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発明の名称 電子内視鏡装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−105289(P2007−105289A)
公開日 平成19年4月26日(2007.4.26)
出願番号 特願2005−300191(P2005−300191)
出願日 平成17年10月14日(2005.10.14)
代理人 【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
発明者 竹内 信次 / 樋口 充 / 阿部 一則
要約 課題
電子内視鏡装置において、通常画像と所望の診断用画像との切替え操作をより容易に行なえるようにする。

解決手段
選択された最も新しい波長セットを記憶する記憶部36を備え、生体粘膜1を示す通常画像Gtの表示を、複数種類の波長セットSe(a)、Se(b)・・・のうちから選択した波長セットに基づく分光画像推定演算により得られた生体粘膜1を示す狭帯域分光画像である診断用画像Gsの表示へ切り替えたときに、記憶手段36に記憶された最新の波長セットに対応する診断用画像Gsを表示させるように構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】
生体粘膜の通常画像と、複数種類の波長セットのうちから選択された波長セットに基づいた分光画像推定演算により得られた前記生体粘膜の狭帯域分光画像である診断用画像とを切り替えて表示可能とした電子内視鏡装置であって、
選択された最も新しい前記波長セットを記憶する記憶手段を備え、
前記通常画像から前記診断用画像へ切り替えられたときに、前記記憶手段に記憶された前記最新の波長セットに対応する診断用画像を表示するように構成されたものであることを特徴とする電子内視鏡装置。
【請求項2】
前記記憶手段が、前記電子内視鏡装置の駆動電源がOFF状態の場合においてもこの記憶手段での前記波長セットの記憶の保持を可能とするバックアップ手段を有するものであることを特徴とする請求項1記載の電子内視鏡装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は電子内視鏡装置に関し、詳しくは、生体粘膜の狭帯域分光画像を作成してこの生体粘膜を診断する電子内視鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、固体撮像素子を用いた電子内視鏡装置として、狭い波長帯域のみに光を透過させる複数種類の狭帯域バンドパスフィルタを通して消化器官(例えば胃等)の生体粘膜を撮像し上記生体粘膜の複数種類の狭帯域分光画像を得、これらの狭帯域分光画像を合成してなる診断用画像を生成する電子内視鏡装置(Narrow Band Imaging-NBl)が知られている。このような装置としては、互いに異なる波長域の光を透過させる3種類の狭帯域バンドパスフィルタを組み合わせた回転フィルタを備え面順次方式で撮像を行なうものや、上記と同様の3種類の各狭帯域バンドパスフィルタを通して分光された各照明光を順次生体粘膜に照射しつつ上記生体粘膜を撮像してこの生体粘膜を示す複数種類の狭帯域分光画像を取得するもの等が検討されている。上記のような複数種類の狭帯域分光画像を合成して得られた上記生体粘膜の診断用画像は、従来では得られなかった生体粘膜の微細構造を表現することができる。
【0003】
一方、固体撮像素子上に複数種類の広帯域バンドパスフィルタからなるRGBモザイクフィルタを配置して面同時方式で通常のカラー画像(通常画像ともいう)の撮像を行なう電子内視鏡装置に関しても、この生体粘膜の撮像で得られた通常画像に基づく演算処理により上記狭帯域バンドパスフィルタを用いて得られた狭帯域分光画像と同等の画像を取得して上記のような診断用画像を作成する方式が提案されている。
【0004】
