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発明の名称 超音波内視鏡
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−37786(P2007−37786A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−225571(P2005−225571)
出願日 平成17年8月3日(2005.8.3)
代理人 【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
発明者 今橋 拓也 / 水沼 明子 / 沢田 之彦 / 若林 勝裕 / 佐藤 直
要約 課題
湾曲角が大きくでき、操作力量も小さく、患者への挿入性、術者の操作性に優れる超音波内視鏡を提供する。

解決手段
電子ラジアル方式の超音波探触子と、内視鏡挿入部の先端を構成し前記超音波探触子が設けられた先端硬性部と、前記先端硬性部が接続され遠隔操作により湾曲する湾曲管部において、前記各超音波振動子エレメントを駆動させる駆動信号を送信するための各超音波振動子エレメントに対応する信号線の束は該信号線束を拘束する拘束部材で被覆されており、湾曲管部に内包されている信号線束のうち、所定の範囲の信号線束を被覆している拘束部材の拘束力を信号線束のうち該範囲以外を被覆している拘束部材の拘束力よりも小さくする。
特許請求の範囲
【請求項1】
超音波を送受する超音波振動子エレメントが略円筒状に複数配列された超音波探触子と、内視鏡挿入部の先端を構成し前記超音波探触子が設けられた先端硬性部と、
前記先端硬性部が接続され遠隔操作により湾曲する湾曲管部と、
前記湾曲管部と接続された可撓管部と、
前記各超音波振動子エレメントを駆動させる駆動信号を送信するための各超音波振動子エレメントに対応する信号線の束であって、前記先端硬性部、前記湾曲管部、及び前記可撓管部の内部を通っている該信号線束と、
を備える超音波内視鏡であって、
前記信号線束は、該信号線束を拘束する拘束部材で被覆されており、
前記湾曲管部に内包されている前記信号線束のうち、所定の範囲の該信号線束を被覆している前記拘束部材の拘束力を、前記信号線束のうち該範囲以外を被覆している前記拘束部材の拘束力よりも小さい
ことを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項2】
前記拘束部材は、少なくとも前記信号線束を保持する第1の保持層と、該第1の保持層よりも薄い第2の保持層とから構成され、
前記拘束力が小さい前記所定の範囲の前記信号線束は、前記第2の保持層のみからなる前記拘束部材で被覆されている
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡。
【請求項3】
前記第1の保持層は、少なくともシールド材と、該シールド材を被覆する外皮とから構成されることを特徴とする請求項2に記載の超音波内視鏡。
【請求項4】
前記第2の保持層は、熱収縮部材から構成されることを特徴とする請求項2に記載の超音波内視鏡。
【請求項5】
前記所定の範囲は、長くとも前記湾曲管部の全長の半分の長さに相当する範囲であることを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡。
【請求項6】
前記所定の範囲は、前記先端硬性部側の前記湾曲管部の端から長くとも該湾曲管部の全長の半分の位置であることを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡。
【請求項7】
前記所定の範囲は、前記湾曲管部の全長の半分の長さに相当する範囲であることを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡。
【請求項8】
超音波を送受する超音波振動子エレメントが略円筒状に複数配列された超音波探触子と、内視鏡挿入部の先端を構成し前記超音波探触子が設けられた先端硬性部と、
前記先端硬性部が接続され遠隔操作により湾曲する湾曲管部と、
前記湾曲管部と接続された可撓管部と、
前記各超音波振動子エレメントを駆動させる駆動信号を送信するための各超音波振動子エレメントに対応する信号線の束であって、前記先端硬性部、前記湾曲管部、及び前記可撓管部の内部を通っている該信号線束と、
を備える超音波内視鏡であって、
前記湾曲管部に内包されている前記信号線束のうち、所定の範囲の該信号線束の前記信号線間相互の間隔を、該範囲以外の該信号線束の前記信号線間相互の間隔よりも大きくする
