米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> オリンパスメディカルシステムズ株式会社

発明の名称 内視鏡
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−7007(P2007−7007A)
公開日 平成19年1月18日(2007.1.18)
出願番号 特願2005−189346(P2005−189346)
出願日 平成17年6月29日(2005.6.29)
代理人 【識別番号】100065824
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 泰司
発明者 吉野 浩一郎
要約 課題
透明カバーの外表面の傷や散乱物質に起因する後方散乱光が対物光学系に入射するのを防ぎ、観察対象部位を快適に観察することができる内視鏡を提供する。

解決手段
生体内を照明する照明手段3と、前記照明手段によって照明された所定の観察対象部位の像を結像する対物光学系と、前記像を撮像する撮像手段と、前記照明手段及び前記対物光学系を覆う透明カバー1を有する内視鏡において、前記照明手段の光射出面から垂直に射出した光線Qが前記透明カバーの外表面1aと交わる点Pで反射する光線Rと、前記対物光学系の入射瞳の中心の位置2から前記点Pに向けて逆追跡をした光線Sとのなす角度αが、次の条件式(1)を満たすようにした。ここで、αの算出にはe線を使用する。
特許請求の範囲
【請求項1】
生体内を照明する照明手段と、
前記照明手段によって照明された所定の観察対象部位の像を結像する対物光学系と、
前記像を撮像する撮像手段と、
前記照明手段及び前記対物光学系の観察対象部位側を覆う透明カバーを有する内視鏡において、
前記照明手段の光射出面から垂直に射出した光線が前記透明カバーの外表面と交わる点で反射する光線と、前記対物光学系の入射瞳の中心の位置から前記点に向けて逆追跡をした光線とのなす角度をαとしたとき、次の条件式(1)を満たすことを特徴とする内視鏡。
10°≦α ・・・(1)
ここで、αの算出にはe線(546.07nmの波長の光)を使用することとする。
【請求項2】
次の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
15°≦α≦30° ・・・(2)
【請求項3】
前記照明手段の光射出面の前方に前記光射出面を部分的に遮光する部材が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体内を照明、観察する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療用分野及び工業用分野において、内視鏡は広く採用されるようになった。
特に、観察対象部位までの内視鏡の挿入性を向上したり、観察部位までの距離を一定に保って観察し易くするために、内視鏡の挿入部の先端部には照明手段と撮影手段とが固定され、その照明手段と撮影手段とを覆う透明カバーを備えた内視鏡が広く使用されるようになっている。
従来、こうした、内視鏡の挿入部の先端部に備えた照明手段と撮影手段とを覆う透明カバーを備えた内視鏡としては、例えば、次の特許文献1や特許文献2に記載のものが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−91860号公報
【特許文献2】WO01/65995号公報
【0004】
特許文献1には、カプセル内視鏡が開示され、特許文献2にはカプセル型の撮像装置がそれぞれ開示されている。特許文献1に記載のカプセル内視鏡の構成例を図12に、特許文献2に記載のカプセル型の撮像装置の構成例を図13に夫々示す。
【0005】
特許文献1に記載のカプセル内視鏡は、図12に示すように、略半球状の透明カバー17の内部に対物レンズ22を配置し、対物レンズ22による物体像を結像させるイメージセンサー111を配置し、対物レンズ22を囲むように設けた発光ダイオードによる照明手段30を配置して構成されている。
【0006】
