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吸収性物品の個装体 - 花王株式会社
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発明の名称 吸収性物品の個装体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−370(P2007−370A)
公開日 平成19年1月11日(2007.1.11)
出願番号 特願2005−184074(P2005−184074)
出願日 平成17年6月23日(2005.6.23)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 住谷 秀雄 / 田中 雅仁 / 糸井 奈美江
要約 課題
包装を解いて吸収性物品を取り出すときに、包装材と吸収性物品とを支障なく引き剥がすことができ、吸収性物品の下着等への装着性に優れ、且つ衛生的に使用できる吸収性物品の個装体を提供すること。

解決手段
本発明の吸収性物品の個装体1は、ずれ止め用の粘着層4を有する吸収性物品2が、粘着層4を介して包装材3に貼り合わされると共に、包装材3と共に折り曲げられて包装材3で包装されてなる。包装を解いて吸収性物品2と包装材3とを引き剥がしていったときの引き剥がし動作を一時的に停止させる規制手段を、吸収性物品2の端部及び/又は該端部に対向する包装材3の領域に具備している。
特許請求の範囲
【請求項1】
ずれ止め用の粘着層を有する吸収性物品が、該粘着層を介して包装材に貼り合わされると共に、該包装材と共に折り曲げられて該包装材で包装されてなる吸収性物品の個装体であって、
包装を解いて前記吸収性物品と前記包装材とを引き剥がしていったときの引き剥がし動作を一時的に停止させる規制手段を、前記吸収性物品の端部及び/又は該端部に対向する前記包装材の領域に具備している吸収性物品の個装体。
【請求項2】
前記規制手段を前記包装材側における前記粘着層に対向する位置に具備している請求項1記載の吸収性物品の個装体。
【請求項3】
前記包装材は、接合手段を介して前記粘着層に対する剥離手段が個装材に接合されて形成されており、
前記剥離手段は、前記粘着層に対向する領域内に切断線または切断誘導線を有し、
前記接合手段は、前記切断線または前記切断誘導線の両側でかつ該切断線を横断しないように配されている請求項1又は2記載の吸収性物品の個装体。
【請求項4】
前記切断線または前記切断誘導線が、前記剥離手段の長手方向を横断するよう設けられている請求項3記載の吸収性物品の個装体。
【請求項5】
前記切断線または前記切断誘導線によって区画された前記剥離手段の剥離性が異なる請求項3または4記載の吸収性物品の個装体。
【請求項6】
前記包装材の前記粘着剤に対向する領域に、剥離性の異なる剥離処理が施されているか、または剥離処理が部分的に施されている請求項2記載の吸収性物品の個装体。
【請求項7】
前記規制手段を、前記粘着層に対向する領域以外に具備している請求項1記載の吸収性物品の個装体。
【請求項8】
前記規制手段が、前記吸収性物品と前記個装材とを部分的に固定する接着手段である請求項8記載の吸収性物品の個装体。
【請求項9】
前記規制手段を、包装を解くときの始端側に具備している請求項1〜8の何れかに記載の吸収性物品の個装体。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキンやパンティライナー等の吸収性物品を個別に包装するときの吸収性物品の個装体に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキンやパンティライナー等の吸収性物品には、非肌当接面に配されたずれ止め用の粘着層を介して包装材の剥離処理層に貼り合わされ、さらに該吸収性物品と該包装材とが共に折り曲げられた状態で該包装材の両側縁部がシールされて包装されているものが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このようにして包装された吸収性物品は、包装材を剥がしてずれ止め用の粘着層を露呈させて使用するときに、粘着層どうしが貼り付いてしまい、その後の吸収性物品の装着に支障を来す場合があった。特に、薄型の吸収性物品は、包装材を勢いよく一気に剥がすと、その反動でよれたり曲がったりして粘着層同士が貼り付き易かった。そして、粘着層同士を引き剥がすときに、吸収性物品の肌当接面に触れることも多くなり、衛生的ではなかった。
