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発明の名称 吸収性物品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−14639(P2007−14639A)
公開日 平成19年1月25日(2007.1.25)
出願番号 特願2005−200960(P2005−200960)
出願日 平成17年7月8日(2005.7.8)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 田中 雅仁 / 近藤 幸 / 長原 進介
要約 課題
陰唇間に挟んで使用され、使用後は確実に分解することにより水洗可能であり、且つ使用中には分解することがない吸収性物品を提供すること。

解決手段
本実施形態の吸収性物品1は、液保持性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及び両シート間に介在された吸収体4を備え、実質的に縦長であり、女性の陰唇間の空間に挟んで使用される。本実施形態の吸収性物品1は、図1及び図2に示すように、本物品1の周縁部に、引き裂きのきっかけとなり得る分割開始部14である切り欠きを有し、該分割開始部14を始点として、該吸収性物品1を吸収体4が露出するように引き裂き可能になされている。
特許請求の範囲
【請求項1】
表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を備え、実質的に縦長の吸収性物品であって、
前記吸収性物品の周縁部に、引き裂きのきっかけとなり得る分割開始部を有し、該分割開始部を始点として、該吸収性物品を前記吸収体が露出するように引き裂き可能になされている吸収性物品。
【請求項2】
前記分割開始部は、前記吸収性物品の周縁部に形成された切り欠き又は切れ目である請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記分割開始部は前記吸収性物品における長手方向の端部に設けられており、且つ該吸収性物品の長手方向の50%以上の長さに亘るミシン目が設けられている請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記分割開始部は前記吸収性物品における長手方向の端部に設けられており、
前記裏面シートは一方向に沿って2倍以上延伸された樹脂フィルムから形成されており、該一方向が裏面シートの長手方向と一致している請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記表面シート及び前記裏面シートそれぞれは、水解性又は/及び生分解性を有している請求項1〜4の何れか記載の吸収性物品。
【請求項6】
女性の陰唇間に挟んで使用される請求項1〜5の何れかに記載の吸収性物品。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品、特に女性の陰唇間に挟んで使用される吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、女性の陰唇間の空間に挟んで使用される陰唇間パッド等の小型の吸収性物品が知られている。この種の吸収性物品は、その肌当接面が直接陰唇間と密着して着用されるものであり、その防漏性が高められている。また、従来、水洗トイレで水洗可能な吸収性物品が知られている。この種の吸収性物品は、使用中の防漏性と水洗可能性とを兼ね備えており、水洗トイレに流すことができるので、その廃棄が容易となっている。陰唇間パッド等の小型の吸収性物品は、その構成部材が小型であり、構成部材数も比較的少ないため、水洗可能性を実現しやすいと考えられる。
【0003】
また、着用中の湿潤状態においては分解されることなく体液の防漏性を有し、使用後に吸収性物品を水洗トイレに廃棄した後では、裏面シートがそのままの形態をとどめる事がなく複数枚のシート片に分散することによって、浄化槽の機能に障害を与えない水洗可能性を兼ね備えた陰唇間パッド吸収性物品が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1において、液透過性の表面シートと液不透過性の裏面シートとの間に吸収体を備えており、裏面シートは、2枚のシート片から構成され、隣接する該シート片同士が互いに重なり合って形成される長手方向の重なり部を有し、該長手方向の重なり部は、身体面側に位置するシート片の端部が長手方向中心線上から離れた位置に配置されるようにして重ね合わされている吸収性物品が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−261230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の吸収性物品において、裏面シートを形成している液不透過性の2枚のシート片同士は、重なり部において接着剤により接合されているので、吸収性物品が水洗トイレに廃棄された場合、例え接着剤が水溶性であっても、水が接着剤にまで浸透しづらいため、個々のシート片に分解し難い惧れがある。また逆に、着用中に、吸収性物品が体液を吸収し湿潤状態となるため、水溶性の接着剤が溶けて2枚のシート片同士が剥離してしまう惧れも考えられる。
【0007】
