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ゲルスティック組成物 - 花王株式会社
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発明の名称 ゲルスティック組成物
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−63164(P2007−63164A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−249364(P2005−249364)
出願日 平成17年8月30日(2005.8.30)
代理人 【識別番号】100078732
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 保
発明者 梶野 孝好 / 宮島 哲也
要約 課題
好適な強度及び硬度を有するとともに、使用感にも優れ、かつ白残りの極めて少ない制汗デオドラントスティック組成物に適したゲルスティック組成物を提供すること。

解決手段
(A)下記一般式(1)で表されるトリアミド化合物、(B)水酸基、カルボキシル基、アミド基、及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種の極性基と炭素数3〜24の炭化水素基とを有し、かつ前記(A)成分以外の化合物、及び(C)非極性揮発性炭化水素油を含有するゲルスティック組成物である。
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で表されるトリアミド化合物、(B)水酸基、カルボキシル基、アミド基、及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種の極性基と炭素数3〜24の炭化水素基とを有し、かつ前記(A)成分以外の化合物、及び(C)非極性揮発性炭化水素油を含有するゲルスティック組成物。
【化1】


(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R1、R2及びR3の少なくとも一つは水素原子である。R4、R5及びR6は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数6〜24の炭化水素基を示し、m、n及びpは、それぞれ独立に0〜3の整数を示す。)
【請求項2】
さらに、(D)制汗塩を含有する請求項1記載のゲルスティック組成物。
【請求項3】
一般式(1)においてmが2であり、nが0であり、かつpが3である請求項1又は2に記載のゲルスティック組成物。
【請求項4】
(A)成分が1〜15質量%、(B)成分が0.1〜45質量%、(C)成分が1〜70質量%及び(D)成分が0.1〜60質量%である請求項2又は3に記載のゲルスティック組成物。
【請求項5】
(B)成分が12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸エステル及び12−ヒドロキシステアリン酸アミドから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載のゲルスティック組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なトリアミド化合物を含有するゲルスティック組成物に関し、さらには制汗塩を含有する外用剤組成物として好適なゲルスティック組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのスティック状制汗デオドラント組成物が知られている。例えばジルコニウム塩及び/又はアルミニウム塩等の収斂剤が液体担体中に溶解又は分散した溶液又は分散液を、固体マトリックス中に保持させた形態でスティックなどの固体状製品となる。このような製品は、発汗や汗臭を効果的に抑えるよう設計されている。それ以外に、皮膚に塗布しやすく、優れた使用感があり、塗布後の皮膚や着衣に白残りがないことが、消費者に受け入れられる上で重要な要素である。
【0003】
前記固体マトリックスとして、種々の固化システムが提案されている。ひとつのタイプは、石鹸/アルコールゲル固化剤であるが、これはゲル構造が不安定であるなど、安定性の問題があり、使用感の点でも好ましくない。他のタイプとして、固化剤としてワックス状物質を用いるものがあり、最も一般的に用いられるワックス状物質としては長鎖脂肪族アルコールが挙げられる。このような脂肪族アルコールの固体スティックは、石鹸/アルコールゲルのような安定性の問題はないが、硬度や強度の点で不十分である。脂肪族アルコールを多量に配合すると、非常に硬い構造になってしまうため、硬さ等の固体物性を調整する工夫が行なわれている。しかしながら、これらのワックス状物質は塗布後の皮膚や着衣における白残りの原因となり、白残りの問題は解決できていない。
