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液吸収性補助具 - 花王株式会社
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発明の名称 液吸収性補助具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29246(P2007−29246A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2005−214032(P2005−214032)
出願日 平成17年7月25日(2005.7.25)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 田中 雅仁 / 店網 俊安 / 近藤 幸
要約 課題
陰唇間に挟むことができ、液透過性を有しており、水洗可能な液吸収用補助具を提供すること。

解決手段
本発明の吸収性補助具1は、液保持性の吸収層10からなり、肌当接面及び非肌当接面が液透過性であり、縦長形状を有し、女性の陰唇間の空間に挟んで使用される。吸収層10は、液透過性の表面シート2とシート状の液保持性の吸収体4との2枚のシートの積層体からなり、水洗トイレの水流により各シートに分離するようになされている。表面シート2は水解性の不織布であり、吸収体4は水解紙であり、吸収層10は水解性を有している。また、吸収性補助具1は、その縦中心線Cに沿って、肌当接面側が山となるように2つ折りされている。
特許請求の範囲
【請求項1】
肌当接面及び非肌当接面が液透過性であり、縦長形状を有し、陰唇間に挟んで使用される液吸収性補助具であって、
水解性及び/又は生分解性を有し、縦中心線に沿って、肌当接面側が山となるように2つ折りされているか又は肌当接面側が山となるように2つ折りするようになされている液吸収性補助具。
【請求項2】
肌当接面及び非肌当接面が液透過性であり、縦長形状を有し、陰唇間に挟んで使用される液吸収性補助具であって、
水解性及び/又は生分解性を有し、縦中心線に沿って、肌当接面側が着用者の肌側に向って隆起している液吸収性補助具。
【請求項3】
撥水加工が部分的に施された水解性シートからなる層を有している請求項1又は2記載の液吸収性補助具。
【請求項4】
前記水解性シートは吸収性を有する水解紙からなり、該水解紙には前記撥水加工が格子状に施されている請求項3記載の液吸収性補助具。
【請求項5】
複数のシートの積層体からなり、水洗トイレの水流により各シートに分離するようになされている請求項1〜4の何れか記載の液吸収性補助具。
【請求項6】
少なくとも2枚の前記シート同士は、水溶性の接着剤及び物理的接合手段を併用して接合されている請求項5記載の液吸収性補助具。
【請求項7】
前記肌当接面側が山となるように2つ折りされており、前記非肌当接面同士が水溶性の接着剤により部分的に接着されている請求項1〜6の何れか記載の液吸収性補助具。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液吸収性補助具、特に、女性の陰唇間に挟んで使用される液吸収性補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、女性の陰唇間の空間に挟んで使用される陰唇間パッド等の小型の吸収性物品が知られている。この種の吸収性物品は、その肌当接面が直接陰唇間と密着して着用されるものであり、その防漏性が高められている。また、従来、水洗トイレで水洗可能な吸収性物品が知られている。この種の吸収性物品は、使用中の防漏性と水洗可能性とを兼ね備えており、水洗トイレに流すことができるので、その廃棄が容易となっている。陰唇間パッド等の小型の吸収性物品は、その構成部材が小型であり、構成部材数も少ないため、水洗可能性を比較的実現しやすいと考えられる。
【0003】
また、装着感、耐漏出性に優れ、着用者の動きに追従する柔軟性を有し、着用者の陰唇間空間の表面に対して最小の圧力しか発揮しないような体積と機械的特性を有する吸収性物品が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、一対の吸収性パネルを備え、各パネルは近位縁部と遠位縁部と一対の対向する末端縁部とを有し、前記パネルの各々は十分な柔軟性を有していて、着用する時、少なくとも部分的に陰唇間の壁の表面の形状に従い、前記表面との接触を維持することができ、また、前記パネルの前記近位縁部を接合する峡部を備え、着用する時、前記峡部は、陰唇間空間内に、最も奥に配置される吸収性物品が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特表2001−507597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の吸収性物品は、水洗トイレに廃棄された場合、一対の吸収性パネルが両パネルを接合している峡部で分離して、少なくとも2つの断片に分散される。しかし、この発明では接合部が陰唇部にはさまれる部分に相当する為、接合端で違和感を生じやすい。また該接合部が最も体液に晒される部分になる為、体液吸収時の構造保持と、水解性とのバランスを取るのが難しい。
【0007】
また、特許文献1記載の吸収性物品は、陰唇間に挟んで使用されることから、吸収体の大きさは比較的小さく、多量の体液の吸収保持には不向きな所がある。下着等に固定して使用される通常の吸収性物品等と併用しても、本物品の非肌当接面側は液不透過性を有しており、吸収された体液は本物品の肌当接面側から逆流するので、併用によっても液漏れが生じる惧れがある。
