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医療器具保管装置 - オリンパスメディカルシステムズ株式会社
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発明の名称 医療器具保管装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20960(P2007−20960A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−209207(P2005−209207)
出願日 平成17年7月19日(2005.7.19)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 野口 利昭 / 鈴木 英理
要約 課題
保管する医療器具の衛生状態維持等のための所要の電力供給が可能であり医療器具の運搬が容易な医療器具保管装置を提供する。

解決手段
特許請求の範囲
【請求項1】
電源に接続される給電部と、
前記給電部から非接触で電力の供給を受け得る受電部と医療器具を保持する保持部とを備えた本体部と、
前記受電部に接続され、当該受電部を介して前記給電部から供給される電力によって駆動されることで前記保持部に保持される前記医療器具の衛生状態を維持する衛生維持手段と、
前記本体部を移動自在とするための移動手段と、
を具備してなることを特徴とする医療器具保管装置。
【請求項2】
前記給電部は、前記電源に接続される1次コイルであり、
前記受電部は、前記1次コイルに電磁結合される2次コイルであることを特徴とする請求項1に記載の医療器具保管装置。
【請求項3】
前記本体部は、前記給電部に対する前記受電部の接近を検知する検知手段と、この検知手段による検知結果に応じて前記1次コイルと前記2次コイルとを電磁結合させる制御手段とを、さらに具備してなることを特徴とする請求項2に記載の医療器具保管装置。
【請求項4】
前記受電部は、充電可能な2次電池を備えていることを特徴とする請求項1に記載の医療器具保管装置。
【請求項5】
前記衛生維持手段は、前記医療器具の除湿をおこなう除湿手段であることを特徴とする請求項1に記載の医療器具保管装置。
【請求項6】
前記衛生維持手段は、前記医療器具を殺菌する殺菌手段であることを特徴とする請求項1に記載の医療器具保管装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具保管装置、詳しくは医療器具の保管及び運搬をおこなう医療器具保管装置であって、特に格納した器具の衛生状態を維持するのに必要となる電力の供給を容易におこない得るように構成した医療器具保管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば内視鏡検査等によって使用された後の使用済みの内視鏡等の各種の医療器具は、所定の手順にしたがって洗滌消毒処理が施された後、所定の環境下に保管されるようになっている。
【0003】
具体的には、例えば検査等に使用した内視鏡等の医療器具は、まず流し台等まで運び出され、ここで外表面等が仮洗滌された後、洗滌消毒装置へと運び込まれ、当該装置によって本洗滌がおこなわれる。
【0004】
こうして洗滌消毒処理が施された内視鏡等の医療器具は、衛生的な環境が維持されるように構成した医療器具用の保管装置の内部に収納されて、次の検査等で使用される時まで保管されることになる。この保管装置については、特に内視鏡等では専用の保管装置が利用されるのが普通である。
【0005】
また、従来においては、内視鏡検査等の終了後に使用済みの内視鏡等の医療器具の洗滌消毒処理を施す場合、検査室等から流し台等の仮洗滌をおこなう場所までの間や、流し台等から本洗滌がおこなわれる洗滌消毒装置までの間、さらに洗滌消毒処理の後、洗滌消毒装置から保管装置までの間を運搬するのには、作業者が医療器具を手に持って運搬することになっている。またさらに、保管装置に保管中の医療器具を次の検査に使用するため、保管装置から取り出して検査室まで運搬するときにも、従来では、作業者等が医療器具を手に持って運搬している。
【0006】
この場合、洗滌済みの医療器具を保管装置に格納するまでの間と、保管装置から医療器具を取り出して検査をおこなう場所までの間においては、特に衛生面での注意しつつ運搬する必要がある。
【0007】
また、従来の医療器具用の保管装置では、殺菌用の紫外線を発する水銀灯等を設置したものがある。この殺菌用の水銀灯等は、紫外線を発光することで保管装置内部に収納保管されている医療器具の衛生状態を維持するようになっている。
【0008】
このような保管装置では、殺菌用の水銀灯等を発光させるために、所定の電力が必要となるが、その電力は例えば一般的な商用電源から得るようになっているのが普通である。
【0009】
そのために、従来の医療器具保管装置からは電源ケーブルが延出されており、その電源ケーブルのプラグが、当該保管装置を設置する部屋の壁面等に設けられるコンセントに接続されることで保管装置に対して電力が供給されるようになっている。
【0010】
例えば、特開平10−262902号公報によって開示されている内視鏡用の保管装置は、光源装置やプロセッサ装置等を載せるカート本体の側面に取り付けられるように構成している。この保管装置は、内部に内視鏡を吊り下げて保管し得るようになっていると共に、内部に殺菌灯を配設することで、保管装置の内部の衛生状態を良好に維持することができるようになっている。
【特許文献1】特開平10−262902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、上記特開平10−262902号公報等によって開示されている従来の医療器具用の保管装置にあっては、例えば水銀灯を発光するための電源部や電力を供給するための電源ケーブル等を必要とする。そして、保管装置を含むカート本体を移動させるような場合には、電源ケーブルの着脱作業が伴うことになる。
【0012】
