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発明の名称 吸収性物品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−37668(P2007−37668A)
公開日 平成19年2月15日(2007.2.15)
出願番号 特願2005−223487(P2005−223487)
出願日 平成17年8月1日(2005.8.1)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 藤中 知子 / 一萬田 俊明
要約 課題
吸収体の厚みが薄くても従来品と比較して同等以上の吸収性能を確保しつつ、シャリ感が生じ難い吸収性物品を提供すること。

解決手段
表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収体4を備えており、吸収体4は、厚みが4.3mm以下で、繊維集合体41に高吸収性ポリマー42が含有されてなる吸収性コア5を備えている。吸収性コア5において、高吸収性ポリマー42は、繊維集合体41の平面方向には均一に分散しており、非肌当接面側には実質的に存在していない。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収体を備えており、
前記吸収体は、厚みが4.3mm以下で、繊維集合体に高吸収性ポリマーが含有されてなる吸収性コアを備えており、
前記吸収性コアにおいて、前記高吸収性ポリマーは、前記繊維集合体の平面方向には均一に分散しており、非肌当接面側には実質的に存在していない吸収性物品。
【請求項2】
吸収性物品全体の平面方向面積に対する前記吸収性コアの平面方向面積の比は、0.335〜0.59である請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性コアにおける前記高吸収性ポリマーの質量割合が35〜55%である請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
パルプ繊維及び高吸収性ポリマーをダクト内に供給し、これらを集積用凹部に吸引し、堆積させて該パルプ繊維及び該高吸収性ポリマーの堆積物を形成し、該堆積物を該集積用凹部内から離型して吸収性物品用の吸収体を製造する吸収体の製造方法であって、
前記パルプ繊維を前記ダクト内に飛散するように供給し、前記高吸収性ポリマーを該ダクト内に該ダクト内の上方80%以下の範囲に分布するようにブローしながら供給する吸収体の製造方法。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品及び該吸収性物品における吸収体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、一般的に、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を備えている。吸収体は、一般的に、液保持性の吸収性コアが液透過性のコアラップシートで被覆されて構成されている。吸収性コアは、一般的に、パルプ繊維等の繊維集合体に高吸収性ポリマーが散布されて形成されている。
【0003】
近時、吸収性物品においては、吸収体の厚みを薄くすることが行われている(下記特許文献1参照)。また、吸収体において、その吸収性能を向上させるために、高吸収性ポリマーを繊維集合体の厚み方向に疎密差を設けて分散させる技術が知られている(特許文献2)。
また、吸収体の製造装置においては、一般的に、高吸収性ポリマーを繊維集合体に平面方向(厚み方向と直交する方向)に均一に散布させて吸収体を形成している。
【0004】
【特許文献1】特開平10−118117号公報
【特許文献2】特開平6−205806号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし単純に厚みの薄い吸収体を備えた吸収性物品は従来品と比べて吸収性能が劣ってしまう。吸収性能を補うために単純に高吸収性ポリマーの濃度を高くすると該ポリマーの分散が十分ではなく、該ポリマー同士が擦れ合うことによる「シャリ感」を生じ、装着感の劣るものとなってしまう。
【0006】
