Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
医療用カプセル装置 - オリンパスメディカルシステムズ株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> オリンパスメディカルシステムズ株式会社

発明の名称 医療用カプセル装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−37843(P2007−37843A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−227022(P2005−227022)
出願日 平成17年8月4日(2005.8.4)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 谷口 優子 / 安達 日出夫
要約 課題
カプセルを大型化させることなく、簡単な構成で機能性を向上することができる医療用カプセル装置を提供する。

解決手段
診断用超音波ビームと当該診断用超音波ビームよりも高出力な治療用超音波ビームとを出力可能な超音波振動子21と、カプセル2を体腔内の目的部位に保持するバルーンシステムとをカプセル2に配設する。これにより、超音波診断時に発見された患部に対してそのまま超音波治療を行うことができ、カプセル2を大型化させることなく、簡単な構成で機能性に富んだカプセルを実現することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
診断用超音波ビームと当該診断用超音波ビームよりも高出力な治療用超音波ビームとを出力可能な超音波振動子を有するカプセルと、
前記カプセルを体腔内の目的部位に保持する保持手段と、を備えたことを特徴とする医療用カプセル装置。
【請求項2】
前記超音波振動子は、前記診断用超音波ビームを出力可能な低出力用振動子と、前記治療用超音波ビームを出力可能な高出力用振動子とを表裏一体に具備する機械走査式の超音波振動子であることを特徴とする請求項1記載の医療用カプセル装置。
【請求項3】
前記超音波振動子は、前記カプセルの周部に沿って複数の超音波振動子セルが環状に配列した電子走査式の超音波振動子であることを特徴とする請求項1記載の医療用カプセル装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内に導入されるカプセル内に超音波振動子を備えた医療用カプセル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療用に構成したカプセルを体腔内に導入し、体腔内の病変部の情報を収集したり、薬液を投与する医療用カプセル装置が知られている。この種の医療用カプセル装置で使用されるカプセルは、内視鏡で使用されるプローブ等に比べ、患者に与える苦痛が小さく、さらに、プローブ等では到達させることが困難であった小腸等のような体腔内の深部に到達できるというメリットを有する。
【0003】
例えば、特許文献1には、医療用カプセル装置の一つとして、カプセル内に超音波振動子を配設し、この超音波振動子が生体組織に対して観測用超音波パルスを送受波して得たエコー情報を元に超音波断層画像を得る医療用カプセル装置が提案されている。
【特許文献1】特開2002−306491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、医療用カプセル装置においては、患者の苦痛を軽減するため、特に、カプセルの小型化が要求される。従って、医療用カプセル装置では、カプセルの内部に搭載可能な部品点数やバッテリの容量等が制限され、内視鏡等に比べて限られた機能しか発揮することができない。このため、例えば、超音波診断によって病変部を発見した場合にも、その処置は開腹を待って行わなければならない等、医療用カプセル装置においては、更なる機能性の向上が求められていた。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、カプセルを大型化させることなく、簡単な構成で機能性を向上することができる医療用カプセル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、診断用超音波ビームと当該診断用超音波ビームよりも高出力な治療用超音波ビームとを出力可能な超音波振動子を有するカプセルと、前記カプセルを体腔内の目的部位に保持する保持手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の医療用カプセル装置によれば、カプセルを大型化させることなく、簡単な構成で機能性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