Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
高周波処置具 - オリンパスメディカルシステムズ株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> オリンパスメディカルシステムズ株式会社

発明の名称 高周波処置具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−169(P2007−169A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−180364(P2005−180364)
出願日 平成17年6月21日(2005.6.21)
代理人 【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
発明者 鈴木 啓太 / 木村 恵
要約 課題
高周波電流を処置部に効率よく印加することができるだけでなく、迅速かつ容易に処置を行うことができる高周波処置具を提供すること。

解決手段
体腔内に挿入される可撓管3と、この可撓管3の先端部に配されて、高周波電流が印加される処置部2と、を備える高周波処置具1において、前記可撓管3が、複数の導電性素線が巻回されて形成され、かつ前記処置部2に電気的に接続された多条コイル6を備え、この多条コイル6に前記高周波電流が流されることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
体腔内に挿入される可撓管と、この可撓管の先端部に配されて、高周波電流が印加される処置部と、を備える高周波処置具において、
前記可撓管が、
複数の導電性素線が巻回されて形成され、かつ前記処置部に電気的に接続された多条コイルを備え、
この多条コイルに前記高周波電流が流されることを特徴とする高周波処置具。
【請求項2】
前記複数の導電性素線のうち、一の導電性素線が、他の導電性素線よりも導電性の高い素材からなり、他の導電性素線が、一の導電性素線よりも機械的特性に優れた素材からなることを特徴とする請求項1に記載の高周波処置具。
【請求項3】
前記複数の導電性素線に、これら複数の導電性素線を覆う導電部材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高周波処置具。
【請求項4】
前記可撓管に進退可能に挿通され、前記処置部に電気的に接続された操作ワイヤを備え、
前記多条コイルと前記操作ワイヤとの両方に、前記高周波電流が流されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の高周波処置具。
【請求項5】
体腔内に挿入される可撓管と、この可撓管に進退可能に挿通された操作ワイヤと、この操作ワイヤに電気的に接続され、高周波電流が印加される処置部と、を備える高周波処置具において、
前記操作ワイヤが、複数の素材からなり、
前記複数の素材のうち、一の素材が、他の素材よりも導電性の高い素材であり、他の素材が、一の素材よりも機械的特性に優れた素材であって、
前記操作ワイヤに前記高周波電流が流されることを特徴とする高周波処置具。
【請求項6】
前記操作ワイヤが、前記一の素材からなる一の素線と、前記他の素材からなる他の素線とを備えることを特徴とする請求項5に記載の高周波処置具。
【請求項7】
前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが撚り合わされた撚り線ワイヤであることを特徴とする請求項6に記載の高周波処置具。
【請求項8】
前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが互いに平行に配されて構成されていることを特徴とする請求項6に記載の高周波処置具。
【請求項9】
前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが互いに長さ方向に連結されて構成されていることを特徴とする請求項6に記載の高周波処置具。
【請求項10】
前記操作ワイヤが、前記他の素材からなる芯線と、前記一の素材からなり前記芯線を覆う導電性部材と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の高周波処置具。
【請求項11】
前記操作ワイヤが、前記他の素材からなり長尺状に延びる樹脂部と、前記一の素材からなり前記樹脂部の内部に配されて前記樹脂部の全長にわたって延びる炭素繊維線と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の高周波処置具。
【請求項12】
前記可撓管が、
導電性素線が巻回されて形成され、かつ前記処置部に電気的に接続されたコイル体を備え、
前記コイル体と前記操作ワイヤとの両方に、前記高周波電流が流されることを特徴とする請求項5から請求項11のいずれか一項に記載の高周波処置具。
【請求項13】
体腔内に挿入される可撓管と、この可撓管の先端部に配されて、高周波電流が印加される処置部と、を備える高周波処置具において、
前記可撓管が、
導電部材によって覆われた導電性素線が巻回されて形成され、かつ前記処置部に電気的に接続されたコイル体を備え、