【0008】
従って、本発明の目的は、女性の陰唇間に挟んで使用され、液透過性を有しており、水洗可能な液吸収用補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、肌当接面及び非肌当接面が液透過性であり、縦長形状を有し、陰唇間に挟んで使用される液吸収性補助具であって、水解性及び/又は生分解性を有し、縦中心線に沿って、肌当接面側が山となるように2つ折りされているか又は肌当接面側が山となるように2つ折りするようになされている液吸収性補助具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液吸収用補助具によれば、女性の陰唇間に挟んで使用され、液透過性を有しており、水洗可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の液吸収用補助具の好ましい第1実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態の吸収性補助具1は、液保持性の吸収層10からなり、肌当接面及び非肌当接面が液透過性であり、図1に示すように、縦長形状を有し、女性の陰唇間の空間に挟んで使用される。吸収層10は、図2に示すように、液透過性の表面シート2とシート状の液保持性の吸収体4との2枚のシートの積層体からなり、水洗トイレの水流により各シートに分離するようになされている。本補助具1は、水洗トイレにしばしば流される場合もあるが、汚物入れ等に廃棄される場合もあり、必ずしも水洗トイレに廃棄されるものではない(以下、同様)。
本実施形態の吸収性補助具1において、表面シート2は水解性の不織布であり、吸収体4は水解紙であり、吸収層10は水解性を有している。
また、本実施形態の吸収性補助具1は、図1及び図2に示すように、その縦中心線Cに沿って、肌当接面側が山となるように2つ折りされている。
【0013】
本実施形態の吸収性補助具1は、その長手方向に沿って2つ折りにして女性の陰唇間の空間に挟んで使用されるものであり、平面状に展開した時の厚さが1〜10mm、特に1.5〜5.5mmであることが好ましい。尚、この厚みは、例えばピーコック製卓上厚みゲージによって、適当な大きさの測定用プレートを載せて2.5g/cm2荷重下の厚みを測定される。
本補助具1は、薄型で柔らかい材質から形成されており、陰唇間における壁部の形状に従って柔軟に変形し当接する。
【0014】
本実施形態の吸収性補助具1について詳述すると、表面シート2及び吸収体4は、それぞれ、平面視において楕円形状である。
本実施形態の吸収性補助具1において、表面シート2及び吸収体4の2枚のシート同士は、図1及び図2に示すように、両者の周縁部において水溶性の接着剤及び物理的接合手段であるヒートシールを併用して互いに接合されている。
前記水溶性の接着剤は、吸収性補助具1の使用時における湿潤状態では接合状態が維持される観点から、本補助具1の周縁部に連続して塗布されている。前記水溶性の接着剤は、一定の幅で本補助具1の周縁部に塗布されていることが好ましく、具体的には、吸収体4における肌当接面側の面の周縁部を含む全体に塗布されていることが好ましく、少なくとも周縁部に塗布されていることが好ましい。現実的には吸収体4の周縁部を含む全体をカバーし、且つ該補助具を固くしない観点からは、スパイラルスプレー、スロットスプレー、適当に離間された線状パターンまたはこの組み合わせ(例えば格子模様)、ドット状パターン、等の隙間のあるパターンで略全面に塗布されていることが好ましい。本補助具1が、水洗トイレに廃棄され多量の水流による攪拌を受けた場合、前記水溶性の接着剤は、水に溶け、該接着剤による表面シート2と吸収体4との接着は消失する。
【0015】
一方、前記物理的接合手段であるヒートシールによるエンボス部6は、短い線状であり、本補助具1の周縁部に沿って、該周縁端より内側の位置で且つ前記接着剤が塗布されている領域で不連続的に複数連なって設けられている。
詳述すると、エンボス部6において、表面シート2と裏面シート3とが、以下に説明するように部分的に融着されている。
表面シート2と裏面シート3とは、エンボスパターンとして長さ5mm、幅1mm、線間2mmの点線状のエンボスで、表面側から(温度100度以上、好ましくは110〜140度で)押し込まれたパターンで形成されたエンボス部6で物理的に接合されている。
本補助具1の周縁部分における表面シート2と裏面シート3との接合は、上記のごとく水溶性の接着剤とエンボス(等の物理的接合)との両方によってなされる。
この際の物理的接合は、材料同士の加圧密着によって、水溶性の接着剤による接着効果を高めることと、加圧+加熱によって該水溶性接着剤を表面シート2、裏面シート3を構成する不織布に浸透させ、係合効果によって接着性を高めることの両面で接着性を高める。
ここで、周縁部の接着において、水溶性接着剤単独、あるいは物理的(例えば熱的)接着手段単独では使用に耐える十分な接着性が得られず、両者を併用することで十分な接着に達するということは重要である。
すなわち、後述するように表面シート2及び裏面シート3は水解性の不織布を用いるため、一般に(あるいは好ましく使用できるシートとして)熱融着性に乏しい。
また、水溶性接着剤は後述するごとく多様な接着剤を選択可能であるが、いずれも硬く表面タック性に乏しく、単独で十分な接着性を発現するには多量に塗布する必要があって周縁部が硬くなり、使用感を損なう。