【0004】
【特許文献1】特開平7−88129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、包装を解いて吸収性物品を取り出すときに、包装材と吸収性物品とを支障なく引き剥がすことができ、吸収性物品の下着等への装着性に優れ、且つ衛生的に使用できる吸収性物品の個装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ずれ止め用の粘着層を有する吸収性物品が、該粘着層を介して包装材に貼り合わされると共に、該包装材と共に折り曲げられて該包装材で包装されてなる吸収性物品の個装体であって、包装を解いて前記吸収性物品と前記包装材とを引き剥がしていったときの引き剥がし動作を一時的に停止させる規制手段を、前記吸収性物品の端部及び/又は該端部に対向する前記包装材の領域に具備している吸収性物品の個装体を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品の個装体は、包装を解いて吸収性物品を取り出すときに、包装材と吸収性物品とを支障なく引き剥がすことができ、取り出した吸収性物品を下着等へ好適に装着できるとともに、衛生的に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明をその好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明の吸収性物品の個装体(以下、単に個装体ともいう。)を、おりもの用のパンティライナー(以下、単にライナーともいう。)の個装体に適用した第1実施形態を模式的に示すものである。
【0009】
図1に示したように、本実施形態の個装体1は、ライナー2が、包装材3と共に三つ折りに折り曲げられて包装材3で被覆されてなるものである。本実施形態の個装体1は、包装を解いてライナー2と包装材3とを引き剥がしていったときの該引き剥がし動作を一時的に停止させる規制手段を、包装材3の引き剥がし方向の後端部(端部)に対向する領域に具備している。本実施形態では、前記規制手段は、後述するように、包装材3の剥離処理シート、及びその間に設けられる切断線又は切断誘導線、粘着層4、並びに剥離処理シートを固定する接着剤6で構成される。本実施形態において、引き剥がし方向とは、図2示すように、包装材3の始端部3Aから終端部3Bに向かう当該包装材3の長手方向に沿う方向Rをいう。
【0010】
尚、一般に、三つ折りの個装体を解いてからのライナー2の引き剥がしは、使用者によって図1の一番上に折り重ねた領域(図2の始端部3A)からの場合と、折り重ねられた領域(図2の終端部3B)からの場合があるが、本実施形態においては、前記規制手段を具備する領域である後端部(端部)に向かって引き剥がしを行うものとする。使用者にこの方向への引き剥がしを誘導するための矢印や注意書き等を個装体1に設けることができる。
【0011】
図2に示すように、ライナー2は、肌当接面21、非肌当接面22を備えており、実質的に縦長に形成されている。ライナー2の非肌当接面22には、ずれ止め用の粘着層4(4A、4B)が配設されている。ライナー2の構成材料、粘着層4の材質には従来からライナーに用いられている公知のものが採用される。肌当接面21は、液透過性の表面シートで構成され、非肌当接面22は、液不透過性の裏面シートで構成される。表面シートには、不織布や開孔されたフィルム等が用いられ、裏面シートには、フィルムシートや通気性のあるフィルムシート、また撥水性の不織布等が用いられる。表面シートと裏面シート間には、吸収体として、不織布や紙、或いはパルプや高吸収性ポリマーを組み合わせたものを用いてもよく、表面シートを液保持性の高い不織布で構成した場合には、吸収体を別部材として用いなくてもよい。
【0012】