従って、本発明の目的は、吸収体の厚みが薄くても従来品と比較して同等以上の吸収性能を確保しつつ、シャリ感が生じ難い吸収性物品及び該吸収性物品における吸収体の製造に好適な吸収体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在配置された吸収体を備えており、前記吸収体は、厚みが4.3mm以下で、繊維集合体に高吸収性ポリマーが含有されてなる吸収性コアを備えており、前記吸収性コアにおいて、前記高吸収性ポリマーは、前記繊維集合体の平面方向には均一に分散しており、非肌当接面側には実質的に存在していない吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、パルプ繊維及び高吸収性ポリマーをダクト内に供給し、これらを集積用凹部に吸引し、堆積させて該パルプ繊維及び該高吸収性ポリマーの堆積物を形成し、該堆積物を該集積用凹部内から離型して吸収性物品用の吸収体を製造する吸収体の製造方法であって、前記パルプ繊維を前記ダクト内に飛散するように供給し、前記高吸収性ポリマーを該ダクト内に該ダクト内の上方80%以下の範囲に分布するようにブローしながら供給する吸収体の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸収性物品によれば、吸収体の厚みが薄くても吸収性能を確保しつつシャリ感が生じ難い。
また、本発明の吸収体の製造方法によれば、前記吸収性物品における吸収体を好適に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である使い捨ておむつに基づき図面を参照しながら説明する。
本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1〜図5に示すように、表面シート2、裏面シート3及び両シート2,3間に介在配置された吸収体4を備えており、吸収体4は、厚みが4.3mm以下で、繊維集合体41に高吸収性ポリマー42が含有されてなる吸収性コア5を備えている。吸収性コア5において、高吸収性ポリマー42は、繊維集合体41の平面方向には均一に分散しており、繊維集合体41の非肌当接面側(下層44側)には実質的に存在していない。
【0011】
本実施形態の使い捨ておむつ1について詳述する。本実施形態の使い捨ておむつ1は、図1〜図3に示すように、表面シート2、裏面シート3及びこれら両シート2,3間に介在配置された吸収体4を有し、実質的に縦長に形成されている展開型のものである。
尚、「平面方向」、「長手方向」及び「幅方向」というときは、それぞれ「吸収性物品を展開し、引き伸ばしたときの厚み方向と直交する方向」、「吸収性物品の長手方向」及び「吸収性物品の幅方向」を意味する。「上面」及び「下面」というときは、それぞれ「肌当接面側の面」及び「非肌当接面側の面」を意味する。
【0012】
本実施形態の使い捨ておむつ1は、図2に示すように、長手方向中央部に股下部Cを有し、股下部Cから長手方向に背側及び腹側それぞれに延びる背側部A及び腹側部Bを有している。本実施形態の使い捨ておむつ1は、股下部Cの両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、全体として長手方向中央部が内方に括れた砂時計状の形状となっている。表面シート2は、吸収体4よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート3の幅方向中央部に配されている。裏面シート3は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ吸収体4の長手方向両側縁部及び長手方向両端縁部から外方に延出しており、それらの延出部において直接的に又は他の部材を介在させて互いに接合されている。
【0013】
背側部Aの両側部には、それぞれ幅方向外方に延出するサイドフラップ11,11が形成されている。各サイドフラップ11には、ファスニングテープ12が幅方向外方に延出して取り付けられている。ファスニングテープ12には、メカニカルファスナーのフック部材(図示せず)が取り付けられている。このフック部材としては当該技術分野において公知のものを特に制限なく用いることができる。
