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発明の名称 炭化水素複合体マスカラ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−246525(P2007−246525A)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
出願番号 特願2007−62725(P2007−62725)
出願日 平成19年3月13日(2007.3.13)
代理人 【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
発明者 バランダ エーティス / フロレンティーナ パヴェル
要約 課題
よりボリュームを出し、伸長させるばかりでなく、付着性や色強度を増大させ、耐水性であるマスカラを提供する。

解決手段
熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、揮発性溶媒、及び非極性の非揮発性溶媒を含有するマスカラ組成物であって、熱可塑性エラストマーが、13重量%未満のスチレンを含む熱可塑性セグメントを有し、粘着付与剤が水素化炭化水素樹脂を含む。マスカラの適用後、アプリケータを睫毛から離した際に生じる繊維の形成が、特に非揮発性溶媒を含まないマスカラと比較して、低減されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、揮発性溶媒、及び非極性の非揮発性溶媒を含有するマスカラ組成物。
【請求項2】
前記熱可塑性エラストマーが、スチレンを含む熱可塑性セグメントを有する、請求項1に記載のマスカラ組成物。
【請求項3】
スチレンが前記熱可塑性エラストマーの25重量%未満を構成する、請求項2に記載のマスカラ組成物。
【請求項4】
スチレンが前記熱可塑性エラストマーの13重量%未満を構成する、請求項2に記載のマスカラ組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性エラストマーが、スチレンエチレン/ブチレンのトリ-ブロックコポリマーを含む、請求項1に記載のマスカラ組成物。
【請求項6】
前記粘着付与剤が水素化炭化水素樹脂を含む、請求項1に記載のマスカラ組成物。
【請求項7】
前記粘着付与剤が水素化スチレン/メチルスチレン/インデンのコポリマーを含む、請求項6に記載のマスカラ組成物。
【請求項8】
前記揮発性溶媒が非極性の揮発性溶媒を含む、請求項1に記載のマスカラ組成物。
【請求項9】
前記非極性の揮発性溶媒がイソドデカンである、請求項8に記載のマスカラ組成物。
【請求項10】
前記非極性の揮発性溶媒が石油蒸留物を含む、請求項8に記載のマスカラ組成物。
【請求項11】
前記非揮発性溶媒がポリアルファオレフィンを含む、請求項1に記載のマスカラ組成物。
【請求項12】
前記ポリアルファオレフィンがポリデセンを含む、請求項11に記載のマスカラ組成物。
【請求項13】
前記ポリデセンが水素化ポリデセンである、請求項12に記載のマスカラ組成物。
【請求項14】
前記ポリデセンが約283の分子量を有する、請求項13に記載のマスカラ組成物。
【請求項15】
前記熱可塑性樹脂が、スチレンエチレン/ブチレンのトリ-ブロックコポリマーを含み、前記粘着付与剤が水素化スチレン/メチルスチレン/インデンのコポリマーを含み、前記非揮発性溶媒がポリデセンを含む、請求項1に記載のマスカラ組成物。
【請求項16】
水と乳化剤をさらに含有する、請求項1に記載のマスカラ組成物。
【請求項17】
前記乳化剤がホスファート又はアルキルホスファートを含み、ここで該乳化剤がトリエタノールアミンを含まない、請求項16に記載のマスカラ組成物。
【請求項18】
前記乳化剤がセチルリン酸カリウムを含む、請求項17に記載のマスカラ組成物。
【請求項19】
少なくとも一のロウをさらに含有する、請求項16に記載のマスカラ組成物。
【請求項20】
増粘剤をさらに含有する、請求項16に記載のマスカラ組成物。
【請求項21】
前記増粘剤が、PEG-100ステアリルエーテル/ダイマー/IPDIを含む、請求項20に記載のマスカラ組成物。
【請求項22】
熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、揮発性溶媒、及び非揮発性溶媒を混合することを含む、マスカラの製造方法。
【請求項23】
熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、揮発性溶媒、及び非揮発性溶媒を含有するマスカラ組成物を、睫毛に適用することを含む、睫毛のボリューム及び/又は長さを増大させるための方法。
発明の詳細な説明
【発明の開示】
【0001】
(発明の背景)
化粧品産業では、マスカラに関して、2つの基本的性質を増加させること、すなわち睫毛のボリューム又は厚みを増大させることと、マスカラ付着時間を長くすることに、その試みの多くを集中させている。米国特許第5874072号には、水溶性皮膜形成ポリマーを有する水性エマルションの形態で、水不溶性のコポリマーの混合物を含有するマスカラが教示されている。米国特許第6248336号には、水性エマルション中の不溶性ポリマー物質と、ポリビニルピロリドン/ヘキサデカンコポリマーを含む親油性の油成分を含有してなるエマルションの形態の、改善された使用特性を有するマスカラ組成物が教示されている。また米国特許第6534047号には、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、及び(メタ)アクリル酸C-Cアルキルの水性分散液を含有する、ケラチン繊維のコートのための化粧品用組成物が教示されている。これら特許には、組成物により、良好な睫毛の被覆性、伸長性、カール性、並びに良好な保持力を有する均質なメークアップ結果に素早く至ることが教示されている。
【0002】
米国特許第6503521号には、三種の皮膜形成剤:すなわち水に可溶性又は分散性の少なくとも一の粘着質の皮膜形成剤;油に可溶性の少なくとも一の粘着質の皮膜形成剤;及び少なくとも一の付加的な水溶性又は水分散性皮膜形成剤を使用し、ボリュームを増大させるマスカラが教示されている。米国特許第6726917号には、繊維、顔料、さらには少なくとも一が水に可溶性又は分散性の粘着質の皮膜形成剤で、少なくとも一が水素化ポリイソブテン類、アジピン酸/ジエチレングリコール/グリセリンの架橋ポリマー、ポリエチレン類、及びポリビニルラウラート類から選択され、油に可溶性の粘着質の皮膜形成剤といった少なくとも二の皮膜形成剤を含有し、睫毛を伸長させ及び/又は睫毛にボリュームを付与するためのマスカラが教示されている。
