米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> オリンパスメディカルシステムズ株式会社

発明の名称 撮像システム及び処置具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29454(P2007−29454A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−217682(P2005−217682)
出願日 平成17年7月27日(2005.7.27)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 半田 啓二 / 原野 健二
要約 課題
生体組織に対して行う処置に費やされる時間を、従来に比べて短縮し得る撮像システム及び処置具を提供する。

解決手段
本発明の撮像システムは、被写体の像を撮像し、撮像信号として出力する撮像部と、前記撮像信号に基づき、被写体の像を表示部に画像表示するための映像信号を生成し、該表示部に対して該映像信号を出力する画像処理部と、前記被写体に対して赤外光を出射する照明部を有すると共に、前記被写体を挟んで前記撮像部に略対向する位置に該照明部を配置可能とする処置具とを具備した撮像システムであって、前記被写体の像は、前記照明部から前記被写体に対して出射された赤外光の透過光に基づく像である。
特許請求の範囲
【請求項1】
被写体の像を撮像し、撮像信号として出力する撮像部と、
前記撮像信号に基づき、被写体の像を表示部に画像表示するための映像信号を生成し、該表示部に対して該映像信号を出力する画像処理部と、
前記被写体に対して赤外光を出射する照明部を有すると共に、前記被写体を挟んで前記撮像部に略対向する位置に該照明部を配置可能とする処置具とを具備した撮像システムであって、
前記被写体の像は、前記照明部から前記被写体に対して出射された赤外光の透過光に基づく像であることを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記処置具は、柄部と、前記照明部を具備する面部とを有し、前記面部は、前記柄部の端部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記照明部は、1または複数の発光素子を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
さらに、前記撮像システムは、前記照明部に対して赤外光を供給する光源部を有し、
前記処置具は、前記光源部から供給される赤外光を前記照明部に導くための導光部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像システム。
【請求項5】
さらに、前記処置具は、前記面部を構成する、前記照明部が各々設けられた複数の面部材と、前記柄部に前記複数の面部材を各々取り付けるための軸部材と、前記軸部材を中心軸とした所定の方向に該複数の面部材を各々回動させる処置具操作部とを有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の撮像システム。
【請求項6】
さらに、前記撮像部が先端部に設けられた内視鏡を具備し、
前記処置具は、前記照明部から出射される赤外光の出射方向を変更可能な湾曲部を有すると共に、前記内視鏡内部に設けられた管路に挿通可能であることを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記照明部が出射する赤外光の波長帯域は、少なくとも、酸化ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記照明部が出射する赤外光の波長帯域は、少なくとも、ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の撮像システム。
【請求項9】
被写体の像を撮像し、撮像信号として出力する撮像部と、前記撮像信号に基づき、被写体の像を表示部に画像表示するための映像信号を生成し、該表示部に対して該映像信号を出力する画像処理部とを有する撮像システムにおいて用いられる処置具であって、
前記処置具は、前記撮像部が前記被写体の透過光に基づく像を撮像するための、所定の帯域を含む赤外光を前記被写体に対して出射する照明部を有すると共に、前記被写体を挟んで前記撮像部に略対向する位置に該照明部を配置可能であることを特徴とする処置具。
【請求項10】
さらに、柄部と、前記照明部を具備する面部とを有し、前記面部は、前記柄部の端部に設けられていることを特徴とする請求項9に記載の処置具。
【請求項11】
前記照明部は、1または複数の発光素子を有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の処置具。
【請求項12】
前記照明部は、赤外光を出射する光源部から供給される赤外光を前記照明部に導くための導光部を有することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の処置具。
