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発明の名称 内視鏡用穿刺針
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20868(P2007−20868A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−207232(P2005−207232)
出願日 平成17年7月15日(2005.7.15)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 外村 正敏 / 関 輝久
要約 課題
針部材の中空の空間により得られる量に対して、できるだけ多くの目的組織を採取可能な内視鏡用穿刺針を提供する。

解決手段
内視鏡用穿刺針10は、可撓性を有するシース12と、中空の外針32と、外針移動部材40と、内針34と、内針移動部材42と、操作部16とを備えている。外針32は、シース12の内部でこのシース12の軸方向に沿って移動して、このシース12の先端に対して突出可能である。外針移動部材40は、この外針32の基端部に配設され、外針32をシース12に対して移動させる。内針34は、外針32の内部でシース12の軸方向に沿って移動して、外針32の先端に対して突出可能である。内針移動部材42は、内針34の基端部に配設され、内針34を外針32に対して移動させる。操作部16は、シース12の基端部に配設され、外針移動部材40と内針移動部材42とを操作する。
特許請求の範囲
【請求項1】
可撓性を有するシースと、
このシースの内部でこのシースの軸方向に沿って移動して、このシースの先端に対して突出および引き込み可能な中空の外針と、
この外針の基端部に配設され、前記外針を前記シースに対して移動させる外針移動手段と、
この外針の内部で前記シースの軸方向に沿って移動して、前記外針の先端に対して突出および引き込み可能な内針と、
前記内針の基端部に配設され、前記内針を前記外針に対して移動させる内針移動手段と、
前記シースの基端部に配設され、前記外針移動手段と前記内針移動手段とを操作する操作部と
を具備することを特徴とする内視鏡用穿刺針。
【請求項2】
前記外針移動手段は、可撓性を有するチューブを備え、
前記内針移動手段は、前記外針移動手段よりも高い剛性を有する移動部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用穿刺針。
【請求項3】
前記移動部材は、チューブ状もしくはワイヤ状であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用穿刺針。
【請求項4】
前記外針は、前記外針の移動を規制する制御手段を基端部に備え、
前記外針移動手段は、前記制御手段の基端側に接続され、前記外針を前記シースの先端に対して最大に突出させた状態で、前記シース内で撓みを生じる長さに形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載の内視鏡用穿刺針。
【請求項5】
前記内針は、前記外針に対する移動を規制する規制手段を基端部に備え、
前記内針移動手段は、前記規制手段の基端側に接続され、前記内針を前記外針および前記シースの先端に対して最大に突出させた状態で、前記シース内で撓みを生じる長さに形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載の内視鏡用穿刺針。
【請求項6】
前記操作部は、前記内針移動手段が通る内空を有する円筒部と、前記内針移動手段が前記操作部に対して係合される係合手段とを有するシール部材を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載の内視鏡用穿刺針。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通して用いられる内視鏡用穿刺針に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、患者の肺から組織を採取するための中空の針部材を有する生検用穿刺針が開示されている。この生検用穿刺針は、中空の外針の軸方向に沿って移動可能な中空の内針を備えている。このため、組織に対峙する位置で外針に対して内針を突出させて組織をその内針に吸引により採取する。このとき、針部材の先端の圧力をバルーンを用いてモニタリングしている。
