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発明の名称 水中油型乳化化粧料
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−63145(P2007−63145A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247411(P2005−247411)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
発明者 片山 靖 / 岡田 譲二 / 福田 啓一
要約 課題
結晶性の高いアミド化合物の結晶化が抑制され、保存安定性に優れるとともに、べたつきがなく使用感が良好で、効果感が高く、しかも皮膚からの水分蒸散を抑制することができる水中油型乳化化粧料を提供する。

解決手段
(A)一般式(1)又は(2)で表されるアミド化合物、
特許請求の範囲
【請求項1】
次の成分(A)〜(E):
(A)次の一般式(1)又は(2)で表されるアミド化合物、
【化1】


(式中、R11はヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X11、X12及びX13は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X14は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X14がオキソ基を形成するとき、X13は存在しない。);R12及びR13は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R14はヒドロキシル基、カルボキシル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;R15は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(但し、R11が水素原子、Zが酸素原子のときR15は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R11が炭化水素基のときR15は総炭素数1〜8の炭化水素基である);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)
【化2】


(式中、R16はヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基が置換していてもよい、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示し、R17は炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基を示し、R18は炭素数1〜42の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基を示す)
(B)炭素数13〜30の直鎖飽和炭化水素基を有する高級脂肪酸又は高級アルコール、
(C)25℃で液体の非極性油又はシリコーン油、
(D)炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素基を有する両親媒性高分子、
(E)水
を含有する水中油型乳化化粧料。
【請求項2】
成分(A)の含有量が0.1〜5質量%、成分(A)に対する成分(B)の質量比((B)/(A))が0.4〜2である請求項1記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
成分(A)に対する成分(C)の質量比((C)/(A))が1〜500である請求項1又は2記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項4】
成分(D)の含有量が0.01〜5質量%、成分(A)に対する成分(D)の質量比((D)/(A))が0.5以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項5】
成分(A)及び成分(B)が、偏光顕微鏡下でマルテーゼクロス像を示す構造体を形成する請求項1〜4のいずれか1項記載の水中油型乳化化粧料。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶性の高いアミド化合物の結晶化が抑制され、保存安定性に優れるとともに、べたつきがなく使用感が良好で、効果感が高く、しかも皮膚からの水分蒸散を抑制することができる水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚角質層に存在する細胞間脂質の主成分であるセラミドは、皮膚のバリア機能や保湿機能を担う生体物質であることが知られている。しかしながら、セラミドは結晶性が高く、一般的な化粧品基剤に対する溶解性が乏しいため、化粧料に配合することが困難である。
これまでに、化粧料にセラミド類、及びセラミド類同機能を有するアミド化合物を安定に配合する様々な試みがなされている。特許文献1には、セラミド類、アルキロイル乳酸及び/又はその塩、並びにグリセリン及び/又は重合度2以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する化粧品添加物が開示されている。しかしながら、この添加物を化粧品に配合した場合のセラミド類の濃度は、実質的には0.2重量%以下であり、皮膚に対するセラミド類の有効性が不十分である。
【0003】
また、特許文献2には、セラミド類を安定配合するために、カチオン性界面活性剤を含有する化粧品用組成物が開示されている。しかしながら、セラミド類に対するカチオン性界面活性剤の濃度が高く、べたつき等の感触面の悪さが懸念される。
一方、特許文献3には、セラミド類、両親媒性高分子、25℃でペースト状の油剤及び/又は25℃で液体の極性油剤を含有することにより、皮膚刺激性がなく安全性に優れた皮膚化粧料が開示されている。しかしながら、この化粧料においては、セラミド類をペースト状油剤及び/又は極性油剤中に溶解させることにより安定化しているため、配合量の制限や使用感の問題があった。
【特許文献1】特開2001−199872号公報
【特許文献2】特開2001−114629号公報
【特許文献3】特開2004−107227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、結晶性の高いアミド化合物の結晶化が抑制され、保存安定性に優れるとともに、べたつきがなく使用感が良好で、効果感が高い水中油型乳化化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者らは、保湿性に優れるが結晶性が高いために化粧料に安定に配合することが困難なアミド化合物に、特定の高級脂肪酸又は高級アルコール、25℃で液体の非極性油又はシリコーン油、特定の両親媒性高分子及び水を組み合わせて用いることにより、一般的な低分子界面活性剤を用いることなく、上記課題を解決した水中油型乳化化粧料が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(E):
(A)次の一般式(1)又は(2)で表されるアミド化合物、
【0007】
【化1】


