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発明の名称 留置針組立体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−125126(P2007−125126A)
公開日 平成19年5月24日(2007.5.24)
出願番号 特願2005−318886(P2005−318886)
出願日 平成17年11月1日(2005.11.1)
代理人 【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉
発明者 村下 尊人 / 小川 淳一 / 小林 亮司
要約 課題
内針をスリットに挿通した状態および当該スリットから内針を抜去した状態の各状態で、シール部材のシール機能が低下するのを確実に防止することができる留置針組立体を提供すること。

解決手段
留置針組立体1は、先端に鋭利な針先41を有する内針4と、内針4の基端部に固定された内針ハブ5と、内針4が挿通される中空の外針2と、外針2の基端部に固定された外針ハブ3と、外針ハブ3に設けられ、内針4を挿通可能なスリット81を有するシール部材8とを有している。この留置針組立体1には、シール部材8の外周部を圧縮する矯正部材30が設けられ、矯正部材30により、組立状態では、内針4の外周面とスリット81の内面とが密着するとともに、スリット81の内面同士が密着して、実質的にシール機能が維持され、スリット81から内針4を抜去した状態では、スリット81の内面同士が密着して、シール機能が維持される。
特許請求の範囲
【請求項1】
先端に鋭利な針先を有する内針と、
前記内針の基端部に固定された内針ハブと、
前記内針が挿通される中空の外針と、
前記外針の基端部に固定された外針ハブと、
前記外針ハブの基端部または側方部に、前記外針の内腔と連通するように設けられた開口と、
前記外針ハブに設けられ、前記内針を挿通可能なスリットを有するシール部材とを有する留置針組立体であって、
前記シール部材の外周部を圧縮する圧縮手段が設けられ、
前記圧縮手段により、前記内針を前記スリットに挿通した状態では、前記内針の外周面と前記スリットの内面とが密着するとともに、前記スリットの内面同士が密着して、実質的にシール機能が維持され、前記スリットから前記内針を抜去した状態では、前記スリットの内面同士が密着して、シール機能が維持されることを特徴とする留置針組立体。
【請求項2】
前記開口には、チューブが接続されている請求項1に記載の留置針組立体。
【請求項3】
前記チューブは、前記内針ハブに挿通されている請求項2に記載の留置針組立体。
【請求項4】
前記圧縮手段は、前記外針ハブに嵌合されるとともに、前記シール部材に嵌合してシール部材の外径を矯正する矯正部材である請求項1ないし3のいずれかに記載の留置針組立体。
【請求項5】
前記矯正部材は、内径が前記シール部材の外径より小さい筒体で構成されている請求項4に記載の留置針組立体。
【請求項6】
前記シール部材は、断面形状が円形または楕円形の円柱状をなすものである請求項1ないし5のいずれかに記載の留置針組立体。
【請求項7】
前記シール部材は、主として弾性材料で構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の留置針組立体。
【請求項8】
前記弾性材料のゴム硬度(JIS K 6253に規定)は、30〜60度である請求項7に記載の留置針組立体。
【請求項9】
前記スリットの内面および/または前記内針の外面には、それらの間の摩擦抵抗を低減する摩擦低減処理が施されている請求項1ないし8のいずれかに記載の留置針組立体。
【請求項10】
前記スリットの内面には、液体と接触することにより膨潤性を発揮するコーティングが施されている請求項1ないし9のいずれかに記載の留置針組立体。
【請求項11】
前記内針は、その外径が大なる部分と小なる部分とを有し、
前記内針を前記外針に挿通した状態で、前記小なる部分が前記シール部材の前記スリット内に位置する請求項1ないし10のいずれかに記載の留置針組立体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば輸液の際に血管に穿刺し、留置する留置針組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
患者に対し輸液を行う際などには、輸液ラインと接続される留置針を患者の血管に穿刺し、留置してこれを行う。
【0003】
このような留置針は、中空の外針と、外針の基端に固着された外針ハブと、外針内に挿入され、先端に鋭利な針先を有する内針と、内針の基端に固着された内針ハブとで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この留置針を患者の血管に穿刺する際には、内針を外針内に挿入し、内針の針先を外針の先端から突出させた組立状態で穿刺操作を行う。この組立状態では、通常、外針ハブに輸液ラインのコネクタが接続されている。
【0005】
そして、内針の針先が血管内に到達すると、針先の開口より流入した血液は、内針の内腔を通り、透明な内針ハブの内部に流入する(フラッシュバック)。これにより、内針が血管を確保したことが確認(視認)できる。
このフラッシュバックを確認したら、外針を進め、外針を血管内に挿入する。
【0006】
次いで、外針を手で把持しつつ、内針を外針から抜き取る。そして、接続された輸液ラインおよび外針を介して輸液剤を投与する。
【0007】
さて、外針ハブには、シール部材(栓体)が設けられて(固定されて)いる。このシール部材は、内針により穿刺可能であり、かつ穿刺された内針を抜き取った際には、自己閉塞性を有するものである。
【0008】
しかしながら、このようなシール部材を有する留置針では、内針をシール部材に穿刺した状態(組立状態)が長期間にわたって維持された場合には、シール部材から内針を抜去すると、当該シール部材に内針による癖がつく、すなわち、シール部材に生じた内針による孔が閉塞しなくなるおそれがあった。このため、シール部材から内針を抜去したときのシール部材のシール性(シール機能)が低下し、前記孔から血液や薬液などの液体が漏れ出すことがあるという問題がった。
【0009】
【特許文献1】特開平10−179734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、内針をスリットに挿通した状態および当該スリットから内針を抜去した状態の各状態で、シール部材のシール機能が低下するのを確実に防止することができる留置針組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。また、下記(12)〜(18)であるのが好ましい。
【0012】
(1) 先端に鋭利な針先を有する内針と、
前記内針の基端部に固定された内針ハブと、
前記内針が挿通される中空の外針と、
前記外針の基端部に固定された外針ハブと、
前記外針ハブの基端部または側方部に、前記外針の内腔と連通するように設けられた開口と、