【0003】
(発明の要約)
本発明の第一の態様は、熱可塑性エラストマー、粘着付与剤、揮発性溶媒、及び非極性の非揮発性溶媒を含有するマスカラを対象とする。いくつかの実施態様では、マスカラは水と乳化剤をさらに含有しており、ある実施態様では水で落とせるマスカラになっている。乳化剤は、好ましくはトリエタノールアミンを含まない。また、上述した成分を互いに混合することによるマスカラの製造方法、並びに睫毛へのマスカラの適用方法、又は睫毛のボリュームを増大させる方法も開示される。
【0004】
本出願人は予期しないことに、本発明のマスカラ組成物が、よりボリュームを出し、伸長させるばかりでなく、付着性や色強度を増大させ、マスカラが耐水性である特定の実施態様では特にしかりであることを見出した。本出願人は、マスカラの適用後、アプリケータを睫毛から離した際に生じる繊維の形成(これは、ピザ片をパイから取り上げる際の、ピザ片とパイとの間の温かいチーズの繊維様ストリングに類似している)が、特に非揮発性溶媒を含まないマスカラと比較して、低減することもまた見出した。
【0005】
(発明の詳細な説明)
マスカラは水で落とせるもの又は耐水性のものとして処方することができる。ここで使用される場合、水で落とせるマスカラという用語は、水及び/又は石鹸で除去することができる組成物を意味する。これらの処方物は典型的にはエマルション(例えば、水中ロウのエマルション)、例えばクリーム、もしくはいくつかの場合にはゲル及びケーキである。除去に油の使用が必要な耐水性のマスカラは、一般的に有機溶媒にロウを分散させた形態をしている。
【0006】
耐水性及び同様に水で落とせる本発明のマスカラは、スチレンを含む熱可塑性セグメントを有する熱可塑性エラストマー、粘着付与剤(タッキファイヤー)、揮発性溶媒、及び非揮発性溶媒を含む。
【0007】
熱可塑性エラストマーは、少なくとも二の熱力学的に相容れないセグメント、すなわち「熱可塑性」又は「硬質」セグメントと、「エラストマー性」又は「軟質」セグメントを有する。それらの組成的性質の他に、硬質及び軟質セグメントは、それらのガラス転移温度「Tg」の点で相違する。より詳細には、硬質セグメントは少なくとも約50℃のTgを有するが、これに対して軟質セグメントは、約−10℃以下のTgを有する。例えば米国特許第5294438号及び同6403070号を参照のこと。
【0008】
熱可塑性エラストマーの硬質セグメントは、典型的には種々の量でビニルモノマーを含有する。適切なビニルモノマーの例には、限定されるものではないが、スチレン、メタクリラート、アクリレート、ビニルエステル、ビニルエーテル、酢酸ビニル等が含まれる。好ましい実施態様では、エラストマーの硬質又は熱可塑性セグメントはスチレンを含む(又はある実施態様では、スチレンからなる)。マスカラが耐水性であるいくつかの実施態様では、熱可塑性エラストマーのスチレン含有量は、熱可塑性エラストマーの重量に基づき(すなわち固形物含有量)、30重量%未満、又は25重量%未満、又は20重量%未満である。これは、30重量%を越えるスチレン含有量の熱可塑性エラストマーは、一般的な担体系において硬化/ゲル化する傾向があるためである。しかしながら、30重量%を越えるスチレン含有量の熱可塑性エラストマーを使用する場合は、化粧品用組成物中のスチレン含有エラストマーの硬化/ゲル化を制御するのに有効な量の、スチレンブロックを溶解可能な溶媒又は官能成分を使用することが必要となる。他の実施態様では、スチレン含有量は約13重量%未満である。
【0009】
熱可塑性エラストマーの軟質セグメントは、飽和、不飽和、又はそれらの組合せであってよいオレフィンポリマー及び/又はコポリマーを含む。適切なオレフィンコポリマーの例には、限定されるものではないが、エチレン/プロピレンのコポリマー、エチレン/ブチレンのコポリマー、プロピレン/ブチレンのコポリマー、ポリブチレン、ポリイソプレン、水素化ブタン類及びイソプレン類のポリマー、及びそれらの混合物が含まれる。
【0010】
本発明に有用な熱可塑性エラストマーは、ブロックコポリマー、例えばジ-ブロック、トリ-ブロック、マルチ-ブロック、ラジカル又は星型ブロックコポリマー、及びそれらの混合物並びに配合物(blends)である。ジ-ブロック熱可塑性エラストマーは、通常はA-B型又は配列で硬質セグメント(A)に軟質セグメント(B)が続くものとして定義される。トリ-ブロックは、通常は、A-B-A型コポリマー又は一つが硬質、一つが軟質、そして一つが硬質セグメントの比のものとして定義される。マルチ-ブロック又はラジカルブロック又は星型ブロックの熱可塑性エラストマーは、通常は、硬質及び軟質セグメントの任意の組合せを含むが、そのエラストマーは硬質及び軟質の双方の特徴を有する。
【0011】
いくつかの実施態様では、本発明の熱可塑性エラストマーは、クレイトン(Kraton)TMゴムのクラス(シェルケミカル社(Shell Chemical Company))又は類似の熱可塑性エラストマーから選択され得る。クレイトンTMゴムは、ポリマー鎖がジ-ブロック、トリ-ブロック、マルチ-ブロック、又はラジカル又は星型ブロック構造、又はそれらの多くの混合体を含む熱可塑性エラストマーである。クレイトンTMトリ-ブロックゴムはゴム(軟質)セグメントの各末端にポリスチレン(硬質)セグメントを有するが、クレイトンTMジブロックゴムはゴム(軟質)セグメントに結合してポリスチレン(硬質)セグメントを有する。クレイトンTMラジカル又は星型構造は、ゴムセグメントの各末端にポリスチレンセグメントが結合したゴムからなる4点又は他の複数点の星型でありうる。各クレイトンTMゴムの構造は、分離したポリスチレン及びゴムのドメインを形成する。
【0012】
