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発明の名称 固体検出器の補正方法及び固体検出器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−38013(P2007−38013A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2006−212260(P2006−212260)
出願日 平成18年8月3日(2006.8.3)
代理人 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
発明者 クラウス フィンクラー / マルチン シュパーン
要約 課題
ディジタル固体検出器によって検査対象物の品質低下の少ないX線画像を得る。

解決手段
一平面内に配置された少なくとも2枚の板部材からなり多数のピクセルエレメント(205)を有するピクセルマトリクス(201)を備え、第1板部材及び第2板部材が互いに相対的にずれ(208,209)を持っている固体検出器において、品質低下のより少ないX線画像を保証するために、ピクセルマトリクス(201)からディジタルX線生画像(210)が読み出され、板部材の相対的なずれ(208,209)によってディジタルX線生画像(210)に生じた不連続部(218,219)が、ディジタルX線生画像(210)から画像処理補正によって少なくとも部分的に除去される補正方法が提案される。
特許請求の範囲
【請求項1】
一平面内に配置された少なくとも2枚の板部材からなり多数のピクセルエレメント(205)を有するピクセルマトリクス(201)を備え、第1板部材及び第2板部材が互いに相対的にずれ(208,209)を持っている固体検出器の補正方法において、前記ピクセルマトリクス(201)からディジタルX線生画像(210)が読み出され、前記板部材の相対的なずれ(208,209)によって前記ディジタルX線生画像(210)に生じた不連続部(218,219)が、前記ディジタルX線生画像(210)から画像処理補正によって少なくとも部分的に除去されることを特徴とする固体検出器の補正方法。
【請求項2】
前記第2板部材が前記第1板部材に対してずれ(208,209)を持っており、それによって生じた不連続部(218,219)が、ずれている第2板部材のピクセルエレメント(205)から形成されるディジタルX線生画像の成分(214)から、画像処理補正によって少なくとも部分的に除去されることを特徴とする請求項1記載の補正方法。
【請求項3】
前記ずれ(208,209)が、第1ピクセル軸(x)に沿う第1ずれ成分(208)、及び/又は第2ピクセル軸(y)に沿う第2ずれ成分(209)を持っていることを特徴とする請求項2記載の補正方法。
【請求項4】
ずれている第2板部材のピクセルエレメント(205)の読み出された生値、特にグレー値が、各ずれ成分(208,209)の方向の少なくとも一つのピクセルエレメントの長さ分だけずらされることを特徴とする請求項3記載の補正方法。
【請求項5】
ずれている第2板部材のピクセルエレメント(205)の読み出された生値、特にグレー値が、前記各ずれ成分(208,209)の方向の一つのピクセルエレメントの長さより少ない分だけずらされることを特徴とする請求項3記載の補正方法。
【請求項6】
ずれている第2板部材のピクセルエレメント(205)、特に全ての側に同一板部材の隣接ピクセルエレメント(205)を有するピクセルエレメント(205)の読み出された生値が、一つのピクセルエレメントの長さに関する各パーセンテージずれ成分(208,209)に応じて、各ずれ成分(208,209)の方向に隣接するピクセルエレメントの生値に対して加算され、同時に前記ピクセルエレメント(205)の生値自体において減算されることを特徴とする請求項3記載の補正方法。
【請求項7】
前記補正が、まず一方のずれ成分(208,209)の方向に行われ、次に他方のずれ成分(208,209)の方向に行われることを特徴とする請求項6記載の補正方法。
【請求項8】
各ずれ成分(208,209)の方向に隣接する側に隣接するピクセルエレメント(205)を持っていない、ずれている第2板部材のピクセルエレメント(205)の読み出された生値が、一つのピクセルエレメントの長さに関する各パーセンテージずれ成分(208,209)に応じて、ピクセルエレメント(205)の生値自体において減算されることを特徴とする請求項6記載の補正方法。
【請求項9】