このコイル体に前記高周波電流が流されることを特徴とする高周波処置具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡とともに用いられて、各種処置を行う高周波処置具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野などにおいて、内視鏡によって観察画像を確認しながら各種処置を行う高周波処置具が利用されている。これら高周波処置具は、コイル体を有する可撓管と、この可撓管に進退可能に挿通された操作ワイヤと、この操作ワイヤに設けられ、高周波電源からの高周波電流が印加される処置部と、を備えているのが一般的である。
【0003】
これら高周波処置具の中には、操作ワイヤに高周波電流を流し、この操作ワイヤを介して処置部に高周波電流を印加するものが周知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
また、コイル体の外周に短絡用線材を巻き付け、この短絡用線材に高周波電流を流して処置部に印加するものも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
ここで、高周波電源からの高周波電流を処置部に効率よく供給するためには、高周波電流に対するインピーダンスをより低下させるのが好ましい。
【特許文献1】特開2005−58344号公報
【特許文献2】特開2000−333970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の高周波処置具では、操作ワイヤの特性として、引っ張り特性や回転追従特性などの機械的特性に優れたものが要求され、電流供給の効率化よりも機械的特性が優先されるため、高周波電流に対する全体のインピーダンスを低下させるにも限界がある。
一方、上記特許文献2に記載の高周波処置具では、短絡用線材により全体のインピーダンスを低下させることはできるものの、コイル体の径方向に短絡用線材を設ける必要があるため、可撓管の径が増大してしまう。そのため、操作性が悪くなるだけでなく、患者への負担が大きくなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高周波電流を処置部に効率よく印加することができるだけでなく、患者への負担を抑え、迅速かつ容易に処置を行うことができる高周波処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る高周波処置具は、体腔内に挿入される可撓管と、この可撓管の先端部に配されて、高周波電流が印加される処置部と、を備える高周波処置具において、前記可撓管が、複数の導電性素線が巻回されて形成され、かつ前記処置部に電気的に接続された多条コイルを備え、この多条コイルに前記高周波電流が流されることを特徴とする。
【0007】
この高周波処置具においては、多条コイルに高周波電流を流すと、その高周波電流は、多条コイルを通って処置部に印加される。
ここで、多条コイルは、複数の導電性素線が巻回されているため、導電性素線の本数が増えた分、一条コイルよりも導電性素線の総断面積が大きくなる。また、一つ一つの導電性素線は、他の導電性素線が巻回されるスペース分を空けて巻回されるため、多条コイルの基端から先端までに巻回される長さも短くなる。そのため、多条コイルの径方向に短絡用の線材を設けることなく、多条コイルにおける高周波電流に対するインピーダンスを低減させることができる。
【0008】
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項1に記載の高周波処置具において、前記複数の導電性素線のうち、一の導電性素線が、他の導電性素線よりも導電性の高い素材からなり、他の導電性素線が、一の導電性素線よりも機械的特性に優れた素材からなることを特徴とする。
【0009】
この高周波処置具においては、多条コイルに高周波電流を流すと、その高周波電流は、導電性の高い一の導電性素線を通って処置部に印加される。また、他の導電性素線により、多条コイルに必要な引っ張り強度などが確保される。
これにより、多条コイルの機械的特性を維持しつつ、多条コイルのインピーダンスを低減させることができる。
なお、「機械的特性」とは、引っ張り特性、曲げ持性、せん断特性、捻れ特性、回転追従特性、圧縮特性、衝撃特性、耐摩耗特性などをいう。
【0010】
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項1または請求項2に記載の高周波処置具において、前記複数の導電性素線に、これら複数の導電性素線を覆う導電部材が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この高周波処置具においては、多条コイルに高周波電流を流すと、その高周波電流は、主に導電部材を通って処置部に印加される。
これにより、インピーダンスを一層低減させることができる。
【0012】
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の高周波処置具において、前記可撓管に進退可能に挿通され、前記処置部に電気的に接続された操作ワイヤを備え、前記多条コイルと前記操作ワイヤとの両方に、前記高周波電流が流されることを特徴とする。
