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発明の名称 ケラチン物質の色素沈着を促進および/もしくは誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限するための、フェニルフリルメチルチアゾリジン−2,4−ジオン化合物またはフェニルチエニルメチルチアゾリジン−2,4−ジオン化合物の使用
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−99775(P2007−99775A)
公開日 平成19年4月19日(2007.4.19)
出願番号 特願2006−273314(P2006−273314)
出願日 平成18年10月4日(2006.10.4)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
発明者 クリストフ・ブール / マリア・ダルコ
要約 課題
ケラチン物質の色素沈着を促進および/もしくは誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限するための化合物の提供。

解決手段
次の式(I):
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも1種の、次の構造式:
【化1】


[式中、
a)Xは、OまたはSを表し;
b)Aは、
1)水素原子、または、
2)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の、飽和ま
たは不飽和の、C−C20アルキル基、
を表し;
c)A、A、A、およびA基は、個別に、
1)水素原子、
2)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C−C20アルキル基、
3)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、3個から7個の原子を含む、飽和または不飽和の炭化水素環、または、
4)Z基、
を表し;
d)pは、0から5までであり、pが1より大の場合、A置換基は互いに同一でも異なっていてもよく;
e)Z基は、
1)ハロゲン、例えばF、Cl、またはBr等、
2)CF3、OCF3、CN、NO2、OZ2、OCOZ2、OCONZ2Z’2、SZ2、SCOZ2、SCONZ2Z’2、SCSOZ2、SCSNZ2Z’2、NZ2Z’2、NZ2C(=NZ’2)NZ”2Z’”2、NZ2SO2Z’2、COZ2、COOZ2、CONZ2Z’2、CSZ2、CSNZ2Z’2、SO3Z、SO2NZ2Z’2、SO2Z2、SiZ2Z’2Z”2、または
Si(OZ2)(OZ’2)OZ”2から選択される基、
3)直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和の、C−C20アルキル基、または、
4)4個から15個の原子を含む、飽和または不飽和の環であって、任意選択でO、N、またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含んでいてよく、任意選択で他の環と縮合していてもよく、任意選択で1個以上の、OZ2、CF3、ハロゲン、または直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和の、C−C20アルキル基で置換されていてもよく、さらに、カルボニル官能基またはチオカルボニル官能基を含んでいてもよい環、
を表し(ただしA基がCH2である場合、ZおよびZ’はHまたはMeではない);
f)Z、Z’、Z’’、およびZ’’’基は、個別に、
1)水素原子、
2)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C−C20アルキル基、または、
3)4個から15個の原子を含む、飽和または不飽和の環であって、任意選択でO、N、またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含んでいてよく、任意選択で他の環と縮合していてもよく、これらの環は任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよく、有利にはフェニルである環、
を表し;
g)Z基は、
1)Z基、
2)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C−C20アルキル基、または
3)4個から15個の原子を含む、飽和または不飽和の環であって、任意選択でO、N、またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含んでいてよく、任意選択で他の環と縮合していてもよく、これらの環は任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい環、
を表し;
h)Z基は、
1)ハロゲン、例えばF、Cl、またはBr等、または、
2)CF3、OCF3、CN、NO2、OZ5、OCOZ5、OCONZ5Z’5、SZ5、SCOZ5、 SCONZ5Z’5、SCSOZ5、SCSNZ5Z’5、NZ5Z’5、NZ5COZ’5、NZ5CONZ’5Z”5、NZ5C(=NZ’5)NZ”5Z’”5、NZ5SO5Z’5、COZ5、COOZ5、CONZ5Z’5、CSZ5、CSNZ5Z’5、SO3Z、SO2NZ5Z’5、SO2Z5、SiZ5Z’5Z”5、またはSi(OZ5)(OZ’5)OZ”5の群からの1つの基、
を表し;かつ、
i)Z、Z’、Z’’、およびZ’’’基は、個別に、
1)水素原子、
2)直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C−C20アルキル基、または、
3)4個から15個の原子を含む、飽和または不飽和の環であって、任意選択でO、N、またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含んでいてよく、任意選択で他の環と縮合していてもよく、これらの環は任意選択で1個以上のCF3、ハロゲン、または、直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和の、C−C20アルキル基で置換されていてもよい環、
を表す]
で示される、フェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の、ヒトのケラチン物質の色素沈着を促進および/もしくは誘発および/もしくは刺激するための薬剤、かつ/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限するための薬剤としての、美容的使用。
【請求項2】
前記式(I)の化合物が、以下の条件:
(a)A、A、A、およびA基は、同時に水素を表し;
(b)pは0、1、または2の値であり;
(c)A基は、同一でも異なっていてもよく、任意選択でZ基またはZ基で置換さ
れていてもよい、飽和または不飽和の、直鎖または分岐の、C−C10アルキル基を表
し;
(d)Z基は、ハロゲン、CN、NO2、CF3、OZ2、OCOZ2、COOZ2、または、任意選択で他の環と縮合していてもよく、任意選択で請求項1において定義したZ基1個以上で置換されていてもよいフェニル環、を表し;かつ、
(e)Z基は、水素、または、飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分岐の、C−C
10アルキル基を表す、
を満たす化合物から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記式(I)の化合物が、以下の化合物:
【化2A】


【化2B】


【化2C】


【化2D】


【化2E】


、またはそれらの塩、および/またはそれらの溶媒和物から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記式(I)の化合物が、次の式:
【化3】


で示される4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イル)メチル]-2-フリル}安息香酸、または、
次の式:
【化4】


