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発明の名称 口腔用組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−119420(P2007−119420A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−315955(P2005−315955)
出願日 平成17年10月31日(2005.10.31)
代理人 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司
発明者 物井 則幸 / 太田 博崇 / 三宅 幹雄 / 吉村 正紀
要約 課題

解決手段
6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン又はその塩と、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分とを含有することを特徴とする口腔用組成物。
特許請求の範囲
【請求項1】
6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン又はその塩と、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分とを含有することを特徴とする口腔用組成物。
【請求項2】
更に、デキストラナーゼを含有することを特徴とする請求項1記載の口腔用組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔バイオフィルム抑制効果が高く、効果の経時安定性に優れ、良好な香味を有し、口腔疾患の原因である口腔バイオフィルムの抑制に有効な口腔用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デンタルプラークはバイオフィルムとして捉えられ(非特許文献1)、バイオフィルム中の細菌は、浮遊性細菌と比較すると細菌のタンパク質発現パターン(非特許文献2,3)や薬剤耐性(非特許文献4,5)が大きく異なり、浮遊性細菌に対して効果のあった薬剤がバイオフィルム構成細菌に対して有効ではないことが明らかになってきた。
【0003】
これまでに殺菌手段として、フェノール性殺菌剤(特許文献1)などが開発されてきたが、バイオフィルム中の細菌は強力な薬剤耐性メカニズムを有するため、これだけではバイオフィルム抑制効果は不充分であり、口腔疾患のリスクをゼロにすることは困難であった。
【0004】
また、これらの殺菌力を増強するため、殺菌剤の滞留性向上技術(特許文献2)が考案されたが、バイオフィルムの薬剤浸透性の低さなどにより、著効は期待できなかった。このような現状から、バイオフィルム中の細菌に対しても有効なバイオフィルム抑制組成物の開発が強く望まれていた。
【0005】
近年、バイオフィルム抑制組成物として、疎水性アミノ酸及びアンモニウム塩の配合(特許文献3)、歯垢構成微生物の細菌間情報伝達機構の制御物質の配合(特許文献4)、ラクトン及び/又はフラン誘導体の配合(特許文献5)、グリセロールリン酸及びフェノール性殺菌剤の配合(特許文献6)、非イオン性抗菌剤及びジカルボン酸化合物の配合(特許文献7)、オフロキサシンやクロサンテルとフェノール性殺菌剤の配合(特許文献8)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、これらの技術は、香味及び口腔バイオフィルム抑制作用の経時安定性などに問題があり、未だ市場に導入されていないのが現状である。このような現状から、上記技術に代わる、口腔バイオフィルム抑制作用を持つ組成物の開発が強く望まれている。
【0007】
なお、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ペパーミント油、スペアミント油、ウィンターグリーン油、アニス油、ユーカリ油、カシア油、クローブ油、オレンジ油、レモン油は、それぞれ口腔用組成物への配合成分として公知であるが、組み合わせにより高い口腔バイオフィルム抑制作用、香味及び口腔バイオフィルム抑制作用の安定性のいずれもが良好になることはこれまでに報告されていない。また、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドンの類似化合物の配合が開示されているが(特許文献9〜14)、これらに口腔バイオフィルム抑制活性は認められていない。更に、これらの特許文献では、同類似化合物と酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種以上の香料成分の組合せは明示されていない。
【0008】
【非特許文献1】Costerton,J.W.,Stewart,P.S.and Greenberg,E.P.:Bacterial biofilms:a common cause of persistent infections.Science 284:1318−1322,1999.
【非特許文献2】Costerton,J.W.,Lewandowski,Z.,Caldwell,D.E.,Korber,D.R. and Lappin−Scott,H.M.:Microbial biofilms.Annu.Rev.Microbiol.49:711−745,1995.
【非特許文献3】Hudson,M.C.,Curtiss,R.III:Regulation of expression of Streptococcus mutans genes important to virulence.Infect.Immun.58:464−470,1990.
【非特許文献4】Stewart,P.S.:Mechanisms of antibiotic resistance in bacterial biofilms.Int.J.Med.Microbiol.292:107−113,2002.
【非特許文献5】Philip Marsh and Michael V.Martin著「Oral Microbiology」、Wright出版、2000年、p.58−81(Dental plaque)
【特許文献1】特開平02−11511号公報
【特許文献2】特開平04−139119号公報
【特許文献3】特開2002−370953号公報
【特許文献4】特開2003−128580号公報
【特許文献5】特開2004−155681号公報
【特許文献6】特開2005−047855号公報
【特許文献7】特開2005−015369号公報
【特許文献8】特開2005−187377号公報
【特許文献9】特開平10−158134号公報
【特許文献10】特開平10−158135号公報
【特許文献11】特開平10−316548号公報
【特許文献12】特開2002−179569号公報
【特許文献13】特開2003−160457号公報
【特許文献14】特開2004−051535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高いバイオフィルム抑制作用を示し、かつ、良好な香味を有すると共に、バイオフィルム抑制作用の経時安定性に優れた口腔用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン又はその塩と、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分を組み合わせることにより、これら成分が相乗的に作用して、顕著な口腔バイオフィルム抑制効果を示し、かつ極めて良好な香味を有する上、口腔バイオフィルム抑制効果が持続的に発揮され、効果の安定性に優れた口腔用組成物が得られることを初めて見出した。
【0011】
従って、本発明は、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン又はその塩と、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分とを含有することを特徴とする口腔用組成物、及び、更に、デキストラナーゼを含有することを特徴とする上記口腔用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の口腔用組成物は、高い口腔バイオフィルム抑制作用を示し、かつ、良好な香味を有すると共に、バイオフィルム抑制作用の経時安定性に優れたもので、口腔バイオフィルム抑制用として有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明の口腔用組成物は、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン又はその塩と、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分とを含有するものである。