前記外針ハブに設けられ、前記内針を挿通可能なスリットを有するシール部材とを有する留置針組立体であって、
前記シール部材の外周部を圧縮する圧縮手段が設けられ、
前記圧縮手段により、前記内針を前記スリットに挿通した状態では、前記内針の外周面と前記スリットの内面とが密着するとともに、前記スリットの内面同士が密着して、実質的にシール機能が維持され、前記スリットから前記内針を抜去した状態では、前記スリットの内面同士が密着して、シール機能が維持されることを特徴とする留置針組立体。
【0013】
(2) 前記開口には、チューブが接続されている上記(1)に記載の留置針組立体。
【0014】
(3) 前記チューブは、前記内針ハブに挿通されている上記(2)に記載の留置針組立体。
【0015】
(4) 前記圧縮手段は、前記外針ハブに嵌合されるとともに、前記シール部材に嵌合してシール部材の外径を矯正する矯正部材である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0016】
(5) 前記矯正部材は、内径が前記シール部材の外径より小さい筒体で構成されている上記(4)に記載の留置針組立体。
【0017】
(6) 前記シール部材は、断面形状が円形または楕円形の円柱状をなすものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0018】
(7) 前記シール部材は、主として弾性材料で構成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0019】
(8) 前記弾性材料のゴム硬度(JIS K 6253に規定)は、30〜60度である上記(7)に記載の留置針組立体。
【0020】
(9) 前記スリットの内面および/または前記内針の外面には、それらの間の摩擦抵抗を低減する摩擦低減処理が施されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0021】
(10) 前記スリットの内面には、液体と接触することにより膨潤性を発揮するコーティングが施されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0022】
(11) 前記内針は、その外径が大なる部分と小なる部分とを有し、
前記内針を前記外針に挿通した状態で、前記小なる部分が前記シール部材の前記スリット内に位置する上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0023】
(12) 前記内針を前記外針に挿通した状態で、前記外針の中心軸と前記チューブの先端部における中心軸とがほぼ平行となるよう構成されている上記(2)または(3)に記載の組立体。
【0024】
(13) 前記筒体は、その内径が前記シール部材の外径より1〜30%小さいものである上記(5)に記載の留置針組立体。
【0025】
(14) 前記矯正部材は、前記外針ハブとの間で前記シール部材を挟持、固定するものである上記(4)、(5)または(13)に記載の留置針組立体。
【0026】
(15) 前記スリットは、その形状が一文字状をなしている上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0027】
(16) 前記内針は、その少なくとも一部が中実となっているものである上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0028】
(17) 前記内針の少なくとも先端部には、該内針の長手方向に沿って溝が形成されている上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の留置針組立体。
【0029】
(18) 前記外針ハブに設けられ、前記内針を前記外針に挿通した状態で該内針および外針をそれらの長手方向に沿って移動操作する操作部を有する上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の留置針組立体。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、シール部材の外周部を圧縮する圧縮手段を設けたことにより、内針をスリットに挿通した状態および当該スリットから内針を抜去した状態の各状態で、シール部材のシール機能が低下するのを確実に防止することができる。これにより、スリットを介して、血液や薬液などの液体が漏れ出すのを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の留置針組立体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0032】
<第1実施形態>
図1は、本発明の留置針組立体の第1実施形態を示す斜視図、図2〜図5は、それぞれ、図1中のA−A線断面図、図6は、図2中の領域[B]の拡大図、図7は、図2中のC−C線断面図、図8は、図3中のD−D線断面図、図9は、図1に示す留置針組立体が有するシール部材および矯正部材の斜視図、図10は、図1に示す留置針組立体の図5に対応する斜視図、図11は、図1に示す留置針組立体において、内針ハブからチューブを取り外した状態を示す斜視図、図13は、シール部材のスリットの内面に摩擦低減処理を施すのを省略した場合に起こり得るスリットの状態を示す図(シール部材の横断面図)である。
【0033】
なお、以下では、図1、図9〜図11中の右側を「基端」、左側を「先端」とし、また、図2〜図6中の上側を「基端」、下側を「先端」として説明を行う。また、図2〜図5では、本発明の留置針組立体が有する脱落防止手段を省略して描いている。
【0034】
各図に示す留置針組立体1は、中空の外針2と、外針2の基端部に固定された外針ハブ3と、外針2内に挿通される内針4と、内針4の基端部に固定された内針ハブ5と、外針ハブ3の基端部(または側方部)に、内腔71が外針2の内腔21と連通するように接続されたチューブ7とを有している。以下、各部の構成について説明する。
【0035】
外針2は、ある程度の可撓性を有するものが好ましく用いられる。外針2の構成材料は、樹脂材料、特に、軟質樹脂材料が好適であり、その具体例としては、例えば、PTFE、ETFE、PFA等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂またはこれらの混合物、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルナイロン樹脂、前記オレフィン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体との混合物等が挙げられる。
【0036】
このような外針2は、その全部または一部が内部の視認性を有しているのが好ましい。すなわち、外針2は、透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成されているのが好ましい。これにより、外針2が血管を確保した際、外針2の先端開口22から流入する血液のフラッシュバックを目視で確認することができる。
