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発明の名称 食事誘発性体熱産生上昇剤
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70301(P2007−70301A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−260679(P2005−260679)
出願日 平成17年9月8日(2005.9.8)
代理人 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
発明者 原田 潮 / 千竈 映郎 / 斉藤 慎一郎 / 高瀬 秀人
要約 課題
摂取しやすい食事性脂質燃焼促進剤の提供。

解決手段
本発明は、緑茶抽出物を配合して得られ、非重合体カテキン類(A)を0.01〜1.0質量%、カフェイン(B)及び総ポリフェノール類(C)を含有し、
特許請求の範囲
【請求項1】
緑茶抽出物を配合して得られ、非重合体カテキン類(A)を0.01〜1.0質量%、カフェイン(B)及び総ポリフェノール類(C)を含有し、
1)(B)/(A)(質量比)が、0.10〜0.6、
2)(A)中のガレート体比率が、45〜80質量%
3)(A)/(C)(質量比)が0.7〜1.0
である食事誘発性体熱産生を上昇させるための容器詰飲料であって、非重合体カテキン類(A)換算で200〜2500mg投与するための食事誘発性体熱産生上昇剤。
【請求項2】
CTスキャナー法における腹部の内臓脂肪が50cm2以上が対象である請求項1記載の食事誘発性体熱産生上昇剤。
【請求項3】
緑茶抽出物を配合して得られ、非重合体カテキン類(A)を0.01〜1.0質量%、カフェイン(B)及び総ポリフェノール類(C)を含有し、
1)(B)/(A)(質量比)が、0.10〜0.6、
2)(A)中のガレート体比率が、45〜80質量%
3)(A)/(C)(質量比)が0.7〜1.0
である、食事誘発性体熱産生を上昇させるための容器詰飲料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、食事誘発性体熱産生上昇剤に関する。
【背景技術】
【0002】
脂肪は、蛋白質、糖質とともに重要な栄養素で、特にエネルギー源として有用であるとともに高カロリー(9kal/g)であり、肥満を助長し生活習慣病等の問題を引き起こす原因となる。脂肪を多く使用した食事はおいしく、しかも現代人はこのような食事に慣れてしまっている為、飽食状態にある先進諸国においては、医療費の増大とあいまって、国家的な問題となっている。このような背景から、近年、特に健康の維持増進、疾病の予防治療に対する関心が高まり、脂肪と肥満や生活習慣病との関連についての研究が数多く行われるようになってきた。
【0003】
従来から行われてきている研究の主体は、脂肪の主成分であるトリグリセリドを構成する脂肪酸に関するものであり、油脂代替物、非吸収性油脂の開発が行われている。一方、第三成分を摂取することにより、生体が本来有する脂肪の代謝を促進して肥満を防止しようとする研究も行われている。その例としては、烏龍茶ポリフェノールやカプサイシン、ガルシニアに含まれるヒドロキシクエン酸等が知られている。烏龍茶ポリフェノールは、高脂肪食ラットに与えた場合、脂肪排泄量が増加し、併せて、脂肪分解酵素リパーゼの活性化を起こす。カプサイシンは、脳に働きかけ、副腎からのアドレナリンの分泌を促進する。また、ヒドロキシクエン酸は脂肪の合成を阻害すると言われている。カプサイシンやカフェインによる植物由来の成分が脂肪の代謝を促進し、脂肪の分解を促す効果が示唆されている(非特許文献1、2)が、実使用レベルにおいてヒトを対象とした効果に関して充分な検証がなされていない。さらに何れも実使用レベルにおいては、充分な効果が得られない。
【0004】
また、緑茶、紅茶、烏龍茶等に含有されるカテキン類は、コレステロール上昇抑制(特許文献1)、αアミラーゼ活性阻害(特許文献2)、さらに、蓄積体脂肪の燃焼促進、食事性脂肪の燃焼促進、肝臓β酸化遺伝子の発現促進等(特許文献3)の効果を有することが知られている。
【0005】
1日の消費エネルギー量は60〜75%の基礎代謝量と、20%前後の運動によるエネルギー消費、そして10%前後のDIT(食事誘発性体熱産生)から成っている。このDITは食事に伴う消化吸収過程で体内での熱生産が高まり、エネルギー消費量が増加する反応であって、DITが1日の消費カロリーに占める割合は決して多くないが、Lavilleらは、肥満者でDITが有意に低い値を示したことを報告し、DITの低下が肥満の原因になり得ると述べている(非特許文献3)。また、Thomasらは、食後の脂質燃焼量が肥満者で低下していることを示している(非特許文献4)。そこで、肥満者のための食事誘発性体熱産生上昇剤が望まれていた。
【特許文献1】特開昭60−156614号公報
【特許文献2】特開平3−133928号公報
【特許文献3】特開2002−326932号公報
【非特許文献1】吉田ら、J.Nutr.Sci.Vitaminol 1988 Dec.;34(6)587−594