従って、本発明の目的は、陰唇間に挟んで使用され、使用後は確実に分解することにより水洗可能であり、且つ使用中には分解することのない吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表面シート、裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を備え、実質的に縦長の吸収性物品であって、前記吸収性物品の周縁部に、引き裂きのきっかけとなり得る分割開始部を有し、該分割開始部を始点として、該吸収性物品を前記吸収体が露出するように引き裂き可能になされている吸収性物品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸収性物品によれば、陰唇間に挟んで使用され、使用後は確実に分解することにより水洗可能であり、且つ使用中には分解することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の使い捨ておむつの好ましい第1実施形態について、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0011】
本実施形態の吸収性物品1は、図1〜図3に示すように、液保持性の表面シート2、液不透過性の裏面シート3及び両シート間に介在された吸収体4を備え、実質的に縦長である。本物品1は、その長手方向に沿って2つ折りにして女性の陰唇間の空間に挟んで使用されるものであり、柔らかい材質から形成されていて、陰唇間における表面の形状に従って柔軟に変形して当接する。
また、本実施形態の吸収性物品1は、図1及び図2に示すように、本物品1の周縁部に、引き裂きのきっかけとなり得る分割開始部14を有し、該分割開始部14を始点として、該吸収性物品1を吸収体4が露出するように引き裂き可能になされている。引き裂かれた本物品1は水洗トイレに廃棄可能である。本物品1は、水洗トイレにしばしば流される場合もあるが、汚物入れ等に廃棄される場合もあり、必ずしも水洗トイレに廃棄されるものではない(以下、同様)。
本物品1の長手方向前端部には、摘み部12が形成されている。摘み部12は、本物品1を身体へ装着又は身体から取り外す際に、摘みとして用いられる。本実施形態において、分割開始部14は摘み部12の一部分である。
【0012】
本実施形態の吸収性物品1について更に説明すると、表面シート2及び裏面シート3それぞれは、図2に示すように、平面視において略楕円形状である。表面シート2と裏面シート3とは、吸収体4の周縁より延出した部分において接合されている。また、吸収体4は、図3に示すように、表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定されており、平面視形状が、表面シート2及び裏面シート3と略相似形の略楕円形状である。
本実施形態の吸収性物品1において、表面シート2は水解性の不織布であり、吸収体4も水解性を有している。また、裏面シート3は生分解性を有している。
【0013】
本実施形態の吸収性物品1における分割開始部14は、本物品1の周縁部に形成された切り欠きである。該切り欠きは吸収性物品1における長手方向の前端部に設けられており、表面シート2及び裏面シート3それぞれには、図2に示すように、その長手方向における前端部にV字状の切り欠き23,33が設けられている。表面シート2の該切り欠き23は、本物品1の縦中心線Cに対して略線対称に設けられており、該切り欠き23のV字状の窄まった先端は、本物品1の長手方向の内側を向いている。
本物品1の前端部は、表面シート2と裏面シート3とが積層された構成を有しており、裏面シート3の長手方向における前端部にも表面シート2と同形であるV字状の別な切り欠き33が設けられ、裏面シート3及び表面シート2それぞれの切り欠き同士の輪郭が重ねられている。
本物品1は、分割開始部14が設けられている前端部を身体の腹側にして着用されることが好ましく、使用後に身体から取り外される際、該前端部における切り欠き23,33近傍を摘んで陰唇間の空間から外されることが好ましい。
【0014】
本実施形態の吸収性物品1は、その使用後に水洗トイレに廃棄される場合、その廃棄前に切り欠き23,33近傍を摘んで、図4に示すように、引き裂かれることが好ましい。
引裂きのきっかけとなる摘み部12の大きさ、並びに切り欠き23、33の形状及び大きさは、本物品1の全体の大きさ、外すときの取り出しやすさ、摘み部12を持って引裂く時の引裂きやすさを勘案して任意に決めることができる。
本物品1が良好に取り出せる観点、及び装着中に邪魔にならない観点から、摘み部12の長さ(吸収体4の前端部から本物品1の前端部までを長手方向に沿って測定したときの長さ)は、10〜30mm、好ましくは12〜20mmであり、摘み部12基部の幅(最大幅、目安として、本物品1を平面状に展開し、吸収体4の前端部で本物品1幅方向(長手方向と直交する方向)に引いた線の長さ)が10〜50mm、好ましくは15〜30mmである。
本物品1が良好に引き裂かれる観点から、上のような摘み部12の大きさ及び形状に対し、切り欠き23,33近傍は摘み易く且つ引き裂きのきっかけとなり得る形態を有していることが好ましい。この観点から、分割開始部14である切り欠き23、33の長手方向に沿った長さL(図2参照)は、摘み部12全長に対して30%以上、好ましくは40%〜70%、長手方向外側を向いている二股の両先端の間隔W(図2参照)は、摘み部12基部の幅に対して20%以上、好ましくは25〜50%で、全体として楔形の形状をしていることが直感的に切り欠きの意味を理解させやすい。長さL及び幅Wの具体的な大きさは、長さLは2〜20mm、好ましくは5〜15mmであり、幅Wは、2〜15mm、好ましくは3〜7mmである。
尚、各種パターン印刷や模様など、引裂き位置を視認できるようにする等により、楔形の切り欠きに替えて、長手方向に伸びる切断線を引き裂きのきっかけに用いることもできる。このとき、長手方向に沿った長さLは上と同様であって、幅Wは0mmとなる。
【0015】
本実施形態の吸収性物品1における表面シート2には、該吸収性物品1の長手方向の略全体の長さに亘るミシン目22が、分割開始部14である切り欠き23のV字状の窄まった先端を始点として長手方向に沿って延びるように設けられている。ミシン目22は、表面シート2の縦中心線に沿っている。ミシン目22は、吸収体4の上に載っている表面シート2の部分に設けられていることが好ましく、本物品1の着用中に表面シート2が裂けないようにする観点から、表面シート2と裏面シート3とが接合されている本物品1の周囲には、設けられていないことが好ましい。