【0008】
(式中、R11はヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X11、X12及びX13は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X14は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Zがメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X14がオキソ基を形成するとき、X13は存在しない。);R12及びR13は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R14はヒドロキシル基、カルボキシル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;R15は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい、総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し(但し、R11が水素原子、Zが酸素原子のときR15は総炭素数10〜30の炭化水素基であり、R11が炭化水素基のときR15は総炭素数1〜8の炭化水素基である);破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)
【0009】
【化2】


【0010】
(式中、R16はヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基が置換していてもよい、炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示し、R17は炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基を示し、R18は炭素数1〜42の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基を示す)
(B)炭素数13〜30の直鎖飽和炭化水素基を有する高級脂肪酸又は高級アルコール、
(C)25℃で液体の非極性油又はシリコーン油、
(D)炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素基を有する両親媒性高分子、
(E)水
を含有する水中油型乳化化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の水中油型乳化化粧料は、結晶性が高く配合が困難であるが皮膚のバリア機能や保湿機能に優れるアミド化合物を、実質的に低分子の界面活性剤を用いず、特定の両親媒性高分子を用い、成分(A)と成分(B)から成る構造体を形成させることにより、結晶を析出させることなく安定に保持することができる。保存安定性に優れ、アミド化合物の効果を十分に発揮させることができ、皮膚からの水分蒸散抑制能が高く、また、べたつきが少なく使用感に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明で用いる成分(A)のアミド化合物は、前記一般式(1)で表されるセラミド類又は一般式(2)で表されるジアミド化合物である。
一般式(1)中、R11は、ヒドロキシル基、カルボニル基若しくはアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子である。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
【0013】
11、X12及びX13は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示す。特にX11、X12及びX13のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子であるのが好ましい。Zがメチン基のとき、X11とX12のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X14は水素原子かグリセリル基であるのが好ましい。
12及びR13は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR12は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR13は水素原子である。
【0014】
14は、ヒドロキシル基、カルボキシル基又はアミノ基が置換していてもよい、主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
【0015】
15は、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜30の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基である。R11が水素原子、Zが酸素原子のときR15は総炭素数10〜30の炭化水素基である。また、R11が炭化水素基のときR15は総炭素数1〜8の炭化水素基である。特に、水素原子あるいは、ヒドロキシル基及びヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基から選ばれる1〜3個が置換していてもよい総炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい。ここで、ヒドロキシアルコキシ基及びアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0016】
一般式(1)で表わされるセラミド類としては、特に次の一般式(3)又は(4)で表わされるセラミド類であることが好ましい。
(I)一般式(3)で表わされる天然由来のセラミド類又は同構造の合成物及びその誘導体(以下、天然型セラミドと記載する。)。
【0017】
【化3】


【0018】
(式中、R21はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜19の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Z1はメチレン基又はメチン基を示し;X15、X16、及びX17は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し;X18は水素原子を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Z1がメチン基のとき、X15とX16のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X18がオキソ基を形成するとき、X17は存在しない。);R22はヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;R23は水素原子を示すか、炭素数1〜4のアルキル基を示し;R24はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数5〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該アルキル基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す。)
【0019】
好ましくは、R21が炭素数7〜19、更に好ましくは炭素数13〜15の直鎖アルキル基;R24がヒドロキシル基が置換しても良い炭素数9〜27の直鎖アルキル基又はリノール酸がエステル結合した炭素数9〜27の直鎖アルキル基である化合物が挙げられる。また、X18は水素原子を示すか、酸素原子とともにオキソ基を形成するのが好ましい。特に、R24としては、トリコシル、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヒドロキシトリコシル、ヘプタデシル、1−ヒドロキシウンデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したノナコシル基が好ましい。
【0020】
天然型セラミドの具体的な例示として、スフィンゴシン、ジヒドロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン又はスフィンガジエニンがアミド化されたセラミドType1〜7(例えば、J. Lipid Res., 24:759(1983)の図2、及びJ. Lipid. Res.,35:2069(1994)の図4記載のブタ及びヒトのセラミド類)が挙げられる。
【0021】
更にこれらのN−アルキル体(例えばN−メチル体)も含まれる。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。特にCERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
【0022】
【化4】