上記方式は、可視波長域における生体粘膜の分光反射強度分布に関する多数の測定データを用いて上記生体粘膜の分光反射強度分布を推定するための主成分分析を行い、その結果、第1主成分から第3主成分の3つの主成分により上記生体粘膜の可視波長全域に亘る分光反射強度分布を略復元できることを見出して提案されたものである。この復元手法によれば、上記生体粘膜の分光反射強度分布に関する多数の測定データを用いて予め求めた分光反射推定マトリクスデータと、上記3つの主成分に対応する通常のRGBモザイクフィルタを通した撮像で得られた通常画像との分光画像推定演算によって求められた複数の波長域での狭帯域分光画像を合成して、上記狭帯域バンドパスフィルタを通して得られた狭帯域分光画像の合成によって得られる診断用画像と同等の画像を疑似的に得ることができる(特許文献1および非特許文献1参照)。
【0005】
上記複数種類の波長域における狭帯域分光画像を合成して得られる診断用画像は、上記波長域の組み合わせ(以後、波長セットという)に応じて生体粘膜を構成する様々な要素を強調して示すことができる。例えば血管の微細構造をより正確に表現する診断用画像や、特定の病変組織と他の組織とをより明確に区別して表現する診断用画像等を作成することができ、このようにして作成された診断用画像を用いることにより生体粘膜の詳細な診断を行なうことができる。
【0006】
さらに、例えば、生体粘膜の診断に有効な10種類の波長セットを予め定めておき、これらの波長セットのうちから順番に波長セットを選択し、上記分光画像推定演算により各波長セットが示す波長域における狭帯域分光画像を合成して得た種々の診断用画像を観察しながら生体粘膜を観察する電子内視鏡装置も検討されている。
【0007】
上記複数種類の診断用画像や通常画像のうちから選択した画像を順番に表示させる方式としては、例えば、上記複数種類の診断用画像や通常画像のそれぞれをランダムに選択可能とする個別の押ボタンを備えたランダム切替方式、あるいは、上記複数種類の診断用画像や通常画像のそれぞれを順番にサイクリックに切り替えるための順方向切替ボタンと逆方向切替ボタンとを有するサイクリック切替方式等が検討されている。
【0008】
上記サイクリック切替方式は、例えば、上記各画像を順方向に切り替える場合には、通常画像、診断用画像A、B、・・・G、H、通常画像・・・の順にサイクリックに切り替え、逆方向に切り替える場合には、診断用画像H、G、・・・B、A、通常画像、診断用画像H、G、・・・の順にサイクリックに切り替える方式である。
【特許文献1】特開2003−93336号公報
【非特許文献1】三宅洋一著「デジタルカラー画像の解析・評価」東京大学出版会、 2000年、p.148〜153
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記サイクリック切替方式は、順方と逆方向の2つの切替ボタンの操作で画像を選択できるので画像を見ながら容易に操作できる点では優れているが、所望の画像を選択するまでに不要な画像を呼び出す操作を繰り返さなければならず、操作時間が長くなるという問題がある。一方、ランダム切替方式は、現在表示させている画像から、他の画像へ直接切り替えることができる点では優れているが、画像を見ながら多数の押ボタンのうちから1つの押ボタンを選択する操作が難しいという問題がある。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、通常画像と所望の診断用画像との切替え操作をより容易に行なうことができる電子内視鏡装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電子内視鏡装置は、生体粘膜の通常画像と、複数種類の波長セットのうちから選択された波長セットに基づいた分光画像推定演算により得られた生体粘膜の狭帯域分光画像である診断用画像とを切り替えて表示可能とした電子内視鏡装置であって、選択された最も新しい波長セットを記憶する記憶手段を備え、通常画像から診断用画像へ切り替えられたときに、記憶手段に記憶された最新の波長セットに対応する診断用画像を表示するように構成されたものである。
【0012】
前記記憶手段は、この電子内視鏡装置の駆動電源がOFF状態の場合においてもこの記憶手段での上記波長セットの記憶の保持を可能とするバックアップ手段を有するものとすることができる。