【特許文献1】米国特許第4,799,494号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示された針部材では、その内針の先端から中空の部分に組織を採取している。しかし、内針の先端を目的組織に到達させる前に、その目的組織に到達させる途中の組織である目的組織でない組織がその内針の中空の内部に入り込むことがある。このような場合、目的部位でない組織によって内針の中空の空間の体積が減るので、目的部位の組織採取量が内針の中空の空間により本来得られる量よりも少なくなることがある。すなわち、目的組織をより多く採取したい場合であっても、その組織の採取量が予定量よりも少なくなることがある。
【0004】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、針部材の中空の空間により得られる量に対して、できるだけ多くの目的組織を採取可能な内視鏡用穿刺針を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明に係る内視鏡用穿刺針は、可撓性を有するシースと、このシースの内部でこのシースの軸方向に沿って移動して、このシースの先端に対して突出および引き込み可能な中空の外針と、この外針の基端部に配設され、前記外針を前記シースに対して移動させる外針移動手段と、この外針の内部で前記シースの軸方向に沿って移動して、前記外針の先端に対して突出および引き込み可能な内針と、前記内針の基端部に配設され、前記内針を前記外針に対して移動させる内針移動手段と、前記シースの基端部に配設され、前記外針移動手段と前記内針移動手段とを操作する操作部とを備えていることを特徴とする。
外針および内針をシースの先端から突き出して生体組織内に穿刺し、目的部位に到達したら内針を外針の内部に収納する。これにより、外針の内部には目的部位から採取したい組織を収納するためのスペースを確保でき、さらに、外針の管路内に吸引をかけることでより多くの組織を採取することができる。
【0006】
また、前記外針移動手段は、可撓性を有するチューブを備え、前記内針移動手段は、前記外針移動手段よりも高い剛性を有する移動部材を備えていることが好適である。
このため、内視鏡用穿刺針を内視鏡の処置具挿通チャンネルに対して挿通させる際にスムーズに挿通させることができ、外針移動手段をシースに対して移動させる際に、力を容易に伝達することができる。また、内針を外針に対して突出させる際に、常に内針を外針に対して突出するように付勢した状態で突出させることができる。
【0007】
また、前記移動部材は、チューブ状もしくはワイヤ状であることが好適である。
このため、外針移動手段よりも高い剛性を容易に備えることができる。
【0008】
また、前記外針は、前記外針の移動を規制する制御手段を基端部に備え、前記外針移動手段は、前記制御手段の基端側に接続され、前記外針を前記シースの先端に対して最大に突出させた状態で、前記シース内で撓みを生じる長さに形成されていることが好適である。
【0009】
このため、制御手段で外針の移動を規制した状態としたときに、外針をシースの先端に対して突出した状態に維持することができる。
【0010】
また、前記内針は、前記外針に対する移動を規制する規制手段を基端部に備え、前記内針移動手段は、前記規制手段の基端側に接続され、前記内針を前記外針および前記シースの先端に対して最大に突出させた状態で、前記シース内で撓みを生じる長さに形成されていることが好適である。
このため、内針の移動を外針に対して規制手段で移動を規制したときに、内針を外針の先端に対して突出した状態に維持することができる。
【0011】
また、前記操作部は、前記内針移動手段が通る内空を有する円筒部と、前記内針移動手段が前記操作部に対して係合される係合手段とを有するシール部材を備えていることが好適である。
このため、生体組織を採取する際などに、シール部材によって管路内を気密に保って例えばシリンジなどの吸引力を効率良く外針の内空に伝達して減圧することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、針部材の中空の空間により得られる量に対して、できるだけ多くの目的組織を採取可能な内視鏡用穿刺針を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
【0014】
図1(A)には内視鏡用穿刺針10の先端部を示し、図1(B)にはその基端部(後述する操作部16)を示す。図1(A)および図1(B)に示すように、一実施の形態に係る内視鏡用穿刺針10は、可撓性を有する細長いシース12と、このシース12の内空に沿って移動可能な管状の針部材14と、シース12の基端部に設けられ、シース12に対して針部材14を移動させるための操作部16とを備えている。シース12は、図示しない内視鏡の処置具挿通チャンネルを通すため、内視鏡の挿入部の長さよりも十分長く形成されている。このため、針部材14も同様に、内視鏡の挿入部の長さよりも十分長く形成されている。特に、針部材14は、シース12の先端に対して突出させた状態で操作することが必要となるので、シース12の長さよりもさらに長く形成されている。