一方、医療器具の衛生状態を維持するためには、その使用者等は、医療器具以外のものに触れないようにするのが望ましい。特に、電源ケーブルは床面を引き回されることが多いことから、このような電源ケーブルを扱うのに際して使用者等は、手袋を交換する等の措置が必要となっていた。
【0013】
このように、従来の医療器具保管装置を移動させるのに際しては、これに保管される医療器具の衛生管理が非常に面倒な作業を伴う場合があった。
【0014】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、医療器具の衛生状態を適切にかつ容易に管理し得ると同時に、容易に移動させることを可能とした医療器具保管装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明による医療器具保管装置は、電源に接続される給電部と、前記給電部から非接触で電力の供給を受け得る受電部と医療器具を保持する保持部とを備えた本体部と、前記受電部に接続され、当該受電部を介して前記給電部から供給される電力によって駆動されることで前記保持部に保持される前記医療器具の衛生状態を維持する衛生維持手段と、前記本体部を移動自在とするための移動手段とを具備してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、医療器具の衛生状態を適切にかつ容易に管理し得ると同時に、容易に移動させることを可能とした医療器具保管装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態の医療器具保管装置(トロリーシステム)の全体構成を示す外観斜視図である。図2は、図1の医療器具保管装置(トロリーシステム)の内部構成の主に電気的な構成を示すブロック構成図である。図3は、図1の医療器具保管装置(トロリーシステム)の作用を説明する図である。
【0019】
図1,図2に示すように、本実施形態の医療器具保管装置(以下、トロリーシステムという)1は、内視鏡や手術用処置具等の医療器具を収納し保持し得るように形成された複数のトレイ2と、このトレイ2を着脱自在に配設し得るように構成され本トロリーシステム1の本体部となるトロリー装置3と、壁などに設けられ電源に接続される給電部である第1の給電部4等によって主に構成されている。
【0020】
第1の給電部4は、図2に示すようにトロリーシステム1に対して電力の供給をおこなうべく設けられるものである。そのために、第1の給電部4は、商用電源を整流し平滑化して直流を出力する整流平滑回路43と、この整流平滑回路43からの直流出力を高周波信号に変換して出力する第1の高周波インバータ44と、この第1の高周波インバータ44に接続され第1の2次コイル50に電磁結合される1次コイルである第1の1次コイル42と、第1のマグネット51の磁力を受けて第1の受電部14と第1の給電部4との電磁結合が可能な状態であること(つまり第1の給電部4に対する第1の受電部14が接近したこと)を検知する検知手段の一部である第1の接続検知回路45と、電磁結合の状態を常時監視し第1の高周波インバータ44の出力制御をおこなう第1の制御回路46等によって主に構成されている。
【0021】
つまり、第1の制御回路46は、第1の接続検知回路45による検知結果に応じて第1の1次コイル42と第1の2次コイル50とを電磁結合させて第1の高周波インバータ44の出力を許可したり、停止したりする制御をおこなう。
【0022】
第1の給電部4は、例えば当該トロリーシステム1を使用する検査室や、保管する保管場所等の施設の壁面25に、例えば恒久的に設置されている。この第1の給電部4には、トロリーシステム1に対して電力を供給するための所定の電源、例えば一般に利用される通常の商用電源に接続されている。
【0023】
なお、第1の給電部4は、必ずしも壁面25に対して恒久的に接続される必要はなく、移動可能な装置等、例えば別のトロリー装置等に設置してもよい。第1の給電部4の設置場所についても、壁面25に限ることはなく、例えば検査室や保管場所等の施設の床面等に設置しても良い。また、第1の給電部4に接続される所定の電源としては、商用電源に限られることはなく、例えば2次電池などのDC電源を利用することも可能である。
【0024】
トロリー装置3は、トレイ2に収納される医療器具を衛生的に保管する保管庫としての機能を有している。そのためにトロリー装置3は、前面に開口部10aを有するトロリー本体10と、開口部10aに対して開閉自在に配設される扉11と、トロリー本体10の底部に設けられ当該トロリー装置3を移動自在とするための移動手段である4つのキャスター12と、衛生維持手段であり除湿手段である乾燥機13と、上記第1の給電部4との間で非接触方式による電力の供給を受け得る受電部である第1の受電部14と、後述するトレイ2の第2の受電部34との間で非接触方式による電力供給をおこなう第2の給電部15と、ラッピング補助機構等によって主に構成されている。
【0025】
トロリー装置3のトロリー本体10の背面側の所定の位置、つまり上記第1の給電部4に対向する位置には、第1の受電部14が外部に向けて配設されている。この第1の受電部14は、図2に示すように第1の給電部4の第1の1次コイル42に電磁結合される2次コイルである第1の2次コイル50と、この2次コイル50からの高周波信号を受けて平滑化し安定化する第1の定電圧回路52と、第1の定電圧回路52からの定電圧出力を規定の電圧に変換するインバータ回路53と、インバータ回路53からの出力を負荷側である乾燥機13と複数の第2の給電部15へと出力する出力制御回路55と、乾燥機13などの負荷側に過電流が流れたときこれを検知して所定の制御をおこなう第1の保護回路54と、この第1の保護回路54の制御をおこなう出力制御回路55と、トロリー装置3を移動させたときに第1の受電部14が第1の給電部4の近傍に接近したことを検知する検知手段の一部を構成する第1のマグネット51等によって構成される。
【0026】
そして、トロリー装置3を移動させて第1の受電部14を上述の第1の給電部4に対向する位置に配置したとえき、当該第1の受電部14は第1の給電部4から非接触で電力の供給を受け得るようになっている。
【0027】