腹側部Bの両側部にも、それぞれ幅方向外方に延出するサイドフラップ11,11が形成されている。腹側部Bにおける裏面シート3の外表面(下面)には、ファスニングテープ12を止着自在なランディングテープ15(図1参照)が設けられている。
【0014】
使い捨ておむつ1における長手方向両側部には、それぞれ立体ギャザー形成用弾性部材13Aを有する立体ギャザー形成用シート13が、表面シート2の両側部を覆うように配されている。これによって一対の立体ギャザーが形成されている。立体ギャザー形成用弾性部材13Aは、立体ギャザー形成用シート13の自由端と略平行に複数本(3本)配されている。
【0015】
更に、使い捨ておむつ1における長手方向の両側部には、それぞれ複数本(2本)のレッグ弾性部材14が略直線状に配されている。レッグ弾性部材14は、立体ギャザー形成用弾性部材13Aよりも幅方向外方において、表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定されている。これによってレッグギャザーが形成されている。立体ギャザー形成用弾性部材13A及びレッグ弾性部材14は、何れも、糸状の形態を有し、使い捨ておむつ1の長手方向に沿って配設されており、また、背側部Aと腹側部Bとの間に亘って配設されている。
【0016】
吸収体4は、図3に示すように、表面シート2と裏面シート3との間に介在配置されている。表面シート2の長手方向端縁部2A及び裏面シート3の長手方向端縁部3Aは、長手方向に略一致しており、吸収体4の長手方向端縁部4Aよりも長手方向に延出している。
【0017】
表面シート2としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品において従来用いられている液透過性のシートを特に制限なく用いることができる。例えば、親水化処理が施された各種不織布や開孔フィルムを用いることができる。
裏面シート3としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品において従来用いられている液不透過性又は液難透過性のシートを特に制限なく用いることができる。例えば、熱可塑性樹脂のフィルムや、該フィルムと不織布とのラミネートシート(フィルムを吸収体4側に配置することが好ましい)を用いることができ、水蒸気透過性を有するものを用いることもできる。
【0018】
吸収体4は、厚みが4.3mm以下であり、好ましくは4.1mm以下であり、最も好ましくは4.0mm以下である。吸収体4の厚みがこのような範囲に設定されていると、装着時に違和感を感じ難く、装着性に優れると共に、撓み易く、フィット性に優れる。
なお、吸収体4の厚みの測定は、以下の方法により行う。まず包装を開封し、取り出した直後の使い捨ておむつ(吸収性物品)1上に5cm×5cmの大きさのアクリル板の重りを載せ、2.5gf/cm2の荷重が加わった状態下にして、測定装置として株式会社キーエンスのLK080クラス2レーザー変位計を用いて厚みを測定する。使い捨ておむつ1の幅方向中央、長手方向に等間隔の位置で、かつしわの無い位置において、測定点数は4〜6点でその平均を採る。吸収体4の厚みを位置により意図的に変えたものではない場合で測定値が20%以上振れた場合はそのデータを削除し、別の測定値を追加する。次に、測定に用いた使い捨ておむつ1の吸収体4以外の材料の厚みを同様にして測定する。そして使い捨ておむつ1の厚みから、吸収体4以外の材料の厚みを差し引いた値を吸収体4の厚みとする。
【0019】
吸収体4は、図3に示すように、液保持性の吸収性コア5が台紙又は液透過性の不織布からなるコアラップシート6で被覆されて構成されている。
吸収性コア5は、図4に示すように、長手方向両側部の一部が股下部Cの両側縁の湾曲形状に沿って内向きに湾曲しており、平面視で砂時計状の形状を有している。尚、吸収性コア5の平面視形状には特に制限はなく、例えば矩形でもよい。
吸収性コア5は、親水性の短繊維や親水性を有する長繊維のウエブ等の繊維集合体41を主体として構成されている。
【0020】
親水性の短繊維としては、木材パルプ、レーヨン、コットン等の天然パルプや、ポリエチレン等の合成樹脂を素材とする合成パルプが挙げられる。天然パルプと合成パルプとは、何れか一方を用いてもよく、両方を用いてもよい。親水性を有する長繊維としては、本来的に親水性を有する長繊維や、本来的には親水性を有さないが親水化処理が施されることによって親水性が付与された長繊維が挙げられる。
