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発明の名称 手術室制御システム及び医療用コントローラ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−68564(P2007−68564A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−255416(P2005−255416)
出願日 平成17年9月2日(2005.9.2)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 内久保 明伸 / 田代 浩一 / 中村 剛明
要約 課題
使用する医療機器と非医療機器の設定作業を手術毎に行う必要のない手術室制御システムを提供する。

解決手段
手術室制御システム1は、手術室内に設けられる医療機器に接続される第1のコントローラ22と、手術室2内に設けられる非医療機器に接続される第2のコントローラ61と、医師名等の識別データを入力して指示するための操作パネル21を有する。第1のコントローラ22は、操作パネル21に入力された医師名等の識別データに基づいて、第1のコントローラ22における医療機器の設定及び第2のコントローラ61に接続される非医療機器の設定を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】
手術室内に設けられる1又は2以上の医療機器に接続される第1のコントローラと、
前記手術室内に設けられる1又は2以上の非医療機器に接続される第2のコントローラと、
前記第1のコントローラに設けられあるいは接続され、術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに対応して予め設定された前記1又は2以上の医療機器の設定情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記第2のコントローラに設けられあるいは接続され、前記術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに対応して予め設定された前記1又は2以上の非医療機器の設定情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記術者識別データ及び手技識別データの少なくとも1つを入力あるいは選択によって指示する識別データ指示手段と、
該識別データ指示手段によって指示された前記術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに基づいて、前記第1のコントローラにおける前記1又は2以上の医療機器の設定及び前記第2のコントローラに接続される前記1又は2以上の非医療機器の設定を行う設定手段とを有することを特徴とする手術室制御システム。
【請求項2】
前記医療機器の設定情報は、前記1又は2以上の医療機器の使用及び不使用の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の手術室制御システム。
【請求項3】
前記医療機器の設定情報は、前記1又は2以上の医療機器の各機器の設定パラメータの情報を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の手術室制御システム。
【請求項4】
前記非医療機器の設定情報は、前記1又は2以上の非医療機器の使用及び不使用の情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の手術室制御システム。
【請求項5】
前記非医療機器の設定情報は、前記1又は2以上の非医療機器の各機器の設定パラメータの情報を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の手術室制御システム。
【請求項6】
前記第1のコントローラに設けられあるいは接続され、前記術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに対応して予め設定された前記1又は2以上の非医療機器の設定情報を記憶する第3の記憶手段と、
前記第2の記憶手段の前記1又は2以上の非医療機器の設定情報と前記第3の記憶手段の前記1又は2以上の非医療機器の設定情報とを照合する設定情報照合手段とを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の手術室制御システム。
【請求項7】
前記設定情報照合手段によって前記第2の記憶手段の前記1又は2以上の非医療機器の設定情報と前記第3の記憶手段の前記1又は2以上の非医療機器の設定情報とが一致しない場合は、前記第1のコントローラは、前記第3の記憶手段の前記1又は2以上の非医療機器の設定情報を、前記第2のコントローラから通信により受信した内容に一致させるように修正する修正処理を実行するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の手術室制御システム。
【請求項8】
前記第1のコントローラと前記第2のコントローラは、中継装置を介して接続されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の手術室制御システム。