つまり、トロリー装置3を第1の給電部4の近傍に移動させたとき、トロリー装置3の第1の受電部14が第1の給電部4に対して所定の距離内に近付くと、第1の給電部4の側の第1の接続検知回路45は、第1のマグネット51を検知すると共に、第1の給電部4は第1の受電部14に対して非接触方式による電力供給をおこなうようになっている。
【0028】
トロリー装置3のトロリー本体10の内部には、開口部10aに連通する収納空間10bが形成されている。この開口部10aは扉11によって開閉自在となっている。この扉11を閉状態とすることで、収納空間10bを外気から遮断し得るような構造となっている。
【0029】
この収納空間10bの内部において、その底面側には除湿手段である乾燥機13が配設されている。この乾燥機13は、収納空間10bの内部の空気を除湿することで収納空間10b内における雑菌などの繁殖を防止しするために設けられているものである。後述するように収納空間10bには、医療器具を収納するトレイ2を着脱自在に保持する収納ケース16(保持部)が設けられている。つまり、除湿手段である乾燥機13は、収納空間10b内の除湿をおこなうことで、トレイ2に収納される医療器具の衛生状態を維持する衛生維持手段の役目をしている。
【0030】
なお、乾燥機13の内部電気回路(図示せず)は、第1の受電部14に対して電気的に接続され(図1の符号13a)ている。これにより、当該第1の受電部14を介して上記第1の給電部4から供給される電力によって駆動されるようになっている。
【0031】
また、収納空間10bの内部において、上記収納空間10bの所定の空間には棚構造が形成されている。すなわち、収納空間10bには、上記乾燥機13が配設されている部位より上側の部位に、トレイ保持部となる複数の収納ケース16(図1に示す例では三つ)が積層された形態で固設されている。各収納ケース16は、前面側に開口を有して形成されている。この前面側の開口からトレイ2が挿入され、当該収納ケース16に収納されるようになっている。これにより、トロリー装置3のトロリー本体10の内部において、トレイ2が所定の位置に保持されるようになっている。つまり、トロリー本体10の収納ケース16は、トレイ2を保持することで医療器具を保持する保持部の役目をしている。
【0032】
また、各収納ケース16の内部にあって、開口に対向する面には、第2の給電部15がそれぞれに配設されている。
【0033】
この第2の給電部15は、図2に示すように第1の給電部4及び第1の受電部14を介して電源から供給される電力を非接触方式でトレイ2へと供給するために設けられるものである。そのために第2の給電部15は、第1の受電部14の出力制御回路55からの出力を高周波信号に変換する第2の高周波インバータ57と、この第2の高周波インバータ57に接続されトレイ2の第2の2次コイル61に電磁結合される第2の1次コイル58と、トレイ2の第2のマグネット51の磁力を受けて第2の給電部15とトレイ2の第2の受電部34との電磁結合が可能な状態であること(つまり第2の給電部15に対するトレイ2(第2の受電部34)が接近したこと)を検知する検知手段の一部である第2の接続検知回路59と、電磁結合の状態を常時監視し第2の高周波インバータ57の出力制御をおこなう第2の制御回路60等によって主に構成されている。
【0034】
つまり、第2の制御回路60は、第2の接続検知回路59による検知結果に応じて第2の1次コイル58と第2の2次コイル61とを電磁結合させて第2の高周波インバータ57の出力を許可したり、停止したりする制御をおこなう。
【0035】
そして、各トレイ2に対応させて設けられる各収納ケース16のそれぞれに設けられる第2の給電部15のそれぞれは、上述の第1の受電部14に対して電気的に接続されている(図1の符号14a)。
【0036】
各収納ケース16の前面側にあって、開口の周縁部近傍の所定の部位には、動作確認用の発光ダイオード(以下、LEDという)17がそれぞれに配設されている。この動作確認LED17は、上述の第1の受電部14に対して電気的に接続されている(図1の符号17a参照)。
【0037】
トロリー装置3のトロリー本体10の上面側にはトレイ載置部18が形成されている。このトレイ載置部18には、ラッピング収納部材20と規制部材21とからなるラッピング補助機構19が配設されている。このラッピング補助機構19は、トレイ載置部18に載置されたトレイ2が幅方向に動くのを規制する規制手段として機能する略角柱形状の壁部からなるラッピング収納部材20及び規制部材21によって構成される。
【0038】
ラッピング収納部材20と規制部材21とは、トロリー本体10の前面側から背面側に向けて略平行となるように配置されている。また、ラッピング収納部材20と規制部材21との間隔はトレイ2の幅寸法と略同等となるように、もしくはトレイ2の幅寸法よりも若干長くなる間隔で配置されている。
【0039】
ラッピング収納部材20の内部には、ラッピング部材であるロール状のラッピングペーパー22が収納されている。このラッピングペーパー22としては、例えば吸水シートまたは埃防止シートなどが適用される。そして、ラッピング収納部材20の上面側にはラッピングペーパー22をシート状に引き出し得るように形成されるラッピング開口部20aが形成されている。一方、規制部材21には、ラッピングペーパー22をシート状にカットするための刃等(図示せず)が配設されている。
【0040】
トロリー装置3のトロリー本体10の底面部には、上述したように4つのキャスター12が設けられている。このキャスター12は、トロリー装置3を床面上において移動自在とするための移動手段として機能するものである。
【0041】
トレイ2は、医療器具を保管するためにトロリー装置3の内部に配置されて使用されるものであると共に、トロリー装置3から取り外した状態で医療器具を運搬する際にも使用されるように構成されている。
【0042】
そのために、トレイ2の外形形状は、例えば一面に開口部32aを有する略直方体からなるケース本体31と、このケース本体31によって形成される保持部としての収納部32と、所定の情報等を表示する表示部33と、上記第2の給電部15との間で非接触方式による電力供給を受ける第2の受電部34と、殺菌手段としての殺菌灯35等によって主に構成されている。