ことを特徴とする超音波内視鏡。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の挿入部先端に複数の超音波探触子を配した、電子走査型ラジアル走査超音波内視鏡に関する。特に、外周面に円環状に配列された超音波探触子用の信号伝送用同軸ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡先端に超音波探触子を有し、電気的に走査を行う電子走査型の超音波内視鏡が実用化されている。電子走査式の超音波内視鏡においては、多数の圧電振動子をアレイ状に並べて配置し、これらの圧電振動子を超音波内視鏡が接続される超音波観測装置によって適宜駆動させることによって、超音波画像が得られるようになっている。
【0003】
この超音波探触子に電気信号を伝送するための配線には、複数のフレキシブル基板(FPC:Flexible Printec Circuit)が使用されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
このFPCを使用した場合は、鉗子チャンネルなどの内視鏡観察部を避けるようにして、湾曲管部内に配置にされた後、湾曲管部よりも手元側(超音波内視鏡本体の操作部側)の可撓管先端にて、信号線(同軸ケーブル)に接続されている(例えば特許文献2:図1参照)。
【0005】
一般的な内視鏡の湾曲動作では、UP方向の湾曲角を大きくする必要があり、130度程度湾曲させ、その他も90度程度湾曲させることで、患者への挿入性をスムーズにし、患者への負担、内視鏡を操作する術者への負担を軽減している。
【0006】
また、FPCがなく、直接信号線を配した場合、多数本の信号線が、先端硬性部、湾曲管、可撓管部それぞれの全長にわたり熱収縮チューブなどによって束ねられている。
【特許文献1】特開2002−153465号公報
【特許文献2】特開2002−153470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、先行例のようにFPCを使用した場合、このように大きく湾曲管部が湾曲すると、たとえ先行例のようにFPCを配しても、FPCの挿入軸方向には伸縮させる力が作用し、FPCが波打ったり、引っ張り力を受けたりする。その結果、断線が起き易くなり、全方位にわたって、湾曲角度を大きくすることができないという問題点があった。
【0008】
また、先行例では、FPCに起因する抵抗力(伸縮力)をバランスさせることがポイントである。そうすると、術者の感じる操作力量が重くなるだけでなく、湾曲部の追従性が悪くなる。つまり、傷つけやすい体腔内で、慎重な操作を行うことが難しくなり、操作性が悪くなり、術者への負担が増すという問題点があった。
【0009】
さらに、内視鏡の湾曲管部は、UP130度に加えLEFT90度といった複合した湾曲状態(ツイスト状態)も存在する。そうすると、先行例の構成では湾曲操作力量がより重くなるだけでなく、FPCによる抵抗力のバランスがくずれ、術者の意図する動作とは異なる動作を起こす場合もあるという問題点があった。
【0010】
また、FPCを用いない場合、例えば、図11に示すように、拘束部材(例えば、外皮等)200で束ねられた信号線束201を用いる場合には、拘束部材200によりその信号線束201が締め付けられてしまうことで、信号線束201が1本の剛体202となってしまう。そうすると、湾曲管部の操作力量が重くなってしまい、操作性が悪くなるという問題点があった。
【0011】
特に、曲率半径Rで湾曲させた場合、湾曲管内の信号線束は、剛体化しているため、信号線束の中心が中立軸となり、外周側の信号線は引っ張り力を受け、内周側は圧縮力を受けるが周囲を拘束されているため、周囲の信号線に圧力を加えることになる。そのため、内視鏡操作によって繰り返し応力を受けるため、断線する恐れもあった。
【0012】
上記課題に鑑み、本発明では、湾曲角が大きくでき、操作力量も小さく、患者への挿入性、術者の操作性に優れる超音波内視鏡を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、超音波を送受する超音波振動子エレメントが略円筒状に複数配列された超音波探触子と、内視鏡挿入部の先端を構成し前記超音波探触子が設けられた先端硬性部と、前記先端硬性部が接続され遠隔操作により湾曲する湾曲管部と、前記湾曲管部と接続された可撓管部と、前記各超音波振動子エレメントを駆動させる駆動信号を送信するための各超音波振動子エレメントに対応する信号線の束であって、前記先端硬性部、前記湾曲管部、及び前記可撓管部の内部を通っている該信号線束と、を備える超音波内視鏡であって、前記信号線束は、該信号線束を拘束する拘束部