包装材3は、ライナー2よりも広い面積を有して縦長に形成されている。包装材3は、包装シート(個装材)31とその内面に接着剤(接着手段)6(6A1、6A2、6B)で固定された2枚の剥離処理シート(剥離手段)A、Bで構成され、剥離処理シートによってライナー2の粘着層4と包装材3とを剥離可能にしている。本実施形態では、剥離処理シートの外形は、ライナー2の外形に略合わせられている。2枚の剥離処理シートA、Bは0〜2mmの隙間をあけて前記引き剥がし方向に並べられ、該隙間が前記引き剥がし方向に交差するように設けられている。本実施形態ではこの隙間を便宜的に切断線50ともいう。剥離処理シートAは、個装体を開封するときの手前側の位置、剥離処理シートBは、奥側の位置にそれぞれ固定されている。すなわち、前記引き剥がし方向Rに従ってライナーを取り出すとき、先に剥がされる方が剥離処理シートA,後から剥がされる方が剥離処理シートBである。
【0013】
包装シート31と剥離処理シートA、Bとの固定について説明する。前述のように、包装シート31と剥離処理シートA、Bとは接着剤6によって固定されており、接着剤6は、該剥離処理シートの包装シート側の非剥離処理面に所定のパターンで塗工される。このとき、包装シート31と剥離処理シートBとを固定する接着剤6Bは、切断線50から引き剥がし方向Rに向けて隙間があることが好ましい。また、引き剥がしを開始する始端部3Aにおいて、剥離処理シートAを包装シート31に固定する接着剤6A1より、粘着層4Aが引き剥がし方向の包装材3の終端部3B側に位置していると、個装体1の開封からライナー2の引き剥がしがスムーズに開始できて好ましい。この場合、粘着層4Aは接着剤6A1より包装材3の終端部3B側になる。剥離処理シートBの領域では、粘着層4Bに対し接着剤6Bが、引き剥がし方向Rに対しほぼ同じ位置か、包装材3の終端部3B側に位置すると、ずれ止め用の粘着剤(の剥離処理シートからの剥離)が一旦引っかかって止まるため好ましい。この場合、粘着層4Bは接着剤6Bより手前側になり、この関係だと引っかかってスムーズに剥けない。剥離処理シートBが包装シート31から剥がれたり、剥離処理シートBが破れる等の引き剥がしトラブルを防ぎ、適度な一時停止を引き起こすには粘着層4Bの引き剥がし方向の始端の方が接着剤6Bの引き剥がし方向の始端よりも0mm〜3mm程度、好ましくは0.5mm〜2mm程度、始端部3Aよりに位置することが好ましい(図2の符号d参照)。接着剤6は、粘着層4より幅方向に広いのが好ましい。
【0014】
本実施形態では、引き剥がし方向に交差するように、切断線50が設けられている。即ち、切断線50は、剥離手段の長手方向を横断するよう設けられており、この切断線50を境として、ライナー2と包装材3の引き剥がし動作が一時的に停止される。詳細には、ライナー2の粘着層4が、包装材3の剥離処理シートから引き剥がされるとき、剥離処理シートAが終わり、切断部50を超えると剥離処理シートBの引き剥がしがされず、引き剥がし動作が停止する。
尚、接着剤6Bの塗工位置と、ずれ止め用の粘着層4Bの塗工位置との前後関係によって、スムーズに剥がれたり剥離が停止したりするのは、剥離処理シートの固定端から粘着剤にかかる力のかかり方(方向)が変わるためである。具体的には、ずれ止め用の粘着層4Bの引き剥がし方向の始端が剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端より包装材3の始端部側3A側に位置した場合、ライナーの剥離が非常に重くなる。なぜなら、剥離動作で剥離処理シートBに引き剥がしの力がかかる作用点は、剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端になり、ずれ止め用の粘着層4Bの引き剥がし方向の始端がこれより手前に位置する場合、(剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端より手前側については)引きがし方向とは反対の剪断方向に力が働く(言い換えると、剥離しようとする方向と逆向きの力が発生する)ため、非常に重くなる。一方、ずれ止め用の粘着層4Bの引き剥がし方向の始端が剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端より包装材3の終端部3B側に位置する場合には、剥離の方向が引き剥がし方向と一致して(即ち前記逆向きの力は発生せず)スムーズに剥がれる。