【0043】
ケース本体31には、上面側に開口部32aを有する収納部32が形成されている。この収納部32には、所定の医療器具、例えば内視鏡8等を収納し得るようになっている。
【0044】
また、収納部32の内壁面には、当該トロリー装置3の内部やトレイ2の内部における雑菌などの繁殖を防止してトレイ2に収納される医療器具の衛生状態を維持する衛生維持手段である殺菌手段としての殺菌灯35が複数設けられている。この殺菌灯35は、例えば紫外線を発するUV光源である水銀灯やUV−LED等が適用される。
【0045】
本実施形態では、図1に示すようにトレイ2の収納部32の内壁面上において、複数の殺菌灯35を所定の間隔を置いて配置している。しかしながら、殺菌灯35の配置や個数については、図示の例に限定されるものではない。
【0046】
また、トレイ2のケース本体31の背面側の所定の位置には、第2の受電部34が外部に向けて配設されている。この第2の受電部34は、トレイ2をトロリー装置3の収納ケース16に装着したとき、上記第2の給電部15に対向する位置に配置されている。これにより、トレイ2を収納ケース16内に装着する動作によって、第2の受電部34が第2の給電部15に対して所定の距離内に近付いたとき、第2の受電部34には、第2の給電部15から非接触方式による電力供給がおこなわれるようになっている。
【0047】
そのために、第2の受電部34は、その内部に第2の2次コイル61と、検知手段の一部を構成する第2のマグネット62と、平滑回路63と、第2の定電圧回路64と、LED駆動回路65と、第2の保護回路66と、受信コイル67及びデータ受信回路68と、データ復調回路69と、例えばフラッシュメモリ等を搭載したメモリ回路71と、情報管理のための制御をおこなうデータ用制御回路70等を備えている。
【0048】
第2の2次コイル61は、第2の給電部15の第2の1次コイル58から電磁結合により伝達された高周波信号を受けて平滑回路63に出力するものである。平滑回路63は、第2の2次コイル61の出力を平滑化するものである。
【0049】
第2の定電圧回路64は、平滑回路63の出力を安定化するものである。この第2の定電圧回路64は、その出力側にLED駆動回路65及び第2の保護回路66などが接続されている。
【0050】
第2の保護回路66は、第2の定電圧回路64の出力を基に接続されている負荷の状態を監視するものである。これにより、第2の保護回路66は過負荷が加わった場合に回路を保護する機能を有している。
【0051】
LED駆動回路65は、第2の定電圧回路64の出力を受けて、複数の殺菌灯35を点灯させるようになっている。なお、LED駆動回路65及び殺菌灯35は、図1,図2に示す例の如くトレイ2の内部に設けてもよいし、トロリー装置3の収納ケース16の内部に設けてもよい。
【0052】
トレイ2は、防水構造を有して形成されユニットによって構成されているので、例えば洗滌消毒装置80(図2参照)に設置することで、当該トレイ2を医療器具の洗滌消毒用トレイとして使用することができるようにもなっている。
【0053】
この場合において、トレイ2は洗滌消毒装置80との間で無線によるデータ通信をおこなうことで、洗滌消毒結果などの履歴情報を取得することができ、これを表示部33を用いて表示し得るようになっている。この表示部33は、例えばトレイ2の前面壁部の上面部に配設されている。そして、トロリー装置3の収納ケース16にトレイ2を装着した状態において、表示部33の表示面を確認し得るように、表示部33が露出した状態になる。
【0054】
一方、上述したようにトレイ2は、別体の洗滌消毒装置80(図2参照)の内部に設置されることで、医療器具の洗滌消毒用トレイとして使用することもできる。この場合において、洗滌消毒装置80には、第2の給電部15に相当する給電部と送信コイル及びデータ送信回路(特に図示せず)とを有して構成されている。洗滌消毒装置80の給電部からトレイ2の第2の受電部34へと電磁結合による非接触の給電が可能となっている。これにより、洗滌消毒装置80の内部に設置されたトレイ2に対して電力が供給されるようになっている。
【0055】
このとき、トレイ2のデータ受信回路68は、受信コイル67と洗滌消毒装置80側の送信コイル(図示せず)を介して同洗滌消毒装置80のデータ送信回路(図示せず)との間でデータ通信をおこなうようになっている。ここで、例えばトレイ2を用いて内視鏡8を洗滌消毒装置80にて洗滌消毒した場合には、データ受信回路68は内視鏡8の履歴情報を受信することになる。
【0056】
データ復調回路69は、データ用制御回路70の制御に基づきデータ受信回路68からの履歴情報を復調する。
【0057】
データ用制御回路70は、復調された履歴情報のメモリ回路71への書き込み及び読み出しをおこなうようになっている。なお、メモリ回路71に搭載されたフラッシュメモリは、第2の受電部34からの電力供給が絶たれたとしても書き込まれた情報を保持するようになっている。
【0058】
表示部33は、データ用制御回路70の制御に基づいて履歴情報を表示する。履歴情報としては、例えば正常に処理がなされたか否かの処理結果情報や処理の日時及び処理対象となった医療器具のID情報等である。
【0059】
このように構成される本実施形態のトロリーシステム1において、医療器具として内視鏡8を使用する場合の作用を図1〜図3を参照しながら以下に説明する。
【0060】
まず、図1の実線で示すように第1の給電部4とトロリー装置3とは所定の距離以上離れた状態になっているものとする。また、図3に示すようにトロリー装置3の内部には、内視鏡8を収めたトレイ2が収納ケース16に装着されているものとする。これと共に、少なくとも1つの収納ケース16は、トレイ2が未装着であるものとする。なお、図3においては、トロリー装置3の収納ケース16は2つのみを示しており、他は図示を省略している。
【0061】