材で被覆されており、前記湾曲管部に内包されている前記信号線束のうち、所定の範囲の該信号線束を被覆している前記拘束部材の拘束力を、前記信号線束のうち該範囲以外を被覆している前記拘束部材の拘束力よりも小さいことを特徴とする超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【0014】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項2に記載の発明によれば、前記拘束部材は、少なくとも前記信号線束を保持する第1の保持層と、該第1の保持層よりも薄い第2の保持層とから構成され、前記拘束力が小さい前記所定の範囲の前記信号線束は、前記第2の保持層のみからなる前記拘束部材で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【0015】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項3に記載の発明によれば、前記第1の保持層は、少なくともシールド材と、該シールド材を被覆する外皮とから構成されることを特徴とする請求項2に記載の超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【0016】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項4に記載の発明によれば、前記第2の保持層は、熱収縮部材から構成されることを特徴とする請求項2に記載の超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【0017】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項5に記載の発明によれば、前記所定の範囲は、長くとも前記湾曲管部の全長の半分の長さに相当する範囲であることを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【0018】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項6に記載の発明によれば、前記所定の範囲は、前記先端硬性部側の前記湾曲管部の端から長くとも該湾曲管部の全長の半分の位置であることを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【0019】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項7に記載の発明によれば、前記所定の範囲は、前記湾曲管部の全長の半分の長さに相当する範囲であることを特徴とする請求項1に記載の超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【0020】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項8に記載の発明によれば、超音波を送受する超音波振動子エレメントが略円筒状に複数配列された超音波探触子と、内視鏡挿入部の先端を構成し前記超音波探触子が設けられた先端硬性部と、前記先端硬性部が接続され遠隔操作により湾曲する湾曲管部と、前記湾曲管部と接続された可撓管部と、前記各超音波振動子エレメントを駆動させる駆動信号を送信するための各超音波振動子エレメントに対応する信号線の束であって、前記先端硬性部、前記湾曲管部、及び前記可撓管部の内部を通っている該信号線束と、を備える超音波内視鏡であって、前記湾曲管部に内包されている前記信号線束のうち、所定の範囲の該信号線束の前記信号線間相互の間隔を、該範囲以外の該信号線束の前記信号線間相互の間隔よりも大きくすることを特徴とする超音波内視鏡を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、湾曲角度を大きくすることができ、かつ、操作力量を低減することが可能になり、患者および術者にとって、負担の少ない超音波内視鏡を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明における超音波内視鏡の湾曲管部に内包される信号線束の拘束部分及び非拘束部分を示す概念図である。内視鏡の挿入部に挿通された信号線束101は、その全長に渡って拘束部材100で被覆され、拘束された状態になっている(拘束部分)。そのうち、図1(a)に示すように、湾曲管内の一部から先端硬性部側へ向かって信号線束101を覆っている拘束部材100が取り除かれて、信号線束101が剥き出しになっている。そのため、その部分の信号線束は拘束部材による拘束を受けていない(非拘束部分)。