クレイトンTMゴムの各分子は、スチレンモノマー単位とゴムモノマー及び/又はコ-モノマー単位のブロックセグメントを含むと言われている。クレイトンTMトリブロックコポリマーの最も一般的な構造は、直線状A-B-Aブロック型で、スチレン-ブタジエンスチレン、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-エチレンプロピレン-スチレン、又はスチレン-エチレンブチレン-スチレンである。クレイトンTMジ-ブロックは、典型的にはABブロック型、例えばスチレン-エチレンプロピレン、スチレン-エチレンブチレン、スチレン-ブタジエン、又はスチレン-イソプレンである。クレイトンTMゴム構造は当該分野でよく知られており、類似した構造を有する任意のブロックコポリマーエラストマーが、本発明の実施の範囲内である。他のブロックコポリマーは、商品名セプトン(Septon)(クラリー社(Kurary, Co., Ltd)から販売されているSEEPSとして知られているエラストマーを表す)として販売されており、また商品名ベクター(Vector)TMとしてエクソン・ダウ社(Exxon Dow)から販売されているものがある。
【0013】
本発明で有用な他の熱可塑性エラストマーには、スチレン-ブチレン/エチレン-スチレンのコポリマー(トリ-ブロック)、エチレン/プロピレン-スチレンのコポリマー(ラジカル又は星型ブロック)、又は2つの混合物もしくは配合物を含むブロックコポリマーエラストマーが含まれる。(ある製造メーカーでは、ブロックコポリマーを、水素化ブロックコポリマー、例えば水素化スチレン-ブチレン/エチレン-スチレンのコポリマー(トリ-ブロック)と呼ぶ)。
【0014】
本発明の熱可塑性エラストマーは、「感圧接着剤」型の接着剤、例えば「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」第3版、D. Satasに記載されているのものから選択することができる。本発明の熱可塑性エラストマーはまたポリウレタン類、エチレン/酢酸ビニルのポリマー、及びそれらの配合物から選択される接着剤ポリマーであってもよい。
【0015】
本発明の熱可塑性エラストマーは、典型的にはゲル化した形態で使用される。「ゲル化」なる用語は、ブロックコポリマーが溶媒に溶解することを意味している。ブロックコポリマーは、溶媒、例えば油、炭化水素溶媒及びエステル中にそれを溶解させることによって処方される。本発明の実施に有用な炭化水素には、限定されるものではないが、鉱物性油、無機溶媒、軽油、石油、ロウ、合成炭化水素、動物性油、植物性油、及びそれらの混合物が含まれる。いくつかの実施態様では、ブロックコポリマーはイソドデカン又は軽質パラフィン溶媒にブロックコポリマーを溶解させることによって処方される。ゲル化した形態の熱可塑性エラストマーの特定の例には、限定されるものではないが、テキサス州ヒューストンのペンレコ社(Penreco)から商業的に入手可能なバーサゲル(Versagel)TMM5960及びバーサゲルTMM5970、並びにブルックス・インダストリーズ社(Brooks Industries)からのもの、例えばゲル・ベース(Gel Base)(例えば溶媒、すなわちイソドデカンと既に組み合わされているスチレン-エチレン/プロピレン混合ブロックコポリマーであるコード(Code)05895)が含まれる。
【0016】
熱可塑性エラストマーは、酢酸アミル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、又は酢酸イソプロピル等の非炭化水素溶媒にブロックコポリマーを溶解させることによって生成されてもよい。ブロックコポリマーからブロックコポリマー皮膜形成剤を処方するための溶媒及び溶解条件は、所望の特性を有する組成物を調製するために当業者により選択されるであろう。当業者であれば、溶解度パラメータを決定し、考慮される用途に応じて選択されるブロックコポリマーに基づいて溶媒を選択することができるであろう。特定のブロックコポリマーのプロセシングに有用な溶解度パラメータ及び溶媒に関するさらなる情報は、種々のブロックコポリマーの製造メーカー、例えばシェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)から入手できる。ポリマーの溶解度パラメータの概念についてのさらなる検討は、Encyclopedia of Polymer Science and Technology, 3版, Interscience, New York(1965)、及びEncyclopedia of Chemical Technology, Supp. Vol., Interscience, New York(1971)に提示されている。
【0017】
いくつかの実施態様では、熱可塑性エラストマーはトリ-ブロックゴムエラストマーである。トリ-ブロックゴムエラストマーは、スチレンエチレン/ブチレンのトリ-ブロックコポリマーでありうる。スチレンエチレン/ブチレンのトリ-ブロックコポリマーの代表的な例は、クレイトンTMGポリマー、例えばクレイトンTMG1657Mで、シェル社から商業的に入手可能なものである。
【0018】
マスカラにおける熱可塑性エラストマーの量は、マスカラの重量に基づき、固形物のパーセントで表して、一般的には約0.1%〜40%、いくつかの実施態様では約0.5%〜約10%の範囲である。
【0019】
ある物質は、それを熱可塑性エラストマーに添加することにより、得られた組成物が感圧接着剤の性質を有するならば、粘着付与剤(タッキファイヤー)と記載される。一般的に、粘着付与剤は、それらの化学的特徴に応じて、4つの異なるファミリー、すなわち炭化水素樹脂、テルペン、非晶質(すなわち非結晶性)ロジン、及びロジンエステル並びにそれらの誘導体に分けることができる。これらの粘着付与剤は、熱可塑性エラストマーの少なくとも一のセグメントと融和性があるという特徴を有する。「融和性」とは、熱可塑性エラストマーと粘着付与剤が混合された場合に、粘着付与剤と熱可塑性エラストマーの少なくとも一のセグメントの組合せが、DMA、DSC又は中性子光散乱法により測定され得る単一のガラス転移温度Tgを有するポリマー混合物を形成することを意味する。
【0020】
また、熱可塑性エラストマーと粘着付与剤の融和性は、溶解度パラメータによって定義することもできる。ハンセン溶解度空間の溶解度パラメーターδは、「Polymer Handbook」 第3版、第VII章、519-559頁に記載のEric A. Grulkeによる文献、「Solubility Parameter Values」に、以下の関係によって定義されている:
【0021】
δ=(dD2+dP2+dH2)1/2
