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発明の名称 画像表示装置及び画像表示プログラム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−68556(P2007−68556A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−255350(P2005−255350)
出願日 平成17年9月2日(2005.9.2)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 川崎 友寛
要約 課題
物体表面から反れずに冠動脈などのように三次元物体の表面全体に分布した組織を観察することができる画像表示装置等を提供すること。

解決手段
診断対象(例えば心臓)を含む被検体の所定領域に関するボリュームデータに基づいて診断対象に対応する抽出データを生成し、また、診断対象表面の少なくとも一部を可視化するMPR画像に対して、操作部により当該診断対象表面に沿って移動させるための移動方向及び移動量を指定する。指定された移動方向及び移動量、抽出データ、ボリュームデータを用いて当該MPR画像を診断対象表面に沿って移動させた画像を生成し表示する。
特許請求の範囲
【請求項1】
診断対象を含む被検体の所定領域に関するボリュームデータを記憶する記憶手段と、
前記ボリュームデータに基づいて、前記診断対象に対応する抽出データを生成する抽出データ生成手段と、
前記診断対象表面の少なくとも一部を可視化する第1の画像を当該診断対象表面に沿って移動させるための移動方向及び移動量を指定する指定手段と、
前記第1の画像を生成すると共に、前記移動方向、前記移動量、前記抽出データ、前記ボリュームデータを用いて当該第1の画像を前記診断対象表面に沿って移動させた第2の画像を生成する画像生成手段と、
前記第1の画像又は前記第2の画像を表示する表示手段と、
を具備することを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、所定の閾値に基づくセグメンテーションを行うことにより、前記抽出データを生成することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
【請求項3】
画像生成手段は、前記第1の画像を前記移動方向に前記移動量だけ移動させた場合の前記第1の画像上の基準位置、当該基準位置の前記抽出データの表面上での対応点、及び当該対応点の表面に直交する直交ベクトルに基づいて、前記第2の画像を生成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記第1の画像及び前記第2の画像は、MPR画像、スラブMIP画像、曲面MPR画像、曲面スラブMIP画像、MPR画像に対し画像平面を定義するx,yの二方向に関して物体表面に対応する曲率をもたせたものを用いて生成される変形曲面MPR画像、スラブデータに対し画像平面を定義するx,yの二方向に関して物体表面に対応する曲率をもたせたものを用いて、MIPを行うことにより生成される変形曲面スラブMIP画像のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の画像表示装置。
【請求項5】
コンピュータに、
診断対象を含む被検体の所定領域に関するボリュームデータに基づいて、前記診断対象に対応する抽出データを生成する抽出データ生成機能と、
前記診断対象表面の少なくとも一部を可視化する第1の画像を当該診断対象表面に沿って移動させるための移動方向及び移動量を指定する指定機能と、
前記第1の画像を生成すると共に、前記移動方向、前記移動量、前記抽出データ、前記ボリュームデータを用いて当該第1の画像を前記診断対象表面に沿って移動させた第2の画像を生成する画像生成機能と、
前記第1の画像又は前記第2の画像を表示する表示機能と、
を実現させることを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項6】
前記抽出機能においては、所定の閾値に基づくセグメンテーションを行うことにより、前記抽出データを生成することを特徴とする請求項5記載の画像表示プログラム。
【請求項7】
画像生成機能においては、前記第1の画像を前記移動方向に前記移動量だけ移動させた場合の前記第1の画像上の基準位置、当該基準位置の前記抽出データの表面上での対応点、及び当該対応点の表面に直交する直交ベクトルに基づいて、前記第2の画像を生成することを特徴とする請求項5又は6記載の画像表示プログラム。
【請求項8】
