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発明の名称 疎水性部分を含み、スルホン基を含む少なくとも一のエチレン性不飽和モノマーの両親媒性ポリマーをベースとした光保護用組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−106772(P2007−106772A)
公開日 平成19年4月26日(2007.4.26)
出願番号 特願2006−332959(P2006−332959)
出願日 平成18年12月11日(2006.12.11)
代理人 【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
発明者 ブートゥレ,カルル / キャンドー,ディディエ
要約 課題
紫外線の影響から皮膚及び毛髪を保護するための組成物、及びこれらの組成物の使用の提供。

解決手段
5nm〜5μmの範囲の粒径を有する少なくとも一の無機不溶性のUV-遮蔽剤を含有し、UV線を遮蔽可能な少なくとも一の光保護系を含有する化粧品用又は皮膚用組成物において、少なくとも一の疎水性部分を含み、フリーの形態もしくは部分的又は全体的に中和された形態でスルホン基を含む少なくとも一のエチレン性不飽和モノマーを有する少なくとも一の両親媒性ポリマーをさらに含有することを特徴とする組成物。また、紫外線の影響から皮膚及び毛髪を保護するための、これらの組成物の用途を示す。
特許請求の範囲
【請求項1】
5nmから5μmの範囲の粒径を有する少なくとも一の被覆された又は被覆されていない金属酸化物の顔料の不溶性のUV-遮蔽剤を含有する、UV線を遮蔽可能な少なくとも一の光保護の機能を有する系を含有する化粧品用又は皮膚用組成物において、
次の式(I):
【化1】


[上式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、又は直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基を示し;YはO又はNHを示し;Rは少なくとも6〜50の炭素原子を含む疎水性炭化水素ベース基を示し;xはアルキレンオキシドのモル数を示し、1〜100の範囲である]
のアクリルアミド類又はアクリラート類から選択される6〜50の炭素原子を含む少なくとも一の疎水性部分を含むエチレン性不飽和疎水性コモノマーと部分的又は全体的に中和された形態のものである2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)との少なくとも一の両親媒性コポリマーをさらに含有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
両親媒性コポリマーが、1000〜20000000g/molの範囲の数平均分子量を有していることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
数平均分子量が20000〜5000000g/molの範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
数平均分子量が100000〜1500000g/molの範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記コポリマーの1重量%水溶液が、25℃の温度でNo.7のニードルを具備するブルックフィールド粘度計を使用して測定して、20000mPa.s〜100000mPa.sの範囲の粘度を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
両親媒性コポリマーが、tert-ブタノール中でのフリーラジカル沈殿重合によって調製されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
両親媒性コポリマーが架橋しているか又は非架橋であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
両親媒性コポリマーが架橋していることを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
架橋剤がポリオレフィン性不飽和化合物から選択されることを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
架橋剤がメチレンビスアクリルアミド、メタクリル酸アリル及びトリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)から選択されることを特徴とする請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
架橋度が、前記コポリマーに対して0.01mol%〜10mol%の範囲であることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
両親媒性コポリマーがn-モノ(C-C22)アルキルアミン又はジ-n-(C-C22)アルキルアミンとの反応によって変性されたランダムAMPSポリマーから選択されることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
両親媒性AMPSポリマーが脂肪鎖を含まない少なくとも一のエチレン性不飽和モノマーをさらに有していることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
脂肪鎖を含まないエチレン性不飽和モノマーが、(メタ)アクリル酸及びそれらのβ-置換アルキル誘導体、及びモノアルコールもしくはモノ-又はポリアルキレングリコールを用いて得られるそれらのエステル、又は(メタ)アクリルアミド類、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、イタコン酸又はマレイン酸、又はこれら化合物の混合物から選択されることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
疎水性のR基が、直鎖状、分枝状又は環状のC-C18アルキル基;C-C18アルキルペルフルオロ基;コレステリル基又はコレステロールエステル;芳香族多環式基から選択されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
式(I)のモノマーが、少なくとも一のポリオキシアルキレン化鎖をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
ポリオキシアルキレン化鎖が、エチレンオキシド単位及び/又はプロピレンオキシド単位からなることを特徴とする請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
ポリオキシアルキレン化鎖が、エチレンオキシド単位だけからなることを特徴とする請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
オキシアルキレン単位の数が3〜100の範囲であることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
オキシアルキレン単位の数が3〜50の範囲であることを特徴とする請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
オキシアルキレン単位の数が7〜25の範囲であることを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
両親媒性AMPSポリマーが:
− ポリマーに対して15重量%〜60重量%のAMPS単位及び40重量%〜85重量%の(C-C16)アルキル(メタ)アクリルアミド単位又は(C-C16)アルキル(メタ)アクリラート単位を含む架橋又は非架橋で中和又は非中和のコポリマー;
− ポリマーに対して10mol%〜90mol%のアクリルアミド単位、0.1mol%〜10mol%のAMPS単位、及び5mol%〜80mol%のn-(C-C18)アルキルアクリルアミド単位を含むターポリマー;
から選択されることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
両親媒性AMPSポリマーが;
− 部分的又は全体的に中和されたAMPSとn-ドデシルメタクリラートの非架橋コポリマー;
− 部分的又は全体的に中和されたAMPSとn-ドデシルメタクリルアミドの架橋及び非架橋コポリマー;
から選択されることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
両親媒性AMPSポリマーが、次の式(II):
【化2】


[上式中、Xはプロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、又はアンモニウムイオンである]
の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)単位、及び次の式(III):
【化3】