上式中、dDは、分子衝撃の際に誘発される双極子の形成により得られるロンドン分散力を特徴付け、dPは、永久双極子間の相互作用のドバイ力を特徴付け、及びdHは、相互作用(水素、酸/塩基、又は供与体/受容体型等)の特異的な力を特徴付ける。ハンセンの3次元溶解度空間における溶媒の定義は、C. M. Hansenの「The three-dimensional solubility parameters」 J. Paint Technol. 39, 105 (1967)に与えられている。
【0022】
本発明で使用される粘着付与剤は、δに相当する溶解度パラメータを有し、熱可塑性エラストマーは、その溶解度パラメータがδ±2、いくつかの実施態様ではδ±1.7、δ±1.5、δ±1.3、δ±1.0、δ±0.7、δ±0.5、又はδ±0.3に相当する少なくとも一のセグメントを有するであろう。
【0023】
適切な粘着付与剤の例には、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族変性脂肪族炭化水素樹脂、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、ポリシクロペンタジエン樹脂、ガムロジン、ガムロジンエステル、ウッドロジン、ウッドロジンエステル、トール油ロジン、トール油ロジンエステル、ポリテルペン類、、芳香族変性ポリテルペン類、テルペンフェノール類、芳香族変性水素化ポリシクロペンタジエン樹脂、水素化脂肪族樹脂、水素化脂肪族芳香族樹脂、水素化テルペン類、及び変性テルペン類、水素化ロジン酸、及び水素化ロジンエステルが含まれる。粘着付与剤は、完全に又は部分的に水素化されていてよい。また粘着付与剤は非極性であってもよい。ここで使用される場合、非極性とは、極性基を有するモノマーを実質的に含有しない粘着付与剤を意味する。いくつかの実施態様では、極性基は存在しない;もし存在するならば、それらは典型的には約5重量%まで、ある実施態様では約2重量%まで、又は約0.5重量%までの量で存在する。いくつかの実施態様では、粘着付与剤は80℃〜150℃、好ましくは100℃〜130℃(ASTM E-28により測定されるRing and Ball(「R及びB」))の軟化点を有してよい。他の実施態様では、粘着付与剤は液体であってよく、約−70℃〜70℃のR及びB軟化点を有してよい。
【0024】
いくつかの実施態様では、粘着付与剤は、水素化炭化水素樹脂、例えば水素化スチレン/メチルスチレン/インデンのコポリマー、特に商品名リーガライト(Regalite)(登録商標)としてイーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical)から商業的に入手可能なR1090、R1100、R7100、S1100及びS5100を含むスチレン/メチルスチレン/インデンのコポリマーである。他の実施態様では、脂肪族又は芳香族の炭化水素ベースの粘着付与樹脂、例えばハーキュレス社(Hercules)から「ピコタック(Piccotac)」及び「ヘルコタック(Hercotac)」、又はエクソン社から「エスコレズ(Escorez)」の名称で販売されている樹脂を使用してもよい。さらに、本発明の要旨から逸脱することなく、粘着付与剤の混合物を使用することもできることが理解される。
【0025】
粘着付与剤は、本発明の化粧品用組成物中に、組成物の重量に基づき約0.1重量%〜約70重量%、いくつかの実施態様では約0.5重量%〜約40重量%の量で存在している。
【0026】
代表的な揮発性溶媒には、非極性の揮発性炭化水素ベース油(ここで使用される場合、水素と炭素原子のみを含有する油を意味する)、シリコーン油(シリコーン鎖の末端に、又はシリコーン鎖にペンダントしてアルキル又はアルコキシ基を有していてもよい)、フルオロ油が含まれる。適切な炭化水素ベース油には、イソパラフィン類、すなわち8〜16の炭素原子を有する分枝状のアルカン類、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られている)、及び石油蒸留物が含まれる。適切なシリコーン油には、2〜7のケイ素原子を有する直鎖状又は環状のシリコーン類が含まれ得、これらのシリコーン類は1〜10の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基を有していてもよい。よって、特にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、及びヘプタメチルオクチルトリシロキサン、及びそれらの混合物を挙げることができる。これらの溶媒の混合物を使用してもよい。さらに極性の揮発性溶媒を使用してもよく、その具体例には、C2ないしC5アルコール類、例えばエタノール、3-エトキシプロピオン酸エチル、及びネオペンタン酸イソヘキシルが含まれる。揮発性溶媒は、マスカラの全重量に基づき、一般的には約90%まで、いくつかの実施態様では約5%〜約80%、他の実施態様では約10%〜約70%の範囲の量で、本発明のマスカラ中に存在している。
【0027】
例示的な非極性の非揮発性溶媒には、C6、C8、C12及びC14オレフィン類のポリマー、及びポリデセン等のC6−C14オレフィン類のような、偶数の炭素のポリアルファオレフィン類にオリゴマー化されたエチレン誘導体を含むポリアルファオレフィン類が含まれる。ポリオレフィン類は、一般的に約280〜約11500の範囲の分子量(MW)と、一般的に約7〜約32500の範囲の粘度(20℃でのCPs)を有しうる。それらは水素化されていてもよい。いくつかの実施態様では、非揮発性溶媒には、ピュアシン(PureSyn)TM2(MW約283)、4(MW約432)、6(MW約570)、8(MW約611)、150(MW約3980)及び300(MW約4870)(INCI名:水素化ポリデセン)が含まれる。これらのポリマーの粘度は、それぞれ約8、約33、約64、約103、約4179及び約8400である。ピュアシンTM100(MW約2939、粘度約3900、INCI名:水素化C6−C14オレフィンポリマー)、及びピュアシンTM1000(MW約11500、粘度約32400、INCI名:ポリデセン)も有用である。ピュアシンTM製品はエクソン・ケミカルズ社から入手可能である。
【0028】
非揮発性溶媒は、マスカラの全重量に基づき、約0.1%〜約70%、いくつかの実施態様では約0.5%〜約40%、他の実施態様では1%〜約25%の範囲の量で、本発明のマスカラ中に存在している。
