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発明の名称 超音波凝固切開装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−50181(P2007−50181A)
公開日 平成19年3月1日(2007.3.1)
出願番号 特願2005−238979(P2005−238979)
出願日 平成17年8月19日(2005.8.19)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 宮澤 太郎
要約 課題
生体組織を把持した後、一連の把持動作を続けて行うことによって、凝固処置と切開処置とを行える超音波凝固切開装置の提供。

解決手段
高周波処置用部材54を構成する二股形状把持歯部54aの生体組織との接触部位から矢印Bに示すように血管100を介してプローブ6に高周波電流が流れて凝固が開始され、組織内の水分が蒸発されて血管が徐々に薄くなっていき、把持部材5がプローブ6に向かって移動するように、可動ハンドル27aが回動操作されることによって、薄くなった血管100が超音波処置用部材55の凹み55dに密着した第2の把持状態になる。押圧保持された血管100に対して先端部6aから超音波振動が伝達され、凝固部101を含む血管100の所定部位が摩擦熱によって切断されていく。超音波処置用部材55がプローブ6の先端部6aに当接することによって、血管100が切断される。血管の切断部近傍は止血状態である。
特許請求の範囲
【請求項1】
生体組織に対して、超音波振動による処置を施すために電気的信号を超音波振動に変換する超音波振動子と、
所定の長さと外径とを有する棒状部材にて構成され、前記超音波振動子で発生した超音波振動を先端側部へ伝達する、基端側部が前記超音波振動子に接続されたプローブと、
前記プローブの外面との間で生体組織を把持し、把持した該生体組織を凝固及び切開するために、前記プローブの外面に近接した位置と遠位した位置との間を開閉動作可能に構成された把持部材と、
前記生体組織に対して高周波電流による処置を施すために、前記プローブ、と前記把持部材とを高周波電源の所定部に電気的に接続するための高周波電源接続部と、
を具備し、
閉動作によって移動された前記把持部材と前記プローブの外面との間で生体組織を把持した第1の把持状態においては該生体組織に対して少なくとも前記高周波電源からの高周波電流による凝固処置を開始し、該生体組織に対して凝固処置を施すことによって該把持部材が更に前記プローブに近接した位置に移動された第2の把持状態においては凝固が施された生体組織を含む該生体組織に対して前記超音波振動子で発生された超音波振動による切開処置を開始することを特徴とする超音波凝固切開装置。
【請求項2】
前記把持部材に、該把持部材を閉動作させたとき、該把持部材を構成する導電性部材と前記プローブとが直接的に当接することを防止する絶縁部材で構成したプローブ当接部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の超音波凝固切開装置。
【請求項3】
前記把持部材は、前記第1の把持状態、及び第2の把持状態において前記生体組織を把持する把持歯部を備え、
前記第1の把持状態は前記把持歯部と前記プローブとによって生体組織を把持した状態であって、この第1の把持状態においては前記把持歯部から前記プローブに向かって高周波電流が流れる経路を確保して凝固処置を可能にし、
前記第2の把持状態においては前記把持歯部、及び前記プローブ当接部材と前記プローブとによって生体組織を把持した状態であって、この第2把持状態においては前記把持歯部から前記プローブに向けて高周波電流が流れる経路を確保して行う凝固処置に加えて、前記プローブに前記超音波振動子から伝達された超音波振動を生体組織に伝達して、超音波振動によって発生する熱によって生体組織の切開処置を可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の超音波凝固切開装置。
【請求項4】
さらに、
前記把持部材を開閉動作させる操作を行う開閉操作部と、
前記開閉操作部の操作を前記把持部材に伝達して、該開閉操作部の操作量に応じて該把持部材を前記プローブに対して開閉動作させる操作伝達部材と、
を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の超音波凝固切開装置。
【請求項5】
生体組織に対して、超音波振動による処置を施すために電気的信号を超音波振動に変換する超音波振動子と、
所定の長さと外径とを有する棒状部材にて構成され、前記超音波振動子で発生した超音波振動を先端側部へ伝達する、基端側部が前記超音波振動子に接続されたプローブと、
前記プローブの外面との間で生体組織を把持し、把持した該生体組織を切開、あるいは凝固するために、前記プローブの外面に近接した位置と遠位した位置との間を開閉動作可能に構成された把持部材と、
前記生体組織に対して高周波電流による処置を施すために前記プローブと、前記把持部材とを高周波電源の所定部に電気的に接続するための高周波電源接続部と、
を具備する超音波凝固切開装置において、
前記把持部材は、
前記プローブと対向する面側に設けられ、前記把持部材の閉動作に応じて把持した前記生体組織を介して前記プローブとの間で前記高周波電源からの高周波電流が導通される導電性を有する導電性部材と、
前記プローブの外径よりも大きな幅で開口し、この開口の縁部と連続して形成される面部を有し、前記把持部材が閉動作されて前記プローブに対して近接する位置に移動された際に、前記プローブが電気的に接触することを防止する絶縁部材と、
を備え、
前記導電性部材は前記プローブの外径より大きな幅で開口した、前記絶縁部材が配置される凹部を備え、その凹部の縁部を、前記把持部材の閉動作に応じて前記生体組織に当接可能に構成され、前記高周波電源からの高周波電流を該生体組織を介して該プローブに導通させる把持歯部とした高周波処置用部材であり、前記絶縁部材は、前記把持部材の更なる閉動作に応じてさらに前記プローブに近接された際、前記生体組織を前記プローブの外面に押圧する超音波処置用部材であることを特徴とする超音波凝固切開装置。
【請求項6】
生体組織に対して、超音波振動による処置を施すために電気的信号を超音波振動に変換する超音波振動子と、