【0015】
従って、本実施形態の個装体1は、引き剥がし動作を一時的に停止させる規制手段を、ライナー2の端部に対向する包装材3側のライナー2の粘着層4に対向する位置に具備している。尚、一時的な停止は、更に強い力で引き続けると解消され、ライナー2と包装材3とは完全に剥がされる。引き剥がし動作を停止させる位置は、後述するように、包装材3を引き剥がすときの折れ曲がりや引き剥がし易さなどを考慮して設定される。
【0016】
剥離処理シートA,B間の切断線50のライナー2の終端部からの長さL50(図2参照)は、包装材3を引き剥がすときの折れ曲がりや引き剥がし動作の停止位置などを考慮すると、ライナー2の長手方向長さL5の5〜50%の位置に設けることが好ましく、10〜30%に設けることが特に好ましい。引き剥がし動作の停止性の観点で、切断線50は、ライナー2と包装材3を三つ折りにして個装体とした際に、三つ折りの中央領域にない方が好ましい。斯かる範囲の位置に切断線を設けることによって、包装材3を引き剥がしたときに、図3に示すように包装材3が当該切断線で180度近く折れ曲がりやすくなり、露呈した粘着層4を下着に装着しやすくなる。
【0017】
粘着層4は、図1に示すように、塗工領域内において連続した薄膜状に塗工されている。
粘着層4の粘着剤には、従来からこの種の個装体に用いられている公知のものを用いることができる。該粘着剤としては、SBS,SIS,SEBS系ホットメルト粘着剤等が挙げられる。
【0018】
本実施形態の個装体1は、以下のようにして製造される。
先ず、ロール状態から巻きだされた剥離処理シートの原反を長手方向にスリットしながら、所要箇所に粘着剤を塗布し、その上にライナーの原反の裏面シート側を重ねる。次に、剥離処理シートとライナーを一体的に所定形状に切断し、所要箇所に接着剤が塗布された長尺状の包装シート上に、剥離処理シート側を向けて載せる。複数の各ライナー2は間隔を空けて固定される。このとき、ライナー2の長手方向は、包装シート31の流れ方向と交差する方向である。次に、ライナー2の長手方向を3つに区分するように、包装シート31とライナー2を一体的に三つ折りし、折り曲げたライナー2の両側の包装シート21を所定幅でヒートシールし、ヒートシール部分の幅内で切り離して、個装体が得られる。
【0019】
ここで、用いる剥離処理シートは元々2枚をスリットせずに用いても良い。更に、剥離処理シートBを、剥離処理シートAより剥離が重くなるよう選定してもよい。この場合、剥離処理シートの固定方法の如何を問わず、手前側からR方向にライナーを剥離していくと、剥離処理シートBにかかるところで相対的に剥離が重くなるので一旦停止する。特に、2枚の剥離処理シートが離間して配されている場合には、「剥離処理シートAの剥離(軽い)-各剥離処理シート間(抵抗が全くない)-剥離処理シートBの剥離(重い)」と、ライナーの剥離の感覚が著しく変化するので、前述した剥離を規制する物理的な手段に加え、感覚的にも引き剥がし動作が、一旦停止しやすい。剥離処理シートが離間している場合は、ライナーとの剥離力(T-剥離力)において、その差が、25〜200cNであることが好ましく、40〜100cNであると一層好ましい。このとき剥離処理シートAでの剥離力は100cN以下が好ましく、特に10cN〜75cNが好ましく、剥離処理シートBでの剥離力は50〜300cNが好ましく、特に60〜200cNが好ましい。尚、ここで剥離が重い引き剥がしに要する力が大きいことを意味し、軽いとは小さいことを意味する。
【0020】
また、別の形態として、上記2枚の剥離処理シートA、Bに隙間を空けずに隣接して配する形態や、一枚の剥離処理シートの引き剥がし方向の終端部よりの領域の剥離を重くする形態等が挙げられる。剥離処理シートが離間していない場合、引き剥がし動作の停止性の観点から、剥離性の調整において、剥離力の差は100cN以上が望ましい。このとき引き剥がし方向手前の早い軽い側は、100cN以下が好ましく、10cN〜75cNが特に好ましい。一方、引き剥がし方向奥の重い側は100cN以上が好ましく、特に100〜500cNで、120〜300cNが一層好ましい。
【0021】
