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発明の名称 義歯安定剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−175090(P2007−175090A)
公開日 平成19年7月12日(2007.7.12)
出願番号 特願2005−373786(P2005−373786)
出願日 平成17年12月27日(2005.12.27)
代理人 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
発明者 有田 香織
要約 課題

解決手段
酢酸ビニル樹脂とエタノールとを含有する義歯安定剤に、ティーツリーオイル又はユーカリ・グロブルスオイルを配合したことを特徴とする義歯安定剤。
特許請求の範囲
【請求項1】
酢酸ビニル樹脂とエタノールとを含有する義歯安定剤に、ティーツリーオイル又はユーカリ・グロブルスオイルを配合したことを特徴とする義歯安定剤。
【請求項2】
更に、ラベンサラオイル、マヌカオイル、ユーカリ・ラディアタオイルから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1記載の義歯安定剤。
【請求項3】
更に、ウイキョウオイル又はオレンジオイルを含有する請求項1又は2記載の義歯安定剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、義歯の維持・安定を目的として使用する義歯安定剤に関し、義歯床・残存歯へのプラーク付着を抑制し、義歯性口内炎、口臭、歯周病等の口腔疾患原因菌に対する高い殺菌力の持続性に優れ、使用感及び安全性も良好な義歯安定剤に関する。
【背景技術】
【0002】
義歯安定剤は、加齢に伴う顎堤の吸収や変形などにより適合が悪くなった義歯を、暫間的に口蓋粘膜に固定し、咬合、咀嚼、会話などの機能を補う歯科用製剤である。
【0003】
現在市販されている義歯安定剤は、義歯を粘膜に固定するメカニズムの違いから2種類に大別される。
【0004】
1つは水溶性の粘着性高分子を主剤として、義歯床と粘膜の間で口中の唾液を吸収して粘着性を発揮させ、義歯を粘膜に貼り付ける「粘着タイプ」であり、これには粉末、ペースト、液体、シートなど種々の剤型が提供されている。このタイプは通常半日から1日程度継続して使用される。
【0005】
もう1つは、酢酸ビニル樹脂等を主剤とした水不溶性のゴムペースト状の製剤を、義歯床と粘膜の隙間に埋めて間の空気を取り除き、義歯を粘膜に真空吸着させる「密着タイプ」である。
この密着タイプはゴム状のため、義歯を固定する機能の他に、咬合時に義歯の不適合部位が歯茎や粘膜に接触し刺激することで生じる疼痛を緩和するクッション材としての機能も有する。また、このタイプは使用中に成分が唾液等で溶出することがないため、違和感や異味のない優れた使用感を有し、使用中に義歯をはずして水洗いができ、しかも、2〜3日間継続して使うことができるといった利点がある。
【0006】
義歯安定剤メーカーが推奨するこの密着タイプの一般的な使い方は、就寝時には義歯を外して義歯安定剤をつけたまま清掃し、水中に保管して翌朝再装着するというものであるが、この場合、容貌を気にして就寝中も義歯を外さなかったり、清掃は行っても不十分であったりする場合が少なくない。
その場合、口腔内に常在するカンジダ菌、歯周病菌等により、義歯床や残存歯だけでなく、場合によっては義歯安定剤にまでプラークが付着し、菌が増殖・定着する可能性がある。その結果、義歯性口内炎、口臭等の不快症状が惹起されることが知られている。
【0007】
その対策として、義歯洗浄剤の使用推奨、義歯安定剤への酵素配合(特許文献1)が提案されたが、これは歯垢分解・歯垢付着阻止機能のみを有するものである。また、抗生物質の配合(特許文献2,3)が提案されたが、これは薬剤耐性菌の出現の可能性があり、効果が高いものは安全性の点で不安な面がある。更に、抗菌剤の配合(特許文献4〜6)、キシリトール、エリスリトール等の配合(特許文献7,8)、ヒドロキシ−2−ピリドン誘導体又はその塩の配合(特許文献9)、ポリリジン及び/又はその塩の配合(特許文献10)等の技術が提案されているが、これらは酢酸ビニル樹脂とエタノールを基剤とする義歯安定剤におけるカンジダ菌、歯周病菌に対する殺菌効果が十分とは言えなかった。