所定の長さと外径とを有する棒状部材にて構成され、前記超音波振動子で発生した超音波振動を先端側部へ伝達する、基端側部が前記超音波振動子に接続されたプローブと、
前記プローブの外面との間で生体組織を把持し、把持した該生体組織を切開、あるいは凝固するために、前記プローブの外面に近接した位置と遠位した位置との間を開閉動作可能に構成された把持部材と、
前記生体組織に対して高周波電流による処置を施すために前記プローブと、前記把持部材とを高周波電源の所定部に電気的に接続するための高周波電源接続部と、
を備える超音波凝固切開装置において、
前記把持部材は、
前記把持部材の閉動作に応じて把持した前記生体組織を介して前記プローブとの間で前記高周波電源からの高周波電流が導通される導電性を有する導電性部材と、
前記プローブの外径より幅広で、前記導電性部材の前記プローブと対向する面側に配設されて、該導電性部材を複数の把持歯部に分割する絶縁部材と、
を具備することを特徴とする超音波凝固切開装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織を把持した後、高周波電流による凝固処置と超音波振動による切開処置とを行う超音波凝固切開装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、体腔内に内視鏡の挿入部を挿入することによって体腔内臓器等の観察が行われている。また、内視鏡観察下において各種治療処置も行われている。内視鏡観察下で生体組織の切除、あるいは凝固を行う場合、超音波振動を伝達して処置を行える超音波処置具、或いは高周波電流を流すことによって処置を行える電気メス、焼灼装置等の高周波処置具が使用される。
【0003】
超音波振動を用いる超音波処置具では、超音波振動によって発熱させて生体組織を凝固しながら切開を行う。一方、高周波電流を用いる高周波処置具では、通電されている電極を生体組織に接触させることによって切開、或いは凝固を行う。なお、高周波処置具ではモノポーラタイプとバイポーラタイプとがあり、モノポーラ処置具では電源装置の一方の端子部に生体組織に接触する電極が接続されるのに対し、他方の端子には患者の処置対象部位以外の体表面に面接触される帰還電極部が接続される。これに対して、バイポーラ処置具においては、処置具本体に2つの電極が備えられ、それぞれの電極が電源装置の双方の端子部に接続される。したがって帰還電極部が不要な構成である。
【0004】
例えば、超音波処置具によって血管封止を目的にした処置を行う場合、凝固しながら切開を行うため、高い凝固力と切開スピードとの両立が難しい。一方、バイポーラ処置具によって血管封止を目的にした処置を行う場合には、高い凝固力は得られるものの切開の際にはバイポーラ処置具に換えて、基本的に切開用の処置具が必要となる。このため、処置の際、処置具を交換しなければならないので作業が繁雑になる。
【0005】
ここで、特許文献1には、生体組織に超音波振動による処置と、高周波電流による処置とを適切に、且つ、容易に行える超音波切開凝固装置が示されている。この超音波切開凝固装置では、可動ハンドルを閉状態になるように操作して把持部材をプローブに対して閉鎖させることによって生体組織を把持する。そして、この把持状態において、超音波振動子駆動電源から超音波振動子駆動用電流を超音波振動子に給電する。すると、超音波振動子が駆動され、該超音波振動子の超音波振動がプローブに伝達されて、把持状態の生体組織の切開あるいは凝固を行う。一方、前記把持状態において高周波電流を用いる処置を行う場合には、高周波電源から把持部材あるいはプローブのどちらか一方、または把持部材、及びプローブの両方に高周波電流を給電する。すると、把持部材、又は/及び、プローブから体極板へ生体組織を通して高周波電流が流れ、該高周波電源に帰還する。このことによって、把持状態の生体組織の切開あるいは凝固を行える。
【特許文献1】2004−216180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の超音波切開凝固装置において、超音波振動による処置と高周波電流による処置とを組み合わせて血管封止を目的にした処置を行う場合、前述したような処置具を交換する作業は不要になるが、例えば高周波電流で凝固を行った後、超音波振動による切開を行うために、高周波電源による出力を、超音波振動子駆動電源による出力に切り替える操作が必要になる。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、生体組織を把持した後、一連の把持動作と高周波出力および超音波出力を可能とするタイミングを関連付けることによって凝固処置の効果と切開処置の効果とを向上させるとともに、一連の動作で行うことができる超音波凝固切開装置を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の超音波凝固切開装置は、生体組織に対して、超音波振動による処置を施すために電気的信号を超音波振動に変換する超音波振動子と、所定の長さと外径とを有する棒状部材にて構成され、前記超音波振動子で発生した超音波振動を先端側部へ伝達する、基端側部が前記超音波振動子に接続されたプローブと、前記プローブの外面との間で生体組織を把持し、把持した該生体組織を凝固及び切開するために、前記プローブの外面に近接した位置と遠位した位置との間を開閉動作可能に構成された把持部材と、前記生体組織に対して高周波電流による処置を施すために、前記プローブ、と前記把持部材とを高周波電源の所定部に電気的に接続するための高周波電源接続部とを具備し、
閉動作によって移動された前記把持部材と前記プローブの外面との間で生体組織を把持した第1の把持状態においては該生体組織に対して少なくとも前記高周波電源からの高周波電流による凝固処置を開始し、該生体組織に対して凝固処置を施すことによって該把持部材が更に前記プローブに近接した位置に移動された第2の把持状態においては凝固が施された生体組織を含む該生体組織に対して前記超音波振動子で発生された超音波振動による切開処置を開始する。
【0009】