両者を併用した場合、使用中の少量の液では周縁部のシール部分には、エンボスにより密着しているため水分が入り込めず、一方水洗トイレに流した場合多量の液があらゆるところから侵入する結果水溶性接着剤が洗い流されてシート間の接着力が著しく低下し、水流の力でシールが容易に外れる。
【0016】
本実施形態の吸収性補助具1について、更に説明すると、表面シート2は水流交絡法により形成された水解性の不織布である。本補助具1が使用後に水洗トイレに廃棄され、水洗トイレの水流により表面シート2が吸収体4と分離した後、該表面シート2は、更にシートを形成している繊維レベルの大きさにまで分解する性質を有していることが好ましく、少なくとも、該シート2の水解後における各部分の大きさは、浄化槽等の濾材を詰まらせない程度の大きさにまで分解することが好ましい。本明細書において、水解性は、吸収性補助具1の使用中における湿潤状態では水解しないが、大量の水中に廃棄され攪拌されると速やかに細かく分解する性質を意味している。
【0017】
本実施形態の吸収性補助具1における吸収体4は、水解性シートからなる層から形成されており、該水解性シートは吸収性を有する水解紙からなり、図3に示すように、該水解紙には撥水加工が格子状に部分的に施されている。
詳述すると、吸収体4には撥水剤が塗工された撥水剤塗工部41が形成されている。撥水剤塗工部41は、吸収体4の長手方向においては、その長手方向に沿ってその前後端部に連続して亘っていて、幅方向に沿って所定の間隔で設けられており、また、吸収体4の幅方向においては、その幅方向に沿ってその両端部に連続して亘っていて、長手方向に沿って所定の間隔で設けられている。また、長手方向及び幅方向それぞれに沿う各線状部同士は直交している。
吸収体4は、撥水剤塗工部41により部分的に閉じた形状を複数形成するように、撥水剤が塗工されていることが好ましい。本実施形態においては、吸収体4は、図3に示すように、撥水剤塗工部41により略矩形形状の閉じた形状を複数有している。
また、撥水剤塗工部41における撥水剤は、本補助具1の使用時の湿潤状態において、吸収体4の構造を維持する観点から、吸収体4の厚さ方向全体に亘って浸みこんでいることが好ましい。
また、吸収体4は、十分な吸収性及び湿潤時の剛性を確保する観点から、その坪量が30〜200g/m2であることが好ましく、40〜150g/m2であることが更に好ましい。尚、吸収体4は1枚のシートであってもよく、複数枚のシートを積層して所定の坪量にしたものでもよい。複数枚の場合、上記撥水加工は全てのシートになされるのが好ましいが、撥水加工がなされないシートが混在していてもよい。
【0018】
撥水剤塗工部41を形成している長手方向及び幅方向それぞれに沿った線状部同士の間隔は、吸収性補助具1の使用時における湿潤状態ではシートの剛性が維持される一方、使用後に水洗トイレに廃棄された場合、速やかに水解する観点から、4〜15mmであることが好ましい。また、撥水剤塗工部41を形成している長手方向及び幅方向それぞれに沿った線状部の幅は、同様の観点から、1〜5mmであることが好ましい。
尚、撥水加工の有無、及び撥水剤の塗工パターンは、適当な着色剤を含んだ水、例えばメチレンブルー0.03%水溶液等を、霧吹きによって吸収体シート表面から全面に吹きつけた時の着色を目視確認することによって、容易に確認できる。このとき、撥水加工が施された部分は液が染み込みにくい為着色が薄くなり、非加工部分は濃く着色する。
【0019】
本実施形態の吸収性補助具1について、更にまた説明すると、図1及び図4に示すように、肌当接面側が山となるように、非肌当接面側が谷となるように、2つ折りされており、非肌当接面同士が、その長手方向の中央部において、水溶性の接着剤により部分的に接着されている。
詳述すると、本補助具1は、包装状態においては、吸収体4の非肌当接面同士が重なって2つ折りされている。また、使用時する際に包装から取り出されると、本補助具1における吸収体4の非肌当接面同士は、自然状態において、図4に示すように、非肌当接面の幅方向外側同士は互いに離れていて、非肌当接面の幅方向内側同士は互いに近づいている。本明細書において、2つ折りは、前述したように、非肌当接面同士が重なって2つ折りされている状態と、図4に示すように扇形に開いている状態とを含んでいる。
また、前記水溶性の接着剤にかえて、湿潤時に非粘着性を示す接着剤を用いることも好ましい。湿潤時に非粘着性を示す接着剤としては、例えば、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-エチレン共重合体(SEBS)等を主成分(ベースポリマー)とし、粘着付与剤として水素添加石油樹脂を含み、更に可塑剤としてパラフィンオイル又はパラフィンワックス等を含む接着剤のうち、可塑剤成分が少なく/粘着付与剤が多く、硬く、表面タックで接着力を稼いでいるタイプの接着剤が当該目的に好適に用いられる。一例として、SEBS50質量%、可塑剤18質量%、粘着付与剤32質量%の接着剤が上げられる。この接着剤はスパイラルスプレー塗工やスロットスプレー塗工されたとき、(硬い為)材料に食いこみにくく係合効果が弱いが、表面タックが大きい(いわゆるべたべたする)ために乾燥時には強固な接着性を発現する。しかし、水素添加石油樹脂による表面タックは湿潤するとなくなるため、便器投入時にはたちまち接着力が低下する。この好ましい配合組成は、ベースポリマー50質量%以下、可塑剤20質量%以下、粘着付与剤30質量%以上であることが好ましい。
尚、本補助具1を平面状に展開した時の厚さは、吸収体4の非肌当接面同士を接着部5において外し、展開した状態のものである。
