米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> 花王株式会社

発明の名称 吸収性物品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−61473(P2007−61473A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−253322(P2005−253322)
出願日 平成17年9月1日(2005.9.1)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 近藤 幸 / 田中 雅仁 / 長原 進介 / 木賀田 哲行
要約 課題
吸収した体液が逆戻りすることなく安定した体液の吸収が可能であり、且つ装着感が良好である親水性発泡体を有する吸収性物品を提供すること。

解決手段
本発明の生理用ナプキン1は、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備え、実質的に縦長である。本実施形態のナプキン1の寸法は、幅が58〜150mmであり、長さが130〜470mmである。吸収体4は、親水性繊維を主体とする下部吸収体42と親水性発泡体からなる上部吸収体41とから形成されている。上部吸収体41は、その寸法が、幅30mm以下であり、ナプキン1の幅方向中央部に配されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を備え、実質的に縦長の吸収性物品であって、
前記吸収体は、親水性繊維を主体とする下部吸収体と親水性発泡体からなる上部吸収体とから形成されており、
前記上部吸収体は、その寸法が、幅30mm以下であり、前記吸収性物品の幅方向中央部に配されている吸収性物品。
【請求項2】
液透過性のクッションシートを有しており、該クッションシートは、前記上部吸収体の肌当接面側か又は非肌当接面側に配されている請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記クッションシートは、前記上部吸収体の肌当接面側全体を覆っている請求項2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記クッションシートは、前記上部吸収体の非肌当接面側全体を覆っている請求項2記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記上部吸収体は、前記クッションシートと接合されている請求項2〜4の何れかに記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記クッションシートは、厚みが0.2〜1.5mmである嵩高な不織布から形成されている請求項2〜5の何れかに記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記親水性発泡体はセルロース系スポンジからなる請求項1〜6の何れかに記載の吸収性物品。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品、特に生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、親水性発泡体を吸収体に用いた吸収性物品が知られている。この種の吸収性物品は、吸収体の親水性が高いため、優れた吸収性を有している。また、親水性発泡体は、その後の繰り返し排泄される体液を吸収する場合にも、優れた吸収性を示し続ける。更に、親水性発泡体は、弾性を有しているので、変形に対する回復性が優れており、吸収性物品の着用時におけるヨレ防止性にも優れている。
また、セルロース系スポンジを吸収体として用いている吸収性物品が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1において、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を備えた吸収性物品であって、吸収体が3層のセルロース系スポンジシートから形成されており、該シートは、その密度が上層から下層にかけて次第に高くなるように構成されている吸収性物品が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平2−168948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の吸収性物品は、セルロース系スポンジシートの密度を変えることで、上層から下層にかけて次第に毛管力を高めるようになされているものの、セルロース系スポンジシートは、その製造時の発泡が粗く、気泡の径が比較的大きい。そのため、絶対的な毛管力が低く、吸収した体液が、逆戻りする場合が考えられる。