[上式中、xは3〜100の範囲の整数を示し;Rは式(I)において上述したものと同じ意味を有し、Rは直鎖状又は分枝状のC-C22アルキルを示す]
の単位からなるコポリマーから選択されることを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
x=25であり、Rがメチルであり、Rがn-ドデシルであることを特徴とする請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
ポリマー中の式(I)の単位又は式(III)の単位のモルパーセント割合が、50.1%〜99.9%の範囲であることを特徴とする請求項1又は24に記載の組成物。
【請求項27】
ポリマーにおける式(I)の単位又は式(III)の単位のモルパーセント割合が、0.1%〜50%の範囲であることを特徴とする請求項1又は24に記載の組成物。
【請求項28】
両親媒性ポリマーが、組成物の全重量に対して0.01重量%〜30重量の範囲の濃度で存在していることを特徴とする請求項1ないし27のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項29】
不溶性のUV-遮蔽剤が、酸化チタン(アモルファス、又はルチル及び/又はアナターゼ型の結晶)、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムから選択されることを特徴とする請求項1ないし28のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
不溶性のUV-遮蔽剤が、一次粒子の平均粒径が5nm〜100nmのナノ顔料であることを特徴とする請求項1ないし29のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項31】
不溶性のUV-遮蔽剤、一次粒子の平均粒径が10nm〜50nmのナノ顔料であることを特徴とする請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
不溶性のUV-遮蔽剤が、組成物の全重量に対して約0.1〜25重量%の全濃度で存在していることを特徴とする請求項1ないし31のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項33】
皮膚を人工的にサンタン状態にする、及び/又は褐色にするための少なくとも一の薬剤をさらに含有していることを特徴とする請求項1ないし32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
UV-A活性及び/又はUV-B活性の少なくとも一の可溶性の有機UV-遮蔽剤をさらに含有していることを特徴とする請求項1ないし33のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
可溶性の有機UV-遮蔽剤が、アントラニラート類;ケイ皮酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;サリチル酸誘導体;ショウノウ誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロナート誘導体;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン類;ビス-ベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン類;α-アルキルスチレンから誘導されたダイマー;4,4-ジアリールブタジエン類、及びそれらの混合物から選択される請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
可溶性の有機UV-遮蔽剤が:
− サリチル酸エチルヘキシル、
− ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
− メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
− オクトクリレン、
− フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
− テレフタリリデンジショウノウスルホン酸
− ベンゾフェノン-3、
− ベンゾフェノン-4、
− ベンゾフェノン-5、
− 4-メチルベンジリデンショウノウ、
− ベンゾイミダジラート、
− アニソトリアジン、
− エチルヘキシルトリアゾン、
− ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
− ドロメトリゾールトリシロキサン
及びそれらの混合物、
から選択される請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
脂肪物質、有機溶媒、イオン性又は非イオン性の増粘剤、柔軟剤、酸化防止剤、フリーラジカル捕捉剤、乳白剤、安定剤、エモリエント、シリコーン類、α-ヒドロキシ酸、消泡剤、保湿剤、ビタミン類、昆虫忌避剤、香料、防腐剤、界面活性剤、フィラー、光保護剤、本発明のもの以外のポリマー類、噴霧剤、酸性化又は塩基性化剤及び着色料から選択される少なくとも一のアジュバントをさらに含有していることを特徴とする請求項1ないし36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
ヒトの表皮を保護するための組成物又は抗日光組成物であり、非イオン性の小胞体分散液、エマルション、クリーム、ミルク、ゲル、クリームゲル、懸濁液、分散液、パウダー、固形チューブ状、ムース又はスプレーの形態であることを特徴とする請求項1ないし37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
まつげ、眉毛又は皮膚をメークアップするための組成物であり、固体状又はペースト状で無水又は水性の形態、又はエマルション、懸濁液又は分散液の形態であることを特徴と
する請求項1ないし38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
紫外線から毛髪を保護するための組成物であり、シャンプー、ローション、ゲル、エマルション又は非イオン性の小胞体分散液の形態であることを特徴とする請求項1ないし39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
遮蔽力の耐水性を増加させる目的での、少なくとも一の不溶性の有機UV-遮蔽剤を含有する、光保護のための化粧品用又は皮膚用組成物の製造における、請求項1ないし28のいずれか1項に記載の、少なくとも一の疎水性部分を含み、フリーの形態もしくは部分的又は全体的に中和された形態でスルホン基を含む少なくとも一のエチレン性不飽和モノマーを有する両親媒性ポリマーの使用。
発明の詳細な説明
【発明の開示】
【0001】
本発明は、5nm〜5μmの範囲の粒径を有する少なくとも一の無機又は有機で不溶性のUV-遮蔽剤を含有し、UV線を遮蔽可能な少なくとも一の光保護系を含有する化粧品用又は皮膚用組成物において、少なくとも一の疎水性部分を含み、フリーの形態もしくは部分的又は全体的に中和された形態でスルホン基を含む少なくとも一のエチレン性不飽和モノマーを有する少なくとも一の両親媒性ポリマーをさらに含有することを特徴とする組成物に関する。
また本発明は、紫外線の影響から皮膚及び毛髪を保護するための、これらの組成物の使用に関する。
【0002】
280nmと400nmの間の波長の光線によりヒトの皮膚は日焼し、特にUV-B線として知られている280nmと320nmの間の波長の光線により、皮膚は、自然なサンタン状態の形成に対して有害なサンバーン状態となったり、紅斑が形成されたりすることが知られている。これらの理由並びに美的理由から、自然な日焼けを調節して皮膚の色をコントロールする手段が変わらず必要とされている;よって、このUV-B線は遮蔽すべきである。
【0003】
また、皮膚をサンタン状態にする原因である320と400nmの間の波長を有するUV-A線が皮膚に傷害を誘発するおそれがあることが知られており、特に敏感肌又は太陽光線に絶えずさらされている肌の場合にしかりである。UV-A線は、特に、皮膚の弾力性を喪失させ、しわを出現せしめ、皮膚を時期尚早の老化に導く原因となるものである。UV-A線は、紅斑反応の惹起を促進したり、ある個体においてはこの反応を増幅し、光毒性又は光アレルギー反応の原因にさえなる。従って、例えば皮膚本来の弾力性を保持するという美的及び美容的理由から、益々多くの人々が皮膚へのUV-A線の影響をコントロールすることを望んでいる。よって、UV-A線も遮蔽することが望ましい。
【0004】
皮膚の光保護(UV-A及び/又はUV-Bに対する)を意図した多数の化粧品用組成物が、現在までに提案されている。
これら抗日光組成物は、かなり多くの場合、水中油型エマルション(すなわち、分散させる水性連続相と分散させられた脂肪性非連続相とからなる化粧品的及び/又は皮膚科学的に許容可能な担体)の形態、又は油中水型エマルション(脂肪性連続相に水相が分散したもの)の形態であり、有害な紫外線を選択的に吸収可能な一又は複数の標準的な親油性の有機遮蔽剤及び/又は無機金属酸化物のナノ顔料を種々の濃度で含有してなるもので、これらの遮蔽剤(及びその量)は、所望の日光保護ファクターに応じて選択され、日光保護ファクター(SPF)は、UV-遮蔽剤を用いない場合の紅斑形成閾値に達するまでに必要なUV線の線量に対する、UV-遮蔽剤を用いた場合の紅斑形成閾値に達するまでに必要なUV線の線量の比率を数学的に表したものである。このようなエマルションでは、親水性遮蔽剤は水相に存在し、親油性遮蔽剤は脂肪相に存在する。
【0005】
使用者は、特に好ましい感触(水に近い)があり、ミルク又は脂ぎっていないクリームの形態で提供されるため、油中水型エマルションよりも水中油型エマルションを好む;しかしながら、それらは水に接触すると、容易にその抗UV効果を喪失する;その理由は、海又はスイミングプールでの水浴、シャワー、もしくはウォータースポーツを行うと、親水性遮蔽剤が水中に消失する傾向があることにある;よって、それらを親油性遮蔽剤と組み合わせて、又は単独で含有する抗日光組成物は、それらが適用された被体(皮膚又は毛髪)が水と接触すると、もはや所望される当初の保護性を付与することができない。
【0006】
油中水型エマルションを使用して、耐水性が改善された抗日光組成物を得ることはできる。その理由は、親水性遮蔽剤が、水中油型エマルションよりも油中水型エマルションにおいてより耐水性があることにある。しかしながら、上述したように、このような組成物は、適用した後に、使用者が特に不快感を持つべとつき感を残すため、完全には満足のいくものではなかった。
【0007】
よって、経時的に安定しており、耐水性がある効果的な抗日光保護性と、標準的な油/水型エマルションで得られるものに匹敵する化粧品特性を皮膚及び/又は毛髪に付与する抗日光組成物を得ることが、今なお必要とされている。
【0008】
最も一般的に使用されているUV-遮蔽剤は有機性で油又は水性媒体に可溶性である;それらは一般的に、その構造中に、脂溶性UV-遮蔽剤の場合は脂肪鎖であり、又は水溶性UV-遮蔽剤の場合はカルボン酸又はスルホン酸基である可溶化基に結合した発色団を含んでいる。
