米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> オリンパスメディカルシステムズ株式会社

発明の名称 医療器具洗滌消毒システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20729(P2007−20729A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−204755(P2005−204755)
出願日 平成17年7月13日(2005.7.13)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 鈴木 英理 / 野口 利昭
要約 課題
管路を有する内視鏡の使用後の洗滌消毒の煩わしさを解消して、洗滌消毒を衛生的に行える医療器具洗滌消毒システムを提供すること。

解決手段
医療器具洗滌消毒システム1は、吸引管路25cを含む複数の管路25a、25bの開口部25g、25hが基部21に設けられた内視鏡20と、洗滌槽5及び複数の管路洗滌用ノズル31、32、33を備え、使用後の内視鏡20の外表面及び複数の管路25a、25b、25c内の洗滌消毒を行う洗滌消毒装置2とを具備し、内視鏡20の基部21に設けられている複数の開口部25g、25hのうち、少なくとも吸引管路25cの開口部25gを他の管路25a、25bの開口部25hから所定距離離間させて独立して構成し、洗滌消毒装置2に備える複数の管路洗滌用ノズル31、32、33を基部21のそれぞれの開口部25g、25hに対して自動的に着脱させる洗滌ノズル着脱機構部30を設けている。
特許請求の範囲
【請求項1】
内部に管路を備え、前記管路に連通する開口部を外表面に備えた医療器具と、
前記医療器具に接続可能な接続部を備え、前記接続部が接続したときに前記開口部を介して前記管路に連通する連通路を備えた接続部材と、
前記医療器具を配置可能な所定深さを備えた槽部の所定位置に、該医療器具が配置されたことを検知する第1の検知手段と、
前記第1の検知手段の検知に基づいて、前記接続部材を前記医療器具に向けて移動させる動作手段と、
前記接続部材と前記医療器具との接続を検知する第2の検知手段と、
前記第2の検知手段の検知に基づいて、流体供給源から前記連通路に流体を供給させる制御手段と、
を具備することを特徴とする医療器具洗滌消毒システム。
【請求項2】
前記槽部には前記医療器具を所定の位置に配置させる位置決め手段を備え、前記動作手段は前記位置決め手段によって位置決めされた前記医療器具に向かって前記接続部材を移動させることを特徴とする請求項1に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項3】
前記動作手段は、前記接続部材を前記医療器具に向かって付勢させる付勢手段を有することを特徴とする請求項2に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項4】
前記付勢手段は、弾性部材であることを特徴とする請求項3に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項5】
前記動作手段は、前記弾性部材が弾性変形した状態で保持可能な保持手段を有することを特徴とする請求項1、又は請求項4に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項6】
前記保持手段は、ラッチ型ソレノイドであることを特徴とする請求項5に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項7】
前記動作手段は、前記接続部材を前記医療器具に向かって進退させる進退手段であることを特徴とする請求項2に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項8】
前記進退手段は、所定の駆動力を発生させる駆動手段と、前記駆動手段の駆動力を前記接続部材に伝達する伝達手段とを具備することを特徴とする請求項7に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項9】
前記駆動手段は電動モータであることを特徴とする請求項8に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項10】
前記管路が複数設けられる構成において、該管路に対応する複数の連通路を有することを特徴とする請求項1に記載の医療器具洗滌消毒システム。
【請求項11】
前記複数の管路のうち少なくとも1つは吸引手段に接続可能な吸引管路であるとき、
前記吸引管路に連通する開口部である吸引管路開口部は、他の開口部から所定距離離間されることを特徴とする請求項10に記載の医療器具洗滌消毒システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路を備える医療器具と、医療器具の外表面、及び管路内の洗滌消毒を行う洗滌消毒装置と備える医療器具洗滌消毒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
体腔内の検査や治療の目的に使用される内視鏡は、体腔内に挿入される挿入部の外表面だけでなく、挿入部内に設けられている送気送水管路や鉗子チャンネルを兼ねる吸引管路等、管路内にも汚物が付着する。送気送水管路においては先端部に汚物が付着する可能性があるのに対し、吸引管路においては管路内全面に汚物が付着する可能性がある。そのため、使用後の内視鏡は、内視鏡の外表面と管路内とが洗滌消毒される。
【0003】
例えば、特開平7−308289号公報には内視鏡の保持能力を確保し、他方では内視鏡との通常の接触部分の面積が少なくできて洗浄や消毒等の効果を高めることができる内視鏡載置用ラックを備えた内視鏡洗浄消毒装置が示されている。この装置では、網目状に形成したラックに内視鏡を載置し、そのラックを洗滌槽内に配置して洗滌消毒等を行う。