【0008】
一方、ティーツリーオイルの殺菌効果に関しては、抗口腔カンジダ症組成物(特許文献11)、口腔用組成物(特許文献12)が提案されているが、義歯への使用については記載がなく、本発明者が検討したところ、義歯に塗布したとしてもその効果は十分とはいえず、効果の持続性に劣るものであった。
【0009】
また、ユーカリ・グロブルスの主成分であるシネオールに関しては、う蝕誘発性細菌増殖抑制剤(特許文献13)の提案に入れ歯への適用についての記載があるが、洗口剤の形態では、義歯装着者において最も菌が付着しやすく義歯性口内炎も発生しやすい義歯床下の口蓋粘膜に剤が到達せず、洗浄剤として使用しても持続性が十分ではない。
【0010】
【特許文献1】特開昭51−94693号公報
【特許文献2】特開昭55−38143号公報
【特許文献3】特表2002−516343号公報
【特許文献4】特開平10−290812号公報
【特許文献5】特開平11−49625号公報
【特許文献6】特開平11−178843号公報
【特許文献7】特開2000−333973号公報
【特許文献8】特開2001−149388号公報
【特許文献9】特開2003−019145号公報
【特許文献10】特開2004−147961号公報
【特許文献11】特開2003−89652号公報
【特許文献12】特開2004−182649号公報
【特許文献13】特開2001−131040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、義歯の装着期間中、義歯性口内炎、口臭、歯周病等の口腔疾患原因菌に対する高い殺菌力持続性を有し、口腔内及び義歯床・残存歯へのプラーク付着の抑制効果に優れ、更には使用感及び安全性も良好な義歯安定剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、酢酸ビニル樹脂とエタノールとを含有する義歯安定剤に、ティーツリーオイル又はユーカリ・グロブルスオイルを配合することにより、上記課題を解決し得、義歯の装着期間中、義歯性口内炎、口臭、歯周病等の口腔疾患原因菌に対する高い殺菌力が長時間に亘って持続し、これら口腔疾患原因菌の定着・増殖に対して高い抑制効果を発揮し、口腔内及び義歯床・残存歯へのプラーク付着の抑制効果に優れ、義歯性口内炎、口臭、歯周病等の口腔疾患を有効に予防できる上、良好な使用感で人体への安全性も高いこと、更に、ラベンサラオイル、マヌカオイル、ユーカリ・ラディアタオイルから選ばれる少なくとも1種を添加することにより、これらの効果を更に向上させることができ、更に、ウイキョウオイル又はオレンジオイルを添加することにより、上記精油由来の芳香・味・刺激を低減し、使用感がより良好となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
従って、本発明は、
(i)酢酸ビニル樹脂とエタノールとを含有する義歯安定剤に、ティーツリーオイル又はユーカリ・グロブルスオイルを配合したことを特徴とする義歯安定剤
(ii)更に、ラベンサラオイル、マヌカオイル、ユーカリ・ラディアタオイルから選ばれる少なくとも1種を含有する上記(i)の義歯安定剤
(iii)更に、ウイキョウオイル又はオレンジオイルを含有する上記(i)又は(ii)の義歯安定剤
を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の義歯安定剤は、義歯性口内炎、口臭、歯周病等の口腔疾患原因菌に対する殺菌力の持続性に優れ、口腔内及び義歯床・残存歯へのプラーク付着を抑制する効果に優れ、しかも、使用感や安全性も良好であるもので、義歯性口内炎、口臭、歯周病等の口腔疾患の予防用として有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の義歯安定剤は、酢酸ビニル樹脂、エタノール、ティーツリーオイル又はユーカリ・グロブルスオイルを含有することを特徴とする。
【0016】
