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発明の名称 内視鏡
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−54400(P2007−54400A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−244685(P2005−244685)
出願日 平成17年8月25日(2005.8.25)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 渡辺 厚
要約 課題
挿入部を屈曲した体腔内に挿入し易い挿入性の良好な内視鏡を提供する。

解決手段
体腔内に挿入される挿入部の先端側部分に第1の湾曲部12と第2の湾曲部13とを設け、最大湾曲時の挿入軸方向におけるそれぞれの曲率半径を第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13とも先端側部分を後端側部分より小さくなるように湾曲駒21、22,22,24を回動自在に連結して形成し、屈曲した体腔内への挿入を行い易くした。
特許請求の範囲
【請求項1】
観察手段が設けられた先端部と、この先端部の基端部付近の第1の湾曲部と、第2の湾曲部とが順次形成された挿入部を有する内視鏡において、
前記第1の湾曲部と、第2の湾曲部とにおける最大湾曲時の曲率半径を、先端側部分が後端側部分よりもそれぞれ小さくなるように形成したことを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記第1の湾曲部の後端側部分の最大湾曲時の曲率半径を、前記第2の湾曲部の先端側部分の曲率半径より小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記第1の湾曲部の後端側部分の最大湾曲時の曲率半径を、前記第2の湾曲部の先端側部分の曲率半径より大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記第1の湾曲部及び第2の湾曲部の先端側部分の最大湾曲時の曲率半径と、前記第1の湾曲部及び第2の湾曲部の後端側部分の最大湾曲時の曲率半径とを略同一としたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記第2の湾曲部は、能動的に湾曲する能動的湾曲部であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記第2の湾曲部は、受動的に湾曲する受動的湾曲部であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端部付近に湾曲部が設けられた挿入部を有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野の内視鏡は、例えば、体腔内に細長い挿入部を挿入することによって、体腔内の臓器等を観察したり、必要に応じて処置具挿通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をすることができる。この内視鏡挿入部には、先端から順に、先端(構成)部、湾曲部及び可撓管部が配設されている。
内視鏡の挿入部を体腔内へ挿入する際、術者は、可撓管部を把持して、体腔内へ押し込みながら、内視鏡の操作部に配設される操作ノブを所定操作することにより湾曲部を所望の方向へ湾曲させる。このような、内視鏡の挿入部は、屈曲する体腔内への挿入性を良くするため種々の工夫がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開昭58−49132号公報)に記載される内視鏡は、挿入部の先端部分に先端側から順に、能動的に湾曲自在の第1の湾曲部及び受動的に湾曲可能な第2の湾曲部が連設されている。この第1の湾曲部は、内部に複数の湾曲駒が連設されており、操作部の所定操作によって湾曲される。一方、第2の湾曲部は、腰が弱く、外力により容易に湾曲される。
また、特許文献2(実公平1−22641号公報)に記載される内視鏡の挿入部には、先端側から順に、外部から4方向へ能動的に湾曲操作可能な第1の湾曲部と、ステーコイル及び節輪が配設され、4方向へ受動的に湾曲自在な構造からなる非常に曲がり易い第2の湾曲部とが連設されている。
【特許文献1】特開昭58−49132号公報
【特許文献2】実公平1−22641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、内視鏡の挿入部が体腔内の屈曲部分を通過する際、第2の湾曲部は、湾曲操作された第1の湾曲部の湾曲状態と体腔壁の屈曲に沿って湾曲される。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載される内視鏡の第2の湾曲部は、第1の湾曲部よりも腰が弱く、非常に曲がり易いため、押し込み等の際に効率良く力を伝達しにくくなる可能性がある。
そのため、体腔内への挿入をより円滑に行い易くできると便利である。
【0005】
(発明の目的)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入する際の挿入性を向上できる内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、観察手段が設けられた先端部と、この先端部の基端部付近の第1の湾曲部と、第2の湾曲部とが順次形成された挿入部を有する内視鏡において、
前記第1の湾曲部と、第2の湾曲部とにおける最大湾曲時の曲率半径を、先端側部分が後端側部分よりもそれぞれ小さくなるように形成したことを特徴とする。
