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発明の名称 カプセル型医療装置用留置装置及びカプセル内視鏡用生体内留置装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−14634(P2007−14634A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200886(P2005−200886)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
発明者 瀧澤 寛伸 / 内山 昭夫 / 田中 慎介 / 平川 克己 / 横井 武司
要約 課題
消化管用等として既存・汎用のカプセル型内視鏡をそのまま簡単かつ確実に体腔内留置用に流用して体腔内監視に供することができるようにする。

解決手段
カプセル型内視鏡300を体腔内組織に固定するための係止部203が設けられてカプセル型内視鏡300を装着保持する保持部202を備えるので、カプセル型内視鏡300を保持部202に装着保持させるだけでカプセル型内視鏡300と係止部203とを一体化させることができ、後はこの係止部203を体腔内の所望の部位において内視鏡的処置により体腔内組織に固定することでカプセル型内視鏡300を保持部202とともに留置させることができ、消化管用等として既存・汎用のカプセル型内視鏡300をそのまま簡単かつ確実に体腔内留置用に流用して体腔内監視等に供することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】
体腔内に導入されて被検体の体腔内情報を取得し該体腔内情報を体外に無線で送信出力するカプセル型医療装置を体腔内組織に固定させるための係止部と、
該係止部が設けられて前記カプセル型医療装置を装着保持する保持部と、
を備えることを特徴とするカプセル型医療装置用留置装置。
【請求項2】
前記保持部は、観察光学系を備える前記カプセル型医療装置としてのカプセル型内視鏡の外周面に対して面接触状態で一体に保持する構造を有することを特徴とする請求項1に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【請求項3】
前記保持部は、前記カプセル型内視鏡と略同一半径の略円筒形状部分を含むことを特徴とする請求項2に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【請求項4】
カプセル内視鏡の外装部と係合して前記カプセル内視鏡を保持可能な係合保持部を有する保持手段と、
前記係合保持部に保持された前記カプセル内視鏡の観察視野を確保可能に前記保持手段に形成された開口部と、
前記保持手段の外表面に設けられ、生体壁に取り付けることができる取付手段と、
を備えることを特徴とするカプセル内視鏡用生体内留置装置。
【請求項5】
前記開口部が、前記保持手段における一端部に形成されているものであり、
前記取付手段が、前記保持手段における他端部に設けられているものであることを特徴とする請求項4に記載のカプセル内視鏡用生体内留置装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば小腸用カプセル内視鏡のような消化管用カプセル内視鏡を体腔内留置カプセルとして使用するためのカプセル型医療装置用留置装置及びカプセル内視鏡用生体内留置装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、内視鏡の分野において、飲み込み型のカプセル型内視鏡が開発されている。このカプセル型内視鏡は、撮像機能と無線機能とを備え、体腔内の観察のために患者の口から飲み込まれた後、人体から自然排出されるまでの間、例えば食道、胃、小腸などの臓器の内部をその蠕動運動に従って移動し、順次撮像する機能を有する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
体腔内を移動する間、カプセル型内視鏡によって体内で撮像された画像データは、順次無線通信により体外に送信され、体外の受信機内に設けられたメモリに蓄積される。医師もしくは看護師においては、メモリに蓄積された画像データをもとにディスプレイに表示させた画像に基づいて診断を行うことができる。
【0004】
