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発明の名称 超音波トロッカー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−68707(P2007−68707A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−257966(P2005−257966)
出願日 平成17年9月6日(2005.9.6)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 関野 直己
要約 課題
低コストで挿入性が良く、外套管をスムーズに体壁に留置することで、手術を容易かつ円滑に進めることができる超音波トロッカーを提供する。

解決手段
超音波振動が伝達されて体壁に穿刺させる内針2と、上記内針2を被覆して移動可能な保護シース5と、上記保護シース5が被覆された内針2が挿入される外套管3と、上記内針2及び保護シース5に設けられ、上記内針2の先端部が上記保護シース5の挿入部に対して露出した状態及び収納された状態でそれぞれ固定する係合溝部42,51および係合爪部52と、を具備する超音波トロッカー。
特許請求の範囲
【請求項1】
超音波振動が伝達されて体壁に穿刺させる内針と、
上記内針の挿入部を被覆し、上記内針の挿入部に対して相対的移動可能な保護シースと、
上記保護シースが被覆された内針が挿入される外套管と、
上記内針及び保護シースに設けられ、上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部に対して露出した状態及び収納された状態でそれぞれ固定する係止手段と、
を具備することを特徴とする超音波トロッカー。
【請求項2】
超音波振動が伝達されて体壁に穿刺させる内針と、
上記内針の挿入部を被覆し、上記内針の挿入部に対して相対的移動可能な保護シースと、
上記保護シースが被覆された内針が挿入される外套管と、
上記外套管と上記内針の間に介挿され、上記内針によって上記体壁に穿孔された小径の穿刺孔を拡張する拡張部を有するダイレーターと、
上記内針及び保護シースに設けられ、上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部に対して露出した状態及び収納された状態でそれぞれ固定する係止手段と、
を具備することを特徴とする超音波トロッカー。
【請求項3】
上記保護シースに対して収納する向きに上記内針を付勢する手段を備え、上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部に対して露出した状態で上記係止手段による固定を解除したとき、上記内針の先端部が上記保護シースに対して自動的に収納するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波トロッカー。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、外套管に挿通した内針に超音波振動を加えながら体壁に穿刺する超音波トロッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の体内に刺入され、体腔内への挿入器具の案内管として使用する外套管を患者の体壁に穿刺し、体壁に貫通させた状態で留置するトロッカーが知られている。
【0003】
一般に、トロッカーでは、腹壁を穿刺貫通する内針と、この内針を挿通する挿入部を有した外套管とが着脱自在に組み合わされ、この組み合わせた状態で体壁に穿刺し、外套管の先端が体腔内に位置するまで刺入する。さらに、トロッカーを体腔内に挿入した後、外套管から内針を抜去することによって、外套管を体壁に留置し、この外套管を、病変部の観察を行うための光学視管や病変部の処置を行うための処置具などの案内管として使用する。
【0004】
この種のトロッカーとして、例えば、特表2002−538879号公報(特許文献1)に示されたものがある。この特許文献1のトロッカーでは、内針が、尖った先端部とブレード状のナイフエッジを備えている。また、内針を腹壁に穿刺させる作業の際、内針の穿刺部が腹腔壁を突き抜けた時点で、内針の穿刺部を覆うようにしたセーフティーシールド機構が組み込まれている。そして、内針の穿刺部が腹腔壁を突き抜けた際、内針の穿刺部は、セーフティーシールドによって覆われるため、内針の穿刺部が体内臓器等の組織に突き当たり、その体内組織が傷付けることを防止する。
【0005】