本実施形態における繊維集合体41は、パルプ繊維41Aを主体として構成されている。
【0021】
吸収性コア5においては、液保持性を向上させるために、繊維集合体41に、高吸収性ポリマー42が含有されている。高吸収性ポリマー42を含有させるには、短繊維や長繊維のウエブ等の繊維集合体41に、高吸収性ポリマー42を散布したり、埋設担持させればよい。必要に応じ、高吸収性ポリマー42以外のもの、例えばトウ繊維を含有させることもできる。
【0022】
吸収性コア5において、高吸収性ポリマー42は、繊維集合体41の平面方向には均一に分散している。「均一に分散している」とは、後述の様に吸収性コア5を平面方向に所定面積で分割し、その分割領域ごとに高吸収性ポリマー42の含有量を測定して、各分割領域における高吸収性ポリマー42の含有量のバラツキ(標準偏差)が、各分割領域における高吸収性ポリマー42の含有量の平均に対して10%以下であるこという。
【0023】
具体的には、図4に示すように、吸収性コア5の長さ方向及び幅方向の中心点を中心とした、該長さ方向及び幅方向と平行な辺を持つ、一辺30mmの正方形形状の基準区画を設定し、その基準区画と同じ形の区画を吸収性コア5の長さ方向に重ならないように吸収性コア5に当てはめる。これらの区画を分割領域とする。また、各分割領域(図4における正方形形状の2点鎖線で囲まれた領域)については、便宜上、長手方向に沿って背側部A側から順に「1」〜「9」と呼ぶことにする。
【0024】
また、各分割領域のうち、吸収性コア5と重なっていない部分があるものについては測定対象外とする。
そして、測定対象外の分割領域を除く、測定対象の各分割領域について、高吸収性ポリマー42の含有量のバラツキ(標準偏差)を測定する。その標準偏差を、各分割領域における高吸収性ポリマー42の含有量の平均に対する割合(質量比)を計算する。上述の操作を4枚の吸収性コア5に対して行い、4枚それぞれの前記割合の平均を求める。この平均値が10%以下である場合を「均一に分散している」ものとする。
【0025】
尚、高吸収性ポリマー42の含有量の測定は、次の測定方法により行う。
各分割領域それぞれについて、保水性の無い素材からなるメッシュ袋に各分割領域を入れ、以下の操作をメッシュ袋ごとに高吸収性ポリマーの脱落が無いように行う。まず、各分割領域ごとに秤量する(この値を(A)とする)。次に、各分割領域を生理食塩水中に30分浸漬させる。その後、各分割領域を10分間吊り下げて自然落下による水切りを行う。次に、各分割領域について800rpmの速度で10分間、遠心脱水機による水切りを行う。そして、遠心脱水機による水切り後においても保持されている各分割領域中の水分量(この値を(B)とする)を求める(以下遠心脱水機による水切り後においても保持されている水分量を「遠心保持量」という)。
【0026】
一方で、各分割領域に含まれる高吸収性ポリマーと同一種類のポリマーを秤量し、メッシュ袋に入れて同様の操作を行い、高吸収性ポリマーのみの遠心保持量を求め、高吸収性ポリマー1gあたりの遠心保持量(C)を計算する。
そして{(B)−(A)}÷(C)の計算により、各分割領域中の高吸収性ポリマーの含有量を求める。
【0027】
吸収性コア5において、図5に示すように、高吸収性ポリマー42は、肌当接面側(上層43側)の面には、所定比率で含有されているが、非肌当接面側(下層44側)の面には、実質的に存在していない。
【0028】
ここで「実質的に存在していない」とは、意図して非肌当接面側の面に高吸収性ポリマーを含有させないことを言い、具体的には以下のようにして判定する。対象となる非肌当接面側の面の任意の位置を選び、その位置の周り5cm×5cmの範囲で高吸収性ポリマーの数を観察する。観察された高吸収性ポリマーの数が20個以下、好ましくは10個以下、最も好ましくは5個以下の場合、「実質的に存在していない」ものと判定する。観察の前に、吸収体4を濡らした上で吸収性コア5からコアラップシート6を剥がすと観察が容易となるが、その場合、コアラップシート6に付着した高吸収性ポリマーは、観察対象となる非肌当接面側の面に存在していたものとして取り扱う。また、観察の前に吸収性コア5に着色した人工尿を吸収させ、高吸収性ポリマーを膨潤させること等により観察を容易にすることができる。