本発明に用いられる酢酸ビニル樹脂とは、酢酸ビニルの重合物のことであり、平均重合度(日本工業規格ポリ酢酸ビニル試験方法K6725平均重合度試験法による。以下同様。)が50〜7,000のものが好適に用いられ、その1種類を単独で用いても、平均重合度の異なる酢酸ビニル樹脂を2種類以上使用してもよい。例えば、単独で用いる場合には平均重合度800〜3,000のものが好適に用いられ、2種類を併用する場合には平均重合度50〜1,000のものと、平均重合度2,000〜6,000のものを混合したものが好適に用いられる。
【0017】
酢酸ビニル樹脂の配合量は、義歯安定剤中に30〜80%(質量%、以下同様。)、特に40〜75%含有されることが好ましい。
【0018】
また、エタノールの配合量は、製剤全体の10〜40%、好ましくは15〜30%が好適である。配合量が10%未満の場合は可溶性等の点で製剤化において問題となる場合があり、40%を超えると灼熱感等の刺激を感じる場合があり、使用感上好ましくない。
【0019】
本発明に用いられるティーツリーオイルとは、オーストラリアの湿地のみに生息するフトモモ科植物ティーツリー(tea tree)から得られる芳香性のある無色から淡黄色の精油である。ティーツリーとは、フトモモ科レプトスペルムム属、ネズモドキ属、メラレウカ属、ブラッシノキ属、カロタムヌス属、オソブルニア属に属する植物をいうもので、いずれのものも使用することができる。
【0020】
ティーツリーオイルには、48種類以上の成分が含まれているが、主成分はテルピネン−4−オール、α−テルピネン、γ−テルピネンである。このティーツリーオイルは、オーストラリアの基準(AS−2782−1985号)では、メラレウカ油という名称で、テルピネン−4−オールを30%以上、1,8−シネオールを15%以下含むものと規定している。
【0021】
ティーツリーオイルは、オーストラリアで天然の殺菌剤等として人々に使用されてきたが、現在ではティーツリーオイルそのものだけでなく、ティーツリーオイルを配合した石鹸、シャンプー、軟膏等も市販されており、アロマテラピー分野でも重要なオイルとして知られている。
【0022】
本発明においてティーツリーオイルとしては、種々のものを使用可能であるが、特にフトモモ科メラレウカ属に属する植物であるメラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca alternifolia)から得られる精油が、殺菌力持続性が高いことから好ましく使用され、更に、構成成分が上記オーストラリアの基準内のもの(テルピネン−4−オールを30%以上、1,8−シネオールを15%以下含むもの)が望ましい。より好ましくは、テルピネン−4−オールを35〜50%、1,8−シネオールを0.5〜5%含むものである。
【0023】
本発明に用いるティーツリーオイルは、フトモモ科植物ティーツリーを通常の方法で水蒸気蒸留することにより得ることができるが、その製法は、水蒸気蒸留法に限定されるものではなく、例えば有機溶媒による抽出等、他の抽出法でもよい。なお、ティーツリーオイルの抽出部位としては、葉、樹皮、枝が挙げられるが、好ましくは新鮮な葉や小枝の先端部分である。
【0024】
本発明においてティーツリーオイルとしては、市販されているもの(メインキャンプ社 オーストラリアティートォリーオイル、米国デザートエッセンス社、ティーツリーセラピー社、サースデイプランテーション社、生活の木社等)を使用することができる。
【0025】
ティーツリーオイルの配合量は、製剤全体の0.001〜10%、特に0.1〜5%とすることが好ましい。配合量が0.001%未満であると長時間における十分な殺菌効果が得られず、また、10%を超える量を添加しても殺菌力持続効果が増加しないだけでなく、口中に清涼感が強く感じられ、使用感が悪くなる場合がある。
【0026】
ユーカリは、オーストラリアの原住民族に古くから万能薬として利用されてきた植物である。ユーカリ・グロブルスオイルはポルトガル原産のフトモモ科の樹木ユーカリ(学名:Eucalyptus globulus)の葉・枝を水蒸気蒸留して得られる精油である。成分としては1,8−シネオールを約85%、α−ピネンを約10%、その他グロブロール等を含有するが、本発明におけるユーカリ・グロブルスオイルとしては、主成分シネオールを豊富に含むBlue Malleeという種類のユーカリの葉から蒸留抽出されたものが好ましい。
