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発明の名称 穿刺器具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−117393(P2007−117393A)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
出願番号 特願2005−313415(P2005−313415)
出願日 平成17年10月27日(2005.10.27)
代理人 【識別番号】100122884
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 芳末
発明者 川西 徹朗 / 園田 雄太郎
要約 課題
穿刺針を、皮膚より穿刺して、所定の部位に確実に穿刺できる穿刺器具を提供すること。

解決手段
穿刺器具1は、皮膚を穿刺針2a、2bにより穿刺するものである。この穿刺器具1は、湾曲部を有する複数の変形可能な中空の穿刺針2a、2bからなる穿刺部材2と、この穿刺部材2を保持する保持部材3と、を備え、前記穿刺針2a、2bを変形させながら、前記皮膚に穿刺するように構成したことを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する複数の変形可能な穿刺針からなる穿刺部材と、
この穿刺部材を保持する保持部材と、を備え、
前記穿刺針を変形させながら、前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【請求項2】
針先を含む穿刺針の先端部が、体表面に対して略平行となるように、前記穿刺針を変形させながら、前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする請求項1に記載の穿刺器具。
【請求項3】
皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する複数の変形可能な穿刺針からなる穿刺部材と、
この穿刺部材を保持する保持部材と、
体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【請求項4】
前記保持部材は、変位可能な状態で前記ガイド部材に係合している構成であること
を特徴とする請求項3に記載の穿刺器具。
【請求項5】
前記ガイド部材には、前記穿刺針をガイドするためのガイド孔が形成されていること
を特徴とする請求項3に記載の穿刺器具。
【請求項6】
前記複数の穿刺針のうち少なくとも一対の穿刺針は、対称な形状を有していること
を特徴とする請求項3に記載の穿刺器具。
【請求項7】
皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する複数の変形可能な穿刺針からなる穿刺部材と、
この穿刺部材を保持する保持部材と、
前記穿刺針によって体内に留置される複数の留置具と、
体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【請求項8】
前記複数の留置具は、少なくともカテーテルとカテーテル型センサーとを含んでいること
を特徴とする請求項7に記載の穿刺器具。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺器具に関し、皮膚の表面より穿刺して所定部位(例えば真皮)に対して用いられる穿刺器具に関する。
【背景技術】
【0002】
真皮は、表皮や皮下組織と比較すると毛細血管の密度が高く、またリンパ末端が存在するため、特に直接注入された薬剤は血管あるいはリンパ管に移行し、体液中に吸収される吸収速度が速いことが知られている。特に、真皮では、ホルモン、抗体医薬品、サイトカインなどの高分子物質を用いた薬剤を効率よく血液に吸収させることができる。また、真皮は効率の良い免疫の場であることが知られており、ワクチンの投与量を節約したり、弱いワクチンの感作を増強したりすることができる。
【0003】
また、真皮は、成人の人間では体表面(角質層の表面)から略一定の深さに存在することが知られている。このことは、言い換えれば、真皮に薬剤を注入する場合には、これらの人間に対しては、同じ長さ(深さ)の穿刺針を用いることができることを意味している。
【0004】
一般に、真皮の幅は、体表面に対して垂直方向を基準とすると、1mm〜4mm(平均値は1mm〜2mm)程度であり、また、図10に示すように、真皮は、角質層を含んだ幅0.06mm〜0.1mm程度の表皮Eと、皮下組織Sとの間に挟まれるようにして皮膚内に存在する。
【0005】
従って、表皮と皮下組織の間にする存在する真皮に、穿刺器具の先端部、例えば穿刺針の針先を正確に挿入することは難しく、誤って針先が皮下組織等に挿入されてしまうと、薬剤を効率よく吸収させることができないという問題が生じる。