一方、内視鏡技術の発達に伴い、内視鏡的粘膜除去術(EMR)や内視鏡的粘膜下剥離術(ESD)などの内視鏡的手術が可能となっている。内視鏡的手術後には、術部を止血するものの、夜間などに出血する可能性があるため、出血の有無の監視が必要となる。そこで、体腔内の所望の位置に留置可能に構成されたカプセル型内視鏡を用いることで、このような体腔内の監視を行う方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−19111号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2003/0216622号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2等に示される従来のものでは、カプセル型内視鏡が生体組織に対して着脱可能な付属物を備えることにより体腔内に留置可能とされている。ところが、元々消化管を通過しながら体腔内情報を取得するように構成されたカプセル型内視鏡に影響ないように付属物を確実に付けることは難しく、結局、最初から留置専用のカプセル型内視鏡として生産せざるを得ないものである。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、消化管用等として既存・汎用のカプセル型内視鏡をそのまま簡単かつ確実に体腔内留置用に流用して体腔内監視に供することができるカプセル型医療装置用留置装置及びカプセル内視鏡用生体内留置装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係るカプセル型医療装置用留置装置は、体腔内に導入されて被検体の体腔内情報を取得し該体腔内情報を体外に無線で送信出力するカプセル型医療装置を体腔内組織に固定させるための係止部と、該係止部が設けられて前記カプセル型医療装置を装着保持する保持部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係るカプセル型医療装置用留置装置は、上記発明において、前記保持部は、観察光学系を備える前記カプセル型医療装置としてのカプセル型内視鏡の外周面に対して面接触状態で一体に保持する構造を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係るカプセル型医療装置用留置装置は、上記発明において、前記保持部は、前記カプセル型内視鏡と略同一半径の略円筒形状部分を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係るカプセル内視鏡用生体内留置装置は、カプセル内視鏡の外装部と係合して前記カプセル内視鏡を保持可能な係合保持部を有する保持手段と、前記係合保持部に保持された前記カプセル内視鏡の観察視野を確保可能に前記保持手段に形成された開口部と、前記保持手段の外表面に設けられ、生体壁に取り付けることができる取付手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係るカプセル内視鏡用生体内留置装置は、上記発明において、前記開口部が、前記保持手段における一端部に形成されているものであり、前記取付手段が、前記保持手段における他端部に設けられているものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るカプセル型医療装置用留置装置及びカプセル内視鏡用生体内留置装置によれば、カプセル型内視鏡のようなカプセル型医療装置を体腔内組織に固定するための係止部が設けられてカプセル型医療装置を装着保持する保持部を備えるので、カプセル型医療装置を保持部に装着保持させるだけでカプセル型医療装置と係止部とを一体化させることができ、後はこの係止部を体腔内の所望の部位において内視鏡的処置により体腔内組織に固定することでカプセル型医療装置を保持部とともに留置させることができ、消化管用等として既存・汎用のカプセル型内視鏡をそのまま簡単かつ確実に体腔内留置用に流用して体腔内監視等に供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係るカプセル型医療装置用留置装置及びカプセル内視鏡用生体内留置装置について説明する。なお、本実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分又は相当する部分には同一の符号を付している。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について説明する。図1は、カプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。このカプセル留置型医療装置100は、カプセル型医療装置用留置装置200と、このカプセル型医療装置用留置装置200に装着保持されたカプセル型医療装置としてのカプセル型内視鏡300とを備える。
【0016】
カプセル型内視鏡300は、基本的には、口腔より飲み込まれて被検体の体腔内に導入され、体腔内情報として体腔内画像を撮像し撮像した体腔内画像などのデータ送信を無線によって送信出力する消化管用として既存・汎用のものである。
【0017】
