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発明の名称 歯磨き組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−63188(P2007−63188A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−251574(P2005−251574)
出願日 平成17年8月31日(2005.8.31)
代理人 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
発明者 加藤 和彦
要約 課題
より高い清涼感を有し、保存安定性及び冷涼感の即効性に優れたエリスリトールを含有する歯磨き組成物の提供。

解決手段
次の成分(A)、(B)及び(C):
特許請求の範囲
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)粒子径が45μm未満のエリスリトール 15〜60質量%
(B)水 15〜30質量%
(C)粘結剤 0.6〜3質量%
を含有する歯磨き組成物。
【請求項2】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)粒子径が45μm未満のエリスリトール 20〜60質量%
(B)水 15〜30質量%
(C)粘結剤 0.6〜3質量%
を配合する歯磨き組成物。
【請求項3】
成分(C)が、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体からなる群より選ばれる1種又は2種以上の粘結剤である請求項1又は2に記載の歯磨き組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリスリトールを含有する歯磨き組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に歯を磨く目的は、口腔内を清潔にし、清涼感を得ることにある。通常歯磨き組成物に配合されているメントールに代表される香料成分は、清涼感を付与するために必要不可欠なものであるが、近年、油っぽい食事や香辛料を多く使った食事が多くなる傾向があり、より高い清涼感を持った歯磨き組成物が望まれている。
【0003】
清涼感を向上させる手段として、香料成分の配合量を増やしたり、エタノール等の溶剤成分を新たに添加するといった方法があるが、これらの成分の配合量を増やすと口腔内への刺激が強くなり、また泡立ちが抑制されるため、磨いたときの使用感を損ねるという問題が生じる。
【0004】
従って、香料成分やエタノール等の溶剤の配合量を増やすことなく、より高い清涼感を得る歯磨き組成物が望まれる。
【0005】
特許文献1には、エリスリトールなどの吸熱水和反応を起こす成分を含有し、かつ、水分量が10質量%以下であることを特徴とした、清涼感に優れる歯磨き組成物が開示されている。しかしながら、水分含量が低いために、粘結剤として配合されている水溶性高分子が十分に溶解せず、経時的に水分や他の液体成分が系外に染み出す現象が見られ、保存安定性に問題があった。また、清涼感は得られるものの口腔内ではっきりとした冷涼感を得るまでには至っていなかった。
【特許文献1】特開2000−191483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、より高い清涼感を有し、保存安定性及び冷涼感の即効性に優れたエリスリトールを含有する歯磨き組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)粒子径が45μm未満のエリスリトール 15〜60質量%
(B)水 15〜30質量%
(C)粘結剤 0.6〜3質量%
を含有する歯磨き組成物である。
また、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)粒子径が45μm未満のエリスリトール 20〜60質量%
(B)水 15〜30質量%
(C)粘結剤 0.6〜3質量%
を配合する歯磨き組成物である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る歯磨き組成物は、保存安定性に優れ、口腔に適用すると、即効的な冷涼感が得られることで香料成分やエタノール等の溶剤の配合量を増やすことなくより高い清涼感をも得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の歯磨き組成物は、粒子径が45μm未満のエリスリトール(成分(A))を含有することを特徴とする。通常入手可能なエリスリトールは、ブドウ糖を発酵させた後、再結晶して得られる結晶状のエリスリトールであり、その粒子径は本発明品のものよりも大きい。従って、本発明の歯磨き組成物には入手したエリスリトールを粉砕して粒子径を調整したものを使用することが好ましい。
エリスリトールの粉砕には、ローラミル、ハンマーミル、高速度粉砕機、パルベライザーなどを使用するのが一般的であるが、粒度の調整が簡便で、かつ、生産効率にも優れる高速度粉砕機、ハンマーミルによる粉砕が好ましい。