【0006】
近年、例えば、前述した高分子医薬品を持続的に若しくはワンショットで真皮をターゲットとして投与することが試みられているが、このような場合、特に上述した問題が顕著になる。
【0007】
ここで、体内の真皮に薬剤を注入するために、体内に挿入される穿刺針の長さを規定した皮下注射装置が知られている(特許文献1)。また、皮膚内に存在する特定の層に薬剤を注入するために、皮膚内に挿入される穿刺針の深さ(挿入深さ)を所定の長さに規定し、体表面に対して垂直方向から穿刺針を皮膚内に挿入する薬液注入装置も知られている(特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】特開2001−137343号公報
【特許文献2】特開2005−87519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、これらの装置では、体表面に対して垂直方向から穿刺針が皮膚内に挿入される構成が採用されている。この場合、穿刺針を穿刺しようとすると、皮膚全体が弾性的に窪んで穿刺されず、また穿刺されても針先が真皮まで達しないことがある。
【0010】
また、真皮に対して垂直に穿刺針が挿入されると、真皮内における穿刺針の深さ(挿入深さ)が短くなり、例えば外部から何らかの衝撃等が加えられたような場合には、薬剤注入中の穿刺針が真皮から抜けてしまうという問題が生じてしまう。
【0011】
さらに、これらの装置を用いた場合には、真皮において、真皮の表面(表皮と真皮の境目)に形成された穿刺針の挿入口から、穿刺針の先端にある薬剤放出口までの距離が短くなり、薬剤放出口から真皮に注入された薬剤が、挿入口から真皮の外(表皮)へ漏れてしまうという問題も生じてしまう。
【0012】
本発明の目的は、上述の問題点を考慮し、穿刺針を確実に皮膚の所定の部位に穿刺することができる穿刺器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0014】
(1)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する複数の変形可能な穿刺針からなる穿刺部材と、
この穿刺部材を保持する保持部材と、を備え、
前記穿刺針を変形させながら、前記皮膚に穿刺するように構成したことを特徴とする穿刺器具。
【0015】
(2)針先を含む穿刺針先端部が、体表面に対して略平行となるように、前記穿刺針を変形させながら、前記皮膚に穿刺するように構成したことを特徴とする上記(1)に記載の穿刺器具。
【0016】
(3)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する複数の変形可能な穿刺針からなる穿刺部材と、
この穿刺部材を保持する保持部材と、
体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したことを特徴とする穿刺器具。
【0017】
(4)前記保持部材は、変位可能な状態で前記ガイド部材に係合している構成であること
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
【0018】
(5)前記ガイド部材には、前記穿刺針をガイドするためのガイド孔が形成されていること
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
【0019】
(6)前記複数の穿刺針のうち少なくとも一対の穿刺針は、対称な形状を有していること
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
【0020】
(7)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する複数の変形可能な穿刺針からなる穿刺部材と、
この穿刺部材を保持する保持部材と、
前記穿刺針によって体内に留置される複数の留置具と、
体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【0021】
(8)前記複数の留置具は、少なくともカテーテルとカテーテル型センサーとを含んでいること
を特徴とする上記(7)に記載の穿刺器具。
【0022】
上記した目的は、下記(9)の発明によっても達成される。
(9)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺方法であって、
湾曲部を有する複数の変形可能な穿刺針からなる穿刺部材と、
この穿刺部材を保持する保持部材と、を用い、
前記穿刺針を変形させながら、前記皮膚に穿刺するようにしたこと
を特徴とする穿刺方法。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、穿刺針を、皮膚より穿刺して、所定の部位に確実に到達させることができる。