また、特許文献2に記載のものは、図13に示すように、略半球状の透明カバーの内部に光学系22を配置し、光学系22による物体像を検出するCMOS撮像カメラ24を配置し、窓21を介して体腔の内部を照らす白色LED等の照明源23を光学系22を囲むように配置して構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載のもののように、照明手段と対物光学系を透明カバーの内側に備えた内視鏡では場合には、次のような問題がある。
特許文献1及び特許文献2に記載のもののように構成された内視鏡を被診断者の体腔内に挿入し、体腔内を進むと、体腔内で被診断者の消化器官等に接触することによって透明カバーの外表面(透明カバーの観察対象部位側の面)に散乱物質(消化液、粘膜、皮脂等の様々な物質)が付着してしまう。
また、内視鏡の透明カバーは、加工を容易にし、衝撃による破損を防止するため、比較的柔らかい材料で製造されているので、透明カバーの外表面には細かい傷ができやすい。
そのため、内視鏡の照明手段から出射した照明光が、透明カバーの外表面の傷や散乱物質に当たると、照明光が透明カバーの内側に向かって反射してしまう。その結果、このような後方散乱光が対物光学系の入射瞳に入射して視野内に結像することにより、撮像した画像に明るい輝点が映り込んだり、明るさムラが生じ、観察に支障をきたしてしまう。
【0008】
本発明は、上記のような問題点に鑑みて成されたものであり、内視鏡の透明カバーの外表面の傷や散乱物質に起因する後方散乱光が対物光学系に入射するのを防ぎ、観察対象部位を快適に観察することができる内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の内視鏡は、生体内を照明する照明手段と、前記照明手段によって照明された所定の観察対象部位の像を結像する対物光学系と、前記像を撮像する撮像手段と、前記照明手段及び前記対物光学系の観察対象部位側を覆う透明カバーを有する内視鏡において、前記照明手段の光射出面から垂直に射出した光線が前記透明カバーの外表面と交わる点で反射する光線と、前記対物光学系の入射瞳の中心の位置から前記点に向けて逆追跡をした光線とのなす角度をαとしたとき、次の条件式(1)を満たすことを特徴とする。
10°≦α ・・・(1)
ここで、αの算出にはe線(546.07nmの波長の光)を使用することとする。
【0010】
また、本発明の内視鏡においては、次の条件式(2)を満足することを特徴とする。
15°≦α≦30° ・・・(2)
【0011】
また、本発明の内視鏡においては、前記照明手段の光射出面の前方に前記光射出面を部分的に遮光する部材が配置されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の内視鏡によれば、透明カバーの外表面の傷や散乱物質に起因する後方散乱光の対物光学系への入射を防ぎ、被写体を快適に観察することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
【0014】
まず、照明手段の光射出面から垂直に射出した光線が透明カバーの外表面と交わる点で反射する光線と、対物光学系の入射瞳の中心の位置から前記点に向けて逆追跡をした光線とのなす角度αについて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る内視鏡の基本構成を示す、透明カバー1の外表面から対物光学系の入射瞳の中心2を通る光軸に沿う断面図である。
本発明の実施形態に係る内視鏡は、生体内を照明する照明手段の光射出面3と、前記照明手段によって照明された所定の観察対象部位の像を結像する対物光学系(図示省略)と、前記像を撮像する撮像手段(図示省略)と、前記照明手段及び前記対物光学系の観察対象部位側を覆う透明カバー1を有している。
本発明の実施形態に係る内視鏡は、透明カバー1の外表面1aと内表面1bがそれぞれ対物光学系の入射瞳の中心2を通る光軸に対して回転対称な球面に形成されており、透明カバー1の外表面1aの球心が対物光学系の入射瞳の中心2と一致するように構成され、対物光学系の周囲には照明手段の光射出面3を配置して構成されている。
【0016】
