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発明の名称 処置装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−201(P2007−201A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180981(P2005−180981)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
発明者 谷口 一徳 / 木村 健一
要約 課題
目的処置部位より深部に位置する非処置対象部位に対して不要な焼灼が行われることを防止し、術中において煙によって視野が阻害されることを防止する処置装置を提供すること。

解決手段
処置装置1は操作部30の先端側に配置され、体腔内に導入されるシース部20と、シース部20の先端側に配置され、抵抗発熱体11と、抵抗発熱体11から発生される熱を伝導する熱伝導率の高い伝熱部材12とで構成される発熱部材9、及び発熱部材9の先端側に固設され、熱伝導率が低く、かつ耐熱性の高い断熱チップ7を有する処置部10とを備える発熱処置具2と、発熱処置具2の抵抗発熱体11に電力を供給する電源装置3とを具備している。
特許請求の範囲
【請求項1】
操作部の先端側に配置され、体腔内に導入されるシース部と、前記シース部の先端側に配置され、抵抗発熱体と、該抵抗発熱体から発生される熱を伝導する熱伝導率の高い伝熱部材とで構成される発熱部、及び該発熱部の先端側に固設され、熱伝導率が低く、かつ耐熱性の高い断熱部を有する処置部とを備える発熱処置具と、
前記発熱処置具の抵抗発熱体に電力を供給する電源装置と、
を具備することを特徴とする処置装置。
【請求項2】
前記抵抗発熱体は通電されることによって熱を発生する電気抵抗性を有する線状部材であって、
前記線状部材は電気絶縁性を有する伝導部材内に折り返して配置されることを特徴とする請求項1に記載の処置装置。
【請求項3】
前記抵抗発熱体は温度に比例して電気抵抗性が増加するパターン部であって、
前記パターン部は前記伝導部材の外表面に薄膜形成法、或いは、厚膜形成法により設けられることを特徴とする請求項1に記載の処置装置。
【請求項4】
前記断熱部は、前記処置部の直径と同径、または前記処置部の直径よりも大径であることを特徴とする請求項1に記載の処置装置。
【請求項5】
前記電源装置は出力手段と制御手段とを備え、
前記制御手段は、該制御手段の制御の基、前記出力手段から前記抵抗発熱体に所定のパルス状の電力、電圧、又は電流を出力させて、前記処置部の温度をパルス状に変化させることを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の処置装置。
【請求項6】
前記電源装置は出力手段と制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記出力手段を制御して前記抵抗発熱体の抵抗値をパルス状に変化させて、前記処置部の温度をパルス状に変化させることする請求項1、又は請求項3に記載の処置装置。
【請求項7】
前記処置部の温度は、粘膜切除下限温度より所定温度高い処置部最高温度と、粘膜切除下限温度より所定温度低い処置部最低温度との間でパルス状に変化することを特徴とする請求項5、又は請求項6に記載の処置装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗発熱体を備える処置部と電源装置とを有する処置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、経内視鏡的処置、または内視鏡下外科手術等において、病変粘膜部分を切除するための高周波切開具や、高周波ナイフ等の発熱処置具が用いられていた。例えば、特許文献1には、電気絶縁性の可撓管の先端から針状のナイフが突没可能な高周波切開具が開示されている。また、特許文献2には、粘膜の切開中において、切開すべきでない深部組織への刺入や不要な焼灼を防止し得る高周波ナイフが開示されている。
【特許文献1】特開平4−329944号公報
【特許文献2】特開平8−299355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の高周波切開具では、先端の電極が固有筋層にまで穿刺されて不要な焼灼等が行われるおそれがある。このため、熟練した術者が慎重に高周波切開具を操作して処置を行っていた。一方、特許文献2の高周波ナイフでは、高周波エネルギーを用いて組織を焼灼する際、対極板を必要とする。また、焼灼時においては煙が発生して視野が阻害される不具合が生じる。このため、煙を排気する装置が必要になる等、手術の際に装置が大型化する。
【0004】
本発明は前述した事情に鑑みてなされたものであり、目的処置部位より深部に位置する非処置対象部位に対して不要な焼灼が行われることを防止し、術中において煙によって視野が阻害されることを防止する処置装置を提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の処置装置は、操作部の先端側に配置され、体腔内に導入されるシース部と、前記シース部の先端側に配置され、抵抗発熱体と、該抵抗発熱体から発生される熱を伝導する熱伝導率の高い伝熱部材とで構成される発熱部、及び該発熱部の先端側に固設され、熱伝導率が低く、かつ耐熱性の高い断熱部を有する処置部とを備える発熱処置具と、前記発熱処置具の抵抗発熱体に電力を供給する電源装置とを具備している。
【0006】
