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発明の名称 吸収性物品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−37669(P2007−37669A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−223500(P2005−223500)
出願日 平成17年8月1日(2005.8.1)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 竹村 政典 / 奥田 泰之
要約 課題
不織布からなるコアラップシートで吸収性コアが被覆されて構成される吸収体を備え、吸収体の長手方向端縁部近傍まで吸収性コアを配設してもコアラップシートの長手方向端縁部を封止できる吸収性物品を提供する。

解決手段
表面シート2、裏面シート3及び両シート2,3間に介在配置された吸収体4を備え、両シート2,3の長手方向両端縁部2A,3Aはそれぞれ吸収体4の長手方向両端縁部4Aよりも延出しており、吸収体4は、液保持性の吸収性コア5が液透過性の不織布からなるコアラップシート6で被覆されて構成されており、吸収性コア5における少なくとも一方の長手方向端縁部5Aは、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aと略一致しており、吸収体4の長手方向端縁部4Aの肌当接面側は、不織布からなるバリアシート7により被覆されており、バリアシート7は、吸収体4の長手方向端縁部4Aから長手方向に延出して裏面シート3の内面に直接的に又は間接的に接合されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収体を備え、該表面シート及び該裏面シートの長手方向両端縁部は、それぞれ該吸収体の長手方向両端縁部よりも延出しており、該吸収体は、液保持性の吸収性コアが不織布からなるコアラップシートで被覆されて構成されている吸収性物品であって、
前記吸収性コアにおける少なくとも一方の長手方向端縁部は、前記コアラップシートの長手方向端縁部と略一致しており、前記吸収体の長手方向端縁部の肌当接面側は、不織布からなるバリアシートにより被覆されており、該バリアシートは、該吸収体の該長手方向端縁部から長手方向に延出して前記裏面シートの内面に直接的に又は間接的に接合されている吸収性物品。
【請求項2】
前記バリアシートを形成する前記不織布は撥水性を有している請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記バリアシートは、前記表面シートの内面に直接的に又は間接的に接合されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記バリアシートは、2つ折りに折り返されて2層領域を形成しており、胴回りギャザー形成用弾性部材が、該2層領域における上層と下層との間に挟まれて配設されている請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、一般的に、図8に示すように、液透過性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及び両シート2,3間に介在配置された液保持性の吸収体4を備えている。吸収体4は、一般的に、液保持性の吸収性コア5が液透過性のコアラップシート6で被覆されて構成されている。吸収性コア5は、一般的に、パルプ繊維等の積繊物に高吸収性ポリマーが混在されて形成されている。コアラップシート6は、一般的に、ティッシュペーパー等の紙を素材として形成されている。吸収性コア5をコアラップシート6で被覆する主な理由は、吸収性コア5の形状保持と高吸収性ポリマーの脱落防止である。
【0003】
吸収体4の被覆構造は、例えば以下のように形成される。コアラップシート6として、吸収性コア5の幅の2〜3倍程度の幅を有する矩形のシートを用いる。コアラップシート6における幅方向中央部に吸収性コア5を載置し、コアラップシート6における幅方向両側部を、吸収性コア5の下面側に折り返し、吸収性コア5の上面側で接合して筒状に形成する。この筒状のコアラップシート6における長手方向端縁部6Aの開口部をシールして封止する。
【0004】
しかし、このような被覆構造の吸収体4においては、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aの口開きを防止するために、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aに十分な幅を有するシール部6Bを形成している。そのため、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aは、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aから後退した位置に位置している。その結果、吸収体4の長手方向端縁部4Aには、吸収性コア5が設けられていない領域、即ち液保持性にほとんど寄与していない領域が存在する(この問題点を「問題点1」という)。