で示される4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イル)メチル]-2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩、
およびそれらの塩、および/またはそれらの溶媒和物、
から選択される、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物を、組成物の総重量に対して10−3から10%までの範囲の濃度、好ましくは10−2から2%までの範囲の濃度で使用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記組成物が局所的に適用するための組成物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記ケラチン物質がヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛からのケラチン繊維から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に定義した、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の使用であって、ヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛の白毛症を予防および/または制限するための薬剤としての使用。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に定義した、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の美容的使用であって、ケアおよび/またはメイクアップ組成物中での、ケラチン物質の色素沈着を誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限するための、美容的使用。
【請求項10】
前記ケラチン物質がヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛からのケラチン繊維から選択される、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に定義した、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の使用であって、ケアおよび/またはメイクアップ組成物中での、ヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛の白毛症を予防および/または制限するための使用。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に定義した、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の使用であって、ケラチン物質の色素沈着を誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限することを意図した組成物の製造における使用。
【請求項13】
前記ケラチン物質がヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛からのケラチン繊維から選択される、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に定義した、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の使用であって、ヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および/または眉毛の白毛症を予防および/または制限することを意図した組成物の製造における使用。
【請求項15】
ケラチン物質の色素沈着を誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限するための美容処理方法であって、前記ケラチン物質に、請求項1〜14のいずれか一項に定義した、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の有効量を適用することを特徴とする、美容処理方法。
【請求項16】
前記ケラチン物質がヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛からのケラチン繊維から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛の白毛症を処置するための美容処理方法であって、前記繊維に、請求項1〜16のいずれか一項に定義した、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の有効量を適用することを特徴とする、美容処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、特定の構造を有するフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物の、ケラチン物質の色素沈着を促進および/もしくは誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限するための薬剤、さらに詳細には、ヒトのケラチン繊維の白毛症を予防および/または制限するための薬剤としての使用である。
【0002】
本発明が適用されるヒトのケラチン物質は、皮膚、ヒトの爪およびヒトのケラチン繊維、例えば、毛髪、眉毛、睫毛、あごひげ、または口ひげ等、を含む。特に本発明は、哺乳動物の動物種(例えば、犬、ウマまたはネコ)のケラチン物質にも適用される。さらに具体的には、本発明は、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛に適用される。
【背景技術】
【0003】
ヒトのケラチン物質の色素沈着を促進し、および/またはその色素脱失を制限する、ヒトのケラチン物質のケアおよび/または処置のための新たな製品、さらに詳細には、ヒトのケラチン繊維(例えば、毛髪、睫毛、および/または一部の体毛等)の白毛症を予防および/または低減することを可能にする製品に対する要求がある。
【0004】
ヒトの毛髪および皮膚の色は、多様な要因、特に、季節、人種、性別、および年齢によって異なる。これは、主に、メラニン細胞(melanocyte)によって産生されるメラニンの濃度によって決まる。メラニン細胞は、特定の器官であるメラノソームによってメラニンを合成する、分化した細胞である。
【0005】
メラニンの合成(すなわちメラニン形成)は、複雑であり、概略的に以下の主な段階:チロシン → ドーパ → ドーパキノン → ドーパクロム→メラニン
を含む。
チロシナーゼ(モノフェノールジヒドロキシルフェニルアラニン:酸素酸化還元酵素/EC1.14.18.1)は、特にチロシンのドーパ(ジヒドロキシフェニルアラニン)への変換反応およびドーパのドーパキノンへの変換反応を触媒することによりこの一連の反応に関与する。
【0006】
毛包の先端部は、真皮の深い層にまで侵入する、表皮の管状の陥入として存在する。底部、すなわち毛球は、それ自体、その中に真皮乳頭がみられる陥入を含む。増殖の程度が高い細胞(マトリックス細胞)により占められている領域は、毛球の底部、真皮乳頭の周りに存在する。これらの細胞は、個々の毛髪を構成する角化細胞の前駆細胞である。これらの前駆細胞の増殖の結果生じる細胞は、毛球を垂直に移動して毛球の頂部で角質化する。この角質化した細胞の集合が毛幹を形成することになる。個々の頭髪および体毛の色素沈着は、毛包の毛球部のメラニン細胞の存在を必要とする。これらのメラニン細胞は、活性な状態、すなわち、メラニン(またはメラニン色素)を形成している状態にある。これらの色素は、毛幹を形成しようとしているケラチン生成細胞に渡され、その結果、色素沈着した個々の頭髪または色素沈着した個々の体毛が成長することになる。この構造は、「毛包の色素沈着ユニット」と呼ばれる。
【0007】
人口の大多数の人において、皮膚を褐色にし、またそれぞれの頭髪の色調を均一に保持することは大切な願望であることが知られている。
【0008】
灰色または白の毛髪および/または体毛、または白毛症の出現は、毛幹中のメラニンの減少に関連していることが認められている。この現象は、個人の人生において自然に起こる。しかし、人々はより若々しい外観を持とうと努め、特にこの現象が比較的早い年齢で起こる場合、魅力的になるためにこの現象と闘うことが多い。
【0009】
人工着色の分野においては、毛髪が本来持っている色にできるだけ近い色を付与することを狙った外来性の色素を導入することによる、多くの解決法が提案されている。もう1つの取り組みは、自然の色素沈着経路を刺激することにある。
【0010】
提案された解決法として、ホスホジエルテラーゼ阻害剤(国際公開第95/17161号)、DNA断片類(国際公開第95/01773号)、ジアシルグリセロール(国際公開第94/04122号)、プロスタグランジン類(国際公開第95/11003号)、またはピリミジン-3-オキシド誘導体類(欧州特許第829260号)を含む組成物が挙げられる。