この構成によれば、電源装置から抵抗発熱体に電力を供給して発熱部を発熱させることによって、処置部を体組織に接触させて処置を行える。このことによって、煙による視野阻害が防止される。また、術中において、万一、処置部の先端側を目的処置部位より深部に位置する非処置対象部位に接触させてしまった場合、処置部を構成する発熱部の先端側に設けられた断熱部が接触する。したがって、非処置対象部位が加熱されて焼灼されること等が防止される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、目的処置部位より深部に位置する非処置対象部位に対して不要な焼灼が行われることを防止し、術中において煙によって視野が阻害されることを防止する処置装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図10は本発明の一実施形態に係り、図1は発熱処置装置のシステムを示す構成図、図2は発熱処置具を説明する斜視図、図3は発熱処置具の構成を説明する分解斜視図、図4は図2の発熱処置具の長手方向断面斜視図、図5は図2の発熱処置具の長手方向断面図、図6は図5のVI−VI線断面図、図7は電源装置の回路構成を説明するブロック図、図8はハンドルを基端側に移動させた状態の発熱処置具を示す斜視図、図9はハンドルを基端側に移動させた状態における発熱処置具の長手方向断面図、図10は発熱処置具の作用を説明する図である。
【0009】
図1に示すように処置装置1は発熱処置装置であって、発熱による処置を行う発熱処置具(以下、処置具と略記する)2と、処置具2に発熱のための電力を供給する電源装置3とを備えて主に構成されている。処置具2には、電源装置3から延出されるケーブル4に設けられているコネクタ部4aが着脱自在に取り付けられるようになっている。電源装置3には入力・表示部3aが設けられている。電源装置3にはコード5を介して、該電源装置3のON/OFF制御を行う、フットスイッチ6が接続されている。
【0010】
まず、処置具2の構成を説明する。
処置具2は、先端側から順に、処置部10と、生体内に挿入される長尺なシース部20と、術者が把持する操作部30とを備えている。処置部10の先端側には断熱部である断熱チップ7が備えられている。操作部30の基端部にはケーブル4のコネクタ部4aが接続されるケーブル接続部8が設けられている。
【0011】
図2に示すように操作部30は主に操作部本体31と、進退ハンドル(以下、ハンドルと略記する)32とを備えて構成されている。操作部本体31は例えば円筒状であって、側面所定位置には長孔31aが設けられている。操作部本体31は、対称形状に形作られた一対の本体形成部材33a、33bによって構成される。本体形成部材33a、33bどうしの合わせ面側にはハンドル用切り欠き33cが設けられている。長孔31aは、本体形成部材33a、33bを一体にして操作部本体31を構成することによって形成される。長孔31a内からはハンドル32が突設される。長孔31aの幅寸法、及び長さ寸法はハンドル32が所定の距離、進退可能に設定されている。
【0012】
操作部30に設けられているハンドル32を図に示すように長孔31aの先端側に移動させると、処置部10はシース部20の先端面から所定量突出した状態になる。これに対して、ハンドル32を、後退させて図に示す長孔31aの基端側に移動させると、処置部10は後退してシース部20内に収容される(図8、図9参照)。つまり、処置部10は、操作部30に設けられているハンドル32の長手軸方向への進退操作によって、シース部20の先端開口20aから突没自在に構成されている。
【0013】
図3乃至図6を参照して処置具2の具体的な構成を説明する。
図3に示すように処置部10は断熱チップ7と、発熱部である発熱部材9とで主に構成される。発熱部材9は抵抗発熱体11と、伝熱部材12とを備えて構成される。抵抗発熱体11には電力を供給するためのリード線13、14が接続される。発熱部材9の基端部はベース部材15によって保持されるようになっている。ベース部材15には細長なチューブ16が連結されるようになっている。
【0014】
抵抗発熱体11は通電されることによって熱を発生する電気抵抗性を有するNi−Cr、又はFe−Cr等の線状部材である。抵抗発熱体11は中途部で折り返されて略U字形状に形成されている。
【0015】
伝熱部材12は、熱伝導率が高く、かつ電気絶縁性を有する材料である例えば、窒化アルミ等の材料により構成される。伝熱部材12は略円柱状であって、先端部には断熱チップ配設穴12aが設けられている。伝熱部材12の外表面は、発熱処置を行う処置面12bとして構成されている。処置面12bには生体組織が付着することを防止するためのコーティング(不図示)が施されている。コーティングは、PTFE等の非粘着性の材料で構成される。
【0016】
断熱チップ7は熱伝導率が低く、かつ耐熱性の高い材料である例えば、アルミナ(Al2O3)、ジルコニア(ZrO2)等のセラミック部材で構成される。断熱チップ7は先端部7aと、凸部7bとを備えて構成されている。凸部7bは断熱チップ配設穴12aに配置される。凸部7bは、断熱チップ配設穴12aに対して螺合、ロー付け、或いは圧入等によって一体的に固設される。断熱チップ7の先端部7aは、生体組織を損傷させることを防止するため曲面形状、例えば半球面部として形成されている。そして、本実施形態においては、処置部10に段差が形成されることを防止するため、断熱チップ7の先端部7aの外径寸法と伝熱部材12の直径寸法とを略同径に設定して、処置部10に段差が生じることを防止した形状にしている。
【0017】