ここで、図1を参照してカプセル型内視鏡300について説明する。カプセル型内視鏡300は、被検体の体腔内部を照明するLED等による複数の照明部301と、体腔内の画像を撮像する例えばCCD或いはCMOSによる撮像素子302とを、これらに電力を供給するボタン型の電池303とともに、カプセル型筐体304内に配設することにより構成されている。電池303は、酸化銀電池、充電式電池、発電式電池等を用い得る。
【0018】
カプセル型筐体304は、照明部301等を覆い透明で半球ドーム状の先端カバー筐体304aと、これらの先端カバー筐体304aと水密状態に設けられ内部に電池303等が配設される円筒状の胴部筐体304bとからなり、被検体の口腔から飲み込み可能な大きさに形成されている。胴部筐体304bは、可視光が不透過な有色材質により形成されている。
【0019】
撮像素子302は、撮像基板305上に実装され、また、前面には結像レンズ等による光学系306が配設されている。照明部301、撮像素子302、光学系306等により観察光学系307が構成されている。撮像基板305は、背面側に各部を処理又は制御するためのコントローラ308が実装されている。
【0020】
また、カプセル型内視鏡300は、このカプセル型内視鏡300の駆動を制御するため、内部に外部磁場によってオン・オフするリードスイッチ309を備えている。これは、カプセル型内視鏡300の保管状態においては外部磁場を供給する永久磁石を含むパッケージに収容させておき、一定強度以上の磁場が与えられた環境下では、オフ状態を維持し、外部磁場の強度が低下することによってオンする構造を有する。このため、パッケージに収容されている状態では、カプセル型内視鏡300は駆動しない。
【0021】
さらに、カプセル型内視鏡300は、電池303の背部側に撮像素子302により撮像された画像情報を外部に無線出力するアンテナ310付きの送信装置311を備えている。
【0022】
一方、カプセル型医療装置用留置装置200は、カプセル型内視鏡300を所望の部位における体腔内組織に固定留置させるための係止部201と、この係止部201が設けられてカプセル型内視鏡300を装着保持する保持部202とを備える。本実施の形態1の係止部201は、内視鏡的なクリッピング処置具により体腔内組織に直接的に係止固定される内視鏡用止血クリップ203からなり、このクリップ203は保持部202に対して短めの紐部材204によって連結されている。本実施の形態1では、クリップ203及び紐部材204は保持部202の異なる位置に連結させて2つ設けられている。
【0023】
また、保持部202は、カプセル型内視鏡300の外周面に対して面接触状態で一体に保持する構造を有して、嵌合装着されたカプセル型内視鏡300を一体に保持する。より具体的には、保持部202は、カプセル型内視鏡300と略同一半径の略円筒形状部分を含む形状に形成されている上に、カプセル型内視鏡300の先端カバー筐体304a側部分を除いて全体的に覆うキャップ形状に形成されている。
【0024】
ここで、保持部202によるカプセル型内視鏡300の装着保持は、圧入による方式、熱収縮チューブ等を用いて一旦装着させた後に熱を加えることで収縮させて確実に保持する方式、接着剤等を用いて固定保持する方式等でもよい。要は、既存のカプセル型内視鏡300の装着が可能であって、装着されたカプセル型内視鏡300が簡単に抜け出さない保持状態を体腔内で監視時間中に亘って維持でき、かつ、カプセル型内視鏡300と同等の飲み込み性(体腔内導入性)を確保できる方式、構造であればよい。また、保持部202は、材料的にも、カプセル型内視鏡300の観察機能、送信機能等を損なわず、かつ、体腔内に導入、留置させても生体に支障ない材料であればよく、硬質部材、軟質部材のいずれであってもよく、また、透明部材、不透明部材のいずれであってもよい。カプセル型内視鏡300の場合と異なり、内蔵物を含まない保持部202に対する紐部材204の連結の制約は少なく、簡単かつ強固に連結することができる。
【0025】
このようなカプセル型医療装置用留置装置200に装着保持されたカプセル型内視鏡300を含むカプセル留置型医療装置100は、被検体400内の所望の部位に留置固定された状態で、受信装置等と組合せることによりカプセル留置型医療システムを構成する。図2は、無線型のカプセル留置型医療システムの概略構成例を示す模式図である。図2に示すように、無線型のカプセル留置型医療システムは、被検体400内に導入されて例えば胃401などの体腔内の所望の部位に留置固定されて胃401内の画像をカラー撮像して受信装置402に対して映像信号などのデータ送信を無線によって行うカプセル型内視鏡300を含むカプセル留置型医療装置100と、カプセル型内視鏡300から無線送信されたカラー画像データを受信する携帯型の受信装置402と、受信装置402が受信した映像信号に基づいてカラー画像を表示する携帯型のビュア等の表示装置403とを備える。受信装置402は、被検体400の体外表面においてカプセル型内視鏡300の留置固定箇所に対応する部位、例えば胃401付近に貼付される受信用アンテナ404を備える。