図1乃至図7は本発明の第1の実施形態に係わり、図1は医療用カプセル装置の概略構成を示す機能ブロック図、図2はカプセルの概略構成を示す要部断面図、図3は図2のI−I断面図、図4はポンプの駆動制御ルーチンを示すフローチャート、図5は超音波振動子の駆動制御ルーチンを示すフローチャート、図6(a)は超音波観察のみを行う際の各振動子の駆動状態を示すタイミングチャートであり、(b)は超音波観察と超音波治療とを行う際の各振動子の駆動状態を示すタイミングチャート、(c)は超音波治療のみを行う際の各振動子の駆動状態を示すタイミングチャート、図7は超音波観測及び超音波治療の手順の一例を示すフローチャート、図8は本実施形態の変形例に係わり、超音波治療を行う際の各振動子の駆動状態を示すタイミングチャートである。
【0009】
図1に示すように、本実施形態において、医療用カプセル装置1は、患者の口腔を通じて体腔内に導入されるカプセル2と、体外に配設される超音波観測装置3とを有して構成されている。
【0010】
図2に示すように、カプセル2は、カプセル本体10と、このカプセル本体10の先端部に液密に接続する振動子カバー15とを有し、これらの内部に、超音波ユニット20、ポンプユニット30及び制御ユニット40が配設されて要部が構成されている。また、カプセル2は、振動子カバー15からカプセル本体10の前部にかけての領域を一体的に覆うバルーン35を有し、このバルーン35と振動子カバー15及びカプセル本体10との間には液室35aが形成されている。
【0011】
超音波ユニット20は、例えば、機械走査式の超音波振動子21、振動子シャフト22aを有する振動子固定部材22、回転型信号伝達手段であるスリップリング23、エンコーダ24及び駆動モータ25を備えて構成されている。
【0012】
ここで、カプセル本体10には、該カプセル本体10の長手方向に延びるユニット配設孔11が形成されており、このユニット配設孔11内には、先端側から順に、スリップリング23、エンコーダ24及び駆動モータ25が収容されている。また、駆動モータ25からは図示しないモータ軸がカプセル本体10の軸心に沿って先端側に延出されており、このモータ軸には、振動子シャフト22aの基端部が、スリップリング23に固設するボールベアリング23aを介して軸支されている。
【0013】
振動子シャフト22aの先端部は振動子カバー15の内部空間に臨まされており、この振動子シャフト22aの先端部に設けられた固定部22bには、超音波振動子21が一体的に固定されている。さらに、振動子シャフト22aの中途にはOリング26が介挿され、このOリング26によって、ユニット配設孔11と振動子カバー15の内部空間とが液密に区画されている。そして、液密が確保された振動子カバー15の内部空間には超音波伝達媒体である脱気水27が充填されている。
【0014】
なお、超音波振動子21からは入出力用信号ケーブル(図示せず)が延出している。入出力信号ケーブルは、スリップリング23のリング部(図示せず)、このリング部に電気的に接触する金属ブラシ(図示せず)を経て、スリップリング23の出力側のケーブルと電気的に導通されている。
【0015】
ここで、本実施形態において、超音波振動子21は、例えば、生体組織の超音波観測に好適な診断用超音波ビームの出力が可能な低出力用振動子21aと、生体組織の治療に好適な治療用超音波ビームの出力が可能な高出力用振動子21bとを表裏一体に具備する。具体的に説明すると、図3に示すように、低出力用振動子21a及び高出力用振動子21bは、振動子固定部材22の固定部22bに支持されるバッキング層28の表裏に、それぞれ圧電素子29a,29bとレンズ29c,29dとが配設されて要部が構成されている。これら各振動子21a,21bはそれぞれ個別のタイミングで超音波ビームを出力可能となっており、例えば、低出力用振動子21aは出力値が1mW/cm程度の超音波ビームを、高出力用振動子21bは出力値が10W/cm程度の超音波ビームを出力することが可能となっている。
【0016】
ポンプユニット30は、カプセル2を体腔内に導入する際に当該カプセル2とともに患者が飲み込む水をバルーン35内の液室35aに給水するためのもので、図2に示すように、カプセル本体10に形成されカプセル2の外部と液室35aとを連通する給水路31と、この給水路31に介装され体腔内の水を液室35aに圧送するポンプ32と、ポンプ32の下流側で給水路31に臨まされ液室35a内の水圧を検出する圧力センサ33とを有する。
【0017】