USP第6,656,198号明細書(特許文献2)のトロッカーは、内針が、尖っていない先端部と一対のブレードを組み合わせたセパレーターを備え、内針を捻じ込むことによって腹壁を貫通させるようになっている。
【0006】
特開2000−23991号公報(特許文献3)には、腹壁に穿刺させる内針に超音波振動を伝達するようにした超音波トロッカーが示されている。この超音波トロッカーでは、超音波振動されている内針を腹壁に突き刺すことにより、比較的軽い力で穿刺できる。また、内針の穿刺部には、少なくとも2つの曲面に挟まれ、かつ内針の長手中心軸に対して略対称となる位置に2つの稜線を設け、この稜線の少なくとも先端部分および最も外側位置に配置された最大外形寸法部分に生体組織を切る切刃部を形成したものである。
【0007】
また、特開2002−85337号公報(特許文献4)に示された超音波トロッカーでは、内針の先端部が、薄板形状に形成されており、この内針が、外套管の案内孔を閉塞する筒状で先端部にスリットを形成したカバー部材内に配置され、スリットを介してカバー部材の先端から突出するようになっている。
【特許文献1】特表2002−538879号公報
【特許文献2】USP第6,656,198号明細書
【特許文献3】特開2000−23991号公報
【特許文献4】特開2002−85337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特表2002−538879号公報に示されるトロッカーでは、セーフティシールドを組み込む構成である。このため、トロッカーの構成が複雑になる。したがって、トロッカーの部品数が増え、コスト高になる。さらに、内針先端の尖ったナイフエッジは、使用毎にナイフエッジが鈍化し、切れ味が落ちるという問題があった。内針の切れ味が悪い場合、穿刺部を腹壁に突き刺す際に大きな操作力が必要である。大きな操作力を加えて穿刺部を腹壁に突き刺す場合には、穿刺部が腹壁を突き抜けた際の勢いによって穿刺部の先端部が体内臓器等に突き当たり、傷付け易いので、それを避けるための難しい手技が術者に求められる。
【0009】
USP第6,656,198号明細書に示されるトロッカーでは、内針先端が鈍な形状のために腹膜が伸展して押し込まれ易く、その結果、穿刺部が体内臓器に近接または接触してしまい、捻じ込む操作の際に内針先端部で体腔内臓器を傷付け易いので、それを避けるための難しい手技が術者に求められる。
【0010】
特開2000−23991号公報に示される超音波トロッカーでは、比較的軽い力で穿刺することができるが、内針先端が腹腔内で露出した状態で外套管を挿入するため、外套管挿入操作の際に内針先端部で体腔内臓器を傷付け易いので、それを避けるための難しい手技が術者に求められる。
【0011】
特開2002−85337号公報に示される超音波トロッカーでは、スリットを形成したカバー部材が設けられているので、その構成が複雑になり、コスト高になる問題がある。さらに、腹壁に穿刺する際にカバー部材の先端部分が挿入力量の抵抗になるため、大きな操作力が必要になる。このような場合には穿刺部が腹壁に突き抜けた際の勢いによって穿刺部の先端部が体内臓器等に突きあたり、傷付け易いので、それを避けるための難しい手技が術者に求められる。
【0012】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、低コストで挿入性が良く、外套管をスムーズに体壁に留置することで、手術を容易かつ円滑に進めることができる超音波トロッカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る発明は、超音波振動が伝達されて体壁に穿刺させる内針と、上記内針の挿入部を被覆し、上記内針の挿入部に対して相対的移動可能な保護シースと、上記保護シースが被覆された内針が挿入される外套管と、上記内針及び保護シースに設けられ、上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部に対して露出した状態及び収納された状態でそれぞれ固定する係止手段とを具備することを特徴とする超音波トロッカーである。
【0014】
そして、この請求項1の発明では、超音波による穿刺する作業の際に上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部先端に対して露出した状態で固定され、外套管を体壁へ挿入する作業の際には上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部に対して収納された状態で固定する。