【0016】
表面シート2は、分割開始部14である表面シート2の切り欠き23において、二股に分かれている両先端それぞれを摘んで、一方を表面シート2の肌当接面側に向け引っ張り且つ他方を非肌当接面側に向け引っ張って表面シート2の長手方向に沿った引き裂き応力を与えるか又は該表面シート2の幅方向外側に引っ張ることにより、図4に示すように、ミシン目22に沿って左右に引き裂かれるようになされている。
【0017】
本実施形態の吸収性物品1における表面シート2は、本物品1が着用されている状態では、ミシン目22において裂けないことが好ましい。例えば、分割開始部14である切り欠き23において、二股に分かれている両先端それぞれを摘んで、一方を表面シート2の肌当接面側に向け引っ張り且つ他方を非肌当接面側に向け引っ張って表面シート2に長手方向に沿った引き裂き応力を与える場合、該引き裂き応力が少なくとも28cN以上、好ましくは43〜300cNで表面シート2がミシン目22に沿って引き裂かれることが好ましい。
表面シート2がミシン目22において引き裂かれる引き裂き応力の測定は、以下のようにJIS-K7128(プラスチックフィルム及びシートの引裂試験方法)に定める引き裂き試験法(引き裂き方向の考え方)を準用し、トラウザー法と呼ばれる引き裂き方法を応用して行われる。
測定には、オリエンテック(株)製テンシロン引っ張り試験機RTM-25を用いた。具体的には、吸収性物品から表面シートのみを取り出し、テンシロンのチャック間距離を、分割開始部をそれぞれはさめる程度に適宜設定し、分割開始部である切り欠きの左右の一方を下側のチャックで挟んで固定し、同様に切り欠きの左右の他方を上側のチャックで挟み、速度300mm/分で上方に引っ張り、引き裂き強度を測定した。尚測定距離は、ミシン目など長さが明確な場合は、その範囲で適宜設定する。一応の目安として、30mm引っ張り、最大応力を引き裂き応力とした。
【0018】
本物品1の表面シート2において、該表面シート2が切り欠き23近傍を引っ張って良好に引き裂かれるようになされている観点及び本物品1の着用中に表面シート2がミシン目22で裂けたりしない観点から、ミシン目22を形成している各切れ目の長さは、1〜10mm、好ましくは2〜8mmである。該各切れ目同士の間隔は、0.5〜5mm、好ましくは1〜3mmである。
また、後述するように水洗トイレに廃棄する際吸収体が露出する目的のためには、該ミシン目が及ぶ長さは、本物品1全長に対し40%以上、好ましくは50〜90%である。
【0019】
また、本実施形態の吸収性物品1における裏面シート3は、本物品1の長手方向に2倍以上、好ましくは2.5〜10倍の範囲で一軸延伸された生分解性の樹脂フィルムから形成されている。該樹脂フィルムの延伸された一方向は、裏面シート3の長手方向と一致するようになされている。
一軸延伸されたフィルムは、延伸方向に結晶化が進むため、延伸方向には強く、これと直交する方向には引っ張り強度も引き裂き強度も弱くなる。従って該裏面シート3は、分割開始部14である切り欠き33において、二股に分かれている両先端それぞれを摘んで、一方を裏面シート3の肌当接面側に向け引っ張り且つ他方を非肌当接面側に向け引っ張って裏面シート3に長手方向に沿った引き裂き応力を与えるか又は該裏面シート3の幅方向外側に引っ張ることにより、特別な分割線を有していなくても、裏面シート3の長手方向に沿って容易に引き裂かれる。本実施形態における裏面シート3は、切り欠き33の窄まった先端を始点とし、該裏面シート3の縦中心線に沿って左右に引き裂かれるようになされている。
【0020】
本実施形態の吸収性物品1における裏面シート3は、本物品1が着用されている状態では裂けないことが好ましい。例えば、分割開始部14である切り欠き33において、二股に分かれている両先端それぞれを摘んで、一方を裏面シート3の肌当接面側に向け引っ張り且つ他方を非肌当接面側に向け引っ張って裏面シート3に長手方向に沿った引き裂き応力を与える場合、引き裂き応力が少なくとも20cN/mm以上、好ましくは28〜300cNで裏面シート3が引き裂かれること好ましい。裏面シート3が引き裂かれる引き裂き応力の測定方法は上述の通りである。
【0021】
本実施形態の吸収性物品1について、更にまた説明すると、図1及び図3に示すように、吸収性物品1の縦中心線Cに沿って、表面シート2の肌当接面側が山となるように、裏面シート3の非肌当接面側が谷となるように、2つ折りされている。
詳述すると、本物品1は、包装状態においては、裏面シート3の非肌当接面側の面同士が重なって2つ折りされているか又は平面状に展開されて包装されている。また、使用する際には、本物品1は、図3に示すように、2つ折りされて非肌当接面側が扇形に開いている。本明細書において2つ折りは、前述したように、非肌当接面同士が重なって2つ折りされている状態と、図3に示すように扇形に開いている状態とを含んでいる。
尚、本物品1の厚さは、本物品1を平面状に展開した状態のものである。
【0022】
本実施形態の吸収性物品1は、着用時には、図5に示すように、女性の陰唇間の空間にはさまれ、本物品1の肌当接面が該陰唇間の壁部と好ましく密着して着用される。本物品1は、薄くて柔らかく、陰唇間における壁部の形状に従って柔軟に変形し当接する。本物品1は、肌当接面側における山折りの尾根部が女性の陰唇間の奥へ配されて使用されるので、排泄された体液が、該尾根部に沿って長手方向に移動するようになされており、本物品1全体で体液の吸収がなされる。また、尾根部は材料の弾性によって図3の如く丸い断面を形成するので、押しこんだとき違和感や痛みを生じにくい。