ずれている第2板部材の、各ずれ成分(208,209)とは反対の方向に隣接する側に隣接ピクセルエレメント(205)を持っていないピクセルエレメント(205)の読み出された生値が、そのままにしておかれることを特徴とする請求項6記載の補正方法。
【請求項10】
ずれている第2板部材の、各ずれ成分(208,209)とは反対の方向に隣接する側に隣接ピクセルエレメント(205)を持っていないピクセルエレメント(205)の読み出された生値が、各ずれ成分(208,209)によって与えられるパーセンテージ分だけ増強されることを特徴とする請求項6記載の補正方法。
【請求項11】
ずれている第2板部材の、第1板部材に隣接するピクセルエレメント(205)の読み出された生値が、第1板部材の隣接ピクセルエレメント(205)の生値の、各ずれ成分(208,209)によって与えられるパーセンテージ分だけ増強されることを特徴とする請求項6記載の補正方法。
【請求項12】
前記第1板部材と第2板部材との間に、ピクセルエレメント(205)の、生値が読み出されないデッド行及び/又はデッド列が配置されることを特徴とする請求項1記載の補正方法。
【請求項13】
前記各デッド行及び/又はデッド列に対する値が、前記第1板部材の端縁角に隣接するピクセルエレメント(205)の生値と前記第2板部材の端縁角に隣接するピクセルエレメント(205)の生値との補間によって演算され、各生値の重み付けが対応するずれ成分(208,209)に依存することを特徴とする請求項12記載の補正方法。
【請求項14】
前記ずれ(208,209)が前記ピクセルマトリクスの読み出し前に測定され決定されることを特徴とする請求項1記載の補正方法。
【請求項15】
前記ずれ(208,209)が前記ピクセルマトリクス(201)の光学的走査によって測定され決定されることを特徴とする請求項14記載の補正方法。
【請求項16】
前記ずれ(208,209)が、公知の対象物、特に網目格子のX線生画像(210)と公知の対象物の品質低下のない画像との比較によって測定され決定されることを特徴とする請求項14記載の補正方法。
【請求項17】
予め決定されたずれ(208,209)が記憶ユニットに記憶されていることを特徴とする請求項14ないし16のいずれか1項に記載の補正方法。
【請求項18】
一平面内に配置された少なくとも2枚の板部材からなり、その第1板部材及び第2板部材が相対的にずれ(208,209)を持っている、複数のピクセルエレメントを有するピクセルマトリクス(201)と、前記ピクセルマトリクス(201)から読み出されたX線生画像(210)の前記ずれ(208,209)から生じた不連続部(218,219)の少なくとも部分的な画像処理補正を行う対応する補正ユニットとを備えたことを特徴とする固体検出器。
【請求項19】
前記第2板部材が前記第1板部材に対してずれ(208,209)を持っており、前記ずれ(208,209)によって生じた不連続部(218,219)の少なくとも部分的な補正が、前記補正ユニットによって前記ずれた板部材のピクセルエレメント(205)から読み出されるディジタルX線生画像(210)の成分(214)から行われることを特徴とする請求項18記載の固体検出器。
【請求項20】
前記平面内に更に複数の板部材が配置され、それらの板部材が前記第1板部材に対して更にずれを持っていることを特徴とする請求項19記載の固体検出器。
【請求項21】
前記板部材がアモルファスシリコン(a−Si)板(203,204)から形成されていることを特徴とする請求項18記載の固体検出器。
【請求項22】
前記ずれ(208,209)が、第1ピクセル軸(x)に沿う第1ずれ成分(208)、及び/又は第2ピクセル軸(y)に沿う第2ずれ成分(209)を持っていることを特徴とする請求項19記載の固体検出器。
【請求項23】
前記補正が、各ずれ成分(208,209)の方向の生値補正、特にグレー値補正を含んでいることを特徴とする請求項19記載の固体検出器。
【請求項24】
ずれている第2板部材のピクセルエレメント(205)、特に全ての側に同一板部材の隣接ピクセルエレメント(205)を有するピクセルエレメント(205)の読み出された生値により、一つのピクセルエレメントの長さに関する各パーセンテージずれ成分(208,209)に応じて、各ずれ成分(208,209)への方向に隣接するピクセルエレメント(205)の生値に対する加算が行われ、同時に前記ピクセルエレメント(205)の生値自体において減算が行われることを特徴とする請求項19記載の固体検出器。