伝熱部材12は抵抗発熱体11の周囲を覆うように構成される。具体的には図4乃至図6に示すように発熱部材9は伝熱部材12と抵抗発熱体11とを一体にして構成されている。図4、及び図5に示すように発熱部材9を構成する伝熱部材12の基端面側からは抵抗発熱体11の端部が突出されている。リード線13、14は、伝熱部材12から突出した抵抗発熱体11のそれぞれの端部に、例えば抵抗溶接等の溶接により接合される。ベース部材15はシース部20の内部に摺動自在に配設される摺動部材である。
【0018】
図3乃至図5に示すようにベース部材15は太径部15aと細径部15bとを備える管状部材である。太径部15aは摺動部として構成され、細径部15bは連結部として構成される。ベース部材15の太径部15aの中央部には伝熱部材配設穴15cが設けられている。また、細径部15b側の中央部には伝熱部材配設穴15cに連通する連通孔15dが設けられている。連通孔15dは伝熱部材配設穴15cより細径である。太径部15aの稜線には、摺動性を考慮して、例えば曲面による面取りが施されている。
【0019】
ベース部材15の伝熱部材配設穴15cには伝熱部材12の端部が例えば接着によって一体的に固定される。連通孔15d内には抵抗発熱体11、及び該抵抗発熱体11に接続されたリード線13、14が配置される。ベース部材15は、発熱部材9の熱が不用に損失されるのを防止するため、断熱部材により構成されることが好ましい。
【0020】
チューブ16は、前記ハンドル32の進退操作に伴って移動されて、ベース部材15をシース部20内で摺動させる進退操作伝達部材である。チューブ16の先端部は、ベース部材15の細径部15bの外周面側に例えば接着によって一体的に固定される。一方、チューブ16の基端部は操作部30を構成する後述する摺動体34の連結部34aに例えば接着によって一体的に固定される。
【0021】
チューブ16の内孔16aにはリード線13、14が挿通される。リード線13、14は内孔16a内を挿通して操作部本体31内に導かれた後、前記ケーブル接続部8に接合されている。なお、チューブ16は絶縁性を有している。
【0022】
シース部20は、細長でパイプ状のシース体21と、シース体21に設けられている貫通孔21a内に配設される環状のガイドリング22とで構成される。ガイドリング22は、該ガイドリング22の先端面とシース体21の先端面とが面一致するように一体的に固設される。ガイドリング22には前記先端開口20aを構成する孔22aが備えられており、孔22a内には伝熱部材12が摺動自在に配置されるようになっている。孔22aの中心線と、ベース部材15の中心線とは略一致している。ガイドリング22は発熱部材9の熱が不用に損失されるのを防止するため、断熱部材により構成されることが好ましい。
【0023】
シース体21内にはベース部材15の太径部15aが摺動自在に配置される。シース体21の基端部は操作部本体31の後述する連結凸部31bに例えば接着によって一体的に固定される。
【0024】
なお、シース体21を可撓性を有する部材で軟性に構成することによって、処置具2は経内視鏡的処置に用いられる軟性処置具として構成される。これに対して、シース体21を硬性に構成することによって、処置具2は腹腔鏡下を含む外科手術用処置具として構成される。
【0025】
操作部30は、操作部本体31と、ハンドル32と、略円筒形状の摺動体34とで主に構成される。操作部本体31は、前記本体形成部材33a、33bで構成される。摺動体34は対称形状に形作られた一対の摺動体形成部材(以下、摺動部材と略記する)35a、35bによって構成される。ハンドル32は摺動体34に対して一体的に構成される。つまり、ハンドル32を進退操作した際、該ハンドル32と摺動体34とが一体的に移動する。したがって、摺動体34は操作部本体31に対して摺動自在に配置される。
【0026】
操作部本体31を構成する本体形成部材33a、33bの先端側には連結凸部31bを構成する凸部33dがそれぞれ設けられている。即ち、連結凸部31bは、本体形成部材33a、33bを一体にして操作部本体31を構成することによって形成される。連結凸部31bの外周側にはシース体21が連結固定される。このことによって、操作部30の先端側にシース部20が備えられる。
【0027】
また、本体形成部材33a、33bどうしの合わせ面側には前記ハンドル用切り欠き33cに加えて、該ハンドル用切り欠き33cに通じて構成される摺動体配設凹部33e、及び第1摺動溝33f、第2摺動溝33gが設けられている。本体形成部材33a、33bを一体にして操作部本体31を構成したとき、摺動体配設凹部33eによって本体内部空間31cが構成され、第1摺動溝33f、及び第2摺動溝33gによって第1摺動孔31d、及び第2摺動孔31eが構成される。本体内部空間31cには摺動体34に一体なハンドル32近傍が進退自在に配置される。第1摺動孔31dにはハンドル32より先端側に位置する摺動体34が摺動自在に配置される。第2摺動孔31eにはハンドル32より基端側の摺動体34が摺動自在に配置される。
【0028】
ハンドル32は、指孔を備えた指掛け部32aと、ハンドル本体32bと、係止部32c、32dとを備えている。係止部32c、32dはハンドル本体32bに設けられた一対のフランジ部32eによってそれぞれ構成される。ハンドル本体32bにはリード線13、14が挿通される貫通孔32fが設けられている。貫通孔32fの開口は一対のフランジ部32eの間に位置するように形成されている。貫通孔32fの中心線と、指掛け部32aの指孔の中心線とは直交する位置関係である。
【0029】
操作部本体31内に摺動自在に配設される摺動体34は、摺動部材35a、35bによって構成される。摺動部材35a、35bは摺動体本体35cと、凸部35dとを備えている。凸部35dは摺動体本体35cの先端側に突出している。摺動部材35a、35bどうしの合わせ面側の所定の位置には、凸部35dから摺動体本体35cまで長手軸方向に延びる断面形状が半円形の溝35eが形成されている。
