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発明の名称 養毛・育毛剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70305(P2007−70305A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−261218(P2005−261218)
出願日 平成17年9月8日(2005.9.8)
代理人 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
発明者 滝川 博文 / 笹嶋 美知代 / 伊藤 紀子
要約 課題
症状や体質に関らず、養毛・育毛を促進し、種々の脱毛症に有効な育毛剤を提供すること。

解決手段
乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物を有効成分とする養毛・育毛剤。
特許請求の範囲
【請求項1】
乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物を有効成分とする養毛・育毛剤。
【請求項2】
乳酸菌が、ラクトバチルス属、ペディオコッカス属又はロイコノストック属に属するものである請求項1記載の養毛・育毛剤。
【請求項3】
乳酸菌がラクトバチルス・ラクティス、ペディオコッカス・アシディラクティシィ又はロイコノストック・メセンテロイデスである請求項2記載の養毛・育毛剤。
【請求項4】
乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物を含有する養毛・育毛剤であって、乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物による養毛・育毛効果がある旨を表示した養毛・育毛剤。
【請求項5】
乳酸菌の培養液を有機溶媒抽出することを特徴とする養毛・育毛剤の製造方法。
【請求項6】
乳酸菌がラクトバチルス属、ペディオコッカス属又はロイコノストック属に属するものである請求項5記載の養毛・育毛剤の製造方法。
【請求項7】
独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物寄託センターにFERM P−20586として寄託された微生物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は優れた養毛・育毛効果を有する養毛・育毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
養毛・育毛を目的とした医薬品または薬用化粧料には、養毛・育毛効果を有する合成物質又は天然の動植物や微生物の抽出エキス等の薬効成分が広く使用されている。例えば、トランス-3,4’-ジメチル-3-ヒドロキシフラバノンに代表されるフラバノノール誘導体(特許文献1)、Eucalyptus属植物の抽出物(特許文献2)、ストレプトコッカス属やラクトバチルス属細菌の培養濾液(特許文献3)に育毛作用があることが報告されている。しかし、さらに効果の高い養毛・育毛活性を有する剤が求められている。
【特許文献1】特開2004-26812号公報
【特許文献2】特開2000-154118号公報
【特許文献3】国際公開第00/69399号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、症状や体質に関らず、養毛・育毛を促進し、種々の脱毛症に有効な養毛・育毛剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、動植物や微生物等の天然物由来の抽出物から養毛・育毛効果の高い抽出物を探索したところ、乳酸菌の培養液の有機溶媒抽出画分に優れた養毛・育毛効果があることを見出した。また、優れた養毛・育毛効果を有する新規菌株を見出した。
【0005】
すなわち本発明は、乳酸菌培養液の有機溶媒抽出液を有効成分とする養毛・育毛剤を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物を含有する養毛・育毛剤であって、乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物による養毛・育毛効果がある旨を表示した養毛・育毛剤を提供するものである。
【0007】
また、本発明は乳酸菌の培養液を有機溶媒抽出することを特徴とする養毛・育毛剤の製造方法を提供するものである。
【0008】
さらに、本発明は、独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物寄託センターにFERM P−20586として寄託された微生物(ロイコノストック・メセンテロイデスKSM−4/108)を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の養毛・育毛剤を頭皮等に適用することにより、適用部位において優れた養毛・育毛効果が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に用いる乳酸菌としては、その有機溶媒抽出物が養毛・育毛活性を有するものであれば限定はされないが、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属又はロイコノストック(Leuconostoc)属由来の乳酸菌が好ましい。特に、ラクトバチルス・ラクティス(Lactobacillus lactis)JCM1107、ペディオコッカス・アシディラクティシィ (Pediococcus acidilactici)JCM9797又は、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)KSM-4/108が好ましい。