上記構成により、体腔内に挿入される挿入部の先端側部分を大きな屈曲部の深部側に挿入する場合、第1の湾曲部の先端側部分を後端側部分よりも大きく湾曲することができると共に、第2の湾曲部においてもその先端側部分を後端側部分よりも大きく湾曲することができるようにして、挿入の際に先端側部分に対して後端側部分を円滑に追従させ易くし、挿入性を向上している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、屈曲した体腔内に挿入部を挿入する際の挿入性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
図1ないし図9を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は内視鏡を備えた内視鏡装置の全体構成図である。
図1に示すように、内視鏡装置1は、図示しない撮像手段を備えた電子内視鏡(以下、内視鏡と略記)2と、照明光を供給する光源装置3と、内視鏡2の撮像手段から伝送された電気信号により映像信号を生成するプロセッサ4と、この映像信号を受けて内視鏡画像を表示する表示装置であるモニタ5とから構成される。
本実施例の内視鏡2は、体腔内に挿入される長尺の挿入部6と、この挿入部6の基端側に設けられた操作部7と、この操作部7の一側部から延出されるユニバーサルコード8とによって主に構成される。
【0010】
操作部7は、把持部7aと、湾曲操作ノブ7bと、撮像手段のレリーズの指示などをするための各種スイッチ7cと、送気送水ボタンなどの各種ボタン7dを備えている。ユニバーサルコード8は、延出された端部に、照明光を供給する光源装置3に脱着自在に接続される内視鏡コネクタ8aが設けられている。この内視鏡コネクタ8aから電気ケーブル9が延出され、この電気ケーブル9の末端に、撮像手段に対する信号処理を行うプロセッサ4に着脱自在に接続される電気コネクタ9aが設けてある。
内視鏡2の挿入部6は、先端側から順に、硬質の先端構成部(又は先端部)11、能動的に湾曲する湾曲部12、受動的に湾曲する湾曲部13、可撓性を有する可撓管部14とから構成されている。
【0011】
なお、以下では、簡単化のため、湾曲操作手段による操作により、上下、左右の任意の方向に湾曲自在の能動的な湾曲部12と、挿入された状況の外力などに応じて湾曲される受動的な湾曲部13とを第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13の表現を用いて説明する。
先端構成部11内には、撮像手段としてCCD、CMOSなどの撮像素子、この撮像素子を駆動するための回路基板、観察光学系などから構成される図示しない撮像ユニットが内蔵されている。また、先端構成部11には、体腔内の観察対象部位を照明するための照明光が通るライトガイドの先端部分が配設され、このライトガイド、照明光学系などから構成される照明ユニットが内蔵されている。
次に、図2から図5に基づいて、挿入部6の先端構成部、第1の湾曲部12、第2の湾曲部13及び可撓管部14の構成について説明する。
【0012】
図2は、挿入部の先端側を示す斜視図、図3は挿入部の先端部分を長手方向に沿って切断した縦断面図、図4は湾曲駒の一部を示す斜視図、図5(A)から図5(D)は、図3のA−A線、B−B線、C−C−線、D−D線に沿う先端構成部、第1の湾曲部、連結部、第2の湾曲部の各横断面図である。
図2に示すように、挿入部6の先端に配設される先端構成部11は、先端面に観察用レンズなどを備える観察窓11a、照明用レンズ等を備えた例えば、2つの照明窓11b及び鉗子等の処置具が挿通される鉗子チャンネルの開口部11cが配設されている。
この先端構成部11の基端側に連設される第1の湾曲部12は、先端側から順に、第1先端側湾曲部12a及び第1後端側湾曲部12bの2部分から構成されている。
【0013】
なお、第1先端側湾曲部12aは、例えば、30〜35mm程度の挿入軸方向の長さを有し、第1後端側湾曲部12bは、例えば、40〜45mm程度の挿入軸方向の長さを有している。
第2の湾曲部13は、先端側から順に、第2先端側湾曲部13a及び第2後端側湾曲部13bの2部分から構成されている。なお、第2先端側湾曲部13aは、例えば、20〜25mm程度の挿入軸方向の長さを有し、第2後端側湾曲部13bは、例えば、30〜40mmの挿入軸方向の長さを有している。
また、第1の湾曲部12と第2の湾曲部13の間、すなわち、第1後端側湾曲部12bと第2先端側湾曲部13aの間には、連結部15が配設されている。
図3に示すように、第1の湾曲部12は、後述するように湾曲自在にすると共に、その曲率を所定量に規制する複数の湾曲駒(湾曲節輪とも言う)21,22がそれぞれ回動自在に連設して構成されている。
【0014】
また、第2の湾曲部13も、後述するように湾曲の際の曲率を規制する複数の湾曲駒23,24がそれぞれ回動自在に連設して構成されている。
これら複数の湾曲駒21〜24は、細線のワイヤなどを筒状に編み込んだ湾曲ブレード30で覆われるとともに、この湾曲ブレード30上に水密を保つように第1の外装管体である外皮31を被せることによって、第1の湾曲部12、連結部15及び第2の湾曲部13が形成されている。
なお、湾曲ブレード30及び外皮31は、第1の湾曲部12、連結部15及び第2の湾曲部13を夫々合わせた全長に渡って一体となるように被覆しても良く、第1の湾曲部12、連結部15及び第2の湾曲部13に対して夫々別々に被覆しても良い。
【0015】
従って、第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13は、夫々の曲げ剛性が等しくなるように、所定の曲げ剛性を有する外皮31が被せられている。なお、この外皮31は、第1の湾曲部12を被覆している部分の肉厚が、第2の湾曲部13を被覆している部分よりも薄く形成されていても良い。従って、第1の湾曲部12の曲げ剛性に対して、第2の湾曲部13の曲げ剛性を低く設定しても良い。
第1先端側湾曲部12a内には、複数の第1の湾曲駒21が連設されている。一方、第1後端側湾曲部12b内には、複数の第2の湾曲駒22が連設されている。なお、最先端の第1の湾曲駒21は、先端構成部11の基端側に配設されている。
また、第2先端側湾曲部13a内には、曲率を規制する複数の第3の湾曲駒23が連設されている。
【0016】