【0013】
この高周波処置具においては、多条コイルと操作ワイヤとの両方に高周波電流を流し、その高周波電流は、多条コイルと操作ワイヤとを通って処置部に印加される。
これにより、多条コイルと操作ワイヤとによって全体のインピーダンスを一層低下させることができる。
【0014】
また、本発明に係る高周波処置具は、体腔内に挿入される可撓管と、この可撓管に進退可能に挿通された操作ワイヤと、この操作ワイヤに電気的に接続され、高周波電流が印加される処置部と、を備える高周波処置具において、前記操作ワイヤが、複数の素材からなり、前記複数の素材のうち、一の素材が、他の素材よりも導電性の高い素材であり、他の素材が、一の素材よりも機械的特性に優れた素材であって、前記操作ワイヤに前記高周波電流が流されることを特徴とする。
【0015】
この高周波処置具においては、操作ワイヤに高周波電流を流すと、その高周波電流は、主として導電性の高い一の素材を通って処置部に印加される。また、他の素材により、操作ワイヤに必要な引っ張り強度などが確保される。
これにより、操作ワイヤの機械的特性を維持しつつ、そのインピーダンスを低減させることができる。
【0016】
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項5に記載の高周波処置具において、前記操作ワイヤが、前記一の素材からなる一の素線と、前記他の素材からなる他の素線とを備えることを特徴とする。
【0017】
この高周波処置具においては、操作ワイヤに高周波電流を流すと、その高周波電流は、主として導電性の高い一の素線を通って処置部に印加される。また、他の素線により、操作ワイヤに必要な引っ張り強度などが確保される。
これにより、確実に、操作ワイヤの機械的特性を維持しつつ、そのインピーダンスを低減させることができる。
【0018】
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項6に記載の高周波処置具において、前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが撚り合わされた撚り線ワイヤであることを特徴とする。
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項6に記載の高周波処置具において、前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが互いに平行に配されて構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項6に記載の高周波処置具において、前記操作ワイヤが、前記一の素線と前記他の素線とが互いに長さ方向に連結されて構成されていることを特徴とする。
【0019】
これらの高周波処置具によれば、請求項6に係る高周波処置具と同様の効果を奏することができる。
【0020】
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項5に記載の高周波処置具において、前記操作ワイヤが、前記他の素材からなる芯線と、前記一の素材からなり前記芯線を覆う導電性部材と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この高周波処置具においては、操作ワイヤに高周波電流を流すと、その高周波電流は、導電性部材を通って処置部に印加される。また、芯線により、操作ワイヤに必要な引っ張り強度などが確保される。
これにより、操作ワイヤの機械的特性を維持しつつ、そのインピーダンスを低減させることができる。
【0022】
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項5に記載の高周波処置具において、前記操作ワイヤが、前記他の素材からなり長尺状に延びる樹脂部と、前記一の素材からなり前記樹脂部の内部に配されて前記樹脂部の全長にわたって延びる炭素繊維線と、を備えることを特徴とする。
【0023】
この高周波処置具においては、操作ワイヤに高周波電流を流すと、その高周波電流は、炭素繊維線を通って処置部に印加される。また、樹脂部により、操作ワイヤに必要な引っ張り強度などが確保される。
これにより、操作ワイヤの機械的特性を維持しつつ、そのインピーダンスを低減させることができる。
【0024】
また、本発明に係る高周波処置具は、請求項5から請求項11のいずれか一項に記載の高周波処置具において、前記可撓管が、導電性素線が巻回されて形成され、かつ前記処置部に電気的に接続されたコイル体を備え、前記コイル体と前記操作ワイヤとの両方に、前記高周波電流が流されることを特徴とする。
【0025】
この高周波処置具においては、コイル体と操作ワイヤとの両方に高周波電流を流すと、その高周波電流は、コイル体と操作ワイヤとを通って処置部に印加される。
これにより、多条コイルと操作ワイヤとによって全体のインピーダンスを一層低下させることができる。
【0026】