【0020】
本実施形態の吸収性補助具1は、着用時には、図5に示すように、女性の陰唇間の空間に挟まれ、本補助具1の肌当接面が該陰唇間と好ましく密着して着用される。本補助具1は、不織布からなる表面シート2と吸収体である水解紙とから形成されており、薄くて柔らかく、陰唇間における表面の形状に従って柔軟に変形し当接する。本補助具1は、山折りの尾根部が女性の陰唇間の空間の奥へ配されて使用されるので、排泄された体液が、該尾根部に沿って長手方向に移動するようになされており、シート全体で体液の吸収がなされる。また、尾根部は材料の弾性によって図1の如く丸い断面を形成するので、押しこんだとき違和感や痛みを生じにくい。更に図4では明らかではないが、裏面側の固定によって本補助具はくびれ形状を有する(固定部が狭くなって断面が全体としてひょうたん型になっている)ので陰唇部にはさみやすい。
本実施形態の吸収性補助具1の使用に際しては、比較的少量の体液であれば本補助具1のみで吸収保持することができる。一方、排泄される体液の量が多い場合、体液の吸収性能をより高める観点から、下着の内側に固定して使用される通常の防漏層を有する吸収性物品が併用されることも好ましい。本補助具1の吸収体4の非肌当接面は液透過性を有しており、吸収体4が保持しきれなくなった体液は、該非肌当接面を透って該非肌当接面側の外へ移動し、前記吸収性物品に吸収保持される。
本補助具1を着用する際には、谷折りされている吸収体4の非肌当接面同士の間に指を挿入し本物品1を指で支持し、その状態で本物品1を陰唇間の空間に挟みこんで着用することが好ましい。
また、前記吸収性物品が併用される場合、体液を吸収した本補助具1を交換する際に、該吸収性物品が更に体液を吸収保持することが可能であれば、該吸収性物品は交換せずに、そのまま継続して使用することも好ましい。
【0021】
本実施形態の吸収性補助具1は、女性の陰唇間の空間に挟まれ陰唇部の壁部と密着して体液の漏れを防ぐ観点、及び、その使用後に水洗トイレに廃棄された場合、配水管内、浄化槽又は下水道等を詰まらせない観点から、各構成部材である表面シート2及び吸収体4それぞれの大きさが、長さ12cm、幅6cm、厚さ0.5cmそれぞれを超えない大きさとなることが好ましい。長さ及び幅は、本補助具1を平面状に展開した場合の長手方向又は幅方向それぞれの最大の値である(以下、同様)。
本実施形態において、吸収体4は一つの部材である水解紙のみから形成されているが、該吸収体4が複数の部材から形成されていることも好ましく、その場合にも、各部材が水洗トイレの水流により、前述したように長さ12cm、幅6cm、厚さ0.5cmそれぞれを超えない大きさとなることが好ましい。尚、これらの数値は、本物品1の各構成部材それぞれが分離した状態における寸法であり、該各構成部材が本物品1を形成している状態におけるものではない。
【0022】
本実施形態の吸収性補助具1において、表面シート2は、ウエブを形成し更に水流交絡法により不織布化したものである。
ウエブの材料としては、各種公知のものを用いることができるが、熱可塑性繊維、親水性繊維又は両者の混合繊維からウエブを形成したもの等が好ましい。各繊維の繊維長は、吸収性補助具1の使用時における湿潤状態ではシートの剛性が維持される一方、使用後に水洗トイレに廃棄された場合、速やかに水解する観点から、6〜120mmであることが好ましい。
熱可塑性繊維としては、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等の樹脂からなる合成繊維、及びこれらの複合繊維、更にこれらの繊維に耐久性親水化剤を塗布した繊維等が好ましい。
親水性繊維としては、具体的には、木材パルプ、セルロース繊維、再生セルロース繊維又はそれらの混合繊維を含む繊維等が好ましい。木材パルプとしては、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)等の漂白された木質パルプ、化学処理を施してアルカリ膨潤したマーセル化パルプ、螺旋構造を有する化学架橋パルプ等が挙げられる。セルロース繊維としては、コットン繊維等が挙げられる。再生セルロース繊維としては、ビスコース法、銅アンモニア法、有機溶剤法により得られた繊維等が挙げられる。例えば、ビスコース法により形成されるレーヨン繊維等を好ましく用いることができる。
また、上記親水性繊維の様に自ずから生分解性を有する繊維の他、後述する生分解性を有する繊維又は生分解性を有する樹脂からなる繊維を用いて、ウエブを形成することも一層好ましい。生分解性を有する水解性の不織布として、例えば、再表97/13920号明細書に記載のものも挙げられる。
水解性の不織布として、前記ウエブに対して、水溶性の接着剤を用いたケミカルボンド法により不織布化したものを用いることも好ましい。
また、前記水流交絡法によって不織布形成したシートに水溶性の接着剤を塗工浸透させ、結合を補強したものも好ましい。この結合補強剤としては、例えば、ポリビニルアルコールを結合補強剤として添加したもの、ポリビニルアルコールを結合補強剤として添加後、更にカルボン酸塩(水溶液)を含浸させ乾燥させたもの、置換度0.3〜0.6、pH≧5を有するカルボキシメチルセルロース及び/又はその塩を結合補強剤として添加したもの等が上げられ、これらは少量の水分に対しては水に溶け出さず安定した結合剤として機能し、且つ水洗トイレ内で大量の水が浸透してきた場合(塩の金属架橋が外れる等の構造変化によって)直ちに結合が切れ、水解する。
【0023】