【0027】
本発明において、ユーカリ・グロブルスオイルとしては、市販されているもの(ティーツリーファームズ社、グリーンフラスコ社、生活の木社等)を使用することができ、その配合量は製剤全体の0.005〜10%、特に0.1〜5%とすることが好ましい。ユーカリ・グロブルスオイルの配合量が、製剤全体の0.005%未満であると、長時間における十分な殺菌効果が得られず、また10%を超える量を添加しても殺菌力持続効果が増加しないだけでなく、口中に清涼感が強く感じられ、使用感が悪くなる場合がある。
【0028】
本発明の義歯安定剤は、更にラベンサラオイル、マヌカオイル、ユーカリ・ラディアタオイルから選ばれる少なくとも1種を添加することにより、口腔疾患原因菌への持続的な高い殺菌効果、義歯床・残存歯へのプラーク付着抑制効果をより向上させることができ、義歯性口内炎、口臭、歯周病等の口腔疾患を予防する効果を更に改善できる。
【0029】
ラベンサラオイルは、マダガスカル原産のクスノキ科の樹木ラベンサラ(学名:Ravensara aromatica)の葉を水蒸気蒸留して得られる精油で、ラベンサラは原産地マダガスカルの住民に古くから万能薬として重宝されてきた植物である。成分としては、1,8−シネオール約57%、α−テルピネオール約8%、サビネン約13%、α−ピネン約4%、β−ピネン約3%等を含有する。
【0030】
マヌカオイルは、オーストラリア原産のフトモモ科の樹木マヌカ(学名:Leptospermum scoparium)の葉を水蒸気蒸留して得られる精油で、マヌカはニュージーランドの原住民マオリ族が古くから利用してきた植物である。成分としてはレプトスペルモン、カラメン、カラマネン等を含有する。
【0031】
ユーカリ・ラディアタオイルは、オーストラリア原産のフトモモ科の樹木ユーカリ・ラディアタ(学名:Eucalyptus radiata)の葉・枝を水蒸気蒸留して得られる精油である。成分としては1,8−シネオール約70%、α−テルピネオール約7%、リモネン約6%、α−ピネン約5%等を含有する。
【0032】
本発明において、ラベンサラオイル、マヌカオイル、ユーカリ・ラディアタオイルとしては、例えばGAIA社、クインエッセンス社、ティーツリーファームズ社、生活の木社製のものなどが好適に用いられる。
【0033】
これらラベンサラオイル、マヌカオイル、ユーカリ・ラディアタオイルの配合量は、合計で製剤全体の0.001〜10%、特に0.1〜5%とすることが好ましい。配合量が0.001%未満であると殺菌力持続作用の向上効果が得られない場合があり、また、10%を超える量を添加しても殺菌力持続効果が増加しないだけでなく、口中に清涼感が強く感じられ、使用感が悪くなる場合がある。
【0034】
また更に、本発明の義歯安定剤にウイキョウオイル又はオレンジオイルを添加することにより、上記ティーツリーオイル、ユーカリ・グロブルスオイル、ラベンサラオイル、マヌカオイル、ユーカリ・ラディアタオイルの芳香・味・刺激を低減し、使用感をよくすることができる。
【0035】
ウイキョウオイルは、地中海沿岸が主産地のセリ科の草本で、1.5m程度にまで成育し、黄色い花を咲かせ、花後には楕円形の米粒ぐらいの大きさの果実(種子)を実らせる。ウイキョウオイルは、この果実をすり潰した後に水蒸気蒸留にかけて抽出されるものである。
【0036】
オレンジオイルの原料であるオレンジは、常緑の高木で原産地は中国、インドであるが、現在では、イスラエルなど地中海沿岸、アメリカ西海岸、フロリダ、ブラジル、キプロスなどが主産地となっている。オレンジオイルの生産は非常に盛んで、アロマテラピーの他、香水の原料や香料としても用いられている。果皮を圧搾して得るもの、オレンジジュースを搾った後の果肉を水蒸気蒸留して抽出するものがある。
【0037】
本発明では、ウイキョウオイル、オレンジオイルとして、上記したいずれのものも使用可能であり、市販のもの、例えば生活の木社、クインエッセンス社製のウイキョウオイル、オレンジオイルを用いることができる。