この構成によれば、把持部材が閉動作されて把持部材とプローブとの間に生体組織を把持した第1把持状態になると、生体組織を介して把持部材からプローブに対して高周波電源からの高周波電流が流れる経路が形成される。そして、この第1把持状態において生体組織に高周波電流を流すことで生体組織のインピーダンスによりジュール熱が発生し、生体組織の約70%を占める水分の気化熱として費やされると共に、蛋白質の変性、すなわち凝固処置が開始される。生体組織から水分が気化、蒸発するに従い、把持した該生体組織が薄くなり、把持部材がさらにプローブに対して近接した第2把持状態になる。この第2把持状態において生体組織に対して、前記超音波振動子から前記プローブに伝達された超音波振動が伝達される。すると、凝固された生体組織を含む生体組織に超音波振動が伝達されて切開処置が開始される。ここでも、把持部材の閉動作を続けて切開処置を行う。すると、生体組織が超音波振動によって発熱されて把持部材の閉動作に伴って生体組織が切開される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、生体組織を把持した後、一連の把持動作と高周波出力および超音波出力を可能とするタイミングを関連付けることによって、凝固処置の効果と切開処置の効果とを向上させるとともに、一連の動作で行うことができる超音波凝固切開装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図9は本発明の一実施形態に係り、図1は超音波凝固切開装置の構成を説明する図、図2は一部拡大断面図を含む超音波凝固切開処置具を3つに分解した状態を説明する側面図、図3は処置部の構成を説明する斜視図、図4は把持部材の構成を説明する分解斜視図を含む処置部の構成を説明する斜視図、図5は把持部材を固定ねじの軸線に沿って切断して把持部材の構成を説明する断面図、図6は操作部における超音波凝固切開処置具を構成するプローブと高周波電源接続部との導通経路を説明する断面図、図7は第1の把持状態における凝固処置を説明する図、図8は第2の把持状態における切開処置を説明する図、図9は止血部を含む血管を切開した状態を説明する図である。
【0012】
図1に示すように本実施形態の超音波凝固切開装置1は、超音波凝固切開処置具(以下、超音波処置具と略記する)2と、超音波手術装置3と、高周波手術装置4とを備えて主に構成されている。
【0013】
超音波処置具2は操作部20の先端側に細長シース状の挿入シース部21を有している。操作部20の後端に設けられた振動子ユニット2bのケーシング35には電気信号を機械的振動に変換する超音波振動子(不図示)が内蔵されている。挿入シース部21の先端部には処置部10が設けられている。ここで処置部10は、後述するように回動自在に動作される把持部材5と、プローブ6の先端部6aとで構成される。プローブ6は超音波振動子で発生された超音波振動を処置部10側である先端側へ伝達する。本実施形態においては、処置部10によって把持した生体組織に対して高周波電流による処置と、超音波振動による処置とを行えるようになっている。
【0014】
超音波手術装置3には操作盤3aが設けられている。操作盤3aには電源スイッチ3bと、操作表示パネル3cと、電気ケーブル接続部3dとが設けられている。操作表示パネル3cには設定スイッチ3eと表示部3hとが設けられている。設定スイッチ3eは超音波処置を行う際の超音波出力の大きさを適宜、設定するためのものである。設定スイッチ3eには出力増加スイッチ3fと、出力低減スイッチ3gとが設けられている。このことによって、超音波出力の変更(増減)を任意に行えるようになっている。表示部3hには例えば、設定スイッチ3eで設定される超音波出力値等がデジタル表示される。超音波手術装置3の内部には超音波処置具2内の前記超音波振動子に電気エネルギを供給して、該超音波振動子を駆動させるための駆動回路(不図示)等が内蔵されている。
【0015】
高周波手術装置4には操作盤4aが設けられている。操作盤4aには電源スイッチ4bと、操作表示パネル4cと、一対の電気ケーブル接続部4d、4eとが設けられている。操作表示パネル4cには設定スイッチ4fと表示部4iとが設けられている。設定スイッチ4fは、例えば高周波出力単独で高周波処置を行う際等の高周波電流の出力値を設定するためのものである。設定スイッチ4fには出力増加スイッチ4gと、出力低減スイッチ4hとが設けられている。このことによって、高周波電流の出力値の変更(増減)を任意に行えるようになっている。表示部4iには例えば設定スイッチ4fで設定された高周波電流値等がデジタル表示される。高周波手術装置4の内部には設定スイッチ4fで設定された設定値にしたがった高周波電流を生成する高周波生成回路(不図示)等が内蔵されている。
【0016】
なお、符号7はフットスイッチである。フットスイッチ7は超音波手術装置3、及び高周波手術装置4に電気的に着脱自在に接続される。フットスイッチ7には例えば凝固処置用スイッチ7aと凝固切開処置用スイッチ7bとが設けられている。凝固処置用スイッチ7aがオン操作されると高周波手術装置3から超音波処置具2に高周波電流が供給される。凝固切開処置用スイッチ7bがオン操作されると、超音波手術装置3、及び高周波手術装置4から超音波処置具2に超音波振動のための電気エネルギー、及び高周波電流が供給される。符号8aは第1高周波電流用電気ケーブル(以下、第1電気ケーブルと略記する)であり、符号8bは第2高周波電流用電気ケーブル(以下、第2電気ケーブルと略記する)である。符号9は超音波用電気ケーブルである。それぞれの電気ケーブル8a、8b、9の一端部に設けられているコネクタ部8c、8d、9aは電気ケーブル接続部4d、4e、3dにそれぞれ着脱自在に接続されるようになっている。
【0017】
図2に示すように超音波処置具2はハンドルユニット2aと、プローブ6と、振動子ユニット2bとに着脱可能、言い換えれば3つに分解可能、に構成されている。
振動子ユニット2bにはハンドルユニット2aの操作部20に着脱可能に連結されるケーシング35が設けられている。このケーシング35内には超音波振動を発生する超音波振動子が内蔵されている。ケーシング35の先端部にはユニット連結部36が設けられている。ユニット連結部36の外周面には、リング部材の一部を切り離してC字形状に構成した係合リング(所謂Cリング)37が装着されている。ケーシング35の基端部には超音波用電気ケーブル9が例えば着脱自在に接続されるようになっている。
【0018】