【0014】
本発明において、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドンは、単独でそのままあるいはエタノールアミンなどの塩として用いても問題ないが、安定性などの面から6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン・エタノールアミンを用いることがより好ましい。
【0015】
6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン又はその塩の配合量は、組成物全体の0.05〜2%(質量%、以下同様。)が好ましく、より好ましくは0.1〜2%、更に好ましくは0.1〜1%である。配合量が0.05%未満の場合は充分なバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、2%を超えると香味や安定性などの点で不充分となる場合がある。
【0016】
本発明に使用するポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の酸化エチレン平均付加モル数は40〜100であることが必須であり、安定性の面から好ましくは60〜100、更に好ましくはバイオフィルム抑制活性の面から60〜80である。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の酸化エチレン平均付加モル数が40未満の場合は、口腔バイオフィルム抑制活性の経時安定性が悪くなる場合があり、また、100を超えるものは一般には市販されていない。
【0017】
酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合量は、組成物全体の0.1〜5%が好ましく、より好ましくは0.1〜2%、更に好ましくは0.3〜1.5%である。配合量が0.1%未満の場合は満足な口腔バイオフィルム抑制活性の経時安定性などが得られない場合があり、5%を超えると香味や口腔バイオフィルム抑制活性などに悪影響を与える場合がある。
【0018】
また、本発明においては、上記必須成分に加え、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分を含有することが必要である。これらの中で、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン由来の苦味の緩和やバイオフィルム抑制効果の面から、特にペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油から選ばれる香料を用いることがより好ましい。
【0019】
上記香料成分中、ペパーミント油の配合量は、組成物全体に対して0.005〜1.0%、特に0.005〜0.6%とすることが好ましく、0.005%未満であると6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン由来の苦味があり、良好な香味やバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、1.0%を超えると香味や安定性などの点で不充分となる場合がある。
【0020】
スペアミント油、ウィンターグリーン油、ユーカリ油、オレンジ油、レモン油の配合量は、それぞれ組成物全体に対して0.001〜1.0%、特に0.001〜0.5%とすることが好ましく、0.001%未満であると6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン由来の苦味があり、良好な香味やバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、1.0%を超えると香味や安定性などの点で不充分となる場合がある。
【0021】
アニス油、カシア油、クローブ油の配合量は、それぞれ組成物全体で0.001〜0.1%、特に0.001〜0.05%とすることが好ましく、0.001%未満であると6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン由来の苦味があり、良好な香味やバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、0.1%を超えると香味や安定性などの点で不充分となる場合がある。
【0022】
上記ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分の総配合量は、組成物全体の0.001〜2.0%、特に0.005〜1.0%が好ましく、0.001%に満たないと6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン由来の苦味があり、良好な香味やバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、2.0%を超えると香味や安定性などの点で不充分となる場合がある。
【0023】
また、本発明においては、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドンと、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分に加え、更にデキストラナーゼを含有することが好ましく、デキストラナーゼの併用により、バイオフィルム抑制活性がより顕著に高まる。
【0024】
前記デキストラナーゼとしては、ケトミウム属、ペニシリウム属、アスペルギルス属、スピカリア属、ラクトバチルス属、セルビブリオ属等に属する公知のデキストラナーゼ生成菌により公知の方法により得られるデキストラナーゼはもちろん、他の微生物により生産されるデキストラナーゼも使用することができる。
【0025】
デキストラナーゼの配合量は、口腔用組成物1gあたり5〜100単位(ここで、1単位とはデキストランを基質として反応を行った場合、1分当たりグルコース1μmolに相当する遊離還元糖を生じる酵素量をいう)が好ましく、その配合量は例えば10000単位/gのデキストラナーゼを用いた場合、組成物全体で0.05〜1%とすることが好ましく、特に0.05〜0.5%、とりわけ0.1〜0.3%が好適である。配合量が0.05%未満であると満足なバイオフィルム抑制効果が得られない場合があり、1%を超えると安定性などの点で不充分となる場合がある。
【0026】
本発明にかかわる口腔用組成物は、固体、固形物、液体、液状、ゲル体、ペースト状、ガム状等の各種形態にすることができ、練歯磨、液体歯磨、液状歯磨、潤製歯磨等の歯磨類、洗口剤、マウスウォッシュなどの各種剤型に調製でき、その製造法も剤型に応じた常法を採用することができるが、その目的、組成物の剤型等に応じて、上述した成分に加えて更に適宜な任意成分を配合することができる。
【0027】
具体的には、歯磨類の場合には、研磨剤として例えば第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水物、第1リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、合成樹脂等の1種又は2種以上を配合し得る(研磨剤の配合量 通常5〜90%、練歯磨の場合には10〜60%)。
【0028】
歯磨類などのペースト状や液状口腔用組成物においては、界面活性剤として陰イオン界面活性剤、上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油以外の非イオン界面活性剤及び両性イオン界面活性剤の1種又は2種以上を配合し得る。陰イオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリウム、N−ミリストイルザルコシン酸ナトリウムなどのN−アシルザルコシン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム等が用いられる。また、非イオン界面活性剤としては、上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油以外のもの、例えばショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステルなどの糖脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステルなどの糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリン酸モノ又はジエタノールアミド、ミリスチン酸モノ又はジエタノールアミドなどの脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル等が用いられる。両性イオン界面活性剤としては、N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウムなどが用いられる(界面活性剤の配合量 通常0.1〜20.0%)。