【0005】
この問題点1を解決するために、図9に示すように、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aをコアラップシート6の長手方向端縁部6Aに略一致させた吸収体4が用いられている。この形態の吸収体4は、一般的に、長尺状の吸収性コア5の素材を、長尺筒状のコアラップシート6の素材で被覆し、それを長手方向に所定ピッチで切断して形成される。このように形成された吸収体4における長手方向端縁部4Aには、切断時の押圧力や、コアラップシート6の素材内面に予め塗布された接着剤による接合力等によりシール部が形成される。このシール部の面積は極めて小さいが、吸収性コア5及びコアラップシート6が何れもパルプ繊維を主体として構成されていると、シール部においてパルプ繊維同士が馴染み、結合力が生じる。その結果、シール部の面積が小さくても、必要十分なシール強度が確保され、口開きを防止できる。
【0006】
一方、紙からなるコアラップシートは、特に湿潤時の強度が弱く、使用時の激しい動きやヨレによって破断して、その破断した箇所から吸収性コアの高吸収性ポリマーの漏れが発生し易い。また、紙からなるコアラップシートは、その折り目が固く、吸収性物品全体のしなやかさや柔らかさを低減させる。また、湿度などを検出して漏れを検出するインジケータを裏面シート内面(吸収体側の面)等に備えた吸収性物品があるが、紙からなるコアラップシートは保湿性が高いため、長期間保管された場合や、多湿化で保管された場合などに、コアラップシートに吸湿された水分などによって、インジケータが変色することがある(これらの問題点を「問題点2」という)。
【0007】
一方、不織布からなるコアラップシートで吸収性コアを被覆した吸収体が用いられている(特許文献1参照)。不織布からなるコアラップシートは、紙からなるコアラップシートに比して、破断強度が高く、吸収性物品全体のしなやかさや柔らかさを確保でき、前記問題点2を生じない。
【0008】
しかし、不織布からなるコアラップシートで吸収性コアが被覆されて構成される吸収体において、前記問題点1及び2を併せて解決するために、図9に示すように、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aをコアラップシート6の長手方向端縁部6Aに略一致させた構成を採用すると、吸収性コア5の構成繊維とコアラップシート6の構成繊維とが異なるため、構成繊維の馴染みによる結合力がほとんど発生せず、シール部の強度が十分に得られない。そのため、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aが口開き状態となり易く、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aから吸収性コア5の高吸収性ポリマーの漏れが生じ易い。
【0009】
【特許文献1】特表2002−512082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、不織布からなるコアラップシートで吸収性コアが被覆されて構成される吸収体を備えた吸収性物品において、吸収体の長手方向端縁部近傍まで吸収性コアを配設しても、コアラップシートの長手方向端縁部を封止することができる吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収体を備え、該表面シート及び該裏面シートの長手方向両端縁部は、それぞれ該吸収体の長手方向両端縁部よりも延出しており、該吸収体は、液保持性の吸収性コアが不織布からなるコアラップシートで被覆されて構成されている吸収性物品であって、前記吸収性コアにおける少なくとも一方の長手方向端縁部は、前記コアラップシートの長手方向端縁部と略一致しており、前記吸収体の長手方向端縁部の肌当接面側は、不織布からなるバリアシートにより被覆されており、該バリアシートは、該吸収体の該長手方向端縁部から長手方向に延出して前記裏面シートの内面に直接的に又は間接的に接合されている吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の吸収性物品によれば、不織布からなるコアラップシートで吸収性コアが被覆されて構成される吸収体を備えた吸収性物品において、吸収体の長手方向端縁部近傍まで吸収性コアを配設しても、コアラップシートの長手方向端縁部を封止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である使い捨ておむつに基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1〜図3に示すように、表面シート2、裏面シート3及びこれら両シート2,3間に介在配置された吸収体4を有し、実質的に縦長に形成されている展開型のものである。