【0011】
本出願人会社は、驚くべきことに、メラニン細胞によるメラニンの合成を、メラニン細胞またはその周囲に存在する細胞で合成されたプロスタグランジン類の分解を特異的に阻害することによって、刺激することができることを見出した。
【0012】
特定のプロスタグランジン類が、男性または動物の体毛または皮膚の色素沈着に関与していることは、文献(Wand M., 1997, Arch. Ophtalmol., 115; Abdel Malek et al., 1987, Cancer Res., 47)に記載されている。しかし、プロスタグランジン類は、その代謝の性質が局所的かつ不安定である(Narumiya S et. al)ことに起因して、生物学的半減期が非常に短い分子であるため、ヒトの皮膚、毛髪および/または体毛の色素沈着に関与するプロスタグランジン類の活性を長期化させることが重要であると考えられる。
【0013】
本出願人会社は、国際公開第04/073594号の特許出願において、それまで全く実証されていなかった、15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素(15-PGDH)が毛髪のメラニン細胞でも発現されていることを明らかにした。これに加えて、本出願人会社は、真皮乳頭および毛髪のメラニン細胞中に15−PGDHが存在することを実証し、ヒトの皮膚、毛髪および/または体毛の色素沈着を促進するために15−PGDH阻害剤を使用するための準備をした。現在では、プロスタグランジン類の濃度、特にメラニン細胞、とりわけ毛髪のメラニン細胞に存在するプロスタグランジン類の濃度を、真皮乳頭のメラニン細胞の15−PGDHと線維芽細胞の15−PGDHとの両方によって触媒されるプロスタグランジン類の分解に影響を与えることによって局所的に制御することが可能となった。
【0014】
I型15-PGDHは、個々の頭髪の成長および生存の重要な介在物質であるプロスタグランジン類、特にPGF2α、およびPGEの非活性化における鍵酵素である。これは、EC.1.1.1.141の分類に相当し、NAD依存性である。この酵素は15位の炭素上のヒドロキシル基の酸化反応を触媒し、ケトンを与える。この酵素は、ブタの腎臓から単離された。この酵素は、特に、甲状腺ホルモンであるトリヨードチロニンにより、生理学的投与量よりもかなり多い投与量で阻害されることが観察されている。II型15-PGDHのほうは、NADP依存性である。
【0015】
同じ特許出願において、本出願人会社はさらに、毛髪のメラニン細胞がプロスタグランジンH合成酵素1(PGHS−1またはCOX−1/EC:1.14.99.1)を発現することを明らかにした。これは、毛髪のメラニン細胞が自律的にプロスタグランジン類を代謝することを初めて実証するものである。
【0016】
さらに、国際公開04/073594号パンフレットで、真皮乳頭および/または毛髪のメラニン細胞中に存在する15−PGDHを特異的に阻害することができることが明らかにされた。したがって、このような阻害により、毛髪のメラニン細胞の周囲に存在するプロスタグランジン類の失活を遅延化させることが可能になる。このようにして、プロスタグランジン類は、オートクリン経路またはパラクリン経路を介してメラニン細胞を刺激することができる。具体的には、このような阻害剤を適用すると、メラニン細胞によるメラニンの産生が刺激される。
【特許文献1】国際公開04/073594号パンフレット
【非特許文献1】Wand M., 1997, Arch. Ophtalmol., 115; Abdel Malek et al., 1987, Cancer Res., 47
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
同じ国際公開第04/073594号の文献により、I型15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素に対して阻害活性を有し、ヒトのケラチン物質の色素沈着を促進および/もしくは誘発および/もしくは刺激するための薬剤、ならびに/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限するための薬剤として使用可能な、塩の形態であるかまたは塩の形態ではない、フェニルフリルメチリデンチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはフェニルチエニルメチリデンチアゾリジン-2,4-ジオン化合物が開示された。しかし、本出願人会社は、これらの化合物が着色し、それにより、適用時にケラチン物質、特にケラチン繊維(毛髪、眉毛、睫毛、あごひげ、または口ひげ)を着色する傾向があるという不利な点があることに気付いた。
【0018】
本発明において、用語「15-PGDH阻害剤」は、15-PGDH酵素の活性を阻害または低減することができ、および/またはこの酵素により触媒される反応を阻害、低減または遅延化することができる、天然由来または合成由来の、全ての物質(単純な化合物であろうと複雑な化合物であろうと)を意味すると理解される。本発明の15-PGDH阻害剤は、I型15-PGDHの阻害剤であることが好ましい。
【0019】
本阻害剤は、本阻害剤は、NAD依存性のI型15-PGDHの特異的な阻害剤であることが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この結果、本出願人会社は、驚くべきことに、後述において詳細に定義する、式(I)の特定のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物が、15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素、特にI型15-ヒドロキシプロスタグランジン脱水素酵素の阻害剤であることを見出した。本出願人会社はさらに、同じこれらの化合物が、従来技術の化合物の不利な点を示すことなしに、ケラチン物質の色素沈着を促進および/もしくは誘発および/もしくは刺激し、ケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限することを可能にすることを見出した。
【0021】
したがって、本発明の主題は、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の、ケラチン物質の色素沈着を促進および/もしくは誘発および/もしくは刺激するための薬剤、ならびに/またはケラチン物質の色素脱失および/もしくは白化を制限するためのの薬剤としての美容的使用、さらに詳細には、ヒトのケラチン繊維(例えばヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛および眉毛等)のための薬剤としての美容的使用である。
【0022】
さらに詳細には、本発明は、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の、ヒトのケラチン繊維の白毛症を予防および/または制限するための薬剤としての美容的使用に関する。
【0023】
本発明の別の主題は、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の、ケアおよび/またはメイクアップ組成物中での、ケラチン物質の色素沈着を誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはそれらの色素脱失および/もしくは白化を制限するための美容的使用、さらに詳細には、ヒトのケラチン繊維(例えばヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛および眉毛等)のための美容的使用である。
【0024】
さらに詳細には、本発明は、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の、ケアおよび/またはメイクアップ組成物中での、ヒトのケラチン繊維の白毛症を予防および/または制限するための美容的使用に関する。
【0025】
本発明の別の主題は、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の、ケラチン物質の色素沈着を誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはそれらの色素脱失および/もしくは白化を制限することを意図した組成物、さらに詳細には、ヒトのケラチン繊維(例えばヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛および眉毛等)のための組成物の製造における美容的使用である。
【0026】
さらに詳細には、本発明は、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の、ヒトのケラチン繊維(例えば、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および眉毛等)の白毛症を予防および/または制限することを意図した組成物の製造における使用に関する。