【0026】
これにより、消化管用の汎用のカプセル型内視鏡300を用いながら、このカプセル型内視鏡300をカプセル留置型医療装置100として体腔内の所望の部位に留置固定させて、カプセル型内視鏡300により所望の部位を撮像させ、撮像された体腔内画像を表示装置403により観察することにより、術後の患部の監視等に好適となる。
【0027】
ここで、図3〜図4を参照して、カプセル型内視鏡300の体腔内への留置作業を含む医療行為の手順について順に説明する。カプセル型内視鏡300の体腔内への導入及び留置は、内視鏡的手術後の患部の出血の有無等の監視のためのものであり、対象となる被検体400の内視鏡的手術後において行われる。なお、内視鏡的手術に先立ってカプセル型内視鏡300の体腔内への導入及び留置を行い、内視鏡的手術後には留置作業を行わないようにしてもよい。図4等において、405は、内視鏡的手術による術部(例えば、粘膜切除部)を示すものとする。また、被検体400の体外表面に対する受信用アンテナ404の貼付はカプセル型内視鏡300の体腔内導入に前後する適宜タイミングで行われるものとする。
【0028】
まず、図3に示すように、消化管用として汎用のカプセル型内視鏡300を用意し、このカプセル型内視鏡300を保持部202内に嵌合装着することにより保持部202と一体化させる。そして、保持部202に連結されているクリップ203を内視鏡406の鉗子チャンネル407から突出させた内視鏡的処置具であるクリッピング処置具408に組み付ける。そして、クリップ203とクリッピング処置具408とを鉗子チャンネル407内に引き込むことで、カプセル型内視鏡300を保持部202とともに内視鏡406の先端部分に仮固定する。
【0029】
次いで、図4−1に示すように、カプセル型内視鏡300及び保持部202が一体となった状態で、内視鏡406を被検体400の口腔を経て体腔内に導入する。所望の部位として、例えば胃401内まで導入させた後は、クリッピング処置具408を再度突出させ、保持部202に保持されているカプセル型内視鏡300を内視鏡406の先端から離れさせる。
【0030】
そして、図4−2に示すように、カプセル型内視鏡300の撮影画像を受信装置402、表示装置403を通じてモニタすることで監視対象となる術部405がカプセル型内視鏡300の観察光学系307の観察視野内に位置しているかを確認しながら、クリッピング処置具408によりクリップ203を体腔内組織に係止固定する。この際、本実施の形態1では、2つのクリップ203が用意されており、片方を体腔内に係止させた後、カプセル型内視鏡300の撮像画像を表示装置403でモニタし残りのクリップ203の係止箇所を調整することにより、カプセル型内視鏡300の留置姿勢の調整が可能である。
【0031】
その後、内視鏡406を体腔内から引き抜くことにより、図4−3に示すように、カプセル型内視鏡300は装着保持する保持部202及びクリップ203を通じて体腔内の所望の部位に留置固定された状態となり、カプセル型内視鏡300を用いた留置観察が可能となる。
【0032】
監視終了後には、クリップ203を係止させた部分の体腔内組織の壊死によりクリップ203が保持部202やカプセル型内視鏡300とともに体腔内に脱落するので、脱落したカプセル型内視鏡300を保持部202と一体のまま回収ネット等により内視鏡的に回収してもよく、そのまま体腔外に排出させるようにしてもよい。
【0033】
なお、本実施の形態では、カプセル内視鏡300を口腔より導入して留置させる例で説明したが、口腔に限らず、例えば肛門や他の開口部からカプセル内視鏡300を導入して留置させる場合にも同様に適用することができる。
【0034】
(変形例1)
図5−1〜図5−5に、係止部の変形例を例示する。図5−1は、保持部202の一部を突出形成することで保持部202と一体に形成されて内視鏡的固定具、例えば、内視鏡用止血クリップ(図示せず)を用いることで内視鏡的処置具により体腔内組織に固定される孔部210を係止部とした変形例を示す。この変形例によれば、構造が簡単で製造が容易である。
【0035】
図5−2は、保持部202に対して連結して設けられ内視鏡的固定具、例えば、内視鏡用止血クリップ220を用いることで把持鉗子等の内視鏡的処置具により体腔内組織221に固定される環状紐部材222を係止部とした変形例を示す。この変形例によれば、環状紐部材222は単なる輪形状に連結させればよく、構造が簡単で製造が容易である。
【0036】
この場合、例えば図5−3に示すように、係止部である環状紐部材222a〜222cを複数設け、それぞれの大きさを異ならせれば、クリップ220で体腔内組織221に係止させるときに所望の部位付近の体腔内組織221の形状等に応じて最適な環状紐部材222a〜222cを選択できるのでアプローチしやすく、内視鏡的処置の作業性が向上する。
【0037】