【0015】
また、請求項2に係る発明は、超音波振動が伝達されて体壁に穿刺させる内針と、上記内針の挿入部を被覆し、上記内針の挿入部に対して相対的移動可能な保護シースと、上記保護シースが被覆された内針が挿入される外套管と、上記外套管と上記内針の間に介挿され、上記内針によって上記体壁に穿孔された小径の穿刺孔を拡張する拡張部を有するダイレーターと、上記内針及び保護シースに設けられ、上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部に対して露出した状態及び収納された状態でそれぞれ固定する係止手段とを具備することを特徴とする超音波トロッカーである。
【0016】
そして、この請求項2の発明では、超音波による穿刺する作業の際に上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部先端に対して露出した状態で固定し、ダイレーターによる穿刺孔の拡張作業及び外套管を体壁へ挿入する作業の際には上記内針の先端部が上記保護シースの挿入部に対して収納された状態で固定する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の超音波トロッカーによれば、患者の体壁に形成される穿刺孔の径をダイレーターによって拡張する拡張作業や外套管を挿入する挿入作業がスムーズに行うことができる。したがって、手術を容易かつ円滑に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るトロッカーシステムを、図1乃至図11を参照して説明する。
【0019】
図1はトロッカーシステムの部品組付け状態での全体構成を概略的に示す。このトロッカーシステム1は、主に図2に分解して示した4つの構成部品、すなわち、内針2と、外套管3と、ダイレーター4と、保護シース(ガイド部材)5とを備える。そして、これらの部品を、図1に示す状態に組み付けて使用する。図3は外套管3を示し、図4はダイレーター4を示し、図5はガイド部材としての保護シース5を示している。
【0020】
図2に示すように、内針2は、略直線状の細長い棒状のプローブ6を有する。プローブ6の先端部分には先が細いやや鋭利な穿刺針7が設けられている。穿刺針7の部分は、2つの曲面に挟まれるとともに内針2の長手中心軸に対して対称となる位置に配置された2つの稜線を設けられ、この稜線を結ぶ円弧状の先端部分および両側の稜線部分によって生体組織を切る切刃部を形成する。
【0021】
上記プローブ6の基端部には図示しないホーンを介して超音波振動を発生するトランスデューサー8が連結されている。このトランスデューサー8において発生した超音波振動はホーンにより増幅された後、プローブ6を経てそのプローブ6の先端にある穿刺針7まで伝達される。トランスデューサー8の基端部にはコネクタ部11が設けられていて、このコネクタ部11に電源装置(図示せず)に接続された図1に示す電気ケーブル12のコネクタ13が着脱可能に連結されるようになっている。
【0022】
図3に示すように、外套管3は、細長い挿入部14と、バルブを内蔵した接続ユニット15とを着脱可能に組み付けて構成される。ここで、挿入部14の先端部には挿入部14の中心線方向と直交する方向に対して斜めに傾斜された先端傾斜面14aが形成されている。また、接続ユニット15にはコック16cと、挿入部14との連結部とは反対側の端面に位置した入口ポート部16が配設されている。
【0023】
図6に示すように、入口ポート部16は、円筒状の入口ポート本体16aを有する。この入口ポート本体16aには、接続ユニット15の内方(奥側)へ向けて突き出したリング状の肩部16bが形成されている。接続ユニット15の内部には、バルブ本体17が配設されている。このバルブ本体17は入口ポート部16からダイレーター4などの挿入に応じて開閉する開閉バルブを構成する。バルブ本体17には弾性体によって形成された伸縮バルブ17a及び逆止バルブ17bが設けられている。伸縮バルブ17aには入口ポート部16の中心線を中心とした小孔17cが開口しており、入口ポート部16からバルブ本体17の内部に挿入器具を挿入した際、この小孔17cの円周部が挿入器具の周縁部位に圧接されて入口ポート部16と挿入器具との間の気密を確保するようになっている。逆止バルブ17bは、挿入器具が挿入されていない場合、腹腔内の気腹ガスが挿入部14側から入口ポート部16側にガスが漏れないように気密を確保する。
【0024】