【0013】
なお、前記記憶手段は、波長セットそのものを記憶する場合に限らず、実質的にこの波長セットを示すものを記憶するものであればよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明者は、上記狭帯域分光画像を用いて作成した複数種類の診断用画像と通常画像とを表示させることのできる電子内視鏡装置を用いた生体粘膜の診断において、通常画像から診断用画像へ画像を切り替える際に、上記通常画像に切り替えられる直前に表示させていた診断用画像を表示させることが多いとの知見を得、かかる知見に基づいて本発明に至ったものである。すなわち、上記電子内視鏡装置においては、一旦、生体粘膜の診断に適切な特定の波長セットが定められると、通常画像と上記特定の波長セットに対応する診断用画像との間で表示の切替えが繰り返されることが多いとの知見に基づいて本発明に至ったものである。
【0015】
本発明の電子内視鏡装置は、選択された最も新しい波長セットを記憶する記憶手段を備え、通常画像から診断用画像へ切り替えられたときに、記憶手段に記憶された最新の波長セットに対応する診断用画像を表示するように構成したので、通常画像と所望の診断用画像との切替え操作をより容易に行なうことができる。
【0016】
すなわち、一般に、通常画像から診断用画像へ切り替えられたときに表示させたい診断用画像は、上記通常画像を表示させる直前に表示させていた診断用画像である可能性が高い。そのような場合には、記憶手段に記憶させた波長セットに対応する診断用画像の表示により所望の診断用画像の表示を実現することができるので、通常画像から所望の診断用画像への切り替え操作をより容易に行なうことができる。
【0017】
また、前記記憶手段を、前記電子内視鏡装置の駆動電源がOFF状態の場合においてもこの記憶手段での波長セットの記憶の保持を可能とするバックアップ手段を有するものとすれば、上記所望の診断用画像を表示させる動作をより確実に実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態の電子内視鏡装置の概略構成を示すブロック図、図2は波長セットの具体例を示す図である。
【0019】
図1に示す本発明の実施の形態による電子内視鏡装置100は、生体粘膜1の像をカラーモザイクフィルタ12を通して撮像し、この生体粘膜1の通常画像を構成する赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域の広帯域分光画像データDr、Dg、Dbを取得する撮像部10と、生体粘膜1の診断画像を構成する各狭帯域分光画像の波長域(狭波長域であることを説明)を定めた各波長セットSe(a)、Se(b)、・・・を記憶した波長セット記憶部22と、波長セット記憶部22に記憶された波長セットSe(a)、Se(b)、・・・のうちから上記分光画像推定演算に使用する波長セットを選択する波長セット選択部24と、生体粘膜1に関する分光画像推定演算に使用する分光反射推定マトリクスデータMを記憶したマトリクスデータ記憶部26と、上記広帯域分光画像データDr、Dg、Dbおよび波長セット選択部24によって選択された波長セット、例えば波長セットSe(b)に対応する分光反射推定マトリクスデータM(b)とに基づく分光画像推定演算により、上記波長セットSe(b)が示す各波長域λb1、λb2、λb3に対応する生体粘膜1の狭帯域分光画像データDb1、Db2、Db3を求める分光画像推定演算部28と、波長セット選択部24によって選択された波長セットSe(b)を参照し、この波長セットSe(b)に対応する分光反射推定マトリクスデータM(b)を抽出して、この抽出した分光反射推定マトリクスデータM(b)を分光画像推定演算部28へ出力するマトリクスデータ抽出部32とを備えている。
【0020】
なお、上記通常画像は、広帯域分光画像データDr、Dg、Dbの示す3種類の広帯域分光画像を合成してなる広帯域分光画像である。一方、診断用画像は、狭帯域分光画像データDb1、Db2、Db3の示す3種類の狭帯域分光画像を合成してなる狭帯域分光画像である。
【0021】