本物品1を着用する際には、谷折りされている裏面シート3の非肌当接面側の面同士の間に指を挿入し本物品1を指で支持し、その状態で本物品1を陰唇間の空間に挟みこんで着用することが好ましい。
また、本実施形態の吸収性物品1の使用に際しては、体液の吸収性能をより高める観点から、下着の内側に固定して使用される通常の吸収性物品を併用することも好ましい。
【0023】
本実施形態の吸収性物品1は、その使用後に身体から取り外された後、水洗トイレに廃棄される場合、その廃棄前に分割開始部14近傍を摘んで引き裂かれることが好ましい。本物品1の分割開始部14における切り欠き23,33において、二股に分かれている両先端それぞれを摘んで、一方を本物品1の肌当接面側に向け引っ張り且つ他方を非肌当接面側に向け引っ張って本物品1に長手方向に沿った引き裂き応力を与えるか又は該本物品1の幅方向外側に引っ張ることにより、周囲において接合されている表面シート2及び裏面シート3それぞれは、図4に示すように、長手方向に沿って容易に引き裂かれるようになされている。この場合、吸収体4は、部分的に左右に引き裂かれる場合、略左右対称に引き裂かれる場合又はほとんど引き裂かれずに外部に露出する場合等がある。例えば、吸収体4が裏面シート3と接着剤等により接合されている場合には、該吸収体4は裏面シート3と共に略左右対称に引き裂かれるか又は部分的に左右に引き裂かれると考えられる。また、吸収体4が裏面シート3又は表面シート2の何れとも接合されていない場合には、ほとんど引き裂かれずに外部に露出すると考えられる。尚、図4において、本物品1は左右対称に分かれており、その破断部は直線状に示されているが、表面シート2又は裏面シート3は、このように左右対称に引き裂かれない場合や、その破断部が直線状でない場合もある。また、図4において、本物品1は、長手方向に亘って完全に引き裂かれ、左右に分かれているが、少なくとも吸収体4が外部に露出する程度に引き裂かれていれば良い。
本物品1が、このように引き裂かれ、水解性を有する吸収体4が外部に露出した状態で水洗トイレに廃棄された場合、該吸収体4は水洗トイレの水流に攪拌され水解しながら前記開口部から外へ出ていく。吸収体4が外へ出た後の本物品1は、表面シート2と裏面シート3とから形成されていて柔軟であり、配水管内、浄化槽又は下水道等を詰まらせる惧れがない。
【0024】
本実施形態の吸収性物品1は、女性の陰唇間の空間に挟まれ陰唇部の壁部と密着して体液の漏れを防ぐ観点及びその使用後に水洗トイレに廃棄された場合、配水管内、浄化槽又は下水道等を詰まらせない観点から、本物品1は、長さ12cm、幅6cm、厚さ0.4cmそれぞれを超えない大きさであることが好ましい。長さ及び幅は、本物品1を平面状に展開した場合の長手方向又は幅方向それぞれの最大の値である。
尚、吸収性物品の厚みの測定は、ピーコック(株)製厚みゲージを用い、測定用プレートの大きさを適宜調整して圧力2.5g/cm2下で行う。
【0025】
本実施形態の吸収性物品1において、表面シート2の形成材料は水流交絡法により形成された水解性の不織布である。本物品1が使用後に水洗トイレに廃棄された場合、表面シート2は、更にシートを形成している繊維レベルの大きさにまで分解する性質を有していることが好ましく、少なくとも、該シート2の水解後における各部分の大きさは、浄化槽等の濾材を詰まらせない程度の大きさにまで分解することが好ましい。本明細書において水解性は、吸収性物品1の使用中における湿潤状態では水解しないが、大量の水中に廃棄され攪拌されると速やかに細かく分解する性質を意味している。
【0026】
本実施形態の吸収性物品1において、表面シート2は、ウエブを形成し更に水流交絡法により水解する程度に交絡させ不織布化したものである。
ウエブの形成材料としては、各種公知のものを用いることができるが、以下に示す熱可塑性繊維、親水性繊維又は両者の混合繊維からウエブを形成したもの等が好ましく、特にレーヨン単独、またはレーヨンを主成分とし、これにパルプ、コットン、各種熱可塑性繊維の中から選択された繊維を混合したものが、交絡しやすく且つ本質的に親水性で吸収性を発現しやすい観点から好ましい。各繊維の繊維長は、本物品1の使用時における湿潤状態ではシートの剛性が維持される一方、使用後に水洗トイレに廃棄された場合、速やかに水解する観点から、10〜120mmであることが好ましい。
熱可塑性繊維としては、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等の樹脂からなる合成繊維、及びこれらの複合繊維、更にこれらの繊維に耐久性親水化剤を塗布した繊維等が好ましい。
親水性繊維としては、その他、木材パルプ、セルロース繊維、各種再生セルロース繊維又はそれらの混合繊維を含む繊維等が好ましい。木材パルプとしては、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)、針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)等の漂白された木質パルプ、化学処理を施してアルカリ膨潤したマーセル化パルプ、螺旋構造を有する化学架橋パルプ等が挙げられる。セルロース繊維としては、コットン繊維、黄麻、大麻、亜麻、苧麻、洋麻、葉脈繊維(マニラ麻、サイザル麻)、ケナフ他1年草由来の繊維素材等が挙げられる。再生セルロース繊維としては、ビスコース法、銅アンモニア法、有機溶剤法により得られた繊維等が挙げられる。例えば、前述の如く、ビスコース法により形成されるレーヨン繊維等を好ましく用いることができる。
また、上記の親水性で生分解性の繊維の他、後述する生分解性を有する繊維又は生分解性を有する樹脂からなる繊維を用いて、ウエブを形成することも一層好ましい。生分解性を有するウエブとして、例えば、再表97/13920号明細書に記載のものも挙げられる。