尚、以下の説明において、「長手方向」及び「幅方向」というときは、それぞれ「吸収性物品の長手方向」及び「吸収性物品の幅方向」を意味する。「上面」及び「下面」というときは、それぞれ「肌当接面(側の面)」及び「非肌当接面(側の面)」を意味する。
【0014】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、図2に示すように、長手方向中央部に股下部Cを有し、股下部Cから長手方向に背側及び腹側それぞれに延びる背側部A及び腹側部Bを有している。本実施形態の使い捨ておむつ1は、股下部Cの両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、全体として長手方向中央部が内方に括れた砂時計状の形状となっている。表面シート2は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向中央部に配されている。裏面シート3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ吸収体4の幅方向両側縁部及び長手方向両端縁部から外方に延出しており、それらの延出部において直接的に又は他の部材を介在させて互いに接合されている。
【0015】
背側部Aの両側部には、それぞれ幅方向外方に延出するサイドフラップ11,11が形成されている。各サイドフラップ11には、ファスニングテープ12が幅方向外方に延出して取り付けられている。ファスニングテープ12には、メカニカルファスナーのフック部材(図示せず)が取り付けられている。このフック部材としては当該技術分野において公知のものを特に制限なく用いることができる。
【0016】
腹側部Bの両側部にも、それぞれ幅方向外方に延出するサイドフラップ11,11が形成されている。腹側部Bにおける裏面シート3の外表面(下面)には、ファスニングテープ12を止着自在なランディングテープ15(図1参照)が設けられている。
【0017】
使い捨ておむつ1における長手方向両側部には、それぞれ立体ギャザー形成用弾性部材13Aを有する立体ギャザー形成用シート13が、表面シート2の両側部を覆うように配されている。これによって一対の立体ギャザーが形成されている。立体ギャザー形成用弾性部材13Aは、立体ギャザー形成用シート13の自由端と略平行に複数本(3本)配されている。
【0018】
更に、使い捨ておむつ1における長手方向の両側部には、それぞれ複数本(2本)のレッグ弾性部材14が略直線状に配されている。レッグ弾性部材14は、立体ギャザー形成用弾性部材13Aよりも幅方向外方において、表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定されている。これによってレッグギャザーが形成されている。立体ギャザー形成用弾性部材13A及びレッグ弾性部材14は、何れも、糸状の形態を有し、使い捨ておむつ1の長手方向に沿って配設されており、また、背側部Aと腹側部Bとの間に亘って配設されている。
【0019】
背側部A及び腹側部Bにおけるウエスト部Dには、ウエスト弾性部材81が配設されてウエストギャザーが形成されている。ウエスト弾性部材81は、帯状の形態を有し、使い捨ておむつ1の幅方向に沿って略全幅に亘って配設されている。
【0020】
背側部Aにおける胴回り部Eの両側部には、それぞれ複数本(6本)の胴回りギャザー形成用弾性部材82が配設されて左右一対の胴回りギャザーが形成されている。胴回りギャザー形成用弾性部材82は、立体ギャザー形成用弾性部材13Aよりも幅方向外方において、幅方向に沿って略直線状に配されている。背側部Aにおける胴回り部Eは、使い捨ておむつ1を、図2に示すように、その各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた状態(緊張状態)とし、背側部A側を上側、腹側部B側を下側と考えた場合に、ウエスト弾性部材81が配された部位よりも下方に位置し且つ股下部Cより上方に位置する部分である。
【0021】
次に、本発明の特徴部分である長手方向端縁部の構成について説明する。まず、胴回りギャザーを有する背側部A側の長手方向端縁部の構成について図3〜図5を参照しながら説明する。
吸収体4は、図3〜図5に示すように、表面シート2と裏面シート3との間に介在配置されている。表面シート2の長手方向端縁部2A及び裏面シート3の長手方向端縁部3Aは、長手方向に略一致しており、吸収体4の長手方向端縁部4Aよりも長手方向に延出している。
【0022】
表面シート2としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品において従来用いられている液透過性のシートを特に制限なく用いることができる。例えば、親水化処理が施された各種不織布や開孔フィルムを用いることができる。
裏面シート3としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品において従来用いられている液不透過性又は液難透過性のシートを特に制限なく用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネートシート(フィルムを吸収体4側に配置することが好ましい)を用いることができ、水蒸気透過性を有するものを用いることもできる。