【0023】
これらは天然からの抽出物及び合成物のいずれでもよく、市販のものを用いることができる。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
【0024】
【化5】


【0025】
(II)一般式(4)で表わされる擬似型セラミド。
【0026】
【化6】


【0027】
(式中、R25は、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖若しくは環状の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又は水素原子を示し;X19は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示し;R26はヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基であるか、又は該炭化水素基のω末端に、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合したものを示し;R27は水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜30のアルキル基を示す。)
【0028】
26としては、特にノニル、トリデシル、ペンタデシル、ω位にリノール酸がエステル結合したウンデシル基、ω位にリノール酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位に12−ヒドロキシステアリン酸がエステル結合したペンタデシル基、ω位にメチル分岐イソステアリン酸がアミド結合したウンデシル基が好ましい。
【0029】
27は、R25が水素原子の場合は、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数10〜30の、好ましくは総炭素数12〜20のアルキル基であり、R25がヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数10〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である場合には、水素原子を示すか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基又はアセトキシ基が置換していてもよい総炭素数1〜8のアルキル基を示すのものが好ましい。R27のヒドロキシアルコキシ基又はアルコキシ基としては炭素数1〜7のものが好ましい。
【0030】
一般式(4)としては、R25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;R25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がノニル基、R27がヒドロキシエチル基のもの;又はR25がヘキサデシル基、X19がグリセリル基、R26がトリデシル基、R27が3−メトキシプロピル基の擬似型セラミド類が好ましく、一般式(4)のR25がヘキサデシル基、X19が水素原子、R26がペンタデシル基、R27がヒドロキシエチル基のもの(N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド)(ソフケアセラミドSL−E(花王社))が、特に好ましい。
【0031】
【化7】


【0032】
また、一般式(2)で表されるジアミド化合物中、R16としては、ヒドロキシル基及び炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる基の1〜3個で置換していてもよい炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、ヒドロキシル基とアルコキシ基が同時に置換していてもよい。
例えば、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のモノ−又はジ−ヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数1〜18のアルキル基及びヒドロキシル基と炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数1〜18のアルキル基が好ましい。特に、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜12のモノ−又はジ−ヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数2〜12のアルキル基、ヒドロキシル基と炭素数1〜6のアルコキシ基が置換した炭素数2〜12のアルキル基がより好ましい。
【0033】
具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基、2−メチルプロピル基、2−エチルヘキシル基、メチル分岐イソステアリル基等のアルキル基;2−ヒドロキシエチル基、9−ヒドロキシノニル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等のモノ又はジヒドロキシアルキル基;2−メトキシエチル基、9−メトキシノニル基等のアルコキシ基置換アルキル基;2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基等のヒドロキシル基とアルコキシ基が置換したアルキル基などが挙げられる。このうち、2−ヒドロキシエチル基、メチル基、ドデシル基、2−メトキシエチル基がより好ましい。
【0034】
17は、炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基、さらには炭素数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましい。具体的には、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルメチレン基(エチリデン基)、1−メチルエチレン基、2−メチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、2−エチルトリメチレン基等が挙げられる。このうち、エチレン基及びトリメチレン基がより好ましい。
【0035】
一般式(2)において、R18は、炭素数2〜34の直鎖又は分岐鎖の二価炭化水素基が好ましく、さらには炭素数2〜34の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基又は1〜4個の二重結合を有するアルケニレン基が好ましく、特に炭素数2〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基又は1〜4個の二重結合を有するアルケニレン基が好ましい。具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、オクタデカメチレン基、トリコサメチレン基、ヘキサコサメチレン基、トリアコンタメチレン基、1−メチルエチレン基、2−エチルトリメチレン基、1−メチルヘプタメチレン基、2−メチルヘプタメチレン基、1−ブチルヘキサメチレン基、2−メチル−5−エチルヘプタメチレン基、2,3,6−トリメチルヘプタメチレン基、6−エチルデカメチレン基、7−メチルテトラデカメチレン基、7−エチルヘキサデカメチレン基、7,12−ジメチルオクタデカメチレン基、8,11−ジメチルオクタデカメチレン基、7,10−ジメチル−7−エチルヘキサデカメチレン基、1−オクタデシルエチレン基、9,10−ジオクチルオクタデカメチレン基、8,9−ジノニルヘキサデカメチレン基、エテニレン基、1−オクタデセニルエチレン基、7,11−オクタデカジエニレン基、7−エテニル−9−ヘキサデカメチレン基、7,12−ジメチル−7,11−オクタデカジエニレン基、8,11−ジメチル−7,11−オクタデカジエニレン基、9,10−ジオクチル−7,11−オクタデカジエニレン基、8,9−ジノニル−6,10−ヘキサデカジエニレン基等が挙げられる。このうち、7,12−ジメチルオクタデカメチレン基、7,12−ジメチル−7,11−オクタデカジエニレン基、オクタデカメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、トリデカメチレン基がより好ましい。
【0036】
ジアミド化合物(2)において、好ましい化合物は、一般式(2)中のR16、R17及びR18がそれぞれ上記のより好ましい範囲の基を組合せた化合物であり、特に好ましいのは、以下のジアミド化合物(A)〜(O)である。
【0037】
【化8】