ここで、本実施形態において、ポンプ32は、例えば、図示しない電磁駆動式の逆止弁を内臓しており、この逆止弁が解放されるまでの間、ポンプ32で圧送された水は液室35a内に保持されるようになっている。そして、図2に示すように、液室35a内に給水が行われると、バルーン35は、体腔内の内壁に所定圧力で押し当てられ、カプセル2を体腔内に保持する。このように、本実施形態において、ポンプユニット30は、バルーン35とともにバルーンシステムを構成し、カプセル2を体腔内の目的部位に保持する保持手段としての機能を実現する。
【0018】
制御ユニット40は、制御手段としてのカプセル側制御部45と、カプセル側信号処理部46と、カプセル側送受信部47と、カプセル側アンテナ48と、カプセル内電源部49とを有する。
【0019】
カプセル側制御部45は、後述する超音波観測装置3から送信される制御信号に基づいて、超音波ユニット20及びポンプユニット30の駆動制御を含むカプセル2の統括的な制御を行う。すなわち、カプセル側制御部45は、超音波観測装置3からの制御信号に基づいて、低出力用振動子21a及び高出力用振動子21bの駆動制御をそれぞれ個別に行う。また、カプセル側制御部45は、超音波観測装置3からの制御信号に基づいて、ポンプ32の駆動制御を行う。
【0020】
カプセル側信号処理部46は、低出力用振動子21aの駆動時に、当該低出力用振動子21aで取得されたエコー信号を信号処理してカプセル側制御部45に出力するようになっている。
【0021】
カプセル側送受信部47は、カプセル側アンテナ48に接続され、このカプセル側アンテナ48を介して、超音波観測装置3との間で信号の送受信を行う。すなわち、カプセル側送受信部47は、カプセル側アンテナ48により受信した超音波観測装置3からの電波の搬送波(キャリア信号)を選択的に抽出し、検波等して各種制御信号等に復調し、カプセル側制御部45に出力するようになっている。また、カプセル側送受信部47は、カプセル側信号処理部46で処理されたエコー信号等を所定の周波数の搬送波(キャリア信号)により変調し、超音波観測装置3に送信するようになっている。
【0022】
カプセル内電源部49は、カプセル側制御部45を介してカプセル2内の各部へ電力を供給するバッテリを有して構成されている。
【0023】
一方、超音波観測装置3は、装置側アンテナ51と、装置側送受信部52と、装置側信号処理部53と、装置側制御部54と、画像処理部55と、モニタ56と、操作入力部57と、装置内電源部58とを有して構成されている。
【0024】
装置側送受信部52は、装置側アンテナ51に接続され、この装置側アンテナ51を介して、カプセル2との間で信号の送受信を行う。すなわち、装置側送受信部52は、装置側アンテナ51により受信したカプセル2からの電波の搬送波(キャリア信号)を選択的に抽出し、検波等してエコー信号等に復調し、装置側信号処理部53に出力するようになっている。また、装置側送受信部52は、装置側制御部54で生成される各種制御信号等を所定の周波数の搬送波(キャリア信号)により変調し、カプセル2に送信するようになっている。
【0025】
装置側信号処理部53は、装置側送受信部52からのエコー信号を信号処理して装置側制御部54に出力するようになっている。
【0026】
装置側制御部54は、キーボードやマウス等の操作入力部57が接続され、この操作入力部57から入力される操作情報に基づいてカプセル装置1全体を統括的に制御する。具体的には、例えば、装置側制御部54は、操作入力部57から入力される操作情報に基づき、画像処理部55を制御するようになっている。また、装置側制御部54は、操作入力部57から入力される操作情報に基づき、カプセル2に対する各種制御信号を生成するようになっている。
【0027】
画像処理部55は、装置側信号処理部53で処理されたエコー信号を、装置側制御部54からの制御信号に基づいて画像処理し、所定の映像信号を生成するようになっている。そして、この画像処理部55は、生成した映像信号をモニタ56に出力してこのモニタ56の表示画面にカプセル2からの超音波画像を表示するようになっている。
【0028】
装置内電源部58は、装置側制御部54を介して商用電源からの電源電力を各構成部等へ供給するよう構成されている。なお、装置内電源部58は、図示しないバッテリを有して構成されてもよい。
【0029】
次に、カプセル2のカプセル側制御部45で実行されるポンプ32の駆動制御について、図4に示すポンプ駆動制御ルーチンのフローチャートを参照して説明する。
このルーチンは所定周期毎に繰り返し実行されるもので、ルーチンがスタートすると、カプセル側制御部45は、先ず、ステップS101において、カプセル2を体腔内に保持するための制御信号(カプセル保持指令)が、超音波観測装置3から送信されたか否かを調べる。
【0030】
そして、ステップS101において、カプセル保持指令が超音波観測装置3から送信され、当該信号がカプセル側送受信部47で受信されたと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS102に進み、ポンプ32を駆動する。これにより、体腔内に飲み込まれた水が、給水路31を介して液室35a内に圧送される。