【請求項9】
前記1又は2以上の非医療機器は、前記手術室内のルームライト、前記手術室内のルームカメラ、前記手術室内のシーリングカメラ、画像参照格納サーバ、及び画像記録装置の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の手術室制御システム。
【請求項10】
前記1又は2以上の医療機器は、少なくとも内視鏡を含むことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の手術室制御システム。
【請求項11】
手術室内に設けられる1又は2以上の医療機器と、前記手術室内に設けられる1又は2以上の非医療機器を制御する第2のコントローラとに接続されるコントローラであって、
術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに対応して予め設定された前記1又は2以上の医療機器の設定情報を記憶する第1の記憶手段と、
前記術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つを入力あるいは選択によって指示する識別データ指示手段と、
該識別データ指示手段によって指示された前記術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに基づいて、前記第1のコントローラにおける前記1又は2以上の医療機器の設定を行う設定手段と、
前記第2のコントローラに設けられあるいは接続され、前記術者識別データ及び手技識別データの少なくとも1つに対応して予め設定された前記1又は2以上の非医療機器の設定情報を記憶する第2の記憶手段と、
前記識別データ指示手段によって指示された前記術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つを前記第2のコントローラに送信する送信手段とを有することを特徴とする医療用コントローラ。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術室制御システム及び医療用コントローラに関し、特に、非医療機器制御装置と連携した手術室制御システム及び医療用コントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、手術室において使用される内視鏡等の医療機器がシステムコントローラ等によって制御される手術システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。システムコントローラには、被制御装置である医療機器として例えば電気メス装置、気腹装置、内視鏡用カメラ装置、光源装置等が接続されている。さらに、システムコントローラには、表示装置、操作パネル等も接続されている。操作パネルは、表示部とタッチセンサにより構成され、非滅菌域にいる看護師等が操作する集中操作装置になっている。表示装置には、内視鏡画像等が表示される。
【0003】
一方、手術室には、非医療機器であるルームライト、ルームカメラ、インターフォン、液晶表示装置等の視聴覚関連設備があるが、これらは、別途個別に、あるいは集中制御するための視聴覚コントローラによって制御されている。
【0004】
また、使用される医療機器と非医療機器は、手術毎に異なる場合が多い。
【特許文献1】特開2004−157177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した手術システムと、非医療機器を制御する視聴覚コントローラとは連携していない。従って、使用する医療機器と非医療機器の設定を、手術の度にしなければならなかった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、手術システムと非医療機器のコントローラとが連携し、使用する医療機器と非医療機器の設定作業を手術毎に行う必要のない手術室制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の手術室制御システムは、手術室内に設けられる1又は2以上の医療機器に接続される第1のコントローラと、前記手術室内に設けられる1又は2以上の非医療機器に接続される第2のコントローラと、前記第1のコントローラに設けられあるいは接続され、術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに対応して予め設定された前記1又は2以上の医療機器の設定情報を記憶する第1の記憶手段と、前記第2のコントローラに設けられあるいは接続され、前記術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに対応して予め設定された前記1又は2以上の非医療機器の設定情報を記憶する第2の記憶手段と、前記術者識別データ及び手技識別データの少なくとも1つを入力あるいは選択によって指示する識別データ指示手段と、該識別データ指示手段によって指示された前記術者識別データ、手技識別データ及び手術部位識別データの少なくとも1つに基づいて、前記第1のコントローラにおける前記1又は2以上の医療機器の設定及び前記第2のコントローラに接続される前記1又は2以上の非医療機器の設定を行う設定手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、使用する医療機器と非医療機器の設定作業を手術毎に行う必要のない手術室制御システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係わる手術室制御システムを図面を用いて説明する。