一方、第2後端側湾曲部13b内には、複数の第4の湾曲駒24が連設されている。なお、第1後端側湾曲部12bの最後端の第2の湾曲駒22は、連結部15内の第5の湾曲駒25の先端に回動自在に連結され、またこの連結部15の最後端の湾曲駒25は、第2先端側湾曲部13aの最先端の第3の湾曲駒23と回動自在に連結されている。
図4に示すように、各湾曲駒21,22、23,24は、夫々が略円筒状の短い管によって形成されている。各湾曲駒21,22、23,24の夫々の一端側には、隣接する駒に対して回動自在に連結するための一対の枢支部40Aが配設されている。これら一対の枢支部40Aは、各湾曲駒21,22、23,24の円周を2等分する位置、すなわち、挿入軸周り方向に180度で互いにずれた位置に配設されている。
【0017】
また、各湾曲駒21,22、23,24の夫々の他端側にも、一端側と同様に一対の枢支部40Bがそれらの板厚分だけ内周側にずらされて配設されている。すなわち、各湾曲駒21,22、23,24は、一端側と他端側の夫々の枢支部40A,40Bが互いに重なり、枢支部40A,40Bに穿設されている孔部41にリベットなどの枢軸部材42を通して軸支されている。
また、1つの各湾曲駒21,22、23,24において、一端側の一対の枢支部40Aは、他端側の一対の枢支部40Bに対して挿入軸周りに90度回転した、互い違いにずらされた位置に配設される。
すなわち、1つの各湾曲駒21,22、23,24において、一端側の一対の枢支部40Aは、夫々の枢軸部材42の枢軸を結んだ線と他端側の一対の枢支部40Bを結んだ線及び挿入軸とに対して直交する方向の位置に配設されている。
【0018】
従って、連結された各湾曲駒21,22、23,24は、一端側が枢支部40Aの夫々の枢軸部材42の軸周り2方向と他端面側が前記2方向と挿入軸とに対して直交する枢支部40Bの枢軸部材42の軸周り方向の2方向へ回動できるように接続されている。
なお、本実施例の説明において、枢支部40A,40Bと枢軸部材42によって構成された部分を関節部40という。なお、連結部15の湾曲駒25も同様に関節部40により回動自在に連結した構成である。
図3に戻って、各湾曲駒21,22、23,24は、夫々が連結された状態において、一端側又は他端側の夫々の枢軸部材42の枢軸を結んだ線、すなわち、回動軸の中心を頂点として隣接する対向面の成す角が所定の角度となるように夫々構成されている。以下に各湾曲駒21,22、23,24の連結状態について説明する。
【0019】
第1先端側湾曲部12aの挿入軸が直線状態においては、回動して当接する第1の湾曲駒21の2つの対向面の成す角は、回動軸中心を頂点として所定の角度θ1に設定されている。また、第1先端側湾曲部12a内において、平行な軸方向の枢軸部材42を有する一対の関節部40は、第1先端側湾曲部12aの長手方向に対して、それらの枢軸部材42の軸間が互いに所定の距離d1だけ離されて構成されている。
第1後端側湾曲部12bの挿入軸が直線状態においては、回動して当接する第2の湾曲駒22の2つの対向面の成す角は、回動軸中心を頂点として所定の角度θ2に設定されている。また、第1後端側湾曲部12b内における平行な軸方向の枢軸部材42を有する一対の関節部40は、第1後端側湾曲部12bの長手方向に対して、それらの枢軸部材42の軸間が互いに所定の距離d2だけ離されて構成されている。
【0020】
第2先端側湾曲部13aの挿入軸が直線状態においては、回動して当接する第3の湾曲駒23の2つの対向面の成す角が回動軸中心を頂点として所定の角度θ3に設定されている。また、第2先端側湾曲部13a内において、平行な軸方向の枢軸部材42を有する一対の関節部40は、第2先端側湾曲部13aの長手方向に対して、それらの枢軸部材42の軸間が互いに所定の距離d3だけ離されて構成されている。
第2後端側湾曲部13bの挿入軸が直線状態においては、回動して当接する第4の湾曲駒24の2つの対向面の成す角が回動軸中心を頂点として所定の角度θ4に設定されている。また、第2後端側湾曲部13b内における平行な軸方向の枢軸を有する一対の関節部40は、第2後端側湾曲部13bの長手方向に対して、それらの枢軸部材42の軸間が互いに所定の距離d4だけ離されている。
【0021】
なお、第1先端側湾曲部12a及び第1後端側湾曲部12bの連結部分は、最基端の第1の湾曲駒21の一対の関節部40と最先端の第2の湾曲駒22の一対の関節部40とによって回動自在に連結されている。
さらに、第2先端側湾曲部13a及び第2後端側湾曲部13bの連結部分は、最基端の第3の湾曲駒23の一対の関節部40と最先端の第4の湾曲駒24の一対の関節部40とによって回動自在に連結されている。
また、最基端の第2の湾曲駒22及び最先端の第3の湾曲駒23は、連結部15内において、一対の関節部40によって回動自在に連結されている。
また、可撓管部14内には、螺旋管であるフレックス管26が挿通されている。このフレックス管26の外周には、第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13と同様に、ブレード27が被せられている。さらに、ブレード27の外周には、外皮31よりも可撓性の低い、すなわち、曲げ剛性の高い第2の外装管体となる外皮28が被せられている。
【0022】
従って、可撓管部14は、基端側の押し込み力量が十分に挿入部6の先端部分に伝達するために、第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13に比べて、可撓性が低い、つまり、曲げ剛性が高く設定されている。なお、第2の湾曲部13と可撓管部14の間には、外皮31と外皮28を糸巻きによって接着している糸巻接着部29が設けられている。
また、挿入部6内には、第1の湾曲部12の第1先端側湾曲部12a及び第1後端側湾曲部12bを湾曲操作により一方を牽引、他方を弛緩させるための2対、つまり4本の湾曲操作ワイヤ32(アングルワイヤとも言う)が挿通されている。これら湾曲操作ワイヤ32は、第1の湾曲部12内の上下、左右の各内壁位置に設けたワイヤガイド36内に挿通保持されている。