【0029】
吸収性物品1全体の平面方向面積S0に対する吸収性コア5の平面方向面積S1の比(S1/S0)は、厚みの薄い吸収体4において十分な吸収容量を確保する観点から、好ましくは0.335〜0.59、更に好ましくは0.34〜0.54である。
なお、本比率を計算する際において、「吸収性物品1全体の平面方向面積S0」にはファスニングテープ12のみの部分は含まず、吸収性コア5の平面方向面積S1にはコアラップシート6は含まないものとする。
【0030】
吸収性コア5全体の質量M1に対する高吸収性ポリマー42の質量M2の比率(M2/M1)は、吸収性能を確保しつつ、シャリ感が生じ難い吸収性物品を得る観点から、好ましくは35〜55%、更に好ましくは40〜50%である。この範囲を超えるとシャリ感を生じてしまい、この範囲を下回ると十分な吸収性能を確保することができない。
【0031】
コアラップシート6は、吸収性コア5の上面(肌当接面側)、下面(非肌当接面側)及び両側縁部を被覆しているが、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aについては全く又はほとんど被覆していない。本実施形態におけるコアラップシート6は、吸収性コア5の幅の2倍以上3倍以下の幅を有するシートからなり、その幅方向中央部に吸収性コア5を載置し、その幅方向両側部を吸収性コア5の上面側に折り返し、その幅方向両側縁部同士を接合して筒状に形成して、吸収性コア5を被覆している。
【0032】
上記被覆形態以外にも、例えば、吸収性コア5の幅よりも若干幅広の2枚のコアラップシート6,6を用い、これら2枚のコアラップシート6、6をそれぞれ吸収性コア5の上面側及び下面側に配設し、2枚のコアラップシート6,6における吸収性コア5から幅方向に延出した領域同士を接合して筒状に形成することにより、吸収性コア5を被覆する被覆形態が挙げられる。
【0033】
コアラップシート6としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品において従来用いられている台紙や液透過性の不織布を特に制限なく用いることができる。不織布の場合、例えばスパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアスルー不織布が挙げられる。
【0034】
吸収性コア5の長手方向端縁部5Aは、図3に示すように、コアラップシート6の長手方向端縁部6Aと略一致している。「略一致している」とは、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aとコアラップシート6の長手方向端縁部6Aとの間の位置ズレが、5mm以内であることを意味する。
【0035】
表面シート2の下面には、その長手方向端縁部2Aから吸収体4の長手方向端縁部4Aの肌当接面側(コアラップシート6の上層の上面側)に亘って上部接着剤92が塗工されている。上部接着剤92により、表面シート2の下面と吸収体4のコアラップシート6における長手方向端縁部6A近傍とが接合されている。
裏面シート3の上面には、その長手方向端縁部3Aから吸収体4の長手方向端縁部4Aの非肌当接面側(コアラップシート6の下層の下面側)に亘って下部接着剤91が塗工されている。下部接着剤91により、裏面シート3の上面と吸収体4のコアラップシート6における長手方向端縁部6A近傍とが接合されている。
腹側部B側の長手方向に沿う縦断面視における構成は、背側部A側の構成と同様の構成を有している
【0036】
吸収体4は、その製造方法に制限はないが、例えば以下に示す製造方法により製造することができる。
第1の製造方法としては、所定長さに形成又は切断した吸収性コア5を所定長さに切断したコアラップシート6で被覆する製造方法がある。この製造方法により得られた吸収体4は、製造精度を確保することにより、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aの位置とコアラップシート6の長手方向端縁部6Aの位置とを略一致させることができる。
【0037】