10nm〜2μmの範囲の平均粒径を有し、同じ割合で同じ発色団を有する可溶性ホモログよりもより効果的であるという利点を有する微粉状の不溶性有機UV-遮蔽剤は、従来から知られている。この種のUV-遮蔽剤は、特に欧州特許出願第746305号及び欧州特許出願第8405395号に記載されている。
【0009】
被覆又は非被覆の金属酸化物の顔料又はナノ顔料(一次粒子の平均粒径:一般的に、5nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば酸化チタン(アモルファス、又はルチル及び/又はアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔料は、可溶性の有機UV-遮蔽剤と組み合わせて、かなり頻繁に抗日光調製物に使用されている。この種の不溶性のUV-遮蔽剤により、可溶性の有機UV-遮蔽剤の保護レベルを増大させ、高い保護ファクターを達成することができる。
残念なことに、標準的な抗日光調製物、例えば油/水型又は水/油型エマルションに、不溶性のUV-遮蔽剤を導入することは、多くの場合に困難である。
【特許文献1】特開平08−252447号公報
【特許文献2】特開平09−20615号公報
【特許文献3】特開平02−194063号公報
【特許文献4】国際公開第00/078277号パンフレット
【特許文献5】国際公開第99/66004号パンフレット
【0010】
本出願人は、驚くべきことにまた予期しないことに、少なくとも一の疎水性部分を含み、フリー(遊離)の形態もしくは部分的又は全体的に中和された形態でスルホン基を含む少なくとも一のエチレン性不飽和モノマーを有する少なくとも一の両親媒性ポリマーと少なくとも一の不溶性のUV-遮蔽剤を含有する特定の組成物により、その化粧品特性が油/水型エマルションの形態の標準的な抗日光組成物で一般的に得られたものに匹敵するばかりでなく、改善された耐水性を示す安定した抗日光組成物が得られることを見出した。
これらの発見が本発明の基礎を形成する。
【0011】
本発明の主題の一つは、5nmから5μmの範囲の平均粒径を有する少なくとも一の無機又は有機で不溶性のUV-遮蔽剤を含有する化粧品用又は皮膚用組成物において、少なくとも一の疎水性部分を含み、フリーの形態もしくは部分的又は全体的に中和された形態でスルホン基を含む少なくとも一のエチレン性不飽和モノマーを有する少なくとも一の両親媒性ポリマーをさらに含有することを特徴とする組成物にある。
本発明の目的において、「不溶性のUV-遮蔽剤」とは、水中での溶解度が0.1重量%未満、また流動パラフィン、脂肪安息香酸アルキル及び脂肪酸トリグリセリド等、例えばダイナミット・ノーベル社(Dynamit Nobel)から販売されているミグリオール(Miglyol)(登録商標)812といったの多くの有機溶媒中における溶解度が1重量%未満である任意の有機又は無機UV-遮蔽剤を意味する。懸濁液中に過剰の固体が入った平衡状態での溶媒中に溶解した生成物の量として70℃で定義されるこの溶解度は、実験室において容易に評価することができる。
【0012】
また本発明の主題は、日光等の紫外線から皮膚及び/又は毛髪を保護するための化粧品用組成物の製造における、エマルションの使用にある。
本発明の他の特徴、側面及び利点は、以下の詳細な記載を読むことにより、明らかになるであろう。
【0013】
本発明のポリマーは、少なくとも一の疎水性部分を含み、フリーの形態もしくは部分的又は全体的に中和された形態でスルホン基を含む少なくとも一のエチレン性不飽和モノマーを有する両親媒性ポリマーである。
「両親媒性ポリマー」なる表現は、親水性部分と疎水性部分、特に脂肪鎖の両方を含む任意のポリマーを意味する。
本発明のポリマー中に存在する疎水性部分は、好ましくは6〜50の炭素原子、さらに好ましくは6〜22の炭素原子、より好ましくは6〜18の炭素原子、特に12〜18の炭素原子を含む。
好ましくは、本発明のポリマーは、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はアンモニア水)、もしくは有機塩基、例えばモノ-、ジ-又はトリ-エタノールアミン、アミノメチルプロパンジオール、N-メチルグルカミン、塩基性アミノ酸、例えばアルギニン及びリシン、及びこれら化合物の混合物によって、部分的又は全体的に中和される。
本発明の両親媒性ポリマーは、一般的に1000〜20000000g/molの範囲、好ましくは20000〜5000000の範囲、さらに好ましくは100000〜1500000g/molの数平均分子量を有する。
【0014】
本発明による両親媒性ポリマーは、架橋していてもしてなくてもよい。架橋した両親媒性ポリマーが好ましく選択される。
前記ポリマーが架橋している場合には、架橋剤は、フリーラジカル重合によって得られるポリマーの架橋のために一般的に使用されるポリオレフィン性不飽和化合物から選択することができる。
例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、エチレングリコールジ(メタ)アクリラート又はテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、トリアリルアミン、トリアリルシアヌラート、ジアリルマレアート、テトラアリルエチレンジアミン、テトラアリルオキシエタン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、アリル(メタ)アクリラート、糖系列のアルコールのアリルエーテル、又は他の多官能アルコールのアリル又はビニルエーテル、及びリン酸及び/又はビニルホスホン酸の誘導体のアリルエステル、又はこれら化合物の混合物を挙げることができる。
メチレンビスアクリルアミド、メタクリル酸アリル又はトリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)が特に使用される。架橋度は、一般的に当該ポリマーに対して0.01mol%〜10mol%、特に0.2mol%〜2mol%の範囲である。
【0015】
スルホン基を含むエチレン性不飽和モノマーは、特にビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド(C-C22)アルキルスルホン酸、及びN-(C-C22)アルキル(メタ)アクリルアミド(C-C22)アルキルスルホン酸、例えばウンデシルアクリルアミドメタンスルホン酸、及びこれらの部分的又は全体的に中和された形態のものから選択される。
(メタ)アクリルアミド(C-C22)アルキルスルホン酸、例えばアクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-n-ブタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2,4,4-トリメチルペンタンスルホン酸、2-メタクリルアミドドデシルスルホン酸、又は2-アクリルアミド-2,6-ジメチル-3-ヘプタンスルホン酸、及びそれらの部分的又は全体的に中和された形態のものが、より好ましく使用される。
【0016】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、及びその部分的又は全体的に中和された形態のものが特に使用される。
本発明の両親媒性ポリマーは、特にC-C22n-モノアルキルアミン又はジ-n-アルキルアミンとの反応によって変性されたランダム両親媒性AMPSポリマー、例えば国際公開第00/31154号(本明細書の内容の主要部分を形成する)に記載されているものから選択され得る。これらのポリマーはまた、例えば、(メタ)アクリル酸、それらのβ-置換されたアルキル誘導体、又はモノアルコールもしくはモノ-又はポリアルキレングリコールを用いて得られるそれらのエステル、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、イタコン酸又はマレイン酸、又はこれら化合物の混合物から選択される、他のエチレン性不飽和親水性モノマーをさらに含有していてもよい。
本発明の好ましいポリマーは、6〜50の炭素原子、好ましくは6〜22の炭素原子、さらに好ましくは6〜18の炭素原子、特に12〜18の炭素原子を含む少なくとも一の疎水性部分を含む少なくとも一のエチレン性不飽和疎水性モノマーとAMPSとの両親媒性コポリマーから選択される。
これらの同様のコポリマーは、脂肪鎖を含まない一又は複数のエチレン性不飽和モノマー、例えば(メタ)アクリル酸、それらのβ-置換されたアルキル誘導体、又はモノアルコールもしくはモノ-又はポリアルキレングリコールを用いて得られるそれらのエステル、(メタ)アクリルアミド類、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、イタコン酸又はマレイン酸、又はこれら化合物の混合物をさらに含有してもよい。
【0017】
これらのコポリマーは、特に欧州特許出願公開第750899号、米国特許第5089578号、及びYotaro Morishimaによる以下の文献に記載されている:
− 「自己集合両親媒性高分子電解質及びそのナノ構造(Self-assembling amphiphilic polyelectrolytes and their nanostructures - Chinese Journal of Polymer Science Vol. 18, No. 40, (2000), 323-336)」;
− 「蛍光及びダイナミック光拡散によって研究した、水中におけるナトリウム-2-(アクリルアミド)-2-メチルプロパンスルホナート及び非イオン性界面活性剤マクロモノマーのランダムコポリマーのミセル形成(Micelle formation of random copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulphonate and a nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering - Macromolecules 2000, Vol. 33, No. 10 - 3694-3704)」;
− 「高分子電解質に共有結合した非イオン性部分によって形成されたミセルネットワークの溶液特性:レオロジー挙動に対する塩の効果(Solution properties of micelle networks formed by nonionic moieties covalently bound to a polyelectrolyte: salt effects on rheological behavior - Langmuir, 2000, Vol. 16, No. 12, 5324-5332)」;
− 「ナトリウム-2-(アクリルアミド)-2-メチルプロパンスルホナート及び会合性マクロモノマーの刺激反応性両親媒性コポリマー(Stimuli responsive amphiphilic copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulphonate and associative macromonomers - Polym. Preprint, Div. Polym. Chem. 1999, 40(2), 220-221)。
【0018】
これら特定のコポリマーのエチレン性不飽和疎水性モノマーは、好ましくは、次の式(I):
【化1】