プローブ6は基端から先端に対して導電性を有すると共に、超音波振動を伝達するための音響特性に富む棒状部材(例えばチタン合金)であって、所定周波数にて共振するような、所定の長さと外径とを有する所定形状に構成されている。プローブ6の先端部6aは生体組織に接触する処置部位である。プローブ6の基端部には取り付けねじ部6bが設けられている。取り付けねじ部6bは超音波振動子に設けられている図示しないねじ部に螺合固定されるようになっている。プローブ6の取り付けねじ部6bを超音波振動子に螺合固定することによって、該超音波振動子の超音波振動は先端部6aに伝達される。
【0019】
ハンドルユニット2aには操作部20、挿入シース部21、把持部材5が備えられている。図1、及び図2に示すようにハンドルユニット2aの挿入シース部21は、先端側に位置する保持部材22と、保持部材22の基端側に配設された管部材23とで一体的に構成されている。
【0020】
管部材23は導電性部材で構成され、該管部材23には所定形状の主チャンネル孔23aと、副チャンネル孔23bとが設けられている。主チャンネル孔23aにはプローブ6が二点鎖線に示すように所定状態で配置される。一方、副チャンネル孔23bには把持部材5を回動動作させるための操作伝達部材である操作ロッド51が摺動自在に挿通配置される。
【0021】
管部材23の外周面には絶縁部材(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)で形成されたチューブ体24が設けられている。一方、主チャンネル孔23aの内周面、及び副チャンネル孔23bの内周面には絶縁皮膜25(例えば、エポキシ樹脂系ナノコンポジット)が設けられている。
【0022】
管部材23の基端部には高周波電源接続部である第1電気ケーブル接続部26が設けられている。第1電気ケーブル接続部26は絶縁部材で管状に構成されており、雌ねじ部26aを有している。この雌ねじ部26aには第1電気ケーブル8aの他端部に設けられている接続用ねじ部8eが螺合配置されるようになっている。接続用ねじ部8eを雌ねじ部26aに螺合していくことによって、接続用ねじ部8eの先端面が管部材23の外周面に対して当接配置される。したがって、第1電気ケーブル接続部26に接続用ねじ部8eを所定状態で配置させることによって、第1電気ケーブル8aと管部材23とが電気的に導通する。
【0023】
保持部材22は導電性部材で構成され、管部材23と電気的に導通するように例えば導電性を有する連結部材(不図示)を介して一体的に連結固定されている。保持部材22には把持部材5の基端部の回動移動を許容する、上下の向きに開放した、所定形状の切り欠き22aが設けられている。切り欠き22aを設けることによって構成された保持部材22の側部には軸部材52が配設される軸孔22bが形成されている。なお、保持部材22にも、プローブ6が配置される主チャンネル孔(不図示)と、操作ロッド51が挿通される副チャンネル孔(不図示)とが設けられている。そして、保持部材22の外面、主チャンネル孔の内周面、及び副チャンネル孔の内周面には絶縁皮膜(不図示)が設けられている。
【0024】
図3乃至図5に示すように保持部材22には、軸部材52を介して把持部材5が回動自在に取り付けられている。把持部材5は、把持部本体53、高周波処置用部材54、及び超音波処置用部材55とで構成されている。
【0025】
把持部本体53は導電性部材で、2つの二股形状部を有して略H字形状な、連結部材として構成されている。把持部本体53には高周波処置用部材54が配置される第1切り欠き部53aと、操作ロッド51の先端部が配置される第2切り欠き部53bとが設けられている。また、第1切り欠き部53a側の側面部所定位置には固定ねじ56が螺合されるねじ部53cが設けられ、第2切り欠き部53b側の側面部所定位置にはピン57が配置されるピン孔53dが設けられている。さらに、把持部本体53の基端部には軸部材52が挿通される逃がし孔(不図示)が設けられている。つまり、把持部材5を構成する把持部本体53は、軸部材52を略中心に回動するように、保持部材22に連結されている。このことによって、保持部材22と把持部本体53とは電気的に導通している。
【0026】
高周波処置用部材54は導電性部材で構成されており、一面側である図中下面部には二股形状把持歯部54aが設けられている。二股形状把持歯部54aの間隔Wはプローブ6の先端部6aの径寸法を考慮して設定される。具体的には、先端部6aの径寸法より所定の割合だけ幅広な凹部を設けて、二股形状把持歯部54aと先端部6aとが回動動作中に接触することを防止している。二股形状把持歯部54aの肉厚Tは剛性、及び凝固性能を考慮して適宜設定される。凹部の縁部である二股形状把持歯部54aを構成する下面には生体組織を確実に把持するため、例えば列状に歯54bが設けられている。
【0027】
高周波処置用部材54の長手方向両側部には該高周波処置用部材54の上部側の幅寸法を調整する切り欠き部54cが設けられている。この切り欠き部54cを設けることによって、高周波処置用部材54の上部側に、第1切り欠き部53aに配置される、凸状部54dが構成される。また、高周波処置用部材54には、超音波処置用部材55を所定位置に配置するため、例えば角形の配置用貫通孔54eが設けられている。この配置用貫通孔54eを挟んで凸状部側面所定位置には固定ねじ56が挿通する逃がし孔54fが設けられている。
【0028】
超音波処置用部材55は少なくとも柔潤部材(例えばポリテトラフルオロエチレン)等によって形成される。なお、超音波処置用部材55は、導電性粒子を混入するなどして、導電性を有しても良い。超音波処置用部材55はプローブ6の先端部6aが当接することを考慮したプローブ当接部材である。柔潤部材とは、柔らかく、振動を阻害しない特性を有する部材である。具体的には、プローブ6の先端部6aが超音波処置用部材55に当接した場合、先端部6aに衝撃を付与することなく、かつ先端部6aの超音波振動を阻害しない