【0024】
また、本発明によれば、同時に複数の穿刺針を、所定の部位に確実に穿刺することができる。
【0025】
さらに、本発明によれば、同時に複数の留置具を、所定の部位に留置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の穿刺器具を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
【0027】
<第1実施形態>
まず、本発明の穿刺器具の第1実施形態について説明する。
【0028】
図1は、本発明の穿刺器具の第1実施形態を示す縦断面図を示したものである。また、図2は、図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、図1及び図2の上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0029】
図1に示す穿刺器具1は、穿刺部材2と、穿刺部材2を保持する保持部材3と、ガイド部材4とを有している。
【0030】
穿刺部材2は、内部に中空部を有する2本の穿刺針2a、2bで構成されている。穿刺針2a、2bは、それぞれ湾曲部22と、変形可能な変形部23とを有しており、湾曲部22と変形部23とは、屈曲部24を介して連接している。
【0031】
湾曲部22は、図1に示すように円弧長Aと曲率半径Bを有している。また、湾曲部22の先端には、それぞれ針先20a、20bが形成されている。
【0032】
穿刺針2a、2bの変形部23の基端側には、チューブ5と連結するための共通の連結部21が形成されている。
【0033】
また、穿刺針2aと穿刺針2bとは、左右対称の形状となるように形成されている。この場合、湾曲の向きは、湾曲部22の曲率半径Bの中心点cが、穿刺針2a、2bの内側に位置するように定められている。
【0034】
また、穿刺針2の変形部23における変形の度合いや、固定部41の曲面411と変形部23との距離dを調整することにより、真皮Dへ挿入される穿刺針2a、2bの長さ(挿入深さ)を調整することができる。
【0035】
穿刺針2a、2bの外径は、穿刺器具1の用途等によっても若干異なるが、0.05mm〜2.0mm程度であるのが好ましく、特に0.1mm〜1.0mm程度であるのが好ましい。
【0036】
また、湾曲部22の円弧長Aも、特に限定されないが、2.0mm〜15.0mm程度であるのが好ましく、特に4.0mm〜10.0mm程度であるのが好ましい。曲率半径Bも特に限定されないが、1.0mm〜10.0mm程度であるのが好ましく、特に2.5mm〜6.5mm程度であるのが好ましい。
【0037】
穿刺部材2の構成材料としては、例えば、ステレンス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料が挙げられる。また、穿刺部材2は、例えば、塑性加工によって製造される。
【0038】
なお、本実施形態では、穿刺部材2を構成する穿刺針の本数は2本としたが、穿刺針の本数はこれに限定されることなく、3本以上で構成してもよい。
【0039】
保持部材3は、穿刺部材2の連結部21と、連結部21に連結された可撓性のチューブ5を固定保持する。
【0040】
保持部材3の中心には、連結された穿刺部材2の結合部21及びチューブ5を挿通して固定保持するための挿通孔32が形成されている。なお、保持部材3に対する結合部21及びチューブ5の固着は、例えば接着剤等を使用して行う。
【0041】
チューブ5は中空部を有する構成であって、穿刺部材2に対して、中空部を介して薬剤を供給するだけでなく、カテーテル等の留置具を挿通させることもできる。
【0042】
保持部材3には、ガイド部材4に対して変位可能となるための係合部33が形成されている。係合部33は、例えば、保持部材3の外周面3aと、この保持部材3の形状と一致するようにガイド部材4の把持部43に形成された係合孔8の内周壁8aに、互いに係合するような凹凸の溝を設けることにより構成される。
【0043】
また、保持部材3の上面(基端側)には、保持部材3の変位を容易にするための摘み部31が、基端方向に向って突出形成されている。
【0044】
保持部材3の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0045】
また、保持部材3は、例えば、所望の形状に成型された金型に樹脂材料を流しこむ成型加工によって製造される。
【0046】
ガイド部材4は、固定部41と、カバー部42と、把持部43とから構成されている。なお、固定部41、カバー部42、及び把持部43は、一体成形されている。
【0047】
固定部41は、皮膚に穿刺される際の穿刺針2a、2bの動きが円滑になるようにガイドする曲面411と、体表面Fに固定される平面を有する皮膚接触面412とを備えている。また、この曲面411は、穿刺針2a、2bの湾曲部22の曲線に沿うような曲線を有するように形成されている。