【0027】
本発明はまた、ケラチン物質、より詳細にはヒトのケラチン繊維の色素沈着を誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはそれらの色素脱失および/もしくは白化を制限するための美容処理方法であって、前記ケラチン物質に、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の有効量を適用することを特徴とする美容処理方法に関する。
【0028】
本発明はまた、ヒトのケラチン繊維、特に、ヒトの毛髪、あごひげ、口ひげ、睫毛、および/または眉毛の白毛症を処置するための美容処理方法であって、前記繊維に、少なくとも1種の式(I)のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物もしくはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはそれらの塩のうちの1種および/またはそれらの溶媒和物の有効量を適用することを特徴とする美容処理方法に関する。
【0029】
本発明のフェニルフリルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物またはフェニルチエニルメチルチアゾリジン-2,4-ジオン化合物およびそれらの塩かつ/またはそれらの溶媒和物は、次の構造式:
【化1】


[式中、
a)Xは、OまたはSを表し;
b)Aは、
1)水素原子、または、
2)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の、飽和ま
たは不飽和の、C−C20アルキル基、
を表し;
c)A、A、A、およびA基は、個別に、
1)水素原子、
2)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C−C20アルキル基、
3)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、3個から7個の原子を含む、飽和または不飽和の炭化水素環、または、
4)Z基、
を表し;
d)pは、0から5までであり、pが1より大の場合、A置換基は互いに同一でも異なっていてもよく;
e)Z基は、
1)ハロゲン、例えばF、Cl、またはBr等、
2)CF3、OCF3、CN、NO2、OZ2、OCOZ2、OCONZ2Z’2、SZ2、SCOZ2、SCONZ2Z’2、SCSOZ2、SCSNZ2Z’2、NZ2Z’2、NZ2C(=NZ’2)NZ”2Z’”2、NZ2SO2Z’2、COZ2、COOZ2、CONZ2Z’2、CSZ2、CSNZ2Z’2、SO3Z、SO2NZ2Z’2、SO2Z2、SiZ2Z’2Z”2、または
Si(OZ2)(OZ’2)OZ”2から選択される基、
3)直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和の、C−C20アルキル基、または、
4)4個から15個の原子を含む、飽和または不飽和の環であって、任意選択でO、N、またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含んでいてよく、任意選択で他の環と縮合していてもよく、任意選択で1個以上の、OZ2、CF3、ハロゲン、または直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和の、C−C20アルキル基で置換されていてもよく、さらに、カルボニル官能基またはチオカルボニル官能基を含んでいてもよい環、
を表し(ただしA基がCH2である場合、ZおよびZ’はHまたはMeではない);
f)Z、Z’、Z’’、およびZ’’’基は、個別に、
1)水素原子、
2)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C−C20アルキル基、または、
3)4個から15個の原子を含む、飽和または不飽和の環であって、任意選択でO、N、またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含んでいてよく、任意選択で他の環と縮合していてもよく、これらの環は任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよく、有利にはフェニルである環、
を表し;
g)Z基は、
1)Z基、
2)任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C−C20アルキル基、または、
3)4個から15個の原子を含む、飽和または不飽和の環であって、任意選択でO、N、またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含んでいてよく、任意選択で他の環と縮合していてもよく、これらの環は任意選択で1個以上のZ基で置換されていてもよい環、
を表し;
h)Z基は、
1)ハロゲン、例えばF、Cl、またはBr等、または、
2)CF3、OCF3、CN、NO2、OZ5、OCOZ5、OCONZ5Z’5、SZ5、SCOZ5、 SCONZ5Z’5、SCSOZ5、SCSNZ5Z’5、NZ5Z’5、NZ5COZ’5、NZ5CONZ’5Z”5、NZ5C(=NZ’5)NZ”5Z’”5、NZ5SO5Z’5、COZ5、COOZ5、CONZ5Z’5、CSZ5、CSNZ5Z’5、SO3Z、SO2NZ5Z’5、SO2Z5、SiZ5Z’5Z”5、またはSi(OZ5)(OZ’5)OZ”5の群からの1つの基、
を表し;かつ、
i)Z、Z’、Z’’、およびZ’’’基は、個別に、
1)水素原子、
2)直鎖または分岐の、飽和または不飽和の、C−C20アルキル基、または、
3)4個から15個の原子を含む、飽和または不飽和の環であって、任意選択でO、N、またはSから選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含んでいてよく、任意選択で他の環と縮合していてもよく、これらの環は任意選択で1個以上のCF3、ハロゲン、または、直鎖もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和の、C−C20アルキル基で置換されていてもよい環、
を表す]
で示される。
【0030】
本発明において、用語「式(I)の化合物の塩」は、式(I)の化合物の有機または無機の塩を意味すると理解される。
【0031】
本発明で使用可能な無機塩としては、ナトリウムまたはカリウムの塩、ならびに、アンモニウム、亜鉛(Zn2+)、カルシウム(Ca2+)、銅(Cu2+)、鉄(Fe2+およびFe3+)、ストロンチウム(Sr2+)、マグネシウム(Mg2+)、およびマンガン(Mn2+)の塩;水酸化物、ハロゲン化水素酸塩(例えば塩酸塩)、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、リン酸水素塩、またはリン酸塩を挙げることができる。
【0032】
本発明で使用可能な有機塩は、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、エタノールアミン、ヘキサデシルアミン、およびN,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミンの塩、ならびに、有機酸の塩(例えば、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、および酒石酸塩等)である。
【0033】
式(I)の化合物の可能な溶媒和物としては、水和物、アルコール溶媒和物、または水/アルコール溶媒和物を挙げることができる。
【0034】
本発明において、式(I)の化合物は、単離された形態、すなわちポリマー状ではない形態である。
【0035】
本発明において、用語「少なくとも1種」は、1種またはそれ以上(2種、3種またはそれ以上)を意味する。特に、本組成物は、式(I)の化合物1種またはそれ以上を含んでいてよい。これらの化合物は、互変異性型であってよい。これらの化合物は、鏡像体、および/またはジアステレオ異性体、および/またはこれらの異性体の混合物、特にラセミ混合物であってよい。
【0036】
本発明の趣意の範囲内において、用語「アルキル基」は、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の、炭化水素基を意味すると理解される。特に、アルキル基は、1個から20個の炭素原子を含み、好ましくは1個から10個の炭素原子を含む。本発明で使用可能なアルキル基としては、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル、2-エチルヘキシル、エチレンまたはプロピレン基を挙げることができる。
【0037】
本発明で使用可能なハロゲン原子としては、塩素、フッ素、および臭素原子を挙げることができ、塩素またはフッ素原子がさらに好ましい。
【0038】
本発明で使用可能な飽和環としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチルまたはアダマンチル基を挙げることができる。
【0039】
本発明で使用可能な不飽和環としては、シクロヘキセニルまたはフェニル基を挙げることができる。本発明で使用可能な縮合炭化水素環としては、ナフチルまたはアズレニル基を挙げることができる。
【0040】
本発明で使用可能な異なる種類の縮合環としては、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾチアゾール、インドール、ベンズイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、カルボリン、クロメン、カルバゾールまたはフルオレン基を挙げることができる。
【0041】
本発明で使用可能な、カルボニルまたはチオカルボニル官能基を含む環の例としては、以下の環:
【化2】