図5−4は、保持部202に対して連結して設けられ内視鏡的固定具、例えば、内視鏡用止血クリップ220を用いることで把持鉗子等の内視鏡的処置具により体腔内組織221に固定される網状部材223を係止部とした変形例を示す。この変形例によれば、網状部材223は任意の位置で体腔内組織221に係止させることができるので、クリップ220による係止固定が容易となり、内視鏡的処置の作業性が向上する。なお、網状部材223に代えて、布状部材やシート状部材を用いた場合も同様の効果が得られる。
【0038】
図5−5は、保持部202の一部を突出形成することで保持部202と一体に形成されて内視鏡的固定具、例えば、針230により固定すべき体腔内組織221の一部を吸引するための吸引部231を係止部とした変形例を示す。
【0039】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について図6及び図7を参照して説明する。図6は、本実施の形態2のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。本実施の形態2のカプセル型医療装置用留置装置200は、例えばカプセル型内視鏡300と略同一半径で両端が開放の略円筒形状に形成された保持部240を備える。この保持部240の先端カバー筐体304a側の先端側は、カプセル型内視鏡300内蔵の観察光学系307に対するフード部241として突出形成されている。フード部241の突出量は、観察光学系307の観察視野内に入り込まないように、すなわち、観察視野外に位置するように設定されている。なお、係止部としては、前述した各種構成例を用い得るが、ここでは、例えば図1の場合と同様なクリップ203を用いた構成例としている。
【0040】
カプセル型内視鏡300は、透明な先端カバー筐体304a部分を通して観察光学系307により体腔内画像を撮影するものであり、観察窓となる先端カバー筐体304a部分に汚れ等が発生すると適正な画像を得ることができなくなる。術後の患部監視等を目的とする留置観察の場合、一般に、観察期間中は飲食物の摂取がないので、飲食物等による先端カバー筐体304aの表面の汚れはあまり生じないものと考えられる。しかしながら、体腔内では蠕動運動が行われており、長期に亘る監視中には、体液等の液体が先端カバー筐体304aの表面に付着する可能性がある。ここで、本実施の形態1では、保持部240がフード部241を備えているので、カプセル型内視鏡300を体腔内に留置させた状態で、先端カバー筐体304aの表面の汚れを防止でき、かつ、保持部240が不透明部材であっても観察光学系307の観察視野を妨げることがなく、観察光学系307による良好なる留置観察が可能となる。
【0041】
特に、図7に示すように、胃401内などにおいて重力方向下向きの観察を行うようにカプセル型内視鏡300を留置させた場合には、カプセル型内視鏡300を一体に保持する保持部240がその先端(下端)側にフード部241を備えているので、観察窓となる先端カバー筐体304aの表面に体液等が付着しにくくなり、その汚れを防止することができる。
【0042】
(変形例2)
図8は、変形例2のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。変形例2のフード部241は、その先端側内周部分をカプセル型内視鏡300の先端カバー筐体304a外面の形状に合致するように半径方向に突出させたカプセル型内視鏡300用の突き当て部242を備えている。すなわち、突き当て部242の内径はカプセル型内視鏡300の外径よりも小さいので、図8中に矢印で示す方向からカプセル型内視鏡300を保持部240に対して嵌合装着すると、カプセル型内視鏡300がフード部241の突き当て部242に突き当たる位置で止まる。よって、保持部240とカプセル型内視鏡300との位置合わせが不要となり、嵌合装着作業等が簡単に済む。
【0043】
(変形例3)
図9は、変形例3のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。変形例3の保持部250は、透明部材により形成されたフード部251を備えている。保持部250は全体が透明部材から構成されていてもフード部251部分のみ透明部材から構成されていてもよい。このようなフード部251は、観察光学系307の観察視野内に入り込む位置まで突出させて形成されている。より具体的には、カプセル型内視鏡300の先端カバー筐体304a先端部分よりも突出するように形成され、かつ、重力方向の上にくる方が長めとなるように形成されている。
【0044】
変形例3によれば、フード部251が十分に長く先端カバー筐体304aの表面を大幅にカバーしているので、体液等が付着しにくくなり、汚れ防止効果を高めることができる。この場合、観察視野内に入り込むことでフード部251の長さが確保されているが、フード部251は透明部材により形成されているので、観察光学系307による観察能を確保することができる。
