す図である。
【図1C】本発明による図1のほぼU字形の脆弱なブリッジで連結したステントの一連の隣接セグメントの平面投影図である。
【図2A】本発明による脆弱なブリッジの他の実施例の概略図である。
【図2B】本発明によるステントの隣接セグメントを連結している図2Aの脆弱なブリッジの態様を示す図である。
【図2C】本発明による図2Aの脆弱なブリッジの吸収あるいは破断時にステントの隣接セグメントの分離を示す図である。
【図3A】本発明による軸方向隣接セグメントを連結している薄肉部を備えたブリッジを有するステントを示す図である。
【図3B】本発明による図3Aの薄肉部を備えたブリッジをより詳細に示す図3Aの差込図である。




 

 


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