包装シート31の材質、剥離処理シートの材質は、従来からライナーの包装に用いられている公知のものが採用される。包装シートとしては、10〜50μm程度の各種合成樹脂フィルム(例えば、当業者公知の任意の材が使えるが、特に各種ポリエチレンが良好である)、坪量12〜40g/m2程度の紙又は各種不織布、およびこれにポリエチレンなどの合成樹脂をラミネートした複合材料などが挙げられるが、コストや感触のよさから不織布、特にポリエチレン、ポリプロピレンなどのスパンボンド不織布又は「スパンボンド-メルトブローン−スパンボンド(SMS)複合不織布」等の不織布が特に好適に用いられる。剥離処理シートとしては、通常の剥離紙、又は剥離フィルムを特に制限なく用いることが可能である。コストと引き剥がしの際の破れにくさを考慮すると、坪量30〜50g/m2の紙にシリコーン剥離剤によって剥離処理を施した剥離紙を用いることが好ましい。包装シート31と剥離処理シートとを固定するための接着剤も、従来からこの種のシートの固定に用いられている接着剤を用いることができる。好ましい該接着剤としては、ホットメルト接着剤、特にSBS、SIS、SEBS、オレフィン系ホットメルト粘着剤等が挙げられる。
【0022】
上述した個装体1の包装を解いてライナー2を使用する場合には、図1の状態から包装材3の始端部3Aを摘んで、接合された両側縁部30を剥がすように三つ折り状態のライナー2及び包装材3を展開する。そして図3に示すように、ライナー2の長手方向先端部(包装材3の始端部3A側の端部)を持ち、包装材3を始端部3Aから引き剥がし方向に沿って引き剥がし、ライナー2と包装材3とを分離させる。この際、剥離処理シートA部分までは、前述した通りの工夫によってスムーズにライナーが引き剥がされる。更に引き剥がし位置が切断線50を越えて剥離処理シートBに到達すると、前述した如く、引き剥がし動作が一時的に停止され、包装材3を勢いよく一気に引き剥がすことが防がれる。このとき、使用者は一方の手でライナー2の長手方向先端部、他方の手で包装材3の始端部3Aを摘んでおり、前述のように包装材3が180度近く折れ曲がった状態になるため、露呈された粘着層4同士が貼り付いたり、手に貼り付いて絡んだりすることがなく、その状態のまま当該粘着層4を下着に向けて容易に載置することができる。ライナー2を下着に載置して固定した後、包装材3をさらにライナー2から強く引き剥がし、剥離処理シートBで覆われた粘着層4(4B)を露呈させ、この部分を下着に固定する。このようにして、小さく薄いライナー2から包装材3を一気に引き剥がしたときにしばしば起こる粘着層同士の貼り付き現象を効果的に防止することができる。このように端部を持つことによって、肌当接面を不必要に触ることがなく、衛生的に装着することができる。また、引き剥がし動作が一時的に停止されたときは、ライナー2の長手方向先端部および包装材3の始端部3Aを保持しているため、長さの短いライナーであっても下着への装着性が良好となる。
【0023】
この様に、本実施形態の個装体1は、規制手段を、ライナー2の端部に対向する包装材3の領域に具備しているので、個装体1の包装を解いてライナー2と包装材3とを引き剥がしていったときの引き剥がし動作が一時的に停止される。よって、包装材3とライナー2とを支障なく引き剥がすことができ、取り出したライナー2を下着等へ好適に装着できる。
また、本実施形態の個装体1は、前記規制手段を、前記包装材3側における粘着層4に対向する位置に具備しているので、引き剥がし動作が一時的に停止され(即ち規制され)、ライナーが勢いよく一気にはがされないことから、ライナー固定用粘着層同士の貼りつきを効果的に防止できる。
また、本実施形態の個装体1は、上述の様に、包装材3が、粘着層4に対する剥離手段と、該剥離処理シートを包装シート31に固定する接合手段を有し、該剥離処理シートが粘着層4に対向する領域内に切断線を有し、該接合手段が該切断線の両側に存在し、かつ切断線を横断しない、所定のパターンで形成されているので、ライナー2を包装材3から引き剥がすときに、一時的に引き剥がし動作を停止させる(即ち引き剥がし動作を規制する)ことができる。