【請求項13】
さらに、前記面部を構成する、前記照明部が各々設けられた複数の面部材と、前記柄部に前記複数の面部材を各々取り付けるための軸部材と、前記軸部材を中心軸とした所定の方向に該複数の面部材を各々回動させる処置具操作部とを有することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の処置具。
【請求項14】
さらに、前記照明部から出射される赤外光の出射方向を変更可能な湾曲部を有すると共に、内部に管路を有する内視鏡において、該管路に挿通可能であることを特徴とする請求項9に記載の処置具。
【請求項15】
前記所定の帯域は、少なくとも、酸化ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長の波長帯域であることを特徴とする請求項9乃至請求項14のいずれか一に記載の処置具。
【請求項16】
前記所定の帯域は、少なくとも、ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長の波長帯域であることを特徴とする請求項9乃至請求項14のいずれか一に記載の処置具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システム及び処置具に関し、特に、被写体の透過光の像を撮像するための撮像システム及び処置具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、血液中に存在するヘモグロビンの光吸収特性に応じた波長帯域を有する赤外光を生体組織に対して照射することにより、該生体組織内部に関する情報として、例えば、血液中のヘモグロビン数、血管走行の状態等を得ることのできる機器が提案されている。
【0003】
そして、前述したような生体組織内部に関する情報を得ることのできる機器として、例えば、特許文献1に提案されている撮像システムが提案されている。
【0004】
特許文献1に提案されている撮像システムは、光源装置から出射された赤外光を内視鏡の先端部から出射することにより被写体としての生体組織等を照明し、照明された該生体組織等の像を内視鏡の先端部に設けられたCCD(電荷結合素子)を用いて撮像するという構成を有することにより、生体組織内部に関する情報として、血管走行の状態を得ることを可能としている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−358051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に提案されている撮像システムは、被写体としての生体組織等に対して照射された赤外光の反射光による像を撮像する構成である。そのため、特許文献1に提案されている撮像システムを用いた場合、被写体としての生体組織等に対して照射した赤外光が、例えば、該生体組織内部に存在する脂肪等において散乱してしまうことにより、該生体組織の深部に存在する血管走行の状態を得ることが困難となることから、結果的に、該生体組織に対して行う処置に費やされる時間が長時間化してしまうという課題が生じている。
【0007】
本発明は、前述した点に鑑みてなされたものであり、生体組織に対して行う処置に費やされる時間を、従来に比べて短縮し得る撮像システム及び処置具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明における第1の撮像システムは、被写体の像を撮像し、撮像信号として出力する撮像部と、前記撮像信号に基づき、被写体の像を表示部に画像表示するための映像信号を生成し、該表示部に対して該映像信号を出力する画像処理部と、前記被写体に対して赤外光を出射する照明部を有すると共に、前記被写体を挟んで前記撮像部に略対向する位置に該照明部を配置可能とする処置具とを具備した撮像システムであって、前記被写体の像は、前記照明部から前記被写体に対して出射された赤外光の透過光に基づく像であることを特徴とする。
【0009】
本発明における第2の撮像システムは、前記第1の撮像システムにおいて、前記処置具は、柄部と、前記照明部を具備する面部とを有し、前記面部は、前記柄部の端部に設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明における第3の撮像システムは、前記第1または第2の撮像システムにおいて、前記照明部は、1または複数の発光素子を有することを特徴とする。
【0011】
本発明における第4の撮像システムは、前記第1または第2の撮像システムにおいて、さらに、前記撮像システムは、前記照明部に対して赤外光を供給する光源部を有し、前記処置具は、前記光源部から供給される赤外光を前記照明部に導くための導光部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明における第5の撮像システムは、前記第2または第3の撮像システムにおいて、さらに、前記処置具は、前記面部を構成する、前記照明部が各々設けられた複数の面部材と、前記柄部に前記複数の面部材を各々取り付けるための軸部材と、前記軸部材を中心軸とした所定の方向に該複数の面部材を各々回動させる処置具操作部とを有することを特徴とする。