また、図4に示すように、ダイレーター4には、管状の細長い挿入部18と、この挿入部18の基端部に配設された手元側端部19とが設けられている。挿入部18は、前後の両端部間の中間部に前後の両端部よりも外径寸法を細くした細径部20を形成している。挿入部18の前後の両端部は、外套管3の挿入部14の内径寸法とほぼ同径に設定されている。挿入部18の前端部には外套管3の挿入部14の内径寸法と略同径の外径寸法に設定された直管部21が配設されている。直管部21の先端側には略先細り円錐形状の穿刺孔拡張部22が配置されている。穿刺孔拡張部22の先端部には、直管状の折れ止め部23が延設されている。折れ止め部23の先端部には挿入部18の中心線方向と直交する方向に対して斜めに傾斜された先端傾斜面23aが形成されている。また、図4に示すように、挿入部18の後端部には、細径部20よりも太い太径部24が形成されている。
【0025】
そして、図8に示すように、外套管3の入口ポート部16に、ダイレーター4を挿入した後、そのダイレーター4と外套管3とが正規の組み付け位置に組み付けた状態では、細径部20が伸縮バルブ17aに圧接されて入口ポート部16とダイレーター4との間の気密を確保する。
【0026】
さらに、図7に示すように、太径部24の外周面において、ダイレーター4と外套管3とが正規の組み付け位置に組み付けられた状態で外套管3における入口ポート部16の肩部16bの内周縁部と対応する位置には、クリック機構(係止手段)25が配設されている。このクリック機構25としては溝部26に径方向に弾性変形可能なCリング27を配設して構成されている。
【0027】
また、図7に示すように、ダイレーター4には、太径部24の基端部に位置して、手元側のハンドル部29が形成されている。このハンドル部29の外端側にはリング状の固定部材30とロックリング31とが配設されている。固定部材30とハンドル部29との間には、指標リング32が配設されている。この指標リング32は樹脂材料によって形成されている。指標リング32は、例えばダイレーター4の太さを色分け表示するように設定されている。また、指標リング32は固定部材30とハンドル部29との間で挟持され、固定部材30とハンドル部29との間のシール機能を兼ねている。
【0028】
また、固定部材30の外端部には、ロックリング31内に挿入されるベースリング33が突設されている。このベースリング33の外周面には、ガイドピン34が径方向に向けて突設されている。ロックリング31には、ガイドピン34が挿入されるガイド穴35が径方向に延設されている。ガイド穴35に、ガイドピン34が径方向に移動可能に挿入されている。ロックリング31の外周面にはガイド穴35とは反対側にロック解除ボタン36が配設されている。ロック解除ボタン36の内部にはリターンスプリング37が組み込まれている。そして、ロックリング31はリターンスプリング37のばね力によって、図9(A)に示す通常の位置で待機保持されている。
【0029】
また、図10(A)に示すように、ロックリング31の外端部には、ダイレーター4における太径部24の管の中心内側に挿脱可能に挿入可能な係止爪部31aが突設されている。そして、ロックリング31は、図9(A)に示す通常位置で保持されている係止爪部31aが、ダイレーター4における太径部24の管の中心内側位置まで挿入されるロック位置にあるように保持されている。
【0030】
また、ロック解除の場合、ロックリング31は、図9(B)中に矢印で示すように、ロック解除ボタン36の押し込み操作に伴い、ベースリング33のガイドピン34に沿って径方向に押し込み操作され、係止爪部31aがダイレーター4における太径部24の管の中心外側位置に押し出し操作された位置、すなわち、ロック解除位置に移動する。
【0031】
また、図5(A)に示すように、上記保護シース5には、細長い軟性の直管部39と、この直管部39の基端側の端末部に連結された取手部40とが設けられている。直管部39は、超音波振動するプローブ6と接触する関係から、例えばテフロン(登録商標):PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのように耐熱性が高く、かつ滑り性が高い柔軟な材料で形成されている。直管部39の内径寸法は内針2の穿刺針7の外径寸法と略同径に設定されている。直管部39の基端側部分には、ダイレーター4の係止爪部31aの内径寸法と略同径の周面を形成した位置決め部39aが形成されている。
【0032】