前記第1の画像及び前記第2の画像は、MPR画像、スラブMIP画像、曲面MPR画像、曲面スラブMIP画像、MPR画像に対し画像平面を定義するx,yの二方向に関して物体表面に対応する曲率をもたせたものを用いて生成される変形曲面MPR画像、スラブデータに対し画像平面を定義するx,yの二方向に関して物体表面に対応する曲率をもたせたものを用いて、MIPを行うことにより生成される変形曲面スラブMIP画像のいずれかであることを特徴とする請求項5乃至7のうちいずれか一項記載の画像表示プログラム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線コンピュータ断層撮影装置に代表される画像診断装置によって収集され、再構成された断層像を用いて三次元画像などを表示する画像表示装置に関するもので、特に、冠動脈などのように物体の表面に張り付いた組織を簡便、詳細に観察するために使用されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医療用画像分野で使用される画像表示装置は、超音波診断装置、X線コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴イメージング装置等の医療用画像機器と組み合わせて使用され、多くの病院、検査機関等で広く利用されている。この画像表示装置は、画像処理の高速化や解像度の向上が進み、臨床情報として有用な種々の画像を提供でき、例えば手術前のシミュレーション等において、血管の走行、消化管の腫瘍、プラーク(斑点)の形成、狭搾症等の原因を調べる際に行う消化管腔の画像化等に利用されている。
【0003】
この様な画像表示装置においては、例えばザイオソフト株式会社の製品「M900 QUADRA」という3Dワークステーションに搭載されているような、X線コンピュータ断層撮影装置などにより取得した再構成ボリュームデータのMPR画像やスラブMIP画像、曲線に沿った曲面MPR画像を表示する技術がある。
【0004】
なお、本願に関連する公知文献としては、例えば次のようなものがある。
【特許文献1】特開平5−346963号公報
【非特許文献1】秀潤社 「なるほど!!医用三次元画像 考え方と処理法 虎の巻」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像表示装置を用いて三次元ボリュームデータのMPR画像、スラブMIP画像等を表示する場合には、次のような問題がある。
【0006】
例えば心臓表面に張り付いた冠動脈の形状を観察したい場合、まず、MPR画像又はスラブMIP画像上の冠動脈を観察したい位置や向きに合せなければならない。このため、MPR/スラブMIP画像の断面移動、回転などの操作を段階的に行う必要があり、操作者にとって大きな作業負担となる。更に、ある冠動脈を観察した後引き続いて別の冠動脈を観察する場合には、再度MPR/スラブMIP画像の断面移動、回転を繰り返す必要があり、非常に手間がかかる。
【0007】
また、より詳細に冠動脈の形状を観察するために、位置合せされたMPR/スラブMIP画像上で冠動脈に沿って曲線を引き、曲面MPR画像等を作成する場合がある。係る場合における冠動脈に沿って曲線を引く作業も、操作者にとってさらに大きな作業負担となる。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、MPR画像、スラブMIP画像等の断面移動、回転等において面倒な操作を行う必要がなく、診断対象等の物体表面から反れずに冠動脈などのように三次元物体の表面全体に分布した組織を観察することができる画像表示装置及び画像表示プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0010】
本発明の第1の視点は、診断対象を含む被検体の所定領域に関するボリュームデータを記憶する記憶手段と、前記ボリュームデータに基づいて、前記診断対象に対応する抽出データを生成する抽出データ生成手段と、前記診断対象表面の少なくとも一部を可視化する第1の画像を当該診断対象表面に沿って移動させるための移動方向及び移動量を指定する指定手段と、前記第1の画像を生成すると共に、前記移動方向、前記移動量、前記抽出データ、前記ボリュームデータを用いて当該第1の画像を前記診断対象表面に沿って移動させた第2の画像を生成する画像生成手段と、前記第1の画像又は前記第2の画像を表示する表示手段と、を具備することを特徴とする画像表示装置である。
【0011】
本発明の第2の視点は、コンピュータに、診断対象を含む被検体の所定領域に関するボリュームデータに基づいて、前記診断対象に対応する抽出データを生成する抽出データ生成機能と、前記診断対象表面の少なくとも一部を可視化する第1の画像を当該診断対象表面に沿って移動させるための移動方向及び移動量を指定する指定機能と、前記第1の画像を生成すると共に、前記移動方向、前記移動量、前記抽出データ、前記ボリュームデータを用いて当該第1の画像を前記診断対象表面に沿って移動させた第2の画像を生成する画像生成機能と、前記第1の画像又は前記第2の画像を表示する表示機能と、を実現させることを特徴とする画像表示プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