【0029】
本発明は、任意の他の化粧品的又は皮膚科学的に許容可能で、一般的には生理学的に許容可能な油、例えば鉱物、動物、植物又は合成由来の炭素ベース、炭化水素ベース、フルオロ及び/又はシリコーン油を単独で又は混合物として含有することができる。これらの成分は、非極性溶媒と共に、マスカラ組成物の液状脂肪相を構成する。
【0030】
本発明の水で落とせるマスカラは、また水を含んでいるが、水は耐水性マスカラ中には存在していてもいなくてもよい。一般的に、水で落とせるマスカラの水含有量は、マスカラ組成物の重量に対して約20〜約80重量%、いくつかの実施態様では約30〜約60重量%の範囲である。これに対し、耐水性マスカラの水含有量は、マスカラ組成物の重量に対して、一般的に約0〜約60重量%、いくつかの実施態様では約0〜約35重量%の範囲である。一又は複数の水混和性溶媒が存在していてもよい。
【0031】
水に加えて、水性相は、水混和性溶媒(25℃で50重量%を越える水混和性)、例えば1〜5の炭素原子を有する低級モノアルコール類、例えばエタノール又はイソプロパノール、2〜8の炭素原子を有するグリコール類、例えばプロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール又はジプロピレングリコール及びペンチレングリコール、C3−C4ケトン類、及びC2−C4アルデヒド類を含有していてもよい。
【0032】
本発明の組成物は乳化剤を含んでいてもよい。本発明の組成物に典型的に使用される乳化剤には、アニオン性、非イオン性及びカチオン性乳化剤が含まれる。乳化剤の特性及び(乳化)機能の定義については、例えば、Encyclopedia of Chemical Technology, KIRK-OTHMER, 第22巻, 333-432頁, 第3版, 1979, Wileyを、特にアニオン性及び非イオン性乳化剤に関しては、その文献の347-377頁を参照のこと。本発明の組成物に有用な乳化剤の例には、非イオン性界面活性剤として、脂肪酸、脂肪アルコール類、ポリエトキシル化脂肪アルコール類、又はポリグリセロール化脂肪アルコール類、例えばポリエトキシル化ステアリルアルコール類又はセチルステアリルアルコール類、脂肪酸とスクロースのエステル、及びグルコースアルキルエステル、特にポリオキシエチレン化C−Cアルキルグルコース脂肪エステル、及びアニオン性界面活性剤として、アミン類、アンモニア又はそのアルカリ金属塩で中和されたC16−C30脂肪酸が含まれる。カチオン性乳化剤の例には、第4級アミン類、アミンオキシド及びアミン類、例えばアルキルアミン類、アルキルイミダゾリン類、エトキシル化アミン類、第4級化合物、及び第4級エステルが含まれる。カチオン性乳化剤はまたコンディショニング効果を付与しうる。
【0033】
いくつかの実施態様では、乳化剤から、トリエタノールアミン(TEA)又はTEA-含有化合物、例えばTEA-ステアラート及びTEA-ステアリン酸グリセリルが除外される。これらの実施態様では、乳化剤はホスファートベースの乳化剤であり、具体例には、リン酸モノアルキル(MAP)及びリン酸ジアルキル、例えば花王ケミカル(Kao Chemicals)からMAP20(登録商標)の名称で販売されている一リン酸ラウリル、ドデシルリン酸のカリウム塩、コグニス社(Cognis)からクラフォール(Crafol)AP-31(登録商標)の名称で販売されているモノエステル及びジエステルの混合物(主としてジエステル)、コグニス社からクラフォールAP-20(登録商標)の名称で販売されているオクチルリン酸のモノエステルとジエステルの混合物、コンディア社(Condea)からイソフォール(Isofol)12 7EOリン酸エステル(登録商標)の名称で販売されている、エトキシル化(7モルのEO)された2-ブチルオクタノールリン酸のモノエステルとジエステルの混合物、ユニケマ社(Uniqema)からアルラトーン(Arlatone)MAP230K-40(登録商標)及びアルラトーンMAP230T-60(登録商標)の参照名で販売されている(C12-C13)リン酸モノアルキルのカリウム塩又はトリエタノールアミン塩、及びローディア・シミー社(Rhodia Chimie)からデルマルケア(Dermalcare)MAP XC-99/09(登録商標)の名称で販売されているラウリルリン酸カリウムが含まれる。いくつかの実施態様では、ホスファート乳化剤は、ユニケマ社から入手可能なアルラトーンMAP160K(登録商標)(INCI名:セチルリン酸カリウム)である。
【0034】
乳化剤は、組成物の全重量に対して、一般的に約1〜約30重量%、いくつかの実施態様では約3重量%〜15重量%の範囲の量で存在している。
【0035】
本発明の組成物は、少なくとも一の適切な(例えば化粧品的又は皮膚科学的に許容可能な)成分、特に添加剤及びアジュバント、例えばロウ、ポリマー、増粘剤、保湿剤、着色剤、分散促進剤、フィラー(例えばパウダー及び真珠母)、繊維、サンスクリーン剤、保存料、キレート剤(例えばEDTA及びその塩、特にナトリウム及びカリウム塩)、酸化防止剤(例えばBHT、トコフェロール)、精油、香料、中和剤又はpH調節剤(例えば水酸化ナトリウム)、及び化粧品用活性剤及び皮膚用活性剤、例えば抗炎症剤、消泡剤、エモリエント、ビタミン類、微量元素、及び必須脂肪酸をさらに含有してよい。これらの成分は、水相又は脂肪相に溶解又は分散してよい。
【0036】
本発明の目的において、「ロウ」なる用語は、室温(25℃)、大気圧(760mmHg、すなわち10Pa)で固体状であり、可逆的な固体/液体の状態変化を受け、30℃を超える、いくつかの実施態様では55℃〜120℃、又は200℃程の高い融点を有する親油性脂肪化合物を意味する。
【0037】