【非特許文献2】吉岡ら、J.Nutr.Sci.Vitaminol 1990 Apr.;36(2)173−178
【非特許文献3】Lavilleら、Am.J.Clin.Nutr.;57,851−856
【非特許文献4】Thomasら、Am.J.Clin.Nutr.;55,934−942
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、肥満者、特にCTスキャナー法における腹部の内臓脂肪が50cm2以上である肥満者を適用対象とする食事誘発性体熱産生上昇剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者は、特定の緑茶抽出物を配合した非重合体カテキン類を一定量含有する組成物を使用して検討したところ、本組成物を継続的に摂取することにより、肥満者、特に、CTスキャナー法における腹部の内臓脂肪が50cm2以上である人に対して、優れた食事誘発性体熱産生上昇効果が得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、緑茶抽出物を配合して得られ、非重合体カテキン類(A)を0.01〜1.0質量%、カフェイン(B)及び総ポリフェノール類(C)を含有し、
1)(B)/(A)(質量比)が、0.10〜0.6、
2)(A)中のガレート体比率が、45〜80質量%
3)(A)/(C)(質量比)が0.7〜1.0
である食事誘発性体熱産生を上昇させるための容器詰飲料であって、非重合体カテキン類(A)換算で200〜2500mg投与するための食事誘発性体熱産生上昇剤を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、緑茶抽出物を配合して得られ、非重合体カテキン類(A)を0.01〜1.0質量%、カフェイン(B)及び総ポリフェノール類(C)を含有し、
1)(B)/(A)(質量比)0.10〜0.6、
2)(A)中のガレート体比率が、45〜80質量%
3)(A)/(C)(質量比)0.7〜1.0
である、食事誘発性体熱産生を上昇させるための容器詰飲料を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の食事誘発性体熱産生上昇剤を摂取することにより、食事性の脂質燃焼が顕著に促進され、食事性誘発性体熱産生が増加し、肥満者の脂質代謝が改善される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、DITが低下した肥満者を適用対象とする食事誘発性体熱産生上昇剤であって、非重合体カテキン類を有効成分とする。
【0012】
本発明で使用する非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類(D)及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類(E)をあわせての総称を指す。
【0013】
本発明に用いられる容器詰飲料は、緑茶抽出物を配合して得られる。ここに使用する緑茶抽出物は、Camellia属、例えばC.sinensis及びC.assaimica、やぶきた種又はそれらの雑種から得られる茶葉から製茶された、煎茶、玉露、てん茶などの緑茶類や、総称して鳥龍茶と呼ばれる鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶等の半発酵茶、紅茶と呼ばれるダージリン、アッサム、スリランカなどの発酵茶の茶葉から水や熱水により抽出して得られる。茶を抽出する方法については、攪拌抽出など従来の方法により行う。また抽出時の水にあらかじめアスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸又は有機酸塩類を添加してもよい。また煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつついわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する方法も併用してもよい。当該緑茶抽出物には、抽出液、濃縮物及び精製物が含まれる。
【0014】
緑茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであって、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報などに詳細に例示されている方法で調製したものをいう。市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」、サントリー(株)「サンウーロン」等が挙げられる。そのほか、カテキンは他の原料起源のもの、カラム精製品及び化学合成品でも使用できる。また緑茶抽出物の濃縮物の他に、緑茶抽出物の精製物を使用できる。
【0015】