また、セルロース系スポンジシートは、吸液した状態では柔らかいものの、乾燥した状態では剛性が高いため、吸液前である吸収性物品の使用初期においては、吸収性物品の装着者に違和感を与えるおそれがある。
【0006】
従って、本発明の目的は、親水性発泡体を有する吸収性物品において、吸収した体液が逆戻りすることなく安定した体液の吸収が可能であり、且つ装着感が良好な吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を備え、実質的に縦長の吸収性物品であって、前記吸収体は、親水性繊維を主体とする下部吸収体と親水性発泡体からなる上部吸収体とから形成されており、該上部吸収体は、その寸法が、幅30mm以下であり、前記吸収性物品の幅方向中央部に配されている吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の親水性発泡体を有する吸収性物品によれば、吸収した体液が逆戻りすることなく安定した体液の吸収が可能であり、且つ装着感が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の吸収性物品の好ましい第1実施形態について、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0010】
本実施形態の吸収性物品1は生理用ナプキンであって、図1及び図2に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及び両シート間に介在された液保持性の吸収体4を備え、実質的に縦長である。本実施形態のナプキン1の寸法は、幅が58〜150mm、好ましくは65〜100mmであり、長さが130〜470mm、好ましくは140〜400mmである(尚、幅にはいわゆるウイング部分は含まない)。
また、本実施形態のナプキン1において、吸収体4は、図2に示すように、親水性繊維を主体とする下部吸収体42と親水性発泡体からなる上部吸収体41とから形成されている。上部吸収体41は、その寸法が、幅30mm以下であり、好ましくは幅15〜25mmであり、ナプキン1の幅方向中央部に配されている。尚、上部吸収体41の好ましい長さは、ナプキン1の全長によって異なるが、好ましくは200mm以内、特に好ましくは140mm以内、最も好ましくは100mm以内である。
【0011】
本実施形態のナプキン1について、詳述すると、表面シート2及び裏面シート3それぞれの平面視形状は、図1に示すように、縦長であり、その長手方向中央部が括れた形状を有している。表面シート2の長手方向の両側部それぞれは、図2に示すように、下部吸収体42の両側縁から延出し、該下部吸収体42と裏面シート3との間に巻き下げられ、裏面シート3と接合されている。
表面シート2及び裏面シート3の長手方向の両端部は、図1に示すように、吸収体4の長手方向の両端縁から延出し、ヒートシール等の公知の接合方法により接合されている。
【0012】
本実施形態のナプキン1において、吸収体4は、前述したように上部吸収体41と下部吸収体42とから形成されており、下部吸収体42は、優れた液保持性を有している。下部吸収体42は、層状の部材であって、図2に示すように、上部吸収体41と裏面シート3との間に配されている。下部吸収体42は、その平面視形状が、表面シート2及び裏面シート3と略相似形である。
下部吸収体42は、主体として親水性繊維であるパルプ材から形成されており、排泄された体液を吸収保持する働きを有している。下部吸収体42は、その形成材料の100%が親水性繊維から形成されていても良いし、他の形成材料が含まれていても良い。
【0013】
次に、本実施形態のナプキン1における上部吸収体41について、更に説明すると、上部吸収体41は、図1に示すように、ナプキン1を長手方向に前方部A、該長手方向中央領域である排泄部対向部B(使用者の液排泄部に対向配置される排泄部対向領域を幅方向中央に有する部分)及び後方部Cに区分した際の排泄部対向部Bに配されている。
上部吸収体41の平面視形状は、図1に示すように、ナプキン1の長手方向に縦長であり、その長手方向中央部が括れた形状を有している。上部吸収体41は、図2に示すように、下部吸収体42の幅方向中央部の上に載置され、両吸収体間にホットメルト接着剤がスパイラル塗工され接着されて、下部吸収体42と一体的になっている。このように、上部吸収体41は、吸収体4の中高部となっている。
【0014】