超音波処置用部材55の断面形状は略凸字形状であって、取り付け用突起部55aと生体組織押圧部55bとを備えて構成されている。取り付け用突起部55aは高周波処置用部材54の配置用貫通孔54e内に配設されるように所定形状に構成されている。超音波処置用部材55の突起部側面所定位置には固定ねじ56が挿通する逃がし孔55cが設けられている。生体組織押圧部55bは凹部内に配置されるように所定形状に構成されている。生体組織押圧部55bの下面にはプローブ6の先端部6aが当接した際に該先端部6aが二股形状把持歯部54a側に移動されることを防止する凹み55dが形成されている。凹み55dの開口側の幅寸法W1はプローブ6の先端部6aの径寸法より所定量幅広に形成されている。このことによって、先端部6aが確実に凹み55dに案内される。
【0029】
なお、把持部材5は例えば以下の手順で保持部材22に回動自在に取り付けられる。まず、把持部材5を構成する把持部本体53を保持部材22に回動自在に連結する。次に、高周波処置用部材54の配置用貫通孔54eに超音波処置用部材55の取り付け用突起部55aを配置して、高周波処置用部材54と超音波処置用部材55とを一体状態にする。そして、この一体状態において、高周波処置用部材54の凸状部54dを把持部本体53の第1切り欠き部53aに配置する。次いで、固定ねじ56によって高周波処置用部材54、及び超音波処置用部材55を把持部本体53に螺合固定する。
【0030】
このことによって、保持部材22に対して把持部材5が回動自在に設けられる。このとき、把持部本体53に設けられている第1切り欠き部53aの内側面と高周波処置用部材54を構成する凸状部54dの側面とが当接する。これらのことによって、把持部本体53と高周波処置用部材54とは電気的に導通する。また、このとき、高周波処置用部材54と超音波処置用部材55とは56を軸にしてシーソーのように回動可能である。このため、二股形状把持歯部54aが摩耗した場合等においても、生体組織との当たり具合を変化させて確実な把持を可能にしている。
【0031】
図1、図2、及び図6に示すようにハンドルユニット2aの操作部20は、挿入シース部21の基端側に位置している。操作部20には把持部材5を回動操作するための開閉操作部である操作ハンドル27が設けられている。操作ハンドル27には可動ハンドル27aと固定ハンドル27bとが設けられている。固定ハンドル27bの操作端部には親指以外の指を複数、選択的に差し込める指掛け孔27cが設けられている。これに対して、可動ハンドル27aの操作端部には、同じ手の親指を掛ける指掛け孔27dが設けられている。
【0032】
操作ハンドル27を構成する固定ハンドル27bと、回動可能な可動ハンドル27aとは操作部20を構成する操作部本体28の所定位置に設けられている。固定ハンドル27bの上側部分は操作部本体28に対して一体に形成されている。可動ハンドル27aの上端部側は、操作部本体28の両側部に配置される二股状の連結部27e、27fとして構成されている。各連結部27e、27fの上端部内面側にはハンドル枢支軸29が内方向に向けて突出して設けられている。これらのハンドル枢支軸29は、挿入シース部21の軸線より上側位置で操作部本体28に連結されて支点を構成している。このことにより、可動ハンドル27aはハンドル枢支軸29を中心に回動可能である。なお、ハンドル枢支軸29には高周波絶縁用の絶縁キャップ(不図示)が取り付けられている。
【0033】
可動ハンドル27aの各連結部27e、27fには作動ピン30が設けられている。作動ピン30はハンドル枢支軸29より図中下側に設けられている。作動ピン30は、挿入シース部21内に挿通されている操作ロッド51に進退力を伝達するためのものである。可動ハンドル27aの回動操作に伴って、操作ロッド51が軸方向に進退移動されることによって、把持部材5が軸部材52を中心に回動動作される構成になっている。なお、作動ピン30は、挿入シース部21の略軸線上に配置されている。
【0034】
操作部20には、第2電気ケーブル8bの他端部に設けられているプラグ8fが電気的に接続される、高周波電源接続部である第2電気ケーブル接続部31が設けられている。操作部本体28は絶縁部材によって略円筒状に形成されている。操作部本体28には第2電気ケーブル接続部31を構成する電極ピン33が配設される電極取付部28aが設けられている。電極ピン33は電極取付部28aに設けられた電極ピン取付孔28bに配設される。電極ピン33の一端部は、第2電気ケーブル8bのプラグ8fとの接続部33aとして所定形状に構成されている。電極ピン33の他端部には固定用のねじ部33bが設けられている。即ち、電極ピン33は電極ピン取付孔28bに対して螺合によって固設される。電極ピン33の中間部には電極絶縁カバー34が設けられている。電極ピン33のねじ部33bより先端側には後述する接続部材(図中の符号41)の外面に当接する円錐形状の尖端部33cが設けられている。
【0035】
操作部本体28の基端側部には振動子接続部32が設けられている。振動子接続部32にはユニット連結部36が着脱可能に連結される。操作部本体28の基端側部に設けられた振動子接続部32の内周面には雌ねじ部32aが設けられている。この雌ねじ部32aには導電性部材で形成された段付きリング状の接続部材41と、環状の固定リング42とが順次螺合配置される。即ち、接続部材41は固定リング42によって操作部本体28の基端部所定位置に一体的に固定される。
【0036】
接続部材41を構成する小径部41aの内面側には導電筒43を構成する太径部43aが配設されている。導電筒43は導電性部材で円筒状に形成されており、太径部43aと小径部43bとを有して構成されている。導電筒43を構成する小径部43bの先端部には導電性部材で弾性を有するシリコンゴムでリング状に形成されたプローブ保持部材44が配設されている。
【0037】
図1に示す超音波処置具2が構成する際、まず、プローブ6に設けられている取り付けねじ部6bを超音波振動子に螺合固定する。このことによって、プローブ6が振動子ユニット2bに対して一体的に構成する。この状態において、振動子接続部32を介してプローブ6が一体な振動子ユニット2bをハンドルユニット2aに配設する。このことによって、超音波処置具2が構成される。
【0038】
このとき、操作部20を構成する操作部本体28内の所定位置にプローブ6が配設される。プローブ6の所定部位がプローブ保持部材44の内周面に密着して配置されている。したがって、プローブ6と電極ピン33とは、プローブ保持部材44、導電筒43、及び接続部材41を介して電気的に導通する。
【0039】