【0013】
本発明における第6の撮像システムは、前記第1の撮像システムにおいて、さらに、前記撮像部が先端部に設けられた内視鏡を具備し、前記処置具は、前記照明部から出射される赤外光の出射方向を変更可能な湾曲部を有すると共に、前記内視鏡内部に設けられた管路に挿通可能であることを特徴とする。
【0014】
本発明における第7の撮像システムは、前記第1乃至第6の撮像システムにおいて、前記照明部が出射する赤外光の波長帯域は、少なくとも、酸化ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明における第8の撮像システムは、前記第1乃至第6の撮像システムにおいて、前記照明部が出射する赤外光の波長帯域は、少なくとも、ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明における第1の処置具は、被写体の像を撮像し、撮像信号として出力する撮像部と、前記撮像信号に基づき、被写体の像を表示部に画像表示するための映像信号を生成し、該表示部に対して該映像信号を出力する画像処理部とを有する撮像システムにおいて用いられる処置具であって、前記処置具は、前記撮像部が前記被写体の透過光に基づく像を撮像するための、所定の帯域を含む赤外光を前記被写体に対して出射する照明部を有すると共に、前記被写体を挟んで前記撮像部に略対向する位置に該照明部を配置可能であることを特徴とする。
【0017】
本発明における第2の処置具は、前記第1の処置具において、さらに、柄部と、前記照明部を具備する面部とを有し、前記面部は、前記柄部の端部に設けられていることを特徴とする。
【0018】
本発明における第3の処置具は、前記第1または第2の処置具において、前記照明部は、1または複数の発光素子を有することを特徴とする。
【0019】
本発明における第4の処置具は、前記第1または第2の処置具において、前記照明部は、赤外光を出射する光源部から供給される赤外光を前記照明部に導くための導光部を有することを特徴とする。
【0020】
本発明における第5の処置具は、前記第2または第3の処置具において、さらに、前記面部を構成する、前記照明部が各々設けられた複数の面部材と、前記柄部に前記複数の面部材を各々取り付けるための軸部材と、前記軸部材を中心軸とした所定の方向に該複数の面部材を各々回動させる処置具操作部とを有することを特徴とする。
【0021】
本発明における第6の処置具は、前記第1の処置具において、さらに、前記照明部から出射される赤外光の出射方向を変更可能な湾曲部を有すると共に、内部に管路を有する内視鏡において、該管路に挿通可能であることを特徴とする。
【0022】
本発明における第7の処置具は、前記第1乃至第6の処置具において、前記所定の帯域は、少なくとも、酸化ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長の波長帯域であることを特徴とする。
【0023】
本発明における第8の処置具は、前記第1乃至第6の処置具において、前記所定の帯域は、少なくとも、ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長の波長帯域であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明における撮像システム及び処置具によると、生体組織に対して行う処置に費やされる時間が、従来に比べて短縮され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施形態に係る内視鏡システムの要部の構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る内視鏡システムによる観察を行う際に用いられる処置具の構成の一例を示す図である。図3は、ヘモグロビン及び酸化ヘモグロビンの光吸収特性を示す図である。図4は、本実施形態に係る内視鏡システムを構成する内視鏡と、図2に示す処置具とを用いて被写体の像を撮像する場合の、該内視鏡及び該処置具の配置状態の一例を示す図である。図5は、本実施形態に係る内視鏡システムによる観察を行う際に用いられる処置具の構成の、図2とは異なる一例を示す図である。図6は、図5に示す処置具に設けられたファイバの構成の一例を示す図である。図7は、本実施形態に係る内視鏡システムによる観察を行う際に用いられる処置具の構成の、図2及び図5とは異なる一例を示す図である。図8は、図7に示す処置具に設けられた複数の面部材を、各々所定の方向に回動させた状態の一例を示す図である。図9は、図7に示す処置具に設けられた複数の面部材のうち、一の面部材の構成の一例を示す図である。図10は、図7に示す処置具に設けられた複数の面部材のうち、図9に示す面部材とは異なる構成を有する、他の面部材の構成の一例を示す図である。図11は、図9及び図10に示す面部材を取り付けるための軸部材の構成の一例を示す図である。図12は、本実施形態に係る内視鏡システムを構成する内視鏡と、赤外光を出射するLEDが設けられたファイバーケーブルとを用いて被写体の像を撮像する場合の、該内視鏡及び該ファイバーケーブルの配置状態の一例を示す図である。