【0004】
内視鏡洗滌消毒装置において内視鏡は、洗滌槽にセットされて洗滌水による洗滌、及び消毒液液中に浸漬される消毒等とともに、洗滌消毒後には濯ぎが行われる。内視鏡には、体液や汚物等を吸引するための吸引管路、送気を行う送気管路、送水を行うための送水管路などが設けられているものがある。そのため、管路を有する内視鏡の洗滌消毒を行う際、作業者は、洗滌消毒装置に設けられている洗滌液、及び消毒液を供給するための洗滌用チューブを各管路に接続して、洗滌消毒の準備を行っていた。
【特許文献1】特開平7−308289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の洗滌消毒装置においては、内視鏡を洗滌消毒する際、内視鏡を単にラックに載置したときに洗滌用チューブを接続する作業が必要になるため、内視鏡を洗滌消毒装置に取り付ける作業が非常に面倒なものであった。
【0006】
本発明は前述した問題に鑑みてなされたものであり、管路を有する内視鏡等の医療器具を簡単に洗滌消毒装置に取り付けて、洗滌消毒を行える医療器具洗滌消毒システムを提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内視鏡洗滌消毒装置は、内部に管路を備え、前記管路に連通する開口部を外表面に備えた医療器具と、前記医療器具に接続可能な接続部を備え、前記接続部が接続したときに前記開口部を介して前記管路に連通する連通路を備えた接続部材と、前記医療器具を配置可能な所定深さを備えた槽部の所定位置に、該医療器具が配置されたことを検知する第1の検知手段と、前記第1の検知手段の検知に基づいて、前記接続部材を前記医療器具に向けて移動させる動作手段と、前記接続部材と前記医療器具との接続を検知する第2の検知手段と、
前記第2の検知手段の検知に基づいて、流体供給源から前記連通路に流体を供給させる制御手段とを具備している。
【0008】
この構成によれば、洗滌消毒装置に備えられている動作手段によって接続部材を医療器具の開口部へ自動的に移動させ、装着後、管路内への流体の供給を自動的に行える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、管路を有する内視鏡等の医療器具を簡単に洗滌消毒装置に取り付けて、洗滌消毒を行える医療器具洗滌消毒システムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図7は本発明の一実施形態に係り、図1は一部上面図を含むトップカバーが開いた状態の洗滌消毒装置を説明する斜視図、図2は医療器具洗滌消毒システムの一構成例を説明するための斜視図、図3は内視鏡が洗滌槽内に収容されてトップカバーが閉じた状態の洗滌消毒装置を説明する斜視図、図4は洗滌ノズル着脱機構部の構成を示す上面図、図5は洗滌ノズル着脱機構部の構成を示す、図4とは逆方向である背面側から見た図、図6は医療器具洗滌消毒システムの構成を説明するブロック図、図7は装着状態検知手段の一構成例を説明する図である。
【0011】
図1に示すように本実施形態の医療器具洗滌消毒システム1を構成する洗滌消毒装置2は、装置本体3と、トップカバー4と備えている。装置本体3の上部には所定の深さを備えた槽部である洗滌槽5が備えられ、トップカバー4は該洗滌槽5の開口を塞ぐように設けられている。洗滌槽5の所定位置にはトレー保持部材6が回動自在に設けられている。トレー保持部材6には、保持トレー(図2の符号10等)が着脱自在に配置される。洗滌槽5の底面所定位置には第1開閉突起7a、及び第2開閉突起7bが設けられている。そして、第1開閉突起7a近傍には給水口16cが設けられ、第2開閉突起7b近傍には排水口17cが設けられている。給水口16cからは洗滌槽5、及び保持トレー内に洗滌液や濯ぎ水が供給される。排水口17cからは給水口16cから供給された液体が洗滌槽5外に排出される。
装置本体3の正面には、各種入力操作、及び文字などの表示が可能な操作パネル8が設けられている。
【0012】
トップカバー4は硬質で光透過性を有する樹脂部材、いわゆる透明樹脂部材若しくは半透明樹脂部材で所定形状に形成されている。トップカバー4は洗滌槽5の所定位置に開閉自在に設けられている。したがって、洗滌槽5の開口をトップカバー4で閉塞した状態において、該トップカバー4を通して洗滌槽5内の目視観察が可能である。
【0013】
なお、本実施形態の洗滌消毒装置2では後述する内視鏡の他に開口部を有する処置具やオーバーチューブ等の医療器具が洗滌消毒される。その際、各医療器具は専用の保持トレーに収納され、該内視鏡は専用の保持トレーである内視鏡保持トレー(図2に示す符号10)に収納されて洗滌槽5内に収容される。また、図中の一点鎖線楕円内の符号31、32、33は内視鏡の管路内を洗滌するための接続部材である管路洗滌用ノズルである。これら管路洗滌用ノズル31、32、33は装置本体3の内部に配設された後述する洗滌ノズル着脱機構部30を構成している。図中の一点鎖線楕円内には各医療器具に設けられている開口部に対応する管路洗滌用ノズルが設けられる。
【0014】
図2に示す医療器具洗滌消毒システム1は内視鏡洗滌消毒システムであって、洗滌消毒装置2と、内視鏡保持トレー(以下、トレーと略記する)10と、医療器具である内視鏡20とで構成される。洗滌消毒装置2に備えられるトレー保持部材6の保持部6aには二点鎖線に示すようにトレー10が配置される。トレー10には内視鏡20が収納配置される。
【0015】
内視鏡20は、基部21と、この基部21から延出する可撓性を有する挿入部22とを有して構成されている。基部21には送気送水管路配設部23と吸引管路配設部24とが所定の距離離間して、かつ長手軸方向基端側に向かって斜めに突出して設けられている。送気送水管路配設部23の送気送水接続口23aには送気管路(図6の符号25a参照)の端部が連結される送気用の連結部材(図6の符号25d参照)、及び送水管路(図6の符号25b)の端部が連結される送水用の連結部材(図6の符号25e参照)がそれぞれ配設される。一方、吸引管路配設部24には吸引管路(図6符号25c参照)だけが配設されており、該吸引管路配設部24の吸引用接続口24aには吸引管路25cの端部が連結される吸引用の連結部材(図6の符号25f参照)が配設される。送気管路25aが連結される連結部材25dの中心軸、送水管路25bが連結される連結部材25eの中心軸、及び吸引管路25cが連結される連結部材25fの中心軸は例えば同一平面内に配置される。