【請求項25】
前記補正がまず一方のずれ成分の方向に行われ、次に他方のずれ成分の方向に行われることを特徴とする請求項24記載の固体検出器。
【請求項26】
前記ずれ(208,209)を記憶する記憶ユニットを備えたことを特徴とする請求項18記載の固体検出器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の固体検出器の補正方法、及び請求項18に記載の固体検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
X線画像形成の分野においては、検査対象物のディジタルX線画像を撮影するために固体検出器として構成されたX線検出器が知られている。このX線検出器においては、X線がシンチレータ又は直接変換層を介して電荷に変換され、続いてアクティブ・ピクセルマトリクスによって電子的に読み出される。次に検査結果を表す撮像データが評価装置及びディスプレイ装置に伝送され、撮像調製のための処理が行われる(非特許文献1参照)。
【0003】
アモルファスシリコンからなる円盤、いわゆるa−Si板から組み立てられるアクティブ・ピクセルマトリクスが知られている。大面積の固体検出器を作るために、いわゆるバッティングプロセスによって複数のa−Si板が互いにつき合わせられ、例えば1枚のガラス基板上に一緒に貼着される。しかし、その貼着時には技術的理由から、異なるa−Si板間の相対的な位置ずれを避けることは一般に不可能である。ずれは普通、ピクセル軸ごとに一つのピクセルエレメントの長さを基準としてその2桁のパーセンテージ範囲内にある。ずれがあると、読み出されたX線の生画像に不連続部を生じさせてしまう。このことは又、品質の劣化した対象物表示やアーチファクトを生じさせる原因となる。リニアコンビネーションでは、例えば一定の応用例では各2つのX線生画像の減算によってアーチファクトが付加的に生じることがある。この応用例の場合、例えばDSA(ディジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ)又はデュアル・エネルギー法、又は時間的に前後する少なくとも2つのX線生画像を撮影する方法がごく一般的である。
【非特許文献1】論文 M. Spahn, V. Heer, R. Freytag"Flachbilddetektoren in der Rontogendiagnostik”、雑誌 Radiologe 43,2004、340〜350ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ディジタル固体検出器によって検査対象物の品質低下のないX線画像を得ることができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、請求項1に記載の固体検出器の補正方法、及び請求項18に記載の固体検出器によって解決される。本発明の好ましい実施態様はそれぞれの従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明による補正方法によって、一平面内に配置された少なくとも2枚の板部材からなるピクセルマトリクスを備え、第1板部材及び第2板部材が互いにずれを持っている固体検出器において、板部材の相対的なずれによってディジタルX線生画像に生じた不連続部が、ディジタルX線生画像から画像処理補正によって少なくとも部分的に除去されることによって、品質低下のない、特にずれ箇所でも検査対象物の連続的なX線画像が達成される。X線生画像とは、本発明においては、直接読み出されたX線生画像のほかに、すでに部分的に補正された、例えばすでにオフセット補正されたX線生画像も含むものとする。すなわち、読み出しと不連続部の補正との間で1つ又は複数の付加的画像処理があり得るものとする。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、第2板部材が第1板部材に対してずれを持っており、それによって生じた不連続部が、ずれている第2板部材のピクセルエレメントから形成されるディジタルX線生画像の成分から、画像処理補正によって少なくとも部分的に除去される。全X線生画像ではなく、一成分のみを補正することによって、好ましいことに、演算コストつまり高価な処理ユニットの処理時間及びコストをも節減することができる。
【0008】