そして、照明手段の光射出面3から垂直に射出した光線Qが透明カバー1の外表面1aと交わる点Pで反射する光線Rと、対物光学系の入射瞳の中心2の位置から点Pに向けて逆追跡をした光線Sとのなす角度をαとする。ここで、角度αの算出にはe線(546.07nmの波長の光)を使用する。
【0017】
このとき、本発明は、次の条件式(1)を満足するように構成されている。
10°≦α ・・・(1)
【0018】
光射出面3上のすべての点から出射した光線に対して算出した角度αが、条件式(1)を満たすように、対物光学系の入射瞳の中心2と照明手段の光射出面3との位置関係を調整することにより、透明カバー1の外表面1aに傷や散乱物質がある場合でも、透明カバー1の外表面1aの傷や散乱物質に起因して発生する後方散乱光の対物光学系への入射を防ぎ、被写体を快適に観察することができる。
【0019】
また、図1では、2次元のモデルを用いて、内視鏡が1個の照明手段を持つ場合について説明を行っているが、3次元に拡張した場合でも同様の手順で問題なく算出することができる。
【0020】
更に、図1の構成において、内視鏡が複数の照明手段を持つ場合においても、照明手段の光射出面3が対物光学系の光軸に対して回転対称となるように配置すれば、対物光学系の入射瞳の中心2と照明手段の光射出面3との位置関係を決めるにあたって1つの照明手段に着目して角度αの算出を行うだけで上記の目的を達成でき、しかも更に明るい内視鏡を実現することができる。
【0021】
また、透明カバー1が対物光学系の光軸に対して回転対称で無い場合、若しくは、複数の照明手段の位置が対物光学系の光軸に対して回転対称で無い場合では、すべての照明手段について、個別に、光射出面3から出射する光線Qに対する角度αを求める必要がある。このような場合においても、光線Qに対して角度αは一義的に算出できるため、それぞれの照明手段について、条件式(1)を満たすように照明手段の光射出面3と対物光学系の入射瞳の中心2との位置関係を調整すれば、上記の目的を達成することができる。
【0022】
図1では、内視鏡の透明カバーの外表面に傷や散乱物質が存在しない場合を前提に説明したが、次に、内視鏡の透明カバーの外表面に傷や散乱物質が存在する場合について考察し、内視鏡の透明カバーの外表面の傷や散乱物質に起因して発生する後方散乱光が対物光学系の入射瞳に入射する量を十分小さくするための条件について考える。
【0023】
図2は、内視鏡の透明カバーの外表面における反射光の強度分布を示し、図中、横軸は図1の正規反射光Rとのなす角度(°)を表し、縦軸は光の強度を表している。図2中、実線は、透明カバーの外表面に傷や散乱物質が存在しない場合の透明カバーの外表面でのフレネル反射光の配光強度分布であり、破線は、透明カバーの外表面に傷や散乱物質が存在する場合の後方散乱光の配光強度分布を示す。
【0024】
まず、透明カバーの外表面に傷や散乱物質が存在しない場合には、図2の実線で示すように、透明カバーの外表面でのフレネル反射光は、ほとんど広がらずに急峻な配光強度分布になることが知られている。
【0025】
次に、透明カバーの外表面に傷や散乱物質が存在する場合を考える。
図3に、透明カバーの断面図を示す。図3(a)は、透明カバーの外表面に傷がある場合における透明カバーの外表面の傷による後方散乱光の模式図であり、図3(b)は、透明カバーの外表面に散乱物質が付着している場合における透明カバーの外表面に付着した散乱物質による後方散乱光の模式図である。
【0026】
図3(a)に示すように、透明カバー1の外表面に傷が存在する場合、照明手段より出射された照明光5は、透明カバー1の外表面1aと空気層の境界面で後方に後方散乱光6が反射する。
図3(b)に示すように、透明カバー1の外表面1aに散乱物質7が付着している場合、照明手段より出射された照明光5は、透明カバー1の外表面1aに付着している散乱物質7と空気層の境界面で後方に後方散乱光6が反射する。
【0027】
このように、透明カバー1の外表面1a上に傷または散乱物質7がある場合では、本来なめらかな透明カバー1の外表面1aが粗面である場合のような照明光の散乱作用をもつようになり、後方へ反射される光は広がって出射する。
その結果、後方散乱光6は、図2の破線で示すように、透明カバーの外表面に傷や散乱物質が存在しない場合に比べて裾野が広がった配光強度分布になる。