上部吸収体41は、親水性発泡体から形成されている。本実施形態において、該親水性発泡体はセルロース系スポンジからなり、ナプキン1の使用前には乾燥状態にある。乾燥状態にあるセルロース系スポンジは、該セルロース系スポンジを構成するセルロース繊維同士が、互いに水素結合しているため、比較的剛性の高い状態となっている。一方、セルロース系スポンジは、体液を吸収すると、そのセルロース繊維同士の水素結合が外れるか又は弱まり、柔軟で弾性を有した状態となる。このように、セルロース系スポンジからなる上部吸収体41は、弾性を有するので、変形に対する回復性が優れており、吸収性物品の着用時におけるヨレ防止性にも優れている。
また、セルロース系スポンジは、上述したように乾燥時に水素結合により構造が固定するため、例えば湿潤状態のスポンジを圧縮固定した状態で乾燥させると、圧縮された厚みのまま固まり、液を吸うと結合が外れて膨張する(元の厚みを回復する)性質がある。
本明細書において、セルロース系スポンジの乾燥状態は、水分が全く含まれていない状態のみを意味するのではなく、通常の使用条件における湿度、温度の下において、水分がセルロース系スポンジに平衡吸着状態で存在するような実質的に乾燥した状態も含まれる。この様な状態でのセルロース系スポンジの平衡水分量は10〜20質量%である。平衡水分量の測定は、セルロース系スポンジを110℃で2時間乾燥した後、下記の式から求められる。
平衡水分量 = (乾燥前質量−乾燥後質量)/乾燥後質量×100
【0015】
ナプキン1の使用前には、前述したように、上部吸収体41を形成するセルロース系スポンジは乾燥状態にありその剛性が高い状態にある。そのため、上部吸収体41の寸法は、ナプキン1の装着時に着用者が違和感を感じないような大きさであることが好ましい。具体的には、上部吸収体41の幅は、前述した通りであり、30mm以下であることが好ましく、15〜25mmであること特に好ましい。上部吸収体41の長さは、前述した通りであるが、100mm以下であることが特に好ましく、装着違和感を出さない観点からは40〜80mmであることが一層好ましい。また、上部吸収体41の厚さは、同様の観点から、15mm以下であることが好ましく、2〜10mmであることが特に好ましく、4〜8mmであることが一層好ましい。尚、前述した上部吸収体41の厚さは、セルロース系スポンジの乾燥状態におけるものである。
上部吸収体41の厚さの測定は、例えば、ピーコック製卓上厚みゲージによって、適当な大きさの測定用プレートを載せて2.5g/cm2荷重下の厚みを測定される。
【0016】
前述したような構成を有する上部吸収体41は、表面シート2を通った体液を速やかに吸収する働きを有している。上部吸収体41を形成するセルロース系スポンジは、親水性が高いため、その使用の初期から、優れた吸収性を有している。セルロース系スポンジは、親水性のセルロース繊維から形成されており且つ多数の気泡を備えているので、排泄された体液は、セルロース系スポンジの気泡内部に、瞬時に吸収保持される。次に、セルロース系スポンジの内部に一時的に吸収保持された体液は、パルプ材等から形成され液保持性の高い下部吸収体42へ速やかに移動する。セルロース系スポンジの気泡の径は、比較的大きいので、該気泡内に保持されている液は移動し易くなっている。下部吸収体42へ移動した体液は、親水性繊維であるパルプ材等に吸収され、逆戻りすることなく下部吸収体42の内部に安定して保持される。セルロース系スポンジから形成される上部吸収体41は、その後の繰り返し排泄される体液を吸収する場合にも、優れた吸収性を示し続ける。
【0017】
尚、上部吸収体41を形成するセルロース系スポンジが、その弾性が異方性を有しており、変形する向きによって弾性率が異なる場合には、上部吸収体41の厚さ方向における弾性率が最も低くなるように、セルロース系スポンジをシート状に形成して、ナプキン1に配することが好ましい。セルロース系スポンジの弾性率が異方性を有する場合としては、例えば、内部の気泡形状が、楕円体形状を有しており、その長軸方向が配向している場合がある。
【0018】
また、本実施形態のナプキン1は、図2に示すように、液透過性で柔軟なクッションシート5を有している。クッションシート5の平面視形状は、下部吸収体42と略同形である。
クッションシート5は、表面シート2と上部吸収体41との間に配されており、ナプキン1の着用者の肌と上部吸収体41との間に位置している。このように、クッションシート5は、上部吸収体41の肌当接面側に配されており、上部吸収体41の肌当接面側全体を覆っている。
【0019】
クッションシート5は、ナプキン1の使用初期において剛性の高い上部吸収体41が、着用者に違和感を感じさせないように働く。
クッションシート5は、厚みが0.2〜1.5mmである嵩高な不織布から形成されていることが、ナプキン1の着用者に良好な装着感を与える上で好ましい。クッションシート5の厚みは、0.3〜1.0mmであることが特に好ましく、0.4〜0.9mmであることが一層好ましい。このような不織布としては、表面に立体的な凹凸を備えており、弾性を有していて、その厚さ方向への圧縮に対する回復性の優れているものが好ましい。また、クッションシート5の厚みの測定方法は、前述した上部吸収体41の測定と同様に行なわれる。