また、本実施形態の個装体1は、切断線50が、剥離処理シートの長手方向を横断するように設けられているので、ライナーを長手方向に引き剥がしていく時に、該切断線部分で前記引き剥がし動作を規制する手段に必ずあたることになって、一時的に引き剥がし動作を停止させることができる。
【0024】
次に、本発明の第2〜第6実施形態について説明する。なお、これらの実施形態の説明において、前記第1実施形態の個装体と共通する点については、その説明は省略する。よって、特に説明のない部分については、第1実施形態における説明が適宜適用される。
【0025】
先ず、本発明の第2実施形態について説明する。
前述の第1実施形態では2枚の剥離処理シートを用いたが、本実施形態の個装体は、1枚の剥離処理シートを用い、それに切断誘導線(いわゆる切り込み線)を付与したものである。以下、便宜上図2、3に基づいて説明する。
【0026】
本実施形態の個装体は、前述の第1実施形態の個装体における切断線50を切断誘導線50’に変えた以外は、第1実施形態の個装体と同様の構成を有している。切断誘導線50’は、部分的に切断されていない領域が僅かに残っており、この領域は、ライナー2を引き剥がしていくことによって切断され、1枚の剥離処理シートが2枚に分断される。ライナー2の引き剥がしが、2枚に分断されたときに、前述の切断線の場合と同様に、引き剥がし動作が、一時的に停止状態になる。
【0027】
第2実施形態の個装体は、第1実施形態と同様に、引き剥がしの規制手段を、ライナー2の端部に対向する包装材3の領域に具備しているので、個装体1の包装を解いてライナー2と包装材3とを引き剥がしていったときの引き剥がし動作が一時的に停止される。よって、包装材3とライナー2とを支障なく引き剥がすことができ、取り出したライナー2を下着等へ好適に装着できる。第2実施形態では、第1実施形態の様に切断部分を離間させた形態に比べ実質的に剥離シート間に隙間がないため、粘着層をより広く塗工することが可能である。
【0028】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態の個装体は、図4に示すように、2枚の剥離処理シートA、Bどうしを一部重ね合わせて接着剤で包装シート(個装材)31に固定したものである。本実施形態の個装体は、第1実施形態の個装体における切断線50の位置に重ね合わせを形成する。本実施形態の個装体では、剥離処理シートA、Bの重なり方によって粘着層4及び剥離処理シートを固定する接着剤の位置を変更する。
【0029】
本実施形態の個装体のように、剥離処理シートAが剥離処理シートBの上に重なっている場合、剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端は、剥離処理シート同士の重なり領域にはかからずにそれより奥側に位置設定し、且つ剥離処理シートBに対向する粘着層4Bの引き剥がし方向の始端は剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端より包装材3の始端部3A側に位置設定する。以上を満たしていれば、粘着層4は剥離処理シートA、B同士の重なり領域にかかっていてもよく、粘着層4はライナー2の長手方向に沿って連続した1つの領域を形成していてもよい。尚、ここで、剥離処理シートが重なっている場合の「上」とは、ライナー2側を言う。
【0030】
本実施形態の個装体のように、粘着層4の塗工領域が非連続パターンである場合、剥離処理シートB上でのずれ止め用の粘着層4Bの引き剥がし方向の始端と、剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端との位置関係(間隔d)は、それら両端がほぼ同じ位置であるか、粘着層4Bの引き剥がし方向の始端の位置が接着剤6Bの引き剥がし方向の始端よりも包装材3の始端部3A側であることが好ましく、その範囲は2mm以内であることが一層好ましい。
【0031】
粘着層4の塗工領域が連続パターンで塗工されている場合、剥離処理シートA、Bの重なりの長さは少ないほどよい。ライナー2をスムーズに取り出すためには、重なりは2mm以内が望ましく、このときの剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端は、重なりに隣接する(ほぼ0mmの)位置にあることが望ましい。
【0032】