簡単で低コストの補正を実現するために、好ましくは、ずれている第2板部材のピクセルエレメントの読み出された生値がずれの方向の少なくとも一つのピクセルエレメントの長さ分だけずらされる。こうすることによって、不連続部がX線生画像から特に簡単に補正することができる。
【0009】
一つのピクセル値のパーセンテージ範囲内にあるずれを除去するためにも、したがってずれの特に正確な補正を保証可能とするために、好ましくは、ずれている第2板部材のピクセルエレメントの読み出された生値が各ずれ成分の方向に一つのピクセルエレメントの長さより少ない分だけずらされる。本発明の他の実施態様によれば、ずれている第2板部材のピクセルエレメントの読み出された生値が、一つのピクセルエレメントの長さに関する各パーセンテージずれ成分に応じて、各ずれ成分の方向に隣接するピクセルエレメントの生値に対して加算され、同時にピクセルエレメントの生値自体において減算される。
【0010】
さらに好ましくは、ずれはピクセルマトリクスの読み出し前に測定され決定される。それにより、ずれについてのデータを次の補正方法のために迅速かつ簡単に利用することができる。ずれを測定し決定する特に好ましい方法は、ピクセルマトリクスつまりずれが光学的に走査されることによって得られる。本発明の他の実施態様によれば、ずれは、公知の対象物、特に網目格子のX線生画像と公知の対象物の品質低下のない画像との比較によって測定され決定される。ずれの決定時点は例えば固体検出器の使用開始の際、又は校正の最中でよい。次に、ずれは、必要に応じていつでも呼び出すことができるように、好ましくは記憶ユニットに記憶される。
【0011】
本発明の特に好ましい応用例は、一平面内に配置された少なくとも2枚の板部材からなり、その第1板部材及び第2板部材が相対的にずれを持っている、複数のピクセルエレメントを有するピクセルマトリクスと、ずれによって引き起こされるX線生画像の不連続部の少なくとも部分的な補正を行う対応する補正ユニットとを備えた固体検出器において与えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に図面に示す実施例を参照して本発明及び従属請求項の特徴による好ましい実施態様について詳細に説明する。なお、本実施例は本発明をそれらに限定するものではないことに留意されたい。
【0013】
図1は、ガラス基板202上に共通に貼着され一平面に配置された第1板部材及び第2板部材から組み立てられた固体検出器のピクセルマトリクス201を示すものである。第1板部材は好ましくは第1a−Si板203によって形成され、第2板部材は好ましくは第2a−Si板204によって形成される。各a−Si板203,204は正方形に形成された有限数のピクセルエレメント205からなっている。ピクセルエレメントは例えばグレー値であり得る生値を測定し、例えばモニタにX線生画像として表示することができる。
【0014】
第1a−Si板203及び第2a−Si板204は互いに相対的にずらして配置され、端的に言えば、第2a−Si板204は第1a−Si板203に対して、ずれ208,209だけずらされている。第1a−Si板203に対する第2a−Si板204のずれ208,209は、第1ピクセル軸xとは反対の方向に向けられた第1ずれ成分208、及び第2ピクセル軸yの方向に向けられた第2ずれ成分209からなっている。この固体検出器は検査対象物206の撮像のために設けられる。
【0015】
ピクセルマトリクス201から検査対象物206のX線生画像210が読み出され、例えばモニタに、特にグレー値で表示されると、図2に示されているように、第1a−Si板203によって読み出された第1画像部213と第2a−Si板204によって読み出された第2画像部214との間の移行領域に不連続部218,219が現れる。それは、従来技術による公知の画像処理ソフトウェアがずれ又はそれによって生じる不連続部218,219を考慮していないために起こるものである。不連続部218,219は第1ピクセル軸xの方向にむけられた第1不連続成分218、及び第2ピクセル軸yとは反対の方向に向けられた第2不連続成分219を持っており、両不連続部218,219は全体としてずれ208,209にちょうど逆向きになっている。
【0016】
図2には100個の値領域を有するグレー値のX線生画像210が示されている。ここで不連続部218,219をもって示されている検査対象物206の輪郭線211が破線で示されている。X線画像210の第1画像部213の第1画像点215上の数字、及び第2画像部214の第2画像点216上の数字は、検査対象物206に対応して含まれるグレー値を0(白)から100(黒)までのスケールで例示したものである。通常の固体検出器では、例えば、214=16384といった多数のグレー段階で表現される。