尚、該クッションシート5は、立体的なエンボス加工やプリーツ加工などにより、更にクッション性を高める工夫を施してもよい。
【0020】
本実施形態のナプキン1において、上部吸収体41は、ヒートシールによるドット状のエンボス6及びホットメルト接着剤によりクッションシート5と密着して接合されている。複数のドット状のエンボス6,6…が、図1に示すように、クッションシート5の上部吸収体41を覆っている部分全体に、その肌当接面側から設けられている。
エンボス6の平面視形状は、円形であり、その直径は、1〜4mmであることが好ましく、1.5〜3mmであることが特に好ましい。また、相隣り合うエンボス6同士の間隔は、2〜30mmであることが好ましく、5〜20mmであることが特に好ましい。本実施形態において、複数のエンボス6,6…は、千鳥格子状に形成されている。
尚、エンボス6は、上部吸収体41を覆っている部分のみになされていても良く、また下部吸収体42のみを覆っている部分も含めた吸収体全体になされていても良い。
【0021】
クッションシート5に吸収された体液は、エンボス6の高い毛管力により、上部吸収体41を通って下部吸収体42に移動し易くなされている。
また、このように上部吸収体41にエンボス6が施されることにより、硬いセルローススポンジの構造がもみほぐされることになって、柔軟性が増す効果がある。同様にセルローススポンジの柔軟性を増す他の好ましい加工手段としては、スリット加工、開孔加工などが挙げられる。これらの加工はセルローススポンジに対し単独で施されても良く、クッションシート5、表面シート2等と一体的に施されていても良い。
【0022】
また、上部吸収体41の肌当接面側の面には、ホットメルト接着剤がスパイラル塗工されて、上部吸収体41とクッションシート5とが接着されている。
クッションシート5の上部吸収体41を覆っていない部分は、スパイラル状に塗工されたホットメルト接着剤によって、下部吸収体42と接着されている。
【0023】
前述したように、クッションシート5と上部吸収体41とは、一体的に接合されているので、ナプキン1に排泄された体液は、表面シート2を通った後、クッションシート5を通って、速やかに上部吸収体41に吸収される。特に、エンボス6は高い毛管力を有しているので、クッションシート5から上部吸収体41への優れた導液経路となっている。
【0024】
本実施形態のナプキン1について、更にまた説明すると、表面シート2、クッションシート5及び下部吸収体42は、図1に示すように、ヒートシールによる環状のエンボス溝7により接合されており、エンボス溝7内部の剛性が高められ、ヨレ防止性が向上している。エンボス溝7は、ナプキン1の長手方向に縦長であり、その長手方向中央部が括れた略長円形状である。また、エンボス溝7における長手方向の両側部は、図1及び図2に示すように、上部吸収体41の両側部それぞれの外側に沿って設けられており、上部吸収体41が、ナプキン1の幅方向にずれることが防止されている。
また、裏面シート3の非肌当接面側の面には、ナプキン1を着用者のショーツ等に固定するためのズレ止め材が塗布されている。該ズレ止め材は、剥離紙によって被覆されており、使用時まで保護されている。
【0025】
次に本実施形態のナプキン1を構成する各部材について説明すると、上部吸収体41を形成する親水性発泡体としてのセルロース系スポンジは、例えば、特開平3−109067号公報の明細書に記載されている。具体的には、セルロース系スポンジは、セルロース骨格を有する材料のスポンジであり、このようなものとしては、セルロース自身からなるスポンジの他、セルロース誘導体、例えばビスコースやセルロースエーテル類、セルロースエステル類等からなるスポンジ、あるいはそれらの混合物からなるスポンジがある。
【0026】
前述したセルロース系スポンジは、例えば、特開平3−109067号公報の明細書に記載の方法で製造することができる。具体的には、セルロースをアルカリにてアルカリセルロースとし、その後、二硫化炭素により硫化してセルロースザンテートをつくり、更に水酸化ナトリウム溶液を加えてビスコースを調整する。次に、このセルロースの溶解物であるビスコースに芒硝、補強繊維等を添加し、所定の形状に成型して加熱凝固させ、水洗した後、希硫酸溶液で処理し、再び水洗し、更に炭酸ソーダで中和して水洗し、乾燥することによりセルローススポンジとする。
【0027】