【0031】
続くステップS103において、カプセル側制御部45は、圧力センサ33からの信号に基づき、液室35a内の圧力(水圧)が設定圧力に到達したか否かを調べる。そして、液室35a内の圧力が未だ設定圧力に到達していないと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS102に戻り、ポンプ32の駆動状態を維持する。
【0032】
一方、ステップS103において、液室35a内の圧力が設定圧力に到達したと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS104に進み、ポンプ32をOFFした後、ルーチンを抜ける。ここで、設定圧力とは、液室35a内の水圧によって膨張したバルーン35が体腔内の内壁に圧接してカプセル2を体腔内に保持することが可能な圧力(すなわち、カプセル2の嚥下を防止可能な圧力)であり、この設定圧力は予め実験等により求められている。なお、ポンプ32の停止後も、液室35a内の水圧は逆止弁によって保持される。
【0033】
また、ステップS101において、カプセル保持指令が超音波観測装置3から送信されていないと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS105に進み、体腔内でのカプセル2の保持を解除するための制御信号(カプセル保持解除指令)が、超音波観測装置3から送信されたか否かを調べる。
【0034】
そして、ステップS105において、カプセル保持解除指令が超音波観測装置から送信され、当該信号がカプセル側送受信部47で受信されたと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS106に進み、ポンプ32内の逆止弁を解放する。これにより、液室35a内に導入された水が給水路31を介して体腔内に排出され、体腔内でのカプセル2の保持が解除される(すなわち、体腔内でのカプセル2の移動が許容される)。
【0035】
一方、ステップS105において、カプセル保持解除指令が超音波観測装置3から送信されていないと判定すると(すなわち、カプセル保持指令及びカプセル保持解除指令の何れもが超音波観測装置3から送信されていないと判定すると)、カプセル側制御部45は、現在のポンプ32の状態を維持したまま、ルーチンを抜ける。
【0036】
このように、本実施形態では、液室35a内への給水/排水によって、体腔内でのカプセル2の保持、或いは、嚥下が任意に実現可能となっている。
【0037】
次に、カプセル2のカプセル側制御部45で実行される超音波振動子21の駆動制御について、図5に示す超音波振動子駆動制御ルーチンのフローチャートを参照して説明する。
このルーチンは所定周期毎に実行されるもので、ルーチンがスタートすると、カプセル側制御部45は、先ず、ステップS201において、超音波観察を開始するための制御信号(観察開始指令)が、超音波観測装置3から送信されたか否かを調べる。
【0038】
そして、ステップS201において、観察開始指令が超音波観測装置3から送信され、当該信号がカプセル側送受信部47で受信されたと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS202に進み、低出力用振動子21aの駆動制御を開始した後、ステップS205に進む。これにより、駆動モータ25の回動制御等とともに低出力用振動子21aの駆動制御が行われ、低出力用振動子21aから診断用超音波ビームが出力されて超音波観察が実現される。
【0039】
一方、ステップS201において、観察開始指令が超音波観測装置3から送信されていないと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS203に進み、超音波観察を終了するための制御信号(観察終了指令)が、超音波観測装置3から送信されたか否かを調べる。
【0040】
そして、ステップS203において、観察終了指令が超音波観測装置3から送信され、当該信号がカプセル側送受信部47で受信されたと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS204に進み、低出力用振動子21aのOFF制御を行った後、ステップS205に進む。
【0041】
一方、ステップS203において、観察終了指令が超音波観測装置3から送信されていないと判定すると(すなわち、観察開始指令及び観察終了指令の何れもが超音波観測装置3から送信されていないと判定すると)、カプセル側制御部45は、現在の低出力用振動子21aの状態を維持したまま、ステップS205に進む。