[上式中、R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、又は直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基(好ましくはメチル)を示し;YはO又はNHを示し;Rは少なくとも6〜50の炭素原子、好ましくは6〜22の炭素原子、より好ましくは6〜18の炭素原子、特に12〜18の炭素原子を含む疎水性炭化水素ベース基を示し;xはアルキレンオキシドのモル数を示し、0〜100の範囲である]
のアクリルアミド類又はアクリラート類から選択される。
【0019】
基は、好ましくは直鎖状のC-C18アルキル基(例えば、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、n-ヘキサデシル及びn-ドデシル)、及び分枝状又は環状のC-Cアルキル基(例えば、シクロドデカン(C12)又はアダマンタン(C10));C-Cアルキルペルフルオロ基(例えば、式-(CH)-(CF)-CFの基);コレステリル基(C27)又はコレステロールエステル残基、例えばコレステリルオキシヘキサノアート基;芳香族多環式基、例えばナフタレン又はピレンから選択される。これらの基の中でも、特に好ましいのは、直鎖状のアルキル基、特にn-ドデシル基である。
【0020】
本発明の特に好ましい形態によれば、式(I)のモノマーは、少なくとも一のアルキレンオキシド単位を含み(x≧1)、好ましくはポリオキシアルキレン化鎖を含む。前記ポリオキシアルキレン化鎖は、好ましくは、エチレンオキシド単位及び/又はプロピレンオキシド単位からなり、さらに好ましくはエチレンオキシド単位からなる。オキシアルキレン単位の数は、一般的に3〜100、好ましくは3〜50、より好ましくは7〜25の範囲である。
【0021】
これらのポリマーとしては、次のものを挙げることができる:
− 架橋又は非架橋で中和又は非中和のコポリマーであって、当該ポリマーに対して15重量%〜60重量%のAMPS単位及び40重量%〜85重量%の(C-C16)アルキル(メタ)アクリルアミド単位又は(C-C16)アルキル(メタ)アクリラート単位を含むコポリマー、例えば欧州特許出願公開第750899号に記載のもの;
− 10mol%〜90mol%のアクリルアミド単位、0.1mol%〜10mol%のAMPS単位、及び5mol%〜80mol%のn-(C-C18)アルキルアクリルアミド単位を含むターポリマー、例えば米国特許第5089578号に記載のもの。
【0022】
また、全体的に中和されたAMPSとメタクリル酸ドデシルのコポリマー、及びAMPSとn-ドデシルメタクリルアミドの非架橋及び架橋コポリマー、例えば上述したMorishimaの文献に記載されたものを挙げることができる。
【0023】
特に、次の式(II):
【化2】