【0028】
なお、図2において、配光角の広がりを比較するためにフレネル反射光の配光強度分布と後方散乱光の配光強度分布を重ねて示しているが、それぞれの分布の強度に関しては任意単位であるため、単純に比較することはできない。
【0029】
次に、後方散乱光の広がりを考慮したときに、対物光学系の入射瞳の中心への後方散乱光の入射量を小さくするための条件を考察する。
図4は、図1と同様の構成をもつ本発明の実施形態に係る内視鏡の基本構成を示す断面図である。
【0030】
照明手段の光射出面3上の1点から任意の角度で出射する光線Bが、透明カバー1の外表面に入射する点をAとし、点Aにおける光線Bの正規反射光Cと、対物光学系の入射瞳の中心2から点Aに向けて逆追跡をした光線Dとがなす角度をθとする。この角度θが、後方散乱光の最大配光角よりも大きければ、光線Bによる後方散乱光の対物光学系への入射量を小さくすることができる。
【0031】
内視鏡に用いられる照明手段の配光強度分布は、照明手段の光射出面に対して垂直に出射する(配光強度分布における配光角0°)光線の強度をピークとするガウス型の分布をしている。
図5は、発光ダイオードの光射出面の前方に蛍光散乱体を配置して、白色照明を行うように構成された白色LEDの配光強度分布である。図中、横軸は配光角度(°)、縦軸は照度を示す。
また、ライトガイドの出射端面の前方に光拡散素子を配置した照明手段においても、同様な配光強度分布を有する。
【0032】
透明カバーの外表面に垂直に入射した光の強度を1とした場合、後方に散乱される光の強度は0.05程度であり、透明カバーの外表面に入射する光線の角度が大きくなるほど強度が減衰することを考慮すると、照明光の強度が最大となる方向である、光強度分布における配光角が0°の光線のみについて考えれば十分である。
【0033】
従って、図4における角度θは、図1を用いて説明した角度αに置き換えることができる。すなわち、角度αが後方散乱光の最大配光角よりも大きければ、光線Bによる後方散乱光が対物光学系の入射瞳に入射する量を小さくすることができる。
なお、白色照明の配光強度分布とe線の配光強度分布とは若干のずれを生じるが無視できるレベルであるため、図5の配光強度分布を図1や図4で算出する角度の光線にそのまま適用しても問題はない。
【0034】
一般に、粗面に光が入射した場合に、入射した光が後方に反射される後方散乱光の配光角度分布は、粗面への光の入射角度に依存しないで同じ分布を示す。
そこで、透明カバーの外表面に粗面が形成された場合を想定して、皮脂を付着させた状態で、後方散乱光の配光角度分布を求める。
【0035】
図6は、後方散乱光の配光角度分布を測定するための測定装置の構成を示す説明図である。
図6において、He−Neレーザー発振機8は、出射した光線がプリズム9に45°の角度で入射するように配置されている。レーザー光の射出口からプリズム9の入射点Gまでの距離は600mmである。散乱光を測定するためのディテクター10は、点Gを中心に回転するように配置されている。点Gからディテクター10の受光面までの距離は200mmである。点Gで正規反射したレーザー光がディテクター10の受光面に入射するときのディテクター10の回転角度を0°とし、反時計回りの方向をプラス方向として、ディテクター10を回転させながらそれぞれの角度における受光面での照度を測定した。
【0036】
測定は、まずプリズム9の表面に散乱物質が存在しない状態で行い、その後、散乱物質として皮脂を塗布した状態で再度測定を行った。ディテクター9の受光面は直径15mmの円状に形成されており、受光面の面積が十分大きいことから、レーザー光のスペックルの影響は平均化され、ほとんど無視できる。
【0037】
本測定条件においては、He−Neレーザー発振機8から出射したレーザー光はプリズム9上の表面に塗布した皮脂と空気との接触面で反射して後方散乱光がディテクター10に導かれる。一方、本発明においては、照明手段から射出した照明光は透明カバーを介して透明カバー表面に付着した散乱物質と空気との接触面で反射して後方散乱するので、本測定条件は本発明と状況が異なるが、媒質の境界面における反射に起因する散乱光は周囲の媒質や波長による影響をあまり受けないため、散乱物質と透明カバーの屈折率差による影響が小さい場合には、透明カバー内部における照明光の後方散乱と、透明カバーを介さず空気層側からHe−Neレーザーを入射させたときの後方散乱とは、同様の挙動を示す。