【0045】
(変形例4)
図10は、変形例4のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。変形例4の保持部260は、透明部材により形成されて観察光学系307の観察視野全体を覆うドーム形状のフード部261を備えている。保持部260は全体が透明部材から構成されていてもフード部261部分のみ透明部材から構成されていてもよい。また、保持部260にはフード部261との境部分に位置させて突き当て部242相当の突き当て部262が形成されている。さらに、フード部261の外表面には、汚れ防止コーティングが施され、汚れ防止コーティング膜263が形成されている。この汚れ防止コーティングは、撥水コーティングや、光触媒等の親水コーティングであり、用途(留置目的、箇所等)に応じて使い分けられる。
【0046】
変形例4によれば、フード部261が観察視野全体(先端カバー筐体304aの前方前面)を覆っているので、カプセル型内視鏡300の先端カバー筐体304aの表面が汚れることはない。そして、フード部261の外表面には汚れ防止コーティングによる汚れ防止コーティング膜263が形成されているので、フード部261自身も汚れにくいものとなり、観察光学系307に対する悪影響が少ない。特に、フード部261の表面位置がカプセル型内視鏡300の観察光学系307の焦点深度外となるように設定すれば、フード部261の外表面が多少汚れても観察光学系307において汚れにはピントが合わないので、観察への影響を極力少なくすることができる。
【0047】
なお、カプセル型内視鏡300の先端カバー筐体304aの外表面に汚れ防止コーティングを施すことも可能であるが、適用対象となる部位によって撥水コーティングにするか親水コーティングにするかを選択しなくてはならず、カプセル型内視鏡300自身の汎用性が損なわれる。一方、フード部261の外表面に汚れ防止コーティングを施すようにすれば、カプセル型内視鏡300自身は汎用のものを用いても、用途に応じて撥水コーティングにするか親水コーティングにするかを選択すればよく、材料の選択肢も広がるものとなる。
【0048】
(変形例5)
図11は、変形例5のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。変形例5の保持部260は、変形例4の構成において、観察光学系307に対して機能する光学的特性を持たせたドーム形状のフード部264を備える。変形例5では、光学的特性として、フード部264の素材の屈折率分布や曲率を適宜調整することにより、観察光学系307が撮像する像の画角や深度が変えられるように構成されている。図示例では、画角の調整により、観察視野角が拡大されるような光学的特性を持たせている。変形例5によれば、カプセル型内視鏡300の留置目的に合わせて光学性能を得ることができ、より良好なる監視観察を行わせることができる。
【0049】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について図12を参照して説明する。図12は、本実施の形態3のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。本実施の形態3のカプセル型医療装置用留置装置200は、保持部270と一体の係止部、例えば孔部210をカプセル型内視鏡300の先端カバー筐体304a側に位置させて形成するとともに、この孔部210が観察光学系307の観察視野内に入るように構成されている。
【0050】
本実施の形態3によれば、孔部210も観察視野内に入っているので、孔部210に対するクリップ等の係止固定作業時に、表示装置403の画面を見ることにより、孔部210の係止固定状態も確認することができ、確実に係止固定させることができる。また、カプセル型内視鏡300の留置固定後の監視時においても、対象となる術部だけでなく、孔部210の状態も同時にモニタ監視することができ、脱落等の発生をいち早く発見することができる。
【0051】
(変形例6)
図13は、変形例6のカプセル留置型医療装置100の概略構成例を示す斜視図である。変形系6は、実施の形態3の構成の保持部270において、カプセル型内視鏡300の後部側(観察視野後方)にも、孔部210と同一側(同一母線上)に位置させて係止部としての孔部210aを設けたものである。なお、孔部210,210a付近は、いずれも体腔内への導入を容易とするため、柔軟性を有する部材よりなる。
【0052】
変形例6によれば、カプセル型内視鏡300を装着保持した保持部270を長手方向の2箇所の孔部210,210aで体腔内組織に係止固定するので、固定状態が確実となり、カプセル型内視鏡300の視野を確実に固定することができる。特に、孔部210a側を先に係止させた後、カプセル型内視鏡300による撮影画像を表示装置403でモニタしながら孔部210側の係止作業を行うようにすれば、所望の部位に対するカプセル方内視鏡300の視野固定を確実に行うことができる。