【0026】
撮像システムとしての内視鏡システム1は、図1に示すように、内視鏡2と、被写体としての生体組織501を照明するための照明光を出射する、光源部としての光源装置3と、光源装置3から出射された照射光を内視鏡2の先端部に導くライトガイド4と、画像処理装置5と、モニタ6と、処置具としてのリトラクター11とを要部として有している。
【0027】
内視鏡2は、少なくとも一部が体腔内に挿入される構成を有すると共に、生体組織501の像を撮像し、撮像した生体組織501の像を撮像信号として出力するための、対物レンズ及び撮像素子等からなる撮像部2aを先端部に有している。
【0028】
画像処理部としての画像処理装置5は、内視鏡2から出力された撮像信号に対して信号処理を行い、映像信号として出力する、
表示部としてのモニタ6は、画像処理装置5から出力される映像信号に基づき、生体組織501の像を画像表示する。
【0029】
また、リトラクター11は、図2に示すように、細長の柄部12と、柄部12の先端部に、柄部12の軸方向に対して角度をなして設けられた面部13とを有して構成されている。
【0030】
柄部12は、リトラクター11を操作する場合に術者等が把持する把持部12Aと、把持部12Aに設けられたスイッチ12Bとを後端側に有して構成されている。
【0031】
把持部12Aは、電池またはバッテリー等により構成される図示しない電源部を有し、該電源部から供給される駆動電流により、後述する照明部13Aに設けられたLEDが点灯する。
【0032】
スイッチ12Bは、術者等に操作されることにより、後述する照明部13Aに設けられたLEDの点灯状態及び消灯状態を切り替えることができる。
【0033】
面部13は、被写体501に対して赤外光を照射するための、例えば、1または複数の面実装型のLEDが設けられた照明部13Aを有して構成される。なお、本実施形態においては、照明部13Aは、図2に示すように、例えば、発光素子としてのLED13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13h及び13iの、9個のLEDを有して構成されているものであるとするが、このような構成に限るものではない。
【0034】
また、本実施形態においては、照明部13Aが有する9個のLEDは、動脈の血管走行の状態を観察するために、図3に示す、酸化ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長である、910nm前後の波長帯域を有する光を発するものとして構成されているものであるとするが、このような構成に限るものではない。具体的には、例えば、照明部13Aが有する9個のLEDは、静脈の血管走行の状態を観察するために、図3に示す、ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長である、760nm前後の波長帯域を有する光を発するものとして構成されているものであっても良い。
【0035】
次に、本実施形態における作用について説明を行う。
【0036】
まず、術者等は、図1に示すような状態として、内視鏡システム1の各部を接続した後、該各部の電源を投入することにより、内視鏡システム1を起動状態とする。
【0037】
内視鏡2は、起動状態において、光源装置3が出射した照明光により照明された生体組織501の像を撮像し、撮像した該生体組織501の像を、画像処理装置に対して撮像信号として出力する。
【0038】
内視鏡2から出力された撮像信号は、画像処理装置5に入力された後、映像信号としてモニタ6に出力される。これにより、モニタ6には、生体組織501の像が画像表示される。
【0039】
術者等は、モニタ6に表示される画像を見ながら、動脈の血管走行の状態の観察対象となる所望の被写体が存在する部位まで、内視鏡2を体腔内に挿入してゆく。そして、術者等は、内視鏡2の先端部が前記所望の被写体が存在する部位に到達した際に、図示しないトロッカー等を介し、リトラクター11を体腔内に挿入する。
【0040】
その後、術者等は、内視鏡2の先端部及びリトラクター11の両方が前記所望の被写体が存在する部位に到達した際に、前記所望の被写体としての、例えば、胃、または、該胃を固定している大網及び小網等である生体組織501に対し、内視鏡2の先端部及びリトラクター11の各々を、図4に示すような位置関係となるように配置する。より具体的には、術者等は、内視鏡2の先端部と、リトラクター11の照明部13Aとが、生体組織501を挟んで略対向する位置に配置されるように、内視鏡2及びリトラクター11を移動させる。