また、親水性発泡体としては、他の従来から公知のものを用いることができ、例えば、ウレタン系フォームを公知の方法で親水化処理を施したもの、またエチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体フォーム、ポリオレフィンフォーム又はメラミン樹脂フォーム等に同様の親水化処理を施したものも好ましい。
【0028】
クッションシート5の形成材料としては、従来の吸収性物品に用いられている各種の嵩高の不織布が好ましい。特に、3次元捲縮を有する熱可塑性繊維から形成されているものが好ましい。このような嵩高な不織布としては、3次元捲縮を有する熱可塑性繊維から形成されている不織布に対して、機械的に凹凸を付与して嵩高に形成したもの、及び潜在捲縮性繊維からなる不織布を熱捲縮させて嵩高に形成したもの等がある。前者の不織布としては、例えば、特開2001−20167号公報又は特開平10−80445号公報の明細書に記載のものがある。後者の不織布としては、例えば、特開2003−275239号公報又は2002−187228号公報の明細書に記載のものがある。
【0029】
下部吸収体42の形成材料としては、従来の吸収性物品において用いられている各種材料を特に制限なく用いることができるが、パルプ材又はレーヨン等の親水性繊維と吸水性ポリマーを混合積繊して形成されているものが好ましい。パルプ又はレーヨン等の親水繊維の坪量は、200〜800g/m2であることが好ましく、300〜600g/m2であることが特に好ましい。
また、下部吸収体42は、その吸収要素として、ポリアクリル酸塩架橋物を主成分とするいわゆる高吸水性樹脂(以下、吸水性ポリマーともいう)を含んでいても良い。また下部吸収体42の形態維持のため、親水性繊維から成る吸収紙を下側に配設するか、あるいは下部吸収体42全体を包む等しても良い。尚、下部吸収体42は、その形態維持のため、吸収紙等で包んでもよい。
吸水性ポリマーの坪量は、100g/m2以下であることが好ましく、20〜60g/m2であることが特に好ましい。例えば、下部吸収体42として、パルプの坪量が340g/m2であり、吸水性ポリマーの坪量が33g/m2からなる混合積繊体が好ましい。
また、下部吸収体42の形態維持のために用いる吸収紙の坪量は、12〜33g/m2であることが好ましく、16〜25g/m2であることが特に好ましい。
尚、前記吸収紙に替えて親水化処理がなされた熱可塑性樹脂(PET、PP,PE及びこれらの複合繊維)からなる不織布を用いても良い。
【0030】
表面シート2の形成材料としては、従来の吸収性物品において用いられている各種材料を特に制限なく用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン複合繊維(繊維径1.8〜8.0dtex)を坪量16〜30g/m2でカード積繊後、エアースルー法により不織布化し、公知の各種親水化処理を施したものが挙げられる。
また後述する様に、前記のようなエアスルー不織布上に潜在捲縮性繊維を積繊してエンボス一体化した後エアスルー法で熱捲縮させて嵩高に形成した不織布も好適に用いられる。
【0031】
裏面シート3の形成材料としては、従来の吸収性物品において用いられている各種材料を特に制限なく用いることができるが、特に液不透過性で透湿性を有する樹脂フィルムが好ましい。例えば、坪量22〜48g/m2の多孔性ポリエチレン樹脂フィルムが挙げられる。
【0032】
前述した本実施形態のナプキン1によれば、吸収体4が、親水性発泡体としてのセルロース系スポンジから形成される上部吸収体41を有しているので、体液の安定吸収性及びヨレ防止性に優れている。
また、上部吸収体41の非肌当接面側の面に親水性繊維を主体とした下部吸収体42が配されているので、上部吸収体41に吸収された体液が逆戻りすることなく安定した体液の吸収が可能である。
更に、クッションシート5が上部吸収体41の肌当接面側の面全体を覆うように配されているので、優れた装着感を有している。
【0033】
以下に、前述した第1実施形態の吸収性物品を変形した一例について説明する。
前述したように、湿潤状態のセルロース系スポンジをその厚さ方向に圧縮し薄くした状態で乾燥させると、圧縮された厚みのまま固まり、液を吸うと水素結合が外れて柔軟になると共にその厚さ方向に膨張する。そこで、セルロース系スポンジを湿潤状態で圧縮固定した状態で乾燥させて形成された膨張性を有する親水性発泡体を、吸収体として用いることが考えられる。セルロース系スポンジは、吸水性ポリマー又は各種ヒドロゲルを分散担持し、含水状態で厚さ方向に圧縮し薄くして、乾燥固化したものであっても良い。
例えば、乾燥状態にある上部吸収体41として、膨張性を有する親水性発泡体を用いると、上部吸収体41が体液の吸収後に膨張してさらに体にフィットしてくる吸収性物品を得ることが可能である。