【0038】
【化9】


【0039】
これらのうち、ジアミド化合物(A)〜(C)、(F)〜(J)及び(L)が好ましく、特にジアミド化合物(F)が最も好ましい。
ジアミド化合物(2)は、例えば、国際公開第00/61097号パンフレット等に記載された方法のように、対応するジカルボン酸又はその反応性誘導体(エステル、酸ハライド、酸無水物等)とアミンを縮合させることにより、効率的に得ることができる。
【0040】
成分(A)としては、一般式(1)、(2)で表されるアミド化合物から選択される少なくとも1種を用いるが、これらのうち2種以上の化合物を併用することが、皮膚に対するバリア機能や保湿機能を高める点から、より好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料中における成分(A)の含有量は、皮膚に対するバリア機能や保湿機能を充分に発揮するために、全組成中に0.1質量%以上であるのが好ましく、保存安定性とのバランスも考慮すると、全組成中に0.1〜5質量%、特に0.5〜5質量%であるのが好ましい。
【0041】
本発明で用いる成分(B)の高級脂肪酸及び/又は高級アルコールは、結晶性の高い成分(A)と構造体を形成する成分であり、炭素数13〜30の直鎖飽和炭化水素基を有するもので、好ましくは炭素数13〜22、特に好ましくは炭素数13〜18のものである。
成分(B)の高級脂肪酸としては、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。特に、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸が、成分(A)と構成するα型ゲル構造の安定性上、より好ましい。
【0042】
市販品としては、ルナックMY−98(花王社)、NAA−142(日本油脂社)、ルナックP−95(花王社)、NAA−160(日本油脂社)、ルナックS−98(花王社)、NAA−170(日本油脂社)等が挙げられる。
【0043】
成分(B)の高級アルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セロチルアルコール等が挙げられる。特に、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコールが、成分(A)と構成するα型ゲル構造の安定性上、より好ましい。
【0044】
市販品としては、カルコール4098(花王社)、NAA−43(日本油脂社)、カルコール60(花王社)、NAA−44(日本油脂社)、セチルアルコールNA(高級アルコール工業社)、カルコール6850(花王社)、カルコール80(花王社)、NAA−45(日本油脂社)等が挙げられる。
【0045】
成分(B)としては、高級脂肪酸及び/又は高級アルコールを、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の水中油型乳化化粧料における成分(B)の含有量は、0.2〜5質量%、特に0.3〜3質量%であるのが、感触の面から好ましい。また、成分(A)と保存安定性の良好なα型ゲル構造体を形成するため、成分(A)に対する成分(B)の質量比((B)/(A))は0.4以上であるのが好ましく、特に0.4〜2、更には、0.5〜1であるのが好ましい。
【0046】
成分(C)の25℃で液体の非極性油及び/又はシリコーン油としては、例えば、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、オレフィンオリゴマー等の炭化水素油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン等直鎖又は環状のシリコーン油が挙げられる。
成分(C)は、1種以上を用いることができ、本発明の化粧料における含有量は、0.5〜50質量%、特に1〜30質量%であるのが好ましい。また、成分(A)と成分(B)から成る構造体を安定に保つため、成分(A)に対する成分(C)の質量比((C)/(A))は1以上、特に1〜500、更に1.5〜50であるのが好ましい。
【0047】
さらに、上記非極性油やシリコーン油に、液体の極性油や25℃でペースト状の油剤を併せて用いることも可能である。成分(A)と成分(B)から成る構造体を安定に保つためには、液体の極性油や25℃でぺースト状の油剤の含有量を、成分(C)の非極性油やシリコーン油よりも少なくするのが、より好ましい。液体の極性油や25℃でペースト状の油剤としては、ミリスチン酸イソプロピル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、ホホバ油、オリーブ油、ワセリン、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0048】
成分(D)の炭素数14以上、好ましくは炭素数14〜30、より好ましくは14〜22の直鎖飽和炭化水素基を有する両親媒性高分子は、疎水性官能基と親水性官能基を有する高分子で、水性媒体及び油性媒体の両者に親和性を有するものである。疎水性官能基としては、炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素基(例えば、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等)を有していることが必要であり、成分(A)と成分(B)から成る構造体の安定性を維持する上で必須となる。親水性官能基としては、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基等のイオン性官能基であることが好ましい。両親媒性高分子(D)は、炭素数14以上の直鎖飽和炭化水素基、及び、親水性官能基を有するため、乳化安定に寄与する。
【0049】