【0037】
また、外針2の構成材料中には、例えば硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸ビスマス、タングステン酸のようなX線造影剤を配合し、造影機能を持たせることもできる。
【0038】
外針2の基端部には、例えば、カシメ、融着(熱融着、高周波融着等)、接着剤による接着等の方法により、外針ハブ3が液密に固着(固定)されている。
【0039】
外針ハブ3は、ほぼ筒状の部材で構成され、その内部31が外針2の内腔21と連通している。
【0040】
この外針ハブ3の図2中(図3〜図5も同様)右側壁部には、一端が外針ハブ3の内部31に開放する流路32が形成されている。この流路32は、ほぼL字状をなし、他端が外針ハブ3の基端に凹没形成された凹部33で開放し、開口321が形成されている。また、凹部33の先端面(底面)には、開口321を囲むようにリング状の凸部(接続部)34が基端方向に突出して形成されている。
【0041】
この凸部34がチューブ7の先端部の内腔71に挿入され、チューブ7の一端部(先端部)が外針ハブ3に接続されている。これにより、チューブ7を介して、外針2(外針ハブ3)に薬液等の液体を供給することができる。
【0042】
また、外針ハブ3の図2中(図3〜図6も同様)左右側方には、操作部としての一対の翼6a、6bが外針ハブ3と一体的に形成されている。翼6a、6bは、それぞれ可撓性を有し、翼6a、6bの外針ハブ3に対する接合部付近が屈曲または湾曲することにより、開閉可能に構成されている。
【0043】
外針2および内針4を血管等に穿刺する際には、翼6a、6bを指で摘んで閉じた状態とし、内針4および外針2をそれらの長手方向に沿って移動操作、すなわち、穿刺操作を行うことができる。外針2を留置する際には、翼6a、6bを開いた状態とし、翼6a、6bを粘着テープ等により皮膚に固定する。
【0044】
外針2には、先端に鋭利な針先41を備える内針4が挿通される。留置針組立体1は、内針4を外針2に挿通し、後述する内針ハブ5と外針ハブ3とを当接させた状態、すなわち、図1および図2に示す状態で使用される。以下、この状態を「組立状態」と言う。
【0045】
内針4の長さは、組立状態としたとき、少なくとも針先41が外針2の先端開口22から突出する程度の長さとされる。
【0046】
内針4は、中空針であってもよいが、中実針であるのが好ましい。内針4を中実針とすることにより、その外径を小さくしつつも十分な強度を確保することができる。また、内針4を中実針とすることにより、操作終了後、内針4を廃棄する際に、内針4の内部に血液が残留したり、その血液が流出する危険がなく、安全性が高い。
【0047】
また、内針4が中空針である場合、当該内針4が血管を穿刺したときに血液が内針4の中空部に流入することにより、血液のフラッシュバックを確認するが、内針4を中実針とすることにより、血液が内針4と外針2との隙間に流入することとなり、血液のフラッシュバックをより早く確認することができる。
【0048】
なお、内針4は、中空部と中実部との双方を有する構成(例えば、中空針の内腔の一部を充填することにより、先端側を中空とし、基端側を中実とする構成等)とすることもできるが、その全体を一つの部材で構成することにより、内針4のコストの削減を図ることができる。
【0049】
また、内針4は、その外径が異なる複数(本実施形態では、3つ)の部分を有している。すなわち、内針4は、先端側(先端部)に最も外径の大きい最大外径部4aと、基端側に最も外径の小さい最小外径部4cと、これらの間に最大外径部4aと最小外径部4cとの間の外径の中間外径部4bとを有している。
【0050】
また、内針4には、最大外径部4aと中間外径部4bとの境界部に外径が連続的に変化する第1の外径変化部42と、中間外径部4bと最小外径部4cとの間に連続的に変化する第2の外径変化部43とが形成されている。
【0051】
各外径変化部42、43において、内針4の外径は、段階的に変化していてもよいが、連続的に変化すること(テーパ状をなすこと)により、外針2から内針4を抜去する際に、後述するシール部材8のスリット81の先端縁部や、プロテクタ本体91の内針通路911の先端縁部等に各外径変化部42、43が引っ掛かるのを防止することができ、外針2から内針4を抜去する操作をより円滑かつ確実に行うことができる。
【0052】
なお、各外径変化部42、43は、それぞれ、内針4を製造する際に形成するようにしてもよく、後述する溝44を形成する際に必然的に形成される段差を利用するようにしてもよい。
【0053】
また、最大外径部4aは、その外径が外針2の内径とほぼ等しく設定されており、内針4を外針2に挿通した状態で、外針2の内面に密着する。この最大外径部4a(先端部)の外周部には、内針4の長手方向に沿って溝(流路)44が凹没して形成されている。この溝44により、内針4を外針2に挿通した状態で、外針2の先端開口22と外針ハブ3の内部31とが連通する。溝44は、例えば血管に穿刺した際に、血液(体液)の流路として機能する。これにより、血液のフラッシュバックを確実に確認することができる。
【0054】
このような内針4の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金のような金属材料が挙げられる。
【0055】
内針4の基端部には、内針ハブ5が固着(固定)されている。この内針ハブ5は、内針4を固定する固定部51と、固定部51の外周側に設けられたカバー部52とで構成されている。これらの固定部51とカバー部52とは、好ましくは一体的に形成される。
【0056】
そして、組立状態で、固定部51とカバー部52との間にチューブ7が配設されている。すなわち、組立状態で、内針ハブ5にチューブ7が挿通されている。これにより、チューブ7が留置針組立体1の操作に邪魔になるのを防することができる。
【0057】
また、カバー部52には、チューブ7を案内する一対のガイド523、523が設けられている(図1参照)。このガイド523は、カバー部52の側壁(側部)を構成し、チューブ7の先端部における中心軸Oが、内針ハブ5の長手方向(外針2の中心軸O)とほぼ平行となるように案内するものである。
【0058】
また、内針4を外針2から抜去した際には、両ガイド523の間(間隙521)を介してチューブ7を内針ハブ5から取り外すことができる。
【0059】
内針4の内針ハブ5(固定部51)に対する固定方法は、例えば、嵌合、カシメ、融着、接着剤による接着等の方法、あるいはこれらを併用した方法が挙げられる。また、内針4が中空の場合、例えば、血管に穿刺した際に逆流する血液が内針4の基端から飛び出さないように封止する必要がある。
【0060】
また、図1(図2、図10および図11も同様)に示すように、内針ハブ5の先端外周に、フランジ522が形成されていてもよい。フランジ522を設けることにより、例えば、外針2から内針4を抜去する際に、フランジ522に指を引っ掛けて、この操作を行うことより、より容易かつ確実に行うことができる。