また、本発明に係る高周波処置具は、体腔内に挿入される可撓管と、この可撓管の先端部に配されて、高周波電流が印加される処置部と、を備える高周波処置具において、前記可撓管が、導電部材によって覆われた導電性素線が巻回されて形成され、かつ前記処置部に電気的に接続されたコイル体を備え、このコイル体に前記高周波電流が流されることを特徴とする。
【0027】
この高周波処置具においては、コイル体に高周波電流を流すと、その高周波電流は、導電部材を通って処置部に印加される。
これにより、コイル体のインピーダンスを低減させることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、多条コイルの径方向に短絡用の線材を設けることなく、高周波電流に対する全体のインピーダンスを低減させることができることから、高周波電流を処置部に効率よく印加することができるだけでなく、迅速かつ容易に処置を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(実施形態1)
以下、本発明の第1実施形態における高周波処置具について、図面を参照して説明する。
図1において、符号1は高周波処置具を示すものである。
高周波処置具1は、可撓性を有し筒状に延びるシース部(可撓管)3を備えている。シース部3は、後述する多条コイル6を備えており、この多条コイル6の外周面には、その外周面を覆うようにして外チューブ7が設けられている。シース部3の筒孔12を形成する多条コイル6内には、操作ワイヤ13が挿通されている。操作ワイヤ13は、機械的特性に優れたステンレスや鋼などの金属線からなり、シース部3に対して進退させることができるようになっている。また、シース部3の先端には、一対の鉗子片16を有する処置部2が設けられている。鉗子片16の基端部には、操作ワイヤ13の先端部が接続されている。そして、操作ワイヤ13をシース部3に対して進退させると、図2及び図3に示すように、鉗子片16が互いに開閉するようになっている。
【0030】
一方、シース部3の後端には、各種操作を行うための操作部8が連結されている。
操作部8は、シース部3が連結される操作先端部11と、この操作先端部11からシース部3の軸線方向後方に延びる操作本体部17と、この操作本体部17が挿通されて、操作本体部17に対して進退可能に支持されたスライド部18とを備えている。操作本体部17には、不図示の高周波電源に接続するための接続部21が設けられている。接続部21は、柱状に延びる電極端子22を備えており、高周波電源から延びる不図示のケーブルを接続部21に接続することにより、そのケーブルと電極端子22とが電気的に接続されるようになっている。
また、スライド部18には、ワイヤ取付部27を介して操作ワイヤ13の基端部が取り付けられている。そして、スライド部18を操作本体部17に対して進退させると、操作ワイヤ13がシース部3に対して進退するようになっている。
【0031】
さらに、本実施形態におけるシース部3は、上記多条コイル6を備えている。多条コイル6は、図2に示すように、複数の導電性素線6a,6b,6c,6dが、一定の径で巻回されて形成されている。導電性素線6a,6b,6c,6dは、例えば、ステンレス、鋼、硬鋼、ピアノ線、銅及び銅合金、銀及び銀合金、白金及びその合金、または金などの金属線からなっている。
【0032】
多条コイル6の先端には、環状の連結部28が設けられており、連結部28の先端側には、上記処置部2が設けられている。連結部28は、金属などの導電性部材からなっており、その外表面には絶縁処理が施されている。これにより、多条コイル6と処置部2とが、連結部28を介して電気的に接続されている。
一方、多条コイル6の基端部は、図1に示すように、電極端子22の基端部に設けられたコイル取付部26に固定されている。そして、このコイル取付部26に多条コイル6が取り付けられることにより、各導電性素線6a,6b,6c,6dと電極端子22とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0033】
次に、このように構成された本実施形態における高周波処置具1の作用について説明する。
まず、内視鏡の挿入部を被検体内に挿入し、前記挿入部を被処置部の近傍まで送り込む。さらに、前記挿入部に形成された鉗子チャンネルを介して、シース部3を被検体内に挿入し、被処置部まで送り込む。それから、高周波電源からのケーブルを接続部21に接続する。そして、スライド部18を退行させて鉗子片16を互いに開いた状態にし、これら鉗子片16の間に被処置部が配されるようにする。次いで、スライド部18を進行させると、鉗子片16が互いに閉じられ、被処置部が把持される。この状態で、後述するように高周波電流を処置部2に印加し、被処置部を焼灼することにより、止血や切開などの各種処置が行われる。
【0034】
ここで、本実施形態においては、以下のようにして処置部2に高周波電流が印加される。すなわち、上述のように、高周波電源からのケーブルを接続部21に接続すると、ケーブルと電極端子22とが電気的に接続される。これにより、電極端子22と処置部2とが、コイル取付部26、多条コイル6及び連結部28を介して電気的に接続される。このように接続された状態で、高周波電源を駆動する。すると、高周波電源からの高周波電流は、ケーブルから電極端子22へと流れ、さらに、コイル取付部26を介して、それぞれの導電性素線6a,6b,6c,6dに流れる。