さらに、上記電子内視鏡装置100は、広帯域分光画像データDr、Dg、Dbを用いて作成した生体粘膜1の通常画像Gtを表示装置80に表示させる通常画像表示モードと、上記狭帯域分光画像データDr、Dg、Dbを用いて作成した診断用画像Gsを上記表示装置80に表示させる診断用画像表示モードとを切り替えて表示可能とする表示モード切替部34と、上記診断用画像表示モードへ切り替えられているときに波長セット選択部24で選択された最も新しい波長セットを記憶する最新波長セット記憶部36と、表示モード切替部34による通常画像表示モードから診断用画像表示モードへの切り替えが実行されたときに、最新波長セット記憶部36に記憶させた波長セットに対応する診断用画像を表示させる初期表示設定部38とを備えている。
【0022】
上記のように、電子内視鏡装置100は、生体粘膜1の広帯域画像である通常画像Gtと、波長セット記憶部22に記憶された複数種類の波長セットのうちから選択された波長セットに基づいた分光画像推定演算部28による分光画像推定演算によって得られた生体粘膜1の狭帯域分光画像である診断用画像Gsとを切り替えて表示装置80に表示可能とするものである。また、この電子内視鏡装置100は、波長セット選択部24によって選択された最も新しい波長セットを記憶する最新波長セット記憶部36を備え、表示モード切替部34により、表示装置80へ表示させる画像が通常画像Gtから診断用画像Gsへ切り替えられたときに、初期表示設定部38の作用により、最新波長セット記憶部36に記憶された波長セットに対応する診断用画像Gsが表示されるように構成されたものである。
【0023】
この電子内視鏡装置100は、さらに、広帯域分光画像データDr、Dg、Dbを合成して通常画像を示す通常画像データDtを作成する通常画像データ作成部42と、狭帯域分光画像データDb1、Db2、Db3を合成して診断用画像を示す診断用画像データDsを作成する診断用画像データ作成部44と、この電子内視鏡装置100全体の動作のタイミングや同期等を制御するコントローラ82とを備えている。
【0024】
なお、上記分光反射推定マトリクスデータは、実験等により予め生体粘膜の分光反射特性に応じて定められたものである。特定の波長セットに対応する分光反射推定マトリクスデータと広帯域分光画像データDr、Dg、Dbとの分光画像推定演算により、上記特定の波長セットが定める各波長域における生体粘膜1の狭帯域分光画像を示す狭帯域分光画像データを得ることができる。
【0025】
また、波長セット選択部24は、波長セットを選択するためのサイクリックスイッチである順方向切替ボタン24Uおよび逆方向切替ボタン24Dに接続されており、順方向切替ボタン24Uあるいは逆方向切替ボタン24Dが押される毎に波長セット記憶部22に記憶された波長セットSe(a)、Se(b)、・・・をこの順番、あるいは上記順番とは逆の順番が選択される。
【0026】
表示モード切替部34は、通常画像表示ボタン34Tと診断用画像表示ボタン34Sとに接続されており、通常画像表示ボタン34Tが押されると表示モードが通常画像表示モードに切り替えられ、診断用画像表示ボタン34Sが押されると表示モードが診断用画像表示モードに切り替えられる。
【0027】
すなわち、通常画像表示ボタン34Tが押されると、表示モード切替部34が、撮像部10の撮像で得られた広帯域分光画像データDr、Dg、Dbを通常画像データ作成部42へ転送し、通常画像データ作成部42が上記転送された広帯域分光画像データDr、Dg、Dbを合成して通常画像データDtを作成する。そして通常画像データ作成部42から転送された上記通常画像データDtを入力した表示装置80が通常画像Gtを表示する。
【0028】
一方、診断用画像表示ボタン34Sが押されると、表示モード切替部34が、上記広帯域分光画像データDr、Dg、Dbを分光画像推定演算部28へ転送し、分光画像推定演算部28が、上記転送された広帯域分光画像データDr、Dg、Dbに基づく分光画像推定演算により狭帯域分光画像データDb1、Db2、Db3を作成する。そして、上記狭帯域分光画像データDb1、Db2、Db3を入力した診断用画像データ作成部44がそれらを合成して生体粘膜1の診断用画像を示す診断用画像データDsを作成する。その後、診断用画像データ作成部44から出力された診断用画像データDsを入力した表示装置80が診断用画像Gsを表示する。