第2の製造方法としては、まず、吸収性コア5の長尺状の素材をコアラップシート6の長尺筒状の素材で被覆し、これを長手方向に所定ピッチで切断して吸収体4を得る方法がある。この製造方法によれば、吸収性コア5の素材及びコアラップシート6の素材を同時に切断できるという利点がある。この製造方法により得られた吸収体4は、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aの位置とコアラップシート6の長手方向端縁部6Aの位置とはほぼ完全に一致している(位置ズレが実質的に生じていない)。
【0038】
繊維集合体41がパルプ繊維41Aを主体として構成されている吸収体4においては、本発明の吸収体の製造方法が好ましく用いられる。次に、本発明の吸収体の製造方法の一実施態様について図面を参照しながら説明する。
【0039】
本実施態様の吸収体の製造方法は、図6に示すように、パルプ繊維41A(図6において小さい「〜」形状で示す)及び高吸収性ポリマー42(図6において小さい○で示す)をダクト91内に供給し、これらを集積用凹部96に吸引し、堆積させてパルプ繊維41A及び高吸収性ポリマー42の堆積物を形成し、該堆積物を集積用凹部96内から離型して吸収体4を製造するものである。
【0040】
まず、本実施態様の吸収体の製造方法の実施に用いられる製造装置について説明する。本製造装置は、図6に示すように、多数の吸引孔(図示せず)を有する集積用凹部96を周面に備えた積繊ドラム95と、パルプ繊維41A及び高吸収性ポリマー42を集積用凹部96に供給するダクト91と、集積用凹部96から離型された吸収体4の吸収性コア5を搬送する搬送ベルト97とを備えている。
【0041】
ダクト91は、その内部が、積繊ドラム95の周面に向けて上下方向に徐々に拡がるように形成されており、積繊ドラム95とは反対側の供給口92からパルプ繊維41Aを飛散させて供給できるようになっている。
ダクト91の上方には、高吸収性ポリマー42をダクト91の内部に上方からブローしながら供給するポリマー供給管93が設けられている。
【0042】
ポリマー供給管93は、高吸収性ポリマー42を分散させながら投入口94から供給できるようになっている。詳述すると、ポリマー供給管93の内壁にエアーを衝突させるようにエアーを傾けて供給することにより、ポリマー供給管93内に乱流を発生させる。そのエアーが乱流状態となっているポリマー供給管93の内部に、高吸収性ポリマー42を供給することにより、高吸収性ポリマー42がポリマー供給管93内を搬送されながら均一に分散される。その結果、投入口94から高吸収性ポリマー42がダクト91の内部に供給された際に、高吸収性ポリマー42を均一に分散させることができるようになっている。
【0043】
搬送ベルト97は、積繊ドラム95の下方の周面に対向して配設されている。
積繊ドラム95の周面には、複数個の集積用凹部96が所定ピッチで設けられている。集積用凹部96は、積繊ドラム95の下方位置、即ち搬送ベルト97との対向面に位置するときには、径方向外方に向けてブローできるようになっている。また、集積用凹部96は、その他の位置においては、径方向内方に向けて吸引できるようになっている。
【0044】
このような構成を有する吸収体の製造装置によれば、以下で説明するような、吸収体を製造することができる。
ダクト91の供給口92からは、パルプ繊維41Aがダクト91の内部に飛散するように供給される。ダクト91の内部には、積繊ドラム95の集積用凹部96に向けて吸引力が生じているため、ダクト91の内部に供給されたパルプ繊維41Aは、ダクト91の内部をほぼ均一に漂いながら集積用凹部96に向けて移動する。従って、ダクト91の内部における、高吸収性ポリマー42の投入口94の設けられた上方空間、及び投入口94の設けられていない下方空間の両方においてパルプ繊維41Aが移動することになる。
【0045】
一方、ポリマー供給管93からは高吸収性ポリマー42が投入口94からブローされながら供給される。ポリマー供給管93からのブロー速度は、ポリマー供給管93とダクト91の下方部分との間隔や、ダクト91の内部におけるパルプ繊維41Aの移動速度等により適宜設定する必要があるが、高吸収性ポリマー42をダクト91の上方空間で出来るだけ均一に分散させる観点と、高吸収性ポリマー42同士の衝突による高吸収性ポリマー42の破損を回避する観点から、全ての高吸収性ポリマー42を投入口94付近で分散させることで、ダクト91の下方部分に衝突しない条件でブローすることが好ましい。より具体的には、供給される高吸収性ポリマー42が、ダクト91内部の上方80%以下の範囲、好ましくは上方70%以下の範囲、最も好ましくは上方60%以下の範囲に分布するような条件でブローされる。