【0004】
これまで制汗デオドラントスティック組成物の品質、特性及び使用感を改善する試みがなされてきた。例えば、特許文献1及び2には、N−アシルアミノ酸アミドと12−ヒドロキシステアリン酸及びその誘導体とを用いた制汗ゲルスティック組成物が提案されている。
また、特許文献3には、ゲル化剤として、コハク酸アミド化合物等、特定のアミド化合物が開示されている。
【0005】
【特許文献1】米国特許第5429816号明細書
【特許文献2】米国特許第5733534号明細書
【特許文献3】米国特許第5840287号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらのアミド化合物を用いた制汗ゲルスティック組成物は、強度、硬度及び白残りがある程度改善されたものではあるが、塗布性能や制汗効果の点で不十分であり、さらなる改良が望まれていた。
【0007】
本発明の目的は、適度な強度及び硬度を有するとともに、塗布性能、使用感、制汗効果にも優れ、かつ白残りの少ない制汗デオドラントスティック組成物に適したゲルスティック組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、特定の構造のトリアミド化合物、特定の極性基を有する化合物、及び非極性揮発性炭化水素油を含有するゲルスティック組成物が、上記目的を達成できることを見いだした。
すなわち本発明は、(A)下記一般式(1)で表されるトリアミド化合物、(B)水酸基、カルボキシル基、アミド基、及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種の極性基と炭素数3〜24の炭化水素基とを有し、かつ前記(A)成分以外の化合物、及び(C)非極性揮発性炭化水素油を含有するゲルスティック組成物を提供するものである。
【0009】
【化1】


【0010】
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R1、R2及びR3の少なくとも一つは水素原子である。R4、R5及びR6は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数6〜24の炭化水素基を示し、m、n及びpは、それぞれ独立に0〜3の整数を示す。)
【発明の効果】
【0011】
本発明のゲルスティック組成物は、適度な強度及び硬度を有するとともに、皮膚に塗布しやすく、使用感に優れる。特に、制汗デオドラントスティック組成物として用いた場合には、十分な制汗デオドラント効果が得られ、しかも塗布後の皮膚や着衣において白残りがほとんどない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の(A)成分は、前記一般式(1)で表されるトリアミド化合物である。
この一般式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、R1、R2及びR3の少なくとも一つは水素原子であるが、R1、R2及びR3のうちの二つ以上が水素原子であることが好ましい。また、前記炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられるが、これらの中でメチル基が好ましい。このR1、R2及びR3は、たがいに同一でも異なっていてもよい。
また、R4、R5及びR6は、置換基を有していてもよい炭素数6〜24の炭化水素基であって、飽和もしくは不飽和の直鎖状又は分岐状炭化水素基を示す。置換基としては、例えば、エーテル基、アミド基、エステル基、アミノ基、水酸基などが挙げられる。
【0013】
直鎖状飽和炭化水素基としては、例えばヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、イコシル、ドコシル、テトラコシルなどの基が挙げられる。
【0014】
分岐状飽和炭化水素基としては、分岐の位置は特に限定されず、例えばメチルペンチル、メチルヘキシル、エチルヘキシル、メチルノニル、ジメチルオクチル、テトラメチルオクチル、メチルドデシル、ジメチルウンデシル、トリメチルデシル、ヘキシルデシル、メチルペンタデシル、ジメチルテトラデシル、トリメチルトリデシル、テトラメチルドデシル、オクチルドデシル、デシルテトラデシルなどの基が挙げられる。
【0015】
直鎖状又は分岐状不飽和炭化水素基としては、不飽和結合の位置は特に限定されず、例えばヘキセニル、オクテニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニル、イコセニル、ドコセニル、テトラコセニル、メチルペンテニル、メチルヘキセニル、エチルヘキセニル、メチルノネニル、ジメチルオクテニル、テトラメチルオクテニルなどの基が挙げられる。
【0016】