乾燥状態の上部吸収体41の大きさ、厚み、位置は第1実施形態に準ずる。また、吸液時の膨張は圧縮条件に依存するが、乾燥時厚みの3倍程度まで膨張させることが可能であり、吸液時の上部吸収体41の厚みは最大で45mmとなる。尚膨張後の厚みは体と密着した所で止まり、必ずしも設定通りに膨らむわけではないため計算上の好ましい膨張範囲はあえて記載しない。
セルロース系スポンジ以外の膨張性を有する親水性発泡体としては、前述したウレタン系フォーム等の非親水性発泡体を親水化剤で処理したものに、水溶性バインダー(例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、及びこれらの架橋物)を水溶液で含ませ、圧縮乾燥することで得られる。
その他の構成部材は、第1実施形態に準ずるが、親水性発泡体の膨張性を阻害しないような材の組み合わせ、即ち表面シート2及びクッションシート5は、上部吸収体41と共に膨張に追随する伸張性を有していることが好ましい。
具体的には、クッションシート5としては、前述した3次元捲縮を有する熱可塑性繊維から形成されている不織布に対して、機械的に凹凸を付与して嵩高に形成したもの、及び潜在捲縮性繊維からなる不織布を熱捲縮させて嵩高に形成したもののいずれも使用可能であるが、後者の不織布が伸張性の高さから特に好ましい。
また表面シート2としては、前述した不織布のうち、最後に例示した、エアスルー不織布上に潜在捲縮性繊維を積繊してエンボス一体化した後エアスルー法で熱捲縮させて嵩高に形成した不織布が、伸縮性が高く好適に用いられる。エンボスも含めその他の条件は同様に用いることができる。
【0034】
次に第2〜4実施形態の吸収性物品1である生理用ナプキンを、図3〜図5を参照しながら説明する。第2〜4実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図3〜図5において、図1及び図2と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0035】
本発明の好ましい第2実施形態のナプキン1において、クッションシート5は、図3に示すように、上部吸収体41の非肌当接面側に配されており、上部吸収体41の非肌当接面側全体を覆っている。また、クッションシート5は、上部吸収体41と下部吸収体42との間に配されている。クッションシート5の非肌当接面側の面は、スパイラル状に塗工されたホットメルト接着剤によって、下部吸収体42と接着されている。
【0036】
本実施形態の上部吸収体41は、図3に示すように、表面シート2の直下に位置している。上部吸収体41は、クッションシート5の幅方向中央部の上に載置されており、ヒートシールによるドット状のエンボス6及びホットメルト接着剤によりクッションシート5と密着して接合されている。クッションシート5の上部吸収体41が載置されている部分全体に、複数のドット状のエンボス6,6…が、クッションシート5の非肌当接面側から設けられている。上部吸収体41に吸収された体液は、エンボス6の高い毛管力により、クッションシート5を通って下部吸収体42に移動し易くなされている。その他の構成は、前記実施形態と同様である。
【0037】
前述した本実施形態のナプキン1によれば、表面シート2を透過した体液は、その直下に位置している親水性発泡体からなる上部吸収体41に速やかに吸収されるので、液の吸収性が高められている。
また、上部吸収体41に吸収された体液は、エンボス6が設けられているので、クッションシート5を通って、下部吸収体42へ移動し易くなっている。また、前述した実施形態と同様の効果が奏される。
【0038】
本発明の好ましい第3実施形態のナプキン1は、図4に示すように、上部吸収体41を形成しているセルロース系スポンジの厚さが、前述した実施形態よりも薄く形成されており、吸収した体液の安定保持性の上で好ましい。これは、上部吸収体41の厚さが薄いため、セルロース系スポンジからなる上部吸収体41で保持され得る体液の量が少なくなり、上部吸収体41に吸収された体液は、その液保持性がより優れる下部吸収体42に移動して安定的に保持されるためである。
上部吸収体41の厚さは、7mm以下が好ましく、5mm以下が特に好ましく、1〜4mmであることが一層好ましい。本実施形態における吸収体4の中高部の高さは、前実施形態よりも低くなっている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0039】
前述した本実施形態のナプキン1によれば、上部吸収体41の厚さが薄くなっているため、吸収した体液の安定保持性が更に高められている。
また、セルロース系スポンジから形成される上部吸収体41の厚さが薄いので、ナプキン1の使用初期における装着感が向上している。また、前述した実施形態と同様の効果が奏される。
更に、本実施形態に前述した膨張性の親水性発泡体を用いると、中高部の薄さを補って排泄部にフィットするナプキンを得ることができる。