本実施の形態に係わる手術室制御システムは、手術室内に設けられる1つ又は複数の医療機器と、医療機器用のコントローラとしてのシステムコントローラとを含む。まず、複数の医療機器及びこれらの医療機器を制御するシステムコントローラを含む手術システムの例の1つである内視鏡手術システムについて説明する。図1は、手術室2に配置される内視鏡手術システム3の全体構成を示す構成図である。
【0010】
図1に示すように、手術室2内には、患者48が横たわる患者ベッド10と、内視鏡手術システム3が配置される。この内視鏡手術システム3は、第1カート11及び第2カート12を有している。
【0011】
第1カート11には、被制御装置である医療機器として例えば電気メス装置13、気腹装置14、内視鏡用カメラ装置15、光源装置16及びビデオテープレコーダ(VTR)17等の装置類と、二酸化炭素等を充填したガスボンベ18が載置されている。内視鏡用カメラ装置15は、カメラケーブル31aを介して第1の内視鏡31に接続される。光源装置16は、ライトガイドケーブル31bを介して第1の内視鏡31に接続される。
【0012】
また、第1カート11には、表示装置19、第1の集中表示パネル20、操作パネル21等が載置されている。表示装置19は、内視鏡画像等を表示する、例えばTVモニタである。
【0013】
集中表示パネル20は、手術中のあらゆるデータを選択的に表示させることが可能な表示手段となっている。操作パネル21は、後述するように識別データを指示するための識別データ指示手段を構成し、例えば液晶ディスプレイ等の表示部とこの表示部上に一体的に設けられた例えばタッチセンサにより構成され、非滅菌域にいる看護師等が操作する集中操作装置になっている。
【0014】
更に、第1カート11には、制御装置であるシステムコントローラ22が載置されている。このシステムコントローラ22には、上述の電気メス装置13と気腹装置14と内視鏡用カメラ装置15と光源装置16とVTR17とが、図示しない通信線を介して接続されている。システムコントローラ22には、ヘッドセット型のマイク33が接続できるようになっており、システムコントローラ22はマイク33から入力された音声を認識し、術者の音声により各機器を制御できるようになっている。
【0015】
一方、前記第2カート12には、被制御装置である内視鏡用カメラ装置23、光源装置24、画像処理装置25、表示装置26及び第2の集中表示パネル27が載置されている。
【0016】
内視鏡用カメラ装置23はカメラケーブル32aを介して第2の内視鏡32に接続される。光源装置24はライトガイドケーブル32bを介して第2の内視鏡32に接続される。
【0017】
表示装置26は、内視鏡用カメラ装置23でとらえた内視鏡画像等を表示する。第2の集中表示パネル27は、手術中のあらゆるデータを選択的に表示させることが可能になっている。
【0018】
これら内視鏡用カメラ装置23と光源装置24と画像処理装置25とは、第2カート12に載置された中継ユニット28に図示しない通信線を介して接続されている。そして、この中継ユニット28は、中継ケーブル29によって、上述の第1カート11に搭載されているシステムコントローラ22に接続されている。
【0019】
従って、システムコントローラ22は、これらの第2カート12に搭載されているカメラ装置23、光源装置24及び画像処理装置25と、第1カート11に搭載されている電気メス装置13、気腹装置14、カメラ装置15、光源装置16及びVTR17とを集中制御するようになっている。このため、システムコントローラ22とこれらの装置との間で通信が行われている場合、システムコントローラ22は、上述の操作パネル21の液晶ディスプレイ上に、接続されている医療機器を含む各種装置の設定状態や操作スイッチ等の設定画面を表示できるようになっている。さらに、システムコントローラ22は、所望の操作スイッチが触れられて所定領域のタッチセンサが操作されることによって設定値の変更等の操作入力が行えるようになっている。
【0020】
リモートコントローラ30は、滅菌域にいる執刀医等が操作する第2集中操作装置であり、通信が成立している他の装置を、システムコントローラ22を介して操作することができるようになっている。
【0021】
図2は、本実施の形態に係わる手術室制御システム1の全体構成を示すブロック構成図である。手術室制御システム1は、内視鏡手術システム3と、非医療機器システムである視聴覚システム(以下、AVシステムという)4を含む。内視鏡手術システム3は、詳細には図1に示した構成であるが、図2では、説明を簡単にするために簡略化して示してある。図2において、医療機器群51は、システムコントローラ22に直接接続、あるいは中継ユニット28を介して間接的に接続された内視鏡用カメラ装置15、電気メス13等の医療機器である。なお、図2では、中継ユニット28を介して接続された第2の集中表示パネル27は省略してある。
【0022】