緑茶抽出物の濃縮物の精製手段としては、例えば緑茶抽出物の濃縮物を水又は水と有機溶媒の混合物に懸濁し、これに有機溶媒を添加することにより生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法;緑茶抽出物の濃縮物を有機溶媒に溶解し、これに水又は水と有機溶媒の混合物を添加することにより生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法等が挙げられる。また、固形分中に非重合体カテキン類を20〜90質量%含有する緑茶抽出物の濃縮物を、有機溶媒と水の質量比9/1〜1/9の混合溶液に溶解させ、活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させてもよい。或いはこれらの他に超臨界抽出による精製や吸着樹脂に吸着させエタノール溶液で溶離させて得られたもの等も使用できる。
【0016】
ここでいう緑茶抽出物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等種々のものが挙げられるが、特に水溶液、スラリー状が乾燥等の履歴が少なく好ましい。
【0017】
本発明で用いる緑茶抽出物中の非重合体カテキン類の濃度は、20〜90質量%、好ましくは20〜87質量%、さらに好ましくは23〜85質量%、特に好ましくは25〜82質量%がよい。緑茶抽出物中の非重合体カテキン類の濃度が、20質量%未満の場合、飲料に配合すべき緑茶抽出物の精製物自体の配合量が多くなる。緑茶抽出物中の非重合体カテキン類の濃度が、90質量%を超える場合、緑茶抽出物に存在する総ポリフェノール以外の遊離アミノ酸等の風味をよくする働きを持つ微量成分等を排除してしまい、長期臨床に飲用するためには好ましくない。
【0018】
ポリフェノールは抽出前の茶葉の発酵状態が進むにつれて増加するので、水又は茶の抽出液に各種茶抽出物の濃縮物を添加する場合は、特に緑茶抽出物の濃縮物又は精製物が好ましい。
【0019】
特に、添加する緑茶抽出物の濃縮物又は精製物、特に、好ましい緑茶抽出物の濃縮物の味との関係から、カテキン濃度を上げても、半発酵茶である鳥龍茶や、発酵茶である紅茶との組み合せは、カテキン類の渋味が緩和され、嗜好性が優れていて好ましい。容器詰飲料中で総ポリフェノール類(C)と非重合体カテキン類(A)の含有質量比率としては、(A)/(C)が0.7〜1.0、好ましくは、茶本来の風味を得る点から0.70〜0.98、好ましくは、0.7〜0.95、より好ましくは0.7〜0.9、さらに好ましくは0.7〜0.85、特に好ましくは0.7〜0.80である。この比が0.7未満だと、エグ味等が出現する傾向にある。
ここで総ポリフェノール類とは、酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求める方法によって定量される成分のことをいう。(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNO.10社団法人 菓子総合センター編)。一般的に、非重合体カテキン類やこれの重合物等が本測定方法により検出される。
【0020】
容器詰飲料中の非重合体カテキン類(A)とカフェイン(B)の含有質量比率はとしては、(B)/(A)が0.10〜0.6、好ましくは0.10〜0.5、より好ましくは0.10〜0.4、さらに好ましくは0.10〜0.3である。
【0021】
更に成分(D)と成分(E)の含有質量比は(D)/(E)=0.54〜9.0であるが、好ましくは0.67〜5.67、特に0.80〜5.67が好ましい。この範囲であると配合物の長時間保存しても色調が安定し、風味が損なわれず好ましい。
【0022】
また、本発明で用いる緑茶抽出物中のカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートからなる総称ガレート体の全非重合体カテキン類中での割合が45〜80質量%の方が、非重合体カテキン類による食事誘発性体熱上昇効果の点で好ましい。調味のしやすさからは、45〜70質量%がより好ましく、45〜60質量%が特に好ましい。
【0023】
また、カテキン類の含有量の30〜98質量%、好ましくは40〜90質量%が、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンから選ばれたものであると、配合物の呈味が更に優れ、後を引くような収斂性もなく好ましい。ここでエピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキン、ガロカテキンは1種以上含有するが、通常は全て含有される。
【0024】
食事誘発性体熱産生上昇剤としての配合物、例えば容器詰飲料中には、非重合体カテキン類を、0.01〜1.0質量%含有するが好ましく、より好ましくは0.03〜0.5質量%、より好ましくは0.04〜0.4質量%、さらに好ましくは0.05〜0.3質量%、殊更好ましくは0.06〜0.3質量%、特に好ましくは0.092〜0.26質量%、最も好ましくは0.1〜0.15質量%含有する。非重合体カテキン類の含有量がこの範囲にあると、多量の非重合カテキン類を容易に取り易く、飲料調製直後の色調の点からも好ましい。当該非重合体カテキン類の濃度は、緑茶抽出物の配合量によって調整することができる。