【0053】
この場合、図14に示すように、保持部270のカプセル型内視鏡300の先端カバー筐体304a側部分に対して透明なフード部271を別体として後付け可能に着脱自在に設けるようにしてもよい。これによれば、使用する用途や部位などに応じてフード部271を着脱により対処することができる。
【0054】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
【0055】
(付記1) 体腔内に導入されて被検体の体腔内情報を取得し該体腔内情報を体外に無線で送信出力するカプセル型医療装置を体腔内組織に固定させるための係止部と、
該係止部が設けられて前記カプセル型医療装置を装着保持する保持部と、
を備えることを特徴とするカプセル型医療装置用留置装置。
【0056】
(付記2) 前記保持部は、観察光学系を備える前記カプセル型医療装置としてのカプセル型内視鏡の外周面に対して面接触状態で一体に保持する構造を有することを特徴とする付記1に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0057】
(付記3) 前記保持部は、前記カプセル型内視鏡と略同一半径の略円筒形状部分を含むことを特徴とする付記2に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0058】
(付記4) 前記保持部は、キャップ形状に形成されていることを特徴とする付記2又は3に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0059】
(付記5) 前記保持部は、前記観察光学系用のフード部を備えることを特徴とする付記2〜4のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0060】
(付記6) 前記フード部は、前記観察光学系の観察視野外に位置することを特徴とする付記5に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0061】
(付記7) 前記フード部は、前記カプセル型内視鏡装着時の突き当て部を有することを特徴とする付記5に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0062】
(付記8) 前記フード部は、透明部材からなることを特徴とする付記5に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0063】
(付記9) 前記フード部は、前記観察光学系の観察視野内に位置することを特徴とする付記8に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0064】
(付記10) 前記フード部は、前記観察光学系の観察視野全体を覆うドーム形状を有することを特徴とする付記8又は9に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0065】
(付記11) 前記フード部の外表面は、汚れ防止コーティングが施されていることを特徴とする付記10に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0066】
(付記12) 汚れ防止コーティングは、撥水コーティングであることを特徴とする付記11に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0067】
(付記13) 汚れ防止コーティングは、親水コーティングであることを特徴とする付記11に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0068】
(付記14) 前記フード部のドーム形状部分は、前記観察光学系に対して機能する光学的特性を有することを特徴とする付記10〜13のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0069】
(付記15) 前記保持部は、前記観察光学の観察視野内に入る位置に形成された前記係止部と一体であることを特徴とする付記2〜14のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0070】
(付記16) 前記係止部は、紐部材により前記保持部に連結して設けられ内視鏡的処置具により体腔内組織に固定処理されるクリップであることを特徴とする付記1〜14のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0071】