【0038】
図7は、後方散乱光を測定した結果を示した配光角度分布であり、図中、横軸は配光角度(°)、縦軸は照度を示しており、実線はプリズム9の表面に皮脂の付着が無い場合の配光角度分布を示し、破線はプリズム9の表面に皮脂の付着がある場合の配光角度分布を示している。
【0039】
図7より、プリズム9の表面に皮脂が付着した場合の後方散乱光は、配光角0°を中心に約±10°の広がりを持っている。従って、図1の角度αが後方散乱光の最大配光角である10°よりも大きければ、照明手段から出射した光線による後方散乱光が対物光学系の入射瞳に入射する量を小さくすることができる。
【0040】
なお、後方散乱光の最大配光角は常に一定ではなく、散乱物質の種類や付着状態、傷の状態等で多少変動する。そのため、角度αは15°以上とすれば、上記の効果を得るためには一層好ましい。
【実施例】
【0041】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0042】
第1実施例
本発明の第1実施例について説明する。なお、説明の便宜上、簡単のため2次元のモデルを用いている。
図8は、本発明の第1実施例にかかる内視鏡の断面図である。
本実施例の内視鏡は、生体内を照明する照明手段の光射出面3と、前記照明手段によって照明された所定の観察対象部位の像を結像する対物光学系(図示省略)と、結像された像を撮像する撮像手段(図示省略)と、前記照明手段及び前記対物光学系の観察対象部位側を覆う透明カバー1を有している。
【0043】
本実施例の内視鏡では、内視鏡の透明カバー1は、半球形状であり、透明カバー1の外表面1aと内表面1bがそれぞれ対物光学系の入射瞳の中心2を通る光軸に対して回転対称な球面に形成されており、透明カバー1の外表面1aの球心が対物光学系の入射瞳の中心2と一致するように構成されている。
透明カバー1の外表面1aの曲率半径は5.5mmであり、内表面1bの曲率半径は4.5mmであり、厚みは1mmである。また、透明カバー1のe線に対する屈折率は、1.527である。
【0044】
また、照明手段の光射出面3は、入射瞳の中心2を通り内視鏡の中心軸に垂直な平面上で対物光学系の周囲に配置されている。内視鏡の中心軸から光射出面3までの最短部の距離が2.8mmであり、内視鏡の中心軸から光射出面3までの最長部の距離が3.6mmである。
【0045】
表1に、本実施例の内視鏡の中心軸から光射出面までの距離とe線に対する角度αを算出した結果を示す。


【0046】
表1より、中心軸からの距離が大きくなるにしたがって、角度αの値が大きくなることが分かる。
このように構成された本実施例の内視鏡によれば、角度αが後方散乱光の最大配光角である10°よりも十分に大きいので、透明カバーの外表面に付着した散乱物質やキズによる後方散乱光の対物光学系への入射量を小さくすることができる。
【0047】
第2実施例
本発明の第2実施例について説明する。なお、説明の便宜上、簡単のため2次元のモデルを用いている。
図9は、本発明の第2実施例にかかる内視鏡の断面図である。
本実施例の内視鏡の基本構成は第1実施例と同様である。
【0048】
本実施例の内視鏡では、内視鏡の透明カバー1は、透明カバー1の内表面1b及び外表面1a共に内視鏡の中心軸に対して回転対称な扁平楕円面に形成されている。
また、光軸に対して回転対称な非球面形状は、内視鏡の光軸方向をzとし,光軸に直交する方向をyとし、zとyの直交する方向をxとして、円錐係数をkとしたとき、次式で定義される。
z=(y2/r)/〔1+[1−(1+k)(y/r)2]1/2
【0049】
透明カバー1の外表面1aの曲率半径は6.2443mmであり、円錐係数kは0.1である。また、透明カバー1の内表面1bの曲率半径は6.0321mmであり、円錐係数kは0.3であり、中心軸上での透明カバー1の厚みは1mmである。また、透明カバー1のe線に対する屈折率は1.527である。