【0041】
内視鏡2の先端部と、リトラクター11の照明部13Aとが、生体組織501を挟んで略対向する位置に配置された状態、すなわち、図4に示すような状態において、術者等は、光源装置3からの照射光の出射を停止させると共に、リトラクター11のスイッチ12Bをオンすることにより、照明部13Aが有する各LEDを点灯状態とする。
【0042】
図4に示すような状態において、照明部13Aが有する各LEDが点灯状態となった場合、内視鏡2の先端部に設けられた撮像部2aは、照明部13Aが有する各LEDから出射された赤外光のうち、生体組織501を透過した透過光の像を撮像する。そして、内視鏡2により撮像された、照明部13Aが有する各LEDから出射された赤外光の透過光による生体組織501の像は、撮像信号として、画像処理装置5に対して出力される。そして、内視鏡2から出力された撮像信号は、画像処理装置5に入力された後、映像信号としてモニタ6に出力される。これにより、モニタ6には、赤外光の反射光による像に比べ、深部における(動脈または静脈の)血管走行の状態がより明確となった、生体組織501の像が画像表示される。そして、術者等は、モニタ6に画像表示される、前述したような、深部における血管走行の状態が明確となった生体組織501の像を見ながら、生体組織501に対する処置を、従来に比べて短い時間により行うことができる。
【0043】
なお、本実施形態において、内視鏡システム1による観察の際に用いられるリトラクターは、自身が有するLEDが点灯状態となることにより赤外光を出射する、図2に示すリトラクター11のような構成を有するものに限るものではなく、例えば、外部から供給される赤外光を出射する、図5に示すリトラクター11Aのような構成を有するものであっても良い。
【0044】
ポリカーボネート等の透明な樹脂により形成された、処置具としてのリトラクター11Aは、ファイバ41が内部を挿通するように設けられた柄部12と、柄部12の先端部に、柄部12の軸方向に対して角度をなして設けられ、柄部12から延出したファイバ41の一端側が波形状に配置された照明部13Bを有する面部13とを有して構成されている。また、柄部12から延出したファイバ41の他端側は、(図5には図示していない)光源装置3に接続可能な構成を有している。そして、ファイバ41が前述したような構成を有することにより、光源装置3から出射された照明光は、柄部12を介し、面部13の照明部13Bに対して供給される。
【0045】
なお、光源装置3から出射される前記照明光は、動脈の血管走行の状態を観察するための、910nm前後の波長帯域を有する赤外光、または、静脈の血管走行の状態を観察するための、760nm前後の波長帯域を有する赤外光のいずれかであるとする。また、光源装置3は、図示しない帯域制限フィルタを有し、これにより、前述した2種類の赤外光のうち、いずれか一方の赤外光を前記照明光として選択的に出射可能であるとする。
【0046】
導光部としてのファイバ41は、図6に示すように、クラッド43が遮光部材42に覆われた状態の遮光部41Aと、クラッド43が遮光部材42に覆われていない状態の発光部41Bとを有して構成されている。
【0047】
遮光部41Aは、図5に示すように、一端が柄部12の内部を挿通して設けられていると共に、他端が(図5には図示していない)光源装置3に接続可能な構成を有している。また、照明部13Bを構成する発光部41Bは、図5に示すように、クラッド43が露出した状態として、面部13に波形状に配置されている。
【0048】
以上に述べた構成により、内視鏡システム1による観察の際にリトラクター11Aが用いられた場合、光源装置3から出射された赤外光は、遮光部41Aにより遮光された状態において伝送された後、照明部13Bを構成する発光部41Bにおいて、生体組織501に対して出射される。その後、前述した、リトラクター11と略同様の作用により、モニタ6には、赤外光の反射光による像に比べ、深部における(動脈または静脈の)血管走行の状態がより明確となった、生体組織501の像が画像表示される。その結果、前述した、リトラクター11が用いられた場合と略同様の作用及び効果を得ることができる。
【0049】
また、本実施形態において、内視鏡システム1による観察の際に用いられるリトラクターは、図2に示すリトラクター11及び図5に示すリトラクター11Aのような構成を有するものに限るものではなく、例えば、図7に示すリトラクター111のような構成を有するものであっても良い。
【0050】
処置具としてのリトラクター111は、図7に示すように、柄部112と、柄部112の先端側に取り付けられた複数の面部材からなる面部113と、柄部112と、前記複数の面部材各々とを接続するための軸部材115とを有して構成されている。
【0051】