本発明の目的のために、ロウは化粧品及び皮膚科学において一般的に使用されているものである。様々なロウが有用であり、動物由来のロウ、植物由来のロウ、鉱物由来のロウ、及び合成由来のロウが含まれる。動物由来のロウの例には、ミツロウ、ラノリンロウ、及びイボタロウ(Chinese insect wax)が含まれる。植物由来のロウの例には、ライスワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オーリクリーロウ(ouricurry wax)、コルク繊維ロウ、サトウキビロウ、モクロウ、ハゼロウ(sumach wax)及び綿ロウが含まれる。鉱物由来のロウの例には、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、モンタンロウ、及びオゾケライトが含まれる。合成由来のロウの例には、ポリオレフィンロウ、例えばポリエチレンロウ、フィッシャー-トロプシュ合成法により得られたロウ、ロウ質コポリマー及びそれらのエステル、及びシリコーン及びフルオロワックスが含まれる。また、動物又は植物由来の水素化油を使用してもよい。具体例には、水素化ホホバロウ、及び直鎖状又は非直鎖状のC-C32脂肪鎖からなる脂肪の接触水素化により得られた水素化油、水素化ヒマワリロウ、硬化ヒマシ油、水素化コプラ油、水素化ラノリン、及び水素化パーム油が含まれる。いくつかの実施態様では、組成物は少なくとも2又は少なくとも3のロウを含有する。ロウは、組成物の全重量に対して、一般的には約0.1重量%〜約40重量%、いくつかの実施態様では約0.5重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約10重量%の範囲の量で組成物に存在してよい。
【0038】
マスカラ組成物は、他のポリマー、例えばその他の成分と融和性があり、適用後に皮膜を形成する皮膜形成ポリマーを含有していてもよい。適切なポリマーには、ポリビニルピロリドン(PVP)及びビニルコポリマー、例えばビニルピロリドン(VP)/ヘキサデカンコポリマー、PVP/ヘキサデセンコポリマー、及びVP/エイコセンコポリマー(例えばISP社、ニュージャージー州ウェーンの商品名ガネックス(Ganex)V220)、トリメチルシロキシシリカート、及びアクリレートコポリマーが含まれる。ポリマーは、一般的に0〜約20重量%の範囲の量で、組成物に存在していてよい。
【0039】
粘度は、油相増粘剤又は液状脂肪相をゲル化させるのに有用な薬剤を添加することにより調節され得る。ゲル化剤は、ポリマー形態のゲル化剤、及び鉱物形態のゲル化剤から選択されてよい。ゲル化剤は、化学的網状化を介してゲル化させる薬剤、及び物理的網状化を介してゲル化させる薬剤からなる群から選択されてよい。ゲル化剤として変性クレー類を使用してよく、具体例には、C10〜C22脂肪酸の塩化アンモニウムで変性したヘクトライト類、例えばクオタニウム(quaternium)-18ベントナイト(bentonite)として既知のジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで変性したヘクトライト、特にレオックス社(Rheox)からベントーン(Bentone)34の名称で製造販売されている製品、サザンクレイ社(Southern Clay)で製造販売されているクレイトーン(Claytone)XL、クレイトーン34及びクレイトーン40、サザンクレイ社からクレイトーンHT、クレイトーンGR及びクレイトーンPSの名称で製造販売されている、クオタニウム-18ベンザルコニウムベントナイト類の名称で知られている変性クレー類、ステアラルコニウム(stearalkonium)ベントナイト類として知られているステアリルジメチルベンゾイルアンモニウムクロリドで変性したクレー類、例えばサザンクレイ社からクレイトーンAPA及びクレイトーンAFの名称で製造販売されている製品、及びレオックス社で製造販売されているバラゲル(Baragel)24が含まれる。他の鉱物性ゲル化剤には、シリカ、例えばヒュームドシリカが含まれる。ヒュームドシリカは、約5nm〜200nmの範囲の粒子径を有していてよい。
【0040】
使用され得る水溶性増粘剤又はゲル化剤には、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール、架橋したアクリレート類(例えばカルボポール(Carbopol)982)、疎水性の変性アクリレート類(例えばカルボポール1382);ポリアクリルアミド類、例えばセピック社(SEPPIC)からセピゲル(Sepigel)305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13-C14イソパラフィン/ラウレス(Laureth)7)又はシムルゲル(Simulgel)600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルバート80)の名称で販売されている架橋コポリマー;場合によっては架橋及び/又は中和されていてよい2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のポリマー及びコポリマー;セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース;多糖類及びガム類、例えば天然ガム、特にキサンタンガム、菌核粒子、カラギーナン及びペクチン;多糖類樹脂、例えばデンプン及びその誘導体、ヒアルロン酸とその塩、クレー類、特にモンモリロナイト類、ヘクトライト類、ベントナイト類、及びラポナイト類(laponites)、架橋したポリアクリル酸、例えばグッドリッチ社(Goodrich)からの製品「カルボポール」、ヒスパノ・キミカ社(Hispano Quimica)又はガーディアン社(Guardian)から「ヒスパゲル(Hispagel)」又は「ルブラゲル(Lubragel)」の名称で販売されているポリグリセリル(メタ)アクリレートポリマー、架橋したアクリルアミドのポリマー及びコポリマー、例えばヘキスト社(Hoechst)から「ボゼポール(Bozepol)C」又は「PAS5161」、セピック社から「セピゲル305」の名称で販売されているもの、アライド・コロイド社(Allied Colloid)から「サルケア(Salcare)SC95」の名称で販売されている、架橋したメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー、及び会合性ポリマー、特に会合性ポリウレタン類が含まれる。
【0041】
いくつかの実施態様では、組成物は、アルコキシル化された二量体脂肪族化合物である増粘剤を含む。適切なアルコキシル化された二量体脂肪族化合物には、2005年5月19日に公開された米国特許出願公開第2005/0106193号に開示されているものが含まれる。特に適切なアルコキシル化された二量体脂肪族化合物には、次の式(I):
【化1】