水酸基を有する直鎖状又は分岐状飽和炭化水素基としては、水酸基の位置は特に限定されず、例えば、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシデシル、ヒドロキシドデシル、ヒドロキシテトラデシル、ヒドロキシヘキサデシル、ヒドロキシオクタデシル、ヒドロキシイコシル、ヒドロキシドコシル、ヒドロキシテトラコシル、ヒドロキシメチルペンチル、ヒドロキシメチルヘキシル、ヒドロキシエチルヘキシル、ヒドロキシメチルノニル、ヒドロキシジメチルオクチル、ヒドロキシテトラメチルオクチルなどの基が挙げられる。
【0017】
水酸基を有する直鎖状又は分岐状不飽和炭化水素基としては、水酸基、不飽和結合の位置は特に限定されず、例えば、ヒドロキシヘキセニル、ヒドロキシオクテニル、ヒドロキシデセニル、ヒドロキシドデセニル、ヒドロキシテトラデセニル、ヒドロキシヘキサデセニル、ヒドロキシオクタデセニル、ヒドロキシイコセニル、ヒドロキシドコセニル、ヒドロキシテトラコセニル、ヒドロキシメチルペンテニルなどの基が挙げられる。
【0018】
エーテル基を有する炭化水素基としては(エチルヘキシロキシ)エチル、ドデシロキシエチル、オクタデシロキシエチル、オクタデシロキシプロピル、((オクタデシロキシ)エチロキシ)エチル、オクタデセニロキシプロピルなどの基が挙げられる。
【0019】
アミド基を有する炭化水素基としては、N−オクタデカノイルアミノエチル、N−ドデカノイルアミノプロピル、N−オクタデセノイルアミノプロピル、N−(2−エチルヘキサノイル)アミノエチルなどの基が挙げられる。
【0020】
エステル基を有する炭化水素基としては、2−ステアロイルオキシエチル基が挙げられ、アミノ基を有する炭化水素基としては、N,N−ジオクチル−3−アミノプロピル基が挙げられる。
【0021】
これらのうち、R4,R5及びR6の各々としては、このアミド化合物により形成されるゲルの透明性及び強度の点から炭素数8〜24の飽和もしくは不飽和の直鎖状又は分岐状炭化水素基、及びエーテル基を有する上記炭化水素基が好ましく、さらに炭素数8〜22の飽和もしくは不飽和の直鎖状又は分岐鎖状炭化水素基が好ましく、このうち特にオクタデシロキシエチル基、オクタデシロキシプロピル基が好ましい。
【0022】
前記一般式(1)において、m、n及びpは、それぞれ独立に0〜3の整数を示すが、本発明においては、m及びpがそれぞれ1〜3であり、nが0であることが好ましい。特に、mが2であり、nが0であり、かつpが3であるものが好ましい。
【0023】
このような構造を有するアミド化合物の製造方法については、当該構造を有するアミド化合物が得られる方法であればいずれも使用でき、特に制限はないが、例えば以下に示す方法により製造することができる。
すなわち、前記一般式(1)で表されるアミド化合物は、一般式(2)
【0024】
【化2】


【0025】
(式中、m、n及びpは、前記と同じである。)
で表されるアルカントリカルボン酸又はその反応性誘導体と、一般式(3−a)、(3−b)、(3−c)
【0026】
【化3】


【0027】
(式中、R1〜R6は、前記と同じである。)
で表されるアミン化合物を反応させることにより、製造することができる。
前記一般式(3−a)、(3−b)及び(3−c)の各々で表される各アミン化合物は、たがいに同一であっても異なっていてもよいが、少なくとも一つは一級アミンであることが好ましい。
また、前記一般式(2)で表されるアルカントリカルボン酸の反応性誘導体としては、該アルカントリカルボン酸におけるカルボン酸の少なくとも一部が、低級アルキルエステル化、酸ハロゲン化物化又は酸無水物化しているものを挙げることができるが、本発明においては、遊離のアルカントリカルボン酸を用いるのが有利である。
【0028】
前記一般式(2)で表されるアルカントリカルボン酸と、一般式(3−a)、(3−b)、(3−c)で表されるアミン化合物の使用割合は、本発明のアミド化合物を収率よく得るためには、上記アミン化合物を、化学量論的量よりも過剰に用いることが好ましく、上記アルカントリカルボン酸1モルに対し、アミン化合物が、通常3〜10モル、好ましくは3〜6モルの範囲で用いられる。
反応は、一般に120〜220℃の反応温度において行うことができる。反応時間は、反応温度及び原料のアルカントリカルボン酸やアミン化合物の種類などに左右され、一概に定めることはできないが、通常1〜20時間程度で十分である。このようにして、一般式(1)で表される本発明のトリアミド化合物を得ることができる。
【0029】
(A)成分としては、1種単独で又は一般式(1)で表される2種以上のトリアミド化合物を併用することもできる。また、(A)成分の含有量は、ゲルスティック組成物中に1〜15質量%であることが好ましく、さらには1〜10質量%であることが好ましい。(A)成分の含有量が1質量%以上であると、適度な強度と硬度のゲルスティック組成物が得られ、かつ、白残りの少ない制汗デオドラントスティック組成物を提供することができる。一方、(A)成分の含有量が15質量%以下であると(B)成分の配合量を少なくできる利点がある。