【0023】
吸収体4は、図3に示すように、液保持性の吸収性コア5が不織布からなるコアラップシート6で被覆されて構成されている。
吸収性コア5は、親水性の短繊維や親水性を有する長繊維のウエブを主体として構成され、高吸収性ポリマーを含有していてもよい。
親水性の短繊維としては、木材パルプ、レーヨン、コットン等の天然パルプや、ポリエチレン等の合成樹脂を素材とする合成パルプが挙げられる。天然パルプと合成パルプとは、何れか一方を用いてもよく、両方を用いてもよい。
親水性を有する長繊維としては、本来的に親水性を有する長繊維や、本来的には親水性を有さないが親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維が挙げられる。
吸収性コア5には、液保持性を向上させるために、高吸収性ポリマーを含有させることができる。高吸収性ポリマーを含有させるには、短繊維の積繊物や長繊維のウエブに、高吸収性ポリマーを散布したり、埋設担持させればよい。
【0024】
コアラップシート6は、吸収性コア5の上面(肌当接面側)、下面(非肌当接面側)及び両側縁部を被覆しているが、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aについては全く又はほとんど被覆していない。コアラップシート6は、吸収性コア5の上面、下面及び両側縁部を被覆することができれば、その構成に制限はない。本実施形態におけるコアラップシート6は、吸収性コア5の幅の2倍以上3倍以下の幅を有するシートからなり、その幅方向中央部に吸収性コア5を載置し、その幅方向両側部を吸収性コア5の上面側に折り返し、その幅方向両側縁部同士を接合して筒状に形成して、吸収性コア5を被覆している。
【0025】
上記被覆形態以外にも、例えば、吸収性コア5の幅よりも若干幅広の2枚のコアラップシート6,6を用い、これら2枚のコアラップシート6、6をそれぞれ吸収性コア5の上面側及び下面側に配設し、2枚のコアラップシート6,6における吸収性コア5から幅方向に延出した領域同士を接合して筒状に形成することにより、吸収性コア5を被覆する被覆形態が挙げられる。
【0026】
コアラップシート6としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品において従来用いられている不織布を特に制限なく用いることができ、特に液透過性の不織布を用いることが好ましい。例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアスルー不織布が挙げられる。
【0027】
吸収性コア5の長手方向端縁部5Aは、図3及び図4に示すように、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aと略一致している。「略一致している」とは、吸収性コアの長手方向端縁部5Aとコアラップシート6の長手方向端縁部6Aとの間の位置ズレが、10mm以内、好ましくは5mm以内、最も好ましくは3mm以内であることを意味する。
【0028】
吸収体4の長手方向端縁部4Aの肌当接面側(上面)は、図3〜図5に示すように、不織布からなるバリアシート7により被覆されている。バリアシート7により吸収体4のコアラップシート6が被覆される(長手方向の)長さは適宜設定されるが、好ましくは5〜40mm、更に好ましくは10〜30mmである。
バリアシート7は、1層領域71及び2層領域72が形成されるようにシートが長手方向に2つ折りに折り返されて形成されている。詳述すると、バリアシート7は、裏面シート3の長手方向端縁部3Aからコアラップシート6の長手方向端縁部6Aに亘り配設され、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aにおいて上方に折り返されて2層領域72を形成し、少なくともコアラップシート6の長手方向端縁部6Aが2層領域72により被覆されている。
【0029】
バリアシート7には、複数本の胴回りギャザー形成用弾性部材82が、2層領域72の上層と下層との間に挟まれて、長手方向に所定ピッチで配設されており、胴回りギャザー形成用弾性部材82を表面シート2と裏面シート3との間における所定位置に配設する配設シートとしての役目も兼ねている。
胴回りギャザー形成用弾性部材82としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品において従来用いられている弾性部材を特に制限なく用いることができる。糸状又は板状の弾性部材を用いることができ、本数は1本又は複数本でもよい。本実施形態においては、6本の糸状の弾性部材を用いている。
【0030】
バリアシート7の1層領域71の上面(肌当接面側)には、幅方向全域に亘って、帯状のウエスト弾性部材81が配設されている。バリアシート7の1層領域71の上面とウエスト弾性部材81とは、接着剤(図示せず)により接合されている。