【0015】
図2(A)にはシース12の先端部および針部材14の先端部を示し、図2(B)には図2(A)に示すシース12の先端部および針部材14の先端部に繋げられた部位を示す。図2(A)および図2(B)に示すように、シース12は、可撓性を有するシース本体22と、シース本体22の先端に配置され、内空を有する略円環状で例えば硬質のストッパ24と、針部材14の先端部を保護する保護部材26とを備えている。
【0016】
図2(A)に示すように、シース本体22の先端部には、針部材14がシース本体22の先端部側への移動を規制するストッパ24が装着されている。このストッパ24は、シース本体22の先端部でシース本体22の先端と、その内周面とを覆っている。ストッパ24は、その外周面に形成された突起24aによりシース本体22の先端部の内周面に固定されている。
【0017】
ストッパ24の基端部には、針部材14を保護するコイル状の保護部材26が配設されている。この保護部材26は、シース本体22の内周面に装着されている。この保護部材26は、シース本体22との間に嵌合した状態で保持するストッパ24の基端部の保持部28にその先端部が保持されている。
【0018】
針部材14は、外針32と、内針34と、外針係止部材(制御手段)36と、内針係止部材(規制手段)38と、外針移動部材40と、内針移動部材42とを備えている。
【0019】
外針32および内針34は、それぞれ例えばステンレス鋼材で中空に形成され、先端が鋭利に形成されている。すなわち、外針32および内針34には、それぞれ先端に開口部32a,34aが形成されている。
【0020】
図2(B)に示すように、外針32の基端部には、外針係止部材36が配設されている。この外針係止部材36には、外針移動部材40の先端部が配設されている。外針係止部材36および外針移動部材40は、それぞれ円筒状(チューブ状)に形成されている。外針係止部材36は例えばステンレス鋼材や硬質プラスチック材により形成されている。外針移動部材40は、例えばフッ素樹脂などのプラスチック材により形成されている。このため、外針移動部材40は、外針係止部材36および外針32を移動可能なように適度な剛性を有しつつ、内視鏡の処置具挿通チャンネルが変形する変形状態に合わせて変形する可撓性を備えている。この外針移動部材40の基端部は、シース12の基端部からさらに基端部側に延び、操作部16に接続されている(図3(A)参照)。
【0021】
外針係止部材36の外周面には、径方向外方に突出したフランジ部36aが形成されている。このフランジ部36aは、上述したストッパ24の内周面に係止される。外針32は、その外針係止部材36のフランジ部36aがストッパ24に当接されて移動が規制される。なお、外針係止部材36および外針移動部材40の内径は、後述する内針移動部材42の外周面との間に僅かに隙間がある程度であることが好ましい。
【0022】
内針34の基端部には、内針移動部材42の先端部が固定されている。この内針移動部材42は、例えば金属材製の単線ワイヤや樹脂材製のパイプなどで形成され、外針移動部材40と同様に可撓性を備えている。また、この内針移動部材42は、外針移動部材40よりも剛性が高く形成されている。このため、内針34および外針32をともに目的部位に対して穿刺するときの突っ張り力を確保しつつ、内視鏡の処置具挿通チャンネルを挿通可能な可撓性を確保することができる。
【0023】
この内針移動部材42の基端部は、シース12の基端部側に延び、操作部16に接続されている。この内針移動部材42の先端部には、内針係止部材38が配設されている。この内針係止部材38は、内針移動部材42の外周面に配設されている。さらに、この内針係止部材38は、外針係止部材36よりも基端部側に配設されている。このため、内針34のシース12の先端側への移動は、内針係止部材38が外針係止部材36の基端部に当接することによって規制される。
【0024】
図1(B)に示すように、操作部16は、操作部本体52と、この操作部本体52に対してスライド可能な第1および第2のスライド部材54,56と、第1のスライド部材54に対して固定された接続管58とを備えている。
【0025】
操作部本体52は、円筒部62と、この円筒部62に対して直交する方向に形成され、シリンジ(図示せず)が装着されるルアー口金64とを備えている。
【0026】