を挙げることができる。
【0042】
本発明で使用可能な複素環の例としては、アゼチジン、ピロール、ジヒドロピロール、ピロリジン、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、イミダゾール、ジヒドロイミダゾール、イミダゾリジン、チアゾール、ジヒドロチアゾール、チアゾリジン、ピラゾール、ジヒドロピラゾール、ピラゾリジン、オキサゾール、ジヒドロオキサゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾール、ジヒドロイソオキサゾール、イソオキサゾリジン、イソチアゾール、ジヒドロイソチアゾール、イソチアゾリジン、トリアゾール、ジヒドロトリアゾール、トリアゾリジン、オキサジアゾール、ジヒドロオキサジアゾール、オキサジアゾリジン、チアジアゾール、ジヒドロチアジアゾール、チアジアゾリジン、テトラゾール、ピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ピリミジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ピペラジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、モルフォリン、アゼピン、ジアゼピンまたは15−C−5クラウンエーテル環を挙げることができる。好ましくは、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、トリアゾール、ピラジン、ピリダジン、ピペリジン、ピペラジンまたはモルフォリン環を使用することができる。
【0043】
本発明の式(I)の好ましい化合物は、以下の条件:
(a)A、A、A、およびA基は、同時に水素を表し;
(b)pは0、1、または2の値であり;
(c)A基は、同一でも異なっていてもよく、任意選択でZ基またはZ基で置換さ
れていてもよい、飽和または不飽和の、直鎖または分岐の、C−C10アルキル基を表
し;
(d)Z基は、ハロゲン、CN、NO2、CF3、OZ2、OCOZ2、COOZ2、または、任意選択で他の環と縮合していてもよく、任意選択で上記により定義したZ基1個以上で置換されていてもよいフェニル環、を表し;かつ、
(e)Z基は、水素、または、飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分岐の、C−C
10アルキル基を表す、
を満たす化合物である。
【0044】
好ましい式(I)の化合物として、以下の化合物:
【化3A】


【化3B】


【化3C】


【化3D】


【化3E】


およびそれらの塩ならびに/またはそれらの溶媒和物を挙げることができる。
【0045】
これらの化合物のうち、特に、次の式:
【化4】


で示される4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イル)メチル]2-フリル}安息香酸、または、
次の式:
【化5】


で示される4-{5[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イル)メチル]2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩、
およびそれらの塩、および/またはそれらの溶媒和物、
から選択される化合物を使用することができる。
【0046】
本発明の式(I)の化合物は、以下の構造:
【化6】


(式中、AおよびAおよびXおよびpは、式(I)において上述により定義したものと同様のものを意味する)
で示される化合物を、以下の反応スキーム:
【化7】


に従って還元する方法により得ることができる。
【0047】
式(II)の化合物は、国際公開第04/028441号の特許出願で開示および合成されている。
【0048】
式(I)の化合物(塩を形成しているかまたは形成していない、溶媒和されているかまたは溶媒和されていないもの)の有効量は、所望する結果〔すなわち、ケラチンの色素沈着(特に、毛髪および睫毛の色素沈着)を誘発および/もしくは刺激し、かつ/またはこれらの色素脱失および/もしくは白化を低減する結果〕を得るのに必要な量に相当する。したがって、当業者は、使用される化合物の性質、適用されるヒト、およびこれの適用時間に応じて、この有効量を判断することができる。
【0049】
以下の記載において、特に示さない限りは、組成物の種々の成分の量は、組成物の総重量に対する重量パーセンテージで表す。
【0050】
概略の量を示すと、本発明において、式(I)の化合物(塩を形成しているかまたは形成していない、溶媒和されているかまたは溶媒和されていないもの)または式(I)(塩を形成しているかまたは形成していない、溶媒和されているかまたは溶媒和されていないもの)の化合物の混合物は、組成物の総重量の10−3%から10%の量、好ましくは組成物の総重量の10−3%〜5%、より好ましくは10−2%から2%の量、例えば0.5から2%の量で使用することができる。
【0051】
本発明の組成物は、化粧品または製薬品に使用することができる。好ましくは、本発明の組成物は化粧品に使用するものである。このため、本組成物は、頭皮および瞼を含むヒトの皮膚、およびヒトのケラチン繊維に適用可能な、無毒で生理学的に許容可能な媒体を含むべきである。本発明の趣意の範囲内において、用語「化粧品」は、好ましい外観、匂いおよび感触を有する組成物を意味すると理解される。
【0052】
式(I)の化合物(塩を形成しているかまたは形成していない、溶媒和されているかまたは溶媒和されていないもの)は、摂取、注射、または、皮膚もしくはケラチン繊維に(処置される任意の皮膚領域または全ての繊維の上に)適用する必要がある組成物に使用することができる。
【0053】
本発明において、式(I)の化合物または式(I)の化合物の混合物は、1日当たり0.1mg〜300mg、特に5mg/日〜10mg/日の量で、経口的に使用することができる。
【0054】
本発明の好ましい組成物は、化粧品に使用される、特に皮膚およびケラチン繊維、とりわけ頭皮、毛髪および睫毛に局所適用される組成物である。
【0055】
この組成物は、使用方法に適した任意の公知の投与形態で提供することができる。
【0056】
皮膚またはケラチン繊維に局所適用するために、本組成物は、水性、アルコール性または水性/アルコール性の溶液または懸濁液の形態、または油性懸濁液または溶液の形態、多かれ少なかれ流動的なコンシステンシー、特に、液体または半液体のコンシステンシーを有し、水性相への脂肪相の分散 (O/W)またはその逆(W/O)により得られる、エマルションまたは分散体の形態、(O/W)または(W/O)の固体状エマルションまたは分散体の形態、多かれ少なかれ流動的または固体状の、水性、水性/アルコール性または油性のゲルの形態、そのままで使用されるか、または生理学的に許容可能な媒体に組み込まれるフリーまたはコンパクトパウダーの形態、またはマイクロカプセルもしくは微小粒子の形態、またはイオン性および/もしくは非イオン性の小胞体分散液の形態にすることができる。
【0057】
フォームの形態、またはスプレーもしくはエアゾールの形態の形態の組成物、ひいては加圧された噴霧剤を含有する組成物も想定することができる。
【0058】
したがって、本組成物は、ローション、漿液、ミルク、O/WまたはW/Oのクリーム、ゲル、軟膏、ポマード、パウダー、バルム、パッチ、含浸パッド、ケーキまたはフォームの形態で提供することができる。
【0059】
特に頭皮または毛髪に適用するための組成物は、ヘアケア用ローション(例えば毎日もしくは週に2回適用されるもの)、シャンプーまたは毛髪のコンディショナー(特に週に2回または1回適用されるもの)、毎日適用される液状または固体状の頭皮洗浄用の石鹸、ヘアスタイルを整えるための製品(ラッカー、毛髪のセット用製品、スタイリングゲル)、トリートメントマスク、毛髪の洗浄用のクリームまたは発泡ゲルの形態で提供することができる。また、ブラシまたは櫛で適用される毛髪用染料またはマスカラの形態で提供することもできる。
【0060】
さらに、睫毛または体毛に適用するために、本発明を適用する組成物を、有色または非有色のマスカラの形態で提供することができ、睫毛、またはあごひげもしくは口ひげにブラシで適用することができる。
【0061】
噴射により使用する組成物を目的として、本組成物を、水性ローションまたは油性懸濁液の形態で提供することができる。経口経路で使用する組成物を目的として、本組成物を、カプセル、顆粒、飲用シロップまたは錠剤の形態で提供することができる。
【0062】
特定の実施態様において、本発明の組成物は、毛髪用のクリームまたはローション、シャンプー、毛髪用コンディショナー、毛髪用マスカラ、または睫毛用マスカラの形態で提供される。
【0063】
本発明の組成物の生理学的媒体の種々の成分の量は、関係する分野で一般的に使用される量である。さらに、これらの組成物は従来の方法に従い調製される。
【0064】
本組成物がエマルションである場合、脂肪相の割合は、本組成物の総重量に対して2重量%〜80重量%、好ましくは5重量%〜50重量%の範囲であってよい。水性相は、脂肪相および化合物(I)の含有量、および可能な追加の成分の含有量に応じて、全体が100重量%になるように調節する。実際には、水性相は5重量%〜99.9重量%である。
【0065】
脂肪相は、一般的にオイルとして知られている、周囲温度(25℃)および大気圧(760mm/Hg)で液状である脂肪族化合物または油性化合物を含むことができる。これらのオイルは、互いに相溶性であってもなくてもよく、肉眼で均質な液状脂肪相の系または2相系もしくは3相系を形成することもできる。
【0066】
オイルに加えて、脂肪相は、ワックス、ガム、親油性ポリマー、または固体部分と液状部分とを含む、「ペースト状」または粘性の製品を含むことができる。
【0067】
水性相は、水を含み、さらに任意選択で、水と任意の割合で混和可能な成分、例えば低級C1〜C8アルコール(例えばエタノールまたはイソプロパノール)、ポリオール(例えばプロピレングリコール、グリセロールまたはソルビトール)、またはアセトンもしくはエーテルを含む。
【0068】
エマルションの形態の組成物のために、本組成物は、エマルション形態の組成物を製造するために使用される1種以上の乳化剤を、任意選択で1種以上の共乳化剤と共に含んでいてもよい。乳化剤および共乳化剤は、化粧品および製薬品の分野で一般的に使用されているものである。さらに、これらの性質はエマルションの性状(sense)によって決まる。実際には、乳化剤および任意選択による共乳化剤は、0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、さらに好ましくは1重量%〜8重量%の範囲の割合で組成物中に存在する。さらにエマルションはマイクロカプセルまたは微粒子、小胞の分散液、特に、脂質小胞((例えばリポソーム等)を含むことができる。

