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歯磨き組成物 - 花王株式会社
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発明の名称 歯磨き組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−70256(P2007−70256A)
公開日 平成19年3月22日(2007.3.22)
出願番号 特願2005−257102(P2005−257102)
出願日 平成17年9月5日(2005.9.5)
代理人 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
発明者 加藤 和彦
要約 課題
歯茎の引き締め感及びマッサージ効果に優れ、塩辛みのない歯磨き組成物の提供。

解決手段
次の成分(A)、(B)及び(C):
特許請求の範囲
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)粒子径が355μm以上855μm未満のエリスリトール 10〜50質量%
(B)水 10〜40質量%
(C)粘結剤 0.6〜3質量%
を含有する歯磨き組成物。
【請求項2】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)粒子径が355μm以上855μm未満のエリスリトール 10〜50質量%
(B)水 10〜40質量%
(C)粘結剤 0.6〜3質量%
を配合する歯磨き組成物。
【請求項3】
(C)が、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体からなる群より選ばれる1種又は2種以上の粘結剤である請求項1又は2に記載の歯磨き組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリスリトールを含有する歯磨き組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯周疾患は、う蝕と並んで口腔領域における二大疾患の一つである。特に、歯槽膿漏は、今日のような高齢化社会においては深刻な問題となっている。従って、その予防・治療は口腔衛生上、非常に重要な意味を持っており、それらを目的とし、食塩を薬効剤として配合した練歯磨き剤が市販されている。この食塩による作用は炎症を起こした歯肉中の組織液を吸収することにより、歯肉局所における循環が改善される為と云われている。さらに、歯磨き組成物中に粒径が大きく溶解していない粒状食塩を配合することにより、塩辛さを低減すると共に、歯茎のマッサージ効果を付与することも報告されている(特許文献1参照)。しかし、効果を高める目的で食塩を高濃度配合するため、塩辛さが残り、子供等にはその使用を好まないものもいた。
【特許文献1】特開平10−152424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、歯茎の引き締め感及びマッサージ効果に優れ、塩辛みのない歯磨き組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)粒子径が355μm以上855μm未満のエリスリトール 10〜50質量%
(B)水 10〜40質量%
(C)粘結剤 0.6〜3質量%
を含有する歯磨き組成物である。
また、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)粒子径が355μm以上855μm未満のエリスリトール 10〜50質量%
(B)水 10〜40質量%
(C)粘結剤 0.6〜3質量%
を配合する歯磨き組成物である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の歯磨き組成物は、歯茎の引き締め感及びマッサージ効果に優れ、塩辛味もない。また、長期間安定に保存可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の歯磨き組成物は、粒子径が355μm以上855μm未満のエリスリトール(成分(A))を含有することを特徴とする。本発明の歯磨き組成物には、ブドウ糖を発酵させた後、再結晶して得られる結晶状のエリスリトールを必要により粉砕して粒子径を調整したものを使用することが好ましい。
エリスリトールの粉砕には、ローラミル、ハンマーミル、高速度粉砕機、パルベライザーなどを使用するのが一般的であるが、粒度の調整が簡便で、かつ、生産効率にも優れる高速度粉砕機、ハンマーミルによる粉砕が好ましい。
また、エリスリトールの構造としては、L−エリスリトール、D−エリスリトール、meso−エリスリトールの3種の異性体が存在するが、本発明はこれらいずれの構造のものであってもよい。結晶状のエリスリトールは、市販品として、日研化学(株)、三菱化学フーズ(株)、セレスター社製等のものが入手可能である。
【0007】
本発明の歯磨き組成物中、粒子径が355μm以上855μm未満のエリスリトールの含有量は、歯茎へのマッサージ効果の観点から、10〜50質量%、より好ましくは15〜45質量%、さらにより好ましくは20〜40質量%、特に好ましくは25〜35質量%である。
このため、粒子径が355μm以上855μm未満のエリスリトールの配合量は、10〜50質量%、より好ましくは15〜45質量%、さらにより好ましくは20〜40質量%、特に好ましくは25〜35質量%である。
【0008】
エリスリトールの粒子径は、歯茎へのマッサージ効果の観点から、355μm以上855μm未満であることが好ましい。より好ましくは、400μm以上750μm未満、さらに好ましくは、450μm以上700μm未満である。エリスリトールの粒子径が355μm未満のものは、マッサージ感が十分ではなく、また、口腔内全体への広がりの点からはエリスリトールの粒子径が855μm未満がよい。
【0009】
なお、エリスリトールの粒子径は以下のように測定される。
篩:JIS標準篩 φ75mm
目開き:上段より、855μm及び355μmの目開きを有する篩の下に受器を有する。
振盪機:ミクロ型電磁振動機M−2型(筒井理化学器機(株))
方法:試料15gを855μm篩上に載せ、電磁振動機にて5分間分級する。
355μmの目開きを有する篩上に存在するエリスリトールが粒子径355以上855μm未満のエリスリトールとする。
【0010】
本発明の歯磨き組成物中、水(成分(B))の含有量は、歯磨き剤の保存安定性の観点から10質量%以上が好ましく、エリスリトール粒子の溶解防止の観点から40質量%以下が好ましい。より好ましくは12〜35質量%、さらに好ましくは15〜30質量%、特に好ましくは15〜25質量%である。
【0011】
本発明に用いられる粘結剤(成分(C))としては、特に限定されないが、例えばアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体から選ばれる水溶性高分子を1種または2種以上使用するのが好ましい。