水解性の不織布として、前記ウエブに対して、水溶性の接着剤を用いたケミカルボンド法により不織布化したものを用いることも好ましい。
また、前記水流交絡法によって不織布形成したシートに水溶性の接着剤を塗工浸透させ、結合を補強したものも好ましい。この結合補強剤としては、例えば、ポリビニルアルコールを結合補強剤として添加したもの、ポリビニルアルコールを結合補強剤として添加後、更にカルボン酸塩(水溶液)を含浸させ、乾燥させたもの、置換度0.3〜0.6、pH≧5を有するカルボキシメチルセルロース及び/又はその塩を結合補強剤として添加したもの等が上げられ、これらは少量の水分に対しては水に溶け出さず安定した結合剤として機能し、且つ水洗トイレ内で大量の水が浸透してきた場合(塩の金属架橋が外れる等の構造変化によって)直ちに結合が切れ、水解する。
表面シートの引き裂き性を考慮した場合、上記水流交絡法における繊維シート形成を工夫することで、裏面シート同様、ミシン目なしでも本物品1長手方向に引き裂けやすいシートを形成することが可能である。
この場合、当然ながら追加的にミシン目を付加する必要はない。但し、引き裂き方向を喚起するために、表面シート2の肌当接面又は非肌当接面、吸収体上部など使用面側から目視可能な部位に目印を印刷することが好ましい。
表面シートの本質的な引き裂き性を向上する具体的な方法は、以下の通りである。
1.繊維材料として、繊維長70mm以上の長繊維のレーヨンを主として用い、カード法または気流搬送法でウェブ形成する。このウェブは本質的にウェブ製造方向(流れ方向)に繊維が揃うため、流れ方向に強く、これとクロスする方向に弱い。この流れ方向を吸収性物品の長手方向に用いる。
2.水流交絡のノズルおよび水流を工夫する。通常複数本の細いノズルから高圧水流を噴射するが、このうちの中央1本のノズルを細くする、または水流を弱くする。この結果、その周辺の繊維の交絡が弱まるので、中央部分が引き裂けやすくなる。
3.水流交絡には、ウェブを受けるための支持物が必要で、通常はウェブを連続供給するために種々のパターンのネットまたは開孔ロールが用いられる。このネットやロールのパターンを工夫することにより、水流ノズルを換えるのと同様の効果が得られる。たとえば、中央部に孔とは別に深い溝を掘る(水流からウエブを遠ざけ、交絡を弱める効果がある)、中央のみ開孔パターンを大きくする(水流とともに繊維の一部が中央からなくなり、強度が弱まる)、逆に中央のみ開孔しない(水流が抜けないので交絡しない)等の工夫が可能である。
上の3つの方法、およびこれらを組み合わせた方法で実施することが可能である。
【0027】
本実施形態の吸収性物品1において、水解性を有する吸収体4は、各種公知のものを用いることができるが、フラッフパルプ又はレーヨンのウエブを成型した水解性の繊維集合体、水解性紙又は水解性の不織布等が好ましい。吸収体4は、良好な吸収性の観点からは、親水性繊維から形成されていることが好ましく、良好な柔らかさの観点からは、3次元クリンプの大きい熱可塑性繊維による嵩高のウエブから形成されていることが好ましい。良好な吸収性と柔らかさを兼ね備える観点から、親水性繊維と熱可塑性繊維との質量比は、100:0〜60:40であることが好ましい。これらは混合したウエブであっても良いが、それぞれ独立した層を積層しても良い。また、各繊維の繊維長は、本物品1の使用時における湿潤状態では吸収体4の剛性が維持される一方、使用後に水洗トイレに廃棄された場合、速やかに水解する観点から、6〜120mmであることが好ましい。
【0028】
吸収体4を形成する水解紙としては、各種公知のものを用いることができるが、親水性繊維、疎水性繊維又は両者の混合繊維を含むウエブに水溶性の接着剤を添加して形成したもの等が好ましい。
吸収体4を形成する親水性繊維及び疎水性の熱可塑性繊維としては、表面シート2の材料として前述したものと同様のものが挙げられる。
また、ウエブの材料としては、各種公知のものを用いることができるが、前記水解紙の材料と同様のものを用いることが好ましい。
また、水解性の不織布としては、各種公知のものを用いることができるが、前記ウエブを、ケミカルボンド法又は水流交絡法により形成したもの等が好ましい。ケミカルボンド法においては、水溶性を有する接着剤を用いることが好ましい。
水解紙、ウエブ又は水解性の不織布を形成する繊維としては、後述する生分解性を有する繊維又は生分解性を有する樹脂からなる繊維であって、親水性を有するものを用いることが一層好ましい。生分解性を有する水解紙又は水解性の不織布として、例えば、再表97/13920号明細書に記載のものも挙げられる。
更に、吸収性を向上する観点から、高吸収性ポリマーを所定量担持させることも好ましい。具体的には、水洗トイレに廃棄後の流動性等の観点から、高吸収性ポリマーは吸収体の質量に対して0〜33質量%担持させることが好ましい。
高吸収性ポリマーには、当業者公知の各種樹脂を用いることが可能であるが、環境排出された後の生分解に配慮すると、
1)デンプン、セルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩等の生分解性高分子を基本骨格とし、アクリル酸及びアクリル酸塩をグラフト重合したポリマー
2)架橋度が低くゲル強度の弱いポリアクリル酸(又はその塩)、ポリアクリル酸を少量の多価カチオンで部分中和した塩、等、経血や尿など(電解質溶液)には不溶性であるが、多量の水に晒されると水溶する合成高分子
3)デンプン、不溶化デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース及びその塩、納豆産生ポリグルタミン酸及びその架橋物など、天然物由来の高吸水性物質
等の高い生分解性を有するポリマーが特に好適に用いられる。
また、吸収体4の一部または全部を綿状パルプ、またはレーヨン綿とすることも可能である。
【0029】