(付記17) 前記係止部は、前記保持部と一体に形成されて内視鏡的固定具により体腔内組織に固定される孔部であることを特徴とする付記1〜15のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0072】
(付記18) 前記係止部は、前記保持部と一体に形成されて内視鏡的固定具により固定すべき体腔内組織の一部を吸引するための吸引部であることを特徴とする付記1〜15のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0073】
(付記19) 前記係止部は、前記保持部に連結して設けられ内視鏡的固定具により体腔内組織に固定される環状紐部材であることを特徴とする付記1〜14のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0074】
(付記20) 前記係止部は、前記保持部に連結して設けられ内視鏡的固定具により任意の箇所が体腔内組織に固定される網状部材であることを特徴とする付記1〜14のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0075】
(付記21) 前記係止部は、前記保持部材の異なる箇所に位置させて複数設けられていることを特徴とする付記1〜20のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0076】
(付記22) 複数の前記係止部は、その大きさ又は形状が異なることを特徴とする付記20に記載のカプセル型医療装置用留置装置。
【0077】
(付記23) 付記1〜22のいずれか一つに記載のカプセル型医療装置用留置装置と、
該カプセル型医療装置用留置装置の保持部に装着保持されて体腔内に導入されて係止部で体腔内組織に固定され被検体の体腔内情報を取得し該体腔内情報を体外に無線で送信出力するカプセル型医療装置と、
を備えることを特徴とするカプセル留置型医療装置。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態1のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。
【図2】無線型のカプセル留置型医療システムの概略構成例を示す模式図である。
【図3】カプセル留置型医療装置の内視鏡への装着の様子を示す概略正面図である。
【図4−1】内視鏡の体腔内への導入時の様子を示す模式図である。
【図4−2】体腔内でのクリッピング作業時の様子を示す模式図である。
【図4−3】体腔内でのカプセル留置型医療装置の留置状態の様子を示す模式図である。
【図5−1】変形例1の係止部の構成例の一例を示す概略斜視図である。
【図5−2】変形例1の係止部の構成例の他例を示す概略斜視図である。
【図5−3】変形例1の係止部の構成例のさらに他例を示す概略斜視図である。
【図5−4】変形例1の係止部の構成例の他例を示す概略斜視図である。
【図5−5】変形例1の係止部の構成例のさらに他例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。
【図7】フード部の機能を説明するための説明図である。
【図8】変形例2のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。
【図9】変形例3のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。
【図10】変形例4のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。
【図11】変形例5のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。
【図12】本発明の実施の形態3のカプセル留置型医療装置の構成例を示す断面構造図である。
【図13】変形例6のカプセル留置型医療装置100の概略構成例を示す斜視図である。
【図14】変形例6の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0079】
100 カプセル留置型医療装置
200 カプセル型医療装置用留置装置
201 係止部
202 保持部
203 クリップ
204 紐部材
210,210a 孔部
220 クリップ
221 体腔内組織
222 環状紐部材
223 網状部材
230 針
231 吸引部
240 保持部
241 フード部
242 突き当て部
250 保持部
251 フード部
260 保持部
261 フード部
262 突き当て部
263 汚れ防止コーティング膜
264 光学的特性を持つフード部
270 保持部
271 フード部
300 カプセル型内視鏡
307 観察光学系




 

 


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