【0029】
また、練歯磨等のペースト状組成物の場合には、粘結剤としてカラギーナン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビヤガムなどのガム類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成粘結剤、シリカゲル、アルミニウムシリカゲル、ビーガム、ラポナイトなどの無機粘結剤等の1種又は2種以上が配合され得る(粘結剤の配合量 通常0.3〜10%)。
【0030】
更に、歯磨類などのペースト状や液状口腔用組成物において、粘稠剤としてグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール200〜20000、ポリプロピレングリコール300〜4000などの1種又は2種以上を配合し得る(配合量 通常1〜70%)。
【0031】
香料としては、上記香料成分以外のものを本発明の効果を妨げない範囲で配合することができ、例えばタイム油、コリアンダー油、ラベンダー油、カモミール油、マジョラム油、ベイ油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートローズ、オレンジフラワー等の天然香料、及び、これら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料、及び、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、チモール、N−置換−パラメンタン−3−カルボキサミド、オクチルアルデヒド、カルビールアセテート、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート等の単品香料、更に、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等、口腔用組成物に用いられる公知の香料素材を使用することができ、実施例の香料に限定されない。含有量も特に限定されないが、上記の香料素材は、製剤組成中に0.000001〜1%使用するのが好ましい。また、上記香料素材を併用した賦香用香料としては、製剤組成中に0.1〜2.0%使用するのが好ましい。
【0032】
なお、本発明においては、上記6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン及びデキストラナーゼ以外に、有効成分として、クロルヘキシジン、ベンゼトニウムクロライド、ベンザルコニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、デカリニウムクロライドなどの陽イオン性殺菌剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール等のフェノール性化合物、リゾチーム、アミラーゼ、プロテアーゼ、溶菌酵素、スーパーオキサイドなどの酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロホスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1錫などのフッ化物、トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレスタノール、グリチルリチン酸類、グリチルレチン酸、ビサボロール、グリセロホスフェート、クロロフィル、塩化ナトリウム、水溶性無機リン酸化合物等の有効成分を1種又は2種以上配合し得る。上記有効成分の配合量は、本発明の効果を妨げない範囲で有効量とすることができる(配合量 通常0.0001〜5%)。
【実施例】
【0033】
以下、実験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において配合量はいずれも質量%である。
【0034】
[実験例1]
下記表1に示す組成の口腔用組成物(洗口剤)を調製し、下記評価を行った。結果を表2に示す。
バイオフィルム抑制活性の測定:
ライオン株式会社オーラルケア研究所において継代保存(凍結保存)してあったアクチノマイセス ビスコーサス(Actinomyces viscosus)ATCC 41436株,フゾバクテリウム ニュークレアタム(Fusobacterium nucleatum)ATCC 10953株,ポルフィロモーナス ジンジバリス(Porhyromonas gingivalis)ATCC 33277株菌液40μLをそれぞれ5mg/L ヘミン(シグマ アルドリッチ社製)及び1mg/L ビタミンK(和光純薬工業社製)を含むトッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBHM)*4mLに添加し、37℃で一晩嫌気培養(80vol%窒素、10vol%二酸化炭素、10vol%水素)した。
【0035】
同様に保存してあったベイヨネラ パービューラ(Veillonella parvula)ATCC 17745株菌液80μLを、1.26%乳酸ナトリウム(シグマ アルドリッチ社製)を含むトッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製)培養液(THBL)**4mLに添加し、同様に培養した。
【0036】
培養後、ベイヨネラ パービューラを除く3菌種の菌液からそれぞれ300μLを採取し、30mLのTHBHMに添加し、更に一晩培養した。ベイヨネラ パービューラの菌液から同様に300μLを採取し、30mLのTHBLに添加し、一晩培養した。再培養後、各菌液を遠心分離(10000rpm、10min)し、上清を廃棄した。各沈査(細菌)に対してベイサルメディウムムチン培養液(BMM)***を添加し、再懸濁した後、予めBMM 1000mLを入れた培養槽に、上記各菌数がそれぞれ1×107個/mLになるように接種し、37℃、嫌気条件下(95vol%窒素、5vol%二酸化炭素)で一晩培養した。その後、BMMを100mL/hの速度で供給するとともに、同速度で培養液を排出した。上記培養槽から排出された培養液は、液量が300mLに保たれる別の培養槽に連続的に供給した。この培養槽内の回転盤(約80rpmで回転)には、付着担体であるコラーゲンゲルを充填したカップ****を装着し、その表面にバイオフィルムを形成させた。
【0037】
上記方法による培養は21日間行い、後半の10日間は次に示す薬剤処置を行った。即ち、1日1回、バイオフィルムを培養槽から取り出し、試験組成物(実施例及び比較例)又は生理食塩水(対照)で3分間処理した後、洗浄後、再び培養槽内に戻した。同操作は総計10回実施した。
【0038】
培養終了時にバイオフィルムを生理食塩水で洗浄した後、0.01mmol/Lのサイト9蛍光染色剤(SYTO 9,インビトロジェン社製)を含む生理食塩水8mLを添加したシャーレ(直径35mm×14mm)に移した。15分間静置した後、蛍光染色したバイオフィルムを共焦点レーザー顕微鏡(Radiance 2100、バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)により観察した。
【0039】
なお、共焦点レーザー顕微鏡の対物レンズとしては、焦点作動距離2.0mmの水没用レンズ(CFI Plan Fluor 10×;ニコン社製)を用い、488nmのレーザー光を照射させ、蛍光波長500〜530nmで得られる画像をバイオフィルム細菌の存在とした。画像の取得は、バイオフィルム上部からコラーゲンゲルカップ側に向けて行い、水平面画像(xy面、619 × 619 μm)を2.5μmごとに連続的に取得した。得られた画像から、立体構築ソフト(LaserVox,バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)及び三次元解析ソフト(TRI/3D−VOL,ラトックシステムエンジニアリング社製)を用いてバイオフィルムの体積を求めた。結果は、下式から求めたバイオフィルム体積減少率(%)で示した。
【0040】
【数1】