【0029】
上記最新波長セット記憶部36は、電子内視鏡装置100の駆動電源がOFF状態の場合においてもこの最新波長セット記憶部36での波長セットの記憶の保持を可能とするバックアップ手段であるバックアップ用電源37を有している。
【0030】
次に、上記電子内視鏡装置の作用について説明する。
【0031】
照明光源13から発せられた白色光Lwは、集光レンズ14を通して集光されライトガイド15の一端へ入射した後、このライトガイド15の他端から射出される。上記ライトガイド15の他端から射出された白色光Lwは、照明レンズ16を通って生体粘膜1を照明する。
【0032】
白色光Lwの照明を受けて生体粘膜1で反射したこの生体粘膜1の像を担持した反射光Lhは、上記撮像部10が備える固体撮像素子の受光面の前面に配されたカラーモザイクフィルタ12を通して分光されるとともに、結像光学系11を通して上記受光面上に結像される。
【0033】
撮像部10は、上記分光され受光面上に結像された像を撮像し、上記生体粘膜1を表す赤色波長域、緑色波長域、および青色波長域それぞれの広帯域分光画像Gr、Gg、Gbを示す広帯域分光画像データDr、Dg、Dbを取得する。
【0034】
通常画像表示ボタン34Tが押されて通常画像表示モードとなっているときには、上記広帯域分光画像データDr、Dg、Dbを用いて作成した通常画像Gtが表示装置80に表示される。一方、診断用画像表示ボタン34Sが押されて診断用画像表示モードとなっているときには、上記広帯域分光画像データDr、Dg、Dbに基づく分光画像推定演算によって求めた狭帯域分光画像データDb1、Db2、Db3を用いて作成した診断用画像Gsが表示装置80に表示される。
【0035】
次に、上記画像表示モードの切り替えについて詳しく説明する
診断用画像表示ボタン34Sが押されて診断用画像表示モードとなっているときに、例えば、順方向切替ボタン24Uが押されると、波長セット選択部24は、波長セット記憶部22に記憶された複数種類の波長セットのうちから、現在選択されている波長セットSe(b)の次の波長セットである波長セットSe(c)を選択する。
【0036】
そして、複数種類の波長域λc1、λc2、λc3を示す波長セットSe(c)のデータがマトリクスデータ抽出部32に入力される。
【0037】
図2に示すように、波長セットとして、例えば400(中心波長),500,600[λ1,λ2,λ3の順:単位はnm]からなる標準(基本)用の波長セット(a)、血管を描出するための470,500,670の血管B1用の波長セット(b)と475,5 1 0,685の血管B2用の波長セット(c)、特定組織を描出するための440,480,520の組織EI用波長セット(d)と480,5 1 0,580の組織E2用の波長セット(e)、オキシヘモグロビンとデオキシヘモグロビンとの差を描出するための400,430,475のヘモグロビン用の波長セット(f)、血液とカロテンとの差を描出するための415,450,500の血液一カロテン用波長セット(g)、血液と細胞質の差を描出するための420,550,600血液−細胞質用の波長セット(h)等が記憶されており、これらの中から所望の波長セットを波長セット選択部24によって順番にサイクリックに選択される、選択された波長セットはマトリクスデータ抽出部32に入力される。
【0038】
マトリクスデータ抽出部32は、入力された上記波長セットSe(c)を参照して、上記波長セットSe(c)の示す各波長域λc1、λc2、λc3における分光反射強度を演算によって推定するための分光反射推定マトリクスデータM(c)をマトリクスデータ記憶部26から抽出し、この分光反射推定マトリクスデータM(c)を分光画像推定演算部28へ出力する。
【0039】
分光画像推定演算部28は、上記マトリクスデータ抽出部32から入力された分光反射推定マトリクスデータM(c)と、表示モード切替部34を通して入力された広帯域分光画像データDr、Dg、Dbとを用いた下記式(1)に示すマトリクス演算である分光画像推定演算により、上記波長域λc1、λc2、λc3における生体粘膜1の狭帯域分光画像Gc1、Gc2、Gc3を示す狭帯域分光画像データDc1、Dc2、Dc3を得る。