【0030】
摺動部材35a、35bを一体にして摺動体34を構成したとき、凸部35dはチューブ16の基端部が配設される連結部34aを構成し、溝35eはリード線13、14が挿通される貫通孔34bを構成する。そして、連結部34aの外周側にチューブ16を連結固定させることによって、摺動体34とチューブ16とが一体に構成される。そして、チューブ16内を挿通するリード線13、14は、貫通孔34b内に挿通される。
【0031】
摺動体本体35cには細径部35fと太径部35gとが設けられている。細径部35fは、第1摺動溝33fに対して摺動自在に配置されるように構成され、太径部35gは第2摺動溝33gに対して摺動自在に配置されるように構成されている。細径部35f、及び太径部35gは、摺動部材35a、35bを一体にして摺動体34を構成したとき、第1摺動孔31d、第2摺動孔31eにそれぞれ摺動自在に配設される。
【0032】
細径部35fの合わせ面側にはハンドル本体用切り欠き35hが設けられている。ハンドル本体用切り欠き35hにはフランジ部32eとフランジ部32eとの間を構成するハンドル本体32bが挟持配設される。摺動部材35a、35bによってハンドル32のハンドル本体32bを挟持して摺動体34を構成する。このことによって、ハンドル32が一体な摺動体34が構成される。
【0033】
ハンドル32が一体な摺動体34内にはリード線13、14が挿通されるリード線挿通孔36が設けられている。リード線挿通孔36は、ハンドル本体32bより先端側に位置する細径部35fに設けられている溝35eと、ハンドル本体32bに設けられている貫通孔32fと、ハンドル本体32bより基端側に位置する細径部35f、及び太径部35gに設けられている溝35eとによって構成される。
【0034】
ハンドル32が一体な摺動体34を操作部本体31に配設して操作部30を構成する際、例えば本体形成部材33aの第1摺動孔31dを構成する第1摺動溝33fにハンドル本体32bより先端側の摺動体本体35cを配置し、本体形成部材33aの本体内部空間31cを構成する摺動体配設凹部33eにハンドル本体32b近傍を配置し、摺動体配設凹部33e、及び第2摺動孔31eを構成する第2摺動溝33gにハンドル本体32bより基端側の摺動体本体35cを配置する。その後、本体形成部材33aと本体形成部材33bとを一体にして操作部本体31を構成する。このことによって、長孔31aからハンドル32が突設した操作部30が構成される。
【0035】
操作部30に設けられているハンドル32を進退操作することによって、該ハンドル32と一体的に摺動体34が進退する。摺動体34の連結部34aにはチューブ16が連結固定されている。このため、摺動体34の進退に伴ってチューブ16が移動されて、該チューブ16の先端部に固定されているベース部材15の太径部15aがシース体21内を摺動する。すると、ベース部材15の伝熱部材配設穴15cに固定されている伝熱部材12、及び断熱チップ7がガイドリング22の孔22a内を摺動してシース部20の先端開口20aから突没する。つまり、操作部30のハンドル32の進退操作に伴ってシース部20の先端開口20aから処置部10が突没する。
【0036】
なお、太径部35gに設けられている溝35eの基端部には、摺動部材35a、35bを一体にして摺動体34を構成したときケーブル接続部固定穴34dを構成する、凹み部35kが設けられている。
【0037】
ケーブル接続部8は、第1接点部材8aと、第2接点部材8bと、絶縁部材8cとで構成されている。第1接点部材8aはパイプ形状部材であって外周側に設けられる。第2接点部材は例えば円柱部材であってケーブル接続部8の軸上に配置される。絶縁部材8cは第1接点部材8aと第2接点部材8bとを電気的に隔離するパイプ形状部材である。絶縁部材8cの内孔に第2接点部材8bが配置され、絶縁部材8cの外周側には第1接点部材8aが配置される。第1接点部材8aには例えばリード線13の基端部が電気的に接続され、第2接点部材8bには例えばリード線14の基端部が電気的に接続される。ケーブル接続部8はケーブル接続部固定穴34dに所定の状態で一体的に固定される。
【0038】
ここからは、電源装置3について説明する。
電源装置3の正面パネルには入力・表示部3aが設けられている。入力・表示部3aは例えば液晶タッチパネルであり、液晶表示部と、この液晶表示部上に位置を合わせて重畳された透明タッチパネルとを設けて構成されている。ユーザーは、入力・表示部3aを適宜操作することによって所望の制御モードの登録を行える一方、登録されている制御モードの中から所望のものを選択することができるようになっている。液晶表示部には、処置時等において、選択した制御モードに対応する設定値等が画面上に表示されるようになっている。なお、制御モードの設定は、ユーザーが適宜行え、設定後には、装置内の図示しない記憶部に制御モードの登録を行える。
【0039】
図7に示すように電源装置3には出力手段である出力回路51と、電圧検出部52と、電流検出部53と、演算回路54と、制御手段である制御部55とが設けられている。電源装置3から延出するケーブル4のコネクタ部4aをケーブル接続部8に接続することによって、処置部10に設けられた発熱部材9の抵抗発熱体11と電源装置3の出力回路51とがリード線13、14を介して電気的に接続される。
【0040】