【0023】
図1(b)は、図1(a)の剛性のモデル図を示す。図1(a)の拘束部分は剛体部102として示され、非拘束部分は柔軟部103として示される。
ここで、図1(b)の切断線Xa−Xa部分とこれに対応する図11の切断線Xb−Xbとを比較する。切断線Xb−Xbでは剛体であるのに対し、切断線Xa−Xaでは柔軟部であるため、図11よりも図1(a)の信号線束を湾曲させる場合にかかる負荷が比較的小さい。
【0024】
そこで、本発明では、内視鏡挿入部の先端を構成する可撓管部、湾曲管部、先端硬性部のうち、先端硬性部に配置され、挿入軸に垂直な音軸を有する複数の超音波振動子を円環状に配列した超音波探触子部と、挿入部内部に挿通された前記超音波探触子への信号の送受信部材である超音波振動子とほぼ同数の信号線束を有する超音波内視鏡において、前記超音波探触子から延出する各信号線が、先端硬性部内及び可撓管部では拘束状態にし、湾曲管部の少なくとも一部では先端硬性部内及び可撓管部での拘束状態よりも緩やかな拘束状態にする。そうすることで、各信号線が、内視鏡の挿入軸方向に対して自在に移動可能にするができ、湾曲管部が湾曲して、その外周側の信号線は引っ張り力を受け、内周側は圧縮力を受けた場合にも柔軟に湾曲することができる。
【0025】
また、本発明では、湾曲管内部で、全湾曲管の全長の半分までの信号線を弱拘束状態とする。また、湾曲管内部で、全湾曲管の全長の先端側半分までの信号線を弱拘束状態とする。
【0026】
それでは、本発明にかかる実施形態について、以下に説明する。
<第1の実施形態>
図2は、本発明にかかる超音波内視鏡の外観構成を示す。超音波内視鏡1は、体腔内に挿入される細長の挿入部2と、この挿入部2の基端に位置する操作部3と、この操作部3の側部から延出するユニバーサルコード4とで主に構成されている。
【0027】
ユニバーサルコード4内には、ライトガイドケーブル、吸引チューブ、電線等が通っている。ユニバーサルコード4の基端部には、図示しない光源装置に接続されるスコープコネクタ5が設けられている。このスコープコネクタ5からは、図示しないカメラコントロールユニットに電気コネクタを介して着脱自在に接続される電気ケーブル、及び図示しない超音波観測装置に超音波コネクタ6aを介して着脱自在に接続される超音波ケーブル6が延出している。
【0028】
挿入部2は、先端側から順に硬質な樹脂部材で形成した先端硬性部7、この先端硬性部7の後端に位置する湾曲自在な湾曲管部8、この湾曲管部8の後端に位置して操作部3の先端部に至る細径かつ長尺で可撓性を有する可撓管部9を連設して構成されている。そして、先端硬性部7の先端側には超音波を送受する複数の圧電素子を配列した超音波探触子10が設けられている。
【0029】
操作部3には、湾曲管部8を所望の方向に湾曲制御するアングルノブ11、送気及び送水操作を行うための送気・送水ボタン12、吸引操作を行うための吸引ボタン13、体腔内に導入する処置具の入り口となる処置具挿入口14等が設けられている。
【0030】
図3は、図2に示す超音波内視鏡1の先端硬性部7の拡大図である。図3(a)は外観斜視図を示し、図3(b)は外観構成図を示す。先端硬性部7の先端には、電子ラジアル型走査を可能にする超音波振動子10が設けられている。超音波振動子10は、音響レンズ(超音波送受部)17を形成した材質で被覆されている。また、先端硬性部7には斜面部7aが形成されている。斜面部7aには、観察部位に照明光を照射する照明光学部を構成する照明レンズ18b、観察部位の光学像を捉える観察光学部を構成する対物レンズ18c、切除した部位を吸引したり処置具が突出したりする開口である吸引兼鉗子口18d、送気及び送水するための開口である送気・送水口18aが設けてある。
【0031】
図4は、超音波探触子の断面を示す。また、図5は、その斜視図を示す。本実施形態では、超音波探触子の一例として電子ラジアル型超音波探触子を用いて説明する。電子ラジアル型超音波探触子とは、超音波ビームを円周方向に送受信するものである。
【0032】
超音波探触子10は円筒形状をしており、その最外周側から音響レンズ材17、音響整合層22で被覆されている。
圧電素子23の対向する各表面(超音波探触子10の内側方向の面と外側方向の面の表面)にそれぞれ電極層23a,23bが形成されている。また、基板20の一方の表面(超音波探触子10の内部側方向の面)には導電層21が形成されている。導電層21と電極層23aとは電気的に接続されている。電極層23bと導通する導電層25が音響整合層の一部に形成されている。
【0033】