【0041】
*THBHMの組成:1リットル中の質量で表す。
トッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 1mg/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
**THBLの組成:1リットル中の質量で表す。
トッドへーウィットブロース(Becton and Dickinson社製):
30g/L
乳酸ナトリウム60%水溶液(シグマ アルドリッチ社製): 21g/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
【0042】
***BMMの組成:1リットル中の質量で表す。
プロテオースペプトン(Becton and Dickinson社製):
4g/L
トリプトン(Becton and Dickinson社製): 2g/L
トリプチケースペプトン(Becton and Dickinson社製):
2g/L
ムチン(シグマ アルドリッチ社製): 5g/L
ヘミン(シグマ アルドリッチ社製): 2.5mg/L
ビタミンK(和光純薬工業社製): 0.5mg/L
KCl(和光純薬工業社製): 1g/L
システイン(和光純薬工業社製): 0.2g/L
蒸留水: 残
(全量が1Lになるようにメスアップした。)
【0043】
****コラーゲンゲルカップの作製法:
アクリル製のカップ(直径6mm×高さ5mm、肉厚0.8mm)に0.2%コラーゲン溶液(フナコシ社製)を、100μL添加し、36℃で乾燥させることにより行った。
【0044】
[実験例2]
下記表1に示す組成の口腔用組成物を調製し、下記評価を行った。結果を表2に示す。
香味の評価;
試験組成物(実施例及び比較例)10mLを30秒間、口に含みすすいだ後、香味について下記の3段階で評価し、10名の平均点を算出した。
【0045】
使用時から使用後の香味
評点基準
3点:比較例1と比較して良好な香味である
2点:比較例1と比較してやや良好な香味である
1点:比較例1と比較して同等以下の香味である
評点
◎:2.5点以上
○:2.0点以上2.5点未満
△:1.5点以上2.0点未満
×:1.5点未満
【0046】
[実験例3]
下記表1に示す組成の口腔用組成物を調製し、下記評価を行った。結果を表2に示す。
安定性の評価;
試験組成物(実施例及び比較例)を満注量500mLのPET容器に450mL充填し、45℃恒温槽に1週間保存後、実験例1と同様にしてバイオフィルム抑制活性を測定し、保存前のバイオフィルム抑制活性に対する残存活性(%)を算出した。
【0047】
なお、実施例及び比較例の口腔用組成物は下記方法で調製した。
口腔用組成物の調製法:
6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、香料成分及びその他の成分を秤取し、40℃で加温して蒸留水中で混合分散させた。デキストラナーゼ添加群においてはデキストラナーゼを採取、添加後、すべての群において全量が100mLになるように蒸留水でメスアップした。
【0048】
【表1】