ここで、図3(A)には操作部16のルアー口金64の中心軸よりも先端部側を示し、図3(B)にはルアー口金64の中心軸よりも基端部側を示す。
図3(A)および図3(B)に示すように、円筒部62の中心軸の内空とルアー口金64の中心軸の内空とは連通されている。図3(A)に示すように、円筒部62の先端側の外周面には、第1のスライド部材54を所定の範囲内で移動可能に受ける第1のスライド受部72が形成されている。この第1のスライド受部72の先端部側には、外方に向かって突出した凸部72aが形成されている。図3(B)に示すように、円筒部62の基端側の外周面には、第2のスライド部材56を所定の範囲内で移動可能に受ける第2のスライド受部74が形成されている。この第2のスライド受部74の基端部側には、外方に向かって突出した凸部74aが形成されている。図3(A)および図3(B)に示すように、ルアー口金64は、これら第1および第2のスライド受部72,74の間に配設されている。
【0027】
図4に示すように、第2のスライド部材56には、1対のスリット56a(1対のうちの1つは図示せず)が軸方向に沿って形成されている。ここでは、第2のスライド部材56に代表して説明するが、第1のスライド部材54も同じ構成を備えている。第2のスライド受部74の基端側には、1対の係合部62bが形成されている。すなわち、円筒部62の先端部および基端部の外周面には、それぞれ外方に突出した1対の係合部62bが形成されている。第2のスライド受部74の基端側の1対の係合部62bは第2のスライド部材56の1対のスリット56aに係合されている。このため、操作部本体52に対して第2のスライド部材56をそのスリット56aに沿って移動可能である。
【0028】
図3(A)に示すように、第1のスライド部材54の基端部、すなわち、スリット54aの基端部には、第1のスライド受部72の基端部の太径部62cにクリック係合されるクリック係合部54bが形成されている。図3(B)に示すように、第2のスライド部材56の先端部、すなわち、スリット56aの先端部の太径部62dには、第2のスライド受部74の先端部にクリック係合されるクリック係合部56bが形成されている。このため、第1および第2のスライド部材54,56は、クリック係合部62a,62bと、太径部62c,62dとの間の距離を移動可能である。
【0029】
図3(A)に示すように、外針移動部材40は、第1のスライド部材54のスリット54aの内側付近まで延出されている。この外針移動部材40の基端部の内周面には、筒状の外針操作管44が配設されて圧入または接着により固定されている。この外針操作管44の外周面は、円筒部62の先端部の内空の内周面に接着により固定されている。このため、外針操作管44は、第1のスライド部材54が操作部本体52に対してスライドすることによって外針移動部材40に対してスライド可能である。なお、外針移動部材40の基端面は、第1のスライド部材54のクリック係合部54bが太径部62cにクリック係合されたときに、円筒部62の先端部の縁部に当接される。このとき、外針32はシース12に対して固定される。
【0030】
内針移動部材42は、外針移動部材40の内部および外針操作管44の内部を通して第2のスライド部材56の基端部に固定されている。図4および図5に示すように、円筒部62の基端部の内周面には、内針移動部材42が挿通されたパッキン80が配設されている。図6(A)および図6(B)に示すように、パッキン80は、パッキン本体(シール部材)80aと、このパッキン本体80aから突出された嵌合部(係合手段)80bとを備えている。図4に示すように、この嵌合部80bは、円筒部62の基端部に形成された開口部82に嵌合されている。パッキン本体80aは、例えば弾性ゴム材により形成されている。このとき、このパッキン本体80aは、円筒部62に押し付けられて密着した状態で固定されている。
【0031】
このパッキン本体80aには、内針移動部材42の外径よりも僅かに小さい、または、僅かに大きい貫通孔80cが形成されている。このため、円筒部62にパッキン80が装着され、内針移動部材42がパッキン本体80aの貫通孔80cに配設された状態のとき、このパッキン本体80aの先端側および基端側の液体および気体の流れが遮断される。
【0032】
図3(A)に示すように、第1のスライド部材54の先端部の外周面には、接続部54cが形成されている。この接続部54cには、接続管58が着脱可能に配設されている。この接続管58は、シース12の基端部、すなわち、シース本体22の基端部を保持するものである。
【0033】