図5に示すように、これら基板20,導電層21,圧電素子23,電極層23a,電極23b,導電層25,音響整合層22(その一部)はダイシングされて、複数の振動子エレメント37が形成されている。
【0034】
超音波探触子10の下部側の開口部と上部側の開口部付近にはそれぞれドーナツ形状の構造部材26,29が設けられている。構造部材26,29の間はバッキング材28で充填されている。構造部材26の表面(同図において下側の面)は銅箔が形成されている。導電層25を介して電極23bと銅箔27は電気的に接続されている。
【0035】
上部の開口部側(基板20が設けられている側)から、円筒状の構造部材30が挿入されている。この円筒状構造部材30は、円筒状部分とその一端に設けられている環状の鍔(つば)31とから構成されている。鍔31と構造部材29が接合することにより、円筒状部材30の位置が超音波探触子10の内部で固定される。
【0036】
鍔31表面にはプリント配線板32が設けてあり、その表面に複数の電極パッド36が設けてある。さらに、円筒状構造部材30内部にはケーブル束40が通してあり、そのケーブル束40の各ケーブル41の先端は、それぞれのケーブル41に対応する電極パッド36に半田付けされている。なお、ケーブル41は、通常はノイズ低減のために同軸ケーブルを用いる。各電極パッド36は半田及びワイヤー35を介して導電層21と電気的に接続されている。ケーブル41は、樹脂42にてポッティングされている。
【0037】
円筒状構造部材30の円筒部分の表面は金属薄膜38で被覆されている。ケーブル40から延びるグランド線39は、半田39aにより金属薄膜38が形成された円筒表面と半田付けされている。また、金属薄膜38は、銅箔27は電気的に接続されている。
【0038】
上記より、各ケーブル41の信号線は、この各ケーブル41の信号線と対応する振動子エレメント37の圧電素子の一方の電極23aと電気的に接続されている。一方、圧電素子23のシグナル電極22aと対面する電極22bは、グランド電極となっている。ケーブル束40は、接着剤43により円筒状構造部材30の開口部付近のみで接着され、束ねられて拘束されている。
【0039】
図6は、本実施形態における超音波内視鏡の挿入部2の先端付近の断面を示す。挿入部2の先端から先端硬性部7、湾曲管部8がある。また、超音波探触子10を先端硬性部材に接合させるための接続部材60が設けられている。
【0040】
接続部材60の内側には、円筒状構造部材30の円筒部分が収納されている。円筒状構造部材30の開口部からはケーブル束40が延びて、湾曲管部8の内部を通っている。さらに、湾曲管部8の内部には、左右方向(図6においては紙面に対して垂直方向)へ湾曲管部8を湾曲させるための複数連なった連結部材(不図示)と、上下方向(図6においては紙面に対して水平方向)へ湾曲管部8を湾曲させるための複数連なった連結部材49がある。また、湾曲管部8は湾曲管48の複数のユニットから構成されている。よって、連結部材が動作することで、各湾曲管48が動き、湾曲管部8全体として湾曲する。なお、本実施形態では、ケーブル束40として多芯同軸ケーブル50を用いた。
【0041】
図7は、本実施形態における多芯同軸ケーブル50の断面を示す。図7(a)は、図6の切断面A−Aに対応する多芯同軸ケーブル50の断面の模式図である。図7(b)は、図6の切断面B−Bに対応する多芯同軸ケーブル50の断面の模式図である。
【0042】
多芯同軸ケーブル50とは、複数の同軸ケーブル54を束ねたものをいう。本実施形態では、多芯同軸ケーブル50は、後述する部分(図7(a)参照)を除いて、全長に渡って図7(b)で示す断面をしている。まず、図7(b)について説明する。
【0043】
図7(b)では、各同軸ケーブル54は、芯線(信号線)54aが絶縁体54bで被覆され、その上からシールド線54cで被覆され、さらにジャケット(外皮)54dで被覆されて構成されている。さらに、複数の同軸ケーブル54を束ね、その上からシールド線(総合シールド線)53で被覆され、さらにジャケット(外皮)52で被覆されている。これが一般的な多芯同軸ケーブルの構成である。
【0044】
本実施形態では、このような多芯同軸ケーブル50をさらに熱収縮チューブ51で被覆している。このように、超音波探触子10に接続される所定数(振動子エレメントの個数に対応する数)の信号線(信号線束)は、先端硬性部7の一部内、湾曲管部8内の一部、及び可撓管部9にて、全長にわたりジャケット52の上に熱収縮チューブ51を被覆した。
【0045】