【0038】
ウイキョウオイル又はオレンジオイルの配合量は、製剤全体の0.001〜5%、特に0.1〜3%とすることが好ましい。配合量が0.001%未満であると、十分な苦味・刺激低減効果が得られない場合があり、また、5%を超える量を添加してもその効果が増加せず、逆に使用感が悪くなる場合がある。
【0039】
本発明の義歯安定剤には、上記必須成分に加えて、その他の成分を任意に配合し、通常の方法で調製することができるが、特にティーツリーオイルとユーカリ・グロブルスオイル等のオイル類は、これら以外の全成分を配合して加熱し、冷却後に添加し、均一に分散させることが、高い配合効果を発揮させる点から好適である。義歯安定剤の任意成分としては、例えば酢酸ビニル樹脂以外の合成樹脂、水溶性高分子、油脂・ワックス類、乳化剤、水不溶性紛体、酵素、水、色素又は顔料、香料等を挙げることができる。
【0040】
具体的には、他の合成樹脂としてポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブテン等が挙げられる。
【0041】
水溶性高分子としては、例えばカラヤガム、アラビアガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸の金属塩、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、アルキルビニルエーテルと無水マレイン酸共重合体の塩等が単独又は複数の組み合わせで使用できる。
【0042】
油脂・ワックス類としては、ミツロウ、ワセリン、パラフィン、プラスチベース、ポリエチレングリコール、各種植物・動物性油脂、ロウ類、単軟膏、流動パラフィン、スクワラン等が挙げられる。乳化剤としてはステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、アセチル化グリセリル脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレート、ショ糖脂肪酸エステル等、水不溶性粉体として炭酸カルシウム、酸化チタン、リン酸水素カルシウム、シリカ、硫酸カルシウム、ゼオライト、二酸化ケイ素、プラスチックパウダー、セルロースパウダー等、酵素としてデキストラナーゼ、ムタナーゼ、β−1,3−グルカナーゼ、アミラーゼ等が例示される。なお、これらの任意成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0043】
本発明の義歯安定剤は、上記成分を使用して常法に従って製造した後、アルミニウムチューブ等の金属チューブ、プラスチックチューブ、アルミニウム箔ラミネートプラスチックチューブなどの容器に充填されて使用に供される。
【実施例】
【0044】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は質量%を示す。
【0045】
〔実施例1,2、比較例1〕
下記組成(実施例1,2)の義歯安定剤を調製した。具体的には酢酸ビニル樹脂とエタノール、水をプラネタリーミキサーに入れ、撹拌しながら70〜80℃で3時間加熱後、室温まで冷却した時点でティーツリーオイル又はユーカリ・グロブルスオイルを添加し、全成分が均一に分散しているのを確認して撹拌を終了した。
【0046】
実施例1
ティーツリーオイル*1(生活の木社) 3.0%
酢酸ビニル樹脂(日本合成化学工業(株)試作品 平均重合度2,000)60.0%
エタノール 20.0%
水 17.0%
計 100.0%
*1:ティーツリーオイル
植物名:メラレウカ・アルテルニフォリア
抽出方法:水蒸気蒸留法
成分組成:テルピネン−4−オール:40.3%
1,8−シネオール:2.4%
α−テルピネン:9.6%
γ−テルピネン:20.7%
テルピノレン:3.4%
α−ピネン:2.4%
α−テルピネオール:2.8% 等
【0047】
実施例2
ユーカリ・グロブルスオイル*2(生活の木社) 6.0%
酢酸ビニル樹脂 16.0%
(平均重合度5,000、商品名:日本合成化学工業(株)PV−500)
酢酸ビニル樹脂 45.0%