【0017】
本発明によれば、第1板部材及び第2板部材、特にa−Si板203,204間の相対的なずれ208,209によってディジタルX線生画像210内に生じた不連続部218,219は、X線生画像210から画像処理補正によって少なくとも部分的に除去される。本発明による補正法に利用される方向が図3及び図4の第2a−Si板204の画像点に矢印220,221によって示されている。本発明の一実施態様による第1矢印220の方向の補正を実施することによって部分補正される中間X線画像212.1が図3に示されており、第2矢印221の方向に付加的に補正されるX線画像212が図4に示されている。本発明の実施態様によれば、補正は第一に一方のずれ成分の方向で行われ、次に他方のずれ成分の方向で行われる。
【0018】
図1に示されている第2a−Si板204のずれがその第1ずれ成分208において一つのピクセルの長さの例えば30%に達し、その第2ずれ成分209において一つのピクセルの長さの例えば40%に達しているとすれば、好ましい実施態様に従い次のようにして補正方法が実施される。すなわち、第2a−Si板204の全ての側に隣接するピクセルエレメント205を備えた、ずれている第2a−Si板204のピクセルエレメント205の最初に読み出された各グレー値が第1ずれ成分208の方向、例えば左側に隣接するピクセルエレメント205に対して30%だけ加算され、同時にピクセルエレメント205自体に対してグレー値の30%が減算される。
【0019】
左側へのこのずれ処理の終了後、中間結果として生じるグレー値は第2ずれ成分209の方向、上述の例ではy軸方向に隣接するピクセルエレメント205に対して40%が加算され、ピクセルエレメント205自体において中間結果として生じるグレー値が40%減算される。このようにして、ずれている第2a−Si板204のピクセルエレメント205から読み出され、全ての側に隣接する第2a−Si板204に属する隣接ピクセルエレメント205を備えたグレー値による補正が行われる。
【0020】
少なくとも一側に同一板部材すなわち第2a−Si板204の直接隣接するピクセルエレメントを備えていない端縁ピクセルエレメント205には、品質低下を来さない正確なX線画像を得るために、次のような特別な補正が施される。すなわち、本発明のさらなる実施態様に従い、ずれの方向に隣接する側に隣接ピクセルエレメント205を備えていない、ずれた第2板部材のピクセルエレメント205の読み出された生値に、一つのピクセルエレメントの長さに関するパーセントずれに応じて、ピクセルエレメント205の生値自体における減算が施される。
【0021】
ここで考慮されている例は、ずれ208,209の方向に隣接する側すなわち左側上方に隣接ピクセルエレメント205を備えていない、ずれを生じている第2a−Si板204のピクセルエレメント205の最初に読み出されたグレー値に関するものである。ここでは少なくとも1側にはグレー値が与えられないので、減算はピクセルエレメント205のグレー値自体に減算が行われるだけである。ピクセルエレメント205においてはグレー値の左側隣接70%が取り去られることなしに、グレー値の40%だけが転送される。すなわち次に存在するピクセルエレメントのグレー値に転送され、残り30%は無効にされる。
【0022】
本発明のさらなる実施態様によれば、各ずれ成分の逆方向に隣接する側に隣接ピクセルエレメントを備えていない、ずれた第2板部材のピクセルエレメント205の読み出された生値は、そのままにしておく。すなわち上述の例では、端縁右側に位置し、第1a−Si板203のピクセルエレメント205から読み出された、ピクセルエレメント205のグレー値は、最初に読み出された形のままにしておかれる。
【0023】
端縁側のピクセルエレメントの最後の方のグレー値を用いて、次のような処理を行うことも可能である。すなわち本発明のさらなる実施態様に従い、各ずれ成分の逆方向に隣接する側に隣接ピクセルエレメント205を備えていない、ずれを生じている第2a−Si板204のピクセルエレメント205の読み出された生値は、各ずれ成分によって与えられるパーセンテージ成分だけ増大させられる。すなわち、ここの例では、端縁右側に位置するピクセルエレメント205のグレー値が30%だけ増大される。端縁下側に位置するピクセルエレメント205のグレー値は最初に読み出されたグレー値の40%だけ増大させられる。