[上式中、nは約50〜約150、好ましくは約70〜約120、最も好ましくは約75〜100の全ての範囲及び部分的範囲を含む整数であり;mは1〜5、好ましくは2及び/又は3(エトキシル化及び/又はプロポキシル化)、最も好ましくは2(エトキシル化)の整数であり;Rは、C12−C24アルキル又はアルケニル脂肪部分、好ましくはC14-C22脂肪部分、最も好ましくはC16−C18脂肪部分を表す]
の化合物が含まれる。好ましいアルコキシル化された二量体脂肪族化合物は、約75〜約100エトキシル化単位とC16−C18脂肪部分を有する化合物である。このような化合物の特に好ましい例は、それぞれデルモシックス(Dermothix)75及びデルモシックス100の商品名で市販されている75又は100モル(又は単位)のエトキシル化度を有する化合物である。
【0042】
増粘剤/ゲル化剤は、一般的に約0.05重量%〜20重量%、いくつかの実施態様では約0.5重量%〜約10重量%の範囲の量で存在している。
【0043】
また本発明の組成物は、保湿剤をさらに含有していてよい。具体例には、乳酸ナトリウム、マンニトール、アミノ酸、ヒアルロン酸、ラノリン、尿素、ワセリン、及びそれらの混合物が含まれる。他の例には、ポリオール類、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール及びソルビトールが含まれる。これらの薬剤は、組成物の重量に対して、一般的には約0.1重量%〜約20重量%、いくつかの実施態様においては約0.5重量%〜約15重量%の範囲の量で、本発明の組成物に存在している。
【0044】
着色剤は、脂質親和性染料、親水性染料、伝統的な顔料、及び化粧品用又は皮膚用組成物に通常使用されている真珠光沢剤、及びそれらの混合物から選択されてよい。着色剤は、任意の形状、例えば球状、卵形、板状(platelet)、不規則な形状、及びそれらが混合した形状を有するものであってよい。顔料は、場合によっては例えばシリコーン類(例えば、無機顔料はジメチコーンで被覆されていてよい)、過フッ化化合物、レシチン、及びアミノ酸で表面処理されていてもよい。
【0045】
脂溶性染料には、例えばスーダンレッド(Sudan Red)、D&Cレッド17、D&Cグリーン6、大豆油、スーダンブラウン(Sudan Brown)、D&Cイエロー11、D&Cバイオレット2、D&Cオレンジ5、キノリンイエロー及びアナトーが含まれる。水溶性染料は、例えばビート根汁又はメチレンブルーである。
【0046】
顔料は、白色顔料、有色顔料、無機顔料、有機顔料、被覆顔料、非被覆顔料、ミクロンサイズの顔料、及びミクロンサイズではない顔料から選択され得る。無機顔料としては、二酸化チタン、表面処理されていてもよい酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水和クロム、及びフェリックブルーを挙げることができる。有機顔料としては、カーボンブラック、D&C型の顔料、コチニールカルミンをベースにしたレーキ類、バリウムをベースにしたレーキ類、ストロンチウムをベースにしたレーキ類、カルシウムをベースにしたレーキ類、及びアルミニウムをベースにしたレーキ類を挙げることができる。
【0047】
真珠光沢顔料は、例えば白色の真珠光沢顔料、例えばチタンで被覆されたマイカ、及びオキシ塩化ビスマスで被覆されたマイカ、有色の真珠光沢顔料、例えば酸化鉄を有するチタンマイカ、例えばフェリックブルー及び/又は酸化クロムを有するチタンマイカ、上述したタイプの有機顔料を有するチタンマイカ、及びオキシ塩化ビスマスをベースとした真珠光沢顔料、干渉顔料、及びゴニオクロマティック(goniochromatic)顔料から選択され得る。
【0048】
着色剤は、組成物の全重量に対して、一般的に約0.01%〜約50%の範囲の量で存在している。
【0049】
また、本発明の組成物は、分散促進剤、例えば多糖類樹脂、特にKAMAインターナショナルコープ(International Corp)(ジョージア州、ダルース(Duluth, GA))から入手可能なKM13をさらに含有してよい。分散促進剤は有色製品では特に好ましい。
【0050】
フィラー、パウダー及び真珠母も、典型的には組成物のテクスチャー、及びマット/光沢効果を変化させるために、処方物に添加することができる。フィラーは、ラメラ状又は非ラメラ状、無機又は合成で、無色又は白色の粒子を意味すると理解されるべきである。真珠母は、特にある種の軟体動物により貝殻の内部に生成されたか合成等された、真珠光沢のある粒子を意味するものと理解されるべきである。これらの成分の代表例には、マイカ、シリカ、カオリン、酸化鉄、二酸化チタン、ポリアミドパウダー、ポリアミドパウダー、例えばナイロン(登録商標)(アトケム社(Atochem)のオルガゾール(Orgasol)、ポリ-アラニンパウダー、ポリエチレンパウダー、テトラフルオロエチレンポリマーパウダー、例えばテフロン(登録商標)、デンプン、窒化ホウ素、中空ポリマーのミクロスフィア、例えば塩化ポリビニリデン/アクリロニトリルのもの、例えばエクスパンセル(Expancel(登録商標))(ノーベルインダストリー社(Nobel Industrie))、アクリル酸ポリマー、例えばポリトラップ(Polytrap)(登録商標)(ダウ・コーニング社(Dow Corning))、ポリメチルメタクリラート粒子及びシリコーン樹脂のマイクロビーズ(例えば、東芝(Toshiba)のトスパール(Tospearls(登録商標))、炭酸水素マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、中空シリカのミクロスフィア(マプレコス社(Maprecos)のシリカビーズ(登録商標))、及びガラス又はセラミックのマイクロカプセルが含まれる。フィラー(類)が存在する場合、それらは、組成物の全重量に対して一般的には約0.1重量%〜約25重量%、いくつかの実施態様では約1重量%〜約20重量%の範囲の量で存在している。
【0051】
いくつかの実施態様では、マスカラは、伸長効果を改善することを可能にするある種の繊維をさらに含有していてもよい。本発明で有用な繊維は、天然及び合成繊維から選択されてよい。天然繊維には、限定されるものではないが、綿、絹、羊毛、及び他のケラチン繊維が含まれる。合成繊維には、限定されるものではないが、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、及び他のポリアミド繊維が含まれる。繊維は、組成物の重量に対して、一般的に約0.01重量%〜10重量%の範囲の量で、組成物に存在していてもよい。