以上本発明によれば、MPR画像、スラブMIP画像等の断面移動、回転等において面倒な操作を行う必要がなく、物体表面から反れずに冠動脈などのように三次元物体の表面全体に分布した組織を観察することができる画像表示装置及び画像表示プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0014】
図1は、本実施形態に係る画像参照装置10のブロック構成図を示している。同図に示すように、本画像参照装置10は、三次元ボリュームデータ保存部11、三次元領域抽出部13、VR(Volume Rendering)画像作成部14、三次元領域平滑化部15、画像位置・向き算出部17、MPR画像作成部19、曲面MPR画像作成部21、変形曲面MPR画像作成部23、表示・操作制御部24、表示部25、操作部27を具備している。
【0015】
三次元ボリュームデータ保存部11は、X線コンピュータ断層撮影装置、磁気共鳴イメージング装置等の各種医用画像機器によって取得された三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を保存する。
【0016】
三次元領域抽出部13は、三次元ボリュームデータ保存部11から取得する三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて、操作者などにより設定された閾値の範囲の領域抽出を行い、領域抽出データS(X,Y,Z)を生成する。
【0017】
VR画像作成部14は、三次元ボリュームデータ保存部11から得られた三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)と、三次元領域抽出部13から得られた三次元領域抽出データS(X,Y,Z)を用いて、VR画像を作成する。
【0018】
三次元領域平滑化部15は、三次元領域抽出部13から得られた三次元領域抽出データS(X,Y,Z)の表面の凸凹をスムージング処理により平滑化し、その平滑化された三次元領域抽出データF(X,Y,Z)を外部に提供する。
【0019】
画像位置・向き算出部17は、表示・操作制御部24から得られる画面座標(x1,y1)と、三次元領域平滑化部15から得られた平滑化された三次元領域抽出データF(X,Y,Z)を用いて、画面座標の画面奥方向に存在する領域抽出データF(X,Y,Z)の表面の位置のボリューム座標(X1,Y1,Z1)と、その位置の表面に直交するベクトルvを求める。
【0020】
MPR画像作成部19は、画像位置・向き算出部17から得られた表面位置(X1,Y1,Z1)を中心位置とし、同じく画像位置・向き算出部17から得られた表面直交ベクトルvに直交するMPR画像又はスラブMIP画像f1(x,y)を、三次元ボリュームデータ保存部11から得られた三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて作成する。
【0021】
曲面MPR画像作成部21は、画像位置・向き算出部17から得られた表面位置(X1,Y1,Z1)を中心位置とし、同じく画像位置・向き算出部17から得られた表面直交ベクトルvに平行な平面(y,z)上で、三次元領域平滑化部15から得られた平滑化された三次元領域抽出データF(X,Y,Z)の表面を表す曲線に沿った曲面MPR画像又は曲面スラブMIP画像f2(x,y)を、三次元ボリュームデータ保存部11から得られた三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて作成する。
【0022】
変形曲面MPR画像作成部23は、画像位置・向き算出部17から得られた表面位置(X1,Y1,Z1)を中心位置とし、同じく画像位置・向き算出部17から得られた表面直交ベクトルvに平行な平面(y,z)上で、三次元領域平滑化部15から得られた平滑化された三次元領域抽出データF(X,Y,Z)の表面を表す曲線に沿った曲面を、更に曲線に直交する方向(X軸方向)にも表面に沿うように変形させた曲面MPR画像又は曲面スラブMIP画像f3(x,y)を、三次元ボリュームデータ保存部11から得られた三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて作成し、画面に表示する。具体的には、曲線上のサンプリング点y=yjでの曲面MPR画像の画素値f3(xi,yj)は、ボリューム上の位置(xi,yj)のz方向(y=yjにおける物体表面に直交する方向:-vn)に存在する物体表面位置の画素値が採用される。また、変形曲面MPR画像作成部23は、操作者が画像表示領域上でマウスドラッグしたベクトル量を画像表示領域の中心座標に加算した位置の画面座標(x1,y1)を、画像位置・向き算出部17等に提供する。
【0023】