【0042】
ステップS202、ステップS203、或いは、ステップS204からステップS205に進むと、カプセル側制御部45は、超音波治療を開始するための制御信号(治療開始指令)が、超音波観測装置3から送信されたか否かを調べる。ここで、本実施形態において、超音波観測装置3からは、治療開始指令の送信時には、当該指令とともに、超音波治療を行う治療範囲(例えば、超音波診断で得られる超音波画像に基づいて指定された角度範囲)を示す信号が送信される。
【0043】
そして、ステップS205において、治療開始指令が超音波観測装置3から送信され、当該信号がカプセル側送受信部47で受信されたと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS206に進み、カプセル2が体腔内で保持されているか否かを調べる。ここで、カプセル2が保持されているか否かの判定は、例えば、液室35a内の圧力が設定圧力に到達しているか否かによって行われ、液室35a内の圧力が設定圧力に到達しており、カプセル2が体腔内に保持されていると判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS207に進む。
【0044】
そして、ステップS207において、カプセル側制御部45は、超音波観測装置3から送信された治療範囲に基づいて高出力用振動子21bの駆動タイミングを演算した後、ステップS208に進む。ここで、本実施形態において、高出力用振動子21bは低出力用振動子21aと表裏一体となっているため、カプセル側制御部45は、モニタ36上の超音波画像に基づいて術者が指定した治療範囲に対して180°遅角化させた駆動タイミングを演算する。
【0045】
そして、ステップS208において、カプセル側制御部45は、ステップS207で演算した駆動タイミングに基づいて高出力用振動子21bの駆動制御を開始した後、ルーチンを抜ける。これにより、駆動モータ25の回動制御等とともに高出力用振動子21bの駆動制御が行われ、高出力用振動子21bから治療用超音波ビームが出力されて超音波治療が実現される。
【0046】
一方、ステップS205において治療開始指令が超音波観測装置3から送信されていないと判定した場合には、カプセル側制御部45は、ステップS209に進む。同様に、ステップS206においてカプセル2が体腔内で保持されていないと判定した場合には、カプセル2の嚥下により安定した超音波治療が困難となる虞があるため、カプセル側制御部45は、ステップS209に進む。
【0047】
ステップS205或いはステップS206からステップS209に進むと、カプセル側制御部45は、超音波治療を終了するための制御信号(治療終了指令)が、超音波観測装置3から送信されたか否かを調べる。
【0048】
そして、ステップS209において、治療終了指令が超音波観測装置3から送信され、当該信号がカプセル側送受信部47で受信されたと判定すると、カプセル側制御部45は、ステップS210に進み、高出力用振動子21bのOFF制御を行った後、ルーチンを抜ける。
【0049】
一方、ステップS209において、治療終了指令が超音波観測装置3から送信されていないと判定すると、カプセル側制御部45は、現在の高出力用振動子21bの状態を維持したまま、ルーチンを抜ける。
【0050】
このように、本実施形態において、低出力用振動子21aと高出力用振動子21bを個別に駆動制御することが可能となっている。そして、操作入力部37を通じた術者の操作入力によって、例えば、超音波観察のみを実行する観察モードが選択された場合、図6(a)に示すように、低出力用振動子(観察用振動子)21aのみが駆動制御される。
【0051】
また、操作入力部37を通じた術者の操作入力によって、例えば、超音波観察及び超音波治療を実行する治療&観察モードが選択された場合、図6(b)に示すように、低出力用振動子(観察用振動子)21a及び高出力用振動子(治療用振動子)21bが駆動制御される。なお、図示の例では、モニタ36上の超音波画像において、低出力用振動子21aの90°から150°までの回転範囲が治療範囲として指定された場合の一例を示す。
【0052】
また、操作入力部37を通じた術者の操作入力によって、例えば、超音波治療のみの実行する治療モードが選択された場合、図6(c)に示すように、高出力用振動子(治療用振動子)21bのみが駆動制御される。
【0053】
次に、上述の構成の医療用カプセル装置1を用いた超音波観察及び超音波治療の一例について、図7のフローチャートを参照して説明する。
カプセル2が患者の体腔内に導入されて嚥下されている状態において、術者は、先ず、操作入力部37を通じた操作入力によって、低出力用振動子21aをONする(ステップS1)。これにより、観察モードが実行され、超音波観測装置3のモニタ36上に体腔内の超音波画像が表示される。