【0030】
次に、本発明の(B)成分は、水酸基、カルボキシル基、アミド基、及びリン酸基から選ばれる少なくとも1種の極性基と炭素数3〜24の炭化水素基とを有する化合物である。特に、前記極性基と炭素数6〜24の炭化水素基とを有する化合物が好ましい。但し、(B)成分は(A)成分とは異なる化合物群である。(B)成分は、上記(A)成分を後述する(C)成分又は油剤に溶解して製剤化するに際し、その溶解温度やゲル化温度を低下させる機能を有する。具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
【0031】
水酸基を有する化合物としては、水酸基を1つ有する化合物と水酸基を2つ有する化合物が好適である。水酸基を1つ有する化合物としては、ゲル化剤として知られる12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、12−ヒドロキシラウリン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、これらの誘導体が挙げられるほか、全炭素数3〜24の脂肪族アルコールが挙げられる。該脂肪族アルコールは、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、また飽和及び不飽和のいずれであってもよい。具体的には、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどが挙げられる。
なお、12−ヒドロキシステアリン酸などは水酸基と後述するカルボキシル基の2つの極性基を持つものであり、12−ヒドロキシステアリン酸アミドなどは水酸基と後述するアミド基の2つの極性基を持つものである。
【0032】
水酸基を2つ有する化合物としては、全炭素数3〜24のグリコール、全炭素数6〜24のグリセリンの部分エステル又は部分エーテルなどが挙げられる。具体的には、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、ラウリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリルグリセリルエーテル、イソデシルグリセリルエーテル、エチルヘキシルグリセリルエーテルなどが挙げられる。
【0033】
カルボキシル基を有する化合物としては、全炭素数3〜24の脂肪酸が挙げられる。該脂肪酸は、直鎖状であっても、分岐状であってもよく、また飽和及び不飽和であってもよい。具体的には、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などが挙げられる。
【0034】
アミド基を有する化合物としては、(A)成分の溶解温度やゲル化温度を低下させる機能を有し、(A)成分以外のアミド化合物であり、モノアミド化合物又はジアミド化合物が好ましい。具体的には、ココイル(C11−C14)モノエタノールアミド、ラウリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミドなどが挙げられる。なお、ここでアミド基を有する化合物は、前記(A)成分以外の化合物である。
【0035】
また、リン酸基を有する化合物としては、モノアルキルリン酸、ジアルキルリン酸、モノ体とジ体の任意の混合物(セスキアルキルリン酸)を用いることができる。例えば、モノステアリルリン酸、ジステアリルリン酸、セスキステアリルリン酸、セスキイソステアリルリン酸等のリン酸エステル及びその塩が挙げられる。
【0036】
これらのうち、特に12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸エステル及び12−ヒドロキシステアリン酸アミドが好ましく、ゲル強度を低下させることなく、トリアミド化合物の溶解温度を低下させることができる。
【0037】
(B)成分としては、1種単独で又は2種以上を併用することができ、その含有量は、ゲルスティック組成物中に0.1〜45質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがさらに好ましい。(B)成分の含有量が0.1質量%以上であると(A)成分の溶解温度、ゲル化温度を十分に下げることができ、ゲルスティック組成物の製造が容易となる。また、(B)成分の含有量が45質量%以下であると、ゲルスティック組成物に適度な硬度を与えることができる。
【0038】
次に、本発明の(C)成分は非極性揮発性炭化水素油である。25℃において液状であり、25℃で蒸気圧が測定されるものである。通常、蒸気圧が0.01〜6mmHg、好ましくは0.01〜2.0mmHgで、1気圧における平均沸点が約250℃未満のものである。(C)成分を用いることにより使用感が向上する。
具体的には、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、イソエイコサン、軽質流動イソパラフィン、トルエン等が挙げられる。