表示・操作制御部24は、操作者が表示画面上でマウスクリックした位置の画面座標(x1,y1)を算出し、画像位置・向き算出部17等に提供する。また、表示・操作制御部24は、操作者が画像表示領域上でマウスドラッグしたベクトル量を画像表示領域の中心位置の座標に加算した位置を、画面座標(x1,y1)として画像位置・向き算出部17に提供する。さらに、表示・操作制御部24は、各作成部が作成した画像を表示部27に表示するための制御を行う。
【0024】
表示部25は、画像、レポート入力画面、所定の操作を行うための入力画面、各種医用画像機器によって取得された画像、後述する物体表面に沿った移動表示機能によって得られる画像等を所定の形態にて表示する。
【0025】
操作部27は、操作者からの各種指示、条件、等を当該装置1にとりこむためのトラックボール、各種スイッチ、マウス、キーボード等を有している。
【0026】
(物体表面に沿った移動表示機能)
次に、本画像表示装置1が有する、物体表面に沿った移動表示機能について説明する。
【0027】
図2は、本物体表面に沿った移動表示機能の概念を説明するための図である。同図に示すように、当該移動表示機能は、領域抽出された物体(例えば、心臓)の表面に関するMPR画像等が表示されている場合において、画像をパンすると、当該MPR画像が物体表面を滑るように移動する表示を行うものである。これにより、MPR画像の断面移動、回転などの面倒な操作を行う必要がなく、また、三次元物体の表面に張り付いたMPR画像を物体表面から反れない様に移動させることで、例えば冠動脈等のように三次元物体の表面全体に分布した組織を隈無く観察することができる。
【0028】
この物体表面に沿った移動は、図2に示したMPR画像に限らず、スラブMIP画像、曲面MPR画像(又は曲面スラブMIP画像)、変形曲面MPR画像(又は変形曲面スラブMIP画像)を用いる場合においても実行可能である。ここで、スラブMIP画像とは、x,y方向を画像平面の方向、z方向を当該画像平面の厚み方向とした直方体領域(スラブ)データを用いて、MIPを行うことにより生成される画像である。曲面スラブMIP画像とは、z方向を厚み方向としたスラブデータに対しx,yの二方向のうちのいずれかに関してz方向に物体表面に対応する曲率をもたせたもの(曲面スラブ)を用いて、MIPを行うことにより生成される画像である。変形曲面スラブMIP画像とは、スラブデータに対しx,yの二方向に関して物体表面に対応する曲率をもたせたもの(変形曲面スラブ)を用いて、MIPを行うことにより生成される画像である。
【0029】
以下、MPR画像(スラブMIP画像)、曲面MPR画像(曲面スラブMIP画像)、変形曲面MPR画像(変形曲面スラブMIP画像)の各場合における、物体表面に沿った移動表示機能に従う処理(物体表面に沿った移動表示処理)について説明する。
【0030】
(MPR画像・スラブMIP画像)
図4は、MPR画像(又はスラブMIP画像)の物体表面に沿った移動表示処理の流れを示したフローチャートである。また、図5は、図4のステップA1、A2における処理を説明するための図であり、表示・操作制御部24に設定されるVR画面座標系(x,y)とボリューム座標系(X,Y,Z)との対応関係を示している。
【0031】
図5に示すように、まず、操作者から画面上の任意の位置(x1,y1)の指定を、操作部27のマウス等を介して受けると(ステップA1)、表示・操作制御部24は表示画面上でマウスクリックした位置の画面座標(x1,y1)を算出し、画像位置・向き算出部17等に提供する。画像位置・向き算出部17は、当該画面上の位置(x1,y1)に対応するボリュームデータ上の座標(ボリューム座標)(X1,Y1,Z1)と、当該ボリューム座標(X1,Y1,Z1)の表面に直交する表面直交ベクトルvとを、三次元領域抽出データF(X,Y,Z)を用いて計算する(ステップA2)。
【0032】
次に、MPR画像作成部19は、図6に示すように、ボリューム座標(X1,Y1,Z1)を中心位置とし表面直交ベクトルvに直交するMPR画像(又はスラブMIP画像)f1(x,y)を、三次元ボリュームデータ保存部11から得られた三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて作成する。表示・操作制御部24は、生成されたMPR画像(又はスラブMIP画像)f1(x,y)を所定の形態にて表示部25の画面に表示する(ステップA3)。
【0033】
次に、表示画面上でのマウスドラッグの有無(すなわち、表示画像の移動(物体のパン等)の要請の有無)を判定する(ステップA4)。表示画面上でドラッグがなされていないとい判定した場合には、現在のMPR画像が継続して表示される(ステップA6)。
【0034】
一方、表示画面上でドラッグがなされた場合には、表示・操作制御部24は、図7に示すように、ドラッグ後の画面上の位置とドラッグ前の画面上の位置とから移動ベクトルuを計算し、これを画面中心の位置(x1,y1)に加算したものを新たに位置(x1,y1)とし、これを画像位置・向き算出部17に提供する(ステップA5)。画像位置・向き算出部17は、こうして新たに取得された位置(x1,y1)を用いて新たな物体表面位置(ボリューム座標(X1,Y1,Z1))、当該位置の表面に直交する表面直交ベクトルvとを計算する。MPR画像作成部19は、再度計算されたボリューム座標(X1,Y1,Z1)、表面直交ベクトルv、ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて、移動後のMPR画像(又はスラブMIP画像)f1(x,y)を生成することができる。