接続部54cの先端部の外周面には、円環状に凹部54dが形成されている。シース本体22の基端部は、接続部54cの先端部の外周面に接続される装着部22aが形成されている。この装着部22aには、上述した凹部54dに沿って形成されたシース凹部22bが形成されている。このため、シース本体22の装着部22aは、第1のスライド部材54の先端部の外周面と同じ形状に形成されている。
【0034】
一方、接続管58は、第1のスライド部材54の先端部に対して、その先端部および基端部で係合可能な先端係合部58aおよび基端係合部58bを備えている。先端係合部58aは、円管に対して径方向内方に突出した状態に形成されている。この先端係合部58aは、第1のスライド部材54の先端部の外周面の凹部54d、および、シース本体22の装着部22aのシース凹部22bに係合可能である。基端係合部58bは、第1のスライド部材54の接続部54cの基端部と同じ形状に形成されて互いに係合されている。
【0035】
図3(B)に示すように、操作部16の第2のスライド部材56の基端部に配置された内針移動部材42には、曲部42aが形成されている。この曲部42aは、第2のスライド部材56の基端部に係合されている。このため、第2のスライド部材56を第2のスライド受部74に対して移動させることによって、内針移動部材42をシース12や操作部16に対して移動可能である。
【0036】
なお、第1および第2のスライド部材54,56は、第1のスライド部材54の移動抵抗(摺動抵抗)よりも第2のスライド部材56の移動抵抗(摺動抵抗)を大きく設定したり、または、その逆に設定したりすることで操作性を変化させることができる。
【0037】
次に、この実施の形態に係る内視鏡用穿刺針10の作用について説明する。
最初の状態では、例えば、第1のスライド部材54のクリック係合部54bを、円筒部62の太径部62cに係合させておく。また、例えば、第2のスライド部材56のクリック係合部56bを、円筒部62の太径部62dに係合させておく。
【0038】
ここで、操作部16の第1のスライド部材54を円筒部62に対して移動させると、この第1のスライド部材54の移動によって、シース本体22が移動される。すなわち、第1のスライド部材54の移動によって、シース12が移動される。操作部16の第2のスライド部材56を円筒部62に対して移動させると、この第2のスライド部材56の移動によって、内針移動部材42が移動される。すなわち、第2のスライド部材56の移動によって、内針34が移動される。
【0039】
図2(A)および図2(B)に示すように、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通させるため、内視鏡用穿刺針10の針部材14の先端、すなわち、内針34および外針32の先端をシース12の先端に対して引き込んだ状態にする。
この場合、操作部16の第1のスライド部材54を円筒部62の最も先端部側の位置に配置する。一方、第2のスライド部材56を円筒部62の最も基端部側の位置に配置する。すなわち、第1のスライド部材54のクリック係合部54bを、凸部72aを乗り越えてクリック係合部62aに当接させて第1のスライド部材54を円筒部62の先端に係合させる。一方、第2のスライド部材56のクリック係合部56bを、凸部74aを乗り越えてクリック係合部62bに当接させ、第2のスライド部材56を円筒部62の基端に係合させる。
【0040】
このとき、外針32の先端32aは内針34の先端34aよりも突出した状態にある。内針移動部材42がシース12の先端に対して最も引き込まれた状態にあるので、内針34の基端部に当接する外針係止部材36によって、外針移動部材40もシース12の先端に対して最も引き込まれた状態に配置される。このとき、外針係止部材36の基端が内針係止部材38の先端に当接される。このため、外針係止部材36は、内針係止部材38をシース12の基端側に押圧した状態にある。したがって、外針移動部材40および内針移動部材42はシース12の内部や操作部16の内部で撓んだ状態にある。
【0041】
図示しない内視鏡の挿入部の先端部を、生体の目的部位の近傍に対峙する位置まで導入する。この状態で、内針34および外針32をシース12の内部に引き込んだ内視鏡用穿刺針10を、内視鏡の処置具挿通チャンネルの鉗子栓から挿通させる。そして、挿入部の先端部からシース12の先端を突出させる。
【0042】
次に、目的部位の組織を採取するため、外針32および内針34をシース12の先端から突出させる。
この場合、操作部16の第1のスライド部材54を、円筒部62のルアー口金64に近接する位置に配置する。一方、第2のスライド部材56を、円筒部62のルアー口金64に近接する位置に配置する。すなわち、第1のスライド部材54のクリック係合部54bを、凸部72aを乗り越えて太径部62cに係合させる。一方、第2のスライド部材56のクリック係合部56bを、凸部74aを乗り越えて太径部62dに係合させる。