また、後述するように上下方向の湾曲を行うための湾曲操作ワイヤ32は、連結部15においてはその先端が連結部15の湾曲駒25に固定されたコイルシース34内に挿通されている。また、左右方向の湾曲を行うための湾曲操作ワイヤ32は、連結部15より後方側においてはその先端が湾曲駒23に固定されたコイルシース34内に挿通されている。
【0023】
なお、本実施例で用いられるコイルシース34は、ワイヤをパイプ状に密着巻きした非圧縮性の構造を有している。
これら湾曲操作ワイヤ32は、図5(A)に示すように、それぞれの先端部分が先端構成部11の本体11aの基端側において、図5(A)の紙面に向かって略上下左右方向に離間した4点において固定部材35によって保持固定されている。
また、これら湾曲操作ワイヤ32は、基端部が操作部7(図1参照)内に設けられた図示しない湾曲操作機構に連結されて牽引及び弛緩が与えられるようになっている。なお、湾曲操作機構は、操作部7に配設される湾曲操作ノブ7bに連結されている。
【0024】
これらの湾曲操作ワイヤ32は、湾曲操作ノブ7bの所定の操作によって牽引、弛緩される。従って、4本の湾曲操作ワイヤ32が夫々、牽引、弛緩されることによって、第1の湾曲部12が4方向へ湾曲操作される。
また、図5(B)に示すように、第1の湾曲部12内の第1の湾曲駒21(第2の湾曲駒22でも同様)の内側において、湾曲操作ワイヤ32が挿通保持される2つのワイヤガイド36が基端面側近傍の内周面に溶着などの手段によって固設されている。
これら2つのワイヤガイド36は、各湾曲駒21の円周を2等分する挿入軸周り方向の180度に互いにずれた内周面の位置であって、一対の関節部40に対して挿入軸周りに夫々90度ずれた位置に設けられている。なお、図5(B)は、第1先端側湾曲部12aを輪切りにした断面図であって、第1の湾曲駒21を基端側から見た図となる。
【0025】
また、本実施例における説明においては、図5(A)及び図5(B)の紙面に向かって上下方向を図3の挿入部6の挿入軸に直交する垂直方向とし、そして図5(A)及び図5(B)の紙面に向かって左右方向とはその上下方向に直交し、且つ、図3の挿入部6の挿入軸に対しても直交する水平方向となっている。
また、図5(C)に示すよう連結部15において、上下方向の湾曲操作ワイヤ32が挿通されるコイルシース34の先端がろう付け等により湾曲駒25の内壁面に固定されている。また、この連結部15内での固定位置よりも少し後方側で、左右方向の湾曲操作ワイヤ32が挿通されるコイルシース34の先端がろう付け等により湾曲駒23に固定されている。
【0026】
つまり、図5(D)に示すように、左右方向の湾曲操作ワイヤ32が挿通されるコイルシース34の先端がろう付け等により、第2の湾曲部13の第3の湾曲駒23の内壁面に固定されている。
従って、上述の構成により、第1の湾曲部12、第2の湾曲部13、連結部15及び可撓管部14は、図3の紙面に向かって垂直方向及び水平方向となる図5(A)ないし図5(D)における各紙面に向かって上下方向及び左右方向の4方向に湾曲可能となっている。
次に、第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13の最大湾曲時における各曲率及び各曲率半径について図6及び図7に基づいて説明する。なお、ここでの各曲率及び各曲率半径の説明においては、第1の湾曲部12の第1後端側湾曲部12bの長手方向の断面図を使って説明する。
【0027】
図6は、略直線状態の第1後端側湾曲部12bを長手方向に沿って切断した断面図、図7は、最大湾曲させた状態の第1後端側湾曲部12bを長手方向に沿って切断した断面図である。なお、図6及び図7では、ワイヤガイド36内に通される湾曲操作ワイヤ32を取り去った状態で湾曲駒22が真っ直ぐな状態及び湾曲された状態を示している。
前述したように、第1後端側湾曲部12bの挿入軸が直線状態において、回動して当接する第2の湾曲駒22の2つの対向面の成す角は、回動軸中心を頂点として所定の角度θ2に設定されている。また、第1後端側湾曲部12b内における平行な軸方向の枢軸部材42を有する一対の関節部40は、第1後端側湾曲部12bの長手方向に対して、それらの枢軸部材42の軸間が互いに所定の距離d2だけ離されて構成されている。
図7に示すように、第1後端側湾曲部12bは、隣接する各第2の湾曲駒22の湾曲する方向側の周端部が当接した状態において、最大の湾曲状態となる。
【0028】
より詳細には、各第2の湾曲駒22は、湾曲方向に対して、回動軸となる関節部40の枢軸部材42の軸周り方向に、第1後端側湾曲部12bの湾曲により弧を描く挿入軸よりも内側の周端部が夫々近づくように移動される。
そして、各第2の湾曲駒22は、弧を描く挿入軸よりも内側の夫々の周端部が当接し関節部40の軸廻り方向の回動が制止される。従って、第1後端側湾曲部12bは、第2の湾曲駒22の各周端部が当接することによってストッパの代わりとなり、関節部40の軸廻り方向の回動が制止された状態が第1後端側湾曲部12bの最大湾曲状態となる。
最大に湾曲された第1後端側湾曲部12bの挿入軸方向における曲率半径R2は、第1後端側湾曲部12bの挿入軸が直線状態において、隣接する2つの第2の湾曲駒22の対向面がなす角である所定の角度θ2と枢軸部材42の軸方向が平行である夫々の軸間の距離d2との関係によって設定されている。
【0029】
つまり、最大に湾曲された第1後端側湾曲部12bの挿入軸方向における曲率半径R2の逆数となる曲率C2も、第1後端側湾曲部12bの挿入軸が直線状態において、隣接する2つの第2の湾曲駒22が回動して当接する2つの対向面が成す角である所定の角度θ2及び、第1後端側湾曲部12bの長手方向に対して、平行な軸方向の枢軸部材42の軸間の距離d2との関係によって設定されている。
この第1後端側湾曲部12bの最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C2及び曲率半径R2は、次の式(1)により算出することができる。
C2=1/R2≒(2tanθ2/2)/d2…(1)