手術室制御システム1の視聴覚システム4は、視聴覚コントローラ(以下、AVコントローラという)61を含み、AVコントローラ61は、システムコントローラ22とケーブル9により接続されている。
【0023】
AVコントローラ61は、手術室内に設けられた各視聴覚機器(以下、AV機器という)を含む非医療機器を制御するコントローラである。図2に示すように、AVコントローラ61に接続される非医療機器は、本実施の形態では、表示装置62と、ルームライト63と、ルームカメラ64と、シーリングカメラ65と、参照画像格納サーバ66と、遠隔にいる者と会議をするための会議システム(以下、テレ会議システムという)67と、周辺機器68である。さらに、AVコントローラ61には、AV機器用の操作パネル69が接続されている。従って、AV機器とは、画像データの記録、再生等を行うAV機器だけでなく、手術室2内に設置された照明等の設備機器をも含む非医療機器をいう。
【0024】
表示装置62は、液晶表示装置(LCD)あるいはプラズマ表示パネル(PDP)であり、予め指定された、あるいは操作パネル69において看護師等が指定した機器の画像、例えば後述する参照画像格納サーバ66からの画像を表示する。ルームライト63は、手術室2内を照明する装置である。ルームカメラ64は、手術室2内の様子を撮るカメラである。シーリングカメラ65は、天井からつり下げられ、その位置を変更することができるカメラである。参照画像格納サーバ66は、術前に撮った患者の内視鏡画像、超音波断層像画像、PACS等の画像データを格納したサーバ、例えばDICOMサーバであり、手術室2内あるいは手術室2外に設けられる。テレ会議システム67は、医局あるいはナースステーションにいるナース等と音声と共に映像を表示しながら、会話ができるシステムである。周辺機器68は、各種機器であり、例えば、プリンタ、CDプレーヤ、DVDレコーダ等の機器である。なお、内視鏡手術システム3の内視鏡画像は、AVシステム4へ別な信号線を介して供給されており、DVDレコーダにおいて録画できるようになっている。操作パネル69は、操作パネル21と同様のパネルであり、AVコントローラ61に接続された各AV機器を制御するための装置である。
【0025】
本実施の形態に係わる手術室制御システム1は、システムコントローラ22に接続されたリモコン30等の操作指示入力手段を操作することによって、AVコントローラ61に接続された各AV機器が制御可能となるように構成されている。例えば、術者は、リモコン30を操作したり、マイク33を用いて音声指示を行う等することによって、所望のAV機器を制御することができる。例えば、術者が、「録画」と声を発すると、マイク33によって音声信号がシステムコントローラ22へ入力される。そして、システムコントローラ22は、非医療機器制御コマンドとしての録画コマンドをAVコントローラ61へ送信し、その結果、AVコントローラ61は、予め設定された録画用のAV機器、例えばDVDレコーダに対して録画指示信号を出力することによって、画像の録画等を行うことができる。
【0026】
システムコントローラ22は、記憶手段としての記憶装置22aを有し、記憶装置22aには、後述するように、医師名等の所定の識別データとしてのキーワードに対応して、使用する医療機器と、さらに必要ならば医療機器の設定値等のパラメータデータが予め設定されて記憶されている。また、AVコントローラ61も、記憶手段としての記憶装置61aを有し、記憶装置61aには、後述するように、医師名等の所定の識別データとしてのキーワードに対応して、使用するAV機器と、さらに必要ならばAV機器の設定値等のパラメータデータが予め設定されて記憶されている。例えば、手術室制御システム1が病院等に設置するとき、いわゆるシステムの納品時に、これらの使用する医療機器等の情報と、使用するAV機器等の情報が記憶装置22aと61aに記憶される。
【0027】
なお、記憶装置22aと61aは、システムコントローラ22とAVコントローラ61内にそれぞれ設けられなくてもよく、システムコントローラ22とAVコントローラ61からそれぞれアクセス可能なように接続されるものであってもよい。
【0028】
図3は、医師名に対応して、記憶装置22aに記憶された医療機器リストデータと、記憶装置61aに記憶されたAV機器リストデータの関係を説明するための図である。医療機器リストデータは、術者識別データとしての医師名に対応して予め設定された医療機器の設定情報である。AV機器リストデータは、術者識別データとしての医師名に対応して予め設定されたAV機器の設定情報である。
【0029】
図3に示すように、医師名「Dr. Nakamura」に対応して、手術時に使用する医療機器として電気メス、気腹装置等が使用されることと、さらに、各機器の設定パラメータとして電気メスの出力は30Wで、気腹装置の流量が1L/minであることが、記憶装置22aの医療機器リストデータとして記述、すなわち記憶されている。
【0030】
また、図3に示すように、医師名「Dr. Nakamura」に対応して、手術時に使用するAV機器としてルームライト、DVDレコーダ等が使用されることと、さらに、各機器の設定パラメータとしてルームライトはオフ、DVDレコーダはスタンバイであることが、記憶装置61aのAV機器リストデータとして記述、すなわち記憶されている。
【0031】
以上のような医師名に対応して、医療機器リストデータが記憶装置22aに、そしてAV機器リストデータが記憶装置61aに予め記憶されている。