【0043】
このとき、第1のスライド部材54の移動によって、シース12が操作部16の基端側に移動する。また、第2のスライド部材56の移動によって、内針移動部材42が先端側に移動する。内針移動部材42は、自らの撓みを是正するように、シース12の先端側に移動する。このため、内針係止部材38は、外針係止部材36をシース12の先端側に押圧し、内針係止部材38と外針係止部材36とが一体となってシース12の先端側に移動する。このため、外針移動部材40の撓みも是正される。
【0044】
したがって、内針移動部材42の先端に接続された内針34がシース12の先端に対して突出する方向に移動するとともに、外針係止部材36の基端部が接続された外針32もシース12の先端に対して突出する方向に移動する。このとき、外針係止部材36はシース12のストッパ24の内周面に係合される。このため、シース12の先端に対して外針32が位置決めされる。内針34の先端は、内針移動部材42の移動にともなって外針32の先端に対して突出される。このとき、内針係止部材38の先端が外針係止部材36の基端に当接されるまで移動する。
【0045】
なお、外針係止部材36がストッパ24の内周面に当接された状態であっても、内針移動部材42の撓みは残った状態にある。このため、内針係止部材38の先端が外針係止部材36の基端に対して当接した状態を維持する(図7(B)参照)。内針移動部材42が、外針移動部材40よりも剛性が高く形成されているので、このような状態が維持される。
【0046】
この状態で、未だ目的部位に対して内針34および外針32の先端34a,32aが穿刺されていないとき、内針34および外針32の先端34a,32aを目的部位に向けて穿刺するために、シース12をチャンネルに対してさらに挿入するように移動させる。そして、外針32内に目的部位の組織を採取する。
【0047】
この場合、操作部16の第2のスライド部材56を操作する。第2のスライド部材56をルアー口金64から最も離隔する移動可能位置まで操作する。すなわち、第2のスライド部材56のクリック係合部56bに対する太径部62dの係合を解除する。そして、クリック係合部56bを第2のスライド受部74に沿って基端側に移動させる。このとき、第2のスライド受部74の凸部74aを乗り越えて係合部62bに当接させるまで移動させる。このため、内針移動部材42、内針係止部材38および内針34が外針操作管44、外針移動部材40、外針係止部材36および外針32に対して引き込まれる。そうすると、内針34の先端34aが外針32の先端に対して引き込まれる。したがって、内針係止部材38の先端が外針係止部材36の基端に対して離れる(図2(B)参照)。
【0048】
この状態で、操作部16のルアー口金64にシリンジ(図示せず)を装着する。このシリンジによって、操作部本体52の円筒部62の内部を吸引する。このときの吸引力は、外針操作管44、外針移動部材40、外針係止部材36を通して外針32の内空に伝えられてこれらの内部が減圧される。このため、外針32の内空に目的部位の組織が吸引される。このとき、外針32の内空には、内針34が引き込まれた状態で配設されているが、組織が穿刺時に入り込むことが防止されていたので、外針32の内空の空間は確保されている。したがって、外針32の空間により得ることが可能な許容量一杯もしくはそれに近い、より多くの組織が採取される。
【0049】
吸引の終了後、操作部16のルアー口金64からシリンジを取り外す。その後、操作部16の第1のスライド部材54のクリック係合部54bと第1のスライド受部72の太径部62cとの間の係合を解除する。そして、第1のスライド部材54を、ルアー口金64に離隔する移動可能位置まで操作して、外針32をシース12の先端に対して引き込んでいく。すなわち、外針32の先端を、目的部位から引き抜く。そして、第1のスライド部材54のクリック係合部54bを凸部72aを乗り越えてクリック係合部62aに当接させ、第1のスライド部材54を円筒部62の先端に係止する。このため、外針32の先端32aがシース12の先端に対して引き込まれる。
【0050】
そして、内視鏡の処置具挿通チャンネルから内視鏡用穿刺針10を引き抜く。
その後、ルアー口金64から加圧空気などを送気して、外針32の内空に採取された生体組織を外針32の先端から外部に取り出す(回収する)。このように取り出した生体組織について、各種の検査を行なう。
【0051】