バリアシート7の長手方向端縁部7Aは、表面シート2の長手方向端縁部2A及び裏面シート3の長手方向端縁部3Aと略一致している。バリアシート7における2層領域72の折り返し端部7Bは、股下部C側を向いている。2層領域72の上層の長手方向端縁部7Cは、ウエスト弾性部材81における股下部C側の端縁部に近接している。
【0031】
吸収体4の長手方向端縁部4A(吸収性コア5の長手方向端縁部5A)から延出しているバリアシート7は、裏面シート3に直接的に又は間接的に接合されている。「直接的に接合されている」とは、バリアシート7と裏面シート3とがシート等の部材を介在させることなく接合されていることを意味し、典型的には、バリアシート7と裏面シート3とが接着剤やヒートシールにより接合されていることである。「間接的に接合されている」とは、バリアシート7と裏面シート3とがシート等の部材を介在させて接合されていることを意味し、典型的には、バリアシート7と裏面シート3との間に他のシートを介在させ、バリアシート7と該他のシートとの間及び該他のシートと裏面シート3との間がそれぞれ接着剤により接合されており、その結果、バリアシート7と裏面シート3とが接合されていることである。
【0032】
本実施形態においては、バリアシート7の非肌当接面側(下面)に、長手方向端縁部7Aから若干離間した位置から2層領域72における折り返し端部7Bに亘って、上部接着剤92が塗工されている。バリアシート7は、吸収体4の長手方向端縁部4Aから長手方向に延出しており、上部接着剤92により裏面シート3の内面(肌当接面側、吸収体4側)に接合されており、また上部接着剤92によりコアラップシート6の上面にも接合されている。
【0033】
また、バリアシート7は、表面シート2の内面に直接的に又は間接的に接合されている。「直接的に接合されている」及び「間接的に接合されている」の意味は、それぞれ、バリアシート7と裏面シート3との接合における「直接的に接合されている」及び「間接的に接合されている」と同様の意味である。
本実施形態においては、バリアシート7の2層領域72の上層は、表面シート2に接着剤(図示せず)により直接的に接合されており、バリアシート7の1層領域71は、表面シート2に、ウエスト弾性部材81を介在させて接着剤(図示せず)により間接的に接合されている。
【0034】
裏面シート3の上面には、その長手方向端縁部3Aから吸収体4の長手方向端縁部4Aの非肌当接面側(コアラップシート6の下層の下面側)に亘って下部接着剤91が塗工されている。下部接着剤91により、裏面シート3の上面と、バリアシート7の下面の一部及び吸収体4のコアラップシート6における長手方向端縁部6A近傍とが接合されている。
【0035】
バリアシート7としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品において従来用いられている不織布を特に制限なく用いることができ、特に撥水性の不織布が好ましく用いられる。例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布の他、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアスルー不織布、エアレイドシートが挙げられる。
【0036】
バリアシート7は、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aを被覆し、吸収性コア5の高吸収性ポリマーが漏れ出さないようにすることを主目的として設けられているものである。従って、バリアシート7の平均細孔径は、高吸収性ポリマーの平均粒径よりも小さくなっていることが好ましく、具体的には、80μm以下であるのが好ましく、50μm以下であるのがより好ましい。また、バリアシート7の平均細孔径は、生産能力等を考慮すると、14μm以上であるのが好ましい。
【0037】
バリアシート7の平均細孔径は、例えば、JIS K3832「精密ろ過膜エレメント及びモジュールのバブルポイント試験方法」に準拠したバブルポイント法により測定することができる。その際の測定機器としては、例えば、Perm-Porometer(型式CPP-120AEXL-ESA、西華産業株式会社製)が挙げられる。
【0038】
尚、吸収性物品におけるバリアシートとしては、平均細孔径0.1μm以下の透湿性フィルムシートも用いられている。
【0039】
使い捨ておむつ1の腹側部B側の構成は、一部の構成を除き、背側部A側の構成と同様の構成を有している。具体的には、図6に示すように、バリアシートが、折り返されていない1枚のバリアシート70から構成されており、胴回りギャザー形成用弾性部材82が設けられていない。その他の構成は、背側部A側の構成と同様であるので説明は省略する。同じ構成部位については同じ符号を付してある。
【0040】
吸収体4は、吸収性コア5における長手方向端縁部5Aがコアラップシート6の長手方向端縁部6Aと略一致していれば、その製造方法に制限はないが、例えば以下に示す製造方法により製造することができる。