【0035】
このとき、多条コイル6が設けられたことにより、一つの素線が巻回されて形成される一条コイルに比べて導電性素線6a,6b,6c,6dの本数が増えたため、導電性素線6a,6b,6c,6dの総断面積が大きくなる。さらに、例えば導電性素線6aは、他の導電性素線6b,6c,6dが巻回されるスペース分を空けて巻回されるため、多条コイル6の基端から先端までに巻回される導電性素線6aの長さは短くなる。同様に、他の導電性素線6b,6c,6dの長さも短くなる。これら導電性素線6a,6b,6c,6dを通って、高周波電流が、連結部28を介して処置部2に印加される。
【0036】
以上より、本実施形態における高周波処置具1によれば、導電性素線6a,6b,6c,6dの総断面積が大きくなるとともに、それぞれの長さ寸法が短くなることから、多条コイル6の径方向に短絡用の線材を設けることなく、高周波電源と処置部2との間の全体のインピーダンスを低減させることができる。そのため、高周波電流を処置部2に効率よく印加することができるだけでなく、シース部3の径を維持することができ、迅速かつ容易に処置を行うことができる。
【0037】
なお、本実施形態における高周波処置具1においては、多条コイル6に高周波電流を流す構成としたが、これに限ることはなく、多条コイル6及び操作ワイヤ13の両方に高周波電流を流すようにしてもよい。例えば、図4に示すように、スライド部18に接続部21を設け、電極端子22の基端部にワイヤ取付部27´を設ける。そして、ワイヤ取付部27´に操作ワイヤ13を取り付けることにより、電極端子22と操作ワイヤ13とが電気的に接続される。さらに、操作ワイヤ13の外周に、導電部材からなる接続片31を設け、この接続片31と多条コイル6とを接触させるようにする。そして、操作ワイヤ13と処置部2とを電気的に接続する。これにより、操作ワイヤ13と多条コイル6とが電気的に並列に接続される。
【0038】
このような構成のもと、高周波電源を駆動すると、電極端子22から操作ワイヤ13に高周波電流が流れる。この高周波電流のうち、一部は、そのまま操作ワイヤ13を通っていき、残りは接続片31を介して多条コイル6を流れていく。すなわち、操作ワイヤ13及び多条コイル6の両方に高周波電流が流れて、処置部2に印加される。
これにより、多条コイル6と操作ワイヤ13とによって全体のインピーダンスを一層低下させることができる。
なお、多条コイル6を一条コイルにした場合、上記のように接続片31を設けて操作ワイヤ13に高周波電流を流しても、一条コイルのインピーダンスが格段に大きいため、一条コイルにほとんど高周波電流は流れず、そのまま操作ワイヤ13を流れてしまう。すなわち、全体のインピーダンスはほとんど変わらない。
本高周波処置具1では、多条コイル6のインピーダンスが低下しているため、接続片31を介して多条コイル6に多くの高周波電流が流れる。すなわち、上述のように多条コイル6と操作ワイヤ13とで、全体のインピーダンスを一層低下させることができる。
【0039】
また、多条コイル6及び操作ワイヤ13の両方に高周波電流を流す構成として、接続片31に代えて、図5に示すように、コイル用接続部32を設けるようにしてもよい。そして、コイル取付部26に多条コイル6を取り付けて、コイル用電極端子33と多条コイル6とを電気的に接続する。これにより、コイル用電極端子33と電極端子22とを介して、多条コイル6と操作ワイヤ13とが電気的に並列に接続される。
【0040】
また、複数の導電性素線6a,6b,6c,6dが、金属線からなるとしたが、各導電性素線6a,6b,6c,6dが、それぞれ異なる素材によって構成されていてもよい。すなわち、導電性素線6a,6cを、導電性素線6b,6dよりも導電性の高い素材とし、導電性素線6b,6dを、導電性素線6a,6cよりも機械的特性に優れた素材としてもよい。例えば、導電性素線6a,6cを、銅及び銅合金、銀及び銀合金、白金及びその合金、または金などの金属線とし、導電性素線6b,6dを、ステンレス、鋼、硬鋼、などの金属線とする。すなわち、導電性素線6a,6cは一の導電性素線として機能し、導電性素線6b,6dは他の導電性素線として機能するものである。なお、導電性素線6a,6b,6c,6dの素材の組み合わせは適宜変更可能である。
【0041】
このような構成のもと、多条コイル6に高周波電流を流すと、その高周波電流は、主に導電性素線6a,6cを通って処置部2に印加される。また、主に導電性素線6b,6dにより、多条コイル6に必要な引っ張り特性や回転追従特性などの機械的特性が確保される。
これにより、多条コイル6の機械的特性を維持しつつ、多条コイル6のインピーダンスを低減させることができる。
【0042】
また、図6に示すように、導電性素線6a,6b,6c,6dに金属メッキなどによる導電層(導電部材)9を設けるようにしてもよい。この場合、それぞれの導電性素線6a,6b,6c,6dに導電層9を設けてから、多条コイル6を形成してもよいし、多条コイル6を形成してから全体に導電層9を設けるようにしてもよい。これにより、全体のインピーダンスを一層低減させることができる。また、導電層9を設ける場合、多条コイル6に代えて、一条コイルを設けてもよい。この場合でも、高周波電流を導電層9に流すことができ、全体のインピーダンスを低減させることができる。