【0016】
なお、内視鏡検査中において、送気送水接続口23aには内視鏡20に水や空気等の流体を供給するための送気送水チューブ(不図示)が接続され、吸引用接続口24aには内視鏡20から吸引される吸引チューブ(不図示)が接続される。
【0017】
また、基部21は内視鏡20を操作する際に把持する把持部として使用され、また、内視鏡20をアーム等に固定する場合にはこの基部が固定部として使用される。
【0018】
トレー10の上面側には内視鏡20を所定の位置に収納配置させる収納凹部11が設けられている。収納凹部11の形状は、収納される内視鏡20の基部21、及び挿入部22の外形形状、及び長さ寸法等を考慮して所定形状に形作られる。つまり、トレー10は所定の内視鏡20が収納される収納凹部11を備えた専用タイプとして構成される。したがって、基部21、及び挿入部22の外形形状、及び長さ寸法の異なる、複数種類の内視鏡を備える医療施設においては、各種類の内視鏡に対応する複数のトレイが用意されている。
【0019】
具体的に、収納凹部11には内視鏡20の基部21が配設される操作部収納部12と、内視鏡20の挿入部22が配設される挿入部収納部13とが設けられている。操作部収納部12には内視鏡20の送気送水管路配設部23、及び吸引管路配設部24が配設される送気送水管路配設部受け部14、吸引管路配設部受け部15が設けられている。送気送水管路配設部受け部14には送気送水接続口23aが配設される送気送水管路用開口14aが設けられている。一方、吸引管路配設部受け部15には吸引用接続口24aが配設される吸引管路用開口15aが設けられている。
【0020】
操作部収納部12の底面所定位置には洗滌水や消毒水等を給排水するための第1給排水口16が設けられている。挿入部収納部13の底面所定位置には洗滌水や消毒水等を給排水するための第2給排水口17が設けられている。第1給排水口16は内視鏡20の基部21の基端側近傍に位置するように設けられている。第2給排水口17は内視鏡20の挿入部22の先端面側近傍に位置するように設けられている。それぞれの給排水口16、17には開閉自在な蓋部材16a、17aが設けられている。蓋部材16a、17aは自重、又は、自重に加えて図示しない付勢部材の付勢力によって、給排水口16、17が常時、塞いだ状態に保持される構成になっている。
【0021】
つまり、トレー10はトレー単体の状態において、蓋部材16a、17aが閉じた状態である。したがって、使用済みの内視鏡20をトレー10の収納凹部11に収納配置させた状態のとき、内視鏡20に付着している汚物や体液等が給排水口16、17から漏出されることが防止される。このため、内視鏡20をトレー10の収納凹部11内に収納した状態において、内視鏡20の運搬を衛生的に行える。
【0022】
本実施形態においては、第1給排水口16から収納凹部11に洗滌液や消毒液等が送り込まれる。これに対して、第2給排水口17からは、収納凹部11内に送り込まれた洗滌液や消毒液等が洗滌槽5内に向けて排出される。第1給排水口16から収納凹部11に洗滌液や消毒液等を送り込んだとき、収納された内視鏡20の基部21、及び挿入部22の外表面等に、消毒液等が十分に行き渡るように収納凹部11が形作られている。したがって、消毒液等を収納凹部11に送り込んだとき、内視鏡20と収納凹部11との間に無駄な空間が形成されていないので少量の消毒薬による消毒を行うことができる。
【0023】
なお、符号18は取付部である。取付部18はトレー10の長辺側一側部に設けられている。取付部18の形状は、トレー保持部材6を構成する保持部6aの内部形状に合わせて、例えばU字状に形成される。符号19は搬送用把持部である。搬送用把持部19はトレー10の短辺側両側部にそれぞれ設けられている。搬送用把持部19は、トップカバー4と干渉することを防止するため、トレー10の下面側に突出するように形作られている。符号10aは無線タグである。無線タグ10aにはトレー10の収納凹部11に収納配置される内視鏡の種類等を示す識別情報が登録されている。
【0024】
トレー10の収納凹部11に内視鏡20を収納配置させるとき、基部21に設けられている送気送水管路配設部23の送気送水接続口23a、及び吸引管路配設部24の吸引用接続口24aを、送気送水管路配設部受け部14に形成されている送気送水管路用開口14a、及び吸引管路配設部受け部15に形成されている吸引管路用開口15aに係入配置させる。このことによって、使用後の内視鏡20をトレー10の収納凹部11内に所望の状態に容易に収納配置することができる。
【0025】
内視鏡20を収納凹部11に収納後、トレー10を、図2の二点鎖線に示すようにトレー保持部材6に配置する。このとき、トレー10の取付部18がトレー保持部材6の保持部6aに所定の状態に配設されていた場合、トレー保持部材6は手動、又は自動で所定方向に移動される。そして、トレー保持部材6の移動に伴って、該トレー保持部材6に配置されたトレー10が洗滌槽5内の所定位置に収容される。
【0026】
このとき、洗滌槽5の底面に突設されている第1開閉突起7aが蓋部材16aを押し上げて第1給排水口16を開放状態にするとともに、第2開閉突起7bが蓋部材17aを押し上げて第2給排水口17を開放状態にする。また、図4に示すようにトレー10の収納凹部11の送気送水管路用開口14a、及び吸引管路用開口15aからそれぞれ突出して配設されている内視鏡20の送気送水接続口23a、及び吸引用接続口24aと、送気管路洗滌用ノズル31、送水管路洗滌用ノズル、及び吸引管路洗滌用ノズル33とが所定距離離れて所定の対向した位置関係になる。