第1の給電部4は、常に壁面25のコンセントを介して商用電源に接続されている。そして、第1の給電部4の第1の接続検知回路45は、第1の受電部14の第1のマグネット51と所定の距離以上離れており磁力を検知しない。そのため、第1の制御回路46は、第1の接続検知回路45の検知信号を受けて第1の高周波インバータ44の出力を停止させている。したがって、整流平滑回路43が商用電源を整流し平滑化した直流出力は、第1の高周波インバータ44からは出力されない。つまり、第1の高周波インバータ44以外は動作し、自動的にスタンバイ状態になっている。そのため、第1の1次コイル42からの出力は無い状態となっている。
【0062】
トロリー装置3の第1の受電部14は、その第1の2次コイル50が第1の受電部14の第1の1次コイル42との電磁的な結合が遮断されている。そのため、トロリー装置3の第1の受電部14とトレイ2の第2の受電部34には電力が供給されず、乾燥機13は停止し殺菌灯35も消灯している。また、動作確認LED17も消灯しているので、使用者はトロリー装置3の扉11を開ければ、トロリー装置3に電力が供給されていないことを知ることができる。
【0063】
保管庫であるトロリー装置3は、扉11を閉めた状態において、収納空間10b内及びトレイ2に収まった内視鏡8を埃などから防御し衛生的に保管する。
【0064】
次に、キャスター12によってトロリー装置3を移動させて、図1の2点鎖線及び図2に示すようにトロリー装置3の背面を第1の給電部4に近付ける。すると、トロリー装置3の第1の受電部14は第1の給電部4に対して所定の距離まで近付いて、第1の接続検知回路45は、第1のマグネット51の磁力の作用を受ける。これにより、第1の接続検知回路45は、第1の受電部14と第1の給電部4との電磁結合が可能な状態であることを検知する。
【0065】
第1の制御回路46は、第1の接続検知回路45からの検知信号を受けて第1の高周波インバータ44の出力を許可する。第1の高周波インバータ44は、整流平滑回路43からの直流出力を高周波信号に変換して第1の1次コイル42へ供給する。なお、第1の制御回路46は、電磁結合の状態を常時監視しており、適正な接続状態にある限り、第1の高周波インバータ44の出力を許可している。
【0066】
第1の1次コイル42から第1の受電部14の第1の2次コイル50へと高周波信号が伝達されて非接触方式による給電がなされる。その電力を受けて第1の受電部14の内部の各回路が動作する。
【0067】
さらに、第1の受電部14において、第1の2次コイル50からの高周波信号は、第1の定電圧回路52に供給される。第1の定電圧回路52は、高周波信号を平滑化し安定化する。インバータ回路53は、第1の定電圧回路52からの定電圧出力を規定の電圧に変換する。出力制御回路55は、インバータ回路53からの出力を負荷側である乾燥機13と複数の第2の給電部15へ出力する。
【0068】
これにより、乾燥機13が動作すると、トロリー装置3の収納空間10b内は除湿されて、雑菌などの繁殖が抑制される。そして、トレイ2に収納されている内視鏡8などの衛生状態が維持される。
【0069】
また、インバータ回路53に接続された動作判別回路56も動作する。この動作によって収納ケース16側に設けられる動作確認LED17が点灯する。使用者は、動作確認LED17の点灯を視認によって確認することで、トロリー装置3に適正な電力が給電されていることを識別することができる。
【0070】
一方、トロリー装置3を移動させて壁面25の第1の給電部4から所定の距離以上切り離す。すると、このとき第1のマグネット51の磁力が無くなって、第1の給電部4の第1の接続検知回路45は、電磁結合が遮断された状態を検知する。そして、第1の制御回路46は、第1の接続検知回路45の検知信号を受けて、第1の高周波インバータ44の出力を停止させる。つまり、トロリー装置3が切り離された場合、壁面25の第1の給電部4は、電力供給を停止する。以上のように、本トロリーシステム1は、第1の給電部4が自動的にスタンバイ状態となるため常に安全に使用することができる。
【0071】
次に、第1の受電部14の動作状態において、乾燥機13などが例えば破損する等によって負荷側に過電流が流れると、第1の保護回路54が動作して出力制御回路55の出力を制御することになる。このため、出力制御回路55は出力を遮断し、乾燥機13,殺菌灯35,表示部33は停止状態となる。そして、出力の遮断によって第1の受電部14内に過電流が流れることが防止され、よって回路の破損等を防ぐことができるようになる。
【0072】
続いて、本実施形態のトロリーシステム1において、内視鏡8の洗滌消毒及び内視鏡検査に関する作用について以下に説明する。
【0073】
第1の給電部4が壁面25に設けられた場所、つまりトロリー装置3の保管場所と、洗滌消毒装置80の設置場所とが異なるものとする。また、内視鏡検査のための検査室は、保管場所及び設置場所とは異なるものとする。
【0074】
まず、洗滌消毒装置80の設置場所において、内視鏡8の洗滌消毒が終了すると、洗滌消毒装置80と、これに装着されたトレイ2との間においてデータ通信がなされる。その際、トレイ2の第2の受電部34には、洗滌消毒装置80の給電部から電磁結合による非接触の給電が行われている。
【0075】
洗滌消毒装置80のデータ送信回路は、送信コイル及び受信コイル67を介してトレイ2のデータ受信回路68へと履歴情報を送信する。トレイ2のデータ復調回路69は、データ用制御回路70の制御に基づいてデータ受信回路68からの履歴情報を復調する。そして、データ用制御回路70は、復調された履歴情報をメモリ回路71へ書き込む。
【0076】
次に、図3に示す符号Aにおいて、内視鏡8が収納されたトレイ2を洗滌消毒装置80から取り出す。取り出したトレイ2は、清浄な内視鏡8を収納した状態でトロリー装置3の保管場所まで運搬される。
【0077】
続いて、トロリー装置3のトレイ載置部18にトレイ2をセットする。このとき、トレイ2は、ラッピング収納部材20及び規制部材21によって動きが規制されるので、横ズレによる脱落が防止されている。
【0078】
そして、ラッピング収納部材20のラッピング開口部20aからロール状のラッピングペーパー22を引き出して、トレイ2の開口部32aを覆うように包装する。これにより、トレイ2の収納部32の内部は、塵埃などが入り込まないように防護される。