(C)成分は1種単独で又は2種以上を併用することができ、その含有量は、ゲルスティック組成物中に1〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがさらに好ましい。
【0039】
また、本発明のゲルスティック組成物には、その他の油性成分を含有することができ、例えば、環状シリコーン、直鎖及び/又は分岐鎖シリコーン等の揮発性シリコーンなどのシリコーン油を用いることができる。
【0040】
本発明のゲルスティック組成物を制汗デオドラントスティック組成物として用いる場合には、(D)成分として制汗塩を含有する。かかる制汗塩としては、例えばアルミニウム、ジルコニウム、亜鉛等の無機塩、有機塩などの収斂性金属塩が挙げられる。特に、アルミニウムハライド、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムヒドロキシハライド、ジルコニルオキシハライド、ジルコニルヒドロキシハライド等のアルミニウム含有塩及び/又はジルコニウム含有塩又はそれらを含有する物質が好ましい。
【0041】
アルミニウム塩としては、式Al2(OH)aClb・xH2O(式中、aは2〜5の数を示し、a及びbの合計は6を示し、xは1〜6の数を示す)で表わされるものが好ましく、特に、a=4である「5/6 ベーシック クロロヒドロキシド」と呼ばれるアルミニウムクロロヒドロキシドが好ましい。このようなアルミニウム塩は、例えば米国特許第3887692号明細書、米国特許第3904741号明細書等に記載されている方法により製造することができる。また、英国特許第2048229号明細書に記載されているアルミニウム塩の混合物を用いることもできる。
【0042】
ジルコニウム塩としては、式ZrO(OH)2-aCla・xH2O(式中、aは1.5〜1.897の数を示し、xは1〜7の数を示す)で表わされるものが好ましい。また、さらにアルミニウム及びグリシンを含むジルコニウムコンプレックスが好ましく、このようなコンプレックスは、ZAGコンプレックスとして、例えば米国特許第3792068号明細書、米国特許第4120948号明細書等に記載されている。
【0043】
好ましい制汗塩としては、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、アルミニウム・クロロハイドレックス・プロピレングリコールコンプレックス、アルミニウム・ジクロロハイドレックス・プロピレングリコールコンプレックス、アルミニウム・セスキクロロハイドレックス・プロピレングリコールコンプレックス、アルミニウム・クロロハイドレックス・ポリエチレングリコールコンプレックス、アルミニウム・ジクロロハイドレックス・ポリエチレングリコールコンプレックス、アルミニウム・セスキクロロハイドレックス・ポリエチレングリコールコンプレックス、アルミニウム・ジルコニウム・トリクロロハイドレート、アルミニウム・ジルコニウム・テトラクロロハイドレート、アルミニウム・ジルコニウム・ペンタクロロハイドレート、アルミニウム・ジルコニウム・オクタクロロハイドレート、アルミニウム・ジルコニウムクロライド・プロピレングリコールコンプレックス、アルミニウム・ジルコニウムクロライド・グリシンコンプレックス、アルミニウム・ジルコニウム・トリクロロハイドレックス・グリシンコンプレックス、アルミニウム・ジルコニウム・テトラクロロハイドレックス・グリシンコンプレックス、アルミニウム・ジルコニウム・オクタクロロハイドレックス・グリシンコンプレックス、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が挙げられる。
【0044】
市販品としては、例えばアルミニウム・ジルコニウムクロライド・プロピレングリコールコンプレックスとして、REZAL 36 PGP Powder、REACH AZP-908 PG Powder(以上、REHEIS社製)、Westchlor ZR41 PG ASP Poweder(Westwood Chemical社製)等;アルミニウム・ジルコニウムクロライド・グリシンコンプレックスとして、REACH AZP-908、REACH AZP-908SUF、REACH AZP-902(以上、REHEIS社製)等を使用することができる。
【0045】
(D)制汗塩は1種以上を用いることができ、全組成中に0.1〜60質量%、好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは10〜30質量%含有される。かかる範囲において、汗や臭いを抑える効果が十分に得られる。なお、この質量%は、水や、グリシン、グリシン塩、他の錯化剤を除き、無水金属塩として計算したものである。
【0046】
本発明のゲルスティック組成物は、さらに、通常の制汗デオドラント製品や他のパーソナルケア製品、あるいは皮膚外用剤に用いられる成分を含有することができる。