(平均重合度500、商品名:日本合成化学工業(株)NZ−5)
エタノール 25.0%
水 8.0%
計 100.0%
*2:ユーカリ・グロブルスオイル
植物名:ユーカリ・グロブルス
抽出方法:水蒸気蒸留法
成分組成:1,8−シネオール:83.0%
α−ピネン:2.2%
γ−テルピネン:3.0%
p−シメン:2.2% 等
【0048】
オイルを添加しない以外は、実施例1と同様にして下記組成の義歯安定剤(比較例1)を調製した。
比較例1
酢酸ビニル樹脂(日本合成化学工業(株)試作品 平均重合度2,000)63.0%
エタノール 20.0%
水 17.0%
計 100.0%
【0049】
上記実施例1,2及び比較例1を用いて下記方法により殺菌力持続性効果の評価を行った。結果を表1に示す。
殺菌力持続性効果評価試験(評価方法)
試験菌として義歯性口内炎の原因菌とされるカンジダ アルビカンス(Candida albicans)ATCC10231株(ATCC:American Type Culture Collection)、歯周疾患に関連するポルフィロモーナス ジンジバリス(Porhyromonas gingivalis)ATCC33277株、フゾバクテリウム ニュークレアタム(Fusobacterium nucleatum)ATCC25586株を用いた。
【0050】
これら3種の標準株をそれぞれBHI血液寒天培地(栄研化学社製ポアメディアBHI寒天培地)にて培養した。その菌体を滅菌生理食塩水でホモジナイズし、菌体懸濁液を得た。この菌体懸濁液を滅菌生理食塩水で適宜希釈し、試験前の生菌数が1×106cfu/mL(cfu:colony forming unitの略)となるように調整し、その5mLを滅菌生理食塩水50mLに加えて試験菌液とした。
試験片として、上記実施例1、2及び比較例1の義歯安定剤をそれぞれ2gとり、平板状にしたものを用意し、37℃の水中に2時間浸漬した。これを上記試験菌液を入れた三角フラスコに入れ、37℃にて12時間振盪した。振盪後に試験菌液を滅菌生理食塩水で連続10倍希釈を6回繰り返して、各希釈液を50μLずつ、BHI血液寒天培地に塗沫し、37℃で嫌気培養した。1週間培養後、BHI血液寒天培地上に出現したコロニーをグラム染色にて確認し、コロニー数を算出し、生存菌数とした。なお、本願の密着タイプ義歯安定剤は通常2〜3日間使用されるが、安定剤は義歯と口蓋粘膜との間に適用されるため、口内で唾液その他の飲食物にさらされることはほとんどない。よって本試験では殺菌力の持続性を評価するために、2〜3日間使用に相当するものとして、試験片を2時間水中に浸漬した。
【0051】
【表1】


【0052】
この試験結果によれば、実施例1,2のいずれも比較例1に比べて高い殺菌力の持続性効果がみられた。なお、比較例1もやや菌が減少しているが、これはエタノールの殺菌作用によるものと考えられる。
【0053】
〔実施例3〜6〕
表2に示す成分組成の各種義歯安定剤を実施例1,2と同様に調製し、上記殺菌力持続性評価試験を行った。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】


*:(cfu/mL)
【0055】
〔実施例7〜12〕
表3に示す成分組成の各種義歯安定剤を実施例1,2と同様に調製し、上記殺菌力持続性評価試験を行うと共に、総義歯使用者10名をパネルとして苦味及び刺激のなさに関する使用テストを行い、その評点の平均値を求めた。結果を表3に示す。
苦味及び刺激のなさ
4:苦味及び刺激を全く感じない
3:苦味及び刺激をほとんど感じない
2:苦味及び刺激をわずかに感じる
1:苦味及び刺激を感じる
【0056】
【表3】


*:単位:cfu/mL
【0057】
下記組成の義歯安定剤を調製して同様に評価したところ、いずれも殺菌力の持続性及び使用感に優れたものであった。
【0058】
〔実施例13〕
ティーツリーオイル(生活の木社) 0.5%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度5,000) 45.0%
ポリプロピレングリコール(数平均分子量1,200) 3.0%
エタノール 30.0%