電圧検出部52は抵抗発熱体11に印加される電圧を検出する。電圧検出部52で検出された検出結果(電圧値V)は演算回路54に出力される。電流検出部53は抵抗発熱体11に流れる電流を検出する。電流検出部53で検出された検出結果(電流値I)は演算回路54に出力される。演算回路54は、電圧検出部52から出力された電圧値V、及び電流検出部53から出力された電流値Iを基に、抵抗発熱体11へ供給されている電力値P(=V×I)、抵抗発熱体11の抵抗値R(=V÷I)等を演算する。そして、演算回路54は演算して得られた演算結果を制御部55に出力する。
【0041】
制御部55と入力・表示部3aとは電気的に接続されている。したがって、制御部55には入力・表示部3aにおいて選択された制御モードに関わる設定値等の情報が入力される。また、制御部55にはフットスイッチ6からON操作信号、又はOFF操作信号が入力される。つまり、制御部55には、演算回路54から出力される演算結果に加えて、入力・表示部3aにおいて選択された制御モードに関わる情報、及びフットスイッチ6から出力されるON操作信号、又はOFF操作信号が入力される。
【0042】
制御部55には比較回路55aが設けられている。比較回路55aにおいては、入力・表示部3aから入力される設定値と、演算回路54から出力される演算結果とを比較する。そして、制御部55では、比較回路55aの比較結果に基づいて、出力回路51に制御信号を出力して、抵抗発熱体11に出力する電力等を制御する。つまり、フットスイッチ6からON操作信号が出力されると、制御部55は、制御モードの設定値に基づいて、出力回路51から抵抗発熱体11に所定の電力値Pの電力を供給する。すると、抵抗発熱体11が発熱されるとともに、その熱が伝熱部材12に伝達されて処置部10に備えられた発熱部材9の温度が上昇していく。その後、制御部55では、入力・表示部3aから入力された設定値と、演算回路54から出力される演算結果とを比較して、発熱部材9の温度を組織切除可能な所定温度に一定に制御する。そして、フットスイッチ6からOFF操作信号が出力されたとき、制御部55は出力回路51から抵抗発熱体11への電力の供給を停止させる。
なお、前述において、制御部55によって、発熱部材9の温度を組織切除可能な所定温度に一定に制御すると記載しているが、これは制御モードの一例であり、制御モードには後述するような他のモード等もある。
【0043】
上述のように構成した処置装置1の作用を説明する。
なお、処置装置1を構成する処置具2は経内視鏡的処置に用いられる軟性処置具として構成されているものとする。また、処置装置1を構成する各種ケーブル類の接続は完了しているものとする。
【0044】
まず、図8に示すように処置具2のハンドル32を基端側に移動させて、処置部10をシース部20内に収納しておく。このとき、図9に示すように操作部30内のハンドル32が一体な摺動体34が基端側に移動されて、摺動体34のハンドル32より基端側が操作部本体31の基端部から大きく突出した状態になる。この状態において、摺動体34の連結部34aに連結固定されているチューブ16が基端側に移動される。すると、チューブ16が連結されている、伝熱部材12を固定保持されている、ベース部材15がシース体21内を基端側に摺動される。このことによって、処置部10はシース部20内に収納された保護状態になる。処置具2はこの状態で体腔内に導入される。
【0045】
図10に示すように処置対象部位が消化器等の場合、病変粘膜部分90の下には固有筋層91が位置している。このため、処置具2によって処置を行う場合、術者は、予め、例えば注射器等により病変粘膜部分90の粘膜下層に生理食塩水93を注入して、病変粘膜部分90を隆起させておく。
【0046】
次に、ハンドル32を長孔31aの先端側に移動させて処置部10をシース部20の先端開口20aから突出させる。このとき、処置部10のみならず、ベース部材15、チューブ16、摺動体34、リード線13、リード線14、及びケーブル接続部8も一体になって先端側に移動する。そして、術者は、シース部20の先端開口20aから突出された処置部10を隆起させた病変部92近傍から病変粘膜部分90内に挿通配置させる。このとき、図に示すように処置具2の断熱チップ7が固有筋層91側に配置される。
【0047】
次いで、術者は、フットスイッチ6をON操作する。このことにより、電源装置3の制御部55の制御の元、出力回路51から抵抗発熱体11に所定の電力が供給される。すると、抵抗発熱体11が発熱され、その熱が伝熱部材12に伝導されて発熱部材9の温度が上昇して組織切除可能な所定温度に到達する。ここで、術者は処置部10の処置面12bを、病変部92の周囲を取り囲むよう移動させて、病変部92を切除する。
【0048】
この切除の際、固有筋層91と処置部10との間には断熱チップ7が介在している。断熱チップ7は熱伝導率が低い部材で形成されているため、発熱部材9で発生した熱が該断熱チップ7に伝導され難い。すなわち、断熱チップ7が焼灼を行うのに適した温度に到達することが防止されている。このため、断熱チップ7が、固有筋層91等に接触した場合でも、この固有筋層91が断熱チップ7が接触したことによって焼灼されることが防止されている。したがって、術者が病変部92の切除を行う際に、誤って、処置部10の先端部で固有筋層91等の非処置対象部位を焼灼することが防止される。
【0049】
このように、本実施形態の処置具によれば、抵抗発熱体を発熱させ、抵抗発熱体と伝熱部材とで構成された発熱部材を有する処置部を所定温度まで上昇させて生体組織に対して処置を行う。このため、高周波エネルギを利用して生体組織の処置を行う場合と異なり、煙の発生を抑止することができる。したがって、煙による視野阻害が防止されて処置をスムーズに行える。
【0050】