本実施形態の吸収性補助具1において、水解紙である吸収体4は、各種公知のものを用いることができるが、親水性繊維、熱可塑性繊維又は両者の混合繊維を含むウエブに水溶性の接着剤を添加して形成したもの等が好ましい。吸収体4は、良好な吸収性の観点からは、親水性繊維から形成されていることが好ましく、良好な柔らかさの観点からは、疎水性の合成繊維から形成されていることが好ましい。良好な吸収性と柔らかさを兼ね備える観点から、親水性繊維と疎水性の合成繊維との質量比は、100:0〜60:40であることが好ましい。また、各繊維の繊維長は、吸収性補助具1の使用時における湿潤状態ではシートの剛性が維持される一方、使用後に水洗トイレに廃棄された場合、速やかに水解する観点から、6〜120mmであることが好ましい。
【0024】
吸収体4を形成する親水性繊維及び疎水性の合成繊維としては、表面シート2の材料として前述したものと同様のものが挙げられる。
また、後述する生分解性を有する繊維又は生分解性を有する樹脂からなる繊維であって、親水性を有するものを用いて、水解紙を形成することも一層好ましい。生分解性を有する水解紙として、例えば、再表97/13920号明細書に記載のものも挙げられる。
また、水解紙と共に、ウエブ又は水解性の不織布から形成されている吸収体の構成部材を併用することも好ましい。ウエブ又は水解性の不織布を形成する繊維としては、表面シート2の材料として前述したものと同様のものが挙げられる。この場合にも、前述した生分解性を有する繊維又は生分解性を有する樹脂からなる繊維であって、親水性を有するものを用いて、ウエブ又は水解性の不織布が形成されていることが一層好ましい。
更に、吸収性を向上する観点から、高吸収性ポリマーを所定量担持させることも好ましい。具体的には、水洗トイレに廃棄後の流動性等の観点から、高吸収性ポリマーは吸収体の質量に対して0〜33質量%担持させることが好ましい。
高吸収性ポリマーには、当業者公知の各種樹脂を用いることが可能であるが、環境排出された後の生分解に配慮すると、
1)デンプン、セルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩等の生分解性高分子を基本骨格とし、アクリル酸及びアクリル酸塩をグラフト重合したポリマー
2)架橋度が低くゲル強度の弱いポリアクリル酸(又はその塩)、ポリアクリル酸を少量の多価カチオンで部分中和した塩、等、経血や尿など(電解質溶液)には不溶性であるが、多量の水に晒されると水溶する合成高分子
3)デンプン、不溶化デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース及びその塩、納豆産生ポリグルタミン酸及びその架橋物など、天然物由来の高吸水性物質
等の高い生分解性を有するポリマーが特に好適に用いられる。
また、高吸収性ポリマーは、吸収体を構成するシート材料に分散担持されやすい観点からは、繊維状ポリマーであることが好ましい(後述する様に、吸収体の一部に木材粉砕パルプ層を有する場合、この層に粒状又は粉状のポリマーを分散担持することも可能である)。
【0025】
本実施形態の吸収性補助具1において、水溶性を有する接着剤としては、各種公知のものが用いられるが、例えばカルボキシル基を有するアニオン性バインダ、ポリビニルアルコール、デンプンまたはその誘導体、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体等が好ましい。アニオン性バインダとしては、具体的には、多糖誘導体、合成高分子、天然物が挙げられる。多糖誘導体としてはカルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩、カルボキシエチルセルロース又はその塩、カルボキシメチル化デンプン又はその塩などが挙げられ、特にカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が好ましい。合成高分子としては、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩、不飽和カルボン酸と該不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合体の塩などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。これらと共重合可能な単量体としては、これら不飽和カルボン酸のエステル、酢酸ビニル、エチレン、アクリルアミド、ビニルエーテル等が挙げられる。天然物としては、ザンサンガム、ジェランガム、タラガントガム、ペクチンなどが挙げられる。この内、水溶性の観点及び湿潤時の接着力等の観点に加え、スパイラルスプレー等の当業者にとって容易な溶融塗工を適用しやすい観点から、
ポリビニルアルコールを主成分とする水溶性で熱可塑性の接着剤が好ましい。
【0026】
本実施形態において、水溶性の接着剤として、特に生分解性を有するものが好ましい。生分解性を有する接着剤としては、各種公知のものが用いられるが、デンプン、ポリビニルアルコール、にかわ、ゼラチン、カゼイン、未加硫の天然ゴム、未加硫のポリイソプレン等が好ましい。
【0027】
また、必要に応じて、水溶性の接着剤に架橋剤を添加することも好ましい。架橋剤によって該接着剤が架橋して不溶化する結果、少量の水では該接着剤が溶解しなくなる。しかし大量の水中に廃棄すれば不溶化していた該接着剤が再び水に溶解するようになる。架橋剤の種類は、接着剤の種類に応じて適切なものが用いられる。例えば、接着剤が前述したCMCなどのカルボキシル基を有する水溶性の接着剤である場合には、架橋剤として多価金属イオンを用いることが好ましい。特にアルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選択される1種又は2種以上の金属イオンを用いることが、水溶性の観点及び湿潤時の接着力等の観点から好ましい。