エマルションの形態の組成物を製造するために使用する
【0069】
組成物が油状溶液またはゲルの形態である場合、脂肪相は、本組成物の総重量の90%を超えていてよい。
【0070】
有利には、毛髪に適用するために、本発明の組成物は、水性、アルコール性または水性/アルコール性の溶液または懸濁液、好ましくは水/エタノールの溶液または懸濁液である。アルコールの割合は5〜99.9%、好ましくは8%〜80%であり得る。
【0071】
マスカラの適用のために、本発明の組成物は特に、顔料を含んでいるかまたは含んでいない、水中油型または油中水型の分散液の形態、ゲル化オイルの形態、または水性ゲルの形態である。
【0072】
本発明の組成物は、さらに、関係する分野において一般的に使用されている他の追加の成分、すなわち、溶媒、水性相用または脂肪相用の増粘剤またはゲル化剤、本組成物の媒体中に可溶な着色材料、充填剤型または顔料型の固形粒子、酸化防止剤、隠蔽剤、防腐剤、香料、電解質、中和剤、皮膜形成性ポリマー、紫外線遮断剤(例えばサンスクリーン剤)、皮膚またはケラチン繊維に有益な効果を有する、式(I)の化合物以外の化粧品用または医薬用の活性成分、またはこれらの混合物から選択される成分をさらに含んでいてよい。これらの添加剤は、化粧品および皮膚科学の分野で一般的に使用されている量、特に、本組成物の総重量に対して0.01%〜50%の割合、好ましくは0.1%〜20%、例えば0.1%〜10%の割合で本組成物に存在していてよい。これらの添加剤は、それらの性質次第で、脂肪相、水性相および/または脂質小胞、特にリポソームに導入することができる。
【0073】
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の組成物の有利な特性、すなわち15-PGDHの阻害、ならびに、特にケラチン繊維の密度の増加および/またはケラチン繊維の白化の低減が、想定された追加により悪影響を受けないか、または実質的に受けないように留意して、可能な追加の成分および/またはその量を選択するであろう。
【0074】
本発明で使用できる溶媒としては、低級C2〜C8アルコール類(例えばエタノールまたはイソプロパノール)、プロピレングリコール、およびある種の軽質化粧品用オイル(例えばC6〜C16アルカン類)を挙げることができる。
【0075】
本発明で使用できるオイルとしては、鉱物起源のオイル(流動パラフィン、水添イソパラフィン)、植物起源のオイル(カリテバターの液状留分、ヒマワリ油、アプリコットオイル、脂肪族アルコールまたは脂肪酸)、動物起源の油(ペルヒドロスクアレン)、合成オイル(脂肪酸エステル、パーセリンオイル)、シリコーンオイル(フェニルトリメチコーン、直鎖状または環状のポリジメチルシロキサン)およびフッ化オイル(パーフルオロポリエーテル)を挙げることができる。ワックスとしては、シリコーンワックス、ミツロウ、コメヌカロウ、カンデリラワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックスまたはポリエチレンワックスを挙げることができる。
【0076】
本発明で使用可能な乳化剤としては、例えば、W/O型エマルションについては、ステアリン酸グリセリルまたはラウリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビトールまたはオレイン酸ソルビトール、アルキルジメチコーンコポリオール類(C8以上のアルキルを有するもの)およびこれらの混合物を挙げることができる。また、O/W型エマルションについては、ポリエチレングリコールのモノステアラートまたはモノラウラート、ポリオキシエチレン化されたステアリン酸ソルビトールまたはオレイン酸ソルビトール、ジメチコーンコポリオール、およびそこれらの混合物も使用することができる。
【0077】
本発明で使用可能な親水性のゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリルコポリマー(例えばアクリラート/アルキルアクリラートコポリマー)、ポリアクリルアミド類、多糖類(例えばヒドロキシプロピルセルロース)、天然ゴムおよび粘土を挙げることができ、親油性のゲル化剤としては、変性粘土(例えばベントン)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸アルミニウム)、疎水化処理したシリカ、エチルセルロース、またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0078】
本発明で使用することができる、式(I)の化合物以外の化粧品用または医薬用の活性成分としては、親水性活性成分〔例えば、タンパク質、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール類、尿素、アラントイン、糖および糖誘導体、水溶性ビタミン類、植物抽出物(アヤメ科植物または大豆の抽出物)、ならびに、ヒドロキシ酸(例えば果実酸またはサリチル酸)等〕;および、親油性活性成分〔例えば、レチノール(ビタミンA)およびその誘導体(特にエステル(パルミチン酸レチノール))、トコフェロール(ビタミンE)およびその誘導体(特にエステル(酢酸トコフェロール))、必須脂肪酸、セラミド類、精油、サリチル酸誘導体(例えば5-オクタノイルサリチル酸等)、ヒドロキシ酸エステル、リン脂質(例えばレシチン等)等〕、またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0079】
有利には、本発明の組成物は、追加的に、少なくとも1種のプロスタグランジン若しくはプロスタグランジン誘導体〔例えば、特にPGF2αおよびPGEを含む、シリーズ2のプロスタグランジン類で、塩またはエステルの形態のもの(例えばイソプロピルエステル)、それらの誘導体類(例えば16,16-ジメチルPGE、17-フェニルPGE、および16,16-ジメチルPGF2α、17-フェニルPGF2α)、または、シリーズ1のプロスタグランジン類(例えば、11-デオキシプロスタグランジンE、または1-デオキシプロスタグランジンE)で、塩またはエステルの形態のもの、それらの類似体類、特にラタノプロスト、(5E)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンチル]シクロペンチル}ヘプト-5-エン酸、ビプロストール、ビマトプロスト、クロプロステノール、トラボプロスト、フルプロステノール、ブタプロスト、ウノプロストン、ミソプロストール等〕、それらの塩、またはそれらのエステルを含む。
【0080】
少なくとも式(I)の化合物(塩を形成しているかまたは形成していない、溶媒和されているかまたは溶媒和されていないもの)を含む本組成物が、カプセル化される、特に、リポソームの形態(例えば、特に、国際公開第94/22468号パンフレットにおいて開示された形態等)にカプセル化されることも想定することができる。このようにして、カプセル化された化合物を毛包に選択的に送達することができる。
【0081】
本発明の組成物は、処置されるべき皮膚の領域に適用することができ、特に、脱毛症に罹患した頭皮の領域および個人の毛髪に適用することができ、さらに、任意選択で数時間接触させたままにしておくことができ、任意選択ですすぐこともできる。
【0082】
式(I)の化合物(塩を形成しているかまたは形成していない、溶媒和されているかまたは溶媒和されていないもの)の有効量を含む組成物を、例えば夕方に適用し、一晩、この組成物を接触させたままにし、任意選択で次の朝シャンプーすることができる。これらの適用を、個人に応じて1ヶ月またはそれ以上、毎日繰り返すことができる。
【0083】
本発明の方法において、0.001%〜5%の15-PGDH阻害剤を含む、上述により定義した溶液または組成物5μl〜10mlを、ケアまたは処置されるべき頭皮および/または毛髪の領域に適用することが有利である。
【0084】
次に、本発明の実施例を例として挙げるが、これらの例は決して本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0085】
[実施例1]:5-([5-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]フル-2-イルメチル)-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン(化合物2)の合成
【化8】