【0048】
カバー部42は、穿刺針2a、2bを覆うように構成されている。カバー部42の先端内部には、穿刺針2a、2bの湾曲部22の曲線に沿うような曲面421が、固定部41の曲面411と対向するように形成されている。
【0049】
また、固定部41の曲面411とカバー部42の曲面421との間には、皮膚へ穿刺される際の穿刺針2a、2bの動きをガイドするガイド孔6が形成されている。
【0050】
カバー部42の基端側内部には、穿刺針2a、2bの変形部23を収める空間を形成するための収納孔7が設けられている。この収納孔7は、ガイド部材4に設けられた係合孔8と連通するように構成されており、収納孔7の壁面7aには、保持部材3を移動可能に係合するための係合部が形成されている。
【0051】
カバー部42の先端側には、体表面Fに対してガイド部材4を安定して固定するための平面を有する皮膚接触面422が形成されている。また、ガイド部材4は、カバー部42の皮膚接触面422と固定部41の皮膚接触面412とが、同一平面となるように構成されている。
【0052】
皮膚接触面412、422には、体表面Fに対する穿刺器具1の安定性を確保するための接着手段、例えば粘着フィルム等を設けてもよい。なお、図においては、皮膚接触面412、422と体表面Fとの間に空間が存在するように示されているが、実際には、皮膚接触面412,422と体表面Fとは、密着するように構成されている。
【0053】
把持部43は、ガイド部材4を体表面Fの所定の位置に載置する作業を容易にするためのものである。把持部43は、カバー部42の基端側上面において、基端に向って突出成形されている。
【0054】
また、把持部43の中心部には、上述したように、保持部材3と係合するための係合孔8が形成されており、この係合孔8は、カバー部42に形成された係合孔7と一致して連通するように形成されている。
【0055】
ガイド部材4の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0056】
また、ガイド部材4は、例えば、所望の形状に成型された金型に樹脂材料を流しこむ成型加工によって製造される。
【0057】
次に、図2を用いて、第1実施形態の穿刺器具1の使用方法(作用)について説明する。
【0058】
まず、ガイド部材4の把持部43を把持して、ガイド部材4を体表面Fの所定の位置に載置する。次に、保持部材3の摘み部31を指先等で把持して、図2(a)に示す矢印の方向(先端方向)に、保持部材3を押し下げる。
【0059】
保持部材3が先端側に押し下げられると、保持部材3に固定保持されている穿刺針2a、2bの変形部23に力が加わり、変形部23が、屈曲部24をガイド孔6に沿って前方(先端側)へ押し出される方向に変形する。この変形部23の変形に伴って、穿刺針2a、2bの針先20a、20bが、角質層SCを通って皮膚に穿刺される。
【0060】
このとき、穿刺針2a、2bの針先20a、20bは、ガイド部材4の固定部41に設けられた曲面411に沿うようガイドされて、皮膚に穿刺される。
【0061】
さらに、保持部材3が先端側に押し下げられると、図2(b)に示すように、変形部23は、固定部41の曲面411に沿うように変形する。これにより、屈曲部24は、ガイド孔6に沿うようにガイドされて、さらに前方へ押し出され、穿刺針2a、2bの針先20a、20bは、さらに皮膚の奥へ挿入される。
【0062】
変形部23の変形に伴い、図2(b)に示すように、穿刺針2a、2bは鉤爪状に変形し、針先20a、20bを含めた穿刺針2a、2bの先端部分Pが、体表面Fと略平行となるような状態で、真皮D内に留置される。
【0063】
この状態で、チューブ5に接続された送液ポンプ(図示せず)により、穿刺部材2に薬剤が供給され、針先20a、20bから、真皮D内へ薬剤が注入される。
【0064】
このように、本実施形態の穿刺器具1によれば、使用者は、確実に穿刺針2a、2bを真皮Dに穿刺することができる。
【0065】
また、同時に、複数の穿刺針2a、2bから薬剤を真皮Dに注入することができる。
【0066】
また、穿刺針2a、2bを皮膚内に穿刺する際に、穿刺針2の湾曲部22が皮膚を持ち上げるような状態を保ちながら、針先20a、20bを皮膚内に挿入することができる。
【0067】
また、湾曲部22の円弧長Aや曲率半径Bを所定の長さに調整することにより、穿刺針2a、2bの先端部分Pを、確実に真皮Dの所定の位置に留置させることができる。
【0068】
また、本実施形態の穿刺器具1によれば、真皮D内で、穿刺針2a、2bが体表面Fと略平行な状態になるように穿刺するので、真皮D内における穿刺針2a、2bの挿入深さが長くなり、外部から衝撃等が加えられた場合であっても、薬剤注入中の穿刺針2a、2bが真皮Dから抜けてしまうことを防止できる。