また、エリスリトールの構造としては、L−エリスリトール、D−エリスリトール、meso−エリスリトールの3種の異性体が存在するが、本発明はこれらいずれの構造のものであってもよい。結晶状のエリスリトールは、市販品としては、日研化学(株)、三菱化学フーズ(株)、セレスター社製等のものが入手可能である。
【0010】
本発明の歯磨き組成物中、粒子径が45μm未満のエリスリトールの含有量は、清涼感及び冷涼感の観点から15〜60質量%、より好ましくは20〜55質量%、さらにより好ましくは25〜50質量%、最も好ましくは30〜50質量%である。
このため粒子径が45μm未満のエリスリトールの配合量は、清涼感及び冷涼感の観点から20〜60質量%、より好ましくは25〜55質量%、さらにより好ましくは30〜50質量%、最も好ましくは35〜50質量%である。
【0011】
本発明に用いられるエリスリトールの粒子径は、口腔内で瞬時に溶けて冷涼感が即効的に得られるという観点から45μm未満であるが、好ましくは3μm以上45μm未満、さらに好ましくは5μm以上45μm未満である。また、エリスリトールの粒子径が45μmを超えるものは、口腔内で瞬時に溶けずに徐々に溶けるため、即効的な冷涼感は得られにくい。
【0012】
なお、エリスリトールの粒子径は以下のように測定される。
篩:JIS標準篩 φ75mm
目開き:上段より、それぞれ500μm、355μm、250μm、180μm、125
μm、90μm及び45μmの目開きを有する篩の下に受器を有する。
振盪機:ミクロ型電磁振動機M−2型(筒井理化学器機(株))
方法:試料15gを500μm篩上に載せ、電磁振動機にて5分間分級する。
45μm篩を通過し受器上に存在するエリスリトールが粒子径45μm未満のエリスリトールとする。
また、45μm未満の粒度分布及び平均粒子径は乾式レーザー分布回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
【0013】
本発明の歯磨き組成物中、水(成分(B))の含有量は、保存安定性の観点から15質量%以上が好ましく、また高い清涼感及び冷涼感を得る観点から30質量%以下が好ましい。より好ましくは、15〜25質量%である。15質量%未満では粘結剤を溶解しにくく安定性が低下し、他方30質量%を超えると十分な清涼感及び冷涼感を得ることが難しくなる。
【0014】
本発明に用いられる粘結剤(成分(C))としては、特に制限されないが、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキプロピルセルロース、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体から選ばれる水溶性高分子を1種または2種以上使用するのが好ましい。
本発明の歯磨き組成物中、粘結剤の含有量は、保存安定性の観点から0.6〜3質量%、より好ましくは、0.7〜2質量%、さらにより好ましくは、0.8〜1.2質量%である。0.6質量%未満では安定性が十分ではなく、他方3質量%を超えると組成物の粘性が高くなって、清涼感が損なわれてしまう。
【0015】
本発明の歯磨き組成物には、前記成分の他、例えば発泡剤、発泡助剤、研磨剤、湿潤剤、甘味剤、保存料、酵素、pH調整剤、殺菌剤、薬効成分、顔料、色素、香料等を適宜含有させることができる。また、粒子径45μm以上のエリスリトールを含有させてもよい。この場合、組成物中に含有するエリスリトールの平均粒子径又は配合するエリスリトールの平均粒子径は200μm以下が好ましく、更に好ましくは10〜150μmである。なお、平均粒子径は、45μm以上の場合は篩下率(積算量)を正規確立紙にプロットし、50%に対応する値を採用し、45μm未満の場合は乾式レーザー分布回折式粒度分布測定装置の値を採用する。
【0016】
研磨剤としては、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤;第2リン酸カルシウム・2水和物及び無水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、酢酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、合成樹脂系研磨剤等が好適に用いられる。
【0017】
湿潤剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリトール、マルチット、ラクチット、トレハロース等が好適に用いられる。
更に、甘味剤としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ソーマチン、アセスルファムカリウム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ペリラルチン等が挙げられる。
【0018】
香料としては、l−メントール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、ペパーミント油、スペアミント油、オシメン、n−アミルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、サリチル酸メチル、メチルアセテート、シトロネオールアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、シソ油、丁子油、ユーカリ油等が挙げられる。