三口フラスコ中、窒素気流下で、5-[5-(3-(トリフルオロ-メチル)フェニル)フル-2-イルメチレン]チアゾリジン-2,4-ジオン 500mg(1.47mmol、1当量)を無水THF 2mlに溶解させ、さらに、KOH上のピリジン 2mlを添加する。水素化ホウ素リチウム 1.71mlを少しずつ加える(発泡し、温度が上昇する)。反応媒体を65℃で3時間加熱する。この混合物は均一である。この媒体を室温で放置した後、冷1N塩酸溶液にゆっくりと注ぐ。次に、この媒体を、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで無水にし、濾過し、できるだけ濃縮する。得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製する(溶出液:ジクロロメタン)。所望の化合物が、粉末形態で得られる。
【0086】
(結果)
外観:明るいベージュ色の粉末
重量=84mg
収率=17%
融点=138℃
分子量=341g・mol−1
分析:NMRおよびマススペクトルは、所望の構造と一致する。
【0087】
[実施例2]:5-{[5-(3-クロロフェニル)-2-フリル]メチル}-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン(化合物3)の合成
【化9】


手順は、実施例1と同じである。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製する(溶出液:ジクロロメタン)。所望の化合物が、粉末形態で得られる。
【0088】
(結果):
外観:粉末
重量=114mg
収率=6%
融点=104℃
分子量=307g・mol−1
【0089】
分析:NMRおよびマススペクトルは、所望の構造と一致する。
(元素分析):
【表1】


【0090】
[実施例3]:5-({5-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]チエン-2-イル}メチル)-1,3-チアゾリジン-2,4-ジオン(化合物5)の合成
【化10】


手順は、実施例1と同じである。
精製は、シリカゲルクロマトグラフィーにより行った(溶出液:ヘキサン/酢酸エチルによる勾配溶出:80/20から50/50)。
所望の化合物が、粉末形態で得られる。
【0091】
(結果):
外観:明るいベージュ色の粉末
重量=79mg
収率=15%
分子量=357g・mol−1
分析:NMRおよびマススペクトルは、所望の構造と一致する。
【0092】
[実施例4]:4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イル)メチル]2-フリル}安息香酸(化合物1)の合成
【化11】


手順は、実施例1と同じである。
【0093】
分析:NMRおよびマススペクトルは、所望の構造と一致する。
【0094】
[実施例5]:4-{5-[(2,4-ジオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イル)メチル]-2-フリル}安息香酸二ナトリウム塩(化合物10)の合成
【化12】