さらに、処置部2が一対の鉗子片16を備えるとしたが、これに代えて、針状メス、スネアまたはパピロトミーナイフなどの他の処置具であってもよい。
また、本実施形態における高周波処置具1は、モノポーラ型の処置具としたが、これに限ることはなく、バイポーラ型としてもよい。
【0043】
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7及び図8は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図7及び図8において、図1から図6に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
【0044】
本実施形態における高周波処置具1は、一の素線36aと他の素線36bとを有する操作ワイヤ36を備えており、この操作ワイヤ36は、一の素線36aと他の素線36bとが撚り合わされた撚り線ワイヤとして構成されている。
一の素線36aは、他の素線36bの素材よりも導電性の高い素材からなり、他の素線36bは、一の素線36aの素材よりも機械的特性に優れた素材からなっている。例えば、一の素線36aは、銅及び銅合金、銀及び銀合金、白金及びその合金、または金などの金属線からなっており、他の素線36bは、ステンレス、鋼、硬鋼、などの金属線からなっている。
なお、処置部2は、弾性ワイヤがループ状に形成されたスネアループ37とされている。
【0045】
このような構成のもと、操作ワイヤ36に高周波電流を流すと、その高周波電流は、一の素線36aを通って処置部2に印加される。また、他の素線36bにより、操作ワイヤ36に必要な引っ張り特性や回転追従特性などの機械的特性が確保される。
以上より、シース部3の径方向に短絡用の線材を設けることなく、高周波電源と処置部2との間の全体のインピーダンスを低減させることができる。そのため、高周波電流を処置部2に効率よく印加することができるだけでなく、シース部3の径を維持することにより患者への負担を抑え、迅速かつ容易に処置を行うことができる。さらに、操作ワイヤ36のインピーダンスを低減させつつ、操作ワイヤ36の機械的特性を維持することができる。
【0046】
なお、図8に示すように、素線36a,36bを合計6本設けているが、これに限ることはなく、その本数は適宜変更可能である。その場合、導電性の高い素材及び機械的特性に優れた素材の組み合わせも適宜変更可能である。
また、処置部2をスネアループ37としたが、これに代えて、例えば、図9に示すように、針状メス38としてもよい。なお、符号42は一条に巻かれたコイル体を示したものである。さらに、止血鉗子やパピロトミーナイフなどの他の処置具であってもよい。
【0047】
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図10及び図11は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
本実施形態における操作ワイヤ41は、上記と同様の導電性の高い一の素線41aと、機械的特性に優れた他の素線41bとを備えており、それら一の素線41aと他の素線41bとがシース部3の軸線に沿って設けられている。すなわち、一の素線41aと他の素線41bとは、互いに平行に配されている。
なお、処置部2はナイフ43を備えており、高周波処置具1はパピロトミーナイフとして構成されている。
【0048】
このような構成のもと、操作ワイヤ41に高周波電流を流すと、その高周波電流は、一の素線41aを通って処置部2に印加される。また、他の素線41bにより、操作ワイヤ41に必要な機械的特性が確保される。
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0049】
なお、図11において、一の素線41a及び他の素線41bをそれぞれ2本づつ設けているが、これに限ることはなく、その設置数は適宜変更可能である。例えば、図12に示すように、一の素線41a及び他の素線41bをそれぞれ1本づつ設けるようにしてもよい。これにより、操作ワイヤ41の構成を簡易にすることができる。
また、本実施形態においては、高周波処置具1をモノポーラ型としているが、これに代えて、図13に示すように、バイポーラ型としてもよい。この場合、一の素線41aを少なくとも2本設けて、ケーブル46のプラスとマイナスをそれぞれに接続すればよい。
【0050】
(実施形態4)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図14は、本発明の第4の実施形態を示したものである。
本実施形態における操作ワイヤ47は、上記と同様の導電性の高い一の素線47aと、機械的特性に優れた他の素線47bとを備えており、それら一の素線47aと他の素線47bとがワイヤ連結部48を介して長さ方向に連結されている。一の素線47aは操作部8側に設けられ、他の素線47bは処置部2側に設けられている。