【0061】
このような内針ハブ5および前述した外針ハブ3は、それぞれ、好ましくは透明(無色透明)、着色透明または半透明の樹脂で構成され、内部の視認性が確保されている。これにより、外針2が血管を確保した際、前述した内針4の溝44を介して流入する血液のフラッシュバックを目視で確認することができる。また、内針4が中実になっていれば、例えば血管内部の圧力によりフラッシュバックする血液が全て溝44を介して逆流することになるので、より視認性がよい。
【0062】
外針ハブ3、内針ハブ5および翼6a、6bの構成材料としては、特に限定されず、それぞれ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0063】
チューブ7は、可撓性を有しており、前述したように、その一端が外針ハブ3の基端部に接続されている。チューブ7の他端部(基端部)には、コネクタ72が装着されている。このコネクタ72には、例えば、投与する輸液(薬液)を供給する輸液ラインの端部に装着されたコネクタ、薬液を収納したシリンジの口部(先端部)等が接続される。
【0064】
なお、チューブ7の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられ、これらの中でも、特にポリブタジエンを用いるのが好ましい。チューブ7の構成材料にポリブタジエンを用いた場合、適度な可撓性、耐薬品性、および薬品の吸着防止性に優れる。
【0065】
図2〜図6に示すように、留置針組立体1は、外針ハブ3の内部31に、円柱状(ブロック状)をなすシール部材8を有している。図9に示すように、シール部材8には、スリット81と、フランジ(拡径部)84とが形成されている。
【0066】
スリット81は、シール部材8のほぼ中央に設けられ、当該シール部材8の長手方向に沿って貫通している。スリット81は、自己閉塞性を有する、すなわち、自然状態で閉状態となるものであってもよいし、自然状態で開状態となるものであってもよい。ここで、「自然状態」とは、シール部材8に外力を付与しない状態をいう。
【0067】
また、スリット81は、その形状が一文字状をなしている。このようにスリット81が簡単な形状をなしているため、当該スリット81に内針4を容易に挿入することができる。
【0068】
また、図2および図6に示すように、組立状態において、スリット81内には、内針4の最小外径部4cが位置するように構成されている。このような構成により、シール部材8に内針4による開き癖がつくのを防止または抑制することができ、よって、シール部材8のシール機能(シール性)が低下するのを防止することができる。
【0069】
このようなスリット81は、シール部材8の成形時にこれとともに形成するようにしてもよいし、シール部材8の形成後に形成して(加工して)もよい。
【0070】
また、シール部材8の基端部には、外径が拡径したフランジ84が設けられている。
このようなシール部材8では、自然状態での外径φd(フランジ84を除く)の大きさは、特に限定されないが、例えば、2〜6mmであるのが好ましく、3.5〜4.5mmであるのがより好ましい。外径φdが前記範囲内の値であると、外針ハブ3の大きさが大きくなり過ぎず、シール機能を極端に低下させないことが同時に達成することができるという利点がある。
【0071】
また、シール部材8の自然状態での高さ(全長)hは、特に限定されないが、例えば、1〜10mmであるのが好ましく、1〜3mmであるのがより好ましい。高さhが前記範囲内の値であると、適度な内針4とシール部材8との摺動性と、適度なシール部材8の耐圧性とを両立することができるという利点がある。
【0072】
また、スリット81の自然状態での幅wは、内針4(最大外径部4a)の外径にもよるが、外径φdの10〜60%であるのが好ましく、20〜30%であるのがより好ましい。幅wが前記範囲内の値であると、スリット81の内面811同士がズレにくく、シール部材8の外形の成形後にスリット81を入れる場合にも、スリット81をカットする際に生じる内面811の細かい凹凸同士がズレにくいため、シール性が低下しにくいという利点がある。
【0073】
シール部材8の構成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の各種弾性材料が挙げられ、これらの弾性材料の中でも、特に、イソプレンゴムを用いるのが好ましい。シール部材8の構成材料にイソプレンゴムを用いた場合には、圧縮永久歪みが小さく、製品の使用期限が長くなるという利点がある。
【0074】
また、シール部材8の構成材料として用いる弾性材料は、そのゴム硬度(JIS K 6253に規定)が30〜60度であるのが好ましく、45〜53度であるのがより好ましい。ゴム硬度が前記下限値未満であると、スリット81の付近が変形し易くなり、当該スリット81(スリット81の内面811同士の間)に隙間が容易に生じるおそれがある。このため、シール部材8のシール機能が不十分となる、すなわち、前記隙間から血液や薬液などの液体が漏れ出す可能性がある。また、ゴム硬度が前記上限値を超えると、外力によるスリット81の付近の変形が困難となり、当該スリット81に内針4を挿入するのが困難となったり、スリット81に挿入された内針4をそこから抜去するのが困難となったりする可能性がある。
【0075】
さらに、シール部材8の設置数は、1つとは限定されず、例えば、複数個であってもよい。
【0076】
さて、図2〜図9に示すように、留置針組立体1には、シール部材8の外周面(外周部)85を圧縮する圧縮手段としての矯正部材30が設けられている。
【0077】
図6および図9に示すように、矯正部材30は、有底筒状をなすもの(筒体)である。この矯正部材30は、先端部(底部)303に設けられた孔301と、先端部303の外周に設けられたフランジ(拡径部)302とを有している。
【0078】
孔301は、先端部303のほぼ中央に設けられている。この孔301は、内径が内針4の最大外径部4aの外径より若干大きく設定されており、内針4が挿通可能となっている。
フランジ302は、先端部303の外径が拡径した部位である。
【0079】
また、矯正部材30の内径φdは、シール部材8の外径φdより小さく設定されている。これにより、矯正部材30にシール部材8が圧入される(嵌合する)と(以下、この状態を、「圧入状態」という)、シール部材8の外径が矯正される、すなわち、シール部材8の外周面85が図8中の矢印方向に圧縮される。
【0080】
図9に示すように、圧入状態で、矯正部材30およびシール部材8が外針ハブ3の内部31に設置される。
【0081】
図6に示すように、外針ハブ3の内部31には、段差部311と、リング状の凹部312とが設けられている。
【0082】
段差部311には、シール部材8のフランジ84の先端面841が密着(当接)する。また、凹部312には、矯正部材30のフランジ302が嵌合するとももに、凹部312の基端面313により、フランジ302の基端面304が先端方向に圧縮(押圧)される状態となる(図6参照)。