水 20ml中に、化合物1を2.12g仕込む。1規定水酸化ナトリウム溶液 6.7mlを添加する。固体が溶解する。30分間攪拌した後、溶液をアセトンに注ぐ。固体が生じる。これを濾過し、減圧下で乾燥させる。このアセトンを含む固体を、水に溶解した後、乾燥させる。残渣をエタノール中で16時間攪拌し、その後濾過し乾燥させる。
【0095】
外観:粉末
重量=1.68g
収率=69%
分子量=361g・mol−1
【0096】
分析:NMRおよびマススペクトルは、所望の構造と一致する。
【0097】
[実施例6]:15-PGDHに対する化合物1の特異的阻害特性の実証
(I型15-PGDHの試験)
L’Oreal名義で出願されたフランス特許出願第02/05067号に開示されているように、酵素15-PGDHを、培養液中で濃度0.3mg/mlに調節された懸濁液として得、次いで−80℃でブロックする。試験の必要に応じて、この懸濁液を解凍して氷中に保存する。
【0098】
さらに、0.1mMのジチオトレイトール(D5545、シグマ‐アルドリッチ、L’isle D’Abeau Chesne, BP 701,38297, Saint Quentin Fallavier)、1.5mMのβ-NAD(N6522、シグマ‐アルドリッチ、L’isle D’Abeau Chesne, BP 701,38297, Saint Quentin Fallavier)および50μMのプロスタグランジンE(P4172、シグマ‐アルドリッチ、L’isle D’Abeau Chesne, BP 701,38297, Saint Quentin Fallavier)を含む、100mMトリス緩衝液、pH=7.4を調製する。
【0099】
(予め37℃にした)この緩衝液 0.965mlを、37℃に恒温制御した分光光度計(パーキンエルマー、ラムダ2)のセルに入れ、測定波長を340nmに調整する。37℃の酵素懸濁液 0.035mlを、(340nmでの光学密度の増大に対応する)記録を行いながらセルに入れる。反応速度の最大値を記録する。
【0100】
(化合物(I)を含む)試験値を(化合物(I)を含まない)対照値と比較する。示した結果は、所与の濃度の式(I)の化合物が15-PGDHの酵素活性を阻害するパーセンテージ、または、化合物1が15-PGDHの酵素活性を50%低下させる濃度、すなわちIC50dhを表している。
結果を以下の表に示す。
【表2A】


【表2B】


この表から、本発明の化合物1から4、5、および7は、I型15-PGDHの阻害剤であることが明らかにされている。
【0101】
[実施例7]:従来技術(国際公開第04/028441号)の化合物と、本発明によるその還元型相同体との比較試験
[使用した毛髪]
この試験において使用した毛髪は、SA40グレード(強く脱色したもの)である。約1gの毛髪の房を準備し、0.4gのシャンプーで洗浄した。これらをリンスし、ヘアドライヤで乾燥させ、もつれをほぐした。
【0102】
[生成物を希釈するための手順]
生成物 100mgを秤量し、水 3ml、エタノール 1ml、および20%アンモニア水溶液 0.5mlで処理した(媒体は塩基性であり、したがって、試験した2つの化合物は調製媒体中で塩の形態である)。攪拌を10分間続けた。毛髪の房を結晶皿にふたをせずに入れ、ピペットを用いて溶液をこの房に付着させ、房に完全に浸透するようにした。結晶皿を時計皿でふたをし、40℃の加熱板上に1時間置いた。その後、この房を、吸い取り紙で表面的に乾燥させた後、もつれをほぐし、ヘアドライヤで乾燥させた。
【0103】
[試験した化合物]
−国際公開第04/028441号に記載された、式:
【化13】


の4-{5-[(2,4-ジスルホ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル]-2-フリル}安息香酸(Z異性体)に由来するイオン性化合物。
−式:
【化14】


の本発明の化合物。
−対照:生成物を使用せずに、同様の操作を行った。
【0104】
従来技術の化合物は毛髪の房を着色したのに対し、本発明の化合物は着色しなかった。
【0105】
以下の組成物を、化粧品または医薬品の分野で広く用いられている通常の技術により得た。
【0106】
[実施例8]:毛髪用ローション
化合物1 1.00g
プロピレングリコール 30.00g
エチルアルコール 40.00g
水 100gとするための残量
【0107】
このローションを頭皮に、1日に1回または2回、1回当たりの塗布量1mlで塗布し、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。続いて、毛髪を開放空気で乾燥させる。このローションによって、毛髪の白毛症を予防および/または低減することが可能になる。
【0108】
[実施例9]:毛髪用ローション
化合物1 1.00g
プロピレングリコール 30.00g
エチルアルコール 40.00g
水 100gとするための残量
【0109】
このローションを頭皮に、1日に1回または2回、1回当たりの塗布量1mlで塗布し、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。続いて、毛髪を開放空気で乾燥させる。このローションによって、毛髪の白毛症を予防および/または低減することが可能になる。
【0110】
[実施例10]:ワックス/水のマスカラ
ミツロウ 6.00%
パラフィンワックス 13.00%
水添ホホバオイル 2.00%
水溶性皮膜形成性ポリマー 3.00%
ステアリン酸トリエタノールアミン 8.00%
化合物1 1.00%
黒色顔料 5.00%
防腐剤 適量
水 100%とするための残量
このマスカラを、睫毛に、従来のマスカラと同様にマスカラブラシを用いて適用する。
【0111】
[実施例11]:毛髪用ローション
化合物1 0.10g
ラタノプロスト 0.10g
プロピレングリコール 30.00g
エチルアルコール 40.00g
水 100gとするための残量
【0112】
このローションを頭皮に、1日に1回または2回、1回当たりの塗布量1mlで塗布し、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。続いて、毛髪を開放空気で乾燥させる。このローションによって、毛髪の白毛症を予防および/または低減することが可能になる。
【0113】
[実施例12]:毛髪用ローション
(5E)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンチル]シクロペンチル}ヘプト-5-エン酸 0.10g
化合物1 0.10g
プロピレングリコール 30.00g
エチルアルコール 40.00g
水 100gとするための残量
【0114】
このローションを頭皮に、1日に1回または2回、1回当たりの塗布量1mlで塗布し、頭皮を軽くマッサージして、活性成分を浸透させる。続いて、毛髪を開放空気で乾燥させる。このローションによって、毛髪の白毛症を予防および/または低減することが可能になる。




 

 


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