【0019】
また、その他の各種有効成分としては、正リン酸のカリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性リン酸化合物;アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アズレン、グリチルレチン酸、エピジヒドロコレステリン、α−ビサボロール、グリチルリチン酸及びその塩類等の抗炎症剤;ヒノキチオール等のフェノール性化合物;トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸等の抗プラスミン剤;酢酸dl−トコフェロールのビタミンE類;銅クロロフィリンナトリウム、グルコン酸銅等の銅化合物;塩化ナトリウム、硝酸カリウム等の塩類;トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム等の第四級アンモニウム化合物、クロルヘキシジン塩類、トリクロロカルバニリド等の殺菌剤;デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、塩化リゾチーム等の酵素;トウキ、オウバク、チョウジ、ローズマリー、オウゴン、ベニバナ等の抽出物;乳酸アルミニウム、塩化ストロンチウム、ベルベリン、ヒドロキサム酸及びその誘導体、トリポリリン酸ナトリウム、ゼオライト、ポリビニルピロリドン、ジヒドロコレステロール、クエン酸亜鉛等が挙げられる。
【0020】
本発明の歯磨き組成物は、より高い清涼感を得る観点から、エリスリトールが粉末の状態で分散しているのが望ましい。そのためには、エリスリトールは製造の最終工程に、粉体のままで投入することが好ましい。このような製造方法を用いることで、エリスリトールは水にほとんど溶解せずに、歯磨き組成物中に粉末の状態で存在させることが可能となる。具体的には、例えば、精製水、湿潤剤、粘結剤、香味剤、保存料、研磨剤、発泡剤、甘味剤及び薬効成分等の各成分を処方量計測した後、一定の製造条件に従って混合し、粘結剤を十分に膨潤させ、さらに、研磨剤及び発泡剤、香味剤、粉末状のエリスリトールを加えて脱泡混合し、本発明の歯磨き組成物を製造できる。
【0021】
本発明の歯磨き組成物の25℃における粘度(ヘリパス型粘度計、ロータC、2.5r/min、1分間)は、1500〜5000dPa・s、さらに2000〜4500dPa・s、特に2500〜4000dPa・sが好ましい。
【実施例】
【0022】
<歯磨き組成物の調製>
表1に示す組成に従って、実施例1〜3及び比較例1〜3の歯磨き組成物を調製した。
なお、エリスリトールは最後に添加した。
【0023】
(1)清涼感の評価
被験者10名(男性5名、女性5名)が、歯ブラシに歯磨き組成物1gをとり、約2分間自由にブラッシングし、口をすすいだ後のサッパリ感の強さを次の基準で評価した。なお、各表に示す判定の結果は10名中最も評価が多かったものを示した。
<清涼感の評価基準>
◎:口の中のサッパリ感が強い
○:口の中のサッパリ感がやや強い
×:口の中のサッパリ感が弱い
【0024】
(2)保存安定性の評価
表1に示す歯磨き組成物を、保存用の歯磨きチューブに詰め、5℃、室温、40℃で3ヶ月間保存した。その後、チューブを切り開いて、歯磨き組成物から液体成分が分離しているか否か次の基準で評価した。
<保存安定性の評価基準>
◎:液体の分離が全く見られない
○:液体の分離がわずかに見られる
×:明らかに液体の分離が見られる
【0025】
(3)冷涼感の即効性の評価
被験者10名(男性5名、女性5名)が、歯ブラシに歯磨き組成物1gをとり、約2分間自由にブラッシングし、比較例1の歯磨き組成物を基準として、冷涼感を次の基準で評価した。
<冷涼感の即効性の評価基準>
◎:基準歯磨き組成物よりも明らかに冷涼感の即効性がある
○:基準歯磨き組成物よりもやや冷涼感の即効性がある
×:基準歯磨き組成物と同等又は同等以下の冷涼感の即効性である
【0026】
【表1】


【0027】
表1に示したように、実施例1〜3の歯磨き組成物では、粒子径が45μm未満のエリスリトールを多く含んでいるため、冷涼感の即効性に優れるという結果だった。さらに、実施例2及び3の歯磨き組成物では、粒子径が45μm未満のエリスリトールをより多く含有しているため、冷涼感の即効性にさらに優れるという結果だった。また、水分を15〜30質量%及び粘結剤を0.6〜3質量%含むため長期の保存安定性にも優れていた。
【0028】
一方、比較例1の歯磨き組成物では、粒子径が45μm以上355μm未満のエリスリトールを多く含んでいるが、粒子径が45μm未満のエリスリトールをあまり含まないため、冷涼感の即効性は、実施例1〜3に比べて劣るという結果だった。また、比較例3の歯磨き組成物では、粒子径が355μm以上1000μm未満のエリスリトールを多く含んでいるが、粒子径が355μm未満のエリスリトールをあまり含まないため、冷涼感を感じないという結果だった。さらに、比較例2及び3の歯磨き組成物では、水分量が少なく、また粘結剤の含有量も少ないため保存安定性が悪いという結果だった。




 

 


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