【0052】
保存料の代表例には、アルキル基が1、2、3、4、5又は6の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有するパラ-ヒドロキシ安息香酸アルキル、例えばパラ-ヒドロキシ安息香酸メチル(メチルパラベン)、パラ-ヒドロキシ安息香酸エチル(エチルパラベン)、パラ-ヒドロキシ安息香酸プロピル(プロピルパラベン)、パラ-ヒドロキシ安息香酸ブチル(ブチルパラベン)、及びパラ-ヒドロキシ安息香酸イソブチル(イソブチルパラベン)、及びフェノキシエタノールが含まれる。保存料の混合物、例えばニパ社(Nipa)からニパスタット(Nipastat)の名称で販売されている、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン及びブチルパラベンの混合物、及びニパ社からフェノニプ(Phenonip)の名称で販売されているフェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン及びブチルパラベンの混合物、ISPからリクアパー・オプティマ(Liquapar Optima)の名称で販売されているフェノキシエタノール、メチルパラベン、イソプロピルパラベン、イソブチルパラベン、及びブチルパラベンの混合物も有用である。保存料は、組成物の重量に対して、一般的に約0.01重量%〜約15重量%の範囲の量で存在していてよい。
【0053】
次の実施例は、本発明をさらに例証することを意図している。それらは決して本発明を限定することを意図しているものではない。特に示さない限りは、全ての部は重量基準である。
【実施例】
【0054】
実施例1
耐水性マスカラ
【表1】


【0055】
耐水性マスカラを調製するために、イソドデカンを主ケトルにて65〜80℃の温度まで加熱した。混合下、リーガライト(登録商標)R1100を添加し、溶解させた(約15分)。固形物を完全に溶解させた後、クレイトンG1657Mを、激しい混合下で添加した。温度を60〜80℃で維持した。全ての固形物が溶解した後、ベントーンを添加し、溶解したら直ぐに、炭酸プロピレンを添加して、よく混合した。混合物が均質になった時、ピュアシンTM2及びDC556を添加し、均一になるまで混合した。温度が30〜35℃に達した時に、バッチを落とした。
【0056】
実施例2
水で落とせるマスカラ
【表2】


水で落とせるマスカラを調製するために、B相の成分を組合せ、90℃で溶解させ、均質になった時に、1時間のホモミキシング条件下で、黒酸化鉄を添加した。別のビーカーにおいて、脱イオン水、ペンチレングリコール、メチルパラベン及び二ナトリウムEDTAを添加した。85℃までの加熱を開始しつつ、プロペラを使用して混合を開始した。混合中に、PVP K90を添加し、続いて、85℃まで加熱しつつ、ヒドロキシプロピルセルロースを添加した。この混合物に対し、50%の水酸化ナトリウムを他のA相の成分に添加した。B相の成分を他のA相の成分に添加し、80〜85℃で30分間ホモジナイズした。5分後、C相の成分(すなわちジメチコーン)を添加した。30分後、ホモジナイザーからバッチを取り出し、パドル混合下で混合した。60℃でD相の成分(すなわちリーガライト(登録商標)R1100)を添加し、続いて50℃でE相の成分(すなわちピュアシンTM2)、さらに45℃でF相の成分(すなわちリクアパー・オプティマ)を添加した。得られた処方物の温度を30〜35℃まで低下させた。
【0057】
実施例3
【表3】


主ケトルにて、イソドデカンを65〜80℃の温度まで加熱した。混合下、リーガライト(登録商標)R1100を添加し、溶解させた(約15分)。固形物を完全に溶解させた後、クレイトンG1657Mを、激しい混合下で添加した。温度を60〜80℃で維持した。全ての固形物が溶解した後、ユニクリア(Uniclear)を添加し溶解させた。ユニクリアが完全に溶解した後、ホモジナイザーを使用して黒酸化鉄を添加した。1時間の混合中、温度を50〜55℃で維持した。ホモジナイザー下、ジステアルジモニウムヘクトライトを添加し、15〜30分後、炭酸プロピレンを添加した。温度を50〜55℃で維持した。30分後、加熱を止め、続いて冷却した。ピュアシンTM2を添加し、よく混合した。シリカシェル(Silica shells)を添加した。均質になって直ぐに、混合物をパドルミキサーに移した。温度が30〜35℃に達した時に、バッチを落とした。
【0058】
実施例4
【表4】


マスカラを調製するために、主ケトルにて、イソドデカンを65〜80℃の温度まで加熱した。混合下、リーガライト(登録商標)R1100を添加し、溶解させた(約15分)。固形物を完全に溶解させた後、クレイトンG1657Mを、激しい混合下で添加した。温度を60〜80℃で維持した。全ての固形物が溶解した後、ユニクリア100を添加し、溶解したら直ぐに、ホモジナイズしつつ、黒酸化鉄を添加した。温度を50〜55℃で維持しつつ、1時間、混合し続けた。温度を50〜55℃で維持しつつ、混合下において、ベントーンを添加し、15分後、炭酸プロピレンを添加した。30分後、加熱を止め、続いて冷却し、混合しつつ、ピュアシンTM2を添加した。ついで、シリカシェルを添加した。均質な組成物が得られたところで直ぐに、パドルミキサーに移した。温度が30〜35℃に達した時に、バッチを落とした。
【0059】
特許文献及び非特許文献の双方とも、明細書に引用された全ての文献は、この発明に関連する当業者のレベルの指標である。これら全ての文献は、個々の文献が出典明示により特にかつ個々に援用されているのと同程度に、出典明示によりここに援用される。
【0060】
ここで本発明を特定の実施態様に関して説明したが、これらの実施態様は、本発明の原則及び応用の単なる例示であると理解されなければならない。よって、例示された実施態様に対して多くの変更をなすことができ、添付の特許請求の範囲によって定まる本発明の要旨及び範囲から逸脱しないで他の構成を案出することができるものと理解されなければならない。




 

 


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