なお、第1後端側湾曲部12bは、最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C2が、例えば、1/33(/mm)程度、すなわち、最大湾曲時の挿入軸方向における曲率半径R2が33mm程度に設定されている。
【0030】
同様にして、第1先端側湾曲部12a、第2先端側湾曲部13a及び第2後端側湾曲部13bについても上述のように夫々の最大湾曲時の各挿入軸方向における曲率及び曲率半径が設定されている。
つまり、第1先端側湾曲部12aの最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C1及び曲率半径R1は、第1先端側湾曲部12aの挿入軸が直線状態において、隣接する2つの第1の湾曲駒21が回動して当接する2つの対向面が成す角である所定の角度θ1及び、第1先端側湾曲部12aの長手方向に対して、平行な軸方向の枢軸部材42の軸間の距離d1との関係によって設定される。
この第1先端側湾曲部12aの最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C1及び曲率半径R1は、次の式(2)により算出することができる。
【0031】
C1=1/R1≒(2tanθ1/2)/d1…(2)
なお、第1先端側湾曲部12aは、最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C1が、例えば、1/16.5(/mm)程度、すなわち、最大湾曲時の挿入軸方向における曲率半径R1が16.5mm程度に設定されている。
また、第2先端側湾曲部13aの最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C3及び曲率半径R3は、第2先端側湾曲部13aの挿入軸が直線状態において、隣接する2つの第3の湾曲駒23が回動して当接する2つの対向面が成す角である所定の角度θ3及び、第2先端側湾曲部13aの長手方向に対して、平行な軸方向の枢軸部材42の軸間の距離d3との関係によって設定される。
この第2先端側湾曲部13aの最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C3及び曲率半径R3は、次の式(3)により算出することができる。
【0032】
C3=1/R3≒(2tanθ3/2)/d3…(3)
なお、第2先端側湾曲部13aは、最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C3が、例えば、1/43(/mm)程度、すなわち、最大湾曲時の挿入軸方向における曲率半径R3が43mm程度に設定されている。
さらに、第2後端側湾曲部13bの最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C4及び曲率半径R4は、第2後端側湾曲部13bの挿入軸が直線状態において、隣接する2つの第4の湾曲駒24が回動して当接する2つの対向面が成す角である所定の角度θ4及び、第2後端側湾曲部13bの長手方向に対して、平行な軸方向の枢軸部材42の軸間の距離d4との関係によって設定される。
この第2後端側湾曲部13bの最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C4及び曲率半径R4は、次の式(4)により算出することができる。
【0033】
C4=1/R4≒(2tanθ4/2)/d4…(4)
第2後端側湾曲部13bは、最大湾曲時の挿入軸方向における曲率C4が、例えば、1/54(/mm)程度、すなわち、最大湾曲時の挿入軸方向における曲率半径R4が54mm程度に設定されている。
本実施例では、第1の湾曲部12においては、第1先端側湾曲部12aと第1後端側湾曲部12bとは、各最大湾曲時の各挿入軸方向における夫々の曲率の関係がC1>C2となるように、前記各角度θ1、θ2及び前記各距離d1、d2が設定されている。
また、本実施例では、第2の湾曲部13においては、第2先端側湾曲部13aと第2後端側湾曲部13bとは、各最大湾曲時の各挿入軸方向における夫々の曲率の関係が、C3>C4となるように、前記各角度θ3、θ4及び前記各距離d3、d4が設定されている。
【0034】
本実施例では、このように第1の湾曲部12においては、C1>C2、第2の湾曲部13においては、C3>C4を満たすように設定されていることが特徴となっている。
本実施例ではこのように、C1>C2、かつC3>C4に設定しているが、より具体的には以下のような関係を満たすようにC1〜C4を設定している。
以上のように、第1先端側湾曲部12a、第1後端側湾曲部12b、第2先端側湾曲部13a及び第2後端側湾曲部13bは、各最大湾曲時の各挿入軸方向における夫々の曲率の関係がC1>C2>C3>C4となるように、前記各角度θ1〜θ4及び前記各距離d1〜d4が設定されている。
換言すれば、第1先端側湾曲部12a、第1後端側湾曲部12b、第2先端側湾曲部13a及び第2後端側湾曲部13bは、各最大湾曲時の各挿入軸方向における夫々の曲率半径の関係がR1<R2<R3<R4となるように、前記各角度θ1〜θ4及び前記各距離d1〜d4が設定されている。
【0035】
従って、本実施例の内視鏡2における挿入部6は、第1先端側湾曲部12aから第2後端側湾曲部13bにかけて段階的に最大湾曲時の挿入軸方向における曲率が小さくなるように設定されて構成されている。
換言すると、内視鏡2の挿入部6は、第1先端側湾曲部12aから第2後端側湾曲部13bにかけて段階的に最大湾曲時の挿入軸方向における曲率半径が大きくなるように設定されている。
また、前述したように、挿入部6の可撓管部14は、第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13の曲げ剛性よりも高い曲げ剛性を有している。つまり、挿入部6の可撓管部14は、第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13の可撓性よりも低い可撓性を有している。