【0040】
上記マトリクスデータ記憶部26に格納された分光反射推定マトリクスデータの一例は次の表1のようになる。
【表1】


【0041】
上記表1のマトリクスデータは、例えば400nmから700nmの波長域を5nm間
隔で分けた61の波長域パラメータ(係数セット)pl〜p61からなり、これらのパラメータpl〜p61は、分光画像推定演算のための係数kpr、kpg、kpb(pはp1〜p61に該当する)から構成される。
【0042】
そして、上記分光画像推定演算部28では、上記係数kpr、kpg、kpbと撮像部10から出力された広帯域分光画像データDr、Dg、Dbとにより次の数式1のマトリクス演算が行われる。なお、上記係数kpr、kpg、kpbにより構成される3行×3列のマトリクスが分光反射推定マトリクスデータに対応するものである。また、数式中のR,G,Bは上記広帯域分光画像データDr、Dg、Dbに対応するものである。
【数1】


【0043】
即ち、λ1,λ2,λ3として、例えば表1のパラメータp21(中心波長500nm),p45(中心波長620nm),p51(中心波長650nm)を選択した場合は、
係数(kpr、kpg、kpb)として、p21の(−0.00119,0.002346,0.0016)、p45の(0.004022,0.000068,−0.00097)、p51の(0.005152,−0.00192,0.000088)を上記式に代入すればよいことになる。
【0044】
上記数式1に上記各パラメータの値を入力した状態を下記に示す。
【数2】


【0045】
このような分光画像推定演算により求められた狭帯域分光画像を合成した診断用画像は、図3及び図4で示す波長域の色成分で構成されるものとなる。即ち、図3は、原色型の色フィルタからなるモザイクフィルタの分光感度特性に診断用画像を形成する3つの波長域を重ねた概念図である(色フィルタとλ1、λ2、λ3の各波長域の感度の目盛は一致していない)。また、図4は、生体粘膜の分光反射強度分布に上記診断用画像を形成する3つの波長域を重ねた概念図であり、上記λ1,λ2,λ3として選択された波長p21,p45,p51は、図示されるように、順に500nm、620nm、650nmを中心波長とし、±10nm程度の範囲の波長域を示すものである。上記診断用画像は、これら3種類の波長域の色の組合せから構成されたものとなる。
【0046】
すなわち、上記の分光画像推定演算で得られた上記数式のλ1、λ2、λ3に対応する狭帯域分光画像データDc1、Dc2、Dc3が診断用画像データ作成部44に入力され合成されて診断用画像データDs(c)が作成され、その後、診断用画像データDs(c)が示す診断用画像Gs(c)が表示装置80に表示される。
【0047】
なお、上記順方向切替ボタン24U、あるいは逆方向切替ボタン24Dが押される毎に、選択された波長セットに対応する診断用画像を作成する上記動作が繰り返し実行され、互に異なる種類の診断用画像が順次表示される。
【0048】
一方、表示モード切替部34を通常画像表示モードに切り替えることにより、通常のカラー画像を表示させることができる。
【0049】
なお、上記分光画像推定演算を利用して狭帯域分光画像を取得する手法は、特開2003−93336号公報、あるいは三宅洋一著「デジタルカラー画像の解析・評価」東京大学出版会等を参照することができる。
【0050】
次に、表示モード切換部34により通常画像表示モードから診断用画像表示モードへ切り替えられたときに、最新波長セット記憶部36に記憶された波長セットに対応する診断用画像を表示させる作用について説明する。
【0051】
例えば、診断用画像表示モードにおいて、波長セット選択部24により波長セットSe(g)を選択すると、波長セットSe(g)を示すデータが波長セット選択部24からマトリクスデータ抽出部32に転送され、このとき最新波長セット記憶部36にもこの波長セットSe(g)を示すデータが記憶される。そして、上記のように波長セットSe(g)に対応する分光反射推定マトリクスデータM(g)を用いて作成した診断用画像Gs(g)が表示装置に表示される。