【0028】
本実施形態の吸収性補助具1において、吸収体4の撥水剤塗工部6を形成する撥水剤としては、各種公知のものが用いられるが、シリコーン系オリゴマー、フッ素系オリゴマー等が好ましい。シリコーンオリゴマーとしては、具体的には、ポリジメチルシリコーンを、そのメチル基の一部をフェニル基やトリフルオロプロピル基に置換したポリメチルフェニルシリコーン、ポリフルオロシリコーン等が挙げられる。フッ素オリゴマーとしては、具体的には、パーフルオロアルキル基を含むアルコールのアクリル酸エステルのポリマー又はリン酸エステル等が挙げられる。
【0029】
前述した本実施形態の吸収性補助具1によれば、表面シート2と吸収体4とが水溶性の接着剤及びヒートシールを併用して接合されているため、吸収性補助具1の使用時における湿潤状態では十分な接合状態が維持される。一方、使用後に水洗トイレに廃棄された場合、表面シート2と吸収体4とに速やかに分離する。
また、吸収体4である水解紙は、格子状に撥水剤が塗布されているため、吸収性補助具1の使用時における湿潤状態では剛性が維持される一方、使用後に水洗トイレに廃棄された場合、多量の水流による攪拌により水解するので、配水管や浄化槽等の詰まりを生じさせない。
また、表面シート2も水解性を有しているため、水洗トイレの水流により吸収体4と分離した後、続けて小さく分解される。
また、表面シート2及び吸収体4が水解性と共に生分解性を有している場合には、繊維の大きさ以下にまで分解されるため、最終的に、浄化槽等の水洗トイレの下流において、固形物として残る割合が極めて少なく、環境により好適である。
また、吸収体4の非肌当接面同士が水溶性の接着剤により接着固定されているため、本補助具1が使用後に水洗トイレに廃棄された場合、該接着剤が溶けて非肌当接面側が開くので、多量の水流による攪拌により表面シート2と吸収体4との分離へ速やかに移行する。尚、水流による攪拌が強い場合等には、該接着剤が溶ける前に表面シート2と吸収体4との分離が先に起こる場合もある。
【0030】
次に第2〜4実施形態の吸収性補助具1を、図6及び図7を参照しながら説明する。第2〜4実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図6及び図7において、図1〜図5と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0031】
本発明の好ましい第2実施形態の吸収性補助具1において、表面シート2は生分解性を有している。
本補助具1が使用後に水洗トイレに廃棄された場合、水洗トイレの水流により表面シート2が吸収体4と分離した後、該表面シート2は、更に生分解してその形状が消失していく性質を有している。
【0032】
本実施形態の吸収性補助具1において、生分解性を有する液透過性の表面シート2の材料としては、各種公知のものを用いることができるが、生分解性フィルム、生分解性紙、生分解性ウエブ又は生分解性の不織布等が好ましい。これらのシート材料には、体液を透過するように、複数の孔を設けることも好ましい。
生分解性フィルムとしては、具体的には、脂肪族ポリエステル系、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルとの共重合系、又は脂肪族ポリカーボネート系の樹脂から形成されるフィルムを好ましく用いることができる。該樹脂には、詳述すると、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトンとポリブチレンサクシネートとの混合物若しくは共重合物(PCL/PBS)、ポリヒドロキシブチレートとポリヒドロキシバリレートとの共重合物(PHB/PHV)、ポリブチレンサクシネートとポリブチレンアジペートとの混合物若しくは共重合物(PBS/PBA)、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンサクシネートとの共重合物(PET/PES)、ポリブチレンテレフタレートとポリブチレンアジペートとの共重合物(PBT/PBA)等の樹脂が好ましい。
また、セロハンやキトサン等の水不溶性の多糖類、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、未加硫の天然ゴム、未加硫のポリイソプレン、公知のシェラック樹脂を熱硬化させたもの、硬化させたうるしなどの天然樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、でん粉等の多糖類、ゼラチン等のたん白質、ポリリンゴ酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等も好ましい。
前記各樹脂は、単独で又は二以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
生分解性フィルムを形成するときの製膜方法には、カレンダー法、溶融押出法、樹脂溶液又はエマルジョンを塗布後溶媒又は分散媒を蒸発させる方法等の従来からある通常の製膜方法を用いることができる。
【0034】