本発明の歯磨き組成物中、粘結剤の含有量は、保存安定性の観点から0.6〜3質量%、より好ましくは、0.7〜2質量%、さらに、より好ましくは、0.8〜1.2質量%である。
【0012】
本発明の歯磨き組成物には、前記成分の他、例えば発泡剤、発泡助剤、研磨剤、湿潤剤、甘味剤、保存料、酵素、pH調整剤、殺菌剤、薬効成分、顔料、色素、香料等を適宜含有させることができる。
【0013】
研磨剤としては、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤;第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、酢酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、合成樹脂系研磨剤等が好適に用いられる。
【0014】
湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、マルチット、ラクチット、トレハロース等が好適に用いられる。
更に、甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ソーマチン、アセスルファムカリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられる。
【0015】
香料としては、l−メントール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、ペパーミント油、スペアミント油、オシメン、n−アミルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、サリチル酸メチル、メチルアセテート、シトロネオールアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、シソ油、丁子油、ユーカリ油等が挙げられる。
【0016】
また、その他の各種有効成分としては、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物;アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アズレン、グリチルレチン酸、エピジヒドロコレステリン、α−ビサボロール、グリチルリチン酸及びその塩類等の抗炎症剤;ヒノキチオール等のフェノール性化合物;トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸等の抗プラスミン剤;酢酸dl−トコフェロールのビタミンE類;銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物;塩化ナトリウム、硝酸カリウム等の塩類;トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム等の第四級アンモニウム化合物、クロルヘキシジン塩類、トリクロロカルバニリド等の殺菌剤;デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、塩化リゾチーム等の酵素;トウキ、オウバク、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物;乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、ポリビニルピロリドン、ジヒドロコレステロール、クエン酸亜鉛等が挙げられる。
【0017】
本発明の歯磨き組成物は、より高い清涼感を得る観点から、エリスリトールが粉末の状態で分散しているのが望ましい。そのためには、エリスリトールは製造の最終工程に、粉体のままで投入することが好ましい。このような製造方法を用いることで、エリスリトールは水にほとんど溶解せずに、歯磨き組成物中に粉末の状態で存在させることが可能となる。具体的には、例えば、精製水、湿潤剤、粘結剤、香味剤、保存料、研磨剤、発泡剤、甘味剤及び薬効成分等の各成分を処方量計測した後、一定の製造条件に従って混合し、粘結剤を十分に膨潤させ、さらに、研磨剤及び発泡剤、香味剤、粉末状のエリスリトールを加えて脱泡混合し、本発明の歯磨き組成物を製造できる。
【0018】
本発明の歯磨き組成物の25℃における粘度(ヘリパス型粘度計、ロータC、2.5r/min、1分間)は、1500〜5000dPa・s、さらに2000〜4500dPa・s、特に2500〜4000dPa・sが好ましい。
【実施例】
【0019】
<歯磨き組成物の調製>
表1に示す組成に従って、実施例1〜4及び比較例1〜3の歯磨き組成物を調製した。なお、エリスリトールは最後に添加した。
【0020】
(1)保存安定性の評価
表1に示す歯磨き組成物を、それぞれ保存用の歯磨きチューブに詰め、5℃、室温、40℃で3ヶ月間保存した。その後、チューブを切り開いて、歯磨き組成物から液体成分が分離しているか否か次の基準で評価した。
<保存安定性の評価基準>
◎:液体の分離が全く見られない
○:液体の分離がわずかに見られる
×:明らかに液体の分離が見られる
【0021】
(2)歯ぐきへのマッサージ効果の評価
被験者10名(男性5名、女性5名)が、歯ブラシに各歯磨き組成物1gをとり、約2分間自由にブラッシングした後、比較例1の歯磨き組成物を基準として、歯茎へのマッサージ効果を次の基準に従い評価した。
<歯茎へのマッサージ効果の評価基準>
◎:基準歯磨きよりも明らかにマッサージ効果が強い
○:基準歯磨きと同等のマッサージ効果がある
×:基準歯磨きよりもマッサージ効果が弱い
【0022】
(3)味の評価
被験者10名(男性5名、女性5名)が、歯ブラシに各歯磨き組成物1gをとり、約2分間自由にブラッシングした後、比較例1の歯磨き組成物を基準として、味を次の基準に従い評価した。
<味の評価基準>
◎:塩辛さを感じない
○:塩辛さをやや感じる
×:塩辛さをはっきり感じる
【0023】
【表1】


【0024】
表1に示したように、実施例1〜4の歯磨き組成物では、粒子径が355〜855μmのエリスリトールを多く含んでいるため、歯茎へのマッサージ効果に優れると共に、さらに粒状食塩を含有する歯磨き組成物よりも味に優れるという結果だった。また、実施例2〜4の歯磨き組成物では、粒子径が355〜855μmのエリスリトールをより多く含有しているため、歯茎へのマッサージ効果にさらに優れるという結果だった。また、水分を15〜30質量%及び粘結剤を0.6〜3質量%含むため長期間の保存安定性にも優れていた。
【0025】
一方、比較例1の歯磨き組成物では、粒子径が700〜1400μmの粒状食塩を多く含んでいるため、歯茎へのマッサージ効果はあるものの、塩辛さはっきり感じるという結果だった。また、比較例2の歯磨き組成物では、歯茎へのマッサージ効果が十分ではなく、比較例3の歯磨き組成物では、水分量が少なく、また粘結剤の含有量が少ないため、保存安定性が悪いという結果だった。




 

 


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