また、本実施形態の吸収性物品1における裏面シート3は、生分解性の樹脂フィルムである。本物品1が使用後に水洗トイレに廃棄された場合、該裏面シート3は、更に生分解してその形状が消失していく性質を有している。
【0030】
本実施形態の吸収性物品1において、延伸性及び生分解性を有する防漏性の樹脂フィルムの形成材料としては、各種公知のものを用いることができるが、下記のものが特に好ましい。
延伸性及び生分解性フィルムとしては、熱可塑性で生分解性のプラスチックを押し出し成型してフィルム化したものが最も扱いやすく、当該フィルムを押し出しフィルム成型し冷却直後、引き取り速度を上げて一軸延伸するのがもっとも効率的なフィルム形成法となる。好ましい材料としては、例えばポリ乳酸樹脂、或いはポリオレフィンに20〜60質量%のポリ乳酸樹脂を配合したもの、又はポリオレフィンに20〜40質量%のでんぷん、スターチ、セルロース及び/又はそれらの粉体を混合したもの、等が用いられる。その他の生分解性プラスチックについては後述する。また、裏面シート3の他の好ましい実施形態として、ケン化度の高いポリビニルアルコール(PVA)樹脂を溶融押し出しして作った水溶性フィルム、PVA,カルボキシメチルセルロース及び/またはその塩の範囲から選択されたポリマーからキャスト形成されたフィルム(水に溶かして薄く膜状に塗工して乾燥させて得られたフィルム)等の水溶性フィルム(少量の水には溶けにくく多量の水になら溶けるフィルム)等が好ましく使用できる。
【0031】
その他の生分解性プラスチックとしては、具体的には、脂肪族ポリエステル系、脂肪族ポリエステルと芳香族ポリエステルとの共重合系、又は脂肪族ポリカーボネート系の樹脂から形成されるフィルムを好ましく用いることができる。該樹脂には、詳述すると、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトンとポリブチレンサクシネートとの混合物若しくは共重合物(PCL/PBS)、ポリヒドロキシブチレートとポリヒドロキシバリレートとの共重合物(PHB/PHV)、ポリブチレンサクシネートとポリブチレンアジペートとの混合物若しくは共重合物(PBS/PBA)、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンサクシネートとの共重合物(PET/PES)、ポリブチレンテレフタレートとポリブチレンアジペートとの共重合物(PBT/PBA)等の樹脂が好ましい。
また、セロハンやキトサン等の水不溶性の多糖類、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、未加硫の天然ゴム、未加硫のポリイソプレン、公知のシェラック樹脂を熱硬化させたもの、硬化させたうるしなどの天然樹脂等の多糖類、ゼラチン等のたん白質、ポリリンゴ酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸等も好ましい。
前記各樹脂は、単独で又は二以上を組み合わせて用いることができる。中でも延伸性も考慮すると、もっとも好ましいのはポリオレフィンにポリ乳酸樹脂、でんぷん、スターチ、セルロース等を配合した樹脂である。
また、上記樹脂に炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、活性炭など環境適合性の高い(一方樹脂とは相溶しない)無機粉体を溶融混合してフィルム化し延伸することで、比較的低延伸倍率で所定の効果を有する(高引き裂け性の)フィルムが得られる。この際の無機粉体配合量は、ベースとなる生分解性プラスチック全量に対し30〜70%、好ましくは40〜60%である。このフィルムは粉体と樹脂界面で剥離による微細孔が形成され、透湿性を有するので、使用感(ムレにくさ)の点でも有利である。
【0032】
生分解性樹脂フィルムを形成するときの製膜方法には、カレンダー法、溶融押出法、樹脂溶液又はエマルジョンを塗布後溶媒又は分散媒を蒸発させる方法等の従来からある通常の製膜方法を用いることができる。製膜されたフィルムは、その後一方向に延伸された後、熱固定される。
【0033】
延伸された生分解性フィルムの厚みは、フィルム強度とフィルムの取扱い性の点及び生分解性のし易さの観点から、12〜60μmであることが好ましく、18〜35μmであることが更に好ましい。前述した様に該フィルムの強度を補強するために水解性不織布と複合して防漏性で生分解性の複合シートを形成することも可能で、このときのフィルムの好ましい厚みは10〜45μm、特に12〜30μmであり、水解性不織布の好ましい坪量は25〜45g/m2、特に30〜40g/m2である。
【0034】
前述した生分解性樹脂フィルムは、実用的な期間で分解する点から、生分解度(好気的究極生分解度:JIS K 6950又は6953)が、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。
【0035】
本実施形態の吸収性物品1において、接着剤としては、吸収性物品に従来用いられてきたものを特に制限なく用いる事ができるが、特に水溶性の接着剤を用いることが、本物品1が水洗トイレに廃棄された場合、表面シート2と裏面シート3とが速やかに分離する観点から好ましい。また、生分解性を有する接着剤を用いることも好ましい。