【0011】
上記乳酸菌のうち、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)KSM-4/108は、発明者らにより市販の白菜漬けより分離された菌株である。以下に当該菌株の菌学的性質並びに生理学的性質について示す。
[KSM-4/108の性質]
A.形態学的性質
(1)形態 MRS寒天平板培地を用いて30℃、48時間嫌気培養後の結果を示す。形状:球菌、大きさ:0.5-1×1-2μm、連鎖したもの多数
(2)グラム染色性:陽性
(3)コロニー形態 形状:円形、周縁:全縁、大きさ:直径0.2-0.8mm、色調:白色、表面:円滑
(4)芽胞形成:陰性
(5)運動性:なし
B.生理学的性質
(1)ガス産生:あり
(2)カタラーゼ活性:陰性
(3)脱脂乳凝固性:凝固
(4)ゼラチン液化性:なし
(5)硝酸塩還元性:なし
(6)インドール産性:なし
(7)硫化水素産性:なし
(8)糖の発酵性:市販の細菌同定用キットAPI 50 CHL(bioMerieux社)にて糖の発酵性を検討した結果を以下に記載する。(+は発酵性有りを示し、−は発酵性なしを示す。)
グリセロール −
エリスリトール −
D-アラビノース −
L-アラビノース +
リボース +
D-キシロース +
L-キシロース −
アドニトール −
β-メチル-D-キシロシド −
ガラクトース +
D-グルコース +
L-フルクトース +
D-マンノース −
L-ソルボース −
ラムノース −
ダルシトール −
イノシトール −
マンニトール −
ソルビトール −
α-メチル-D-マンノシド −
α-メチル-D-グルコシド +
N-アセチル-グルコサミン +
アミグダリン−
アルブチン−
エスクリン +
サリシン−
セロビオース−
マルトース +
ラクトース +
メリビオース+
サッカロース +
トレハロース +
イヌリン −
メレジトース −
D-ラフィノース +
スターチ −
グリコーゲン −
キシリトール −
β-ゲンチオビオース −
D-ツラノース +
D-リキソース −
D-タガトース −
D-フコース −
L-フコース −
D-アラビトール −
L-アラビトール −
グルコネート −
2-ケト-グルコネート −
5-ケト-グルコネート −
【0012】
以上の菌学的性状は、典型的なLeuconostoc mesenteroidesの性状を示し、糖の発酵性は、Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum 2と93.2%の相同率を示した。
次いで、4/108株のゲノムDNAの内、16S rDNA-Full塩基配列を解析した結果、相同率100%で既存株と一致したので4/108株は、Leuconostoc mesenteroidesに帰属する菌株と推定した。そこで、本発明者は、本発明の菌株をロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides KSM-4/108)と命名し、同微生物を2005年7月5日付けで独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センターに寄託番号FERM P-20586として寄託した。
【0013】
本発明の育毛・養毛剤やその製造方法に使用する乳酸菌の培養液を取得するには、通常使用される乳酸菌用の培地に上記の乳酸菌を摂取し、常法に従って培養すればよい。ここで培地としては、液体培地が好ましく、例えば、MRSブロス(OXOID)や一般乳酸菌接種用培地(日水製薬)が挙げられる。培養は、20〜40℃で、24〜72時間行うのが好ましく、培養後、遠心分離や濾過により菌体を除くことで、有機溶媒抽出用の培養液とすることができる。
【0014】
上記培養液の抽出に用いる有機溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の飽和炭化水素、あるいはヘキセン、ヘプテン等の不飽和炭化水素や、メタノール、エタノール、1-プロパノール等のアルコール類、アセトン、酢酸エチルが挙げられるが、非極性溶媒が好ましく、ヘキサンが特に好ましい。
【0015】
抽出条件は、使用する溶媒によっても異なるが、例えばヘキサンにより抽出する場合、上記菌体を除いた培養液の0.5〜10倍量のヘキサンを用い、5〜40℃、好ましくは10〜30℃の温度で、5分〜3時間、より好ましくは10分〜1時間抽出することが好ましい。
【0016】
上記の抽出物は、そのまま用いることもできるが、当該抽出物を希釈、濃縮若しくは凍結乾燥した後、必要に応じて粉末又はペースト状に調整したり、エタノール等の別の溶媒に溶解したりして使用することもできる。
また、液々分配等の技術により、上記抽出物から不活性な夾雑物を除去して用いることもでき、本発明においてはこのようなものを用いることが好ましい。これらは必要により、公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してからでも良い。
【0017】
本発明の乳酸菌培養液の有機溶媒抽出液は、後記実施例に示すように、優れた養毛・育毛活性を有することから、養毛・育毛効果を奏する医薬部外品、医薬品、毛髪用化粧料等として使用可能な養毛・育毛剤とすることができる。本発明の養毛・育毛剤の投与形態としては、経口剤、非経口剤の何れでもよいが、外用剤が好ましい。なお、本発明において養毛・育毛は、養毛及び/又は育毛を意味し、これには発毛および脱毛予防の概念が包含されるものとする。
【0018】