第1の製造方法としては、まず、吸収性コア5の長尺状の素材をコアラップシート6の長尺筒状の素材で被覆し、これを長手方向に所定ピッチで切断して吸収体4を得る方法がある。この製造方法によれば、吸収性コア5の素材及びコアラップシート6の素材を同時に切断できるという利点がある。この製造方法により得られた吸収体4は、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aの位置とコアラップシート6の長手方向端縁部6Aの位置とはほぼ完全に一致している(位置ズレが実質的に生じていない)。
【0041】
第2の製造方法としては、所定長さに切断した吸収性コア5を所定長さに切断したコアラップシート6で被覆する製造方法がある。この製造方法により得られた吸収体4は、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aの位置とコアラップシート6の長手方向端縁部6Aの位置とは、第1の製造方法により得られた吸収体4ほど一致していないが、製造精度を確保することにより、略一致させることができる。
【0042】
バリアシート7は、その製造方法に制限はないが、例えば以下に示す製造方法により製造することができる。
図7に示すように、バリアシートの素材7’は、展開した状態の背側部A側のバリアシート7の幅と、腹側部B側のバリアシート70の幅とを合わせた幅を有している。ウエスト弾性部材の素材81’は、ウエスト弾性部材81の2個分の幅を有している。また、所定本数の胴回りギャザー形成用弾性部材82を用意する。
【0043】
図7に示すように、バリアシートの素材7’の上面における所定位置(背側部A側のバリアシート7の2層領域72の下層に対応する領域)に、胴回りギャザー形成用弾性部材82を配設する。バリアシートの素材7’における所定領域(背側部A側のバリアシート7の2層領域72の上層に対応する領域)を上面側に折り返し、胴回りギャザー形成用弾性部材82を挟持して、2層領域72を形成する。また、バリアシートの素材7’の上面における所定位置に、ウエスト弾性部材の素材81’を接合する。
【0044】
バリアシートの素材7’及びウエスト弾性部材の素材81’を所定位置(ウエスト弾性部材の素材81’の中間位置)で2つに切断する。その結果、ウエスト弾性部材81を備え且つ2層領域72に胴回りギャザー形成用弾性部材82が配設された背側部A側のバリアシート7と、ウエスト弾性部材81を備えた腹側部B側のバリアシート70とが形成される。
【0045】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、前述のように形成された吸収体4、バリアシート7,70等を用いて、例えば以下に示すように製造することができる。尚、腹側部Bについても背側部Aと同様の手順で製造される。
まず、図3及び図4に示すように、裏面シート3における背側部Aを形成する領域のうち、吸収体4が配設される領域の幅よりも若干広い幅の領域に、スロットスプレー方式により下部接着剤91を塗工する。次に、吸収体4を、その長手方向端縁部4Aが下部接着剤91に重なるように、裏面シート3における所定位置に配設して接合させる。
【0046】
尚、下部接着剤91の塗工は、スロットスプレー方式等の非接触式に制限されないが、非接触式の塗工の方が好ましい。その他の非接触式の塗工としては、例えば、スパイラルスプレー方式、カーテンスプレー方式若しくはサミットスプレー方式(ノードソン社製)又はこれらを組み合わせた方式が挙げられる。コーター方式のような接触式の塗工では、塗工時にヘッドの熱で裏面シート3が溶けたり、透明化する場合がある。
【0047】
次に、ウエスト弾性部材81及び胴回りギャザー形成用弾性部材82が接合された背側部A側のバリアシート7における非肌当接面側(裏面シート3側)全面に、コーター方式により上部接着剤92を塗工する。上部接着剤92の塗工は、コーター方式等の接触式の塗工に制限されないが、接触式の塗工を行い、接着剤を目開きがなく塗工することで強い接合力を得ることが好ましい。不織布は一般的に耐熱性が高いので、コーター方式のような接触式の塗工に対しても、十分な耐性がある。
次いで、上部接着剤92が塗工されたバリアシート7を、吸収体4の長手方向端縁部4A(コアラップシート6の長手方向端縁部6A)を被覆するように、裏面シート3における背側部Aを形成する領域に接合する。
【0048】
バリアシート7の接合の結果、裏面シート3とバリアシート7との間には、部分的に、スロットスプレー方式(非接触式)による下部接着剤91と、コーター方式(接触式)による上部接着剤92との積層領域が形成されることになる。
尚、非接触式の塗工と接触式の塗工とを組み合わせている理由は以下の通りである。非接触式の塗工では、噴霧状の塗工となるので接着剤の目開きが避けられず、接合力が劣るという欠点があり、接触式の塗工では面塗工となるので、接着剤の目開きが少なく接合力は優れるが、その反面、硬化後の接着剤が固く、パリパリ感が生じるという欠点がある。非接触式の塗工のみ又は接触式の塗工のみでは前述の欠点が生じるので、両方式の塗工を組み合わせることでそれを解消している。
【0049】