【0079】
なお、これらの作業は必要に応じてトロリー装置3を移動して洗滌消毒装置80の側に配置し、その場においておこなうようにしてもよい。
【0080】
次に、トロリー装置3の保管場所において、トロリー装置3の第1の受電部14と壁面25の第1の給電部4とを接続する。これにより、第1の受電部14に対して電力が供給される。この電力を受けて動作確認LED17が点灯する。したがって、このとき使用者はトロリー装置3の扉11を開けて動作確認LED17の点灯状態を確認すれば、電力が適正に供給されていることを確認できる。
【0081】
また、このとき乾燥機13が動作しているので、トロリー装置3の収納空間10bの内部は除湿され、雑菌などの繁殖が抑制される環境となっている。
【0082】
そして、使用者は、ラッピングを施したトレイ2を収納ケース16の空いている部位に装着する。次いで、扉11を閉状態とすることで、トロリー装置3の収納空間10bは密閉状態となる。したがって、ラップに覆われたトレイ2に収納されている洗滌消毒済みの内視鏡8は衛生的に保管される状態にある。
【0083】
トレイ2が収納ケース16に装着されると、トロリー装置3の第2の受電部34が、トロリー装置3の第2の給電部15と所定の距離を有して対向する。このとき、第2のマグネット62の磁力が働いて第2の接続検知回路59が電磁結合による給電が可能な状態を検知し、所定の検知信号を出力する。この検知信号を受けて第2の制御回路60は、第2の高周波インバータ57の出力を許可する。第2の高周波インバータ57は、出力制御回路55の出力を高周波信号に変換する。なお、第2の制御回路60は、電磁結合の状態を常時監視しており、適正な接続状態にある限り、第2の高周波インバータ57の出力を許可している。
【0084】
そして、高周波信号を受けた第2の1次コイル58と第2の2次コイル61との電磁結合によって、第2の給電部15から第2の受電部34に対して非接触による電力が給電される。第2の2次コイル61に発生した電力は、平滑回路63及び第2の定電圧回路64を介して負荷側であるLED駆動回路65及び表示部33などに供給される。
【0085】
LED駆動回路65は、電力供給を受けてトレイ2に設置された複数の殺菌灯35を点灯させる。そして、光触媒兼殺菌用の紫外線光がトレイ2の光触媒部37に照射され、光触媒材による抗菌および防汚作用などが光触媒部37に働く。この働きにより光触媒部37が形成されたトレイ2の外部および収納部32の内面は、汚れ難く衛生的に保持される。さらに、殺菌灯35の紫外線によって細菌類の成長および増殖等が防止される。このため、トレイ2および内視鏡8は衛生状態が維持された状態で保管される。
【0086】
また、第2の給電部15において、第2の2次コイル61を介して供給された電力は、表示部33及びデータ用制御回路70などに供給される。電力供給を受けて起動したデータ用制御回路70は、メモリ回路71に格納された前回の洗滌消毒結果などの履歴情報を読み出す。そして、表示部33は、データ用制御回路70がメモリ回路71から読み出した履歴情報を表示する。使用者は、表示部33に表示された履歴情報を視認することにより、トレイ2に収納されている内視鏡8の履歴情報、すなわち処理結果や処理の日時及び内視鏡の種類などを確認することができる。
【0087】
ここで、第2の受電部34の動作状態において、殺菌灯35などが、例えば破損したり負荷側に過電流が流れると、第2の保護回路66はそれを検知して、第2の定電圧回路64の出力を遮断する。そして、この出力の遮断により、第2の受電部34内に過電流が流れることが防止される。これにより回路の破損などを防ぐことができる。また、殺菌灯35が消灯し、表示部33も表示を停止する。
【0088】
次に、図3に示す符号Bにおいて、内視鏡検査または手術などをおこなう際には、使用者は、トレイ2の表示部33に表示された内視鏡8のID情報や洗滌消毒結果及び洗滌消毒日時などを確認する。そして、トロリー装置3内に保管されている複数の内視鏡等の医療器具のうち所望の内視鏡や医療器具を選択することができる。
【0089】
使用者は、これから実行すべき検査などに応じて、トロリー装置3から洗滌消毒済みの内視鏡8が収納されたトレイ2を取り出す。トレイ2が取り外されると、第2の給電部15と第2の受電部34の接続が所定の距離以上に離間して、両者は遮断状態となる。すると、第2のマグネット62の磁力が作用しなくなり、その旨を第2の接続検知回路59が検知する。第2の制御回路60は、第2の接続検知回路59の検知信号を受けて第2の高周波インバータ57からの出力を停止させる。すなわち、トロリー装置3の第2の給電部15は、自動的にスタンバイ状態となり、トレイ2の第2の受電部34への電力供給を遮断する。こうして、電力の供給を失った第2の受電部34を有するトレイ2においては、複数の殺菌灯35が消灯し、表示部33もその表示を停止する。
【0090】
そして、内視鏡8が収まったトレイ2は、ラップされた状態のまま検査室等へと運搬される。
【0091】
図3に示す符号Cにおいて、所定の検査などが終了した後においては、使用済みの内視鏡8がトレイ2に収納されて、そのままトレイ2ごと洗滌消毒装置80の設置場所へと運搬される。
【0092】
使用者は使用済みの内視鏡8を収納したトレイ2を洗滌消毒装置80の洗滌槽内に装着する。そして、洗滌消毒装置80によって一連の洗滌消毒工程がおこなわれる。
【0093】
洗滌消毒処理が終了すると、図3に示す符号Aにおいて、洗滌消毒装置80からトレイ2が取り出されて上述したのと同様にラッピング処理をおこなう。その後、使用者は、洗滌消毒処理によって清浄化された内視鏡8を収納したトレイ2をトロリー装置3の収納ケース16に装着する。これにより、洗滌消毒処理済の内視鏡8はトロリー装置3によって衛生的に保管される。
【0094】
以上説明したように上記一実施形態によれば、トロリー装置3をキャスター12によって移動自在とし、所定電源に接続された第1の給電部4とトロリー装置3の第1の受電部14とを近付けて対向させる。すると、第1の給電部4から電磁結合により第1の受電部14へと非接触の電力が伝達され、トロリー装置3は所要の電力供給を受ける。この場合において、電力の供給先としては、具体的には第1の受電部14の各回路や乾燥機13やトレイ2などである。