【0027】
この後、トップカバー4が手動、又は自動で所定方向に移動されて、図3に示すように洗滌槽5の開口を塞ぐ。
なお、洗滌槽5の開口側上面の所定位置には洗滌槽5を囲むようにパッキン5aが設けられている。このため、トップカバー4で洗滌槽5の開口を閉塞状態にしたとき、トップカバー4の一面側にパッキン5aが密着して水密が保持される。このことによって、洗滌消毒中において、洗滌槽5内の液体が装置本体3の外部に飛散することが防止される。符号4aはヒンジ部材であり、トップカバー4を洗滌槽5に開閉自在に固定している。
【0028】
図4、及び図5を参照して管路洗滌用ノズル31、32、33を備える洗滌ノズル着脱機構部30の構成を説明する。
図に示すように洗滌ノズル着脱機構部(以下、機構部と略記する)30は、トレー10の収納凹部11に収納配置された内視鏡20に設けられている管路と連結された連結部材の開口部と、洗滌消毒装置2に設けられている管路洗滌用ノズルとを装着状態、或いはその装着状態を自動で解除するための機構である。具体的には、一度の動作で、送気送水接続口23a内に設けられている送気管路25aが連結された連結部材25dの開口部と送水管路25bが連結された連結部材25eの開口部と、洗滌消毒装置2に設けられている送気管路洗滌用ノズル31と送水管路洗滌用ノズル32とを自動的に装着状態にするとともに、吸引用接続口24a内に設けられている吸引管路25cが連結された連結部材25fの開口部と、洗滌消毒装置2に設けられている吸引管路洗滌用ノズル33とを自動的に装着状態にする。また、その装着状態を一度の動作で解除する。したがって、機構部30は、洗滌槽5内に収容されたトレー10の操作部収納部12に対して所定の位置関係で設けられている。
【0029】
機構部30は、主に、送気送水管路接続部41と、吸引管路接続部42と、ノズル用ブロック43と、ガイド部44を構成する一対のレール部材44a、44bと、動作手段を構成する保持手段である例えばラッチ型ソレノイド45、及び付勢手段を構成する弾性部材である一対の接続バネ46とで構成されている。
【0030】
レール部材44a、44bは装置本体3の所定位置に平行に配設されてガイド部44を構成する。ノズル用ブロック43は、レール部材44a、44bで構成されたガイド部44の間に、摺動自在に配置される。ガイド部44に配置されたノズル用ブロック43は、洗滌槽筐体5b側とその反対側とに移動自在である。ノズル用ブロック43にはレール部材44a、44bに当接する摺動面と、ソレノイドが取り付けられるソレノイド固定面と、管路洗滌用ノズル31、32、33が固定される段部を備えたノズル固定面とを備えている。ソレノイド固定面にはラッチ型ソレノイド45のソレノイド軸45aの先端部が一体的に固定されるとともに、それぞれの接続バネ46の一端部が取り付けられている。
【0031】
ラッチ型ソレノイド45に設けられている取付板45bは装置本体3の所定位置に固定される。本実施形態においてラッチ型ソレノイド45の固定位置は、洗滌消毒装置2が洗滌消毒待機状態のとき、ソレノイド内部の磁力によってソレノイド軸45aをソレノイド内部に引き込んだ状態にして、図4に示すようにノズル用ブロック43をラッチ型ソレノイド45の近傍に配置させる位置である。一方、一対の接続バネ46の他端部は、装置本体3の所定位置に突設されたピン47に取り付けられる。このバネ取付状態において、接続バネ46にはノズル用ブロック43を洗滌槽筐体5b側に移動させる所定の付勢力が働く。
【0032】
つまり、図4に示すようにノズル用ブロック43がラッチ型ソレノイド45の近傍に配置されている状態のとき、ソレノイド内部の磁力は、弾性変形した接続バネ46の付勢力に抗して、ノズル用ブロック43をラッチ型ソレノイド45近傍に保持可能に配置させる力量である。そして、ソレノイド内部の磁力が解除されると、ノズル用ブロック43は接続バネ46の付勢力によって洗滌槽筐体5b側に移動されるようになっている。
【0033】
送気送水管路接続部41は、送気管路洗滌用ノズル31、送水管路洗滌用ノズル32、送気側緩衝バネ34、送水側緩衝バネ35、送気用L字パイプ36、及び送水用L字パイプ37を備えて構成されている。一方、吸引管路接続部42は、吸引管路洗滌用ノズル33、吸引側緩衝バネ38、吸引用L字パイプ39とを備えて構成されている。管路洗滌用ノズル31、32、33は、それぞれノズル用ブロック43に一体的に固定されている。このとき、これら管路洗滌用ノズル31、32、33の長手軸は例えば一平面内で互いに平行である。
【0034】
送気管路洗滌用ノズル31、及び送水管路洗滌用ノズル32はノズル用ブロック43を構成するノズル固定面の第1面43a側から所定量突設している。これに対して、吸引管路洗滌用ノズル33もノズル用ブロック43を構成するノズル固定面の第2面43b側から所定量突設している。これら管路洗滌用ノズル31、32、33は、洗滌槽筐体5bに設けられている図示しない透孔内を挿通して、その先端部を洗滌槽5内に突出させている。なお、符号41aは管路洗滌用ノズル31、32をそれぞれ覆う被覆部と蛇腹状部とを有する弾性部材で構成された水密保持部材であり、符号42aは洗滌用ノズル33を覆う被覆部と蛇腹状部とを有する弾性部材で構成された水密保持部材である。
【0035】
ノズル用ブロック43と洗滌槽筐体5bとの間に位置する管路洗滌用ノズル31、32、33には、それぞれ送気側緩衝バネ34、送水側緩衝バネ35、及び吸引側緩衝バネ38が介装されている。緩衝バネ34、35、38は、各管路洗滌用ノズル31、32、33が送気送水接続口23a内に設けられている連結部材25dの開口部、及び連結部材25eの開口部と、吸引用接続口24a内に設けられている連結部材25fの開口部とに装着された際の衝撃を和らげる部材である。
【0036】