【0046】
ポリマー供給管93からブローされた高吸収性ポリマー42は、ダクト91の内部のほぼ上半分の空間R1のみを移動する。また、ダクト91の内部のほぼ上半分の空間R1には、パルプ繊維41Aも移動している。一方、ダクト91の内部のほぼ下半分の空間R2には、ほぼパルプ繊維41Aのみが移動している。
【0047】
その結果、積繊ドラム95が回転し、ダクト91の排出口に沿って集積用凹部96が移動すると、集積用凹部96の下半分には、ほぼパルプ繊維41Aのみが堆積し、その上には、パルプ繊維41Aと高吸収性ポリマー42との混合層が堆積する。集積用凹部96に堆積した堆積物が積繊ドラム95の径方向外方に向けて吹き出すブローにより離型されると、搬送コンベア97の上には、図5に示すような、高吸収性ポリマー42が厚み方向に2段階に疎になるように分散している吸収体4の吸収性コア5が得られる。その後、吸収性コア5をコアラップシート6で被覆することで、図3に示す吸収体4が得られる。
【0048】
本実施形態の使い捨ておむつ1によれば、吸収体4の厚みが4.3mm以下で、吸収性コア5において、高吸収性ポリマー42が、繊維集合体41の平面方向には均一に分散しており、非肌当接面側には実質的に存在していない。そのため、吸収体4の厚みが薄くても吸収性能を確保しつつシャリ感が生じ難い。
【0049】
また、吸収性コア5の長手方向端縁部5Aがコアラップシート6の長手方向端縁部6Aと略一致しており、吸収体4における吸収性コア5の平面方向面積を大きくできるので、吸収性能を確保しつつ吸収体4の厚み、ひいては吸収性物品1全体の厚みを薄くすることができる。
【0050】
本実施態様の吸収体の製造方法によれば、簡便な構成を有する製造装置を用いて、格別複雑な制御を行うことなく、繊維集合体41の非肌当接面側に高吸収性ポリマー42が実質的に存在していない吸収体4を製造することができる。
【0051】
本発明の吸収性物品及び本発明の吸収体の製造方法は、それぞれ前述した実施形態及び実施態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
本発明の吸収性物品は、展開型の使い捨ておむつに制限されず、パンツ型の使い捨ておむつに適用することができる。また、使い捨ておむつに制限されず、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等にも適用することができる。
吸収体は、高吸収性ポリマーが厚み方向に3段階以上に疎になるように分散してもよい。また、吸収体は、吸収性コアがコアラップシートで被覆されて構成されるものに制限されず、吸収性コアを圧縮成形して(コアラップシートで被覆せずに)形成することができる。
【0052】
本発明の吸収体の製造方法は、本発明の吸収性物品における吸収体の製造に制限されず、4.3mm超の厚みを有する吸収体の製造に用いることができる。
【実施例】
【0053】
本発明の吸収体の製造方法において、ダクト内への高吸収性ポリマーの供給をブローしながら行った場合(実施例)と、自由落下させて行った場合(比較例)とについて、製造された吸収体(吸収性コア)における高吸収性ポリマーの平面方向の均一性を比較し、評価を行った。
【0054】
〔実施例1〕
パルプ繊維の坪量が200g/m2、高吸収性ポリマーの坪量が150g/m2となるようにパルプ繊維、高吸収性ポリマーをダクト内に供給した。この際に高吸収性ポリマーの供給は、ダクト内部の上方50%の範囲に分布するようにブローしながら行った。
【0055】
〔比較例1〕
比較例1は、高吸収性ポリマーのダクト内への供給が自由落下により行われる以外は、実施例1と同じ条件で製造したものである。
【0056】
このようにして得られた実施例1及び比較例1の吸収性コアの長手方向に連続した9分割領域についての、高吸収性ポリマーの含有量をそれぞれ下記〔表1〕及び〔表2〕に示す。
【0057】