また、図5(A)に示すように、保護シース5の取手部40には、内針2の手元側の着脱部9内に挿入される大径筒体41と、ダイレーター4のロックリング31内に挿入される細長い小径筒体42とが設けられている。大径筒体41の外周面には、リング状の第1の係合溝部43及び第2の係合溝部51が軸方向の前後に所定の間隔をあけて形成されている。小径筒体42の外周面にはリング状の第3の係合溝部44が4つ軸方向に沿って並設されている。
【0033】
また、保護シース5の取手部40には、その保護シース5の内部の気密を確保するためのスリット弁45が配設されている。このスリット弁45は、図5(B)に示すように、弾性体によって形成された円板状のベースプレート46と、このベースプレート46の中心部を通るスリット部47とを有する。保護シース5内に内針2を挿入したとき、保護シース5の手元側に位置するスリット弁45のスリット部47に内針2が差し込まれ、ベースプレート46のスリット部47の周縁部位がプローブ6の外周面に圧接する状態で密着し、保護シース5の内部の気密を確保するようになっている。
【0034】
そして、図11(A)に示すように、内針2と保護シース5が組み付けられた場合、内針2の手元側に位置する着脱部9内にある係合爪部52が第1の係合溝部43に係合したロック状態になってその位置に内針2を保持する。また、このロック状態から着脱ボタン10を押し込み操作することにより、係合爪部52は保護シース5の第1の係合溝部43から外れ、そのロック状態が解除されるようになっている。
【0035】
ロック解除状態では、内針2を保護シース5に対して軸方向に移動させることができる。図11(B)に示すように、ロック解除状態で、内針2を保護シース5に対して軸方向に移動させると、係合爪部52が保護シース5の第2の係合溝部51と係合したロック状態になってその位置に内針2を保持する。このことにより、内針2の先端部である穿刺針7が保護シース5の直管部39内に収納された状態で確実に保持される。
【0036】
また、ダイレーター4と保護シース5とが組み付けられた場合は、ロック解除ボタン36のリターンスプリング37のばね力によって、図9(A)および図10(A)に示すように、ダイレーター4のロックリング31の係止爪部31aが保護シース5のいずれかの位置の第3の係合溝部44に係合し、ロック状態で保持される。このロック状態では、リターンスプリング37のばね力に抗してロック解除ボタン36を図9(B)中に矢印で示す向きに押し込み操作することにより、ロックリング31がベースリング33のガイドピン34に沿って径方向に押し込まれ、係止爪部31aが保護シース5の第3の係合溝部44から外れてロックが解除される(図10(B)参照)。このロック解除状態で、保護シース5をダイレーター4に対して軸方向に移動させて位置を選択することにより、外套管3の先端から突き出る内針2の先端の位置を可変調整することができる。
【0037】
次に、上記第1実施形態の作用について説明する。このトロッカーシステム1を使用する時、予め、図1に示すように、内針2と、外套管3と、ダイレーター4と、保護シース5とを組み付けた状態にセットする。
【0038】
このトロッカーシステム1の組み付け作業は、まず、図8に示すように、外套管3の入口ポート部16内に、ダイレーター4の挿入部18を挿入する。このとき、入口ポート部16内に挿入されたダイレーター4の挿入部18の前端部は、伸縮バルブ17aを押し広げる状態として、前方に押し込まれる(図6参照)。このため、ダイレーター4を挿入した時には、入口ポート部16からバルブ本体17の内部に挿入されるダイレーター4の挿入部18の周縁部位に伸縮バルブ17aが圧接されて、入口ポート部16とダイレーター4の挿入部18との間の気密は確保されることになる。
【0039】
また、図8に示すように、外套管3内に挿入されたダイレーター4を、ダイレーター4と外套管3との正規の組み付け位置まで移動した時点で、クリック機構25が動作する。このクリック機構25が動作した時、Cリング27が拡張して入口ポート部16の肩部16bの内周縁部に引っ掛かり、この引っ掛け状態でクリック機構25の引っ掛け機構が動作する。このとき、クリック感が発生すると同時に外套管3がダイレーター4から軽い力では外れないようにダイレーター4と外套管3とは係脱可能に係止される。
【0040】
また、図8に示すダイレーター4と外套管3との正規の組み付け位置まで、ダイレーター4が移動した状態では、ダイレーター4の先端直管部21が外套管3の先端部の内周面と摺接した状態で保持される。
【0041】