【0052】
その後、通常画像表示ボタン34Tが押されて診断用画像表示モードから通常画像表示モードに切り替えられたときには、次のような状態となる。すなわち、診断用画像Gs(g)が表示装置80に表示された状態から、通常画像Gtが表示される状態に切り替わるが、最新波長セット記憶部36は、上記波長セットSe(g)を記憶した状態をそのまま保持する。
【0053】
次に、診断用画像表示ボタン34Sが押され診断用画像表示モードに切り替えられると、初期表示設定部38が上記通常画像モードから診断用画像表示モードに切り替えられたことを検出する。そして、この初期表示設定部38は、最新波長セット記憶部36に記憶された波長セットSe(g)を参照して、波長セット選択部24が波長セットSe(g)を選択した状態となるように上記波長セット選択部24を制御する。
【0054】
これにより、上記と同様に波長セットSe(g)に対応する分光反射推定マトリクスデータM(g)を用いて作成した診断用画像Gs(g)が表示される。
【0055】
すなわち、通常画像から診断用画像へ表示が切り替えられたときに、マトリクスデータ抽出部32が、最新波長セット記憶部36に記憶させた波長セットSe(g)に対応する分光反射推定マトリクスデータM(g)を抽出して、この抽出した分光反射推定マトリクスデータM(g)を分光画像推定演算部28へ出力する。そして、上記と同様に分光画像推定演算等が行なわれて診断用画像Gs(g)が表示装置80に表示される。
【0056】
上記診断用画像Gs(g)の表示後は、順方向切替ボタン24Uあるいは逆方向切替ボタン24Dを押して選択した波長セットに対応する所望の診断用画像を表示させることができる。
【0057】
上記実施の形態においては、波長セットを選択する手段として、波長セットSe(a)、Se(b)、・・・Se(h)を順方向および逆方向に順番にサイクリックに選択するサイクリック切換方式を採用したがそのような場合に限らない。
【0058】
例えば、上記のようにサイクリックに選択せず、波長セットSe(a)、Se(b)、・・・Se(h)を単に順方向および逆方向に順番に選択する場合、すなわち波長セットSe(h)の次に波長セットSe(a)が選択されたり、波長セットSe(a)の次に波長セットSe(h)が選択されたりしない制限順次切換方式を採用することもできる。さらに、波長セットSe(a)、Se(b)、・・・Se(h)のそれぞれをランダムに選択可能とする個別の押ボタンを備えたランダム切替方式等を採用することもできる。
【0059】
上記制限順次切換方式やランダム切替方式を採用した場合であっても、上記サイクリック切換方式を採用したときと同様の効果、すなわち、通常画像から診断用画像へ切り替えられたときに、最新波長セット記憶手段に記憶された波長セットに対応する診断用画像を表示させて、通常画像と所望の診断用画像との切替え操作をより容易に行なうことができるようにする効果を得ることができる。
【0060】
なお、選択された最も新しい波長セットを記憶し、通常画像から診断用画像へ画像の表示が切り替えられたときに、上記最新波長セットに対応する診断用画像を表示する構成はどのような方式を採用してもよく、上記最新波長セット記憶部、および初期表示設定部を用いる場合に限らない。
【0061】
上記選択された最も新しい波長セットを記憶し、通常画像から診断用画像へ画像の表示が切り替えられたときに、上記最新波長セットに対応する診断用画像を表示する機能を実現する方式としては、以下の変形例に示す方式等を採用することができる。
【0062】
<変形例1>
図5は変形例1の概略構成を示すブロック図であり図1の一部分を変更しその部分を拡大して示した図である。
【0063】
この変形例1は、上記図1に示した最新波長セット記憶部36および初期表示設定部38を省略し、診断用画像表示モードで順方向切替ボタン24Uあるいは逆方向切替ボタン24Dが押される以外の場合に、波長セットの選択状態の変更を禁止した波長セット選択部24′を上記波長セット選択部24の代わりに備えるようにしたものである。これにより、上記最新波長セット記憶部36と初期表示設定部38とを用いた場合と同等の作用をこの波長セット選択部24′で実現することができる。