【0036】
そこで、本実施例における上述ように構成された内視鏡2の挿入部6を体腔内、例えば、大腸内へ挿入する際の作用について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、大腸60の形状を示し、肛門61から上方に直腸62が形成され、この直腸62の上部付近からS字状に屈曲したS状結腸63が形成され、その深部側に上方に延びる下行結腸64を経て脾湾曲部65と続く。大きく屈曲した脾湾曲部65を通ると横方向に延びる横行結腸66となる。
先ず、術者は、内視鏡2の挿入部6を先端構成部11側を患者の肛門61に挿入し、挿入部6の可撓管部14を把持して、捻り操作などして押し込みながら大腸60内へ挿入する。このとき、可撓管部14は、所定の剛性を有しているため、術者からの押し込み力が挿入部6の先端側部分、つまり、第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13に十分に伝えられる。
【0037】
先端構成部11が直腸62の上端付近に達したら、術者は、湾曲操作ノブ7bを操作して第1の湾曲部12を湾曲して直腸62の上端付近から屈曲する部分に沿って押し込み、さらに湾曲操作ノブ7bを反対方向に屈曲させながら押し込むことにより、先端構成部11をS状結腸63のSDジャンクション63aの奥に導入する。
このような挿入操作を行う場合、先端構成部11の基端に形成された第1の湾曲部12は、その先端側の部分(つまり第1先端側湾曲部12a)の最大湾曲時の曲率半径R1をその後端側部分よりも小さく(より具体的には最も小さく)できるように設定してあるので、この第1の湾曲部12の先端側部分を大きく屈曲させることによりS状結腸63の深部側のSDジャンクション63aの奥に導入し易い。
【0038】
また、この場合、第1の湾曲部12の先端側部分よりも後方側は、曲率半径が順次大きくなるようにしてあるので、先端側部分の挿入移動に対して少しづつ屈曲変形させて円滑に深部側に追従移動させることができる。
そして、先端構成部11をSDジャンクション63aの奥に導入した状態で、第1の湾曲部12を最小の曲率半径の状態に屈曲して、その屈曲部をSDジャンクション63aの屈曲部に引っかけるようにして挿入部6を一旦、引き抜くようにして、S状結腸63を縮めた状態にした後、挿入部6を押し込む作業を行うことにより、先端構成部11を下行結腸64側に挿入することができる。
さらに挿入部6を押し込むことにより、先端構成部11は脾湾曲部65に達するようになり、この場合にも脾湾曲部65の屈曲方向に第1の湾曲部12を大きく湾曲させながら挿入部6を押し込む。
【0039】
すると、図9(A)に示す状態となる。この場合においても、第1の湾曲部12の先端側部分(つまり第1先端側湾曲部12a)の曲率半径は、後端側部分よりも小さくできるので、急峻な屈曲部分となる脾湾曲部65の場合にも、先端構成部11をその深部側に湾曲して挿入することができる。
その後、挿入部6を押し込む操作を行うことにより、図9(B)に示すように第1の湾曲部12側を深部側に移動でき、さらに挿入部6を押し込む操作を行うことにより、図9(C)に示すように第1の湾曲部12の後端に形成された第2の湾曲部13側もこの急峻な屈曲部分の深部側に移動させることができる。
【0040】
この場合においても、第1の湾曲部12の先端側部分から第2の湾曲部13の後端側部分までその曲率半径を次第に大きくなるように設定してあるので、屈曲部分の屈曲量を徐々に緩和するように変形させる等して脾湾曲部65の深部側に円滑に挿入移動させることができる。
つまり、第1の湾曲部12においては、その先端側部分がその後端側部分より曲率半径を小さくでき、先端側部分を湾曲してその屈曲部を通すことにより、それより大きい曲率半径の後端側部分も屈曲部の屈曲量を変形させる(屈曲部が急峻である場合)等して円滑に深部側に挿入させ易くなる。
【0041】
第1の湾曲部12を屈曲部の深部側に通した後において、第2の湾曲部13を通す場合においても、先端側部分がその後端側部分より曲率半径を小さくでき、この先端側部分を湾曲してその屈曲部を通すことにより、それより大きい曲率半径の後端側部分も深部側に導入(挿入)させ易くなる。
例えば、図9(C)では、第2の湾曲部13の先端側部分(つまり先端側湾曲部13a)を脾湾曲部65で湾曲させた状態を示し、この後、挿入部6を押し込むことにより、これより大きな(最大湾曲時の)曲率半径の後端側部分(つまり第2後端側湾曲部13b)を脾湾曲部65の深部側に導入(挿入)させ易くなる。
また、第2の湾曲部13における先端側部分と後端側部分との最大湾曲時の曲率半径の値を規制しているので、過度に湾曲(屈曲)して急峻な屈曲となることを回避でき、押し込んだ力が先端に伝わり易く、挿入の際の抵抗を小さくできる。従って、挿入部6を円滑に挿入することができる。
【0042】
従って、本実施例によれば、良好な挿入性を確保できる。
なお、以上のように構成した内視鏡2の第1先端側湾曲部12a、第1後端側湾曲部12b、第2先端側湾曲部13a、第2後端側湾曲部13bの各部における最大湾曲時の挿入軸方向における曲率の値をC1>C2>C3>C4となる、つまり、最小の曲率半径の値をR1<R2<R3<R4となる関係にすることによって、挿入部6の先端部分が腸管屈曲部を通過するための挿入力量は、従来の内視鏡に比べて、おおよそ30%〜40%程度に低減するという結果を得ることができる。
従って、本実施例の内視鏡2は、その挿入部6を屈曲した体腔内へ挿入する際の挿入性が各段に向上するという効果を得ることができる。
【実施例2】
【0043】
次に図10及び図11を参照して本発明の実施例2を説明する。
図10は、本発明の実施例2の内視鏡の挿入部6の先端側部分を長手方向(挿入軸方向)に沿って切断した縦断面図を示す。
本実施例の内視鏡の挿入部6は、実施例1と同様に先端構成部11の後端に第1の湾曲部12が形成され、この第1の湾曲部12の後端には連結部15を介して第2の湾曲部13′が形成されている。
第2の湾曲部13′は、第2先端側湾曲部13a′と第2後端側湾曲部13b′とにより形成されている。