[上式中、Xはプロトン、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、又はアンモニウムイオンである]
の2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)単位、及び次の式(III):
【化3】


[上式中、xは3〜100、好ましくは5〜80、さらに好ましくは7〜25の範囲の整数を示し;Rは式(I)において上述したものと同じ意味を有し、Rは直鎖状又は分枝状のC-C22、さらに好ましくはC10-C22アルキルを示す]
の単位からなるコポリマーを挙げることができる。
【0024】
特に好ましいポリマーは、x=25であり、Rがメチルを示し、Rがn-ドデシルを表すものであり;これらは上述のMorishimaによる文献に記載されている。
がナトリウム又はアンモニウムを示すポリマーが特に好ましい。
【0025】
本発明の好ましい両親媒性ポリマーは、標準的なフリーラジカル重合法に従い、一又は複数の開始剤の存在下、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスジメチルバレロニトリル、ABAH(2,2-アゾビス[2-アミジノプロパン]ヒドロクロリド)、有機過酸化物、例えばジラウリルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド等、無機過酸化化合物、例えば過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウム、又はHの存在下であって、場合によっては還元剤の存在下にて、得ることができる。
両親媒性ポリマーは、特にそれらが沈殿するtert-ブタノール媒質中におけるフリーラジカル重合によって得られる。
tert-ブタノール中での沈殿重合を使用することで、その使用のために特に好ましいポリマー粒子のサイズ分布を得ることができる。
前記ポリマー粒子のサイズ分布は、例えば、レーザー回折又は画像解析によって測定してもよい。
画像解析により測定される、このタイプのポリマーについての有利な分布は以下の通りである:60.2%が423ミクロン未満、52.0%が212ミクロン未満、26.6%が106ミクロン未満、2.6%が45ミクロン未満、及び26.6%が850ミクロンより大。
【0026】
前記反応は、0〜150℃、好ましくは10〜100℃の温度にて、大気圧又は減圧下のいずれにて行ってもよい。これはまた、不活性雰囲気下、好ましくは窒素下で行ってもよい。
この方法により、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)又はそのナトリウムもしくはアンモニウム塩を、特に(メタ)アクリル酸エステルと、次のもの:
− 8molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC10-C18アルコール(ヘキスト/クラリアント社(Hoechst/Clariant)のゲナポール(Genapol)(登録商標)C-080)、
− 8molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC11オキソアルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)UD-080)、
− 7molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC11オキソアルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)UD-070)、
− 7molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC12-C14アルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)LA-070)、
− 9molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC12-C14アルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)LA-090)、
− 11molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC12-C14アルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)LA-110)、
− 8molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC16-C18アルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)T-080)、
− 15molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC16-C18アルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)T-150)、
− 11molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC16-C18アルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)T-110)、
− 20molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC16-C18アルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)T-200)、
− 25molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC16-C18アルコール(ヘキスト/クラリアント社のゲナポール(登録商標)T-250)、
− 25molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC18-C22アルコール及び/又は25molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されたC16-C18イソアルコール、
と共に重合させた。
【0027】
本発明によるポリマーにおける式(II)の単位及び式(III)の単位のモル%濃度は、該調製物の所望の化粧用途及び所望のレオロジー特性の関数として変化する。これは、0.1mol%〜99.9mol%の範囲であってよい。
殆どの疎水性のポリマーでは、式(I)又は式(III)の単位のモル割合は、好ましくは50.1%〜99.9%、特に70%〜95%、さらには80%〜90%の範囲である。
少数の疎水性ポリマーでは、式(I)又は式(III)の単位のモル割合は、好ましくは0.1%〜50%、特に5%〜25%、さらには10%〜20%の範囲である。
本発明のポリマーにおけるモノマー分布は、例えば、交互、ブロック(マルチブロックを含む)、又はランダムであってよい。
【0028】
本発明では、前記ポリマーが熱感受性ペンダント鎖を含み、その水溶液が所定の閾温度より高温においては、温度が上昇するにつれて増大するか又は実質上一定に維持される粘度を有することが好ましい。
特に好ましいポリマーは、その水溶液が第一閾温度より低温においては低く、この第一閾温度より高温では温度が上昇するにつれて極大まで増大し、第二閾温度より高温では、温度が上昇するにつれて再度減少する粘度を有するものである。この観点では、前記ポリマー溶液の粘度は、第一閾温度以下では最大粘度の5%〜50%であり、特に第二閾温度にて最大粘度の10%〜30%であることが好ましい。
これらのポリマーは、水中において加熱により偏析の現象を生じることが好ましいが、これは温度及び濃度の関数として、LCST(最低臨界共溶温度)として知られている最小値を示す曲線に反映される。
1%水溶液の粘度(25℃にてブルックフィールド(Brookfield)粘度計、No.7のニードルを使用して測定)は、好ましくは20000mPa.s〜100000mPa.s、特に60000mPa.s〜70000mPa.sの範囲である。
【0029】
本発明の両親媒性ポリマーは、0.01重量%〜30重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、さらに好ましくは0.1重量%〜5重量%、特に0.5重量%〜2重量%の範囲の濃度で組成物中に存在する。
【0030】
本発明の不溶性のUV-遮蔽剤は、5ナノメーター(nm)から5μm、好ましくは10nm〜2μm、特に20nm〜2μmの範囲の平均粒子径を有する。
本発明の不溶性のUV-遮蔽剤は、一般的に、被覆された又は被覆されていない金属酸化物の顔料、特にナノ顔料(一次粒子の平均粒径:一般的に、5nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば全てそれ自体よく知られているUV-光保護剤である、酸化チタン(アモルファス、又はルチル及び/又はアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔料類である。またアルミナ及び/又はステアリン酸アルミニウムは標準的なコーティング剤である。このような、被覆された又は被覆されていない金属酸化物のナノ顔料は、特に、欧州特許出願公開第0518772号及び欧州特許出願公開第0518773号に記載されている。
【0031】
本発明の不溶性の有機遮蔽剤は、特に乾燥粉砕又は溶剤媒質中での粉砕、篩い分け、噴霧化(アトマイゼーション)、微粉化(マイクロナイゼーション)又は噴霧法のような任意の適切な手段により所望の粒状形態にすることができる。
微粉化形態の本発明に係る不溶性の有機遮蔽剤は、特にこのようにして得られた粒子の化粧品処方物中における分散性の改善を可能にする適切な界面活性剤の存在下で粗い粒子形態の不溶性の有機UV-遮蔽剤を粉砕する方法により得ることができる。
【0032】
不溶性の有機遮蔽剤の微粉化法の一例は、本明細書の主要部分を形成する英国特許出願公開第2303549号及び欧州特許出願公開第893119号に記載されている。これらの文献において使用されている粉砕装置はジェットミル、ボールミル、振動ミル又はハンマーミルであり、好ましくは、高速攪拌を持つミル又はインパクトミル、特に回転ボールミル、バイブレーティングミル、チューブミル又はロッドミルである。
【0033】
この特定の方法によれば、nが8〜16の整数であり、xが(C10)単位の平均重合度であり、1.4〜1.6の範囲である、構造C2n+1O(C10)Hを有するアルキルポリグルコシド類が前記遮蔽剤の粉砕のための界面活性剤として使用される。それらは、構造C2n+1O(C10)Hを有する化合物のC-C12エステル、特に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、スルホコハク酸、クエン酸又は酒石酸のようなC-C12カルボン酸を、グルコシド単位(C10)上の一又は複数のフリーのOH官能基と反応させることにより得られるエステルから選択され得る。前記界面活性剤は、一般に微粉化された形態の不溶性遮蔽剤に対して1重量%〜50重量%、より好ましくは5重量%〜40重量%の範囲の濃度で使用される。
【0034】
本発明の不溶性の有機UV-遮蔽剤は、オキサニリド(oxanilide)タイプ、トリアジンタイプ、トリアゾールタイプ、ビニルアミドタイプ、シンナミド(cinnamide)タイプ、一又は複数のベンザゾール及び/又はベンゾフラン又はベンゾチオフェン基を有するタイプ、又はインドールタイプの有機UV-遮蔽剤から特に選択され得る。
本発明で使用される意味においては、「ベンザゾール」なる用語は、ベンゾチアゾール類、ベンゾオキサゾール類及びベンゾイミダゾール類を含む。
【0035】
本発明のオキサニリドタイプのUV-遮蔽剤としては、次の構造:
【化4】