一方、管路洗滌用ノズル31、32、33の基端部には、L字パイプ36、37、39が連結固定されている。これらL字パイプ36、37、39には二点鎖線で示す送気用チューブ51、送水用チューブ52、及び吸引用チューブ53がそれぞれ連結される。送気用チューブ51、送水用チューブ52、及び吸引用チューブ53はそれぞれ電磁弁等を介して送気用ポンプ、洗滌液用ポンプ、消毒液用ポンプ、吸引用ポンプに連通している。
【0037】
図6、及び図7に示すように内視鏡20の送気送水管路配設部23の送気送水接続口23aには送気管路25aの端部、及び送水管路25bの端部とそれぞれ連結される連結部材25d、25eが設けられている。送気管路25a、及び送水管路25bが連結される連結部材25d、25eは、送気送水接続口23aの所定位置にそれぞれ固設されている。そして、送気管路25a、及び送水管路25bの他端部は挿入部22の先端面に設けられた図示しない送気・送水ノズルに連結されている。
【0038】
一方、吸引管路配設部24の吸引用接続口24aには吸引管路25cの端部と連結される連結部材25fが設けられている。吸引管路25cの連結部材25fは、吸引用接続口24aの所定位置に固設されている。そして、吸引管路25cの他端部は挿入部22の先端面に設けられた図示しない吸引口に連通している。
【0039】
また、内視鏡20の基部21内には、検知処理部26と、内視鏡側無線通信手段である無線通信部27と、接続完了告知ランプ28と、リードスイッチ29とが備えられている。検知処理部26には、無線通信部27、接続完了告知ランプ28、及びリードスイッチ29が電気的に接続されている。接続完了告知ランプ28の発光部は、基部21の表面に露出して、かつトップカバー4を介して外側から目視可能な位置に設けられている。
【0040】
リードスイッチ29は、例えば送気送水接続口23a、及び吸引用接続口24aにそれぞれ配置されている。具体的には、図7に示すようにリードスイッチ29はマグネット48と対向する位置に設けられている。マグネット48は、吸引用接続口24aに着脱される吸引管路洗滌用ノズル33の先端面に埋め込まれている。また、例えば、吸引用接続口24aには軸方向貫通孔を有する連結部材25fが設けられている。連結部材25fの基端部には吸引管路25cの端部が連結固定される。連結部材25fの先端部には先端開口を貫通孔より大径に形成したテーパ面を有する開口部25gが設けられている。この開口部には、吸引管路洗滌用ノズル33の先端部を構成する係入突起33aが係入配置されるようになっている。係入突起33aの先端面は吸引管路洗滌用ノズル33の先端面より所定量突出している。
【0041】
なお、管路洗滌用ノズル31、32にもそれぞれ係入突起31a、32aが設けられ、送気送水接続口23aには、前記連結部材25fと同様な構成の開口部25h等を備える連結部材25d、25eが設けられている。連結部材25d、25eには送気管路25a、及び送水管路25bの端部が連結固定されている。
【0042】
図7に示すように吸引管路洗滌用ノズル33が吸引用接続口24aに設けられている連結部材25fの開口部25gに対して所定の装着状態になると、リードスイッチ29とマグネット48との距離が予め設定した近接状態になる。すると、リードスイッチ29ではマグネット48の磁力を検出し、その検出信号を検知処理部26に出力する。一方、吸引管路洗滌用ノズル33が連結部材25fの開口部25gから離れて装着状態が解除されると、リードスイッチ29とマグネット48との距離が離れて、リードスイッチ29から検知処理部26への検出信号の出力が停止される。つまり、マグネット48とリードスイッチ29とによって装着状態検知する第2の検知手段を構成している。
【0043】
検知処理部26は、リードスイッチ29からの検知信号が入力されると、無線通信部27に向けて装着完了告知信号を送信すると共に、接続完了告知ランプ28を点灯させる制御信号を出力する。無線通信部27では、検知処理部26からの装着完了告知信号が入力されているとき、後述する受信部61に向けて洗滌消毒可能状態信号を出力する。
【0044】
まず、図6を参照して、機構部30を制御する構成について説明する。
図に示すように、洗滌消毒装置2の装置本体3には、各種制御を行う制御手段である制御部60と、受信部61とが設けられている。制御部60は、受信部61、及びラッチ型ソレノイド45と電気的に接続されている。受信部61は、内視鏡20の無線通信部27から出力される洗滌消毒可能状態信号と、無線タグ10aの識別情報とを受信する。受信部61は、その受信信号に対応する指示信号を制御部60に出力する。
【0045】
具体的には、リードスイッチ29から検知信号が出力されて、無線通信部27から受信部61に向けて洗滌消毒可能状態信号が出力されているとき、受信部61から制御部60に向けて、所定の手順に従った洗滌消毒を開始させる洗滌消毒工程指示信号が出力される。言い換えれば、洗滌消毒装置2の管路洗滌用ノズル31、32、33が内視鏡20の連結部材25d、25eの開口部25h、及び連結部材25fの開口部25gに確実に装着されていない状態においては洗滌消毒工程が開始されない。
【0046】
次に、図6を参照してトップカバー4及びトレー保持部材6の動作機構について簡単に説明する。
本実施形態において、トップカバー4、及びトレー保持部材6は自動で動作可能に構成されている。そのため、装置本体3にはカバー用駆動部71とトレー用駆動部75とが設けられる。カバー用駆動部71は、蓋駆動モータ72と、複数のプーリ及びベルトから構成される減速機構73とで構成されている。一方、トレー用駆動部75はトレー駆動モータ76と減速機構77とにより構成されている。そして、トップカバー4、及びトレー保持部材6は、制御部60の制御の元、適宜、開閉制御される。また、装置本体3にはトップカバー4の閉状態停止位置を検知する閉状態停止位置センサ74と、トレー10が洗滌槽5内に所定の状態で収容されたことを検知する第1の検知手段である保持部材位置検出センサ78とが設けられている。センサ74、78から出力される位置検出信号はそれぞれ制御部60に送信されるようになっている。