【0069】
また、表皮Eと真皮Dとの境目に形成された穿刺針2a、2bの挿入口から、針先20a、20bにある薬剤放出口までの距離が長くなるので、一旦薬剤放出口から真皮Dに注入された薬剤が、逆流して挿入口から表皮Eへ漏れてしまうことを防止できる。
【0070】
さらに、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2a、2bの湾曲部22の曲率半径Bの中心点cが、穿刺針2a、2bの内側に位置するように定められているので、真皮D内において、穿刺針2aの針先20aと、穿刺針2bの針先20bが近接し、対向する状態で、穿刺針を穿刺することができる。
【0071】
これにより、チューブ5を通じて供給される薬剤50が、図2(b)に示す矢印の向きで真皮Dへ注入されるので、穿刺針2aの針先20aと穿刺針2bの針先20bから、同時に薬剤を真皮Dに注入することができる。すなわち、2方向から薬剤を注入することで、真皮Dの所定の箇所に、集中的に薬剤を投与することができる。
【0072】
<第2実施形態>
次に、本発明の穿刺器具の第2実施形態について説明する。
【0073】
図3は、本発明の穿刺器具の第2実施形態を示す縦断面図である。また、図4は、図3に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、図3及び図4の上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0074】
以下、第2実施形態の穿刺器具について、前記第1実施形態の穿刺器具との相違点を中心に説明し、前記第1実施形態と同様の事項については、その説明を省略する。
【0075】
第2実施形態の穿刺器具1は、穿刺針2aの中空部には、留置具としてのマイクロカテーテル9が挿通され、また、穿刺針2bの中空部には、留置具としてのカテーテル型のセンサー10が挿通されるように構成されている。
【0076】
穿刺針2a、2bには、カテーテル9及びカテーテル型センサー10を着脱可能とするためのスリット(図示せず)が、穿刺針2a、2bの長手方向に沿って形成されている。それ以外は、前記第1実施形態の穿刺器具1と同様である。
【0077】
なお、本実施形態で使用する穿刺針2a、2bの外径は、穿刺器具1の用途等によっても若干異なるが、0.1mm〜2.5mm程度であるのが好ましく、特に0.5mm〜1.5mm程度であるのが好ましい。
【0078】
カテーテル9は、チューブ5を通って穿刺針2aの中空部に挿通され、湾曲部22の形状に沿って穿刺針2aの内部に保持されている。カテーテル9は、可撓性を有しており、その先端部には、薬剤供給口91が形成されている。
【0079】
カテーテル型センサー10は、チューブ5を通って穿刺針2bの中空部に挿通され、湾曲部22の形状に沿って穿刺針2bの内部に保持されている。また、カテーテル型センサー10は、可撓性の光ファイバーの先端に検知部101が設けられた構成であり、例えば、特開平8−107890号に開示されているような光ファイバーを備えた光グルコースセンサー(センサー付きファイバーケーブルカテーテル)を使用する。
【0080】
次に、図4を用いて、第2実施形態の穿刺器具1の使用方法(作用)について説明する。
【0081】
まず、ガイド部材4の把持部43を把持して、ガイド部材4を体表面Fの所定の位置に載置する。次に、保持部材3の摘み部31を指先等で把持して、図4(a)に示す矢印の方向(先端方向)に、保持部材3を押し下げる。
【0082】
保持部材3が先端方向に押し下げられると、保持部材3に固定保持されている穿刺針2a、2bの変形部23に力が加わり、変形部23が、屈曲部24をガイド孔6に沿って前方(先端側)へ押し出すような方向に変形する。この変形部23の変形に伴って、穿刺針2a、2bの針先20a、20bが、角質層SCを通って皮膚に穿刺され、これに伴い、穿刺針2aに挿通されているカテーテル9及び穿刺針2bに挿通されているカテーテル型センサー10も、皮膚内に挿入される。
【0083】
このとき、穿刺針2a、2bの針先20a、20bは、ガイド部材4の固定部41に設けられた曲面411に沿うようにして、皮膚に穿刺される。
【0084】
さらに、保持部材3が先端側に押し下げられると、図4(b)に示すように、変形部23は、固定部41の曲面411に沿うように変形する。これにより、屈曲部24は、ガイド孔6に沿ってさらに前方へ押し出され、穿刺針2a、2bの針先20a、20bは、さらに皮膚の奥へ挿入される。
【0085】
変形部23の変形に伴い、図4(b)に示すように、穿刺針2a、2bは鉤爪状に変形し、針先20a、20bを含めた穿刺針2a、2bの先端部分Pが、体表面Fと略平行となるような状態で、真皮D内に留置される。
【0086】
このように、本実施形態の穿刺器具1によれば、使用者は、確実に穿刺針2a、2bを真皮Dに穿刺することができる。