かかる成分としては、特に制限されないが、例えば、保湿剤(エモリエント)、染料、着色剤、乳化剤、香料、デオドラント香料、抗菌剤や他のデオドラント物質、防腐剤、ビタミン類、酸化防止剤、カップリング剤や他の溶剤、界面活性剤、粘度調整剤、すすぎ補助剤、塗布助剤、薬効剤、充填剤、植物抽出物等が挙げられる。
【0047】
本発明のゲルスティック組成物は、通常の方法により、所望の形態に製造することができる。例えば、(C)非極性揮発性炭化水素油及び必要に応じて加えられる不揮発性液体担体に、(A)前記一般式(1)で表されるアミド化合物並びに(B)極性基を有する化合物を混合し、(A)成分が溶解する温度まで、溶解温度以上に加熱し、単一の液体相を形成させる。制汗デオドラントゲルスティック組成物を得る場合には、この段階で(D)制汗塩及び必要に応じて充填剤を加え、加熱しながら分散させる。得られた単一層の液体を、ゲル化温度より少し高い温度まで冷却し、香料及び必要に応じて他の成分を加え、次いで、ディスペンサー容器に流し込み、室温又は冷却条件下で固める。
【0048】
本発明のゲルスティック組成物は、通常、粒子固体に水和された水以外に、10質量%未満、好ましくは5質量%未満、更に好ましくは3質量%未満でしか水を含まない、実質的に無水組成物である。
【0049】
本発明のゲルスティック組成物は、通常、固体でスティック状のものである。「固体」とは、硬度が約100g以上、通常約200g以上の組成物を含むものである。硬度を測定する一般的な方法としては、25℃、相対湿度40%で、FUDOH RHEO METER NRM-2010J-CW(REOTECH社製)を用いて測定するものである。標準針入プランジャーはステンレス鋼からなる直径3mmのもので、アダプターNo.6として、REOTECH社から市販されている。硬度は、ゲルスティック組成物の中心表面から10mmまでの距離を、標準プランジャーを2cm/分で動かすときに必要な最大の力を示す。
【0050】
本発明のゲルスティック組成物を制汗デオドラントスティックとして用いる場合には、わきの下や他の部位に、汗及び/又は臭いを抑えるのに十分な量を塗布することにより使用される。対象とする皮膚上の部位に、約0.1〜10g、特に0.1〜5g、更に0.1〜1g塗布するのが好ましい。また、本発明のゲルスティック組成物は、汗及び/又は臭いを有効に抑えるために、1日1回又は2〜3回塗布するのが好ましい。
【実施例】
【0051】
評価方法
専門パネラー10名により、各実施例及び比較例で得られたゲルスティック組成物の塗布のしやすさ、白残り、制汗効果を官能評価し、以下の基準でスコアを求め、その平均スコアにより、判定した。
(1)塗布のしやすさ
各実施例及び比較例で得られたゲルスティック組成物を手の甲や前腕に適量塗布し、塗布しやすさを以下の基準に基づき官能評価した。
非常に軽く、塗りやすい・・・・スコア4
軽く伸び、塗りやすい・・・・・スコア3
伸びがやや悪く、やや塗り難い・スコア2
伸びず、塗り難い・・・・・・・スコア1
(2)白残りの少なさ
各実施例及び比較例で得られたゲルスティック組成物を前腕に適量塗布し、室温で5分間放置した後に塗布箇所を目視にて観察した(表中に皮膚と表示)。また、黒い衣服に適量塗布し、8時間後に塗布箇所を目視にて観察した(表中に黒い衣服と表示)。評価基準は以下のとおりである。
非常に少ない・・・スコア4
少ない ・・・スコア3
やや多い ・・・スコア2
多い ・・・スコア1
(3)制汗効果
各実施例及び比較例で得られたゲルスティック組成物を前腕やワキに塗布し、38℃、40%RHの条件の下で30分後の制汗効果を以下の基準に基づき官能評価した。
べたつかない ・・・スコア4
あまりべたつかない・スコア3
ややべたつく ・・・スコア2
ベたつく ・・・スコア1
判定基準;
◎:平均スコア3.5〜4.0
○:平均スコア2.5〜3.4
△:平均スコア1.5〜2.4
×:平均スコア1.0〜1.4
【0052】
製造例1(アミド化合物aの製造)
3−オクタデシロキシプロピルアミン152.2g、オクタデシルアミン124.7g、ヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸50gを脱水管のついた500mL4つ口丸底フラスコに入れ、窒素気流下、150℃で精製する水を除去しながら9時間攪拌昇温した。IRにてカルボン酸の消失を確認後、エタノール11kgから再結晶、ろ過、乾燥を行ない、再度エタノール6kgから再結晶、ろ過、乾燥を繰り返して白色の粉末状固体としてアミド化合物a(ヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸アルキルアミド)186.9gを得た。3−オクタデシロキシプロピル鎖の導入量は平均1.5本、オクタデシル鎖は平均1.5本であった。ニンヒドリン試験は陰性であり、収率は76%であった。
【0053】