【0025】
食事誘発性体熱産生を上昇させるためには、成人1人、1日当たり非重合体カテキン類を200〜2500mg摂取するのが好ましいが、より好ましくは400〜2000mg、更に好ましくは500〜1500mg摂取するのがよい。摂取方法としては、非重合体カテキン類を含有するカテキン製剤等を固体状、ペースト状、溶液状態で、好ましくは溶液状態で摂取するのがよい。
本発明の食事誘発性体熱産生上昇剤は、非重合体カテキン類又はそれを含有する製剤そのもので摂取してもよいが、種々の食品中に含有させて摂取することができる。特に、非重合体カテキン類を含有する飲料、特に容器詰飲料として摂取するのが好ましい。
【0026】
本発明の食事誘発性体熱産生上昇剤の使用対象者である肥満者の内臓脂肪面積は、腹部のCTスキャナー法で測定したデータを基に画像解析から算出した値が50cm2以上である肥満者に対してより有効であって、更に70cm2以上、殊更に100cm2以上、特に120cm2以上の肥満者のDITを上昇させる効果が優れている。
【0027】
DIT(Diet−induced thermogenesis:食事誘発性体熱産生)は、食事をしたときの消化吸収過程における体内での熱生産が高められることに起因するエネルギー消費量の増加反応であって、TEF(thermic effect of food)とも言われる。DITの測定は、絶食空腹時のエネルギー消費量を測定した後、試験食を摂取し、その後のエネルギー消費量の上昇量を測定することにより行われる。このエネルギー消費量の測定は食後2〜8時間、好ましくは4時間以上測定し、その増加分を算出する。エネルギー消費量は、マスクまたはフードによるブレスバイブレス法又はメタボリックチャンバー等を用いた呼気分析法により測定される。
【0028】
本発明の食事誘発性体熱産生上昇剤としての容器詰飲料等には、苦渋味抑制剤を配合すると飲用しやすくなり好ましい。用いる苦渋味抑制剤としては、サイクロデキストリンが好ましい。サイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。サイクロデキストリンは飲料中に0.005〜0.5質量%、好ましくは、0.01〜0.3質量%含有するのがよい。本発明の食事誘発性体熱産生上昇剤としての容器詰飲料等には、茶由来の成分にあわせて、処方上添加して良い成分として、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、乳化剤、油、ビタミン、アミノ酸、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独あるいは併用して配合しても良い。
【0029】
さらに、食事誘発性体熱産生上昇剤としての容器詰飲料等には酸味料を含有させることができる。酸味料は食事誘発性体熱産生上昇剤としての容器詰飲料等のpHを2〜7に維持するためにも用いられる。酸はそれらの非解離形で、あるいはそれらのナトリウム塩、カリウム塩として用いてもよい。好ましい酸としては、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、リン酸又はそれらの混合物を含めた食用有機酸及び無機酸が挙げられる。特に好ましい酸はクエン酸及びリンゴ酸である。これらの酸味料は飲料成分を安定化させる酸化防止剤としても役立つ。これ以外の酸化防止剤の例には、アスコルビン酸、植物抽出エキス等が挙げられる。
【0030】
食事誘発性体熱産生上昇剤としての容器詰飲料等には、さらに、ビタミンを含有させることができる。好ましいビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンC及びビタミンEが挙げられる。ビタミンD及びビタミンBのような他のビタミンも用いることができる。ミネラルも本発明の飲料に用いることができる。好ましいミネラルはカルシウム、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛である。特に好ましいミネラルはマグネシウム、リン及び鉄である。
【0031】
食事誘発性体熱産生上昇剤としての容器詰飲料等のpHは2〜7であるのが好ましい。2より低いと飲料の酸味、刺激臭が強く飲用に耐えない。また、7より高いと風味の調和が取れなくなり、嗜好性が低下する。併せて、安定性も悪くなる。好ましいpHは2〜6であり、より好ましいpHは2〜4.5である。
【0032】
本発明の食事誘発性体熱産生上昇剤を容器詰飲料とする場合の容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常形態の容器を使用することができる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
【0033】
容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造されるが、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。さらに、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻す等の操作も可能である。