【0040】
本発明の好ましい第4実施形態のナプキン1は、図5に示すように、下部吸収体42における肌当接面側の幅方向中央部に凹部43が形成されており、該凹部43に上部吸収体41が埋め込まれている。凹部43の平面視形状は、上部吸収体41の平面視形状と同様である。
凹部43の深さは、上部吸収体41の厚さと略同じであり、埋め込まれた上部吸収体41の肌当接面側の面は、下部吸収体42における凹部43以外の部分の肌当接面側の面と略同じ高さとなっている。本実施形態の吸収体4には、中高部は設けられていない。
【0041】
クッションシート5は、下部吸収体42に埋め込まれている上部吸収体41の肌当接面側に配されており、上部吸収体41の肌当接面側全体を覆っている。上部吸収体41の肌当接面側の面に、ホットメルト接着剤がスパイラル塗工されて、クッションシート5と上部吸収体41とが密着して接着されている。また、クッションシート5の上部吸収体41を覆っていない部分は、ホットメルト接着剤がスパイラル塗工されて、下部吸収体42と接着されている。
本実施形態においては、エンボス6及びエンボス溝7は設けられてはいない。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0042】
前述した本実施形態のナプキン1によれば、上部吸収体41が、肌当接面側に中高部として突出していないので、ナプキン1の使用初期における装着感が高められている。また、前述した第1実施形態と同様の効果が奏される。
【0043】
本発明の吸収性物品は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、上部吸収体41の肌当接面側の面及び非肌当接面側の面の両面がクッションシート5により覆われていることは、ナプキン1の装着感を向上する上で好ましい。例えば、クッションシート5を幅方向に2つ折りにして、上部吸収体41を挟むか、又は2枚のクッションシート5,5で上部吸収体41を挟んでも良い。また、クッションシート5と上部吸収体41との間には、他の構成部材が配されていても良い。
【0044】
また、各実施形態において、平面視した場合、クッションシート5は、下部吸収体42の肌当接面側全体を覆っているが、クッションシート5は、上部吸収体41の肌当接面側の面か又は非肌当接面側の面全体を覆っていれば良く、下部吸収体42の肌当接面側の面全体を覆っていなくても良い。また、第1実施形態において、上部吸収体41を形成する親水性発泡体の気泡中に吸水性ポリマーを分散し、担持させていても良い。また、上部吸収体41と下部吸収体42との間に、吸水性ポリマーを分散して、狭持させていても良い。
【0045】
更に、第1実施形態において、上部吸収体41とクッションシート5とを接合しているエンボス6は、ドット状であったが、スリット状、曲線状又は花柄等の形状であっても良い。スリット状である場合には、長さが2〜20mm、幅が1〜4mmであることが好ましい。また、エンボス6は、表面シート2の肌当接面側から形成していても良い。また、第1実施形態において、上部吸収体41の上を覆うように、下部吸収体42と同様の親水性繊維を主体とする吸収性部材を配しても良い。また、第2〜4実施形態において、上部吸収体41として、前述した膨張性を有する親水性発泡体を用いても良い。
【0046】
また、親水性発泡体は、上部吸収体41として肌当接面側に配置されるばかりでなく、下部吸収体42の非肌当接面側に配されていても良い。
【0047】
本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンであっても良いが、オムツ、失禁パッド、パンティライナー等であっても良い。
前述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の第1実施形態を示す一部破断斜視図である。
【図2】図2は、図1のX−X線断面図である。
【図3】図3は、本発明の吸収性物品の第2実施形態を示す図2に相当する断面図である。
【図4】図4は、本発明の吸収性物品の第3実施形態を示す図2に相当する断面図である。
【図5】図5は、本発明の吸収性物品の第4実施形態を示す図2に相当する断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 吸収性物品
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 上部吸収体
42 下部吸収体
43 下部吸収体の凹部
5 クッションシート
6 エンボス
7 エンボス溝





 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013