両親媒性高分子(D)としては、例えば、アクリル酸アルキル共重合体;(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル、又はメタクリル酸アルキルの少なくとも1種以上のモノマーとポリオキシエチレンステアリルエーテルとメタクリル酸のエステルの共重合体;多糖誘導体等が挙げられる。尚、本発明の目的を達成できる限り、共重合体には他の単量体を含有していても良い。
【0050】
具体的には、アクリル酸アルキル共重合体としては、カーボセット514、アクアSF−1(以上、NOVEON INC.)、チノビスADM(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社)等が市販されている。(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体としては、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2(以上、NOVEON INC.)等が市販されている。アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル、又はメタクリル酸アルキルの少なくとも1種以上のモノマーとポリオキシエチレンステアリルエーテルとメタクリル酸のエステルの共重合体としては、粧配規(1998年版)に記載のアクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体等が挙げられ、市販品としてはアキュリン22(ローム・アンド・ハース社)、チノビスGTC(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社)等が挙げられる。多糖誘導体としては、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、セチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられ、ポイズ310(花王)、ナトロゾールPlus(ハーキュレス社)等が市販されている。
【0051】
これらのうち、成分(A)と成分(B)から成る構造体の安定性、製剤の保存安定性の点から、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、及び/又はアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル、又はメタクリル酸アルキルの少なくとも1種以上のモノマーとポリオキシエチレンステアリルエーテルとメタクリル酸のエステルの共重合体、多糖誘導体を用いることが好ましく、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルステアリルエーテルヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウムが、さらに好ましい。
【0052】
両親媒性高分子(D)は、1種以上を用いることができ、本発明の水中油型乳化化粧料における含有量は、0.01〜5質量%、特に0.05〜2質量%であるのが好ましい。また、成分(A)に対する成分(D)の質量比((D)/(A))は0.5以下、特に0.02〜0.5であるのが、良好な使用性を維持する上で好ましい。
【0053】
本発明において、成分(E)の水は、全組成中に30〜95質量%含有するのが好ましい。
【0054】
本発明の水中油型乳化化粧料は、一般的な低分子界面活性剤を含まずに、成分(A)と成分(B)から成る構造体、或いは、成分(A)、成分(B)と成分(C)から成る構造体を安定に維持することが可能である。成分(A)及び成分(B)、又は成分(A)、成分(B)及び成分(C)から構成される構造体は、直交ニコル下における偏光顕微鏡で観察すると図1のようなマルテーゼクロス像を示し、更に、この構造体のX線回折像において、図2のような2θ=21.4°付近に1本のシャープなピークを有するもので、α型ゲル構造(参考図書:「脂質の構造とダイナミクス」、佐藤清隆、小林雅通著、1992年、共立出版p.50〜85、p.99〜132)をしている。本発明の水中油型乳化化粧料では、偏光顕微鏡下のマルテーゼクロス像及びX線回折のα型構造は、通常化粧料に要求される保存条件(温度、時間)において安定であり、相転移温度以上におかれても構造が復元するという可逆性を有するという特徴を有する。本発明においては、このようなα型ゲル構造を形成することにより、成分(A)のアミド化合物の結晶化が抑制され、化粧料中に安定に含有されるため、その効果を十分に得ることができる。
【0055】
また、低分子界面活性剤を用いて成分(A)を安定配合する従来技術と比べ、両親媒性高分子(D)を界面活性剤として用いる場合、使用量がはるかに少ないという大きな特徴を有する。従来技術の場合、成分(A)を安定配合するために、実質的に成分(A)と同程度の低分子界面活性剤を必要としたが、本発明の水中油型乳化化粧料では、成分(A)に対する成分(D)の質量比は0.5以下でも、成分(A)を安定配合可能である。一方、低分子界面活性剤を用いて成分(A)と成分(B)から成る構造体を形成させた場合は、長時間相転移温度以上におかれると構造体が崩壊してしまい、安定性が問題になる。
【0056】
成分(A)と成分(B)から成る構造体中には、皮膚角層中の細胞間脂質を構成する脂質類及びその誘導体を適宜配合することが可能である。具体的には、コレステロール、コレステロールエステル、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、擬似スフィンゴシン等が挙げられる。
【0057】