【0050】
対物光学系の入射瞳の中心2は、内視鏡の中心軸上で透明カバー1の内表面1bから4.7mmの位置にある。
また、照明手段の光射出面3は、入射瞳の中心2を通り内視鏡の中心軸に垂直な平面上にあり、内視鏡の中心軸から光射出面3の最短部の距離が3.1mmであり、内視鏡の中心軸から光射出面3の最長部の距離が3.9mmである。
【0051】
表2に、本実施例の内視鏡の中心軸から光射出面までの距離とe線に対する角度αを算出した結果を示す。


【0052】
表2より、内視鏡の中心軸からの距離が大きくなるにしたがって、角度αの値が大きくなることが分かる。
ここで、対物光学系の入射瞳が光軸に垂直な面上で大きさを有していることを考慮して、対物光学系への後方散乱光の入射量を十分に小さくし、かつ、内視鏡の外径を小さく構成するためには、次の条件式(2)を満たすことが望ましい。
15°≦α≦30° ・・・(2)
【0053】
αの値が、条件式(2)の下限を下回ると、対物光学系の入射瞳への後方散乱光の入射量を十分に小さくできない場合がある。
一方、αの値が、条件式(2)の上限を上回ると、対物光学系の入射瞳の中心と照明手段の光射出面との距離が離れすぎて、内視鏡の外径を小さくすることができない。
【0054】
このように構成された本実施例の内視鏡によれば、対物光学系の入射瞳の中心2と照明手段の光射出面3との位置関係を、条件式(2)を満足するように構成したので、透明カバー1の外表面1aに付着した散乱物質やキズによる後方散乱光の対物光学系への入射量を小さくすることができると共に、外径の小さい内視鏡をも実現することができる。
【0055】
第3実施例
本発明の第3実施例について説明する。なお、説明の便宜上、簡単のため2次元のモデルを用いている。
図10は、本発明の第3実施例にかかる内視鏡の断面図である。
本実施例の内視鏡では、内視鏡の透明カバー1は半球形状であり、透明カバー1の外表面1aの曲率半径は5.5mm、内表面1bの曲率半径は4.5mm、厚みは1mmである。
また、透明カバー1のe線に対する屈折率は1.527である。対物光学系の入射瞳の中心2は透明カバー1の外表面の球心を通り内視鏡の中心軸に垂直な直線上にあり、内視鏡の中心軸から入射瞳の中心2までの距離は2.5mmである。
【0056】
照明手段の光射出面3は、透明カバー1の外表面の球心を通り内視鏡の中心軸に垂直な平面上にあり、内視鏡の中心軸から光射出面までの距離は、対物光学系の入射瞳の中心2に向かう方向を正として最短部が0.2mmであり、最長部が1.0mmである。
【0057】
表3に、本実施例の内視鏡の中心軸から光射出面までの距離とe線に対する角度αを算出した結果を示す。


【0058】
表3より、内視鏡の中心軸からの距離が大きくなり、入射瞳中心に近づくにしたがって、角度αの値が大きくなることが分かる。
このように構成された本実施例の内視鏡によれば、角度αが後方散乱光の最大配光角である10°よりも十分に大きいので、透明カバーの外表面に付着した散乱物質やキズによる後方散乱光の対物光学系への入射量を小さくすることができる。
【0059】
第4実施例
本発明の第4実施例について説明する。なお、説明の便宜上、簡単のため2次元のモデルを用いている。
図11は、本発明の第4実施例にかかる内視鏡の断面図である。
本実施例の内視鏡の基本構成は第1実施例と同様であるが、本実施例はさらに、光射出面3の一部を遮光する遮光部材11を有している。
また、本実施例の照明手段の光射出面は、他の実施例に比べて寸法が大きいものを用いている。
【0060】
本実施例の内視鏡では、内視鏡の透明カバー1は、半球形状であり、透明カバー1の外表面1aと内表面1bがそれぞれ対物光学系の入射瞳の中心2を通る光軸に対して回転対称な球面に形成されており、透明カバー1の外表面の球心が対物光学系の入射瞳の中心2と一致するように構成されている。
透明カバー1の外表面の曲率半径は5.5mmであり、内表面の曲率半径は4.5mmであり、厚みは1mmである。また、透明カバー1のe線に対する屈折率は1.527である。
【0061】