【0032】
なお、本実施の形態では、術者識別データとしての医師名に対応して、医療機器リストデータとAV機器リストデータが記憶されている例で説明するが、手技識別データとしての手技名、あるいは手術部位識別データとしての手術部位名を、単独であるいは組み合わせて用いてもよい。例えば、手技毎、手術部位毎、医師名と手技との組合せ毎、あるいは医師名と手術部位との組合せ毎等に対応して、医療機器リストデータとAV機器リストデータを予め設定して記憶させて用いるようにしてもよい。
【0033】
さらに、本実施の形態では、リストデータは、医師名に対応して、使用する機器のリストデータが記憶されている例で説明するが、機器名毎に、使用/不使用の情報を付加したようなリストデータであってもよい。
【0034】
従って、手術の準備をする看護師等は、識別データ指示手段である操作パネル21に医師名等のキーワードを指定するだけで、システムコントローラ22の設定、すなわちどの医療機器を使用するのか、さらに使用する医療機器の初期状態、出力値、設定値などの各種パラメータの設定等を行うことができる。すなわち、システムコントローラ22は、操作パネル21に入力された医師名に対応する医療機器リストデータを読み出し、そのデータに基づいて、システムコントローラ22に接続された医療機器の設定を行うことができる。
【0035】
同様に、AVコントローラ61の設定、すなわちどのAV機器を使用するのか、さらに使用するAV機器の初期状態、出力値、設定値などの各種パラメータの設定等も、同時に行うことができる。すなわち、AVコントローラ61は、操作パネル21に入力された医師名に対応するAV機器リストデータを読み出し、そのデータに基づいて、AVコントローラ61に接続されたAV機器の設定を行うことができる。
【0036】
よって、看護師等は医師名を操作パネル21に入力するだけで、システムコントローラ22における医療機器の設定を行い、かつシステムコントローラ22は、医師名のデータをAVコントローラ61へ供給することによって、AVコントローラ61におけるAV機器の設定も行うことができる。
【0037】
なお、上述した例では、看護師等が医師名を操作パネル21に1回入力するだけで、システムコントローラ22とAVコントローラ61のそれぞれの設定が行われるが、看護師等は、システムコントローラ22とAVコントローラ61のそれぞれに対してキーワードとしての医師名を別々に入力するようにしてもよい。
【0038】
さらになお、上述した例では、医師名等の指示は、看護師等が医師名を操作パネル21に入力することによって行っているが、操作パネル21に表示された医師名等のリストの中から選択するようにして行ってもよい。
【0039】
図4は、ユーザがシステムコントローラ22に医師名を入力することによって、システムコントローラ22における医療機器の設定を行う場合におけるシステムコントローラ22の処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0040】
まず、医師、看護師等のユーザが、操作パネル21を操作して、システムコントローラ22を所定の設定モードに設定する。その設定モードにおいて、ユーザにより、操作パネル21から、システムコントローラ22に医師名が入力される(ステップS1)。
【0041】
システムコントローラ22は、システムコントローラ22が制御を行う医療機器について、入力された医師名に対応する医療機器リストデータを、記憶装置22aから読み込む(ステップS2)。
【0042】
システムコントローラ22は、読み出した医療機器リストデータに基づいて、接続されている医療機器の設定を行う(ステップS3)。この設定は、システムコントローラ22に接続されている医療機器のうち、使用される医療機器が動作可能状態で接続されていることを確認し使用可能状態にすることと、使用される医療機器の出力値などの設定パラメータ値を設定すること、等々である。ステップS3の処理が、システムコントローラ22における各医療機器の設定を行う設定手段を構成する。さらに、使用される医療機器が動作可能状態で接続されていない、あるいは設定値の設定が正しく行われなかった、等々の場合には、所定のエラー表示等のエラー告知処理が行われる。
【0043】
次に、システムコントローラ22は、入力された医師名のデータを、通信線であるケーブル9を介して、AVコントローラ61へ送信する(ステップS4)。ステップS4が、医師名等の識別データを送信する送信手段を構成する。
【0044】
図5は、システムコントローラ22からの医師名データを受信することによって、AVコントローラ61におけるAV機器の設定を行う場合におけるAVコントローラ61の処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0045】
まず、AVコントローラ61が、システムコントローラ22から医師名データを受信する(ステップS11)。
【0046】
受信した医師名データに対応するAV機器リストを読み込む(ステップS12)。
【0047】