[上式中、T、T'、T及びT'は同一でも異なっていてもよく、C-Cアルキル基又はC-Cアルコキシ基を示す]
に相当するものを挙げることができる。これらの化合物は国際公開第95/22959号に記載されている。
【0036】
挙げることのできる例には、それぞれ次の構造:
【化5】


を持つチバ-ガイギー社(Ciba-Geigy)から販売されている市販品チヌビン(Tinuvin)315及びチヌビン312が含まれる。
【0037】
また、本発明のトリアジンタイプのUV-遮蔽剤としては、ベンザルマロマート及び/又はフェニルシアノアクリラート基を担持する不溶性のs-トリアジン誘導体、例えば欧州特許出願公開第0790243号(本明細書の内容の主要部分を形成する)に記載されたものを挙げることができる。
特に、トリアジンタイプの不溶性のUV-遮蔽剤として、次の化合物:
− 2,4,6-トリス(ジエチル-4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
− 2,4,6-トリス(ジイソプロピル-4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
− 2,4,6-トリス(ジメチル-4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
− 2,4,6-トリス(エチル-α-シアノ-4-アミノシンナマート)-s-トリアジン、
を挙げることができる。
【0038】
また、本発明のトリアジンタイプの不溶性のUV-遮蔽剤としては、次の式(2):
【化6】


[上式中、T、T及びTは独立して、フェニル、フェノキシ又はピロロであり、ここでフェニル、フェノキシ及びピロロは、TがC-C18アルキルかシンナミルである-(CH=CH)(CO)-OT基、メチリデンショウノウ基、C-Cシクロアルキル、C-C18カルボキシアルキル、C-C18アルキル又はアルコキシ、OHから選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい]
に相当するものを挙げることができる。
これらの化合物は、国際公開第97/03642号、英国特許第2286774号、欧州特許第743309号、国際公開第98/22447及び英国特許第2319523号(本明細書の内容の主要部分を形成する)に記載されている。
本発明に係るトリアジンタイプのUV-遮蔽剤としては、またベンゾトリアゾール及び/又はベンゾチアゾール基を担持する不溶性のs-トリアジン誘導体、例えば国際公開第98/25922号(本明細書の内容の主要部分を形成する)に記載されたものを挙げることができる。
これらの化合物のなかでも、特に:
− 2,4,6-トリス[(3'-(ベンゾトリアゾル-2-イル-2'-ヒドロキシ-5'-メチル)フェニルアミノ]-s-トリアジン、
− 2,4,6-トリス[(3'-(ベンゾトリアゾル-2-イル-2'-ヒドロキシ-5'-tert-オクチル)フェニルアミノ]-s-トリアジン、
を挙げることができる。
【0039】
本発明に係るトリアゾールタイプの不溶性の有機UV-遮蔽剤としては、国際公開第95/22959号(本明細書の内容の主要部分を形成する)に記載されたような次の式(3):
【化7】


[上式中、Tは水素原子又はC-C18アルキル基を示し;T及びTは同一でも異なっていてもよく、フェニルで置換されていてもよいC-C18アルキル基を示す]
のものを挙げることができる。
【0040】
挙げることのできる式(3)の化合物の例には、次の構造:
【化8】


を持つチバ-ガイギー社からの市販品チヌビン328、320、234及び350が含まれる。
【0041】
本発明に係るトリアゾールタイプの不溶性の有機UV-遮蔽剤としては、米国特許第5687521号、米国特許第5687521号、米国特許第5373037号及び米国特許第5362881号に記載されている化合物、特に次の構造:
【化9】


を持つ、フェアマウントケミカル社(Fairmount Chemical)からミキシム(Mixxim)PB30の名称で販売されている[2,4'-ジヒドロキシ-3-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-5-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-2'-n-オクトキシ-5'-ベンゾイル]ジフェニルメタンを挙げることができる。
【0042】
本発明に係るベンゾトリアゾールタイプの不溶性の有機UV-遮蔽剤としては、次の構造:
【化10】


[上式中、T10及びT11基は同一でも異なっていてもよく、アリール残基、C-C12シクロアルキル、C-Cアルキルから選択される一又は複数の基で置換可能なC-C18アルキル基を示す]
を有するメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体を挙げることができる。これらの化合物はそれ自体既知であり、米国特許第5237071号、米国特許第5166355号、英国特許出願公開第2303549号、独国特許出願第19726184号及び欧州特許出願公開第893119号(本明細書の主要部分を形成する)に記載されている。
【0043】
上述した式(4)において:C-C18アルキル基は直鎖状又は分枝状であってよく、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、tert-オクチル、n-アミル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、イソオクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル又はオクタデシルであり;C-C12シクロアルキル基は、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロオクチルであり;アリール基は例えばフェニル又はベンジルである。
【0044】
式(4)の化合物としては、次の構造を有するものが特に好適である:
【化11】


2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]なる命名の化合物(a)は、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)からチノソーブ(Tinosorb)Mなる名称で微粉化された形態で、またフェアマウントケミカル社からミキシムBB/100の名称で固体状形態で販売されている。
また、2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾル-2-イル)-4-(メチル)フェノール]なる命名の化合物(c)は、フェアマウントケミカル社からミキシムBB/200の名称で固体状形態で販売されている。
【0045】
ビニルアミドタイプの不溶性の有機遮蔽剤としては、例えば国際公開第95/22959号(本明細書の内容の主要部分を形成する)に記載されたような次の式:
12-(Y)-C(=O)-C(T13)=C(T14)-N(T15)(T16) (5)
[上式中、T12は、OH、C-C18アルキル、及びC-Cアルコキシ、又は-C(=O)-OT17基で、T17がC-C18アルキルであるものから選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよいフェニル基、又はC-C18、好ましくはC-Cアルキル基であり;T13、T14、T15及びT16は同一でも異なっていてもよく、C-C18、好ましくはC-Cアルキル基又は水素原子を示し;YはN又はOであり、rは0又は1である]
を有する化合物を挙げることができる。
これらの化合物としては、特に:
− 4-オクチルアミノ-3-ペンテン-2-オン;
− エチル-3-オクチルアミノ-2-ブテノアート;
− 3-オクチルアミノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オン;
− 3-ドデシルアミノ-1-フェニル-2-ブテン-1-オン;
を挙げることができる。
【0046】
本発明に係るシンナマミドタイプの不溶性の有機遮蔽剤としては、国際公開第95/22959号(本明細書の内容の主要部分を形成する)に記載され、次の構造:
【化12】