また、本実施形態の処置具においては、処置部を構成する発熱部材の先端側に、熱伝導率が低い部材で形成して、焼灼を行うのに適した温度に到達することを防止する断熱チップを設けている。このため、処置部の処置面を処置対象部位に接触させて処置を行う際、処置部と、該処置部より先端側に位置する非処置対象部位との間には断熱チップが介在される。したがって、処置部を所定温度まで上昇させて処置を行っている間、非処置対象部位に対して焼灼温度に到達した処置部が直接、接触することを確実に防止することができる。そして、断熱チップが非処置対象部位に接触した場合でも、非処置対象部位が熱によって損傷されることが防止される。
【0051】
なお、上述した実施形態においては、消化器分野における病変粘膜部分90、及び固有筋層91を例に処置を説明したが、外科分野において例えば大網を切除する場合、病変粘膜部分90が大網に相当し、固有筋層91が大網の深部に存在する臓器である例えば、結腸等に相当する。
【0052】
また、処置部10を構成する発熱部材9の先端側に断熱チップ7を配設する構成は上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、図11に示す構成であってもよい。図11は処置部の他の構成例を説明する図である。
【0053】
図に示すように本実施形態の処置具2Aの処置部10Aの有する発熱部材9Aは、伝熱部材12Aと抵抗発熱体11とで構成されている。
【0054】
本実施形態において、断熱チップ7Aは処置部10Aの先端側に配設されているが、断熱チップ7Aには前記凸部7bを設ける代わりに伝熱部材配設穴7cを設けている。一方、伝熱部材12Aには断熱チップ配設穴12aの代わりに凸部12cを設けている。即ち、本実施形態では、伝熱部材12の凸部12cを断熱チップ7Aの伝熱部材配設穴7cに配置させ、螺合、ロー付け、或いは圧入等により一体的に固定して処置部10Aを構成している。このことによって、本実施形態においては、抵抗発熱体11が、伝熱部材12Aに設けられた凸部12cの根元近傍まで配置される。その他の構成は前述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0055】
このように、伝熱部材に凸部を設け、この凸部を断熱チップに設けた伝熱部材配設穴に配置させて、発熱部材の先端側に断熱部を設けている。このことによって、上述した実施形態に比べて、伝熱部材のより先端側まで抵抗発熱体を配置して発熱部材を構成することができる。このため、抵抗発熱体に電力を供給して発熱させた際、熱が伝熱部材全体に伝導されて、発熱部材全体が均等に加熱されて均一な温度になる。この結果、処置部の切除性能にばらつきが生じることが防止される。その他の作用、及び効果は上述した実施形態と同様である。
【0056】
さらに、上述した実施形態においては断熱チップ7の外形を形作る先端部7aの外径寸法と伝熱部材12の直径寸法とを略同径に形成して、処置部10に段差が生じることを防止した形状にしているが、断熱チップを図12に示すように構成してもよい。図12は処置部の別の構成を説明する図である。
【0057】
本実施形態の処置具2Bにおいては、図に示すように断熱チップ7Bの外形を形作る半球形状の先端部7eの外径寸法を伝熱部材12、12Aの直径寸法より大径に形成している。したがって、処置部10、10Aにおいては段部7dを有する。なお、断熱チップ7Bにおいては、前記図3に示した凸部7b、又は前記図11に示した伝熱部材配設穴7cを備え、断熱チップ7Bと伝熱部材12、12Aとが螺合、ロー付け、或いは圧入等によって一体的に固定されている。また、処置具2Bを体腔内に導入する際、ハンドル32を長孔31aの基端側に移動させて、断熱チップ7Aの段部7dをシース部20の先端開口20a近傍に当接させた状態にする。その他の構成は上述した実施形態同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0058】
本実施形態に示す処置具2Bを用いて例えば、上述した実施形態と同様の処置を行う場合、図13に示すように断熱チップ7Bは固有筋層91に対向する。図13は図12の処置部を備えた処置具の作用を説明する図である。
【0059】
図に示すように固有筋層91と処置部10との間に、伝熱部材12、12Aの外径寸法より太径の断熱チップ7Bが介在する。この結果、前述と同様に、非処置対象部位に対して焼灼温度に到達した処置部が直接、接触することを確実に防止することができる。
【0060】
加えて、本実施形態においては段部7dを病変部92近傍に配置させることによって病変粘膜部分90を吊り上げた状態にして、処置部10を移動させることが可能になる。このことによって、処置部10の処置面12bを病変部92の周囲を取り囲むよう移動させる動作をよりスムースに行って、病変部92の切除を行える。
【0061】
このように、本実施形態の処置具によれば、上述した実施形態の作用、及び効果に加えて、処置部に設けた段部で処置対象部位を吊り上げた状態にして、処置部を移動させることができる。このことによって、非処置対象部位が熱によって損傷されることや、処置部が処置対象部位から抜け落ちることを防止して処置具の操作をよりスムースに行える。
【0062】
又、上述した実施形態においては抵抗発熱体11を、通電されることによって熱を発生する電気抵抗性を有するNi−Cr、又はFe−Cr等の線状部材を略U字形状に形成し、
この抵抗発熱体11と伝熱部材12とを一体にして発熱部材9を構成しているが、発熱部材を図14、及び図15に示すように構成してもよい。図14は抵抗発熱体パターン部を伝熱部材の表面に設けた処置部の構成を説明する斜視図、図15は抵抗発熱体パターン部を設けた処置部の構成を説明する長手方向断面である。
【0063】