なお、組織を採取する場合、第1および第2のスライド部材54,56は、上述した順に移動させることに限らず、逆の順に移動させることも好適である。
【0052】
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
【0053】
針部材14が外針32に対して内針34を突出可能な2重構造に形成されているため、針部材14が目的部位に穿刺された後、内針34のみを引き込むことによって、外針32の内部に空間を設けることができる。したがって、外針32の内空に所望の組織をより多く採取することができる。
【0054】
また、内針移動部材42を外針移動部材40よりも剛性を高くしたので、内針34および外針32をともに目的部位に対して穿刺するときの突っ張り力を確保しつつ、内視鏡の処置具挿通チャンネルを挿通可能な可撓性を確保することができる。
【0055】
さらに、外針32の内部の吸引力を維持するためのパッキン80を、円筒部62の第2のスライド受部74の内部に押し込むだけで固定させて密封させることで、操作部16の組み立てを簡便に行なうことができる。
【0056】
これまで、一実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0057】
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0058】
[付記]
(付記項1)
可撓性を有するシース内に進退自在な中空構造の外針と、外針内に移動自在に配置された中空構造の内針と、外針及び内針をそれぞれ進退させる移動手段と、各移動手段を操作するための手元側に設けられた操作部からなる内視鏡用穿刺針において、外針を進退させる外針移動手段は可撓性のチューブからなり、内針を進退させる内針移動手段は、外針移動手段よりも剛性の高いチューブまたはワイヤからなる内視鏡用穿刺針。
【0059】
(付記項2)
外針の進退を規制する制御手段が外針基端部に接続され、制御手段の基端側に外針移動手段が接続された請求項1の内視鏡穿刺針において、外針移動手段は、外針を最大に突き出した時に、シース内で撓みを生じるような長さに設定され、内針は弾性力のあるワイヤで構成された内視鏡用穿刺針。
【0060】
(付記項3)
外針内空及び外針移動手段内空を通り操作部まで連通する管路に気密を保つため、操作部内にシール部材が配置され、シール部材は内針移動手段が通る内空と、操作部内に係合する固定手段からなり、固定手段が操作部に固定されるとシール部材が変形し、操作部材及び内針移動手段との隙間を密封し、前記管路に気密にする付記項1もしくは付記項2に記載の内視鏡用穿刺針。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施の形態に係る内視鏡用穿刺針を示し、(A)は内視鏡用穿刺針の先端部を示す概略的な部分断面図、(B)は内視鏡用穿刺針の基端部(操作部)を示す概略的な部分断面図。
【図2】一実施の形態に係る内視鏡用穿刺針のシースおよび針部材を示し、(A)はシースの先端部および針部材の先端部を示す概略的な縦断面図、(B)は(A)に示すシースの先端部および針部材の先端部に繋げられた部位を示す概略的な縦断面図。
【図3】一実施の形態に係る内視鏡用穿刺針のシースの基端部および操作部を示し、(A)は操作部のルアー口金の中心軸よりも先端部側を示す概略的な縦断面図、(B)はルアー口金の中心軸よりも基端部側を示す概略的な縦断面図。
【図4】一実施の形態に係る内視鏡用穿刺針の操作部の操作部本体と、第2のスライド部材と、パッキンとの関係を示す概略的な分解斜視図。
【図5】一実施の形態に係る内視鏡用穿刺針の操作部本体の基端部にパッキンを配設した状態を示す概略的な縦断面図。
【図6】一実施の形態に係る内視鏡用穿刺針の操作部本体の基端部に配設されるパッキンを示し、(A)は概略的な正面図、(B)は概略的な縦断面図。
【図7】一実施の形態に係る内視鏡用穿刺針の先端部を示し、(A)は内針の先端が外針の先端に対して突出した状態を示す概略的な縦断面図、(B)は内針係止部材の先端が外針係止部材の基端に当接し、かつ、外針係止部材がシースのストッパに当接された状態を示す概略的な縦断面図。
【符号の説明】
【0062】
10…内視鏡用穿刺針、12…シース、14…針部材、16…操作部、22…シース本体、24…ストッパ、26…保護部材、32…外針、34…内針、36…外針係止部材、38…内針係止部材、40…外針移動部材、42…内針移動部材、52…操作部本体、54…第1のスライド部材、56…第2のスライド部材、58…接続管、62…円筒部、64…ルアー口金




 

 


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