[上式中、OT18は、ヒドロキシル又はC-Cアルコキシ、好ましくはメトキシ又はエトキシ基であり;T19は、水素又はC-Cアルキル、好ましくはメチル又はエチルであり;T20は、-(CONH)-フェニルで、sが0又は1であり、フェニル基が、OH、C-C18アルキル、及びC-Cアルコキシ、又はT21がC-C18アルキル、より好ましくはT21がフェニル、4-メトキシフェニル又はフェニルアミノカルボニル基である-C(=O)-OT21基から選択される1、2又は3の基で置換されうるものである]
に相当する化合物を挙げることができる。
【0047】
シンナマミドダイマー、例えば次の構造:
【化13】


を有する化合物のような米国特許第5888481号に記載されたものを挙げることもできる。
【0048】
ベンザゾールタイプの不溶性の有機遮蔽剤としては、次の式:
【化14】


[上式中、
各符号Xは独立して、酸素又は硫黄原子、又はNR基を表し、
各符号Zは独立して、窒素原子又はCH基を表し、
各符号Rは独立して、OH基、ハロゲン原子、ケイ素原子を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−8アルキル基、又は直鎖状又は分枝状のC1−8アルコキシ基を表し、
各数字mは独立して0、1又は2であり、
nは1〜4の整数を表し、
pは0又は1に等しく、
各数字qは独立して0又は1に等しく、
各符号Rは独立して、ケイ素原子を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−8アルキル基、ベンジル基、又は水素原子を表し、
Aは次の式:
【化15】


(上式中、各符号Rは独立して、ハロゲン原子、又は直鎖状又は分枝状のC1−4アルキル又はアルコキシ基、又はヒドロキシルを表し、
は水素原子、又は直鎖状又は分枝状のC1−4アルキル基を表し、
c=0-4、d=0-3、e=0又は1及びf=0-2)
のものから選択される結合価nを有する基を表す]
の一つに相当するものを挙げることができる。
【0049】
これらの化合物は、特に独国特許第676103号及びスイス国特許第350763号、米国特許第5501850号、米国特許第5961960号、欧州特許出願第0669323号、米国特許第5518713号、米国特許第2463264号、論文J. Am. Chem. Soc., 79, 5706-5708, 1957, 論文J. Am. Chem. Soc., 82, 609-611, 1960, 欧州特許出願第0921126号及び欧州特許出願第712855号に記載されている。
【0050】
2-アリールベンザゾールファミリーの式(7)の好ましい化合物の例として、2-ベンゾオキサゾル-2-イル-4-メチルフェノール、2-(1H-ベンゾイミダゾル-2-イル)-4-メトキシフェノール又は2-ベンゾチアゾル-2-イルフェノールを挙げることができ、これらの化合物は、例えばスイス国特許第350763号に記載されている方法に従って調製することができる。
ベンゾイミダゾリルベンザゾールファミリーの式(7)の好ましい化合物の例として、2,2'-ビス(ベンゾイミダゾール)、5,5',6,6'-テトラメチル-2,2'-ビス(ベンゾイミダゾール)、5,5'-ジメチル-2,2'-ビス(ベンゾイミダゾール)、6-メトキシ-2,2'-ビス(ベンゾイミダゾール)、2-(1H-ベンゾイミダゾル-2-イル)ベンゾチアゾール、2-(1H-ベンゾイミダゾル-2-イル)ベンゾオキサゾール及びN,N'-ジメチル-2,2'-ビス(ベンゾイミダゾール)を挙げることができ、これらの化合物は米国特許第5961960号及び米国特許第2463264号に記載されている手順に従って調製することができる。
【0051】
また、フェニレンベンザゾールファミリーの式(7)の好ましい化合物の例として、1,4-フェニレンビス(2-ベンゾオキサゾリル)、1,4-フェニレンビス(2-ベンゾイミダゾリル)、1,3-フェニレンビス(2-ベンゾオキサゾリル)、1,2-フェニレンビス(2-ベンゾオキサゾリル)、1,2-フェニレンビス(ベンゾイミダゾリル)、1,4-フェニレンビス(N-2-エチルヘキシル-2-ベンゾイミダゾリル)及び1,4-フェニレンビス(N-トリメチルシリルメチル-2-ベンゾイミダゾリル)を挙げることができ、これらの化合物は、米国特許第2463264号及び出版物であるJ. Am. Chem. Soc., 82, 609(1960)及びJ. Am. Chem. Soc., 79, 5706-5708(1957)に記載されている手順に従って調製することができる。
さらに、ベンゾフリルベンゾオキサゾールファミリーの式(7)の好ましい化合物の例として、2-(2-ベンゾフリル)ベンゾオキサゾール、2-(ベンゾフリル)-5-メチルベンゾオキサゾール及び2-(3-メチル-2-ベンゾフリル)ベンゾオキサゾールを挙げることができ、これらの化合物は、米国特許第5518713号に記載されている手順に従って調製することができる。
【0052】
挙げることのできる式(8)の好ましい化合物には、例えば次の式:
【化16】


に相当する、2,6-ジフェニル-1,7-ジヒドロベンゾ[1,2-d;4,5-d']ジイミダゾール、又は2,6-ジスチリル-1,7-ジヒドロベンゾ[1,2-d;4,5-d']ジイミダゾール、又は2,6-ジ(p-tert-ブチルスチリル)-1,7-ジヒドロベンゾ[1,2-d;4,5-d']ジイミダゾールを含まれ、該化合物は欧州特許出願第0669323号に従って調製することができる。
【0053】
式(9)の好ましい化合物としては、次の式:
【化17】