導電筒43を構成する小径部43bの外周側には絶縁部材で構成されたスライダ取付部材61が係合配置されている。このスライダ取付部材61はプローブ6の中途部を覆うように配置されている。プローブ6が挿通される主チャンネル孔23aを有する管部材23の基端部には絶縁部材で構成されたパイプ固定部材62が固設されている。パイプ固定部材62は偏心筒体63の先端部凸部63aに一体的に固定されている。
【0040】
偏心筒体63は操作部本体28の先端部に設けられているフランジ状開口部28cに固定リング64を介して一体的に固設されている。具体的には、フランジ状開口部28cには、フランジ部64aを有する固定リング64が配置されている。固定リング64の内周面には雌ねじ部64bが設けられている。この雌ねじ部64bには偏心筒体63に設けられている雄ねじ部63bが螺合配置されるようになっている。つまり、フランジ状開口部28cに固定リング64を配置させた状態で、偏心筒体63に設けられた雄ねじ部63bを固定リング64に設けられている雌ねじ部64bに螺合していく。すると、偏心筒体63に設けられている肩部63cが操作部本体28のフランジ面28dに当接して、偏心筒体63が操作部本体28に一体的に配設される。このことによって、プローブ6は絶縁された状態で超音波処置具2内に配置される。
【0041】
なお、偏心筒体63を構成する回転筒部63dの内部には駆動軸接続部材(進退動作部材)65が長手軸方向に進退自在に配置されている。この駆動軸接続部材65の先端部には操作ロッド51の基端部が固定されている。また、符号66は回転ノブである。回転ノブ66は挿入シース部21の基端部に一体的に取り付けられている。また、回転ノブ66は操作部本体28の先端部に対して軸回りに回転可能に取り付けられている。
【0042】
上述のように構成した超音波凝固切開装置1の作用を説明する。
まず、ユーザーは、電気ケーブル8a、8b、及び超音波用電気ケーブル9を用意する。そして、第1電気ケーブル8aに設けられているコネクタ部8cを高周波手術装置4に備えられいてる電気ケーブル接続部4dに接続するととともに、第1電気ケーブル8aに設けられている接続用ねじ部8eを超音波処置具2に設けられている第1電気ケーブル接続部26に所定状態で螺合接続する。また、第2電気ケーブル8bに設けられているコネクタ部8dを高周波手術装置4に備えられている電気ケーブル接続部4eに接続するとともに、第2電気ケーブル8bに設けられているプラグ8fを超音波処置具2に設けられている第2電気ケーブル接続部31に所定状態で接続する。さらに、超音波用電気ケーブル9に設けられているコネクタ部9aを超音波手術装置3の電気ケーブル接続部3dに接続する。
【0043】
次に、ユーザーは、血管封止を目的とした処置を行うために例えば図示しない腹腔に穿刺されているトラカールを介して超音波処置具2の挿入シース部21を腹腔内に導入する。そして、図示しない表示装置の画面上に表示されている例えば内視鏡画像を観察しながら超音波処置具2の処置部10を目的の血管に対峙させる。そして、操作部20に設けられている操作ハンドル27を適宜操作して把持部材5を回動操作する。すると、図7に示すように高周波処置用部材54の二股形状把持歯部54aとプローブ6の先端部6aの外面である外周面とで血管100を把持した第1の把持状態になる。ここで、ユーザーは前記画面上でその把持状態を確認する。このとき、把持部材5がプローブ6に向かって移動するように可動ハンドル27aを回動操作するとともに、フットスイッチ7の凝固切開処置用スイッチ7bをオン操作する。
【0044】
血管100が把持部材5とプローブ6の先端部6aとによって把持されている第1の把持状態において、凝固処置用スイッチ7aがオン操作されたことによって、超音波手術装置3から出力された電気エネルギによって超音波振動子が駆動される。すると、超音波振動子で発生された超音波振動がプローブ6を介して該プローブ6の先端部6aに伝達される。このとき、先端部6aが血管100に接触していることによって超音波振動が矢印Aに示すように血管100に伝達される。すると、接触部位に摩擦熱が発生して凝固が開始される。そして、後述する第2の把持状態に至るまでの間、超音波振動による凝固と、切開とが行われる。
【0045】
一方、凝固切開処置用スイッチ7bがオン操作されたことによって、高周波手術装置4から出力された高周波電流は、第1電気ケーブル8a、管部材23、保持部材22、軸部材52、把持部本体53、高周波処置用部材54、血管100、プローブ6、プローブ保持部材44、導電筒43、接続部材41、電極ピン33、第2電気ケーブル8b介して該高周波手術装置4に帰還するように流れる。
【0046】
このとき、前記図7に示すように高周波処置用部材54を構成する二股形状把持歯部54aの生体組織との接触部位から矢印Bに示すように血管100を介してプローブ6に高周波電流が流れて凝固が開始される。ここで、高周波電流による凝固が開始されることによって、血管100を構成する組織内の水分が蒸発されて血管100が徐々に薄くなっていく。このとき、ユーザーによって、把持部材5がプローブ6に向かって移動するように、可動ハンドル27aが回動操作されていることによって、図8に示すように凝固されて薄くなった血管100が超音波処置用部材55の凹み55dに密着した第2の把持状態になる。このことによって、高周波電流によって凝固された血管100は、超音波処置用部材55の生体組織押圧部55bとプローブ6の先端部6aとによって押圧保持された状態になる。すると、押圧保持された血管100に対して先端部6aから超音波振動が伝達される。このことによって、凝固部101を含む血管100の所定部位が摩擦熱によって切断されていく。そして、図9に示すように超音波処置用部材55がプローブ6の先端部6aに当接することによって、血管100が切断される。このとき、血管100の切断部近傍は高周波電流によって凝固されて止血状態になっている。このことによって、血管封止を目的にした処置が完了する。
【0047】
このように、高周波処置用部材の所定の位置に超音波処置用部材を設けて超音波処置具の把持部材を構成する。加えて、超音波処置具に、高周波処置の際に高周波手術装置から第1電気ケーブル接続部に向かって出力された高周波電流を、生体組織を介して第2電気ケーブル接続部から該高周波手術装置に帰還させる高周波電流の経路を設ける。そして、把持部材とプローブとの間に生体組織を把持した後、高周波手術装置から高周波電流を供給するとともに、超音波手術装置から電気エネルギーを供給して超音波振動子を超音波振動させる。すると、一連の把持動作が続けられることによって、第1の把持状態において高周波電流による凝固が行われ、第2の把持状態において超音波震度による切開が行われる。このことによって、血管封止を目的にした処置を一連の把持動作で完了させることができる。