【0044】
本実施例では、第2先端側湾曲部13a′を構成する第3の湾曲駒は、第1の湾曲駒21により形成されている。つまり、曲率半径R1,R3の値が同じ値となる(つまり曲率ではC1=C3の関係,曲率半径ではR1=R3の関係)。また、第2後端側湾曲部13b′を構成する第4の湾曲駒は、第2の湾曲駒22により形成されている。つまり、曲率半径R2,R4の値が同じ値となる(つまり曲率ではC2=C4,曲率半径ではR2=R4)。
また、本実施例においては、第1の湾曲部12の先端側湾曲部12aの長さと、第2の湾曲部13の先端側湾曲部13a′の長さとは等しく、かつ第1の湾曲部12の後端側湾曲部12bの長さと、第2の湾曲部13′の後端側湾曲部13b′の長さとは等しくなるようにしている。その他の構成は、実施例1において説明したものと同様の構成であり、同一の構成要素には同じ符号を付け、その説明を省略する。
【0045】
このような構成による内視鏡を体腔内に挿入した場合の作用を図11を参照して以下に説明する。
実施例1の場合と同様に大腸内に挿入する場合で説明する。本実施例の内視鏡の挿入部6の先端構成部11を肛門から大腸内に挿入する。この場合、実施例1とほぼ同様の操作で直腸及びS状結腸を経てSDジャンクションの深部側に挿入する。本実施例では、第1の湾曲部12の後端に、この第1の湾曲部12の先端側部分及び後端側部分と(最大湾曲時において)同一の曲率半径となる第2の湾曲部13′が設けてある。
従って、第1の湾曲部12を通した後、第2の湾曲部13′を通す際に、実施例1の場合よりも第1の湾曲部13′の屈曲状態を大きく変更しないで通し易い。つまり、第1の湾曲部12の後端側部分を屈曲部の深部側に通した後には、その屈曲部の曲率は、第2の湾曲部13の先端側部分(つまり第2先端側湾曲部13a′)の(最大湾曲時の)曲率半径より大きいので、第2の湾曲部13側の先端側部分を通し易い。
【0046】
また、SDジャンクションの深部の下行結腸64内を挿通して、脾湾曲部65の急峻な屈曲部に沿って第1の湾曲部12を湾曲させながら、挿入部6を押し込むことにより、図11(A)に示す状態にする。
この状態においても、第1の湾曲部12の先端側部分の(最大湾曲時の)曲率半径R1を、その後端側部分よりも小さくしているので、脾湾曲部65の急峻な屈曲部に沿って先端構成部11及び第1の湾曲部12の先端側部分をその屈曲部の深部側に円滑に導入できる。
その後、実施例1で説明したのと同様に挿入部6を押し込むことにより、図11(B)を経て図11(C)で示すように第1の湾曲部12を脾湾曲部65の深部側に挿入移動できる。
【0047】
この場合、脾湾曲部65に臨む第2の湾曲部13′は、その先端側部分(つまり先端側湾曲部13a′)の(最大湾曲時の)曲率半径R3が、第1の湾曲部12の先端側部分の曲率半径R1と同じ値に設定してあるので、第1の湾曲部12を通した後ではその湾曲状態に追従させることが容易となる。そして、さらに挿入部6を押し込む操作を行うことにより、図11(D)に示すように第2の湾曲部13′も脾湾曲部65の深部側の横行結腸66側に挿入移動させることができる。
このように本実施例においても、第2の湾曲部13′の先端側部分の曲率半径R3をその後端側部分よりも小さくしているので、屈曲した体腔内への挿入作業を円滑に行うことができる。
また、本実施例においては、第2の湾曲部13を第1の湾曲部12と同じ湾曲駒21,22を用いて形成すると共に、第2の湾曲部13′の先端側部分の長さを第1の湾曲部12の先端側部分の長さと等しくし、かつ第2の湾曲部13′の後端側部分の長さを第1の湾曲部12の後端側部分の長さと等しくしているので、製造時の部品点数を削減でき、第1の湾曲部12及び第2の湾曲部13′とを低コストで製造することができる。
【0048】
なお、本実施例においては、第2の湾曲部13′を第1の湾曲部12の湾曲駒21,22をそのまま使う例で説明したが、第1の湾曲部12と第2の湾曲部13′との長手方向の長さを異なる長さに変更しても良い。
また、第2の湾曲部13′の先端側部分を、第1の湾曲部12の後端側部分の湾曲駒22を採用して形成しても良く、このようにした場合にも低コスト化できる。
上述した各実施例においては、上下方向の湾曲操作ワイヤ32を挿通したコイルシース34と左右方向の湾曲操作ワイヤ32を挿通したコイルシース34とを挿入部6の長手方向にずらしてその先端を固定した。
このようにずらして固定することにより、湾曲させた場合の特性を上下、左右の方向とも同じように湾曲させることができる。この場合の作用の概略の説明図を図12に示す。
【0049】
なお、図12(A)は、左右方向(図中ではRLと略記)に湾曲した状態、図12(B)は、図12(A)において真っ直ぐな状態にした場合の第2の湾曲部13付近の構成の概略を示す。また、図12(C)は上下方向(図中ではUDと略記)において真っ直ぐにした状態、図12(D)は図12(C)の状態側上下方向に湾曲した状態の第2の湾曲部13付近の形状の概略を示す。
また、比較のために、図12(E)から図12(H)は、先端側から先端構成部81、第1の湾曲部82、第2の湾曲部83、可撓管部84を順次形成した場合におけるコイルシースの固定位置をずらさない場合における構造及び形状の概略を示す。
なお、図12(E)は、第2の湾曲部83を左右方向に湾曲した状態、図12(F)は図12(E)の状態で、真っ直ぐな状態にした場合の第2の湾曲部83付近の構成の概略を示す。また、図12(G)は、上下方向において真っ直ぐにした状態、図12(H)は図12(G)の状態から上下方向に湾曲した状態の第2の湾曲部83付近の形状の概略を示す。
【0050】
図12(E)から図12(H)に示すように、上下、左右方向の湾曲操作ワイヤを挿通した各コイルシースの固定位置を同じ固定部分aにした場合には、両方を固定したこの固定部分aのために左右方向に第2の湾曲部83を湾曲した場合には図12(E)に示すような湾曲形状となる。ここで、2つの曲率半径をRa′及びRb′で示している。