【0047】
なお、装置本体3には、トレー10がトレー保持部材6に装着されたことを検知する図示しないセンサ、及びトップカバー4、及びトレー保持部材6が開状態位置に配置されたことをそれぞれ検知する図示しないセンサ等も設けられている。
【0048】
また、本実施形態においては管路洗滌用ノズル31、32、33を設ける構成を示しているが、管路洗滌用ノズルに加えて漏水検知用ノズルを設ける構成、或いは管路洗滌用ノズルの中の1つを漏水検知用ノズルとして構成するようにしてもよい。この構成においては、漏水検知用ノズルを介して水漏れ検知を行うための気体が内視鏡に供給される。 医療器具洗滌消毒システム1の作用を説明する。
使用前の洗滌消毒装置2は、トップカバー4が閉じた状態であり、洗滌槽5内のトレー保持部材6にはトレー10が装着されていない状態である。また、機構部30のノズル用ブロック43は接続バネ46の付勢力によって洗滌槽筐体5b側に移動されている。内視鏡の洗滌消毒を行うに当たって、作業者は、洗滌消毒装置2の電源をオンにするとともに、洗滌消毒予定の内視鏡20を収納するトレー10を用意する。洗滌消毒装置2の電源をオンにしたことによって、機構部30を構成するノズル用ブロック43はソレノイド内部の磁力によってラッチ型ソレノイド45近傍に配置される。
【0049】
手術で使用された内視鏡20を洗滌する際、作業者は、トレー10の収納凹部11に内視鏡20の基部21、及び挿入部22を収納配置する。このとき、内視鏡20の基部21に設けられている送気送水接続口23a、及び吸引用接続口24aを、送気送水管路配設部受け部14の送気送水管路用開口14a、及び吸引管路配設部受け部15の吸引管路用開口15aに配置する。
【0050】
次に、作業者は、内視鏡20を収納したトレー10を装置本体3近傍まで持ち運ぶ。すると、トレー10に設けられている無線タグ10aの識別情報が装置本体3の受信部61を介して制御部60に伝送される。ここで、装置本体3の制御部60は、装置本体3に予め記憶されている内視鏡データとの照合を行う。照合の結果、制御部60によって一致していると判定された場合には、該制御部60の制御の元、カバー用駆動部71、及びトレー用駆動部75に指示信号が出力されて、トップカバー4、及びトレー保持部材6が順次、駆動される。そして、前記図2に示すようにトップカバー4が開状態になるとともに、トレー保持部材6がトレー10を装着することが可能な状態まで移動する。
【0051】
ここで、内視鏡20が収納されているトレー10をトレー保持部材6の保持部6aに装着する。すると、図示しないセンサによってトレー10のトレー保持部材6への装着が検知され、その後、制御部60の制御の元、トレー保持部材6、及びトップカバー4が順次閉状態になる。なお、トレー10がトレー保持部材6に対して着脱式ではなく、トレーが洗滌消毒装置に対して一体的に設けられている構成である場合、トレーに内視鏡の装着を検出する検出手段として検査を設けるとよい。
【0052】
トレー保持部材6が閉位置に移動されると、保持部材位置検出センサ78から制御部60に位置検出信号が出力される。このとき、送気送水接続口23a、及び吸引用接続口24aと、管路洗滌用ノズル31、32、及び吸引管路洗滌用ノズル33とが所定距離離れた状態で対向した位置関係になっている。
【0053】
その後、トップカバー4が閉状態になって、閉状態停止位置センサ74から制御部60に位置検出信号が出力される。トップカバー4が閉状態になったとき、該トップカバー4の一面側とパッキン5aとが密着して、洗滌消毒可能な状態になる。この状態において、洗滌槽内に収容された内視鏡20はトップカバー4を介して視認可能である。
【0054】
前記センサ78、及びセンサ74からの位置検出信号を受けた制御部60は、ラッチ型ソレノイド45に向けて装着指示信号を出力してソレノイド軸45aを解放状態にする。すると、接続バネ40の付勢力によりノズル用ブロック43が洗滌槽筐体5b側に移動されていく。そして、ノズル用ブロック43に一体的に固定されている管路洗滌用ノズル31、32、33が送気送水接続口23aに設けられている連結部材25d、25eの開口部25hに装着されるとともに、吸引管路洗滌用ノズル33が吸引用接続口24aに設けられている連結部材25fの開口部25gに装着される。
【0055】
管路洗滌用ノズル31、32が連結部材25d、25eの開口部25hに確実に装着されるとともに、吸引管路洗滌用ノズル33が連結部材25fの開口部25gに確実に装着されると、リードスイッチ29とマグネット48とが所定の近接状態になってそれぞれのリードスイッチ29から検知処理部26に検知信号が出力される。すると、検知処理部26から無線通信部27に装着完了告知信号が出力されるとともに、検知処理部26から制御信号を出力して接続完了告知ランプ28に点灯状態にする。そして、無線通信部27からは受信部61に向けて洗滌消毒可能状態信号が出力される。
【0056】
受信部61は、無線通信部27から出力された洗滌消毒可能状態信号を受信すると制御部60に対して洗滌消毒工程指示信号を出力する。このことによって、洗滌消毒装置2は内視鏡20の洗滌消毒工程を予め設定された手順に従って開始する。つまり、第1給排水口16から消毒液等を送り込んで、第2給排水口17からは消毒液等が洗滌槽5へ排水する。また、それと同時に、送気管路洗滌用ノズル31から内視鏡20の送気管路25a内へ、送水管路洗滌用ノズル32から内視鏡20の送水管路25b内へ、吸引管路洗滌用ノズル33から内視鏡20の吸引管路25c内へ消毒液等を送り込む。そして、所定の工程、つまり、洗浄工程、消毒工程、及びエアー等による乾燥工程等を経て、内視鏡20の洗滌消毒を完了する。
【0057】