柄部112は、リトラクター111を操作する場合に術者等が把持する把持部112Aを後端側に有し、また、把持部112Aは、スイッチ112Bと、ハンドル部112Cとを有して構成されている。また、把持部112Aは、電池またはバッテリー等により構成される図示しない電源部を有し、該電源部から供給される駆動電流により、後述する照明部113A及び113Bに設けられたLEDが点灯する。
【0052】
スイッチ112Bは、術者等に操作されることにより、後述する照明部113A及び113Bに設けられたLEDの点灯状態及び消灯状態を切り替えることができる。
【0053】
処置具操作部としてのハンドル部112Cは、伸縮自在な図示しないばね部を内部に有し、術者等により操作されない状態においては、例えば、ハンドル部112C自身の位置が図7に示すような位置となるように保持する。
【0054】
また、ハンドル部112Cは、術者等により、図7の矢印Aに示す方向、すなわち、柄部112の後端側への牽引操作に連動して図示しないばね部が縮むと共に、後述する面部材114A及び114Bが、軸部材115を回動軸とした所定の方向、すなわち、図7に示すR方向へ各々回動することにより、面部113の形状を、図8に示す扇形形状とすることのできる構成を有している。なお、ハンドル部112Cは、術者等による牽引操作が解除された場合に、図示しないばね部が伸びることにより、図8の矢印Bに示す方向、すなわち、柄部112の先端側へ移動し、ハンドル部112C自身の位置及び面部113の形状を図7に示すような状態に戻すことができる構成を有している。
【0055】
面部113は、図8に示すような構成を有する1枚の面部材114Aと、図10に示すような構成を有する1または複数枚の面部材114Bとを有して構成されている。なお、本実施形態においては、面部113は、面部材114Aを1枚有すると共に、面部材114Bを3枚有して構成されているものであるとするが、このような構成に限るものではない。
【0056】
面部材114Aは、被写体に対して赤外光を照射するための、例えば、1または複数の面実装型のLEDが設けられた照明部113Aと、軸部材115の外径と略同一の内径を有し、内周面に金属等の導電部材が設けられた孔部115aとを有して構成される。なお、本実施形態においては、照明部113Aは、図8に示すように、例えば、発光素子としてのLED131a、131b、131c、131d、131e、131f、131g、131h及び131iの、9個のLEDを有して構成されているものであるとするが、このような構成に限るものではない。
【0057】
また、面部材114Bは、被写体に対して赤外光を照射するための、例えば、1または複数の面実装型のLEDが設けられた照明部113Bと、軸部材115の外径と略同一の内径を有し、内周面に金属等の導電部材が設けられた孔部115bとを有して構成される。なお、本実施形態においては、照明部113Bは、図10に示すように、例えば、発光素子としてのLED131p、131q及び131rの、3個のLEDを有して構成されているものであるとするが、このような構成に限るものではない。
【0058】
なお、本実施形態においては、照明部113Aが有する9個のLED及び照明部113Bが有する3個のLEDは、動脈の血管走行の状態を観察するために、図3に示す、酸化ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長である、910nm前後の波長帯域を有する光を発するものとして構成されているものであるとするが、このような構成に限るものではない。具体的には、例えば、照明部113Aが有する9個のLED及び照明部113Bが有する3個のLEDは、静脈の血管走行の状態を観察するために、図3に示す、ヘモグロビンの光吸収特性における極大吸収波長である、760nm前後の波長帯域を有する光を発するものとして構成されているものであっても良い。
【0059】
軸部材115は、孔部115a及び孔部115bの内径と略同一の外径を有すると共に、図11に示すように、把持部112Aに設けられた図示しない電源部から供給される駆動電流を、孔部115a及び孔部115bを各々介し、面部材114A及び面部材114Bに各々供給可能とするために、前記電源部に各々接続された複数の電極を外周面に有して構成されている。なお、本実施形態においては、軸部材115は、図11に示すように、例えば、電極115A、115B、115C及び115Dの、4個の電極を有して構成されているものであるとするが、このような構成に限るものではない。
【0060】
前述したような構成において、面部材114Aは、軸部材115に対し、孔部115aが電極115Aの位置に配置されるように取り付けられる。また、前述したような構成において、3枚の面部材114Bは、軸部材115に対し、孔部115bが電極115B、115C及び115Dの位置に配置されるように各々取り付けられる。
【0061】
すなわち、柄部112の先端側に設けられた面部113は、軸部材115に対して前述したような状態として取り付けられた、面部材114A及び3枚の面部材114Bを有して構成されている。
【0062】