本発明の養毛・育毛剤は、その剤形は毛髪及び頭皮に、効果的に塗布される剤形が好ましく、通常は、液剤を主体とし、ローションやヘアトニックが代表的なものであり、噴射剤と共にエアゾール剤として使用できる。また、クリームやジェル、シャプー、リンス、ヘアフォーム剤、ヘアスプレー剤等の剤形で使用することもできる。使用の簡便さからエアゾール剤とすることが好ましい。
【0019】
エアゾール剤に使用する噴射剤としては、炭酸ガス、LPG、DME、窒素ガス、イソペンタン等を1種または2種以上組み合わせて用いることができ、特に、使用感の面から炭酸ガスを含有させることが好ましい。また、炭酸ガスは、頭皮中の毛細血管の血行を促進する効果を有し、本発明の養毛・育毛促進効果をさらに増加させることができる。
【0020】
炭酸ガスは、これが溶解している溶液のpHが酸性の場合にはCO2分子として存在し、血管拡張作用を示す。従って、炭酸ガスを含有した本発明の養毛・育毛剤の液性はpH7以下、特にpH4.5〜6.5に調整するのが好ましい。尚、炭酸ガスは養毛・育毛剤中に溶け込むと酸性度が高くなるが、必要に応じて最終pHが上記範囲内になる様に調節すれば良い。このpH調整剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸またはこれらの塩、或いはリン酸またはその塩が好適に使用される。
【0021】
上記エアゾール剤の製造方法は、例えば、炭酸ガスを除く他の成分を耐圧容器に入れ、これに高圧炭酸ガスを封入する方法、耐圧容器に炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩を含ませた炭酸ガスを発生する成分を入れ、これに適当なpH調整剤を加えて炭酸ガスを発生させ、直ちに密封する方法、或いはドライアイスペレットを容器内に入れて密封する方法等が採用されるが、特に高圧炭酸ガスを封入する方法が好ましい。
【0022】
斯くして得られる本発明のエアゾール剤は、炭酸ガスの一部が養毛・育毛剤中に溶解して存在し、また、一部は容器中に気体として存在するが、特に、炭酸ガスが養毛・育毛剤中に溶けて配合されていることが重要であり、この含有量は炭酸ガス質量濃度が60ppm以上であることが好ましい。炭酸ガスの含有量の調節は、炭酸ガスの注入(圧入)によって行うことができ、一般に容器内圧力が35℃の温度で1.2〜10kg/cm2(ゲージ圧)になるようにするのが好ましく、特に4.5〜10kg/cm2(ゲージ圧)になるようにするのが好ましい。
【0023】
本発明の養毛・育毛剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物のほかに、通常用いられる養毛薬効剤、例えば、抗炎症剤、細胞不活化剤、皮脂分泌抑制剤、抹消血管拡張剤、アミノ酸類、ビタミン類等を必要に応じて適宜配合し、養毛・育毛効果の向上を図ることができる。また、その他化粧品、医薬部外品、医薬品等の成分として一般に使用されている成分を必要に応じて適宜配合することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、精製水、エタノール、油性物質、保湿剤、増粘剤、防腐剤、乳化剤、薬効成分、粉体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定化剤等を任意に組み合わせて配合することができる。
【0024】
本発明の養毛・育毛剤における乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物の含有量は、添加形態および投与形態によっても異なるが、広い範囲から選択できる。例えば、溶媒抽出乾燥物換算で、組成物中に0.0001質量%〜0.1質量%配合することが好ましく、特に0.001質量%〜0.01質量%とすることが好ましい。
【実施例】
【0025】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1 漬物からLeuconostoc mesenteroides KSM-4/108株の分離
栃木県内で市販されている白菜漬けを入手し、その滲出液1mLを滅菌生理食塩水で10-1〜10-7まで段階的に希釈した後、各希釈液0.1mLをBCP寒天培地(Difco)に接種し、酸素吸収・炭酸ガス発生剤(Anaero Pack、三菱ガス化学(株)社製)で嫌気状態に保った酸素不透過性のビニール袋内にて30℃で72時間嫌気培養した。生じた黄色のコロニーを滅菌生理食塩水に懸濁し、この懸濁液をBCP寒天培地で嫌気培養する事を繰り返す事によって分離菌株を純化した。純化した各々の分離菌株に関し、グラム染色性陽性、胞子形成なし、運動性なし、カタラーゼ陰性等の確認を行い、乳酸菌として保存した。この様にして得られた乳酸菌の中から、実施例2の方法によって培養し、得られた培養液の有機溶媒抽出物の養毛・育毛活性の高い株をLeuconostoc mesenteroides KSM-4/108株(FPRM P-20586)として選抜した。
【0026】
実施例2 各種乳酸菌培養液の有機溶媒抽出物の調製
市販の乳酸菌からラクトバチルス・ラクティス(Lactobacillus lactis)JCM1107、ペディオコッカス・アシディラクティシィ (Pediococcus acidilactici)JCM9797の2株、及び、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides)KSM-4-108の3菌株を供試菌株として用いた。MRS寒天培地に生育させた新鮮な各菌体を100mLのMRSブロス培地に接種して、30℃で3日間静置培養した。培養液を遠心分離する事によって得られた培養上清に等量のヘキサンを添加して攪拌し、ヘキサン相を濃縮乾固したものをヘキサン抽出物とし、5mLのエタノールに溶解したものを乳酸菌培養エキスとした。MRSブロス培地100mL中のヘキサン抽出物の乾燥重量を表1に示す。(表1)。
【0027】
【表1】