そして、内視鏡20の洗滌消毒完了後、制御部60の制御の元、ラッチ型ソレノイド45に向けて装着状態開放指示信号を出力する。すると、ソレノイド内部の磁力によってソレノイド軸45aがソレノイド内部に引き込まれる。すると、ノズル用ブロック43がラッチ型ソレノイド45近傍まで移動される。このことによって、ノズル用ブロック43に一体的に固定されていた管路洗滌用ノズル31、32、33が内視鏡20の基部21に設けられている連結部材25d、25eの開口部25h、及び連結部材25fの開口部25gから取り外される。
【0058】
このように、操作部に設けられる送気管路、及び送水管路等が配設された送気送水管路配設部と吸引管路だけが配設された吸引管路配設部とを長手軸方向基端側に向かって斜めに突出させ、かつ所定の距離離間させて設けたことによって、吸引管路の汚れが送気送水管路配設部内に配設されている送気管路や送水管路に広がることを確実に防止することができる。
【0059】
また、内視鏡が収納されるトレーの収納凹部に操作部収納部を設け、その操作部収納部に送気送水管路用開口を有する送気送水管路配設部受け部と、吸引管路用開口を有する吸引管路配設部受け部とを設けている。そして、内視鏡をトレー収納凹部に収納配置させるとき、送気送水管路配設部の送気送水接続口を送気送水管路用開口に配置し、吸引管路配設部の吸引用接続口を吸引管路用開口に配置する。この状態においてトレーが洗滌槽内に所定状態に収容されると、機構部を構成する摺動自在なノズル用ブロックに固定されている各管路洗滌用ノズルと、送気送水接続口に設けられている送気用、及び送水用の連結部材の開口部と、吸引用接続口に設けられている吸引用の連結部材の開口部とが対向した位置関係になる。制御部の制御の元、ラッチ型ソレノイドに向けて装着指示信号を出力されてソレノイド軸が解放状態になると、接続バネの付勢力によってノズル用ブロックが洗滌槽筐体側に移動される。そして、ノズル用ブロックに一体的に固定されている各管路洗滌用ノズルが内視鏡の操作部に設けられている連結部材の開口部にそれぞれ装着される。一方、洗滌消毒完了後においては、制御部の制御の元、ラッチ型ソレノイドに向けて装着状態開放指示信号を出力されると、ソレノイド内部の磁力によってソレノイド軸がソレノイド内部に引き込まれた状態に変化する。
【0060】
このことによって、ノズル用ブロックが洗滌槽筐体側とは反対側に移動されて、ノズル用ブロックに一体的に固定されている各管路洗滌用ノズルと各連結部材の開口部との装着状態が解除される。つまり、洗滌消毒装置に設けられている複数の管路洗滌用ノズルと、内視鏡に設けられている各連結部材の開口部との着脱が自動的に行われる。このことによって、内視鏡を洗滌消毒する際、作業者は、管路洗滌用ノズルを各連結部材の開口部に装着する煩わしさから解消されて衛生的に洗滌消毒作業を行うことができる。
【0061】
また、内視鏡の操作部に設けられる送気送水管路配設部と吸引管路配設部とを所定の距離離間させるとともに、吸引管路配設部内に吸引管路だけを設けている。このため、体液や汚物等によって比較的汚れ易い内視鏡の吸引管路に対して、洗滌液や消毒液を強力に噴射する洗滌消毒を行うことができる。このことによって、洗滌液等の効率的な使用が可能になる。
【0062】
また、複数の管路洗滌用ノズルをノズル用ブロックに一体的に固定して、このノズル用ブロックを1つのラッチ型ソレノイドと、一対の接続バネによって摺動自在にしている。そして、ノズル用ブロックを進退移動させることによって、複数の管路洗滌用ノズルを対応する連結部材の開口部に対して着脱自在にしている。このことによって、複数のラッチ型ソレノイドを設けてそれぞれの管路洗滌用ノズルと連結部材の開口部との着脱を行う構成に比べてその構成を単純にして、低コスト化を図ることができる。
【0063】
又、洗滌消毒装置の管路洗滌用ノズルにマグネットを設ける一方、内視鏡の管路配設部の接続口にリードスイッチを設けている。そして、管路洗滌用ノズルの係入突起が連結部材の開口部に対して所定の状態で装着されたとき、リードスイッチとマグネットとの距離が予め設定した近接状態になるように設定する一方、そのとき、リードスイッチから検出信号が出力される。そして、リードスイッチから検出信号が出力されているとき無線通信部から受信部に向けて洗滌消毒可能状態信号を出力する。制御部は、該制御部に洗滌消毒可能状態信号が入力されると、この制御部の制御の元、洗滌消毒工程を開始する。このことによって、管路洗滌用ノズルが連結部材の開口部に対して確実に装着された状態においてのみ洗滌消毒工程が開始されるので、装着状態が不十分な状態で、洗滌消毒工程が開始されることを確実に防止することができる。したがって、洗滌液などが無駄に消費されることが妨げられる。
【0064】
なお、本実施形態においては装着状態検知手段をリードスイッチ29とマグネット48との組合せで構成しているが、装着状態検知手段はこの組合せに限定されるものではなく、プッシュスイッチ、或いは静電容量式近接センサ、超音波式近接センサ、フォトインタラプタ等のセンサを使用して、ノズルと連結部材の開口部との装着状態を検知するようにしてもよい。
【0065】
装着状態検知手段を例えば超音波式近接センサとする場合、図8、及び図9に示す医療器具洗滌消毒システム1A、又は図10に示す医療器具洗滌消毒システム1Bの構成が可能である。なお、図8は装着状態検知手段である超音波式近接センサを吸引用接続口に設けた構成を示す図、図9は装着状態検知手段である超音波式近接センサを吸引用接続口に設けた医療器具洗滌消毒システムの構成を説明する図、図10は装着状態検知手段である超音波式近接センサを管路洗滌用ノズルの先端側に設けた医療器具洗滌消毒システムの構成を説明する図である。
【0066】
図8、及び図9に示すように本実施形態の医療器具洗滌消毒システム1Aにおいては、装着状態検知手段をマグネット48とリードスイッチ29とで構成する代わりに、内視鏡20Aの送気送水接続口23a、及び吸引用接続口24aにそれぞれ超音波式近接センサ(以下、超音波センサと略記する)29aを設けて構成している。超音波センサ29aは、検知処理部26Aと電気的に接続されている。
【0067】