【0095】
そして、除湿手段である乾燥機13は、電力の供給を受けてトロリー装置3の収納空間10bの内部の除湿をおこなって、保管されている状態の医療器具の衛生状態を保持することができる。
【0096】
さらに、トロリー装置3は、トロリー本体10の内部に医療器具を保管すると共に、第1の受電部14と第1の給電部4との間を容易に切り離すことができるので、キャスター12によって移動自在に構成されている。したがって、トロリー装置3の移動は、医療器具等をトロリー装置3に保管した状態でおこなうことができる。つまりトロリー装置3から医療器具等を取り出すことなく医療器具等の運搬をおこなうことができる。また、トロリー装置3は電源コード等を不要とするために、電源コードを有する従来の装置のように、移動させる都度電源コードを挿抜する作業が必要無くなる。これにより、装置を移動させるのも容易になる。
【0097】
さらに、トロリー装置3のトロリー本体10に設けられる収納ケース16に対してトレイ2を装着すると、第1の給電部4からの電力を受けている第2の給電部15に対して第2の受電部34が近付いて対向する。これにより、第2の給電部15から第2の受電部34へと電力が非接触によって伝達され、トレイ2は所要の電力供給を受ける。その電力は、トレイ2の殺菌手段であるUV−LED等の殺菌灯35へも供給され、当該殺菌灯35が点灯して紫外線を発することになる。この紫外線によってトレイ2の収納部32に収納されている医療器具等の殺菌がおこなわれ、例えば次の使用時まで医療器具等を衛生的な環境下で保管することができる。
【0098】
また、第2の受電部34を備えたトレイ2は、トロリー装置3の第2の給電部15との間を切り離し得るようにしたので、トロリー装置3のトロリー本体10に対して着脱自在に構成されている。したがって、トレイ2は、収納した医療器具等をトロリー装置3によって保管することができ、例えば検査などの必要に応じてトロリー装置3からトレイ2を取り出すのみで検査室など所望の場所への運搬時にも、当該医療器具を衛生的かつ容易に運搬できる。
【0099】
さらに、使用済みの医療器具をトレイ2の収納部32に収納した状態で運搬できるため、液だれしたり手を汚すようなことがない。このため、洗滌消毒装置80を操作するのに際しても、装置自体を汚してしまうことがなくなり衛生的である。
【0100】
また、洗滌消毒後、洗浄済みの医療器具を収納したトレイ2をトロリー装置3に戻すのみで、再びトレイ2の殺菌灯35などへの電力が供給されることになるので、医療器具を衛生的に保管できる。
【0101】
このように、本実施形態のトロリーシステム1は、トレイ2による医療器具の運搬と、トロリー装置3及びトレイ2を用いた医療器具の保管とを衛生的に実施することができる。さらに、洗滌消毒処理や検査等の使用形態に合わせて効率的な医療器具の運用及び管理をおこなうことが容易にできる。
【0102】
また、トロリー装置3の複数の収納ケース16には、それぞれトレイ2を装着して複数の医療器具を同時に保管できる。そして、複数のトレイ2に保管された各医療器具は、それぞれのトレイ2によって別の場所に運搬することができ、各所定の作業を個々におこなうことができるので、効率的に医療器具の運用を実施できる。
【0103】
さらに、電力供給が可能な状態にあることを接続検知回路59が検知することで、その検知信号を受けた制御回路60の制御によって給電部からの出力がなされ、受電部に非接触の電力供給が行なわれるようにしている。
【0104】
これに対して、接続検知回路59が遮断状態にあることを検知すると、制御回路60は給電部からの出力を停止させる制御をおこなうようにしている。この制御によって、受電部が存在しない状態において不用意に給電動作がおこなわれるようなことがない。
【0105】
さらに、トレイ2をトロリー装置3の上面部に載置して、ラッピング収納部材20のラッピング開口部20aからラッピングペーパー22を取り出し、このラッピングペーパー22によってトレイ2の開口部32aを覆うことができるようにしている。このラッピング処理によって、トレイ2の開口部32aからの雑菌及び塵埃等の混入を防止することができる。そして、トレイ2による医療器具の運搬中及び保管中において、医療器具の衛生状態を良好に保つことができる。
【0106】
次に、本発明の一実施形態のトロリーシステムの変形例について説明する。
【0107】
図4は、上述の一実施形態のトロリーシステムの変形例を示すブロック構成図である。
【0108】
本変形例の基本的な構成は、上述の一実施形態と略同様である。したがって、上述の一実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる構成についてのみ以下に説明する。
【0109】
本変形例のトロリーシステム1Aにおいては、上述の一実施形態の構成に加えて、トロリー装置3の第1の受電部14及びトレイ2の第2の受電部34の内部において、それぞれに充電可能な第1の2次電池91及び第2の2次電池101を設けて構成している。
【0110】
図4に示すように、本変形例における第1の受電部14は、上述の一実施形態における第1の定電圧回路52及び動作判別回路56に代えて、第1の定電圧回路92及び出力切り換え手段としての第1の動作判別回路93を有している。
【0111】
第1の受電部14の第1の定電圧回路92には、充電可能な第1の2次電池91が接続されている。第1の2次電池91は、第1の受電部14に内蔵された充電回路(特に図示せず)によって充電可能に構成されている。また、第1の動作判別回路93は、第1の受電部14の動作状態を判別している。
【0112】
第1の受電部14に適正な電力が給電されている場合には、第1の定電圧回路92は、上述の一実施形態の第1の定電圧回路52と同様に動作する。これに対して、第1の受電部14における接続が遮断され、第1の動作判別回路93が出力の停止を検知すると第1の定電圧回路92の出力を第1の2次電池91に切り換える制御がなされる。第1の動作判別回路93の他の動作は、上述の一実施形態における動作判別回路56と同様である。