水溶性を有する接着剤としては、各種公知のものが用いられるが、例えばカルボキシル基を有するアニオン性バインダ、ポリビニルアルコール、デンプンまたはその誘導体、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体等が好ましい。アニオン性バインダとしては、多糖誘導体、合成高分子、天然物が挙げられる。多糖誘導体としてはカルボキシメチルセルロース(CMC)又はその塩、カルボキシエチルセルロース又はその塩、カルボキシメチル化デンプン又はその塩などが挙げられ、特にカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩が好ましい。合成高分子としては、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩、不飽和カルボン酸と該不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合体の塩などが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。これらと共重合可能な単量体としては、これら不飽和カルボン酸のエステル、酢酸ビニル、エチレン、アクリルアミド、ビニルエーテル等が挙げられる。天然物としては、ザンサンガム、ジェランガム、タラガントガム、ペクチンなどが挙げられる。この内、水溶性の観点及び湿潤時の接着力等の観点に加え、スパイラルスプレー等の当業者にとって容易な溶融塗工を適用しやすい観点から、ポリビニルアルコールを主成分とする水溶性で熱可塑性の接着剤が好ましい。
【0036】
本実施形態の吸収性物品1において、生分解性を有する接着剤としては、各種公知のものが用いられるが、デンプン、ポリビニルアルコール、にかわ、ゼラチン、カゼイン、未加硫の天然ゴム、未加硫のポリイソプレン等が好ましい。
【0037】
尚、同様に好ましく用いられる接着剤として、水溶性はないが、湿潤時低タック性の接着剤も好ましく用いることができる。
例えば、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-エチレン共重合体(SEBS)等を主成分(ベースポリマー)とし、粘着付与剤として水素添加石油樹脂を含み、更に可塑剤としてパラフィンオイル又はパラフィンワックス等を含む接着剤のうち、可塑剤成分が少なく/粘着付与剤が多く、硬く、表面タックで接着力を稼いでいるタイプの接着剤が当該目的に好適に用いられる。一例として、SEBS50質量%、可塑剤18質量%、粘着付与剤32質量%の接着剤が上げられる。この接着剤はスパイラルスプレー塗工やスロットスプレー塗工されたとき、(硬い為)材料に食いこみにくく係合効果が弱いが、表面タックが大きい(いわゆるべたべたする)ために乾燥時には強固な接着性を発現する。しかし、水素添加石油樹脂による表面タックは湿潤するとなくなるため、便器投入時にはたちまち接着力が低下する。この好ましい配合組成は、ベースポリマー50質量%以下、可塑剤20質量%以下、粘着付与剤30質量%以上であることが好ましい。
【0038】
また、必要に応じて、水溶性の接着剤に架橋剤を添加することも好ましい。架橋剤によって該接着剤が架橋して不溶化する結果、少量の水では該接着剤が溶解しなくなる。しかし大量の水中に廃棄すれば不溶化していた該接着剤が再び水に溶解するようになる。架橋剤の種類は、接着剤の種類に応じて適切なものが用いられる。例えば、接着剤が前述したCMCなどのカルボキシル基を有する水溶性の接着剤である場合には、架橋剤として多価金属イオンを用いることが好ましい。特にアルカリ土類金属、マンガン、亜鉛、コバルト及びニッケルからなる群から選択される1種又は2種以上の金属イオンを用いることが、水溶性の観点及び湿潤時の接着力等の観点から好ましい。また、上述の如く接着剤にポリビニルアルコールを用いる場合に、カルボン酸塩を少量配合することによって塩析効果により同様の適度な不溶化が可能である。
【0039】
前述した本実施形態の吸収性物品1によれば、表面シート2及び吸収体4は水解性を有しており、裏面シート3は生分解性を有しているため、それぞれ、水洗トイレの水流による攪拌を受け、続けて小さく分解される。
また、表面シート2及び吸収体4が水解性と共に生分解性を有している場合には、繊維の大きさ以下にまで分解されるため、最終的に、浄化槽等の水洗トイレの下流において、固形物として残る割合が極めて少なく、環境により好適である。
【0040】
次に本発明の第2及び3実施形態の吸収性物品1を説明する。第2及び3実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。
【0041】
本発明の好ましい第2実施形態の吸収性物品1において、表面シート2は生分解性を有している。
本実施形態の吸収性物品1において、生分解性を有する液透過性の表面シート2の形成材料としては、各種公知のものを用いることができるが、生分解性フィルム、生分解性紙、生分解性ウエブ又は生分解性の不織布等が好ましい。これらのシート材料には、体液を透過するように、複数の孔を設けることも好ましい。
生分解性フィルムの形成材料としては、第1実施形態の裏面シートと同様のものが挙げられる。表面シート2がその長手方向に延伸されたフィルムから形成されている場合には、ミシン目22を設けていなくても良い。
生分解性紙、生分解性ウエブ又は生分解性の不織布の材料としては、各種公知のものを用いることができるが、第1実施形態において説明した水解性不織布又は水解性紙の形成材料が好ましい。その他は、第1実施形態と同様である。
【0042】
本実施形態の吸収性物品1によれば、表面シート2は、生分解性を有しており、最終的に繊維の大きさ以下に分解されるため、浄化槽等の水洗トイレの下流において、固形物として残る割合が極めて少なく環境に好適である。
【0043】
本発明の好ましい第3実施形態の吸収性物品1において、表面シート2及び吸収体4は、生分解性を有している。その他は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の吸収性物品1において、生分解性を有する液透過性の表面シート2の材料としては、第2実施形態と同様のものが挙げられる。
【0044】
本実施形態の吸収性物品1において、生分解性を有する吸収体4の形成材料としては、各種公知のものを用いることができるが、生分解性紙、生分解性ウエブ又は生分解性の不織布等が好ましい。