【実施例】
【0034】
非重合体カテキン類、カフェインの測定
フィルター(0.8μm)で濾過し、次いで蒸留水で希釈した容器詰めされた飲料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L−カラムTM ODS(4.6mm×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
総ポリフェノール類量の測定
総ポリフェノール類の測定は酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求める。(参考文献:「緑茶ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNO.10)。試料5mLを酒石酸鉄標準溶液5mLで発色させ、リン酸緩衝液で25mLに定溶し、540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線から総ポリフェノール類量を求める。
酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄・7水和物100mg、酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを蒸留水で100mLとする。
リン酸緩衝液の調製:1/15mol/Lリン酸水素ニナトリウム溶液と1/15mol/Lリン酸ニ水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整する。
【0035】
実施例1
表1に示す成分を混合して、所定の後処理を行い、容器詰飲料を製造した。
表1に挙げるスポーツドリンク処方で各成分(質量部)を配合し、イオン交換水でメスアップし調合液を調製した。食品衛生法に基づく殺菌工程、ならびにホットパック充填を行い、容器詰飲料とした。飲料の成分値も併せて示した。
【0036】
【表1】


【0037】
実施例2
(1)方法
i)安定同位体は、一位に13Cをラベルしたパルミチン酸とグリセリンから、Watanabeらの方法(J.Am.oil chem.Soc.;80、1201−1207)を用いてトリアシルグリセロールを調製し、被験者一人あたり900mgを食事と共に投与した。
【0038】
ii)本試験は、ヘルシンキ宣言の精神に則り、花王株式会社倫理委員会の規定に従い実施した。
日本肥満学会基準により BMI(Body mass index)から判断して普通体重から肥満(1度)に属する27〜48歳の健常男性12名を被験者とした。被験物質摂取前に、身体計測、1週間の食事調査及び安定同位体を負荷した呼気分析試験を行った。各種計測、検査値及び安定同位体負荷後の単位時間あたりの呼気への排泄量がほぼ同一となるように2群に分け、一方を比較例1摂取群(6名)、他方を実施例1摂取群(7名)とした。各群の被験者の特徴を表2に示す。初期値の全項目において、2群間に統計的な有意差は認められなかった。
被験飲料は毎朝摂取させ、摂取開始4週目、8週目及び12週目に安定同位体投与後の呼気分析試験を行った。試験期間中、被験者に対して、被験飲料の飲用以外は本試験開始前と同様の食事習慣及び運動習慣を守るよう指導した。また、各単回試験1週間前に食事内容の詳細な聞き取り調査を行った。
【0039】
【表2】


【0040】
iii)呼気分析試験
安定同位体投与後の呼気分析試験は、摂取開始前、摂取開始4週目、8週目及び12週目に計4回行った。被験者は、測定日の前日18:00−19:00に指定した夕食を摂取し、その後就寝まで飲水のみとした。測定日当日、被験者は起床時より絶食とし、8:30より30分間の座位安静後、初期の呼気分析を行った。安定同位体はパンに塗り、800kcal(炭水化物110g、 タンパク質26g、脂質30g)の食事として被験者に摂取させた。測定日当日、被験者は被験飲料を摂取しなかった。食事摂取開始から、1、2、3、4、6及び8時間後に呼気分析を行って酸素消費量及び二酸化炭素排泄量を計測すると共に、安定同位体を測定するための呼気をバッグに採取した。酸素消費量及び二酸化炭素排泄量の計測はVO2000(株式会社S&ME;東京都中野区)を用いて行った。1回の計測は20分間とし、10分間の座位安静後にマスクを装着した。その後、呼吸が安定するまで約2分間放置してから7分間のデータを記録した。集計したデータを平均化し、食事摂取後の変化量の積算値で示した。安定同位体量の分析は、ANCA(NTシステム株式会社;大阪府大阪市)を用いて定量した。食事性脂質燃焼量は、Murphyらの方法(Murphy,J.L.1995 Lipids,30,291−298)に準じて計算した。各時点の13C量/(12C量+13C量)×100=Atom%を算出し、(各時点のAtom%−初期のAtom%)×各時点のVCO2÷(投与した13Cの分子量×22.4)の値を、各時点の「13C投与量に対する13C燃焼量」とした。試験食摂取後8時間の食事性脂質燃焼量を、0〜8時間までの「13C投与量に対する13C燃焼量」の積算値で表した。