なお、ナイフ43は、他の素線47bが延長されて構成されたものである。
【0051】
このような構成のもと、操作ワイヤ47に高周波電流を流すと、その高周波電流は、一の素線47aから、ワイヤ連結部48を介して他の素線47bを通って処置部2に印加される。また、他の素線47bにより、操作ワイヤ47に必要な引っ張り特性や回転追従特性などの機械的特性が確保される。
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、他の素線47bを延長させてナイフ43を形成するとしたが、これに限ることはなく、ナイフ43のみを他の素線47bとして、残りを一の素線47aとしてもよい。この場合、ナイフ43は、処置部2と操作ワイヤ47とを兼用することになる。
また、ナイフ43に代えて、針状メスやスネアループを設けるようにしてもよい。この場合も、針状メスやスネアループのみを他の素線47bとすることができる。さらに、止血鉗子などの他の処置具であってもよい。
【0053】
(実施形態5)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図15は、本発明の第5の実施形態を示したものである。
本実施形態における操作ワイヤ52は、機械的特性に優れた他の素材からなる芯線53と、導電性の高い一の素材からなる導電膜(導電性部材)51とを備えている。導電膜51は、芯線53の外周面に金属メッキなどにより設けられる。
このような構成のもと、操作ワイヤ52に高周波電流を流すと、その高周波電流は、導電膜51を通って処置部2に印加される。また、芯線53により機械的特性が確保される。
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0054】
(実施形態6)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図16及び図17は、本発明の第6の実施形態を示したものである。
本実施形態における操作ワイヤ56は、炭素繊維強化樹脂(CFRP)からなっている。すなわち、操作ワイヤ56は、機械的特性に優れた他の素材からなる樹脂部57と、導電性の高い一の素材からなる炭素繊維線58とを備えている。炭素繊維線58は、樹脂部57の内部に配されて、その全長にわたって線状に延ばされている。
このような構成のもと、操作ワイヤ56に高周波電流を流すと、その高周波電流は、炭素繊維線58を通って処置部2に印加される。また、樹脂部57により機械的特性が確保される。
以上より、上記第2の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0055】
なお、上記第2から第6の実施形態において、操作ワイヤ36,41,47,52,56に高周波電流を流すとしたが、これに限ることはなく、コイル体42を設けて、このコイル体42と操作ワイヤ36,41,47,52,56との両方に高周波電流を流すようにしてもよい。この場合、コイル体42を多条コイルにすれば、一層インピーダンスを低減させることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る高周波処置具の第1の実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1の処置部及びシース部の様子を拡大して示す側断面図である。
【図3】図2の鉗子片が互いに開いた様子を示す説明図である。
【図4】図1の高周波処置具の変形例を示す側断面図である。
【図5】図1の高周波処置具の他の変形例を示す側断面図である。
【図6】図1の多条コイルに導電層を設けた様子を示す断面図である。
【図7】本発明に係る高周波処置具の第2の実施形態を示す側断面図である。
【図8】図7の操作ワイヤを拡大して示す断面図である。
【図9】図7の高周波処置具の変形例を示す側断面図である。
【図10】本発明に係る高周波処置具の第3の実施形態を示す側断面図である。
【図11】図10のシース部を拡大して示す断面図である。
【図12】図11の変形例を示す断面図である。
【図13】図10の変形例を示す図であって、バイポーラ型として構成した様子を示す側断面図である。
【図14】本発明に係る高周波処置具の第4の実施形態を示す側断面図である。
【図15】本発明に係る高周波処置具の第5の実施形態の要部を示す断面図である。
【図16】本発明に係る高周波処置具の第6の実施形態の要部を示す断面図である。
【図17】図16の操作ワイヤを拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
1 高周波処置具
2 処置部
3 シース部(可撓管)
6 多条コイル
6a,6c 導電性素線(一の導電性素線)
6b,6d 導電性素線(他の導電性素線)
9 導電層(導電部材)
13,36,41,47,52,56 操作ワイヤ
36a,41a,47a,52a,56a 一の素線
36b,41b,47b,52b,56b 他の素線
42 コイル体
51 導電膜(導電性部材)
53 芯線
57 樹脂部
58 炭素繊維線





 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013