図7(a)は、湾曲管部8内の一部において、図7(b)で説明した多芯同軸ケーブル50のジャケット52及び総合シールド線53を取り去り、剥き出しとなった同軸ケーブル54の束の上から熱収縮チューブ51で被覆したものである。ここで熱収縮チューブ51を被覆させる理由としては、各同軸ケーブル54が1本1本バラバラにならないように、かつ、ある程度の自由度を持たせて保持するためである。各同軸ケーブル54が1本1本バラバラにあると、上記の連結部材49等に挟まって断線する恐れもあるからである。
【0046】
また、熱収縮チューブ51は、多芯同軸ケーブル50を湾曲管部8内部の所定の位置に位置決めするためでもある。また、図7(b)において、熱収縮チューブ51は、ジャケット52が機械的損傷を受けた場合、総合シールド線53が外部に露出するのを防止して、より安全性を高めるためでもある。
【0047】
再び図6について見てみると、円筒状構造部材30の開口部から湾曲管部8側へ向かって延出している多芯同軸ケーブル50は、湾曲管部8の一部から円筒状構造部材30側へ向かってジャケット52及び総合シールド線53が取り去られている(C部分)。それ以外は、ジャケット52及び総合シールド線53が被覆している(D部分)。
【0048】
そして、剥き出しとなった同軸ケーブル54の束は、接着剤43により円筒状構造部材30の開口部付近で接着され、束ねられて拘束されている。そして、この接着されている部分43を除いて、多芯同軸ケーブル50は、剥き出しとなった同軸ケーブル54の束の部分(C部分)も含めて、全長に渡って熱収縮チューブ51で覆われている。
【0049】
ところで、多芯同軸ケーブル50を熱収縮チューブ51で覆う際、まず、多芯同軸ケーブル50を熱収縮チューブ51に通して外部より熱をかける。このとき、加熱時間を変えたり、火力または熱源(例えば、ヒートガン等の小型の加熱器具や大型の加熱器具を使用することにより調整)を変えたり、熱源を加熱対象物から離したりすることで熱勾配をかけ、部分によって各同軸ケーブル54に対する熱収縮チューブ51の拘束力を調整する。
【0050】
例えば、ジャケット52及び総合シールド線53が取り去られている(C部分)部分に位置する熱収縮チューブ51への加熱時間を、その他の部分より短くして、各同軸ケーブル54への拘束力を相対的に弱めることができる。
【0051】
熱収縮チューブ51を被覆することで、ジャケット52内(総合シールド53内)の各信号線(同軸ケーブル54)が、より拘束される(D部分)。そのため、図7(b)に示すように、同軸ケーブル54相互間の間隔P0が狭まる。そうすると、総合シールド53の縒りが信号線(同軸ケーブル54)の大きな摺動抵抗となり、各信号線(同軸ケーブル54)が確実に拘束される。
【0052】
一方、湾曲管部8内のC部分では、ジャケット52及び総合シールド53がないため、各信号線(同軸ケーブル54)に対して締め付けが少ない。つまり、図7(a)に示すように、同軸ケーブル54相互間の間隔P1は、図7(b)のP0に比べて広くなる(P1>P0)。
【0053】
そのため、図7(a)では各同軸ケーブル54の自由度が図7(b)の場合よりも大きい。このことは、多芯同軸ケーブル50を湾曲させた場合、各同軸ケーブル54に対する拘束力が図7(a)の方が小さいことを示している。
【0054】
以上より、内視鏡の湾曲動作によって信号線束が曲率半径Rで湾曲すると、曲率の内周側に位置する信号線は撓み、外周側に位置する信号線は、曲率半径Rで曲がり、不要な引っ張り力がかかることがなくなる。また、信号線に不要な力がかからないため、断線の恐れがなくなるだけでなく、信号線束が柔軟になるため、操作力量が低減される。
【0055】
<第2の実施形態>
湾曲管全長に渡って信号線束が弱拘束状態(ジャケット52及び総合シールド線53等により十分に拘束されていない状態をいい、第1の実施形態でいう熱収縮チューブのみで被覆された状態(C部分)をいう。以下、同じ)であると、各信号線がそれぞれいろんな方向に撓んでしまう。その結果、湾曲管部内に存在する他の内蔵物(例えば、ライトガイドケーブル等)に接触して、それらに不要な負荷を加えることになる。そこで、本実施形態では、湾曲管部内における弱拘束状態の信号線束を湾曲管部全長の半分以下とする。
【0056】
図8は、本実施形態における超音波内視鏡の挿入部先端の模式図である。同図において、湾曲管部の全長をL1とし、弱拘束状態の信号線束部分70の長さをL2とする。L2は、L1の半分以下の長さとする。例えば、L2を、L1の3分の1の長さにしてもよい。
【0057】
図9は、本実施形態における超音波内視鏡の湾曲管部8を湾曲させた場合での信号線束の様子を示す。同図に示すように、湾曲管部8の一端E1と他端E2とが180度の位置に位置するように、湾曲管部8を半円状に湾曲させた場合、信号線束部分70の長さの限界は90度の円弧で示される。これ以上の角度の円弧になると、各信号線がそれぞれいろんな方向に撓んでしまうおそれがある。したがって、図9を考慮すると、実質的に弱拘束状態の信号線束部分は、湾曲管部の全長の半分以下とするのがよい。