【0087】
また、同時に、複数の穿刺針2a、2bから薬剤を真皮Dに注入することができる。
【0088】
また、穿刺針2a、2bを皮膚内に穿刺する際に、穿刺針2の湾曲部22が皮膚を持ち上げるような状態を保ちながら、針先20a、20bを皮膚内に挿入することができる。
【0089】
また、湾曲部22の円弧長Aや曲率半径Bを所定の長さに調整することにより、穿刺針2a、2bの先端部分Pを、確実に真皮Dの所定の位置に留置させることができる。
【0090】
次に、保持部材3の摘み部31を指先等で把持して、図4(c)に示す矢印の方向(基端方向)に、保持部材3を引き上げる。これに伴い、変形部23の変形が解除され、穿刺針2a、2bに形成されたスリットから、カテーテル9及びカテーテル型センサー10が、分離される。
【0091】
その結果、図4(c)に示すように、薬剤供給口91を含むカテーテル9の先端部分P及び検知部101を備えたカテーテル型センサー10の先端部分Pが、体表面Fと略平行となるような状態で、真皮D内に留置される。
【0092】
この状態で、カテーテル9の端部に接続された送液ポンプ(図示せず)により供給される薬剤50が、薬剤供給口91から真皮Dへ注入されると同時に、カテーテル型センサー10に接続された測定装置(図示せず)により、検知部101を通じて真皮Dの状態を測定することができる。
【0093】
このように、本実施形態の穿刺器具1によれば、同時に、異なる機能を有する留置具を真皮Dに留置することができるので、使用者は、効率よく作業を行うことができる。
【0094】
また、カテーテル9の薬剤供給口91と、カテーテル型センサー10の検知部101とは、互いに対向した状態で真皮Dに留置されているので、真皮D内の局所部分の状態をカテーテルセンサー10で測定しながら、その結果に応じて、カテーテル9により薬剤を注入することもできる。
【0095】
また、本実施形態の穿刺器具1によれば、真皮D内で、カテーテル9の先端部Pとカテーテル型センサー10の先端部Pが体表面Fと略平行な状態になるように留置されているので、真皮D内におけるカテーテル9及びカテーテル型センサー10の挿入深さが長くなり、外部から衝撃等が加えられた場合であっても、カテーテル9又はカテーテル型センサー10が真皮Dから抜けてしまうことを防止できる。
【0096】
また、表皮Eと真皮Dとの境目に形成されたカテーテル9の挿入口から、薬剤放出口91までの距離が長くなるので、一旦薬剤放出口91から真皮Dに注入された薬剤が、逆流して挿入口から表皮Eへ漏れてしまうことを防止できる。
【0097】
本実施形態では、カテーテル9とカテーテル型センサー10は、それぞれ薬剤供給機能とセンサー機能を担っているものであるが、カテーテル9とカテーテル型センサー10に相当する部分は、両者が異なる種類の薬剤供給用のカテーテルの組み合わせ、あるいは両者が異なる種類のセンサーの組み合わせで構成されていてもよい。
【0098】
また、上記の実施形態は、いずれも真皮Dに穿刺針を穿刺する形態で説明したが、本発明の穿刺器具は、真皮の他に皮内や皮下組織、さらには筋肉に穿刺する場合にも用いることができる。
【0099】
なお、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、その他材料、構成等において本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は、本発明の穿刺器具の第1実施形態を示す縦断面図を示したものである。
【図2】図2は、図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である
【図3】図3は、本発明の穿刺器具の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図4】図4は、図3に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図5】図5は、一般的な皮膚の断面構造を示す図である。
【符号の説明】
【0101】
1・・穿刺器具
2・・穿刺部材
2a、2b・・穿刺針
20a、20b・・針先
21・・結合部
22・・湾曲部
23・・変形部
24・・屈曲部
3・・保持部材
31・・摘み部
32・・挿入孔
33・・係合部
4・・ガイド部材
41・・固定部
411・・曲面
412・・皮膚接触面
42・・カバー部
421・・曲面
422・・皮膚接触面
43・・把持部
5・・チューブ
6・・ガイド孔
7・・収納孔
8・・係合孔
9・・カテーテル
91・・薬剤供給口
10・・カテーテル型センサー
101・・検知部
F・・体表面
A・・円弧長
B・・曲率半径
SC・・角質層
E・・表皮
D・・真皮
S・・皮下組織




 

 


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