【0083】
このような状態(図6に示す状態)では、段差部311(外針ハブ3)と矯正部材30の先端面305とにより、シール部材8のフランジ84が挟持され、当該シール部材8が外針ハブ3に固定される。このように、矯正部材30は、段差部311との間でシール部材8を挟持し、固定する機能を有する。これにより、シール部材8を外針ハブ3に固定する部材を別途設ける必要が省略され、留置針組立体1の組立が容易となるとともに、留置針組立体1を構成する部品点数の増加を抑制することができる。
【0084】
また、矯正部材30のフランジ302と外針ハブ3の凹部312との嵌合力は、150kPaの圧力を15分間連続して加えても、フランジ302が凹部312から離脱しない(抜けない)程度である。
【0085】
以上のような構成の矯正部材30により、組立状態で、シール部材8は、スリット81の内面811が内針4の外面45と確実に密着するとともに、スリット81の内面811同士も確実に密着することとなる(図7参照)。これにより、実質的にスリット81(シール部材8)のシール機能が確実に維持され、すなわち、シール機能が低下するのを確実に防止され、よって、スリット81を介して、血液や薬液などの液体が漏れ出すのを確実に防止することができる。また、外針ハブ3内(内部31)の無菌性を維持することもできる。
【0086】
また、図8に示すように、スリット81から内針4を抜去した状態では、シール部材8は、スリット81の内面811同士が確実に密着することとなる。これにより、スリット81のシール機能が確実に維持され、よって、スリット81からの液漏れを確実に防止することができる。また、前述した組立状態のときと同様に、外針ハブ3内の無菌性を維持することもできる。
【0087】
また、前述したようにシール部材8が円柱状をなしていることにより、矯正部材30が、シール部材8をその周方向に沿って、均等に圧縮することができ、よって、例えば、組立状態で、スリット81の内面811と内針4の外面45との密着ムラが生じるのを防止することができ、よって、シール部材8のシール機能が確実に維持される。
【0088】
また、シール部材8の断面形状が楕円の円柱状のシール部材8で、断面の長い方の直径に対し垂直方向に延びるスリット81が設けられたものを図7〜9に開示された矯正部材30に使用すると、スリット81を密着させる方向の圧縮率を高めることができ、シール機能がより確実に維持される。
【0089】
また、矯正部材30(筒体)の内径φdは、シール部材8の外径φdより1〜30%小さいのが好ましく、10〜15%小さいのがより好ましい。換言すれば、矯正部材30によるシール部材8の圧縮率は、1〜30%であるのが好ましく、10〜15%であるのがより好ましい。
【0090】
内径φdが前記下限値未満であると、シール部材8が十分に圧縮されず、シール機能が不十分となる可能性がある。また、内径φdが前記上限値を超えると、シール部材8が過剰に圧縮され、スリット81に内針4を挿入するのが困難となったり、スリット81に挿入された内針4をそこから抜去するのが困難となったりする可能性がある。
【0091】
矯正素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル等の各種樹脂材料、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金のような金属材料が挙げられる。
【0092】
また、スリット81の内面811および内針4の外面(外周面)45の少なくとも一方の面には、それらの間の摩擦抵抗を低減する摩擦低減処理が施されているのが好ましい。
【0093】
この摩擦低減処理としては、特に限定されないが、例えば、スリット81の内面811および内針4の外面45の少なくとも一方の面に潤滑剤を付与する処理が挙げられる。
【0094】
この潤滑剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコンオイル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0095】
ここで、仮に摩擦低減処理を施すのが省略されている場合には、例えば、図13に示すように、内針4がその中心軸回りに回転した状態で留置針組立体1が組立てられたとすると、内針4の外面45とスリット81の各内面811との間の摩擦抵抗により、各内面811が引張られたり、圧縮されたりして、歪み(変形して)、各内面811と外面45との間に、液漏れが生じる程度の大きさの隙間86が形成されるおそれがある。
【0096】
これに対して、摩擦低減処理を施すことにより、スリット81の各内面811における、内針4の外面45による内針4の中心軸回りの引張や圧縮が防止または抑制され、よって、液漏れが生じる程度の大きさの隙間86が形成されるのが防止される。
【0097】
また、潤滑剤で隙間86が満たされることとなり、よって、シール部材8のシール性が向上する。
【0098】
また、潤滑剤を付与する方法としては、特に限定されないが、例えば、スリット81の内面811や内針4の外面45に潤滑剤を塗布したり、シール部材8や内針4を潤滑剤に浸漬したりする方法が挙げられる。
【0099】
さらに、留置針組立体1は、内針4を外針2から抜去した際に、内針4の少なくとも針先41を覆うプロテクタ9を有している。以下、このプロテクタ9について説明する。
【0100】
図2(図3〜図5も同様)に示すように、プロテクタ9は、外形がほぼ直方体状をなすプロテクタ本体91と、このプロテクタ本体91内に設けられたシャッター手段92とを備えている。
【0101】
プロテクタ本体91のほぼ中央には、内針4が挿通される内針通路911が、プロテクタ本体91の長手方向に沿って貫通して形成されている。
【0102】
内針通路911の横断面形状は、ほぼ円形をなしており、その内径は、内針4の最大外径部4aの外径と等しいか、またはそれより若干大きく設定されている。
【0103】
また、プロテクタ本体91の先端側の内壁(内針通路911に臨む面)には、凹部912が形成されている。
【0104】
この凹部912には、シャッター手段92が収納されている。シャッター手段92は、ブロック状のシャッター部材921と、シャッター部材921を内針通路911側に向かって付勢するコイルバネ(付勢手段)922とで構成されている。
【0105】
このシャッター手段92は、その大部分が凹部912内に退避し、内針4を内針通路911に挿通可能な第1の姿勢(図2に示す姿勢)と、シャッター部材921の一部が内針通路911に入り込み、内針4の針先41の通過を阻止する第2の姿勢(図3に示す姿勢)とに変位可能となっている。
【0106】
このようなプロテクタ9によれば、簡単な操作で、迅速かつ安全に、使用後の内針4の針先41を覆うことができ、また、シャッター手段92の作用により、一旦覆った針先41がプロテクタ9(プロテクタ本体91)の先端から突出することもない。このため、内針4等の廃棄処理等に際し、その作業者等が誤って針先41で手指等を刺すという事故が防止され、安全性が高い。