また、照明手段の光射出面3は、入射瞳の中心2を通り内視鏡の中心軸に垂直な平面上で対物光学系の周囲に配置されている。内視鏡の中心軸から光射出面3までの距離は、最短部が1.2mmであり、最長部が3.2mmである。
【0062】
また、遮光部材11は、光射出面3から射出する光の一部を遮断する部材であり、内視鏡の中心軸から遮光部材までの最短部の距離が1.2mmであり、内視鏡の中心軸から遮光部材までの最長部の距離が2.2mmである。
【0063】
表4に、本実施例の内視鏡の中心軸から光射出面までの距離とe線に対する角度αを算出した結果を示す。


【0064】
表4より、内視鏡の中心軸から光射出面の距離が大きくなるにしたがって、角度αの値が大きくなることが分かる。また、内視鏡の中心軸から光射出面の距離が1.2mmから1.4mmの範囲では、e線に対する角度αが10°以下である。よって、内視鏡の中心軸から光射出面の距離が、1.2mmから1.4mmの範囲内で照明手段の光射出面3から射出した光線は本願の条件式(1)を満足しない。
【0065】
このように内視鏡の外径に対して照明手段の光射出面の寸法が比較的大きい場合や、あるいは実装上の理由で最適な位置に光射出面を配置することができない場合に角度αが本願の条件式(1)または(2)を満足できないことが起こりうる。
【0066】
そこで本実施例では、遮光部材11を、照明手段の光射出面3から射出する光のうち角度αが比較的小さい値をとる部分に配置して遮光することにより、照明に寄与する光線の角度αが後方散乱光の最大配光角である10°よりも十分に大きくなるようにした。これによって、透明カバー1の外表面に付着した散乱物質やキズによる後方散乱光の対物光学系への入射量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施形態に係る内視鏡の基本構成を示す、透明カバーの外表面から対物光学系の入射瞳の中心を通る光軸に沿う断面図である。
【図2】内視鏡の透明カバーの外表面における反射光の強度分布の強度分布を示す図である。
【図3】透明カバーの外表面に傷や散乱物質が存在する場合の透明カバーの断面図で、(a)は透明カバーの外表面に傷がある場合、(b)は透明カバーの外表面に散乱物質が付着した状態における後方散乱光の模式図をそれぞれ示している。
【図4】図1と同様の構成をもつ本発明の実施形態に係る内視鏡の基本構成を示す、透明カバーの外表面から対物光学系の入射瞳の中心2を通る光軸に沿う断面図である。
【図5】白色LEDの配光強度分布を示す図である。
【図6】後方散乱光の配光角度分布を測定するための測定装置の構成を示す説明図である。
【図7】後方散乱光を測定した結果を示した配光角度分布である。
【図8】本発明の第1実施例にかかる内視鏡の断面図である。
【図9】本発明の第2実施例にかかる内視鏡の断面図である。
【図10】本発明の第3実施例にかかる内視鏡の断面図である。
【図11】本発明の第4実施例にかかる内視鏡の断面図である。
【図12】従来のカプセル内視鏡の構成例を示す説明図である。
【図13】従来のカプセル型の撮像装置の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0068】
1 透明カバー
1a 透明カバーの外表面
1b 透明カバーの内表面
2 対物光学系の入射瞳の中心
3 照明手段の光射出面
4 透明カバー断面
5 照明光
6 後方散乱光
7 散乱物質
8 He−Neレーザー発振機
9 プリズム
10 ディテクター
A 光線Bが、透明カバーの外表面と交わる点
B 照明手段の光射出面上の1点から任意の角度で出射する光線
C 点Aにおける光線Bの正規反射光
D 対物光学系の入射瞳の中心から点Aに向けて逆追跡をした光線
G レーザー光のプリズムへの入射点
P 光線Qが透明カバーの外表面と交わる点
Q 照明手段の光射出面から光射出面に垂直な方向に出射する光線
R 点Pにおける光線Qの正規反射光
S 対物光学系の入射瞳の中心から点Pに向けて逆追跡をした光線
α 正規反射光Rと光線Sとのなす角
θ 正規反射光Cと光線Dとのなす角




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013