【0048】
また、高周波処置用部材の所定の位置に超音波処置用部材を設けて、プローブが当接は位置される超音波処置用部材の両側部に把持歯部を設ける構成にしている。このため、高周波電流によって凝固された部位の略中間部に対してプローブからの超音波振動が伝達される。このことによって、血管封止を目的にした処置がより確実に行うことができる。
【0049】
なお、本実施形態においては高周波処置用部材54の二股形状把持歯部54aとプローブ6の先端部6aとで血管100を把持した第1の把持状態を確認した後、凝固切開処置用スイッチ7bをオン操作するとしているが、第1の把持状態を確認した後、凝固処置用スイッチ7aをオン操作して凝固を行い、その凝固状態を画面上で確認した後、凝固切開処置用スイッチ7bをオン操作して切開を行うようにしてもよい。このように処置を行う場合、凝固切開処置用スイッチ7bをオン操作したとき、凝固処置用スイッチ7aがオフ動作されるようにしてもよい。
【0050】
また、高周波電流を流して凝固処置を行うと生体組織が変成されて、図10に示すように時間とともに組織の抵抗値が変化することが知られている。このため、生体組織の抵抗値を測定して、該抵抗値が破線に示す閾値に達したとき、そのことをユーザーに告知して凝固切開処置用スイッチ7bをオン操作させるようにしても良い。このことによって、ユーザーは画面による観察に加えて、閾値に到達したか否かの確認を行ってより良好な凝固状態を得て処置を行える。なお、図10は高周波電流を流して凝固処置を行ったときの時間と生体組織の抵抗値との変化を示す図である。
【0051】
さらに、前述した実施形態においてはプローブ6の先端部6aの断面形状を円形としているが先端部6aの断面形状は円形に限定されるものではなく、以下の図11乃至図14に示すような構成であってもよい。図11は先端部の断面形状を五角形に形成したプローブ、及びそのプローブに対応する把持部材を説明する断面図、図12は第1の把持状態における凝固処置を説明する図、図13は第2の把持状態における切開処置を説明する図、図14は止血部を含む血管を切開した状態を説明する図である。
【0052】
図11に示すように本実施形態において、超音波処置具2Aを構成するプローブ6Aは導電性部材であり、先端部71の先端部断面形状が例えば五角形形状で構成されている。先端部71の断面形状は頂部72を通過する対称軸に対して対称形状である。一方、このプローブ6Aとともに使用される把持部材5Aも所定の対称軸に対して対称形状である。超音波処置具2Aにおいては、把持部材5Aの対称軸と、先端部71の頂部72を通過する対称軸とが同一直線上に配置される。なお、先端部71の頂部72を挟持する平面71a、71bが形成する頂角はθ度である。そして、先端部71を構成する頂部72に対向する位置には平面が設けられている。
【0053】
本実施形態の把持部材5Aは、把持部本体53、高周波処置用部材82、及び超音波処置用部材83とで構成される。把持部本体53は導電性部材であり、第1切り欠き部53e側の側面部所定位置には前記固定ねじ56が螺合されるねじ部53cが設けられている。
【0054】
高周波処置用部材82は導電性部材で構成されており、一面側である図中下面側には所定角度で分岐した分岐形状把持歯部82aが設けられている。分岐形状把持歯部82aの分岐角度は前記プローブ6Aの先端部71の頂角θに一致している。また、分岐形状把持歯部82aの幅寸法W2はプローブ6Aの先端部71の幅寸法W3を考慮して設定される。具体的に、分岐形状把持歯部82aの幅寸法W2は、先端部71の幅寸法W3より所定の割合だけ幅広である。分岐形状把持歯部82aの肉厚T1は剛性、及び凝固性能を考慮して適宜設定される。
なお、分岐形状把持歯部82aの先端部71の外面である平面71a、71bに対向する下面に、生体組織を確実に把持するため、例えば列状に歯を設けるようにしてもよい。
【0055】
高周波処置用部材82の長手方向両側部には該高周波処置用部材82の上部側の幅寸法を調整する切り欠き部(不図示)が設けられている。この切り欠き部を設けることによって、高周波処置用部材82の上部側に、第1切り欠き部53eに配置される、凸状部82bが構成される。また、高周波処置用部材82には、超音波処置用部材83を所定位置に配置するため、例えば角形の配置用貫通孔82cが設けられている。この配置用貫通孔82cを挟んで凸状部側面所定位置には固定ねじ56が挿通する逃がし孔82dが設けられている。
【0056】
超音波処置用部材83は少なくとも柔潤部材(例えばポリテトラフルオロエチレン)等によって形成される。なお、超音波処置用部材83は、導電性粒子を混入するなどして、導電性を有しても良い。超音波処置用部材83の断面形状は逆さY字形状であって、取り付け用突起部83aと生体組織押圧部83bとを備えて構成されている。
【0057】
取り付け用突起部83aは高周波処置用部材82の配置用貫通孔82c内に配設されるように所定形状に構成されている。超音波処置用部材83の突起部側面所定位置には固定ねじ56が挿通する逃がし孔83cが設けられている。
【0058】
生体組織押圧部83bには凹み83cとして逆さV字状凹みを有している。逆さV字状凹みの角度は前記先端部71の頂角θに一致している。また、生体組織押圧部83bの幅寸法W4は分岐形状把持歯部82aの幅寸法W2より幅狭に構成されている。生体組織押圧部83bのV字状凹みにはプローブ6Aの先端部71に設けられている平面71a、71bが密着配置されるようになっている。
【0059】
なお、本実施形態においては、分岐形状把持歯部82aの一面と、生体組織押圧部83bの一面とで構成される段部の段差tの寸法が所定寸法となるように、必要に応じて生体組織押圧部83bに生体組織押圧部配置用凹部82eを設けている。その他の超音波処置具2Aの構成は前述した超音波処置具2の構成と同様である。
【0060】