以上に述べた構成により、内視鏡システム1による観察の際に、リトラクター111が、図7に示すような状態として用いられた場合、前述した、リトラクター11またはリトラクター11Aが用いられた場合と略同様の作用及び効果を得ることができる。さらに、内視鏡システム1による観察の際に、リトラクター111が、図8に示すような、面部113が扇形形状になった状態として用いられた場合、照明部113Aに加え、照明部113Bからも、生体組織501に対して赤外光が出射されるため、リトラクター11及びリトラクター11Aに比べ、生体組織501のより広い範囲において血管走行の状態を得ることができる。
【0063】
さらに、内視鏡システム1による観察の際に、処置具等を挿通するための図示しない処置具チャンネルが内部に設けられた内視鏡2を用いた場合、前述したような構成を有するリトラクター11は、例えば、図12に示すようなファイバーケーブル201により代用することができる。
【0064】
処置具としてのファイバーケーブル201は、所望の方向に湾曲可能な湾曲部201Aと、湾曲部201Aに設けられ、赤外光を出射するLED202とを有すると共に、内視鏡2の内部に設けられた管路としての図示しない処置具チャンネルに挿通可能な寸法及び形状を有している。そして、湾曲部201Aは、前述したような構成を有することにより、照明部としてのLED202から出射される赤外光の出射方向を変更可能である。
【0065】
内視鏡システム1による観察の際に、ファイバーケーブル201を用いた場合、術者等は、内視鏡2の先端部と、LED202とが、生体組織501を挟んで略対向する位置に配置された状態、すなわち、図12に示すような状態となるように内視鏡2を移動させると共に、湾曲部201Aを湾曲させてゆく。そして、術者等は、図12に示すような状態において、LED202から赤外光を出射させる。
【0066】
以上に述べた構成により、内視鏡システム1による観察の際にファイバーケーブル201が用いられた場合、リトラクターを用いることなく、前述した、リトラクター11が用いられた場合と略同様の効果を得ることができる。
【0067】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更や応用が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本実施形態に係る内視鏡システムの要部の構成を示す図。
【図2】本実施形態に係る内視鏡システムによる観察を行う際に用いられる処置具の構成の一例を示す図。
【図3】ヘモグロビン及び酸化ヘモグロビンの光吸収特性を示す図。
【図4】本実施形態に係る内視鏡システムを構成する内視鏡と、図2に示す処置具とを用いて被写体の像を撮像する場合の、該内視鏡及び該処置具の配置状態の一例を示す図。
【図5】本実施形態に係る内視鏡システムによる観察を行う際に用いられる処置具の構成の、図2とは異なる一例を示す図。
【図6】図5に示す処置具に設けられたファイバの構成の一例を示す図。
【図7】本実施形態に係る内視鏡システムによる観察を行う際に用いられる処置具の構成の、図2及び図5とは異なる一例を示す図。
【図8】図7に示す処置具に設けられた複数の面部材を、各々所定の方向に回動させた状態の一例を示す図。
【図9】図7に示す処置具に設けられた複数の面部材のうち、一の面部材の構成の一例を示す図。
【図10】図7に示す処置具に設けられた複数の面部材のうち、図9に示す面部材とは異なる構成を有する、他の面部材の構成の一例を示す図。
【図11】図9及び図10に示す面部材を取り付けるための軸部材の構成の一例を示す図。
【図12】本実施形態に係る内視鏡システムを構成する内視鏡と、赤外光を出射するLEDが設けられたファイバーケーブルとを用いて被写体の像を撮像する場合の、該内視鏡及び該ファイバーケーブルの配置状態の一例を示す図。
【符号の説明】
【0069】
1・・・内視鏡システム、2・・・内視鏡、2a・・・撮像部、3・・・光源装置、4・・・ライトガイド、5・・・画像処理装置、6・・・モニタ、11,11A,111・・・リトラクター、12,112・・・柄部、12A,112A・・・把持部、12B,112B・・・スイッチ、13,113・・・面部、13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13h,13i,131a,131b,131c,131d,131e,131f,131g,131h,131i,131p,131q,131r・・・LED、13A,113A,113B・・・照明部、13B・・・照明部、41・・・ファイバ、41A・・・遮光部、41B・・・発光部、42・・・遮光部材、43・・・クラッド、112C・・・ハンドル部、114A・・・面部材、114B・・・面部材、115・・・軸部材、115a,115b・・・孔部、115A,115B,115C,115D・・・電極、201・・・ファイバーケーブル、201A・・・湾曲部、501・・・生体組織




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013