【0107】
また、プロテクタ9は、組立状態において、そのほぼ全てが外針ハブ3および内針ハブ5の双方で覆われるようになっている。これにより、外針2および内針4の穿刺に際して、プロテクタ9が邪魔にならないので、その操作をより確実に行うことができる。なお、プロテクタ9は、そのほぼ全てが外針ハブ3および内針ハブ5のいずれか一方で覆われるようになっていてもよい。
【0108】
さらに、プロテクタ9は、組立状態において、シール部材8より基端側に位置するように構成されている。これにより、内針4を外針2から抜去する際に、プロテクタ9をシール部材8のスリット81を通過させる必要がないので、その操作をより容易かつ確実に行うことができる。また、このような構成により、内針4の全長をより短く設定することができるため、留置針組立体1のチューブ7を除いた部分の小型化を図ることができるという利点もある。
【0109】
図10および図11に示すように、留置針組立体1は、プロテクタ9が針先41を覆ったときに当該プロテクタ9が針先41から脱落するのを防止する脱落防止手段としての連結部材20を有している。
【0110】
この連結部材20は、プロテクタ9と内針ハブ5とを連結するよう構成されている。これにより、プロテクタ9が内針ハブ5(針先41)から脱落するのが確実に防止され、よって、プロテクタ9が針先41を覆った状態を確実に維持することができる。このため、内針4等の廃棄処理等に際し、その作業者等が誤って針先41で手指等を刺すという事故が確実に防止され、安全性が高い。
【0111】
また、連結部材20は、蛇腹状をなしており、このため伸縮自在である。このような連結部材20は、組立状態では収縮し、すなわち、折り畳まれ、内針4を外針2から抜去した状態(図10および図11に示す状態)では伸長する、すなわち、展開する。
【0112】
このような連結部材20は、組立状態で収縮し、この収縮した状態で内針ハブ5内に収納される。これにより、穿刺操作時に連結部材20が邪魔にならず、留置針組立体1の操作性が向上する。また、留置針組立体1の小型化を図ることができるという利点もある。
【0113】
また、連結部材20が収縮した状態および伸長した状態で、内針4が当該連結部材20を貫通している。これにより、内針4が、連結部材20の伸縮するときの当該連結部材20のガイドとしての機能する。よって、例えば、留置針組立体1を組立状態とする(製造する)とき、連結部材20が不本意な状態で収縮する、すなわち、内針ハブ5に収納されずに収縮するのを確実に防止することができる。
【0114】
また、このような留置針組立体1は、組立状態でプロテクタ9を外針ハブ3に対して固定するための固定手段、および、プロテクタ9が内針4の少なくとも針先41を覆った状態で、内針4とプロテクタ9とが係合することにより、プロテクタ9に対する内針4の針先41と反対方向への移動を規制する係合手段(移動規制手段)を有している。以下、こられの固定手段および係合手段について、それぞれ詳述する。
【0115】
<固定手段>
まず、固定手段について説明する。
【0116】
プロテクタ本体91の内壁には、凹部912の基端側に、貫通孔913が形成され、この貫通孔913の図2中左端には、内側に向かって突出する凸部914が形成されている。
【0117】
貫通孔913内には、コイルバネ12を収納した状態で、図2中右端にフランジ部11を備える固定用ピン10が挿通されている。この状態で、コイルバネ12は、その図2中左端が凸部914に、右端がフランジ部11にそれぞれ当接している。
【0118】
また、外針ハブ3の図2中左側壁部の基端部には、固定用ピン10を挿入可能な貫通孔35が形成されている。
【0119】
内針4が内針通路911に挿通(貫通)された状態では、固定用ピン10の右面が内針4の外周面(外面45)に当接し、固定用ピン10の左端部は、貫通孔913から突出して貫通孔35内に挿入されている。これにより、プロテクタ9が外針ハブ3に対して固定される(図2および図3参照)。
【0120】
一方、内針4が内針通路911から抜去されると、固定用ピン10がコイルバネ12により押圧されて図4中右側に移動し、固定用ピン10の左端部が貫通孔35から抜ける。これにより、プロテクタ9の外針ハブ3に対する固定が解除される(図4参照)。
【0121】
このように、本実施形態では、主に貫通孔913、固定用ピン10、コイルバネ12および内針4により、プロテクタ9を外針ハブ3に固定するための固定手段が構成されている。
【0122】
また、図3に示すように、本実施形態では、シャッター手段92が作動した後に固定手段が作動するようになっている。すなわち、シャッター手段92が作動した状態で、固定手段によるプロテクタ9の外針ハブ3に対する固定が維持されるようになっている。このような構成により、プロテクタ9の外針ハブ3に対する固定が解除された状態では、シャッター手段92が確実に作動するようになるので、内針4等の廃棄処理等に際し、その作業者等が誤って針先41で手指等を刺すという事故をより確実に防止することができる。
【0123】
<係合手段>
次に、係合手段について説明する。
【0124】
プロテクタ本体91の基端部には、内針通路911が縮径した縮径部915が形成されている。この縮径部915の内径は、内針4の中間外径部4bおよび最小外径部4cの外径より大きく、最大外径部4aの外径より小さく設定されている。
【0125】
これにより、内針4を外針2から抜去する際に、最小外径部4c、第2の外径変化部43および中間外径部4bは、縮径部915を通過できるが、第1の外径変化部42は、縮径部915を通過できず、縮径部915に係合することになる(図4参照)。
【0126】
すなわち、本実施形態では、第1の外径変化部42および縮径部915により、内針4とプロテクタ9とが係合する係合手段が構成されている。
【0127】
このような係合手段を設けることにより、内針4を外針2から抜去する一連の操作において、内針4をプロテクタ9に係合させ、プロテクタ9を外針ハブ3から離脱させることができる(図4および図5参照)ので、その操作が極めて簡便である。また、針先41を覆った状態のプロテクタ9から内針4が抜けてしまうことが防止される。
【0128】
また、第1の外径変化部42および縮径部915は、それぞれ、内針4およびプロテクタ9に形成されているため、構成が簡単であり、部品点数の増大もなく、小型化、細径化に寄与する。
【0129】
以上説明したような留置針組立体1では、図1〜図5に示すように、チューブ7が外針ハブ3の基端部に接続され、組立状態において、外針2の中心軸Oとチューブ7の先端部における中心軸Oとがほぼ平行となるように構成されている。すなわち、チューブ7が外針ハブ3の基端から基端方向に突出することとなる。
【0130】
ここで、仮に、チューブ7が外針ハブ3の側方に突出していると、外針2および内針4を穿刺するのに際して、チューブ7により外針ハブ3が横方向に引っ張られ、バランスを崩してしまい、その操作が難しくなることがある。
【0131】