剥離処理シートAの上に剥離処理シートBが重なっている場合は、粘着層4の塗工パターン又は接着剤6の塗工位置等を調整する。例えば、剥離処理シートBを固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端を、剥離処理シート同士の重なり領域にはかからず、それより包装材3の終端部3B側に位置設定することは、図2の形態と同様である。
【0033】
第3実施形態の個装体によれば、第1実施形態と同様に、規制手段を、ライナー2の端部に対向する包装材3の領域に具備しているので、個装体1の包装を解いてライナー2と包装材3とを引き剥がしていったときの引き剥がし動作が一時的に停止される。よって、包装材3とライナー2とを支障なく引き剥がすことができ、取り出したライナー2を下着等へ好適に装着できる。本実施形態によれば、ずれ止め用の粘着剤を連続で塗工可能であり、ずれ防止の観点から有利である。
【0034】
次に、本発明の第4実施形態の個装体について説明する。
図5に示すように、第4実施形態の個装体は、剥離処理シートを備えていない形態であり、包装材3に、包装シート(個装材)31の内面に剥離処理を施したものを用い、所定の位置でライナーを横断するように剥離処理層32に切断線(または切断誘導線)50’をいれて前記引き剥がしの規制手段としたものである。該切断線(または切断誘導線)は、ライナー2を引き剥がす時の折曲誘導線となる。ここで言う所定の位置は前述の第1実施形態における切断線と同様である。包装材3は、前述の包装シート31と同様の材料を用い、そのライナー2の対向面に剥離処理が包装シート31の全面に施されている。該切断線(または切断誘導線)は、該当する位置におけるライナーの幅と同等か、それより広いことが、折り曲げやすさから望ましい。
【0035】
第6実施形態の個装体を使用する場合、ライナー2を引き剥がし方向(R)に剥がして行くと、折曲誘導線で包装材が大きく口開くことになり、包装材3が180度近く折れ曲がった状態になり、引き剥がしが一時停止する。折曲誘導線は、ライナーよりも幅広で、かつ包装材を完全に横断しない幅の切り込み線で形成されており、包装材の剛性を著しく下げるほど十分に長くし、少なくとも粘着層4の塗工幅より長くし、引き剥がしによって包装材がちぎれないようにする。
【0036】
この様に、第4実施形態の個装体1は、包装シート31に剥離処理がなされており、包装シート31の、粘着層4と対向する領域の一部に切断線(または切断誘導線)50’を有し、かつ該切断線(または切断誘導線)が、包装シートを完全に分断せず、剥離手段を別部材として備える必要がない。よって、部材点数の少ない、製造し易い個装体とすることができる。
【0037】
次に、本発明の第5実施形態の個装体について説明する。
図6に示すように、第5実施形態の個装体は、前記引き剥がしの規制手段が、前記粘着層に対向する領域以外になされている。本実施形態では、該規制手段がライナー2と包装材3を部分的に固定する接合手段7で構成されている。
即ち、第5実施形態の個装体は、包装材3を剥離処理シートAと包装シート31とを接着剤を介して固定した構成とし、剥離処理シートAをライナー2の長手方向長さより短くし、剥離処理シートAの長手方向の外側で、且つライナー2の引き剥がし方向の終端部で、ライナー2と包装シート31とを接合手段7でポイント接合したものである。この接合手段7は、点状のヒートシールや接着剤等で行う。または、粘着層4を包装シート31と接着させてもよい。この場合、取り出し性の観点から、粘着層4との接合幅は、2mm以内が好ましく、0.5mm以内が一層好ましい。尚、包装シートの剥離処理シートが接合される領域に部分的に剥離処理33を行い、剥離処理のしていない箇所で、ライナーとのポイント接合や、粘着層4との接合を行ってもよい。
また、剥離処理シートの一部(ずれ止め用の粘着剤対向面)に小穴をあけ、この小穴において、粘着剤によって包装シートをライナーと接合させてもよい。
【0038】