生分解性フィルムの厚みは、フィルム強度とフィルムの取扱い性の点及び生分解性のし易さの観点から、0.1〜1mm、好ましくは0.15〜0.4mmであることが好ましい。
【0035】
生分解性紙は、天然繊維、生分解性を有する化学繊維又は両者の混合繊維を含むウエブに接着剤を添加して形成したもの等が好ましく、特に疎水性の繊維からウエブが形成されていることが好ましい。また、該接着剤としては、生分解性を有するものが好ましい。
天然繊維としては、植物繊維や動物繊維等が挙げられる。植物繊維としては、具体的には、種子毛繊維(綿花)、靭皮繊維(黄麻、大麻、亜麻、苧麻、洋麻)、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻)が挙げられる。また、第1実施形態の水解紙の材料である親水性繊維として説明した各種繊維が挙げられる。動物繊維としては、具体的には、絹、羊毛、カシミヤ、山羊、アルパカ、馬毛が挙げられる。生分解性を有する化学繊維としては、再生繊維や生分解性を有する合成繊維等が挙げられる。再生繊維としては、例えば、前記再生セルロース繊維が用いられる。生分解性を有する合成繊維としては、例えば、生分解性フィルムの材料として前述した樹脂からなる繊維が用いられる。
生分解性ウエブは、各種公知のものを用いることができるが、前記生分解性繊維を単独で又は2以上組み合わせて用いることが好ましい。
生分解性の不織布は、各種公知のものを用いることができるが、前記生分解性ウエブに対して、ケミカルボンド法又は水流交絡法により形成したもの、熱融着性繊維を含有させてエアースルー法により形成したものが好ましい。ケミカルボンド法においては、生分解性を有する接着剤を用いることが好ましく、エアースルー法においては、生分解性を有する熱融着性繊維を用いることが好ましい。また、熱可塑性を有する生分解性合成繊維のみを用いてスパンボンド法により形成したものも好ましい。
【0036】
前述した生分解性フィルム、生分解紙又は生分解性ウエブは、実用的な期間で分解する点から、生分解度(好気的究極生分解度:JIS K 6950又は6953)が、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
【0037】
生分解性を有するワックスは、各種公知のものを用いることができるが、植物系ワックス、動物系ワックス、石油系ワックス等が好ましい。
植物系ワックスとしては、具体的には、ライスワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス等が挙げられる。動物系ワックスとしては、具体的には、みつろう、ラノリン、鯨ろう等が挙げられる。石油系ワックスとしては、具体的には、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等が挙げられる。また、合成ワックスであっても、生分解性を有するものは用いることができる。尚、ワックスは生分解紙又は生分解性の不織布の肌当接面側に塗布されていることが好ましい。
【0038】
本実施形態の吸収性補助具1によれば、表面シート2は、生分解性を有しており、最終的に繊維の大きさ以下に分解されるため、浄化槽等の水洗トイレの下流において、固形物として残る割合が極めて少なく環境に好適である。
【0039】
本発明の好ましい第3実施形態の吸収性補助具1において、表面シート2及び吸収体4は、生分解性を有している。
本実施形態の吸収性補助具1において、生分解性を有する液透過性の表面シート2の材料としては、第2実施形態と同様のものが挙げられる。
【0040】
本実施形態の吸収性補助具1において、生分解性を有する吸収体4の材料としては、各種公知のものを用いることができるが、生分解性紙、生分解性ウエブ又は生分解性の不織布等が好ましい。
生分解性紙を用いる場合には、その材料は親水性の生分解性繊維からなるウエブに接着剤を添加して形成されているものが好ましい。親水性の生分解性繊維としては、前述した生分解性を有する繊維の中で親水性を有するものが挙げられ、
具体的には、コットン繊維(綿花)、第1実施形態の水解紙の材料である親水性繊維として説明した各種繊維が用いられる。
生分解性ウエブを用いる場合には、その材料は親水性の生分解性繊維から形成されているものが好ましい。親水性の生分解性繊維としては、前記生分解性紙において前述したものが挙げられる。
生分解性の不織布は、前記生分解性ウエブに対して、ケミカルボンド法又は水流交絡法により形成したもの、熱融着性繊維を含有させてエアースルー法により形成したもの等が好ましい。ケミカルボンド法においては、生分解性を有する接着剤を用いることが好ましく、エアースルー法においては、生分解性を有する熱融着性繊維を用いることが好ましい。また、熱可塑性を有する生分解性の合成繊維のみを用いてスパンボンド法により形成したものも好ましい。
【0041】
本実施形態の吸収性補助具1によれば、表面シート2及び吸収体4は、生分解性を有しているため、繊維の大きさ以下に分解されるため、最終的に、浄化槽等の水洗トイレの下流において、固形物として残る割合が極めて少なく、環境により好適である。
【0042】
本発明の好ましい第4実施形態の吸収性補助具1は、図6及び図7に示すように、本補助具1の長手方向の両側部それぞれが、着用者の肌側に向って湾曲している。本補助具1の長手方向両側部の幅方向内側の位置には、それぞれ、長手方向に沿って曲げくせが設けられている。該曲げくせは、ヒートシール等の公知の方法により形成されている。