AVコントローラ61は、読み出したAV機器リストデータに基づいて、接続されているAV機器の設定を行う(ステップS13)。この設定は、AVコントローラ61に接続されているAV機器のうち、使用されるAV機器が動作可能状態で接続されていることを確認し使用可能状態にすることと、使用されるAV機器の出力値などの設定値を設定すること、等々である。ステップS13の処理が、AVコントローラ61における各非医療機器の設定を行う設定手段を構成する。さらに、使用されるAV機器が動作可能状態で接続されていない、あるいは設定値の設定が正しく行われなかった、等々の場合には、所定のエラー表示等のエラー告知処理が行われる。
【0048】
図6は、以上の処理の全体を説明するための説明図である。すなわち、図6に示すように、記憶装置22aと61aには、医師名等のキーワードに対応する医療機器リストとAV機器リストが複数予め登録されている。そして、システムコントローラ22は、そのキーワードに対応する医療機器の設定を行い、一方で、AVコントローラ61も、同じキーワードに対応するAV機器の設定を行うので、結果としてAVコントローラ61におけるAV機器の自動設定を行うことができる。
【0049】
以上のように、ユーザが医師名等の所定のキーワードを入力あるいは指定することによって、システムコントローラ22とAVコントローラ61は、それぞれ既に登録されている医療機器リストとAV機器リストを読み出して、必要な設定を行う。
【0050】
次に、本実施の形態の変形例を説明する。
上述した例では、システムコントローラ22とAVコントローラ61は、それぞれの記憶装置に予め記憶されている医療機器リストとAV機器リストを読み出して、必要な設定を行うが、AV機器は種々変更される場合がある。AV機器に変更がある場合、術者等がその変更に気が付かずにデータの記録等の指示を行うおそれが生じる。そこで、以下に説明する変形例に係るシステムコントローラ22は、AVコントローラ61から、接続されているAV機器の情報を受信して、予め記憶されているAV機器とそのとき実際に接続されているAV機器のチェックを行うようにした。
【0051】
図7は、システムコントローラ22に接続された記憶装置22bに記憶される情報と、AVコントローラ61に接続された記憶装置61aに記憶される情報とを説明するための図である。
【0052】
図7に示すように、システムコントローラ22には、医療機器リストDL1とAV機器リストAL1のデータを有する記憶装置22bが設けられ、あるいは接続され、AVコントローラ61には、AV機器リストAL2のデータを有する記憶装置61aが設けられ、あるいは接続されている。AV機器リストAL1とAL2は、医師名等の所定の識別データとしてのキーワードに対応して、使用するAV機器と、さらに必要ならばAV機器の設定値等がそれぞれ予め記憶されている。AV機器リストAL1のデータを記憶する記憶領域が、AV機器リストAL1のデータのための記憶手段を構成する。
【0053】
そして、手術前にAV機器リストAL1とAL2とを照合し、一致していないときは、ユーザにその旨を知らせることによって、手術開始後に、術者等が使用できると思っていたAV機器が接続されていない、接続されているが利用できない等の状況が生じないようにすることができる。
【0054】
なお、本変形例では、AV機器リストAL1のデータは、医療機器リストDL1のデータと一緒に記憶装置22bに記憶されているが、AV機器リストAL1と医療機器リストDL1のデータは、それぞれ別々の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0055】
図8は、システムコントローラ22が行うAV機器の照合の処理の流れの例を示すフローチャートである。図8の処理は、上述した設定すなわち図4と図5の処理を行う前に、あるいは行った後に実行される。
【0056】
まず、システムコントローラ22は、AVコントローラ61に対して、記憶装置61aに記憶されているAV機器リストAL2のデータの送信要求を行う(ステップS21)。送信要求を受信したAVコントローラ61は、記憶装置61aからAV機器リストAL2のデータを読み出し、コントローラ22へ送信する。例えば、AVコントローラ61は、AV機器リストAL2のデータをテキストデータでコントローラ22へ送信する。
【0057】
システムコントローラ22は、AVコントローラ61からAV機器リストAL2のデータを受信したかの判断を行い(ステップS22)、受信しないときは、ステップS22でNOとなり、処理は何もしない。AVコントローラ61からAV機器リストAL2のデータを受信すると、ステップS22でYESとなり、システムコントローラ22は、記憶装置22aから読み出したAV機器リストAL1のデータと、受信したAV機器リストAL2のデータとを比較して照合する(ステップS23)。ステップS23が、AV機器リストAL1のデータとAV機器リストAL2のデータとを比較して照合する設定情報照合手段を構成する。AV機器リストAL1とAL2のデータは、テキストデータであり、「VTR」、「DVDレコーダ」等のテキストデータである。
【0058】
ステップS23における照合は、各リストのテキストデータを一つずつ一致するか否かを、順番にチェックすることによって行われる。そのチェックは、例えば、AV機器リストAL2の中から一つのデータを読み出し、その読み出したデータがAV機器リストAL1の中に一致したデータがあるか否かを比較して判断することによって行われる。このとき、設定値等のパラメータデータも併せてあれば、そのパラメータデータの有無、さらにデータが一致するか否かのチェックも行う。