【0049】
1)A成分;6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン
・エタノールアミン(シグマ アルドリッチ社製)
2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 POE数は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の
酸化エチレン平均付加モル数を示す。
3)デキストラナーゼ;三共社製(10000単位/g)
4)テレピン油(和光純薬工業社製 本発明の香料成分の対照品として)
5)CPC;塩化セチルピリジニウム(和光純薬工業社製 1)の対照品として)
6)HCO−30;ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油(日本サーファクタント社
製 2)の対照品として)
【0050】
【表2】


【0051】
上記の結果より、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドンと、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種又は2種以上の香料成分の組み合わせ以外(比較例1〜5)では、バイオフィルム抑制効果、香味、安定性のすべてを満足することはできなかったが、前記成分の組み合わせ(実施例1〜14)により、相乗的な効果が発現し、すべての指標において良好な結果が得られ、本発明の有効性が認められた。更に、6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドンと、酸化エチレン平均付加モル数が40〜100のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油と、ペパーミント油,スペアミント油,ウィンターグリーン油,アニス油,ユーカリ油,カシア油,クローブ油,オレンジ油,レモン油から選ばれる1種以上の香料成分にデキストラナーゼを加えると(実施例13、14)、更に顕著にバイオフィルム抑制効果が高まることが分かった。これらの実施例では、バイオフィルム抑制活性(体積減少率%)と安定性(残存活性%)をかけ合わせた保存後の絶対活性においても実施例1〜12より良好であり優位性が認められた。
【0052】
〔実施例15〕 洗口剤
6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン・エタノールアミン(シグマ アルドリッチ社製) 0.2%
ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油(日本サーファクタント社製)
0.5
香料A 0.5
イソプロピルメチルフェノール 0.05
エタノール 5.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.1
プロピレングリコール 2.0
トラネキサム酸 0.06
グリチルリチン酸ジカリウム 0.06
グリセリン 5.0
クエン酸 0.06
クエン酸ナトリウム 0.5
サッカリンナトリウム 0.01
水 残
計 100.0%
【0053】
〔実施例16〕 歯磨剤
6−シクロヘキシル−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピリドン・エタノールアミン(シグマ アルドリッチ社製) 0.5%
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油(日本エマルジョン社製) 1.0
香料B 1.0
デキストラナーゼ(三共社製、11000単位/g) 0.16
無水ケイ酸 15.0
プロピレングリコール 3.0
70%ソルビット液 40.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
フッ化ナトリウム 0.21
ゼラチン 0.3
サッカリンナトリウム 0.2
水 残
計 100.0%
【0054】
なお、香料A,Bは下記の通りである。
【表3】


【0055】
【表4】


【0056】
以上、実施例15、16に対して実験例と同様な評価を行った結果、優れたバイオフィルム抑制効果、バイオフィルム抑制効果の経時安定性、香味のいずれにおいても比較例より良好な結果が得られた。




 

 


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