【0024】
端縁側の最後の方のグレー値を用いて、次のように処理することもできる。すなわち本発明のさらなる実施態様に従い、第1板部材に隣接する、ずれを生じている第2板部材のピクセルエレメント205の読み出された生値が、各ずれ成分208,209によって与えられる、第1板部材の隣接ピクセルエレメント205の生値の与えられたパーセンテージ成分だけ増大させられる。すなわち、ここの例では、第1a−Si板203の端縁側ピクセルエレメントの各グレー値の40%が、上方に隣接する第2a−Si板204の端縁側ピクセルエレメントのグレー値に加算される。
【0025】
本発明のさらなる実施態様に従い、第1板部材と第2板部材との間にそれぞれ生値が読み出されないデッド行及び/又はデッド列が配置される。本発明のさらなる実施態様によれば、各デッド行及び/又はデッド列に対する値が、第1板部材の端縁角に隣接するピクセルエレメント205の生値と第2板部材の端縁角に隣接するピクセルエレメント205の生値との補間によって演算される。その場合、各生値の重み付けは対応するずれ成分208,209に依存する。
【0026】
デッド行及び/又はデッド列に対する値の演算の前に、各デッド行及び/又はデッド列に平行な不連続部の補正を行っておかなければならない。それに対応して、第1a−Si板203と第2a−Si板204との間に配置されたデッド行を備えた固体検出器201に対して、まず第1ずれ成分208の方向に不連続部の補正が行われる。
【0027】
次に第2ずれ成分209の方向、すなわち第2a−Si板204の上方に隣接するピクセルエレメント205のグレー値、及び第2ずれ成分209の反対方向、すなわち第1a−Si板203の下方に隣接するピクセルエレメント205のグレー値を平均化して、デッド行の画像点に対する値が演算される。その場合、重み付けはその方向の40%のずれに対応して演算に導入される。これは直線補間法を用いて行われる。
【0028】
次に図4に示されているように不連続部の補正が第2ずれ成分209の方向に行われる。その場合、第2a−Si板204の、デッド行に隣接する端縁ピクセルエレメントのグレー値はデッド行の値によって補正される。すなわち、各中間結果として生じるグレー値又は端縁ピクセルエレメントにおけるデッド行のピクセルエレメントの演算値は第2ずれ成分209の方向すなわち上方に隣接するピクセルエレメント205に対して40%だけ加算され、ピクセルエレメント205自体においては中間結果として生じるグレー値の40%が減算される。その場合、デッド行の値はそのままにされる。
【0029】
ずれについてのデータを次の補正プロセスのために迅速かつ簡単に用いることができるように、ずれは好ましくはピクセルマトリクスの読み出し前に測定され決定される。それは種々のやり方で、例えば板部材の光学的走査によって行うことができる。
【0030】
他の可能性は、公知の対象物のX線生画像を調製することにある。特に網目格子又は単純な直線のX線生画像を調製し、そのX線生画像を実際の対象物と比較することにある。そうすることによって不連続部を直接的に目で確認し、ずれを帰納的に推測することができる。ずれが特徴的なものであれば、それは本発明による方法に対する後の使用のために固体検出器又はそれに対応する補正ユニット内の記憶ユニットに記憶させておくことができる。
【0031】
ずれた第2板部材のピクセルエレメント205から形成されるディジタルX線生画像の成分から不連続部を補正する代わりに、それぞれ不連続部の一部を、例えば半分は第1板部材から、他の半分、例えば第2半分は第2板部材から補正することもできる。これの利点はX線画像が一様に補正されることにある。
【0032】
さらに本発明による補正方法は2つより多くの、例えば4枚又は8枚の板部材から組み立てられるピクセルマトリクスにおいても応用可能である。その場合、例えば各板部材に関連する不連続部はX線生画像の関連する成分から補正することができる。
【0033】
複数の板部材の相対ずれはピクセル軸に沿う直線ずれ補正成分と共に板部材相互のねじれを持つこともあり得る。このようなねじれの補正のために、対応する適合する画像処理方法を選択することができる。
【0034】
本発明による固体検出器は一平面内に配置された少なくとも2枚の板部材からなる、ピクセルエレメント205を備えたピクセルマトリクス201を含んでいる。その場合、第1板部材及び第2板部材は互いに相対的なずれを持っており、ピクセルマトリクスから読み出されたX線生画像から不連続部の少なくとも部分的な補正を行う対応する補正ユニットを備える。その場合、ずれはX線生画像内の不連続部の発生原因となる。