更に、表面シート2の内面側(非肌当接面側、吸収体4側)の所定位置に接着剤(図示せず)を塗工し、表面シート2を、バリアシート7の2層領域72の上層及びウエスト弾性部材81等に接合する。然る後、所定の接合工程、切断工程等を行うことにより、使い捨ておむつ1を完成されることができる。
【0050】
本実施形態の使い捨ておむつ1によれば、吸収体4が、不織布からなるコアラップシート6で吸収性コア5が被覆されて構成されているため、コアラップシート6の破断強度が高く、吸収性物品全体のしなやかさや柔らかさを確保でき、コアラップシート6の保湿性が低いため、前記問題点2が生じない。
また、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aがコアラップシート6の長手方向端縁部6Aと略一致しているため、吸収体4の長手方向端縁部4Aにおける液保持性を十分に確保することができる。そのため、吸収体4の排尿ポイントにおける液保持量が大きくなるので、排尿量の多い高月齢児以降の幼児用や成人に着用した場合にも尿を確実に保持することができる。
【0051】
更に、吸収体4における吸収性コア5の平面視面積を大きくできるので、同じ液保持量(吸収容量)を確保しつつ吸収性コア5の厚み、即ち吸収体4全体の厚みを薄くすることができる。着用者の排泄部が排尿ポイントからずれたときにおいても、その許容範囲が大きい。
しかも、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aがコアラップシート6の長手方向端縁部6Aと略一致していても、バリアシート7によりコアラップシート6の長手方向端縁部6Aを封止することができるため、吸収性コア5からの高吸収性ポリマーの脱落を防止することができる。
【0052】
親水性の不織布からなるコアラップシート6と、撥水性の不織布からなるバリアシート7とが組み合わせて用いられると、油剤の影響を受けず、ドライ状態を維持できるため、バリアシート7とコアラップシート6との間の接合力が高くなる。また、撥水効果により、一旦、吸収体4に吸収された尿がコアラップシート6を伝搬し、吸収体4の長手方向端縁部4Aから滲み出る尿に対し、漏れ防止効果が向上している。
バリアシート7を胴回りギャザー形成用弾性部材82の配設シートとして兼用することができるので、部材点数が増加する問題もほとんど生じない。
【0053】
本発明の吸収性物品は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、吸収性コアにおける背側部又は腹側部の何れか一方の長手方向端縁部のみを、コアラップシートの長手方向端縁部と略一致させ、他方の長手方向端縁部については、コアラップシートの長手方向端縁部から後退させた位置に位置させて、バリアシートを有しない構造とすることができる。
【0054】
吸収性コアにおける背側部の長手方向端縁部のみを、コアラップシートの長手方向端縁部と略一致させた構成では、前記実施形態に比して、吸収性コアにおける腹側部側の長手方向端縁部の位置が股下部側に後退することになり、吸収体の排尿ポイントにおける液保持量が若干少なくなるが、例えば、排尿量の少ない新生児用の使い捨ておむつに対して用いた場合には、その影響はほとんどなくなる。
【0055】
また、吸収性コアにおける腹側部の長手方向端縁部のみを、コアラップシートの長手方向端縁部と略一致させた構成では、前記実施形態に比して、胴回りギャザー形成用弾性部材82を配設するシートを別途具備させる必要があるので、胴回りギャザーを有していない吸収性物品に適用することが好ましい。
【0056】
本発明は、展開型の使い捨ておむつに制限されず、パンツ型の使い捨ておむつに適用することができる。また、使い捨ておむつに制限されず、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。
【図2】図1に示す使い捨ておむつを引き伸ばした状態で示す平面図である。
【図3】図2に示すIII−III断面図である。
【図4】図3に示すX−X線の下側を上から視た図である。
【図5】図3に示すX−X線の上側を下から視た図である。
【図6】図2に示すVI−VI断面図である。
【図7】バリアシートの一製造方法を示す断面図である。
【図8】従来の吸収性物品の長手方向に沿う縦断面図である。
【図9】従来の別の吸収性物品における吸収体の長手方向に沿う縦断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 吸収性物品(使い捨ておむつ)
2 表面シート
2A 長手方向端縁部
3 裏面シート
3A 長手方向端縁部
4 吸収体
4A 長手方向端縁部
5 吸収性コア
5A 長手方向端縁部
6 コアラップシート
6A 長手方向端縁部
7 バリアシート
7A 長手方向端縁部
71 1層領域
72 2層領域
81 ウエスト弾性部材
82 胴回りギャザー形成用弾性部材
91 下部接着剤
92 上部接着剤





 

 


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