【0113】
また、本変形例における第2の受電部34は、上述の一実施形態の平滑回路63に代えて、平滑回路102を有している。また、第2の受電部34は、出力切り換え手段としての第2の動作判別回路103を加えて構成している。
【0114】
第2の受電部34の平滑回路102には、充電可能な第2の2次電池101が接続されている。第2の2次電池101は、第2の受電部34に内蔵された充電回路(特に図示せず)によりって電可能に構成されている。また、第2の動作判別回路103は、第2の定電圧回路64の出力を監視し、第2の受電部34の動作状態を判別している。
【0115】
第2の受電部34に適正な電力が給電されている場合には、平滑回路102は、上述の一実施形態の平滑回路63と同様に動作する。これに対して、第1の受電部14または第2の受電部34における接続が遮断され、第2の動作判別回路103が出力の停止を検知すると平滑回路102の出力を第2の2次電池101に切り換える制御がなされる。
【0116】
その他の構成は、上述の一実施形態と略同様である。
【0117】
以上の構成により、各給電部と受電部との接続が遮断されても、第1の2次電池91及び第2の2次電池101からの電力が供給されるように切り換え制御がなされるので、一時的に内部の回路を駆動させ得ることができるようになっている。
【0118】
したがって、例えば内視鏡8の運搬のためにトロリー装置3を第1の給電部4から切り離しての移動中にも、トロリー装置3の乾燥機13及びトレイ2に対して電力を供給することができるようになる。
【0119】
換言すれば、トロリー装置3を第1の給電部4から切り離すと、インバータ回路53の出力を監視している第1の動作判別回路93は遮断状態であることを判別する。そして、第1の動作判別回路93は、第1の定電圧回路92の出力を第1の2次電池91に切り換える制御をおこなう。これにより、第1の2次電池91の電力は、第1の定電圧回路92,インバータ回路53及び出力制御回路55を介して乾燥機13及びトレイ2の第2の給電部15へと供給されることなる。さらに、第2の受電部34は、第2の給電部15からの電力を受けるので、殺菌用の殺菌灯35を持続的に点灯させることができるようになる。
【0120】
また、トレイ2をトロリー装置3から取り外すと、第2の定電圧回路64の出力を監視している第2の動作判別回路103は、遮断状態に変化したことを判別する。そして、第2の動作判別回路103は、平滑回路102の出力を第2の2次電池101に切り換える制御をおこなう。
【0121】
これにより、第2の2次電池101からの電力は、平滑回路102及び第2の定電圧回路64を介してLED駆動回路65へと供給される。そして、LED駆動回路65が殺菌用の殺菌灯35を持続的に点灯させる。さらに、第2の2次電池101からの電力は、表示部33及びデータ用制御回路70などにも供給される。そして、表示部33は医療器具の履歴情報を表示し続けることになる。
【0122】
このようにして、使用者がトロリー装置3からトレイ2を取り出してたとしても、取り出したトレイ2に収納されている内視鏡8がいつ洗滌消毒されたか等の履歴情報をいつでも確認することができるできる。したがって、洗滌消毒処理の履歴管理を確実におこなうことができる。
【0123】
以上説明したように本変形例によれば、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0124】
これに加えて、本変形例では、第1の受電部14または第2の受電部34からの出力がなくとも、第1の動作判別回路93または第2の動作判別回路103が第1の2次電池91または第2の2次電池101の出力に切り換える制御をおこなう。これによって、トロリー装置3及びトレイ2に対して所要の電力を常に供給することができる。したがって、トロリー装置3を第1の給電部4から切り離した状態としたとき、例えばトロリー装置3の移動中においても、トレイ2や乾燥機13への電力供給をおこなうことができる。また、例えばトレイ2の運搬中においても、トレイ2の殺菌灯35や表示部33への電力を確保できるため、常に殺菌状態を維持でき、また履歴情報を確認できる。
【0125】
運搬中の医療器具に関する履歴情報を、表示部33に常に表示させることができるので、医療器具の種類や洗滌消毒の完了日時などの履歴情報をいつでも確認することができる。したがって、トロリー装置3から取り外された状態の複数のトレイ2が、例えば検査室内等に同時に存在する場合にも、各トレイ2の内部に収納された医療器具の管理を容易におこなうことができる。
【0126】
なお、本発明は、以前述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の一実施形態の医療器具保管装置(トロリーシステム)の全体構成を示す外観斜視図。
【図2】図1の医療器具保管装置(トロリーシステム)の内部構成の主に電気的な構成を示すブロック構成図。
【図3】図1の医療器具保管装置(トロリーシステム)の作用を説明する図。
【図4】本発明の一実施形態のトロリーシステムの変形例を示すブロック構成図。
【符号の説明】
【0128】
1……医療器具保管装置(トロリーシステム)
2……トレイ
3……トロリー装置
4……第1の給電部
8……内視鏡
10……トロリー本体
10a……開口部
10b……収納空間
12……キャスター
13……乾燥機
14……第1の受電部
15……第2の給電部
16……収納ケース
18……トレイ載置部
19……ラッピング補助機構
20……ラッピング収納部材
20a……ラッピング開口部
21……規制部材
22……ラッピングペーパー
25……壁面
31……ケース本体
32……収納部
32a……開口部
33……表示部
34……第2の受電部
35……殺菌灯
42……第1の1次コイル
50……第1の2次コイル
58……第2の1次コイル
61……第2の2次コイル
80……洗滌消毒装置
91……第1の2次電池
101……第2の2次電池




 

 


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