また、仮に、チューブ7が外針ハブ3の上方に突出していると、外針2を患者の血管等に留置する際に、外針ハブ3を患者に固定すると、チューブ7が折れ曲がってしまう(キンクする)おそれがある。
【0132】
さらに、チューブ7が外針ハブ3の側方や上方に突出していると、血管に外針2が入った後、外針2だけ血管内に進める際に、チューブ7を挟ないように、チューブ7をよけて内針ハブ5を把持する必要があり、その操作が煩雑となる。
【0133】
これに対して、本発明の留置針組立体1は、チューブ7が外針ハブ3の基端方向に突出し、かつ、内針ハブ5で覆われているため、前述したような不都合が生じることがなく、操作性に優れる。
【0134】
次に、留置針組立体1の使用方法の一例(血管に穿刺する場合)について、詳細に説明する。
【0135】
[1] 留置針組立体1を組立状態とし、予めコネクタ72に、輸液ラインの端部に装着されたコネクタを接続し、輸液ラインからの輸液を供給可能とする。
【0136】
なお、このとき、チューブ7または輸液ライン上の所定箇所を例えばクランプ(流路開閉手段の一例)により挟み、その内腔を閉塞しておく。
【0137】
[2] 次に、前記クランプ等によるチューブ7または輸液ラインの閉塞を解除し、輸液ラインからの輸液をチューブ7を介して外針ハブ3内に導入する。
【0138】
外針ハブ3内に導入された輸液は、流路32および外針ハブ3の内部31のシール部材8より先端側の空間を満すとともに、外針2の内腔21に導入され、これにより、外針2の内腔21が輸液によりプライミングされる。このとき、輸液の一部は、外針2の先端開口22より流出する。また、このとき、前述したように、内針4の外面45とスリット81の内面811とが密着するとともに、スリット81の内面811同士が密着して、実質的にシール機能が維持されている。
【0139】
[3] 以上のようにしてプライミングが完了したら、チューブ7または輸液ラインをクランプ等により再び閉塞しておき、翼6a、6bを指で摘んで閉じ、この翼6a、6bを把持部(操作部)として、一体化された外針2および内針4を患者の血管(静脈または動脈)に穿刺する。
【0140】
このように、翼6a、6bを把持して血管への穿刺操作を行うことにより、外針ハブ3を直接把持して穿刺操作を行う場合に比べ、穿刺角度が小さくなり、すなわち、外針2および内針4が血管に対しより平行に近付くようになる。このため、穿刺操作が容易であるとともに、患者の血管への負担も軽減される。
【0141】
外針2により血管が確保されると、血管の内圧(血圧)により血液が、内針4の溝44を介して外針2の内腔21を基端方向へ逆流するので、視認性を有する外針2、外針ハブ3、内針ハブ5またはチューブ7のうちの少なくとも1箇所において、これを確認することができる。
【0142】
そして、これを確認した後、さらに、さらに、外針2および内針4を微小距離先端方向へ進める。
【0143】
また、このような血管への穿刺に際しては、外針2の内腔21が輸液によりプライミングされているため、誤って血管内に気泡が侵入することが確実に防止され、安全性が極めて高い。
【0144】
また、前述したように、本発明の留置針組立体1では、チューブ7が外針ハブ3の基端部に接続され、組立状態において、外針2の中心軸Oとチューブ7の先端部における中心軸Oとがほぼ平行となるようになっている。このため、外針2および内針4の穿刺に際して、チューブ7が邪魔にならず、操作性に優れる。
【0145】
[4] 外針2により血管が確保されたら、外針2または外針ハブ3を一方の手で固定し、他方の手で内針ハブ5を把持して基端方向へ引っ張り、内針4を外針2から抜去する。
【0146】
[5] さらに、内針4が基端方向へ移動し、針先41がスリット81内を通過すると、シール部材8は、スリット81の内面811同士が密着して、シール機能が維持される。これにより、スリット81を介して液漏れが生じることはなく、また、外針ハブ3内や輸液ラインの無菌性も確保される。
【0147】
[6] さらに、内針4が基端方向へ移動し、針先41が内針通路911の凹部912付近を通過すると、コイルバネ922の押圧によりシャッター部材921が内針通路911側に移動し、シャッター部材921の右面が内針通路911の凹部912に対向する面に当接する。すなわち、シャッター手段92は、第1の姿勢(図2参照)から第2の姿勢(図3参照)となる。
【0148】
このように、シャッター手段92が第2の姿勢になると、シャッター部材921が内針通路911を閉鎖するので、針先41が再び先端方向へ戻るように移動しようとしても、針先41がシャッター部材921に当接し、戻ることはできない。
【0149】
[7] さらに、内針4が基端方向へ移動し、針先41が内針通路911の貫通孔913付近を通過すると、コイルバネ12の押圧により固定用ピン10が内針通路911側に移動し、固定用ピン10の右面が内針通路911の貫通孔913に対向する面に当接する。このとき、固定用ピン10の左端部が外針ハブ3の貫通孔35から離脱する。これにより、プロテクタ9の外針ハブ3に対する固定が解除される(図4参照)。
【0150】
このように、プロテクタ9の外針ハブ3に対する固定が解除された状態では、シャッター手段92が確実に作動しているので、内針4等の廃棄処理等に際し、その作業者等が誤って針先41で手指等を刺すという事故をより確実に防止することができる。
【0151】
[8] さらに、内針4が基端方向へ移動すると、第1の外径変化部32が縮径部915を通過できず、この縮径部915に係合する(内針4がプロテクタ9に係合する)。
【0152】
この状態で、内針ハブ5をさらに基端方向へ引っ張ると、内針4に係合したプロテクタ9が内針4ごと基端方向に移動し、外針ハブ3から分離される(図5および図10参照)。このとき、連結部材20により、プロテクタ9が内針ハブ5から離脱するのが防止される。
【0153】
なお、前記工程[5]〜[9]の一連の操作を行う際にも、外針2の中心軸Oとチューブ7の先端側の中心軸とが、内針ハブ5のガイド523により、ほぼ平行となるため、これらの操作を円滑かつ確実に行うことができる。
【0154】
[9] 次に、内針ハブ5に挿通されたチューブ7を、間隙521を介して取り外す(図11参照)。
【0155】
このようにして外針2から内針4を抜去した後は、内針4および内針ハブ5は不用となるため、廃棄処分に供される。
【0156】
内針4は、その針先41がプロテクタ9で覆われており、特に、針先41がシャッター手段92を超えてそれより先端側へ移動し、プロテクタ9の先端から突出することがないため、廃棄処理を行う者等が針先41で誤って手指等を刺すという事故が防止される。
【0157】
[10] 次に、翼6a、6bを開き、粘着テープ等により皮膚に固定するとともに、前記クランプによるチューブ7または輸液ラインの閉塞を解除し、輸液の供給を開始する。
【0158】
輸液ラインから供給される輸液は、コネクタ72、チューブ7、外針ハブ3および外針2の各内腔を経て、患者の血管内に注入される。また、このときも、前述したように、スリット81の内面811同士が密着して、シール機能が維持されている。これにより、スリット81を介して液漏れが生じることはなく、また、外針ハブ3内や輸液ラインの無菌性も確保される。