超音波センサ29aは、送気送水接続口23aと洗滌消毒装置2Aの管路洗滌用ノズル31、32との距離、及び吸引用接続口24aと洗滌消毒装置2Aの吸引管路洗滌用ノズル33との距離をそれぞれ検知する。検知処理部26Aは、それぞれの超音波センサ29aからの反射信号から各距離を算出する。また、検知処理部26Aは、算出した距離が予め設定されている装着完了距離に至っているか否かの判定を行う。そして、装着完了距離であると判定したとき、つまり確実に装着されている状態であることを検知したとき、接続完了告知ランプ28を点灯させるとともに、無線通信部27に装着完了告知信号を出力する。この後、無線通信部27から洗滌消毒装置2Aの受信部61に向けて洗滌消毒可能状態信号が出力される。その他の構成、及び作用、効果は前述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0068】
図10に示す本実施形態の医療器具洗滌消毒システム1Bにおいては、装着状態検知手段をマグネット48とリードスイッチ29とで構成する代わりに、例えば洗滌消毒装置2Bの管路洗滌用ノズル32、33にそれぞれ超音波センサ29aを設けている。そして、超音波センサ29aは、制御部60Aと電気的に接続されている。
【0069】
超音波センサ29aは、送水管路洗滌用ノズル32と内視鏡20Bの送気送水接続口23aとの距離、及び吸引管路洗滌用ノズル33と内視鏡20Bの吸引用接続口24aとの距離をそれぞれ検知する。制御部60Aは、それぞれの超音波センサ29aからの反射信号から各距離を算出する。また、制御部60Aは、算出した各距離が予め設定されている装着完了距離に至っているか否かの判定を行う。そして、装着完了距離であると判定したとき、つまり確実に装着されている状態であることを検知したとき、例えば操作パネル8の表示部に接続完了を告知する文字等を表示するとともに、洗滌消毒装置2は制御部60Aの制御の元、内視鏡20Bの洗滌消毒工程を予め設定された手順に従って開始する。
【0070】
なお、本実施形態の内視鏡20Bにおいては洗滌消毒装置2Bに超音波センサ29aを設けている。このため、内視鏡20Bには前記内視鏡20と異なり、超音波センサ29a、無線通信部27、接続完了告知ランプ28、及び検知処理部26を省いている。このことによって、内視鏡20Bの構成を単純化することができる。その他の構成、及び作用、効果は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0071】
本実施の形態の洗滌消毒装置においては図11に示すように機構部30Aの構成のみが異なっている。なお、図11は洗滌消毒装置の洗滌ノズル着脱機構部の他の構成を説明する図である。
洗滌消毒装置2Cに設けられる機構部30Aの動作手段はラッチ型ソレノイド45、及び接続バネ46に代えて、後述する着脱駆動モータ81を備える進退手段としている。進退手段は、着脱駆動モータ81の駆動力は複数の歯車で構成された減速機構82を介して駆動ラック軸83に設けられている噛合部83aに伝達されるようになっている。
【0072】
着脱駆動モータ81は、所定位置に固定されており、駆動ラック軸83は着脱駆動モータ81の回転に伴って進退移動する。つまり、伝達手段である減速機構82及び噛合部83aによって、駆動手段である着脱駆動モータ81の回転が直線運動に変換されている。駆動ラック軸83の先端部は、ノズル用ブロック43を構成するノズル固定面の第1面43aに一体的に固定されている。 したがって、駆動ラック軸83の進退に応じて、ノズル用ブロック43と共に各管路洗滌用ノズル31、32、33がその軸方向に進退して、着脱を行うようになっている。
なお、洗滌消毒装置2Cの図示しない制御部は、管路洗滌用ノズル31、32、33を連結部材25d、25eの開口部25h、及び連結部材25fの開口部25gに装着させる際、着脱駆動モータ81を例えば時計方向に回転させる制御信号を出力する。一方、管路洗滌用ノズル31、32、33を連結部材25d、25eの開口部25h、及び連結部材25fの開口部25gから取り外すときには着脱駆動モータ81を反時計方向に回転させる制御信号を出力する。そして、制御部は、超音波センサからの反射信号から各距離を算出して、その算出した各距離が予め設定されている装着完了距離、又は洗滌消毒待機位置に至っているとき、着脱駆動モータ81に回転停止信号を出力する。このことによって、上述と同様の作用、及び効果を得ることができる。なお、その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0073】
尚、本発明は、以前述べた実施の形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1乃至図7は本発明の一実施形態に係り、図1は一部上面図を含むトップカバーが開いた状態の洗滌消毒装置を説明する斜視図
【図2】医療器具洗滌消毒システムの一構成例を説明するための斜視図
【図3】内視鏡が洗滌槽内に収容されてトップカバーが閉じた状態の洗滌消毒装置を説明する斜視図
【図4】洗滌ノズル着脱機構部の構成を示す上面図
【図5】洗滌ノズル着脱機構部の構成を示す、図4とは逆方向である背面側から見た図
【図6】医療器具洗滌消毒システムの構成を説明するブロック図
【図7】装着状態検知手段の一構成例を説明する図
【図8】装着状態検知手段である超音波式近接センサを吸引用接続口に設けた構成を示す図
【図9】装着状態検知手段である超音波式近接センサを吸引用接続口に設けた医療器具洗滌消毒システムの構成を説明する図
【図10】装着状態検知手段である超音波式近接センサを管路洗滌用ノズルの先端側に設けた医療器具洗滌消毒システムの構成を説明する図
【図11】洗滌消毒装置の洗滌ノズル着脱機構部の他の構成を説明する図
【符号の説明】
【0075】
1…医療器具洗滌消毒システム 2…洗滌消毒装置 10…内視鏡保持トレー
20…内視鏡 30…洗滌ノズル着脱機構部




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013