【0028】
実施例3 養毛・育毛活性の評価
生後5日のSD系ラットの髭毛包器官を外科的に摘出した。器官培養用シャーレ(Falcon 3037)の外周部分に湿度維持のためのリン酸緩衝液を入れ、内皿上に置いた三角グリット上に得られた毛包(5本/dish)を並べた。無血清培地(RPMI 1640)中に、実施例2で調製した抽出物を最終濃度0.5%となるように加え、CO2の気相下にて、37℃で培養し、経日的毛伸長を観察した。その結果を表2に示す。表2中の毛伸長度は、培地コントロール群を100とした場合の培養4日目の相対値である。表2から明らかなように、乳酸菌培養上清のヘキサン抽出画分に顕著な毛幹伸長促進効果が認められた。
【0029】
【表2】


【0030】
配合例1 養毛・育毛剤1
A)
【0031】
【表3】


B)
【0032】
【表4】


【0033】
Aに属する成分を溶解し、別にBに属する成分を溶解し、AにBを添加して均一に攪拌混合し、養毛・育毛剤を得た。
【0034】
配合例2 養毛・育毛剤2
A)
【0035】
【表5】


B)
【0036】
【表6】


【0037】
Aに属する成分を均一に混合し容器に入れ、常法によりBを容器に充填し、炭酸ガスを含有する養毛・育毛剤を得た。




 

 


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