製造例2(アミド化合物bの製造)
2−エチルヘキシルアミン54.5g、ヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸15.3gを脱水管のついた300mL4つ口丸底フラスコに入れ、窒素気流下150℃で、生成する水を除去しながら10時間攪拌した。常圧下、150℃で窒素の吹き込みを行い、更に150℃,6.7kPaで100gの蒸気を吹き込んで余剰のアミンを留去して、褐色のガラス状固体としてアミド化合物b(ヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸トリ−(2’−エチルヘキシル)アミド)16gを得た。収率は41%であった。
【0054】
製造例3(アミド化合物cの製造)
3−オクタデシロキシプロピルアミン67.6gを脱水管のついた300mL4つ口丸底フラスコに入れ、窒素気流下、180℃のオイルバス中で攪拌昇温した。アミンの融解後、ヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸10.0gを徐々に添加し、160℃で8時間攪拌した。IRにてカルボン酸の消失を確認後、エタノール1.5Lから再結晶、ろ過、乾燥を行ない、白色の粉末状固体としてアミド化合物c(ヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸トリ−(3’−オクタデシロキシプロピル)アミド)46.9gを得た。収率は89%であった。
【0055】
製造例4(アミド化合物dの製造)
オクタデシルアミン111.1g、ヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸1.5gを脱水管のついた300mL4つ口丸底フラスコに入れ、窒素気流下165℃で、生成する水を除去しながら1時間攪拌した。その後165℃、4.5時間の熟成中にヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸13.5gを3回に分けて添加し、更に5時間165℃で熟成を行なった。IRにてカルボン酸の消失を確認した後、エタノール4L、ヘキサン0.6Lの混合溶媒から再結晶、ろ過、乾燥を行い、白色の粉末固体としてアミド化合物d(ヘキサン−1,3,6−トリカルボン酸トリオクタデシルアミド)57.1gを得た。収率は85%であった。
【0056】
実施例1〜11
製造例1〜4で製造したアミド化合物a、b、c及びdを用いて、表1に示す処方によりゲルスティック組成物を得た。それぞれのアミド化合物の油剤に対する溶解温度及びゲル化温度を表1に示す。
【0057】
比較例1〜4
製造例1〜4で製造したアミド化合物a、b、c及びdを(B)成分を加えることなく、油剤に溶解させてゲルスティック組成物を得た。それぞれのアミド化合物の油剤に対する溶解温度及びゲル化温度を表1に示す。
【0058】
【表1】


【0059】
*1 オクチルドデカノール;コグニス社製「オイタノールG」
*2 イソミリスチルアルコール;日産化学工業社製「ファインオキソコール140N」
*3 プロピレングリコール;旭電化工業社製「アデカプロピレングリコール PG」
*4 ヘキシレングリコール;三井化学社製
*5 グリセリルモノラウレート;太陽化学社製「サンソフト750H」
*6 モノヒドロキシステアリン酸グリセリル;日清オイリオグループ社製「サラスコ121」
*7 12−ヒドロキシステアリン酸;日本油脂社製「ひまし硬化脂肪酸」
*8 ココイルモノエタノールアミド;川研ファインケミカル社製「アミゾールCME」
*9 セスキステアリルリン酸;花王社製「DAP−SP80」
*10 軽質流動イソパラフィン;日本石油化学社製「アイソゾール400K」
*11 シリコーン油;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製「シクロメチコンSH−245」
【0060】
実施例12〜21、比較例5及び6
製造例1〜3で製造したアミド化合物a、b及びcを用いて、表2に示す処方により、制汗デオドラントゲルスティック組成物を得た。上記評価方法により評価した結果を表2に示す。
【0061】
【表2】


【0062】
*12 軽質流動イソパラフィン;エクソンモービル社製「アイソパーM」
*13 制汗塩;REHEIS社製「REACH AZP−908 SUF」
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のゲルスティック組成物は、好適な強度及び硬度を有するとともに、皮膚に塗布しやすく、使用感に優れている。制汗デオドラントスティック組成物として好適に用いることができ、十分な制汗デオドラント効果が得られ、しかも塗布後に肌上に白残りがほとんどない。




 

 


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