【0041】
iv)腹部脂肪量評価
試験開始時、被験者は臍部横断面のCT断層撮影を行った(早期胃癌検診センター;東京都中央区)。撮影時のX線条件は、管電圧=120kVp、mAs値=250mAsで行い、フィルム処理は、ウィンドウレベル−10、0、もしくは+10、ウィンドウ幅400で行った。得られた臍部CT画像から内臓脂肪計測PCソフトFat Scan Ver.2(N2システム株式会社;大阪府大阪市)によって、内臓脂肪面積を求め、腹部脂肪量(VFAcm2)として評価した。
【0042】
v)統計解析
データを平均値±標準誤差で示した。各群の初期値と4週目、8週目及び12週目の比較には、paired t−testを用い、各群間の比較にはt−testを用いて有意性を判定した。相関性については、ピアソンの相関係数を用いて検定を行った。有意水準をp<0.05とした。
【0043】
(2)結果
i)12週間の試験飲料の摂取が、安定同位体負荷後の呼気中13C排出量に及ぼす影響を図1に示す。試験食摂取後8時間に排出された実施例1群の呼気中13C量は、摂取期間に従って段階的に増大し、4週目及び12週目で比較例1群に対して有意差を認めた(p<0.05)。12週目には初期値に対しても有意差が認められ(p<0.05)、8時間で燃焼した食事性脂質は、0週で摂取した脂質の8.9%であったのに対して、12週目では12.9%へと増大した。一方、比較例1群では、そのような変化は認められなかった。以上のように、実施例1の飲料の食事性脂質燃焼量に及ぼす作用は、摂取開始から12週まで増大し続けることが確認された。
【0044】
12週間の試験飲料の摂取が、試験食摂取後の酸素消費量の上昇量に及ぼす影響を図2に示す。試験食摂取後8時間に上昇した酸素消費量は、比較例1群に比べて、実施例1群で8週目に有意に高い値を示した。また、12週目には8週目に比べてさらに高い値を示し、0wk時の値と比較しても有意差を認めた(p<0.05)。摂食によって安静時から増大した8時間のエネルギー消費量を食事誘発性体熱産生(DIT)とみなすと、DITの変化は0週で51.4kcalであったのに対して、12週では90.3kcalに増加した。なお、基礎代謝量に相当する試験食摂取前の酸素消費量は、試験飲料の摂取によって、変化を認めなかった。
【0045】
1日の消費エネルギー量は60〜75%の基礎代謝量と、20%前後の運動によるエネルギー消費、そして10%前後のDITから成っている。DITが1日の消費カロリーに占める割合は決して多くないが、Lavilleらは、肥満者でDITが有意に低い値を示したことを報告し、DITの低下が肥満の原因になり得ると述べている。また、Thomasらは、食後の脂質燃焼量が肥満者で低下していることを示している。本試験においても、図3に示すように、被験飲料摂取前の腹部内臓脂肪量とDIT(安静時から増大した8時間のエネルギー消費量)の間に負の相関関係が認められ(r=0.59,p<0.05)、腹部内臓脂肪量の多い被験者におけるDITの低下が示唆された。
【0046】
一方、図4は、被験物質摂取前の腹部内臓脂肪量と12週間の試験期間中に変動したDITの相関を示したものであり、高い正の相関が認められた(r=0.82,p<0.05)。すなわち、脂質代謝の低い可能性のある肥満者ほど、実施例1の飲料摂取によるDITの亢進が起こったものと推測される。
【0047】
以上のことから、実施例1の飲料の摂取前には、腹部内臓脂肪量の多い被験者ほどDITが低下していたにも関わらず、実施例1の飲料摂取後には、腹部内臓脂肪量の多い被験者ほどDITが摂取前に比べて上昇したと考えられる。すなわち、今回の結果は、肥満者において低下しているDITを、実施例1の飲料の長期摂取が増加させたことを示している。
【0048】
試験期間中、DITは摂取8週目において21.2kcal/8h増大し、12週目において38.9kcal/8h増大していた。仮に、三食全てに同様のDITの上昇が認められたとしたら、12週間あたり5000〜9000kcalのエネルギー消費量の増加となり、1kg前後の体重減少が予想される。
【0049】
以上の結果、実施例1の飲料の長期摂取によって、4週目から有意に食事性脂質燃焼量が上昇し、12週目まで段階的に脂質燃焼量が増加した。また、摂取8週目にはDITも有意に増加し、12週目にさらにDITが増加した。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】12週間の試験飲料の摂取が呼気中の13C排出に及ぼす影響を示す図である。
【図2】12週間の試験飲料の摂取が、試験食摂取後の酸素消費量の上昇量に及ぼす影響を示す図である。
【図3】試験飲料摂取前の腹部内臓脂肪量とDITの間の相関関係を示す図である。
【図4】試験飲料摂取前の腹部内臓脂肪量と12週間の試験期間中に変動したDITの相関を示す図である。




 

 


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