【0035】
補正、すなわち例えばオフセット補正や、ゲイン補正、及び/又は上述のずれ補正は、一般に固体検出器に内蔵されている補正ユニット内で行われる。しかし補正ユニットは固体検出器の外部に配置することも可能である。補正ユニットは例えば固体検出器と通信可能に接続されるX線システム又は画像システム内に設けることも可能である。しかしながら他方では、例えば移動式固体検出器では構造的に全補正ユニットを固体検出器に内蔵させることも可能である。そうすることによって、完全に補正されたX線画像を後のプロセスのために固体検出器から直接転送することが可能になる。
【0036】
本発明は画像処理補正方法の上述の実施例にのみ限定されるものではなく、板部材の相対ずれによってディジタルX線生画像に生じる不連続部をディジタルX線生画像から少なくとも部分的に除去することの可能な、あらゆる補正方法を含むものである。次に、その可能性のうちの3つについて簡単に説明する。
【0037】
例えば互いにずれた第2板部材のピクセルエレメントから形成されるディジタルX線生画像の成分を、その全部がずれの方向に、全部又はほぼ全部のピクセルエレメント分だけずらすことができる。
【0038】
さらに、ピクセル軸の方向に並ぶ3つのピクセルエレメントの3つの生値によって、各中央の生値を補正するために、二次式を当てることができる。中央の生値は二次式の曲線に沿って各ずれ成分のパーセンテージに応じてずらされるか新たに演算され、生値は新たに演算され又は得られた補正値によって置き換えられる。この方法は各生値に対して第1ピクセル軸の方向にも第2ピクセル軸の方向にも行われる。端縁ピクセルエレメントに対しても、上述の補正法を実施することができる。
【0039】
さらに例えば並置された3つのピクセルエレメントの各3つの生値を用いて、フィット(Fit)法によって各中央の生値を処理するために、直線をおくことができる。中央の生値は直線に沿って各ずれ成分のパーセンテージに応じてずらされ、そのようにして得られた補正値によって生値が置換される。この方法は各生値に対して第1ピクセル軸方向にも第2ピクセル軸方向にも実施される。この方法によって全ノイズの低減を付加的に特に有利に達成することができる。
【0040】
本発明は次のようにまとめることができる。すなわち、一平面内に配置された少なくとも2枚の板部材からなり多数のピクセルエレメントを有するピクセルマトリクスを備え、第1板部材及び第2板部材が互いにずれを持っている固体検出器において、品質低下のより少ないX線画像を保証するために、ピクセルマトリクスからディジタル生画像が読み出され、板部材間の相対的なずれによってディジタル生画像に生じた不連続部が画像処理補正によって少なくとも部分的にそこから除去される補正法が提案される。本発明の一実施態様によれば、第2板部材が第1板部材に対してずれを持っており、それによって生じた不連続部が、ずれた2枚の板部材のピクセルエレメントから形成されるディジタルX線生画像の成分から、画像処理補正によって少なくとも部分的に除去される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1a−Si板とこの第1a−Si板に対してずれをもって配置された第2a−Si板とから組み立てられた固体検出器のピクセルマトリクス並びに検査対象物の平面図である。
【図2】図1のピクセルマトリクスから読み出されたX線生画像の補正なしのグレー値を示す説明図である。
【図3】図1のピクセルマトリクスから読み出され矢印方向に部分補正された中間X線画像のグレー値を示す説明図である。
【図4】本発明に従って補正されたX線画像のグレー値を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
201 ピクセルマトリクス
202 ガラス基板
203 第1a−Si板
204 第2a−Si板
205 ピクセルエレメント
206 検査対象物
208 ずれ(第1ずれ成分)
209 ずれ(第2ずれ成分)
210 X線生画像
211 輪郭線
212 X線画像
213 第1画像部
214 第2画像部
215 第1画像点
216 第2画像点
218 不連続部
219 不連続部
211.1 中間X線画像
212.1 中間X線画像




 

 


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