【0059】
システムコントローラ22は、照合の結果、全てのデータが一致したか否かを判断し(ステップS14)、相違が無ければ、何もしないで処理を終了する。照合の結果、全てのデータが一致しない場合は、ステップS14でNOとなり、修正処理を行う(ステップS15)。
【0060】
照合の結果が一致しない場合としては、例えば、ある医師が新しいAV機器を使用したいために、AVコントローラ61にその新しいAV機器を追加して接続させていれば、システムコントローラ22のAV機器リストAL1とAL2は一致しない場合がある。図2において点線で示すように、新しいAV機器70がAVコントローラ61に接続されたような場合である。そのような場合に、システムコントローラ22側のAV機器リストデータAL1の内容を、AVコントローラ61から受信したAV機器リストデータAL2の内容と一致するように修正して、記憶装置22aに記憶するようにすれば、システムコントローラ22は最新のAV機器の内容を把握することができる。
【0061】
修正処理は、ここでは、例えば、AVコントローラ61からのAV機器リストAL2のデータの内容に合わせるように、AV機器リストAL1のデータの内容を修正し、かつ修正したことを、メッセージで操作パネル21等に表示、あるいは音声出力する処理を含む。
【0062】
その結果、ユーザである看護師等に、修正されたことが告知されるので、手術前に必要な設定変更等をシステムコントローラ22に対して行うことができる。なお、このとき、AVコントローラ61が送信するAV機器リストAL2のデータは、記憶装置61aに記憶されているAV機器であって、使用可能状態となっているもののみをシステムコントローラ22へ送信し、使用可能状態になっていないもの、例えば電源がONとなっていないものは送信しないようにすることによって、ユーザが使用したいAV機器が使用状態にあるかの確認をすることができるようにしてもよい。このようにすれば、各AV機器の電源の入れ忘れをチェックすることができる。
【0063】
さらに、システムコントローラ22は、AVコントローラ61に接続されていない、あるいは電源がオンになっていないAV機器に対するコマンドを、ユーザから指示されても、受け付けない、例えば、エラーである旨を音声、表示等によって術者等に知らせるようにする。一方で、システムコントローラ22は、上述したように、新しいAV機器が接続された場合には、その新しいAV機器に対するコマンドをアクティブにする等の処理を行う。
【0064】
以上のように、本変形例においても、ユーザが医師名等の所定のキーワードを入力、あるいは指定することによって、システムコントローラ22とAVコントローラ61は、それぞれ既に登録されている医療機器リストとAV機器リストを読み出して、必要な設定を行い、かつシステムコントローラ22は、AVコントローラ61にAV機器リストデータを送信させ、システムコントローラ22が把握しているAV機器と相違するか否かを判断し、相違する場合には、修正処理を行うことによって、相違するAV機器に対しても適切な処理ができるようにすることができる。
【0065】
なお、上述した実施の形態及び変形例において、システムコントローラ22とAVコントローラ61は、ケーブル9によって直接接続されていたが、図1の点線で示すケーブル9aにより中継装置28を介して接続されるようにしてもよい。
【0066】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態に係わる内視鏡手術室制御システムの全体構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる手術システムの全体構成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる医師名に対応して記憶された医療機器リストデータとAV機器リストデータの関係を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わるシステムコントローラの設定を行う場合におけるシステムコントローラの処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係わるAVコントローラの設定を行う場合におけるAVコントローラの処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態に係わる処理の全体を説明するための説明図である。
【図7】本発明の実施の形態の変形例に係わる、システムコントローラに接続された記憶装置に記憶される情報と、AVコントローラに接続された記憶装置に記憶される情報とを説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態の変形例に係わるシステムコントローラが行うAV機器の照合の処理の流れの例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 手術室制御システム、2 手術室、3 内視鏡システム、4 視聴覚システム、22 システムコントローラ、22a、61a 記憶装置、61 AVコントローラ




 

 


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