上述のように構成した超音波処置具2Aを備える超音波凝固切開装置の作用を説明する。 例えば、ユーザーが血管を含む組織の凝固切断目的とした処置を行うために、超音波処置具2Aの挿入シース部21を腹腔内に導入する。そして、操作部20に設けられている操作ハンドル27を適宜操作して把持部材5Aを回動操作する。すると、図12に示すように高周波処置用部材82の分岐形状把持歯部82aとプローブ6Aの先端部71の平面71a、71bとで血管100を把持した第1の把持状態になる。このとき、把持部材5Aがプローブ6Aに向かって移動するように可動ハンドル27aを回動操作するとともに、フットスイッチ7の凝固切開処置用スイッチ7bをオン操作する。
【0061】
血管100が把持部材5Aとプローブ6Aの先端部71の平面71a、71bとによって組織を把持した状態において、凝固切開処置用スイッチ7bをオン操作することによって、超音波手術装置3及び高周波手術装置4から超音波処置具2に超音波振動のための電気エネルギー及び高周波電流が供給され、超音波振動子で発生された超音波振動がプローブ6Aを介して該プローブ6Aの先端部71に伝達される。このとき、先端部71の頂部72、及び平面71a、71bが血管100に接触していることによって超音波振動、及び高周波電流が血管100に伝達される。すると、接触部位に摩擦熱が発生して凝固が開始される。そして、後述する第2の把持状態に至るまでの間、超音波振動による凝固と、切開とが行われる。
【0062】
一方、凝固処置用スイッチ7aがオン操作されたことによって、高周波手術装置4から出力された高周波電流は、第1電気ケーブル8a、管部材23、保持部材22、軸部材52、把持部本体53、高周波処置用部材82、血管100、プローブ6A、プローブ保持部材44、導電筒43、接続部材41、電極ピン33、第2電気ケーブル8b介して該高周波手術装置4に帰還するように流れる。
【0063】
このとき、前記図12に示すように高周波処置用部材82を構成する分岐形状把持歯部82aの生体組織との接触部位から血管100を介してプローブ6Aに高周波電流が流れて凝固が開始される。ここで、高周波電流による凝固が開始されることによって、血管100を構成する組織内の水分が蒸発されて血管100が徐々に薄くなっていく。このとき、ユーザーによって、把持部材5Aがプローブ6Aに向かって移動するように、可動ハンドル27aが回動操作されていることによって、図13に示すように凝固されて薄くなった血管100が超音波処置用部材83の凹み83cに密着した第2の把持状態になる。このことによって、高周波電流によって凝固された血管100は、超音波処置用部材83の生体組織押圧部83bとプローブ6Aの頂部72とによって押圧保持された状態になる。すると、押圧保持された血管100に対して頂部72近傍から超音波振動が伝達される。このことによって、凝固部101を含む血管100の所定部位が摩擦熱によって切断されていく。そして、図14に示すように超音波処置用部材83の生体組織押圧部83bの凹み83cと先端部71の平面71a、71bとが密着状態になることによって、血管100が切断される。このとき、血管100の切断部近傍は高周波電流によって凝固されて止血状態になっている。このことによって、血管封止を目的にした処置が完了する。
【0064】
このように、プローブの先端部の断面形状を五角形形状に形成したことによって、第1の把持状態において先端部頂部を挟んで設けられている平面が生体組織に接触して十分な接触面を確保することができる。このことによって、高周波電流を生体組織に速やかに流して確実な凝固を行うことができる。一方、プローブの先端部を断面形状を五角形形状に形成したことによって、第2の把持状態において鋭利に形成された頂部を生体組織に当接させて超音波振動による切開を速やかに行うことができる。このことによって、凝固、切開性能の向上を図れる。
【0065】
また、配置凹部を設けて、段差を所定値に設定することによって、高周波電流による凝固の際、生体組織を強固に押圧して、生体組織を所望する薄さにした凝固を行うことができる。
【0066】
なお、超音波プローブを構成する先端部の断面形状は上述した五角形形状や円形形状に限定されるものではなく、三角形、或いは涙型等の略対称形形状であればよい。また、より切開時間を向上させたい場合には、超音波による切開効果を向上させる先端形状、具体的には先端部の径寸法を細径、外形寸法を幅狭に構成すればよい。万一、所望する凝固効果をより必要とする場合には、高周波電流の印加波形、時間を変更させることで高周波電流による凝固効果を向上させることで、実現可能である。
【0067】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1乃至図9は本発明の一実施形態に係り、図1は超音波凝固切開装置の構成を説明する図
【図2】一部拡大断面図を含む超音波凝固切開処置具を3つに分解した状態を説明する側面図
【図3】処置部の構成を説明する斜視図
【図4】把持部材の構成を説明する分解斜視図を含む処置部の構成を説明する斜視図
【図5】把持部材を固定ねじの軸線に沿って切断して把持部材の構成を説明する断面図
【図6】操作部における超音波凝固切開処置具を構成するプローブと高周波電源接続部との導通経路を説明する断面図
【図7】第1の把持状態における凝固処置を説明する図
【図8】第2の把持状態における切開処置を説明する図
【図9】止血部を含む血管を切開した状態を説明する図
【図10】高周波電流を流して凝固処置を行ったときの時間と生体組織の抵抗値との変化を示す図
【図11】先端部の断面形状を五角形に形成したプローブ、及びそのプローブに対応する把持部材を説明する断面図
【図12】第1の把持状態における凝固処置を説明する図
【図13】第2の把持状態における切開処置を説明する図
【図14】止血部を含む血管を切開した状態を説明する図
【符号の説明】
【0069】
1…超音波凝固切開装置 2…超音波凝固切開処置具 5…把持部材
6…プローブ 10…処置部 8a…第1電気ケーブル 8b…第2電気ケーブル22…保持部材 23…管部材 26…第1電気ケーブル接続部
31…第2電気ケーブル接続部 33…電極ピン 41…接続部材 43…導電筒44…プローブ保持部材 52…軸部材 53…把持部本体
54…高周波処置用部材 100…血管




 

 


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