図14、及び図15に示すように本実施形態の処置具2Cの処置部10Cの有する発熱部材9Cは、伝熱部材12Cと、この伝熱部材12Cの表面に設けられる抵抗発熱体パターン部(以下、パターン部と略記する)11Aとで構成されている。発熱部材9Cの温度は電気抵抗性の増減に応じて変化する。処置部10Cには例えば断熱チップ7が設けられる。なお、処置部10Cに断熱チップ7A、又は断熱チップ7Bを設ける構成であってもよい。
【0064】
伝熱部材12Cはパターン部11Aの基材であって、銅やモリブデン等、高熱伝導率の部材で構成されている。伝熱部材12Cの先端面には断熱チップ配設穴12aが設けられている。パターン部11Aは伝熱部材12Cの外周面に設けられている。パターン部11Aは、正の温度係数を有する、言い換えれば、温度に比例して電気抵抗性が増加するモリブデン等の高融点金属で構成される。パターン部11Aは、PVDやCVD等の薄膜形成法、或いは、スクリーン印刷等の厚膜形成法により、伝熱部材12Cの先端側まで形成されている。そして、少なくとも、生体組織と接触する伝熱部材12Cの処置面12bには、生体組織の付着を防止する、PTFE等の非粘着性の材料で構成されたコーティング(不図示)が施されている。
【0065】
なお、伝熱部材12Cの基端部には接点部11a、11bが設けられており、それぞれの接点部11a、11bにはリード線13、14が抵抗溶接等の溶接により接合されている。その他の構成は上述した実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
【0066】
このように、パターン部を伝熱部材の表面に設ける構成においては、伝熱部材のより先端側まで抵抗発熱体を配置して発熱部材を構成することができる。このため、抵抗発熱体に電力を供給して発熱させた際、熱が伝熱部材全体に伝導されて、発熱部材全体が均等に加熱されて均一な温度になる。この結果、処置部の切除性能にばらつきが生じることが防止される。その他の作用、及び効果は上述した実施形態と同様である。
【0067】
上述した実施形態においては、制御部55によって、発熱部材9の温度を組織切除可能な所定温度に一定に制御すると記載しているが、図16に示すように電力制御モードで、図17に示すように抵抗発熱体の温度を制御するようにしたり、図18に示すように抵抗制御モードで、図19に示すようにパターン部の温度を制御するようにしてもよい。
【0068】
なお、図16は電源装置の出力制御を説明する電力と時間との関係を説明する図、図17は電力制御時における抵抗発熱体の温度変化を時間と温度との関係で示す図、図18は電源装置の出力制御を説明する抵抗値と時間との関係を示す図、図19は抵抗制御時におけるパターン部の温度変化を時間と温度との関係で示す図である。
【0069】
前記図3等に示すように抵抗発熱体11を備える発熱部材9において、制御部55は、図16に示すように電力を変化させて抵抗発熱体11の温度を制御する。
電力制御モードにおいて、フットスイッチ6がON操作されると電源装置3の制御部55は、電力制御モードの設定値に基づいて、出力回路51から抵抗発熱体11に所定の電力値Pの電力を供給する。
【0070】
制御部55は、フットスイッチ6からON操作信号が入力されると、出力回路51を駆動制御して図16に示すように電力を出力する。即ち、抵抗発熱体11にむけて時間Δtaの間、電力PHを出力し、その後、時間(Δtb−Δta)の間、電力PLを出力する。そして、制御部55にフットスイッチ6からのOFF操作信号が入力されるまでの間、抵抗発熱体11にむけて上述した時間Δtaの間、電力PHを出力する駆動制御と、その後の時間(Δtb−Δta)の間、電力PLを出力する駆動制御とを繰り返し行う。つまり、発熱部材9の抵抗発熱体11へ供給される電力P値はパルス状に変化する。
【0071】
このとき、電圧検出部52と電流検出部53とは、抵抗発熱体11の電圧値Vと、抵抗発熱体11を流れる電流値Iを検出する。電圧値Vと電流値Iとは演算回路54へ出力される。演算回路54は、電圧値Vと電流値Iから抵抗発熱体11の電力Pを求め、制御部55へ出力する。制御部55は、求められた電力P値と制御モードで設定されている設定値とを比較し、出力回路51から抵抗発熱体11への出力制御を行う。
【0072】
電力Pを受けた抵抗発熱体11は発熱し、その熱が伝熱部材12に伝導されて、発熱部材9の温度が抵抗発熱体11の温度変化に追従して変化する。
【0073】
なお、電力PHはパルス状出力の高レベル値を示し、電力PLはパルス状出力の低レベル値を示す。そして、高レベル電力PHの出力効率はΔta/Δtbを適宜設定することによって調整される。また、フットスイッチ6をOFF操作した際には、制御部55は出力回路51に制御信号を出力して、図中の時間t1に示すよう瞬時に該出力回路51からの電力供給を停止させる。さらに、出力効率Δta/Δtbは、切開等の処置を行う時間内において、可変される設定にしてもよい。
【0074】
図16に示す電力供給時において、抵抗発熱体11の温度は、図17に示すようにパルス状であって、のこぎりの刃状に最高温度THと最低温度TLとの間を変化する。つまり、抵抗発熱体11は、時間Δtaの間、電力PHが供給されることによって最高温度THまで変化される。一方、時間(Δtb−Δta)の間、電力PLが供給されることによって最低温度TLまで変化される。
【0075】
なお、本実施形態においては、最高温度THと最低温度TLとは組織切除可能な下限温度を元に設定される。具体的には、T0は組織切除が可能な粘膜切除下限温度(以下、下限温度と記載する)であるとき、最高温度THは下限温度T0よりも所定温度、高く設定される。一方、最低温度TLは下限温度T0よりも所定温度、低く設定される。したがって、処置具2の処置部10で粘膜切除を行う際、抵抗発熱体11の温度が下限温度T0よりも高い温度のとき粘膜切除を行える。言い換えると、電源装置3から抵抗発熱体11に電力が供給されている状態であっても、抵抗発熱体11の温度が図17に示すように下限温度T0を挟んで変化する。したがって、粘膜切除可能状態が間欠的になるので、粘膜切除は段階的に、ゆっくりと行われる。