【0054】
そして、術者は、モニタ36上の超音波画像の観察によって、カプセル2が体腔内の要超音波治療部位(目的部位)に達したことを判定すると(ステップS2)、操作入力部37を通じた操作入力によって、ポンプ32を駆動させ、液室35a内への給水を開始する(ステップS3)。これにより、バルーン35が膨張され、カプセル2が体腔内の目的部位に保持される。
【0055】
次いで、術者は、操作入力部37を通じた操作入力によって、治療範囲を指定するとともに、高出力用振動子21bをONする(ステップS4)。これにより、治療&観察モードによる超音波治療が実行される(ステップS5)。
【0056】
なお、術者は、ステップS4において低出力用振動子21aをOFFすることにより、ステップS5で、超音波治療のみを行う(すなわち、治療モードによる超音波治療を行う)ことも可能である。このように超音波治療時に低出力用振動子21aをOFFすることにより、カプセル内電源部13の消費電力を抑制することができる。
【0057】
次いで、術者は、操作入力部37を通じた操作入力によって、高出力用振動子21bをOFFすることで超音波治療を終了し(ステップS6)、ポンプ32の逆止弁を解放させることでカプセル2の嚥下を再開させる(ステップS7)。そして、術者は、カプセル2の嚥下の過程において、再度、別の要超音波治療部位に達したことを判定すると(ステップS2)、ポンプ32を駆動させ(ステップS3)、以降の操作を繰り返す。
【0058】
このような実施形態によれば、診断用超音波ビームと当該診断用超音波ビームよりも高出力な治療用超音波ビームを出力可能な超音波振動子21と、カプセル2を体腔内の目的部位に保持するバルーンシステムとをカプセル2に配設することにより、超音波診断時に発見された患部に対してそのまま超音波治療を行うことができ、カプセル2を大型化させることなく、簡単な構成で機能性に富んだカプセルを実現することができる。
【0059】
従って、体腔内の深部で発見された患部に対して、開腹等を行うことなく治療を行うことができ、患者の苦痛を飛躍的に軽減することができる。また、その場で超音波治療を行うことができるので、発見した患部を見失うこと等を防止できる。
【0060】
その際、診断用超音波ビームを出力可能な低出力用振動子21aと、治療用超音波ビームを出力可能な高出力用振動子21bとを表裏一体に具備して超音波振動子21を構成することにより、カプセル2に搭載されるカプセル内電源部13の電力を効率よく使用することができる。すなわち、診断用超音波ビームと治療用超音波ビームとをそれぞれ専用の振動子21a,21bで発生させることにより、カプセル内電源部13の電力を効率よく使用することができる。
【0061】
ここで、上述の実施形態では、超音波振動子21を回動させながら超音波治療を行う一例について説明したが、例えば、図8に示すように、超音波治療時には、超音波振動子21を設定された治療範囲で揺動させてもよい。このように、制御することにより、要超音波治療部位に連続的に治療用超音波ビームを出力することができる。
【0062】
次に、図9は本発明の第2の実施形態に係わり、図9(a)はカプセルの斜視図であり(b)は各超音波振動子セルの駆動例を示す説明図である。なお、本実施形態は、機械走査式の超音波振動子に代えて、カプセルに電子走査式の超音波振動子を設けた点が、上述の第1の実施形態と主として異なる。その他、同様の構成については、同符号を付して説明を省略する。ここで、図9(a)はバルーンを省略して示すものである。
【0063】
図9(a)に示すように、超音波振動子60は、カプセル2の周部に沿って環状に配設された複数の超音波振動子セル61を備えて要部が構成されている。本実施形態において、各超音波振動子セル61は、それぞれ、少なくとも、超音波診断に好適な出力値から治療に好適な出力値までの出力範囲の超音波ビームを出力することが可能となっている。
【0064】
また、各超音波振動子セル61は、超音波観測装置3からの制御信号に基づいてカプセル側制御部45で個別に駆動制御されるようになっており、出力される超音波ビームの焦点距離は、超音波観測装置3からの制御信号に基づいてカプセル側制御部45で任意の距離に制御されるようになっている。
【0065】
このような構成において、術者の操作入力部57を通じた操作入力によって観察モードが選択されている場合には、カプセル側制御部45は、各超音波振動子セル61から診断用超音波ビームを順次出力させることにより、体腔内を電子的に走査し、超音波エコーを得る。
【0066】