次に、保護シース5内に内針2を挿入する。この挿入作業は、まず、保護シース5における取手部40のスリット弁45におけるスリット部47の部分に内針2を差し込む。このとき、ベースプレート46のスリット部47の周縁部位が内針2の外周面に圧接される状態で保持されることにより、保護シース5の内部側の気密が確保される。さらに、内針2が正規の挿入位置まで保護シース5内に挿入された状態で、保護シース5の第1係合溝部43に内針2の係合爪部52が係合してロック状態で保持される。
【0042】
続いて、保護シース5を装着した内針2を、ダイレーター4の管内に挿入する作業が行われる。この作業時には、保護シース5を装着した内針2が適宜の挿入位置まで挿入された状態で、保護シース5の小径筒体42の4段ある第3の係合溝部44のいずれかの位置にロックリング31の係止爪部31aが選択的に係合する。このとき、ロック解除ボタン36のリターンスプリング37のばね力によってダイレーター4のロックリング31の係止爪部31aが保護シース5のいずれかの位置の第3の係合溝部44に係合したロック状態になりその位置に保持される。
【0043】
以上により、内針2と、外套管3と、ダイレーター4と、保護シース5とが、図1に示すように組み付けられた状態にセットされる。
【0044】
次に、このトロッカーシステム1を患者の体壁に穿刺する場合、内針2の穿刺針7に超音波振動を与えながら内針2の穿刺針7を患者の体壁に穿刺し、この後に、ダイレーターによって穿刺孔を拡張する拡張作業と、外套管3を体壁に挿入する作業とが順次行われる。
【0045】
つまり、患者の体壁に内針2を穿刺した後、内針2の着脱部9にある着脱ボタン10を押し込み操作することにより、係合爪部52が保護シース5の第1の係合溝部43から外れて内針2のロック状態を解除する。
【0046】
続いて、保護シース5に対して内針2を手元側へスライド移動させることにより、係合爪部52が保護シース5の第2の係合溝部51と係合し、ロック状態になる。これにより、内針2の先端部である穿刺針7が保護シース5の直管部39内に収納された状態で確実に保持される。
【0047】
続いて、穿刺針7が保護シース5内に収納された状態で、保護シース5を軸として、外套管3とダイレーター4により体壁の穿刺孔を拡張しながら押し込むことにより、外套管3の挿入部14が腹壁に挿入される。
【0048】
さらに、外套管3の挿入作業後に、内針2と、保護シース5と、ダイレーター4を外套管3から抜去する。これにより外套管3を腹壁に留置した状態になる。
【0049】
上記構成にあっては、次のような効果を奏する。まず、本実施形態のトロッカーシステムでは、内針2と保護シース5が、穿刺針7を保護シース5に収納した留置状態でロック機構によりロックしておけるので、この後、ダイレーター4によって穿刺孔の径を拡張する作業等の際に保護シース5が変形することを防止することができる。同時に、穿刺針7の先端が保護シース5によってカバーされているので、穿刺針7によって体内臓器を傷付ける虞がなくなり、従来に比べて拡張作業や外套管3を挿入するなどの作業が行い易い。
【0050】
なお、図11において、内針2の着脱部9の内部にばね等による付勢手段を設けて、着脱ボタン10を押してロック状態を解除すると、付勢手段の付勢力によって保護シース5が内針2に対して前進し、第1の係合溝部43から離れるように移動し、係合爪部52が自動的に第2の係合溝部51に係合するようにしてもよい。この場合、内針2と保護シース5の関係が、保護シース5に穿刺針7を収納した状態になり、その位置で自動的にロックするので、作業が一層行い易くなる。
【0051】
(第2実施形態)
図12は本発明の第2実施形態に係るトロッカーシステムを示す。本実施形態は上述した第1実施形態(図1乃至図11参照)のトロッカーシステム1の構成を、次の通り変更したものである。
【0052】
すなわち、本実施形態では、第1実施形態の外套管3よりも細径の外套管103を内針2及び保護シース5と組み合わせて使用するように構成した。この場合、第1の実施形態のダイレーター4は使わずに保護シース5を接続した内針2を直接、外套管103に挿入して組み合わせるようにする。
【0053】
ここでは、外套管103は、ダイレーター4を介さない組み合わせなので、保護シース5と係合する手段は有していない。そして、保護シース5の取手部40の位置決め部39aの先端と接続ユニット115の基端部が当接するようになっている。したがって、上述した第1実施形態の場合のように、ダイレーター4から内針2の穿刺針7の突出量を段階的に調整することはできない。
【0054】