【0064】
すなわち、波長セット選択部24′は、診断用画像表示モードから通常画像表示モードへ切り替えられたことを示す表示モード切替部34からの信号を検知し、最新の波長セットを選択した状態を保つことにより、上記最新の波長セットを記憶することができる。そして、通常画像から診断用画像へ画像の表示が切り替えられたときに、上記最新の波長セットを選択した状態が保たれることにより、選択される波長セットの初期値として上記最新の波長セットが選択され、上記最新の波長セットに対応する診断用画像を表示させることができる。なお、上記波長セット選択部24′は、通常画像から診断用画像へ画像の表示が切り替えられたことを示す表示モード切替部34からの信号を検知して、上記波長セットの選択状態の変更の禁止を解除する。
【0065】
上記の場合には、波長セット選択部24′は、図1を用いて説明した最新波長セット記憶部36と初期表示設定部38とを兼ねるものとなる。その他の構成および作用は上記図1を用いて説明した場合と同様である。
【0066】
なお、上記波長セット選択部24′は、電子内視鏡装置100の駆動電源がOFF状態の場合においても最新波長セットの記憶の保持を可能とするバックアップ手段であるバックアップ用電源25を有するものとしてもよい。
【0067】
<変形例2>
図6は変形例2の概略構成を示す図であり図1の一部分を変更しその部分を拡大して示した図である。
【0068】
この変形例2は、上記図1に示した最新波長セット記憶部36および初期表示設定部38を省略し、記憶部46と転送制御部48とを備えるようにしたものである。
【0069】
上記記憶部46は、マトリクスデータ抽出部32から分光画像推定演算部28へ転送される最も新しい分光反射推定マトリクスデータMを記憶するものである。また、上記転送制御部48は、通常画像モードから診断用画像モードに切り替えられたときにこの切換えを検知して、マトリクスデータ抽出部32から分光画像推定演算部28への分光反射推定マトリクスデータの転送を遮断し、記憶部46が記憶している最新の分光反射推定マトリクスデータMを記憶部46から分光画像推定演算部28へ転送する。
【0070】
一方、診断用画像モードにおいて転送制御部48が順方向切替ボタン24Uあるいは逆方向切替ボタン24Dが押されたことを検知したときには、この切換えを検知した転送制御部48が、遮断していたマトリクスデータ抽出部32から分光画像推定演算部28への分光反射推定マトリクスデータMの転送を解除する。
【0071】
上記記憶部46と転送制御部48とを備えることにより、上記変形例1と同様に、選択された最も新しい波長セットを記憶し、通常画像から診断用画像へ画像の表示が切り替えられたときに、上記最新の波長セットに対応する診断用画像を表示させることができる。その他の構成および作用は上記図1を用いて説明した場合と同様である。
【0072】
上記記憶部46は分光反射推定マトリクスデータを記憶するものであるが、この分光反射推定マトリクスデータは波長セットと対応付けられたものであり、実質的に記憶部46が最新の波長セットを記憶するものとみなすことができ、この変形例2の構成は本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態の電子内視鏡装置の概略構成を示すブロック図
【図2】波長セットの具体例を示す図
【図3】モザイクフィルタの分光感度特性に診断用画像を形成する3つの波長域を重ねた概念図
【図4】生体粘膜の分光反射強度分布に診断用画像を形成する3つの波長域を重ねた概念図
【図5】変形例1の概略構成を示す拡大ブロック図
【図6】変形例2の概略構成を示す拡大ブロック図
【符号の説明】
【0074】
1 生体粘膜
36 記憶部
Se(n) 波長セット
Gt 通常画像
Gs 診断用画像




 

 


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