生分解性紙を用いる場合には、その材料は親水性の生分解性繊維からなるウエブに接着剤を添加して形成されているものが好ましい。親水性の生分解性繊維としては、前述した生分解性を有する繊維の中で親水性を有するものが挙げられ、具体的には、コットン繊維(綿花)、第1実施形態の水解紙の材料である親水性繊維として説明した各種繊維が用いられる。
生分解性ウエブを用いる場合には、その材料は親水性の生分解性繊維から形成されているものが好ましい。親水性の生分解性繊維としては、前記生分解性紙において前述したものが挙げられる。
生分解性の不織布は、前記生分解性ウエブに対して、ケミカルボンド法又は水流交絡法により形成したもの、熱融着性繊維を含有させてエアースルー法により形成したもの等が好ましい。ケミカルボンド法においては、生分解性を有する接着剤を用いることが好ましく、エアースルー法においては、生分解性を有する熱融着性繊維を用いることが好ましい。また、熱可塑性を有する生分解性の合成繊維のみを用いてスパンボンド法により形成したものも好ましい。
【0045】
本実施形態の吸収性物品1によれば、表面シート2及び吸収体4は、生分解性を有しているため、繊維の大きさ以下に分解されるので、最終的に、浄化槽等の水洗トイレの下流において、固形物として残る割合が極めて少なく、環境により好適である。
【0046】
本発明の吸収性物品は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の吸収性物品において、分割開始部は複数設けられていても良い。この場合、ミシン目も複数設けられていて、該分割開始部それぞれを始点として延びていることが好ましい。
また、裏面シートの非肌当接面側に、下着等と固定するための固定用の粘着部を設けることも好ましい。特に、下着の内側に固定する従来の吸収性物品等と併用する場合、本発明の吸収性物品は、その着用中に該粘着部を介して、下着に固定されている吸収性物品の肌当接面に固定される。そのため、本発明の吸収性物品を交換する際、下着を下ろすと共に本物品を陰唇間から外すことができるので、その交換が容易となり好適である。この場合、粘着部の形成材料として、水解性及び/又は生分解性を有していることが好ましい。
また、非肌当接面における長手方向の両側部間に架け渡された保形シートを設けることも、本物品の2つ折りの形態が維持される観点から好ましい。この場合、該保形シートの形成材料として、水解性及び/又は生分解性を有していることが好ましい。
また、裏面シートの非肌当接面側の面同士が、長手方向における一方の端部等において、水溶性又は生分解性の接着剤により部分的に接着されていることも、本物品の2つ折りの形態が維持される観点及び着用時に指先の挿入を規制する部分となる観点から好ましい。
【0047】
また、各実施形態において、分割開始部は表面シート及び裏面シートそれぞれに設けられていたが、何れか一方に設けられていれば良い。この場合、分割開始部は表面シート又は裏面シートのうち分割開始部を有する一方から形成されていることが好ましい。
また、各実施形態において、ミシン目は本物品の長さ全体に亘って設けられていたが、本物品の長さの50%以上に亘っていれば良い。
また、各実施形態において、分割開始部は本物品の長手方向の一方の端部に設けられていたが、両端部に設けられていても良い。また、幅方向の端部に設けられていても良い。この場合、ミシン目は、該分割開始部を始点として、表面シートの幅方向に沿って本物品の幅の50%以上に亘って設けられていることが好ましい。
また、切り欠きと分割線による分解システムに替えて、表面シートと裏面シートとの間を剥離させて分解するシステムとしてもよい。すなわち、摘み部部分先端で表面シートと裏面シート一部を剥離させておき、それぞれを摘んで、外周シール部分を剥離して分解する(表面シートと裏面シートとを引き剥がす)システムであってもよい。
【0048】
また、各実施形態において、裏面シートは延伸された生分解性フィルムから形成されていたが、裏面シートに分割開始部が設けられていない場合には、防漏性を有していれば良く、延伸性を有さない生分解性フィルム又は生分解性紙、生分解性不織布、水解性紙若しくは水解性の不織布にワックスを塗布したもの等を用いることも好ましい。
また、第1実施形態における表面シートは、水解性の不織布であったが、水解性紙又はウエブであることも好ましい。
また、第1実施形態における表面シートには、ミシン目が設けられていたが、表面シートが水流交絡法による不織布から形成されている場合、ミシン目を設けていなくても良い。この場合、表面シートを形成している不織布繊維の配列方向が表面シートの長手方向と一致するように表面シートを作製することが好ましい。こうした構成を有する表面シートは、その幅方向の引き裂き強度が弱いので、分割開始部である切り欠きが長手方向の一方の端部に設けてあれば、容易に表面シートを引き裂くことが可能となる。
本発明の吸収性物品は、陰唇間パッドであっても良いが、下着の内側に固定して使用される生理用ナプキン又は失禁パッド等であっても良い。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、第1実施形態の吸収性物品の平面図である。
【図3】図3は、図2のX−X線断面図である。
【図4】図4は、第1実施形態の吸収性物品が引き裂かれた状態を模式的に示す平面図である。
【図5】図5は、第1実施形態の吸収性物品が着用されている状態を図1のX−X線に沿って模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 吸収性物品
12 摘み部
14 分割開始部
2 表面シート
22 ミシン目
23 切り欠き
3 裏面シート
33 切り欠き
4 吸収体
C 縦中心線





 

 


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