本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(A)を安定配合するために用いる両親媒性高分子が少量でも良いため、両親媒性高分子由来のべたつきやぬるつき等を低減することができ、良好な使用感が得られる。一方、従来技術の低分子界面活性剤の場合、成分(A)を安定配合するために界面活性剤を多量に用いる必要があり、べたつき等の感触面の不具合が生じる。
【0058】
なお、本発明においては、一般的な低分子界面活性剤を、使用感を損なわない範囲で使用することができる。一般的な低分子界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤;アルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩、アシルタウリン塩、アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン界面活性剤;アルキルアンモニウム塩、アミドアミン等のカチオン界面活性剤;酢酸ベタイン型、イミダゾリン型等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0059】
本発明の水中油型乳化化粧料は、両親媒性高分子(D)に加えて、粘度調整や感触調整のために、疎水性官能基を有さない非会合性の水溶性高分子を適宜配合することが可能である。非会合性の水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、グアーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン等のアニオン性高分子;ヒドロキシエチルセルロース、ローカストビーンガム、ポリエチレングリコール等の非イオン性高分子などが挙げられる。これらの含有量は、全組成中に0.01〜5質量%であるのが好ましい。
【0060】
本発明の水中油型乳化化粧料は、上記成分以外に、必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を含有することができる。例えば、防腐剤、酸化防止剤、紫外線遮蔽剤、ポリオール類、アミノ酸及びその塩類等の保湿剤、溶剤、各種エキス、殺菌剤、キレート剤、pH調整剤、色素、香料等を含有することができる。
【実施例】
【0061】
実施例1〜7、比較例1〜4(水中油型乳化化粧料)
表1に示す組成の水中油型乳化化粧料を製造し、その使用感(べたつきのなさ)、成分(A)及び成分(B)からなる構造体の保存安定性、皮膚からの水分蒸散抑制能を評価した。結果を表2に示す。
【0062】
(製法)
表1に示す組成に従って、精製水にグリセリン、メチルパラベンを加え、80℃で加熱溶解したものに、成分(D)を加え、80℃で溶解した。必要に応じて水酸化カリウムを加え、水相を調製した。別途、80℃で成分(A)、成分(B)及び成分(C)を均一に混合し、油相を調製した。80℃で、この油相を、先に調製した水相に加え、予備乳化を行った。ホモミキサーにて乳化粒子を均一に調製した後、脱気、ろ過を行い、水中油型乳化化粧料を得た。なお、比較例1では、成分(B)の代わりに炭素数12の液状の高級アルコールを配合し、比較例2では、成分(D)の代わりに非両親媒性ポリマーを配合し、比較例3では、成分(C)の代わりに極性油を配合し、比較例4では、成分(D)の代わりに低分子の界面活性剤を配合した。
【0063】
なお、使用した材料の由来を以下に示す。
*1:セラミド2(セダーマ社)
*2:ソフケアセラミドSL−E(花王社)
*3:国際公開00/61097号パンフレットに記載の方法に準じて製造。
*4:ルナックP−95(花王社)
*5:セチルアルコールNX(高級アルコール工業社)
*6:カルコール220−80(花王社)
*7:スクワラン(日光ケミカルズ社)
*8:シリコーンKF−96A:10cs(信越化学工業社)
*9:ポイズ310(花王社)
*10:アキュリン22(ローム・アンド・ハース社)
*11:カルコール2098(花王社)
*12:エステモールN−01(日清オイリオ社)
*13:メトローズ60SH(信越化学工業社)
*14:グリセリン(花王社)
*15:レオドールスーパーTW−S120(花王社)
*16:SPE−104(花王社)
【0064】
(評価方法)
(1)使用感(べたつきのなさ):
化粧品専門パネラー10名が、各化粧料0.2gを手の甲に取って使用し、べたつきのなさを判断した。
○:8名以上が、べたつかず使用感が良いと評価した。
△:6、7名が、べたつかず使用感が良いと評価した。
×:5名以上が、べたついて使用感が悪いと評価した。
【0065】
(2)構造体の保存安定性:
各化粧料を、−5℃、25℃、50℃の各温度で1ヶ月間保存した後、再び常温に戻し、偏光顕微鏡下で観察し、また、構造体をX線回折を用いて解析した。
(2−1)偏光顕微鏡観察:
○:保存品において、マルテーゼクロス像を呈する。
△:保存品において、マルテーゼクロス像がやや消失している。
×:保存品において、マルテーゼクロス像が消失し観られない。
−:保存品において、組織像が観察されない
(2−2)X線回折:
○:保存品は、2θ=21.4°付近に1本のピークが観られるα型構造を呈する。
×:保存品は、2θ=20〜24°に複数のピークが観られる混合結晶を呈する。
−:保存品は、2θ=20〜24°に明瞭なピークが観られない。
【0066】
(3)皮膚からの水分蒸散抑制能:
20〜40歳の男性12名の前腕内側部の被験部の経皮水分蒸散量(TEWL)を測定した<健常値>。被験部に対して、アセトン/エーテル(1/1v/v)パッチを30分間行い、バリア破壊肌を作製し、経皮水分蒸散量(TEWL)を測定した<バリア破壊値>。さらに、被験部に対して、各化粧料を1日3回塗布し(0.1g/回)、3日後にTEWLを測定し<製剤塗布後値>、下記式から算出される値を水分蒸散抑制能とした。
【0067】
【数1】