また、上下方向に湾曲した場合には図12(H)のようになり、図12(E)の場合よりは小さな曲率半径Rc′で湾曲できる。なお、図12(G)において、第2の湾曲部83の長さをLaで示している。
一方、上下方向の湾曲操作ワイヤを通したコイルシースの固定位置bと左右方向のコイルシースの固定位置cを長手方向にずらすことにより、左右方向に第2の湾曲部13を湾曲した場合には図12(A)のように湾曲できる。なお、符号bとcの固定位置は異なる湾曲駒であれば、殆ど同じ湾曲特性となる。ここで、2つの曲率半径をRa及びRbで示している。
【0051】
また、上下方向の第2の湾曲部13を湾曲した場合には図12(D)のように湾曲できる。ここで、2つの曲率半径をRc及びRdで示している。なお、図12(C)において、第2の湾曲部13の長さをLbで示している。
このように上下方向と左右方向とでコイルシースの固定位置をずらすことにより、第2の湾曲部13を湾曲した場合における湾曲特性となる曲率半径をより均一化することができる。つまり、湾曲した場合における方向依存性をより小さくでき、任意の方向に湾曲させた場合の湾曲特性をより向上できる。なお、図12に示した例では、第2の湾曲部13の構成が図3或いは図10に示したものと異なる変形例の場合で図示しているが、基本的な湾曲特性は、図3或いは図10の場合でも同様となる。
なお、上述の実施例等においては、第2の湾曲部13,13′として受動的な湾曲部の場合で説明したが、さらに挿入部6内に湾曲操作ワイヤを挿通して、その先端を第2の湾曲部13、13′の最先端の湾曲駒23等に固定し、かつこの湾曲操作ワイヤの後端を図1の操作部7に設けた図示しない第2の湾曲操作ノブに連結されたプーリ等に固定し、この第2の湾曲操作ノブを回動する操作を行うことにより、第2の湾曲部を能動的に湾曲させることができる構成にしても良い。
【0052】
このような構成にした場合、上述した実施例で挿入部6を押し込んで第2の湾曲部13,13′が受動的に湾曲する作用の代わりに、操作部7に設けた第2の湾曲操作ノブの操作により、第2の湾曲部13,13′を能動的に湾曲させることができる。
この場合、湾曲量等を自在に設定できるため、さらに屈曲した大腸等の体腔内への挿入をより円滑に挿入することができる。
また、第1、第2の湾曲部12,13等を湾曲駒で形成したものに限定されるものでなく、例えば導電性高分子人工筋肉のように電圧を印加することにより、電圧を印加された方に収縮する等の特性を利用して形成しても良い。
また、本発明は、以上述べた実施例のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0053】
[付記]
1.請求項1において、前記第1の湾曲部と、第2の湾曲部は、回動自在に枢支された湾曲駒によりそれぞれ形成される。
2.請求項1において、前記第2の湾曲部は、前記第1の湾曲部を構成する湾曲駒と同じ湾曲駒を用いて形成される。
3.請求項1において、前記第1の湾曲部の後端側部分は、前記第2の湾曲部の先端側部分と最大湾曲時の曲率半径が略等しい。
4.請求項1において、前記第1の湾曲部の挿入部方向の長さは、前記第2の湾曲部の挿入部方向の長さより長い。
5.請求項6において、前記受動的湾曲部内においては、湾曲操作ワイヤが挿通されたコイルシースが挿通されている。
【0054】
6.付記5において、上下湾曲用の湾曲操作ワイヤが挿通されたコイルシースと、左右湾曲用の湾曲操作ワイヤが挿通されたコイルシースとは挿入部の長手方向における先端の固定位置が異なる。
7.請求項1において、前記第2の湾曲部の後端には可撓性の可撓管部が形成され、前記第2の湾曲部は、前記可撓性の可撓管部よりも曲げに対する剛性(硬度)が低い。
8.観察手段が設けられた先端部と、この先端部の基端部付近の第1の湾曲部と、第2の湾曲部とが順次形成された挿入部を有する内視鏡において、
第2の湾曲部における最大湾曲時の曲率半径を、先端側部分が後端側部分より小さくなるように形成したことを特徴とする内視鏡。
【産業上の利用可能性】
【0055】
挿入部の先端側部分に第1の湾曲部と第2の湾曲部とを順次形成して、先端側部分を後端側部分よりも最大湾曲時の曲率半径をそれぞれ小さくしているので、屈曲した体腔内への挿入を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施例1の内視鏡を備えた内視鏡装置の全体構成図。
【図2】挿入部の主に先端側を示す斜視図。
【図3】挿入部の先端側を長手方向に沿って切断した縦断面図。
【図4】湾曲部の湾曲駒を説明するための斜視図。
【図5】図3のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線の各横断面図。
【図6】挿入軸が直線状態の第2の湾曲部を長手方向に沿って切断した縦断面図。
【図7】最大湾曲させた状態の第2の湾曲部を長手方向に沿って切断した縦断面図。
【図8】大腸の概略の形状を示す説明図。
【図9】本実施例の内視鏡の挿入部を大腸内に挿入した状態の動作の説明図。
【図10】本発明の実施例2の内視鏡における挿入部の先端側の構造を示す縦断面図。
【図11】実施例2の内視鏡の挿入部を大腸内に挿入した状態の動作の説明図。
【図12】上下方向の湾曲操作ワイヤを挿通したコイルシースの先端の固定位置と左右方向の湾曲操作ワイヤを挿通したコイルシースの先端の固定位置とをずらした場合と同じ位置で固定した場合とにおける第2の湾曲部を湾曲させた場合の形状等を示す図。
【符号の説明】
【0057】
1…内視鏡装置
2…内視鏡
6…挿入部
7…操作部
7b…湾曲操作ノブ
11…先端構成部
12…第1の湾曲部
12a…先端側湾曲部
12b…後端側湾曲部
13…第2の湾曲部
13a…先端側湾曲部
13b…後端側湾曲部
14…可撓管部
15…連結部
21、22、23、24…湾曲駒
26…フレックス管
31…外皮
32…湾曲操作ワイヤ
34…コイルシース
35…固定部材
36…ワイヤガイド
40A,40B…枢支部
40…関節部




 

 


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