本実施形態では、挿入部114を有する外套管103に接続ユニット115と接続する部分にクランプ機構201を設けた。このクランプ機構201はハウジング202の内部に、保護シース当接部材203と、スライド部材204を内蔵してなり、さらに、スライド部材204は、ハウジング202から外側に露出して設けた作動ボタン205によって図12(B)の矢印に示す前後方向に移動できるようになっている。
【0055】
そして、保護シース当接部材203と、スライド部材204は互いに傾斜当接する面を有しており、当接する両面は常に接合しており、図12(B)の矢印に示す方向に作動ボタン205をスライド移動させるように操作すると、保護シース当接部材203が垂直方向に相対的に移動して、保護シース5の直管部39の外側を押さえ付けて固定するようになっている。
【0056】
次に、上記第2の実施形態の作用について説明する。本実施形態のトロッカーシステム1の使用時には、予め、図12に示すように、内針2と、保護シース5と、外套管103が組み付けられた状態として使用される。
【0057】
まず、保護シース5内に内針2を挿入される作業が行われる。この内針2の挿入作業時には、保護シース5における取手部40のスリット弁45のスリット部47に内針2が差し込まれる。このとき、ベースプレート46のスリット部47の周縁部位が内針2の外周面に圧接される状態で保持されることにより、保護シース5の内部側の気密が確保される。
【0058】
さらに、内針2が正規の挿入位置まで挿入された状態で、保護シース5の第1係合溝部43に内針2の係合爪部52が係合され、ロック状態で保持される。
【0059】
続いて、保護シース5を装着した内針2を外套管103の管内に挿入する作業が行われる。ここで、保護シース5における直管部39の任意の位置で外套管103の作動ボタン205を操作することにより、外套管103を保護シース5に固定する。
【0060】
続いて、トロッカーシステム1の内針2の穿刺針7に超音波振動を与えて、患者の体壁に穿刺したのち、外套管103を体壁に挿入する作業が順次行われる。
【0061】
まず、患者の体壁に穿刺したあと、内針2の着脱部9にある着脱ボタン10を押し込み操作することにより、係合爪部52が保護シース5の第1の係合溝部43から外れて、ロックを解除させる。
【0062】
続いて、保護シース5に対して内針2をスライド移動させ、係合爪部52が保護シース5の第2の係合溝部51と係合した状態でロックさせる。これにより、内針2の先端部である穿刺針7が保護シース5の直管部39内に収納された状態で保持されるようになる。
【0063】
続いて、穿刺針7が保護シース5内に収納された状態で保護シース5を軸として、外套管103押し込むことにより、外套管3を腹壁に挿入する。
【0064】
さらに、外套管3の挿入作業後に、内針2と、保護シース5を外套管103から抜去する。
【0065】
本実施形態の構成によれば、次のような効果を奏する。すなわち、本実施形態のトロッカーシステムでは、内針2と保護シース5が、穿刺針7が保護シース5に収納された状態でロックするロック機構を設けた。これにより、外套管103を挿入する作業の際に保護シース5が変形することを防止すると同時に、先端が保護シース5によってカバーされるため、穿刺針7によって体内臓器を傷付ける虞がなくなり、従来に比べて外套管103を挿入する作業が行い易くなる。
【0066】
さらに、外套管103を直管部39の任意の位置に固定することができる。このため、患者の体壁の厚さに応じて穿刺針7の外套管103の先端部114aからの突出量を調整することができる。これにより超音波で穿刺する際に内針2が腹壁を貫通した際に外套管103の先端部114aが腹壁に当接するストッパーとして働くため、さらに安全に穿刺することが可能である。
【0067】
なお、上記のようなクランプ機構を外套管103に外付け式で組み付け、穿刺操作後に取り外せるようにしてもよい。この方式であれば、現行の外套管を構造変更することなく適用できる。
【0068】
(第3実施形態)
図13(A)(B)は、本発明の第3実施形態のトロッカーシステムを示すものである。本実施の形態は第2実施形態(図12参照)のトロッカーシステム1の構成を次の通り変更したものである。
【0069】
すなわち、本実施形態では、保護シース5の直管部39をクランプするクランプ部材301と組み合わせて使用するように構成したものである。図13(B)に示すように、クランプ部材301は支点302と把持部303と操作部304とバネ305から成り、操作部204を図の矢印方向に作動させることによって支点302を支点として把持部303の先端開口部306が開く。把持部303の内側把持面には弾性部材307が配設されている。