【0159】
<第2実施形態>
図12は、本発明の留置針組立体(第2実施形態)が有するシール部材の斜視図である。
【0160】
以下、この図を参照して本発明の留置針組立体の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、シール部材の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0161】
図12に示すように、シール部材8Aでは、スリット81の対向する内面811のそれぞれに、膨潤性層83のコーティングが施されている。この膨潤性層83は、液体と接触することにより膨潤性を発揮するものである。
【0162】
この膨潤性層83としては、特に限定されないが、例えば、PVA等ごく一般的に用いられるゲルや、無水マレイン性ポリマー、アクリル系ポリマー等で構成される。
【0163】
また、このような膨潤性層83を形成する材料(シール部材の構成材料)としては、前記第1実施形態のシール部材8についての説明で挙げたような弾性材料(特に、イソプレンゴム)を用いるのが好ましい。
【0164】
プライミングにより液体と接触した内針4がシール部材8から抜去されると、当該液体と接触した内針4が2つの膨潤性層83(内面811)の間を通過することとなり、よって、各膨潤性層83が膨潤性を発揮する。これにより、シール部材8が拡径しようとするが、その拡径が矯正部材30で規制(矯正)され、よって、シール部材8が圧縮される、すなわち、スリット81の内面811同士がより確実に密着する。従って、シール機能がより確実に維持される。
【0165】
なお、膨潤性層83の上記構成材料の粒径は、特に限定されないが、例えば、400μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましい。
【0166】
以上、本発明の留置針組立体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、留置針組立体を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0167】
また、本発明の留置針組立体は、血管内に挿入して使用されるものに限定されず、例えば、腹腔内、胸腔内、リンパ管内、脊柱管内等に挿入して使用されるものに適用することもできる。
【0168】
また、シール部材は、円柱状をなすものであるのに限定されず、例えば、楕円柱状、直方体、立方体または六角柱状をなすものであってもよい。
【0169】
また、シール部材の構成材料には、ゲル状の材料(物質)を練和してもよい。これにより、内針を外針から抜去したときに、スリットが容易に閉塞することができる、すなわち、シール機能が確実に維持される。なお、練和するゲル状の材料としては、例えば、アクリル系シリコン、ウレタン系ポリマーが挙げられる。また、このようなゲル状の材料を練和する材料(シール部材の構成材料)としては、シール部材についての説明で挙げたような弾性材料(特に、イソプレンゴム)を用いるのが好ましい。
【0170】
また、シール部材のスリットの形状は、一文字状であるのに限定されず、例えば、十文字状、Y字状、T字状(ト字状)、H字状であってもよい。
【0171】
また、内針を外針から抜去した後、外針ハブの基端部に装着するキャップを設けるようにしてもよい。これにより、外針ハブの基端からの液漏れをより確実に防止することができる。このキャップは、外針ハブと一体的に形成されたものであってもよく、外針ハブと別体であってもよい。また、キャップの外針ハブに対する固定の方法も、例えば、摩擦による方法、引っ掛けによる方法等のいかなる方法であってもよい。
【0172】
また、プロテクタは、図示の構成のものに限定されず、例えば、内針の少なくとも針先を覆う位置と内針から離間する位置とに回動可能(変位可能)に設けられた構成のものであってもよい。
【0173】
また、チューブの端部に設けられるコネクタとしては、特に限定されず、例えば、特開2005−261931号公報に記載のニードルレスコネクタや、三方活栓等が挙げられる。
【0174】
また、チューブの端部に設けられるのものとしては、上記コネクタに限定されず、例えば、キャップやエアフィルタ等であってもよい。
【0175】
また、本発明の留置針組立体では、これらのコネクタ、キャップ、エアフィルタをチューブの端部に適宜付け替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】本発明の留置針組立体の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1中のA−A線断面図である。
【図3】図1中のA−A線断面図である。
【図4】図1中のA−A線断面図である。
【図5】図1中のA−A線断面図である。
【図6】図2中の領域[B]の拡大図である。
【図7】図2中のC−C線断面図である。
【図8】図3中のD−D線断面図である。
【図9】図1に示す留置針組立体が有するシール部材および矯正部材の斜視図である。
【図10】図1に示す留置針組立体の図5に対応する斜視図である。
【図11】図1に示す留置針組立体において、内針ハブからチューブを取り外した状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の留置針組立体(第2実施形態)が有するシール部材の斜視図である。
【図13】シール部材のスリットの内面に摩擦低減処理を施すのを省略した場合に起こり得るスリットの状態を示す図(シール部材の横断面図)である。
【符号の説明】
【0177】
1 留置針組立体
2 外針
21 内腔
22 先端開口
3 外針ハブ
31 内部
311 段差部
312 凹部
313 基端面
32 流路
321 開口
33 凹部
34 凸部
35 貫通孔
4 内針
4a 最大外径部
4b 中間外径部
4c 最小外径部
41 針先
42 第1の外径変化部
43 第2の外径変化部
44 溝
45 外面
5 内針ハブ
51 固定部
52 カバー部
521 間隙
522 フランジ
523 ガイド
6a、6b 翼
7 チューブ
71 内腔
72 コネクタ
8、8A シール部材
81 スリット
811 内面
83 膨潤性層
84 フランジ(拡径部)
841 先端面
85 外周面(外周部)
86 隙間
9 プロテクタ
91 プロテクタ本体
911 内針通路
912 凹部
913 貫通孔
914 凸部
915 縮径部
92 シャッター手段
921 シャッター部材
922 コイルバネ
10 固定用ピン
11 フランジ部
12 コイルバネ
20 連結部材
30 矯正部材
301 孔
302 フランジ
303 先端部(底部)
304 基端面
305 先端面
、O 中心軸




 

 


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