【0035】
こうして生成された移動後のMPR画像f1(x,y)は、表示・操作制御部24を介して表示部25に表示される。この様なMPR画像f1(x,y)の移動表示は、表示画面をマウスによりドラッグすることで、MPR画像を物体表面に沿って移動させながら表示することに対応している。
【0036】
(曲面MPR画像・曲面スラブMIP画像)
図8は、曲面MPR画像(又は曲面スラブMIP画像)の物体表面に沿った移動表示処理の流れを示したフローチャートである。図4と比較した場合、実質的にステップB3のみが異なる。以下、ステップB3における処理について説明する。
【0037】
図8に示すようにステップB2において、曲面MPR画像作成部21は、ボリューム座標(X1,Y1,Z1)を中心位置とし表面直交ベクトルvに直交する曲面MPR画像(又は曲面スラブMIP画像)f2(x,y)を、画像位置・向き算出部17によって算出されたボリューム座標(X1,Y1,Z1)及び表面直交ベクトルvと、三次元ボリュームデータ保存部11から得られた三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて作成し、表示・操作制御部24を介して表示部25の画面に表示する(ステップB3)。
【0038】
図9は、ステップB3における処理を説明するための図である。同図に示すように、ボリューム座標(X1,Y1,Z1)を中心位置とし、表面直交ベクトルvに平行な平面(y,z)上で三次元領域抽出データF(X,Y,Z)の表面を表す曲線に沿った曲面MPR画像(又は曲面スラブMIP画像)f2(x,y)が、三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて作成される。従って、曲面MPR画像f2(x,y)は、y軸に関しては物体表面に対応した曲率を有するものとなる。
【0039】
(変形曲面MPR画像)
図10は、変形曲面MPR画像(又は変形曲面スラブMIP画像)の物体表面に沿った移動表示処理の流れを示したフローチャートである。図4と比較した場合、実質的にステップC3のみが異なる。以下、ステップC3における処理について説明する。
【0040】
図10に示すようにステップC2において、変形曲面MPR画像作成部23は、ボリューム座標(X1,Y1,Z1)を中心位置とし表面直交ベクトルvに直交する変形曲面MPR画像(又は変形曲面スラブMIP画像)f3(x,y)を、画像位置・向き算出部17によって算出されたボリューム座標(X1,Y1,Z1)及び表面直交ベクトルvと、三次元ボリュームデータ保存部11から得られた三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて作成し、表示・操作制御部24を介して表示部25の画面に表示する(ステップB3)。
【0041】
図11は、ステップC3における処理を説明するための図である。同図に示すように、ボリューム座標(X1,Y1,Z1)を中心位置とし、ステップB3において生成した曲面MPR画像f2(x,y)(すなわち、表面直交ベクトルvに平行な平面(y,z)上で三次元領域抽出データF(X,Y,Z)の表面を表す曲線に沿った曲面)をx軸方向にも表面に沿うように変形させた変形曲面MPR画像(又は変形曲面スラブMIP画像)f3(x,y)が、三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)を用いて作成される。従って、変形曲面MPR画像f3(x,y)は、平面(y,z)上で三次元領域抽出データF(X,Y,Z)の表面を表す曲線と平面(x,z)上で三次元領域抽出データF(X,Y,Z)の表面を表す曲線との交点となる画素から構成され、x軸及びy軸に関して物体表面に対応した曲率を有するものとなる。
【0042】
(動作)
次に、本画像表示装置10の物体表面に沿った移動表示機能を用いた物体表示動作について説明する。本実施形態では、説明を具体的にするため、心臓の冠動脈を観察・診断する場合を例とする。
【0043】
図12は、本移動表示機能を用いた物体表示動作において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。同図に示すように、まず、三次元領域抽出部13は、三次元ボリュームデータ保存部11から三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)をロードする(ステップS1)。三次元領域抽出部13は、操作部27からの入力により所望の物体(心臓)の領域を抽出するための適当な閾値の設定を受け(ステップS2)、三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)から閾値範囲の領域抽出を行うことで、領域抽出データS(X,Y,Z)を生成する(ステップS3)。