また、術者の操作入力部57を通じた操作入力によって治療モードが選択されている場合には、カプセル側制御部45は、例えば、図9(b)に示すように、指定された治療範囲A2の各超音波振動子セル61から出力される超音波ビームを、診断用超音波ビームから治療用超音波ビームへと切り換える。その際、治療用超音波ビームの焦点距離を所定距離に制御することにより効率のよい超音波治療を実現することが可能となる。なお、治療モードの選択時にも、治療範囲A2以外の範囲を観察範囲A1として指定し、診断用超音波ビームを出力することも可能である。
【0067】
このような実施形態によれば、上述の第1の実施形態で得られる作用効果と略同様の作用効果を奏することが可能である。
【0068】
次に、図10乃至図12は本発明の第3の実施形態に係わり、図10は磁気誘導装置を示す斜視図、図11は磁界発生部の分割構成を示す斜視図、図12はカプセルの斜視図である。なお、本実施形態は、体腔内でのカプセルの保持を、バルーンシステムに代えて、磁気誘導装置を用いて実現する点が、上述の第1の実施形態と主として異なる。その他、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0069】
図10,11に示すように、磁気誘導装置101は、患者収納領域として患者が座れるような椅子型に形成され、上下に分割可能な磁界発生部102を設けた椅子型装置本体101Aを有して構成される。
【0070】
磁界発生部102は、互いに向かい合う一対の電磁コイル103aがヘルムホルツコイル103を形成し、このヘルムホルツコイル103を3組組み合わせて台104上に略キュービック状に構成されている(図11参照)。
【0071】
前記磁界発生部102は、電源ケーブル105(105a,105b)を介して3組のヘルムホルツコイル103に図示しない制御部が接続されるようになっている。この制御部は、3組のヘルムホルツコイル103に通電する電流を例えば、電流の向きを反転させたり、電流を変化させたりすることで、3組のヘルムホルツコイル103が3次元的に回転磁界を形成するように制御を行うようになっている。
【0072】
このことにより、磁気誘導装置101は、磁界発生部102が形成する回転磁界により、カプセル2に設けた磁石125(図2参照)に作用して体腔内での進行方向を誘導すると共に、カプセル2を体腔内で移動させる。さらに、磁気誘導装置101は、カプセル2に設けた磁石125に作用することで、カプセル2を体腔内に保持する保持手段として機能する。
【0073】
また、本実施形態において、カプセル本体10の外周面には、螺旋溝124aを形成した螺旋部124が設けられている。そして、磁石125に回転磁界が作用した際に、螺旋溝124aを流通する体腔内のガスや体液等の流体により、カプセル2の回転力が推進力に変換されてカプセル2の体腔内での進退移動が可能となっている。
【0074】
このような実施形態によれば、上述の各実施形態で得られる作用効果に加え、磁気誘導装置101によって、体腔内でのカプセル2の保持のみならず、カプセル2の誘導をも実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わり、医療用カプセル装置の概略構成を示す機能ブロック図
【図2】同上、カプセルの概略構成を示す要部断面図
【図3】同上、図2のI−I断面図
【図4】同上、ポンプの駆動制御ルーチンを示すフローチャート
【図5】同上、超音波振動子の駆動制御ルーチンを示すフローチャート
【図6】同上、(a)は超音波観察のみを行う際の各振動子の駆動状態を示すタイミングチャートであり、(b)は超音波観察と超音波治療とを行う際の各振動子の駆動状態を示すタイミングチャート、(c)は超音波治療のみを行う際の各振動子の駆動状態を示すタイミングチャート
【図7】同上、超音波観測及び超音波治療の手順の一例を示すフローチャート
【図8】同上、本実施形態の変形例に係わり、超音波治療を行う際の各振動子の駆動状態を示すタイミングチャート
【図9】本発明の第2の実施形態に係わり、(a)はカプセルの斜視図であり、(b)は各超音波振動子セルの駆動例を示す説明図
【図10】本発明の第3の実施形態に係わり、磁気誘導装置を示す斜視図
【図11】同上、磁界発生部の分割構成を示す斜視図
【図12】同上、カプセルの斜視図
【符号の説明】
【0076】
1 … 医療用カプセル装置
2 … カプセル
3 … 超音波観測装置
20 … 超音波ユニット
21 … 超音波振動子
21a … 低出力用振動子
21b … 高出力用振動子
30 … ポンプユニット(保持手段)
31 … 給水路(保持手段)
32 … ポンプ(保持手段)
33 … 圧力センサ(保持手段)
35 … バルーン(保持手段)
35a … 液室(保持手段)
60 … 超音波振動子
61 … 超音波振動子セル
101 … 磁気誘導装置(保持手段)




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013