【0076】
このことによって、万一、処置部10を処置対象部位とは異なる方向、つまり誤った方向に移動させてしまった場合において、非処置対象部位が一気に切除されることが防止される。
【0077】
なお、伝熱部材12は熱伝導率の高い材料である、処置部10の熱は生体組織に対して効率良く供給される。また、伝熱部材12は電気絶縁性を有するため、抵抗発熱体11を流れる電流は、抵抗発熱体11の周囲へ分流することが回避される。よって、電源装置3から供給された電力による抵抗発熱体11の発熱が効率良く行われる。さらに、抵抗発熱体11をNi−Cr又はFe−Crで構成した場合、抵抗発熱体11の温度変化に対する電気抵抗性の変化量がごく僅かである。したがって、電力Pの代わりに、電圧Vや電流Iをパルス状に変化させる出力を行っても同様の作用を得られる。
【0078】
このように、抵抗発熱体に供給する電力値をパルス状に変化させて、抵抗発熱体の温度が変化させて、粘膜切除可能温度を間欠的に得ることによって、生体組織を段階的に切除することができる。このことによって、生体組織を一気に切除してしまうことが防止されるとともに、万一、処置部を非処置対象部位に接触させてしまった場合でも損傷が軽減される。
前記図14等に示すようにパターン部11Aを備える発熱部材9Cにおいて、制御部55は、図18に示すように抵抗値を変化させてパターン部11Aの温度を制御する。
抵抗制御モードにおいて、フットスイッチ6がON操作されると電源装置3の制御部55は、抵抗制御モードの設定値に基づいて、出力回路51からパターン部11Aに電力を供給する。図18において、RHはパルス状出力の高レベル抵抗値、RLはパルス状出力の低レベル抵抗値であり、高レベル抵抗値RHの出力効率はΔta/Δtbにより設定される。
【0079】
なお、出力効率Δta/Δtbは、切開等の処置を行う時間内において、可変される設定にしてもよい。また、図18においてはRL>0としているが、RL=0、即ち、出力をOFFにするようにしてもよい。
【0080】
制御部55は、フットスイッチ6からON操作信号が入力されると、図18に示すように時間Δtaの間、パターン部11Aが高レベルの抵抗値RHとなるように出力回路51を駆動制御する。その後、制御部55は、時間(Δtb−Δta)の間、パターン部11Aに対して低レベルの抵抗値RLとなるように出力回路51を駆動制御する。そして、制御部55にフットスイッチ6からのOFF操作信号が入力されるまでの間、時間Δtaの間、パターン部11Aが高レベルの抵抗値RHになる制御と、その後の時間(Δtb−Δta)の間、パターン部11Aが低レベルの抵抗値RLになる制御とを繰り返し行う。このことによって、制御部55は、パターン部11Aの抵抗値Rをパルス状に変化させる出力制御を行う。
【0081】
抵抗制御モードによる出力制御では、パターン部11Aが正の温度係数を有するため、パターン部11Aの温度は、図18の電気抵抗性の増減に応じて、図19に示すように最高温度THと最低温度TLとの間をパルス状に変化する。つまり、パターン部11Aは抵抗値RHが時間Δta保持されることによって最高温度THとなり、抵抗値RLになると所定時間経過後、最低温度TLになって時間Δtbになるまでその温度に保持される。
【0082】
図19においてT0は下限温度であり、THは最高温度であって下限温度T0よりも所定温度、高く設定される。一方、TLは最低温度であって下限温度T0よりも所定温度、低く設定される。したがって、抵抗制御モードにおいても、パターン部11Aの温度が図19に示すように下限温度T0を挟んで変化するので、粘膜切除可能状態が間欠的になって、電力制御モードと同様の作用及び効果を得ることができる。
【0083】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1乃至図10は本発明の一実施形態に係り、図1は発熱処置装置のシステムを示す構成図
【図2】発熱処置具を説明する斜視図
【図3】発熱処置具の構成を説明する分解斜視図
【図4】図2の発熱処置具の長手方向断面斜視図
【図5】図2の発熱処置具の長手方向断面図
【図6】図5のVI−VI線断面図
【図7】電源装置の回路構成を説明するブロック図
【図8】ハンドルを基端側に移動させた状態の発熱処置具を示す斜視図
【図9】ハンドルを基端側に移動させた状態における発熱処置具の長手方向断面図
【図10】発熱処置具の作用を説明する図
【図11】処置部の他の構成例を説明する図
【図12】処置部の別の構成を説明する図
【図13】図12の処置部を備えた処置具の作用を説明する図
【図14】抵抗発熱体パターン部を伝熱部材の表面に設けた処置部の構成を説明する斜視図
【図15】抵抗発熱体パターン部を設けた処置部の構成を説明する長手方向断面
【図16】電源装置の出力制御を説明する電力と時間との関係を説明する図
【図17】電力制御時における抵抗発熱体の温度変化を時間と温度との関係で示す図
【図18】電源装置の出力制御を説明する抵抗値と時間との関係を示す図
【図19】抵抗制御時におけるパターン部の温度変化を時間と温度との関係で示す図
【符号の説明】
【0085】
1…発熱処置装置 2…発熱処置具 3…電源装置 7…断熱チップ
9…発熱部材 10…処置部 11…抵抗発熱体 12…伝熱部材
20…シース部 30…操作部




 

 


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