【0068】
【表1】


【0069】
【表2】


【0070】
実施例1〜7の化粧料はいずれも、べたつきが少なく使用感が良好で、成分(A)と成分(B)から成るα型ゲル構造が安定であり、且つ皮膚からの水分蒸散抑制能も高かった。特に、成分(B)として炭素数14〜18のパルミチン酸、又はセタノールを用いた場合、構造体の安定性は良好であり、皮膚からの水分蒸散抑制能も高かった。さらに、成分(C)として非極性油であるスクワランを用いた実施例1〜4、及び7は、皮膚からの水分蒸散抑制能が高かった。一方、高級アルコールとして炭素数12の液状のラウリルアルコール用いた比較例1や、両親媒性高分子として、疎水部の炭素数が14未満のヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いた比較例2は、α型ゲル構造が形成されず、皮膚からの水分蒸散抑制能も低かった。また、成分(C)の代わりに25℃で液体の極性油を用いた比較例3は、使用性は良好であったが、偏光顕微鏡やX線回折で、異方性を示す規則性の高い構造は観られず、皮膚からの水分蒸散抑制能が低かった。成分(D)の両親媒性高分子の代わりに低分子の界面活性剤を用いた比較例4は、べたつきが強く、また、構造体の相転移温度以上である50℃においては、α型の構造が崩壊し、結晶の析出が観られた。
【0071】
実施例8(乳液)
表3に示す組成の乳液を、常法により製造した。
【0072】
【表3】


【0073】
実施例9(クリーム)
表4に示す組成のクリームを、常法により製造した。
【0074】
【表4】


【0075】
実施例10(サンスクリーン乳液)
表5に示す組成のサンスクリーン乳液を、常法により製造した。
【0076】
【表5】


【0077】
実施例8〜10の水中油型乳化化粧料はいずれも、べたつきが少なく使用感に優れ(評価○)、−5℃、25℃、50℃1ヶ月保存品において、偏光顕微鏡下でマルテーゼクロス像が観られ、X線回折による解析においてα型を呈していた。また、皮膚からの水分蒸散抑制能も85以上と高かった。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の水中油型乳化化粧料において形成されるα型ゲル構造を、偏光顕微鏡で観察したときに観られるマルテーゼクロス像を示す図である。
【図2】本発明の水中油型乳化化粧料において形成されるα型ゲル構造のX線回折像を示す図である。




 

 


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