【表1】


【0058】
【表2】


【0059】
〔遠心保持量による評価結果〕
上記〔表1〕及び〔表2〕にそれぞれ示す実施例1及び比較例1の測定結果によれば、実施例1の方が、比較例1に比して、各分割領域における高吸収性ポリマーの含有量の平均に対してバラツキが少ないことがわかった。
【0060】
〔目視による評価方法、結果〕
実施例1及び比較例1について目視による評価を行った。実施例1においては、図7に示すように、吸収性コアの上層の肌当接面側には、高吸収性ポリマーが平面方向に均一に分散していた。吸収性コアの下層の非肌当接面側には、高吸収性ポリマーがほとんど含有されていない(上層に比して無視できる程度の量しか含有されていない)。吸収体全体の厚みも均一であった。
【0061】
比較例1においては、図8に示すように、吸収性コアの上層の肌当接面側には、高吸収性ポリマーが分散しているが、密な領域と疎の領域とが形成されており、均一には分散していない。吸収性コアの下層の非肌当接面側に、高吸収性ポリマーが分散しており、部分的には吸収性コアの上層と同程度に密な領域もあった。吸収体全体の厚みも不均一で、部分的にかなり厚い領域も形成されていた。
【0062】
〔実施例2〕
本発明の製造方法により製造した吸収体を、吸収性物品として表面シートと裏面シートとの間に配置して使い捨ておむつを作成した。この際、吸収性物品全体の平面方向面積S0に対する吸収性コアの平面方向面積S1の比S1/S0の比を0.34とした。
【0063】
〔比較例2〕
前記比S1/S0の比を0.32とした以外は実施例2と同様にして使い捨ておむつを作成した。
【0064】
〔吸収性能の評価方法、結果〕
実施例2、比較例2、及び吸収性能の基準として現在市販されている花王株式会社製の使い捨ておむつ「Merries」(登録商標)Sサイズの評価を行った。
評価方法は、各使い捨ておむつをベビーモデルに装着し、該モデルを仰向け、かつ後方15°の角度で設置した。その後、該モデルの肛門に相当する部位から人工尿を1回あたり30g注入した。モレが生じない場合、注入後数分間放置し、再度同条件で注入を繰り返した。そしてモレが生じた瞬間の累積吸収量を「背モレ吸収量」として記録した。
【0065】
実施例2においては、3枚の評価結果の平均値として153gが得られ、現在市販されている上記おむつの評価結果の158gとほぼ同等の結果であった。
これに対して比較例2においては、3枚の評価結果の平均値が140gであった。これは5回目の注入時にモレが生じるものであり、市販品のそれが6回目であることと比較し、性能が明らかに落ちる結果である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の吸収性物品の一実施形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。
【図2】図1に示す使い捨ておむつを引き伸ばした状態で示す平面図である。
【図3】図2に示すIII−III断面図である。
【図4】図1に示す使い捨ておむつにおける吸収体の吸収性コアを仮想的に分割した状態を示す平面図である。
【図5】図1に示す使い捨ておむつにおける吸収体の吸収性コアを示す縦断面図である。
【図6】本発明の吸収体の製造方法の一実施態様を示す側面図である。
【図7】実施例1の吸収体における高吸収性ポリマーの分布を示す写真で、(a)は肌当接面側の写真、(b)は非肌当接面側を示す写真、(c)は縦断面を示す写真である。
【図8】比較例1の吸収体における高吸収性ポリマーの分布を示す写真で、(a)は肌当接面側の写真、(b)は非肌当接面側を示す写真、(c)は縦断面を示す写真である。
【符号の説明】
【0067】
1 吸収性物品(使い捨ておむつ)
2 表面シート
2A 長手方向端縁部
3 裏面シート
3A 長手方向端縁部
4 吸収体
4A 長手方向端縁部
41 繊維集合体
41A パルプ繊維
42 高吸収性ポリマー
5 吸収性コア
5A 長手方向端縁部
6 コアラップシート
6A 長手方向端縁部
91 ダクト
93 ポリマー供給管
94 投入口
95 積繊ドラム
96 集積用凹部
97 搬送ベルト





 

 


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