【0058】
以上より、各信号線が自由に変形する領域を制限することができる。よって、鉗子用チャンネルや、光学観察用の部材などの他の内蔵物との干渉を防止し、信号線の断線だけでなく、他の内蔵物へのダメージを最小限にすることができる。
【0059】
<第3の実施形態>
第2の実施形態では、湾曲管部内における弱拘束状態の信号線束の部分の長さを湾曲管部の半分以下としたが、本実施形態では、湾曲管全長のうち、弱拘束状態の信号線束を湾曲間の先端側半分以下とする。内視鏡を体腔内に誘導の際に、内視鏡の挿入部の先端が柔軟に曲がればよく、その他の部分は追従するのみである。
【0060】
図10は、本実施形態における超音波内視鏡の挿入部先端の模式図である。これにより、湾曲管の柔軟な箇所(弱拘束状態の信号線束部分80)が、先端側に位置する。
そうすることで、患者への挿入時、管腔への追従性がよくなり、挿入性が改善し、患者、術者への負担軽減となる。
【0061】
なお、第1〜第3の実施形態において、熱収縮チューブを用いたが、これに限定されず、信号線束を拘束できるものであればよい。例えば、熱収縮テープ等でも良い。また、第1〜第3の実施形態では、電子ラジアル型の超音波探触子を用いたが、これに限定されず、例えば、コンベックス型、リニア型の超音波探触子でもよい。また、第1〜第3の実施形態では圧電素子を用いた電子ラジアル型超音波探触子を用いたが、これに限定されず、静電容量型振動子(c−MUT)を用いた電子ラジアル型超音波探触子に対しても適用することができる。
【0062】
また、本発明は、第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲において種々の構成を採用することができる。したがって、湾曲管部に内包されている信号線束のうち所定の範囲の信号線束を被覆している被覆部材による拘束力を、その他の部分を被覆している被覆部材の拘束力よりも小さくできるのであれば、この被覆部材は、熱収縮チューブ51、ジャケット52、総合シールド53の構成に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明における信号線の拘束部分及び弱拘束部分を説明するための概念図である。
【図2】本発明における超音波内視鏡の外観構成を示す図である。
【図3】図2の超音波内視鏡1の先端部の拡大図である。
【図4】第1の実施形態における超音波探触子の断面図である。
【図5】第1の実施形態における超音波探触子の斜視図である。
【図6】第1の実施形態における超音波内視鏡の挿入部2の先端付近の断面を示す。
【図7】第1の実施形態における多芯同軸ケーブルの断面を示す。
【図8】第2の実施形態における超音波内視鏡の挿入部先端の模式図である。
【図9】第2の実施形態における超音波内視鏡の湾曲管部8を湾曲させた場合での信号線束の様子を示す。
【図10】第3の実施形態における超音波内視鏡の挿入部先端の模式図である。
【図11】従来の内視鏡の湾曲管部の信号線束201を説明するための図である。
【符号の説明】
【0064】
1 超音波内視鏡
2 挿入部
3 操作部
4 ユニバーサルコード
4a 内視鏡コネクタ
5 電気ケーブル
6 超音波ケーブル
6a 超音波コネクタ
7 先端硬性部
8 湾曲管部
9 可撓管部
10 超音波振動子
11 アングルノブ
12 送気・送水ボタン
13 吸引ボタン
14 処置具挿入口
17 音響レンズ(超音波送受部)
18a 送気・送水口
18b 照明レンズ
18c 対物レンズ
18d 吸引兼鉗子口
20 基板
21 導電層
22 音響整合層
23 圧電素子
23a,23b 電極層
25 導電層
26,29 構造部材
27 銅箔
28 バッキング材
30 円筒状構造部材
31 鍔(つば)
32 プリント配線板
35 ワイヤー
36 電極パッド
37 振動子エレメント
38 金属薄膜
39 グランド線
39a 半田
40 ケーブル束
41 ケーブル
42 ポッティング樹脂
43 接着剤
48 湾曲管
49 連結部材
50 多芯同軸ケーブル
51 熱収縮チューブ
52 ジャケット
53 シールド線(総合シールド線)
54 同軸ケーブル
54a 芯線(信号線)
54b ジャケット(外皮)
54c シールド線
54d ジャケット(外皮)
60 接続部材
70,80 信号線束部分




 

 


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