の5,5'-ビス[(2-フェニル)ベンゾイミダゾール]を挙げることができ、その調製方法はJ. Chim. Phys., 64, 1602(1967)に記載されている。
UV線を遮蔽するこれらの不溶性の有機化合物の中でも特に好ましいのは、2-(1H-ベンゾイミダゾル-2-イル)ベンゾオキサゾール、6-メトキシ-2,2'-ビス(ベンゾイミダゾール)、2-(1H-ベンゾイミダゾル-2-イル)ベンゾチアゾール、1,4-フェニレンビス(2-ベンゾオキサゾリル)、1,4-フェニレンビス(2-ベンゾイミダゾリル)、1,3-フェニレンビス(2-ベンゾオキサゾリル)、1,2-フェニレンビス(2-ベンゾオキサゾリル)、1,2-フェニレンビス(2-ベンゾイミダゾリル)及び1,4-フェニレンビス(N-トリメチルシリルメチル-2-ベンゾイミダゾリル)である。
【0054】
本発明に係る不溶性の有機遮蔽剤の他の特定のファミリーは、スルホン酸又はカルボン酸有機遮蔽剤の多価金属塩(例えば、Ca2+、Zn2+、Mg2+、Ba2+、Al又はZr4+)、例えばスルホン化されたベンジリデンショウノウ誘導体の多価金属塩、例えば仏国特許出願公開第2639347号に記載されているもの;スルホン化されたベンゾイミダゾール誘導体の多価金属塩、例えば欧州特許出願公開第893119号に記載されているもの;ケイ皮酸誘導体の多価金属塩、例えば日本国特許出願第87166517号に記載されているものである。
国際公開第93/10753号、国際公開第93/11095号及び国際公開第95/05150号に記載されたUV-A及び/又はUV-B有機遮蔽剤の金属又はアンモニウム又は置換アンモニウムの錯体を挙げることもまたできる。
本発明の不溶性のUV-遮蔽剤(類)は、組成物の全重量に対して、約0.1重量%〜25重量%、好ましくは約0.2重量%〜20重量%の全濃度で存在する。
【0055】
さらに、本発明の組成物は、UV-A活性及び/又はUV-B活性の可溶性有機UV-遮蔽剤をさらに含有してよい。それらは、特にアントラニラート類;ケイ皮酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;サリチル酸誘導体;ショウノウ誘導体;トリアジン誘導体、例えば米国特許第4367390号、欧州特許出願第863145号、欧州特許出願第517104号、欧州特許出願第570838号、欧州特許出願第796851号、欧州特許出願第775698号、欧州特許出願第878469号及び欧州特許出願第933376号に記載されているもの;ベンゾフェノン誘導体;β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン類;ビス-ベンザゾリル誘導体、例えば欧州特許第669323号及び米国特許第2463264号に記載されているもの;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン類、例えば特に国際公開第93/04665号に開示されているもの;α-アルキルスチレンから誘導されるダイマー、例えば独国特許出願第19855649号に記載されているもの;4,4-ジアリールブタジエン類、例えば欧州特許出願第0967200号及び独国特許出願第19755649号に記載されているもの;及びそれらの混合物から選択される。
【0056】
UV-A及び/又はUV-Bに活性のある付加的な可溶性有機遮蔽剤の例としては、INCI名で以下に示すものが挙げられる:
パラ-アミノ安息香酸誘導体
− PABA、
− エチルPABA、
− エチルジヒドロキシプロピルPABA、
− 特に、ISP社から「エスカロール(Escalol)507」の名称で販売されているエチルヘキシルジメチルPABA、
− グリセリルPABA、
− BASF社から「ユビヌル(Uvinul)P25」の名称で販売されているPEG-25-PABA。
【0057】
サリチル酸誘導体
− ロナ(Rona)/EMインダストリーズ社から「ユーソレックス(Eusolex)HMS」の名称で販売されているホモサラート(homosalate)、
− ハーマンアンドレイマー社(Haarmann and Reimer)から「ネオ・ヘリオパン(Neo Heliopan)OS」の名称で販売されているサリチル酸エチルヘキシル、
− スケル社(Scher)から「ディプサル(Dipsal)」の名称で販売されているジプロピレングリコールサリチラート、
− ハーマンアンドレイマー社から「ネオ・ヘリオパンTS」の名称で販売されているTEAサリチラート。
【0058】
ジベンゾイルメタン誘導体
− 特にホフマン-ラロシュ社(Hoffmann LaRoche)から「パルソール(Parsol)1789」の商品名で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタン、
− イソプロピルジベンゾイルメタン。
ケイ皮酸誘導体
− 特にホフマン-ラロシュ社から「パルソールMCX」の商品名で販売されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
− メトキシケイ皮酸イソプロピル、
− ハーマンアンドレイマー社から「ネオ・ヘリオパンE1000」の商品名で販売されているメトキシケイ皮酸イソアミル、
− シノキサート、
− DEAメトキシシンナマート、
− メトキシケイ皮酸ジイソプロピル、
− グリセリルエチルヘキサノアートジメトキシシンナマート。
β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体
− 特にBASF社から「ユビヌルN539」の商品名で販売されているオクトクリレン(Octocrylene)、
− 特にBASF社から「ユビヌルN35」の商品名で販売されているエトクリレン(Etocrylene)。
【0059】
ベンゾフェノン誘導体
− BASF社から「ユビヌル400」の商品名で販売されているベンゾフェノン-1、
− BASF社から「ユビヌルD50」の商品名で販売されているベンゾフェノン-2、
− BASF社から「ユビヌルM40」の商品名で販売されているベンゾフェノン-3又はオキシベンゾン、
− BASF社から「ユビヌルMS40」の商品名で販売されているベンゾフェノン-4、
− ベンゾフェノン-5、
− ノーケイ社(Norquay)から「ヘリソーブ(Helisorb)11」の商品名で販売されているベンゾフェノン-6、
− アメリカン・シアナミド社(American Cyanamid)から「スペクトラ-ソーブ(Spectra-Sorb)UV-24」の商品名で販売されているベンゾフェノン-8、
− BASF社から「ユビヌルDS-49」の商品名で販売されているベンゾフェノン-9、
− ベンゾフェノン-12。
【0060】
ベンジリデンショウノウ誘導体
− シメックス社(Chimex)から「メギゾリル(Mexoryl)SD」の名称で製造されている3-ベンジリデンショウノウ、
− メルク社(Merck)から「ユーソレックス6300」の名称で販売されている4-メチルベンジリデンショウノウ、
− シメックス社から「メギゾリルSL」の名称で製造されているベンジリデンショウノウスルホン酸、
− シメックス社から「メギゾリルSO」の名称で製造されているメト硫酸ショウノウベンザルコニウム、
− シメックス社から「メギゾリルSX」の名称で製造されているテレフタリリデンジショウノウスルホン酸、
− シメックス社から「メギゾリルSW」の名称で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ。
フェニルベンゾイミダゾール誘導体
− 特にメルク社から「ユーソレックス232」の商品名で販売されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
− ハーマンアンドレイマー社から「ネオ・ヘリオパンAP」の商品名で販売されているベンゾイミダジラート。
【0061】
トリアジン誘導体
− チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社から「チノソーブS」の商品名で販売されているアニソトリアジン、
− 特にBASF社から「ユビヌルT150」の商品名で販売されているエチルヘキシルトリアゾン、
− シグマ3V社(Sigma 3V)から「ユバソーブ(Uvasorb)HEB」の商品名で販売されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
− ロ−ディア・シミー社(Rhodia Chimie)から「シラトリゾール(Silatrizole)」の名称で販売されているドロメトリゾールトリシロキサン、
【0062】
アントラニル誘導体
− ハーマンアンドレイマー社から「ネオ・ヘリオパンMA」の商品名で販売されているアントラニル酸メンチル。
イミダゾリン誘導体
− エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナート。
ベンザルマロナート誘導体
− ホフマン-ラロシュ社から「パルソールSLX」の商品名で販売されているベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン。
及びそれらの混合物。
【0063】
特に好ましい有機UV-遮蔽剤は次の化合物:
− サリチル酸エチルヘキシル、
− ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
− メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
− オクトクリレン、
− フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
− テレフタリリデンジショウノウスルホン酸
− ベンゾフェノン-3、
− ベンゾフェノン-4、
− ベンゾフェノン-5、
− 4-メチルベンジリデンショウノウ、
− ベンゾイミダジラート、
− アニソトリアジン、
− エチルヘキシルトリアゾン、
− ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
− ドロメトリゾールトリシロキサン
及びそれらの混合物、
から選択される。
【0064】
付加的な可溶性のUV-遮蔽剤(類)は、組成物の全重量に対して、一般的に約0.1重量%〜15重量%、好ましくは約0.2重量%〜10重量%の範囲の濃度で存在している。
また、本発明の組成物は、皮膚を人工的にサンタン状態にする、及び/又は褐色にするための薬剤(自己サンタン剤)、例えばジヒドロキシアセトン(DHA)をさらに含有してもよい。
【0065】
また本発明の組成物は、特に、脂肪物質、有機溶媒、イオン性又は非イオン性の増粘剤、柔軟剤、酸化防止剤、フリーラジカル捕捉剤、乳白剤、安定剤、エモリエント、シリコーン類、α-ヒドロキシ酸、消泡剤、保湿剤、ビタミン類、昆虫忌避剤、香料、防腐剤、界面活性剤、フィラー、光保護剤、本発明のもの以外のポリマー類、噴霧剤、塩基性化又は酸性化剤、着色料、又は化粧品、特にエマルションの形態の抗日光組成物の製造に通常使用されている任意の他の成分から選択される標準的な化粧品用アジュバントをさらに含有してもよい。
【0066】
脂肪物質は油又はロウ又はそれらの混合物からなるものであってよく、脂肪酸、脂肪アルコール類及び脂肪酸エステルをさらに含有する。油は、動物性、植物性、鉱物性及び合成油、特に流動ワセリン、流動パラフィン、揮発性又は非揮発性のシリコーン油、イソパラフィン、ポリオレフィン、フルオロ油及びペルフルオロ油から選択され得る。同様に、ロウは、それ自体公知の動物性ロウ、化石ロウ、植物性ロウ、鉱物性ロウ、及び合成ロウから選択され得る。
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオールを挙げることができる。
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の組成物に固有の有利な特性、特に耐水性及び安定性が、考えられる添加により悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、これ又はこれらの任意の付加的な化合物(類)及び/又はその量を選択するであろう。
【0067】
本発明の組成物は、当業者によく知られた技術、特に、水中油型又は油中水型のエマルションの調製を意図した技術により調製することができる。
これらの組成物は、特に、単一又は複合エマルション(O/W、W/O、O/W/O又はW/O/Wエマルション)の形態、例えばクリーム、ミルク、ゲル又はクリームゲル、パウダー、固形チューブの形態であってよく、また任意にエアゾールとして包装することもでき、さらにムース又はスプレーの形態であってもよい。
エマルションである場合、このエマルションの水相は、公知の方法[バンガム(Bangham)、スタンディッシュ(Standish)及びワトキンス(Watkins)、J. Mol. Biol. 13, 238(1965)、仏国特許第2315991号及び仏国特許第2416008号]により調製される非イオン性の小胞体分散液を含有してもよい。
【0068】
本発明の化粧品用組成物は、紫外線からヒトの表皮又は毛髪を保護するための組成物として、抗日光組成物として又はメークアップ製品として使用することができる。
本発明の化粧品用組成物が、UV線からヒトの表皮を保護するため、あるいは抗日光組成物として使用される場合、組成物は、脂肪物質又は溶媒に分散又は懸濁した形態、非イオン性の小胞体分散液の形態、又はエマルション、好ましくは水中油型エマルションの形態、例えばクリーム又はミルク、又は膏薬、ゲル、クリームゲル、固形チューブ、パウダー、スティック、エアゾールムース又はスプレーの形態であってよい。
【0069】
本発明の化粧品用組成物が、UV線から毛髪を保護するために使用される場合、それは、シャンプー、ローション、ゲル、エマルション又は非イオン性の小胞体分散液の形態であってよく、また、例えばシャンプーの前又は後、染色又は脱色の前又は後、及びパーマネントウエーブ又は毛髪のストレート化処理の前、処理中又は処理後に適用されてすすがれる組成物、スタイリング又はトリートメント用のローション又はゲル、ブロー乾燥又は毛髪のセット用のローション又はゲル、又はパーマネントウエーブ処理、毛髪のストレート化、染色又は脱色のための組成物を構成し得る。
組成物が、まつげ、眉毛又は皮膚用のメークアップ製品、例えば、表皮用トリートメントクリーム、ファンデーション、口紅チューブ、アイシャドウ、フェイスパウダー、マスカラ又はアイライナーとして使用される場合、固体状又はペースト状で無水又は水性の形態、例えば水中油型又は油中水型のエマルション、非イオン性の小胞体分散液又は懸濁液であってよい。
【0070】
指針として、水中油型エマルション型の担体を有する本発明の抗日光組成物において、水相(特に親水性の遮蔽剤を含有する)は、全組成物に対して、一般的に50重量%〜95重量%、好ましくは70重量%〜90重量%、油相(特に親油性の遮蔽剤を含有する)は、全組成物に対して5重量%〜50重量%、好ましくは10〜30重量%、(共)乳化剤(類)は全組成物に対して0.5重量%〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
【0071】
本明細書の最初に挙げたように、本発明の他の主題は、紫外線、特に日光から皮膚及び/又は毛髪を保護するための化粧品用組成物の調製における、本発明の組成物の使用にある。
本発明の他の主題は、遮蔽力の耐水性を増加させる目的での、エマルションに不溶の少なくとも一の有機UV-遮蔽剤を含有する、光保護のための化粧品用又は皮膚用組成物の製造における、上述した両親媒性ポリマーの使用にある。
【実施例】
【0072】
以下に、本発明を例証するものであって限定するものではない具体例を付与する。
調製例:
エトキシル化された(メタ)アクリル酸エステルの調製
これらは、エトキシル化された脂肪アルコールにおいて、(メタ)アクリル酸グリシジル又は(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸アルキル又は(メタ)アクリロイルハライドを作用させることにより、特に得られ得る。挙げることのできる非限定的な例には、次の調製:
a)メタクリル酸グリシジルとゲナポールT-250を使用;
b)(メタ)アクリル酸とゲナポールUD-070を使用;
c)(メタ)アクリル酸メチルとゲナポールLA-090を使用;
d)(メタ)アクリロイルクロリドとゲナポールUD-070を使用;
するものが含まれる。
【0073】
a)500gのゲナポールT-250と75gのメタクリル酸グリシジルを、攪拌機、温度計及び還流凝縮器を具備する1リットルの三口反応器に配する。反応混合物を100℃の温度で2時間加熱し、過度のメタクリル酸グリシジルを減圧下で蒸留することで取り除く。得られたモノマーは、さらに精製することなく、重合に使用してもよい。
b)500gのゲナポールUD-070、100gの(メタ)アクリル酸、及び触媒としてp-トルエンスルホン酸を、攪拌機、温度計及び還流凝縮器を具備する1リットルの三口反応器に配する。反応混合物を2時間還流し、過度の酸及び反応中に形成した水を減圧下で蒸留することにより分離する。得られたモノマーは、さらに精製することなく、重合に使用してもよい。
c)500gのゲナポールLA-090、100gの(メタ)アクリル酸メチル、及び20gのテトライソプロポキシドチタンを、攪拌機、温度計及び還流凝縮器を具備する1リットルの三口反応器に配する。反応混合物を2時間還流し、形成したアルコールを蒸留により分離した後、残存したエステルを減圧下で蒸留する。得られたモノマーは、さらに精製することなく、重合に使用してもよい。
d)500gのゲナポールUD-070、110gの(メタ)アクリロイルクロリド、及び50gの炭酸ナトリウムを、攪拌機、温度計及び還流凝縮器を具備する1リットルの三口反応器に配する。反応混合物を2時間還流し、過度の酸塩化物を減圧下で蒸留することにより分離する。得られたモノマーは、さらに精製することなく、重合に使用してもよい。
【0074】
tert-ブタノールでの沈殿法による重合
500mlのtert-ブタノールと計算量のAMPSを、還流凝縮器、ガス挿入口、温度計及び攪拌機を具備する2リットルの反応器に配する。NHを導入することにより混合物を中和し、上述したように調製されたモノマーを反応混合物に添加する。窒素又はアルゴンを通過させて反応混合物を不活性にし、内部温度が60℃に到達した時に、開始剤(AIBN)を導入して、重合を開始させる。
数分後、このように調製されたポリマーが沈殿する。混合物を2時間還流し、真空濾過によりポリマーを溶媒から分離し、ついで減圧下で乾燥させる。
【0075】
次のポリマーを、上述した方法により調製した:
(グラムで表される量で、次の試薬から出発)
【表1】


【表2】


手順:
A相とB相を互いに混合し、70℃まで加熱する。Moritzブレンド機を使用して攪拌しつつ、C相を得られた混合物(A+B)と混合し、混合物を放置して冷却する。ついでD相を添加する。
【0076】
実施例2
上述した実施例において、水酸化ナトリウムで中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸/n-ドデシルアクリルアミドのコポリマーに代えて、NHで中和された75重量%のAMPS単位と、R=H、R=C16-C18及びx=25である25重量%の式(III)の単位からなり、メチレンビスアクリルアミドで架橋されたコポリマーを用いても、同様の結果が得られた。
【0077】
また、上述した実施例において、水酸化ナトリウムで中和された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸/n-ドデシルアクリルアミドのコポリマーに代えて、NHで中和された90重量%のAMPS単位と、10重量%のゲナポールT-250メタクリラート単位[R=CH、R=C16-C18及びx=25である式(III)の単位]からなり、メタクリル酸アリルで架橋されたコポリマー、又はNHで中和された80重量%のAMPS単位と、20重量%のゲナポールT-250メタクリラート単位[R=CH、R=C16-C18及びx=25である式(III)の単位]からなり、メタクリル酸アリルで架橋されたコポリマーを用いても、同様の結果が得られた。




 

 


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