水 21.5%
計 100.0%
【0059】
〔実施例14〕
ティーツリーオイル(生活の木社) 2.0%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度1,500) 50.0%
トリアセチン 10.0%
ショ糖酢酸イソ酪酸エステル 8.0%
エタノール 28.0%
水 2.0%
計 100.0%
【0060】
〔実施例15〕
ユーカリ・グロブルスオイル(生活の木社) 8.0%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度3,000) 53.0%
ミツロウ 1.0%
ポリプロピレングリコール(数平均分子量1,200) 3.0%
ステアリン酸モノグリセライド 1.0%
エタノール 20.0%
水 14.0%
計 100.0%
【0061】
〔実施例16〕
ユーカリ・グロブルスオイル(生活の木社) 0.2%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度1,000) 70.0%
ラベンサラオイル(生活の木社) 5.0%
ユーカリ・ラディアタオイル(生活の木社) 4.0%
オレンジオイル(クインエッセンス社) 1.0%
ポリプロピレングリコール(数平均分子量1,200) 3.0%
エタノール 11.8%
水 5.0%
計 100.0%
【0062】
〔実施例17〕
ティーツリーオイル(生活の木社) 5.0%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度2,000) 61.0%
マヌカオイル(生活の木社) 3.0%
ユーカリ・ラディアタオイル(生活の木社) 0.3%
ウイキョウオイル(クインエッセンス社) 2.0%
エタノール 18.0%
水 10.7%
計 100.0%
【0063】
〔実施例18〕
ティーツリーオイル(生活の木社) 2.7%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度3,000) 57.0%
ラベンサラオイル(生活の木社) 3.0%
ユーカリ・ラディアタオイル(生活の木社) 0.1%
ウイキョウオイル(クインエッセンス社) 0.2%
ポリプロピレングリコール(数平均分子量1,200) 3.0%
エタノール 20.0%
水 14.0%
計 100.0%
【0064】
〔実施例19〕
ティーツリーオイル(生活の木社) 0.5%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度5,000) 31.0%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度500) 24.0%
ラベンサラオイル(生活の木社) 1.0%
マヌカオイル(生活の木社) 8.0%
オレンジオイル(クインエッセンス社) 1.0%
ポリプロピレングリコール(数平均分子量1,200) 3.0%
エタノール 20.0%
水 11.5%
計 100.0%
【0065】
〔実施例20〕
ティーツリーオイル(生活の木社) 3.0%
ユーカリ・グロブルスオイル(生活の木社) 1.0%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度2,000) 58.0%
マヌカオイル(生活の木社) 5.0%
オレンジオイル(クインエッセンス社) 1.0%
ミツロウ 2.0%
ステアリン酸モノグリセライド 2.0%
エタノール 20.5%
水 7.5%
計 100.0%
【0066】
〔実施例21〕
ティーツリーオイル(生活の木社) 6.0%
ユーカリ・グロブルスオイル(生活の木社) 1.0%
酢酸ビニル樹脂(平均重合度1,500) 55.0%
ユーカリ・ラディアタオイル(生活の木社) 5.0%
ウイキョウオイル(クインエッセンス社) 1.0%
ポリプロピレングリコール(数平均分子量1,200) 6.0%
エタノール 15.6%
水 10.4%
計 100.0%




 

 


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