【0044】
次に、VR画像生成部14は、生成された領域抽出データS(X,Y,Z)と三次元ボリュームデータV(X,Y,Z)とを用いて、抽出領域のVR画像を作成する。表示部25は、表示・操作制御部24を介して、生成されたVR画像を表示する(ステップS3)。また、三次元領域平滑化部15は、三次元領域抽出データS(X,Y,Z)の表面の凸凹をスムージング処理により平滑化し、平滑化された三次元領域抽出データF(X,Y,Z)を生成する(ステップS5)。
【0045】
次に、所定の操作に応答して、物体表面に沿った移動を含むMPR画像、曲面MPR画像、変形曲面MPR画像の表示が実行される(ステップS6)。本ステップにおける処理は、既述の通りである。
【0046】
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0047】
本画像表示装置によれば、MPR画像又はスラブMIP画像を、領域抽出された物体の表面に張り付いた状態で移動させて表示することができる。従って、画像の断面移動、回転などの面倒な操作を行うことなく、画面上でマウスドラッグなどの操作を行うだけで、冠動脈などのように三次元物体の表面全体に分布した組織を物体表面から反れることなく観察することができる。
【0048】
また、本画像表示装置によれば、必要に応じて、MPR画像又はスラブMIP画像のみならず曲面MPR画像(又は曲面スラブMIP画像)、変形曲面MPR画像(又は変形曲面スラブMIP画像)を選択し、領域抽出された物体の表面に張り付いた状態で移動させて表示することができる。従って、冠動脈などのように三次元物体の表面全体に分布した組織を、物体表面から反れることなくさらに詳細に観察することができる。
【0049】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。
【0050】
(1)本実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することも可能である。
【0051】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上本発明によれば、MPR画像、スラブMIP画像等の断面移動、回転等において面倒な操作を行う必要がなく、物体表面から反れずに冠動脈などのように三次元物体の表面全体に分布した組織を観察することができる画像表示装置及び画像表示プログラムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本実施形態に係る画像参照装置10のブロック構成図を示している。
【図2】図2は、本物体表面に沿った移動表示機能の概念を説明するための図である。
【図3】図3(a)、(b)は、曲面MPR画像(又は曲面スラブMIP画像)の作成方法、図3(c)は変形曲面MPR画像(又は変形曲面スラブMIP画像)の作成方法をそれぞれ説明するための図である。
【図4】図4は、MPR画像(又はスラブMIP画像)の物体表面に沿った移動表示処理の流れを示したフローチャートである。
【図5】図5は、図4に示したフローチャートのステップA1、A2における処理を説明するための図であり、表示・操作制御部24に設定されるVR画面座標系(x,y)とボリューム座標系(X,Y,Z)との対応関係を示している。
【図6】図6は、図4に示したフローチャートのステップA3における処理を説明するための図である。
【図7】図7は、図4に示したフローチャートのステップA5における処理を説明するための図である。
【図8】図8は、曲面MPR画像(又は曲面スラブMIP画像)の物体表面に沿った移動表示処理の流れを示したフローチャートである。
【図9】図9は、図8に示したフローチャートのステップB3における処理を説明するための図である。
【図10】図10は、変形曲面MPR画像(又は変形曲面スラブMIP画像)の物体表面に沿った移動表示処理の流れを示したフローチャートである。
【図11】図11は、図10に示したフローチャートのステップC3における処理を説明するための図である。
【図12】図12は、本移動表示機能を用いた物体表示動作において実行される各処理の流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
10…画像参照装置、11…三次元ボリュームデータ保存部、13…三次元領域抽出部、14…VR画像作成部、15…三次元領域平滑化部、17…画像位置・向き算出部、19…MPR画像作成部、21…曲面MPR画像作成部、23…変形曲面MPR画像作成部




 

 


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