【0070】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施形態のトロッカーシステム1の使用時には、予め内針2と、保護シース5と、外套管103が組み付けられた状態で使用される。ここで、クランプ部材301を、保護シース5における直管部39の任意の位置でクランプする。続いて、トロッカーシステム1の内針2の穿刺針7に超音波振動を作動させて、患者の体壁に穿刺したのち、外套管103を体壁に挿入する作業とが順次行われる。
【0071】
上記構成にあっては次のような効果を奏する。すなわち、本実施形態のトロッカーシステムでは、クランプ部材301を直管部39の任意の位置に固定することができるため、患者の体壁の厚さに応じて穿刺針7とクランプ部材301との長さを調整することができる。これにより超音波で穿刺する際に内針2が腹壁を貫通した際にクランプ部材301が腹壁に当接するストッパーとして働くため、穿刺量を規制することが可能になる。
【0072】
なお、本発明は上述した各実施形態のものに限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形ができることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明はトロッカーを製造する技術分野やトロッカーを使用する技術分野で有効である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1実施形態に係るトロッカーシステム全体を示す側面図。
【図2】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムを、器具別に分解した状態を示す側面図。
【図3】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムの外套管の側面図。
【図4】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムのダイレーターの側面図。
【図5】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムの保護シースを示すものであって、(A)は上半分を断面にして示す保護シースの側面図、(B)は保護シースの後端部の正面図。
【図6】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムの外套管の上半分を断面にして示す側面図。
【図7】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムのダイレーターを示すものであって、(A)は上半分および後端部を断面にして示すダイレーターの側面図、(B)は(A)の7B部分を拡大して示す縦断面図、(C)は(A)の7C−7C線に沿う部分の断面図。
【図8】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムのダイレーターと外套管とを組み合わせた状態の上半分および後端部を断面にして示す側面図。
【図9】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムのダイレーターと外套管との間のロック解除ボタンの動作を説明するものであって、(A)はダイレーターと外套管との間を正規の組み付け位置でロックした状態を示す要部の縦断面図、(B)はロック解除ボタンの押し込み動作状態を示す要部の縦断面図。
【図10】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムのダイレーターと外套管との間のロック解除ボタンの動作を説明するものであって、(A)は図9(A)の状態を示す正面図、(B)は図9(B)の状態を示す正面図。
【図11】同じく第1実施形態に係るトロッカーシステムのダイレーターと外套管の入口ポート部の内周縁部との係合状態を示す要部の縦断面図。
【図12】(A)は第2実施形態に係るトロッカーシステムの分解状態を示す側面図、(B)はそのクランプ機構部の上半分を断面して示す拡大側面図。
【図13】(A)は第3実施形態に係るトロッカーシステムの保護シースをクランプ機構によりクランプした状態の側面図、(b)はそのクランプ機構の正面図。
【符号の説明】
【0075】
1…トロッカーシステム
2…内針
3…外套管
4…ダイレーター
5…保護シース
43…第1の係合溝部
51…第2の係合溝部
52…係合爪部




 

 


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