本実施形態の吸収性補助具1によれば、本補助具1の長手方向の両側部それぞれが、着用者の肌側に向って湾曲しているため、吸収性補助具1の着用時に、本補助具1が着用者の肌に沿って当接するので、排泄部近傍の幅方向に亘ってフィット性及び防漏性が高められている。
【0043】
本発明の吸収性補助具は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の吸収性補助具は、縦中心線に沿って、肌当接面側が着用者の肌側に向って隆起しており、中実な立体形状を有していても良い。例えば、吸収体が水解性紙から形成されており、該水解性紙が折り畳まれて中高となっていて、女性の陰唇間の空間に安定して挟まり易い形状を有していることが好ましい。
また、本発明の吸収性補助具の2つ折りの形態は、非肌当接面における長手方向の両側部間に架け渡された保形シートにより維持されており、該保形シートは、水解性及び/又は生分解性を有し、該保形シートにおける長手方向の両側部と非肌当接面における長手方向の両側部とが、水溶性の接着剤により接着されていることも、本補助具の2つ折りの形態が維持される観点から好ましい。その場合、該保形シートは、水解性及び/又は生分解性を有していることが好ましい。
また、本発明の吸収性補助具における吸収体の非肌当接面側に下着等と固定するための固定用の粘着部を設けることも好ましい。特に、本発明の吸収性補助具を下着に固定する従来の防漏層を有する吸収性物品と併用した場合、本補助具は、その着用中に該粘着部を介して、前記吸収性物品の肌当接面に固定される。そのため、本発明の吸収性補助具を交換する際、下着を下ろすと共に本補助具を陰唇間から外すことができるので、その交換が容易となり好適である。
【0044】
また、各実施形態において、吸収体の非肌当接面同士の接着部は、長手方向の中央部に設けられているが、吸収性補助具の長手方向の一方の端部に設けていても良い。
各実施形態において、表面シートと吸収体とは、物理的接合手段としてヒートシールによる複数のエンボス部で接合されていたが、超音波シールによるエンボス部でも良いし、又はピン若しくは針による係合であっても良い。
また、各実施形態において、吸収性補助具の各構成部材は、水分解性又は/及び生分解性を有していたが、各構成部材は、水洗トイレの水流によりそれぞれに分離すれば良く、水分解性又は生分解性を有していなくても良い。
また、各実施形態において、表面シートと吸収体とは水洗トイレの水流により分離するようになされていたが、分離できなくても良い。例え、表面シートと吸収体とが水洗トイレの水流により分離できなくても、吸収体の非肌当接面同士の接着部を形成している接着剤が水に溶け、該非肌当接面が開くので、配水管等を詰まらせる惧れはない。また、表面シート及び吸収体それぞれは、水解性又は生分解性を有しているので、小さく分解するようになされている。
また、各実施形態において、吸収体における撥水剤塗工部の格子状パターンは、吸収性補助具の長手方向又は幅方向に沿って設けられていたが、沿っていなくても良い。
また、各実施形態において、撥水剤塗工を施した水解シートを構成要素として含んでいない形態もありうる。
また、第1実施形態における表面シートは、水解性の不織布であったが、水解性紙であっても良い。更に、第1実施形態における吸収体は、水解紙を用いていたが、水解性ウエブ又は水解性の不織布から形成されている吸収体の構成部材を単独又は併用しても良い。例えば、構成の一部に木材粉砕パルプからなる綿状パルプ層、またはレーヨン綿層を含んでいても良い。第1実施形態における吸収体は、水解性を有していたが、水解性を有さずに生分解性のみを有していても良い。
また、各実施形態における吸収性補助具は、その縦中心線に沿って、肌当接面側が山となるように2つ折りされていたが、包装時等には2つ折りになっていなくても良い。具体的には、実施形態では何れも予め折り形状(立体形状)を形成していたが、本発明の吸収性補助具は、立体形成用の(水解)接着剤や保形シートを含まず、平面形状をしていても良い。この場合、使用者が自分で所定の形状に略2つ折りにして使用する。この為、中央線の目安になる模様、印刷、エンボスなどが追加されていることが更に好ましく、エンボスで折り線を形成する場合は、折り曲げ線が鋭く屈曲して違和感や痛みを生じることがない様、中央折り曲げ位置周縁に複数本のエンボス線を入れる、又はドット状など非連続性のエンボスパターンを中央領域に入れる、等の工夫を施すことが更に好ましい。
本発明の吸収性補助具は、経血の吸収パッドであっても良いが、失禁パッド等であっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の吸収性補助具の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のX−X線断面図である。
【図3】図3は、第1実施形態の吸収性補助具における吸収体の平面図である。
【図4】図4は、図1のY−Y線断面図である。
【図5】図5は、第1実施形態の吸収性補助具が着用されている状態を図1のX−X線に沿って模式的に示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の吸収性補助具の第4実施形態を示す斜視図である。
【図7】図7は、図6のZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 吸収性補助具
10 吸収層
2 表面シート
4 吸収体
41 撥水剤塗工部
5 接着部
6 エンボス部
C 縦中心線





 

 


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