第5実施形態の個装体は、このように、規制手段がライナーと包装シートを部分的に固定する接合手段7で構成されており、その固定は接着剤によるスポット接着であるか、またはヒートシールによるスポット接着でなされる。よって、ライナーは剥離シート部分ではスムーズに引き剥がすことが可能であるが、該接着部分では(剥離シート部分より)強くライナーと包装材が接着しているため、引き剥がし動作が一旦停止される。接着剤及びヒートシールによる固定点は小さいので、強く引けばすぐに外すことが可能である。この様に、簡易に規制効果を発現させることがきる。
【0039】
次に、本発明の第6実施形態の個装体について説明する。
図7に示すように、第6実施形態の個装体は、ライナー2の長手方向のどちらの方向から引き剥がしても、引き剥がし動作が一時停止する引き剥がしの規制手段を具備しているものである。尚、この場合においても、前述の引き剥がし方向に対する切断線、剥離処理シートの接合と粘着層の位置、また材料等に関する内容は、特に断りのない限り準用される。
【0040】
図7に示すように、この実施形態においては、包装材3は、包装シート31にライナー2の長手方向に3分割された剥離処理シート(便宜的に、個装体の開封側(タブテープ側)より剥離処理シートA,B,Cとする。)が接着剤6A1〜6C2で接着されて構成されており、各剥離処理シートは長手方向に0〜2mm離間して包装シート31に固定されている。なお、図7中タブテープ10側からの引き剥がしをR方向、逆の引き剥がし方向をR’方向とする。
【0041】
本実施形態の個装体は、引き剥がし方向R又はR’の何れの方向に引き剥がした場合にも、最後に引き剥がされる剥離処理シートを引き剥がすときの動作を一旦停止させるようになされている。この形態では、いずれの方向においても、最後に引き剥がされる剥離処理シートで被覆される粘着層及び当該剥離処理シートと包装材とを固定する接着剤の位置関係を各方向R,R’に対して、同じか、または該粘着層の各方向の始端よりも該接着剤の各方向の始端位置の方がR方向は包装材の始端部3A側、R’方向は終端部3B側とすることが好ましい。
即ち、R方向に引き剥がすときに、最後に引き剥がされる剥離処理シートCについては、粘着層4CのR方向の始端よりも剥離処理シートCの固定用接着剤6C1の端部位置の方が始端部3A側に位置ようにする。また、R’方向に引き剥がすときに、最後に引き剥がされる剥離処理シートAについては、粘着層4AのR’方向の始端よりも剥離処理シートAの固定用接着剤6A2の端部位置の方が始端部3A側に位置するようにする。剥離処理シートBの固定用の接着剤6B1、6B2の端部は、粘着層4Bの端部よりもライナー2の長手方向の外側に位置設定する。
【0042】
これにより、R方向に引き剥がした場合には、剥離処理シートA,Bはスムーズに剥がれ、剥離処理シートCの領域で、引き剥がし動作が一時停止する。また、R'方向に引き剥がした場合には、剥離処理シートC,Bはスムーズに剥がれ、剥離処理シートAの領域で、引き剥がし動作が一時停止する。
【0043】
本実施形態は、個装体の引き剥がし方向によらず、引き剥がし動作を停止させることができるため、さらに使い勝手がよい個装体が得られる。
【0044】
尚、前述の第3実施形態のように、隣接する剥離処理シートどうしを重ね合わせたり、第2実施形態のように、一枚の剥離処理シートを切断誘導線によって、引き剥がしによって切断する形態でも、同様の固定接着剤と粘着層との位置関係を調整することによって、両方向からの引き剥がしおよび一時停止が可能となる。また、粘着層の塗工領域をライナーの長手方向に略連続した形態にすることも可能である。
【0045】
以下の説明は、前記各実施形態を含む本発明の個装体に適宜適応される。
【0046】
剥離処理シートを包装シートに固定するための固定接着剤の塗工パターンは、上記各実施形態に示した粘着層とのライナーの長手方向の位置関係が満足する限り、任意のパターンを形成可能である。例えば、規定された前端、後端位置を満足する中間域を全て固定することも可能であり、あるいは、規定された前端域、後端域に線状の固定パターンを形成する以外は固定しなくてもよい。
【0047】
前記実施形態のうち、包装シートに剥離処理シートを固定した包装材を用いる場合、スムーズに剥離する観点から、剥離処理シートの幅(ライナーの幅方向)に対して、包装シートへ固定する固定接着剤の幅は剥離処理シートの1/2以上が望ましく、2/3以上であることが特に好ましい。粘着層の幅との関係は特に規定されない。剥離処理シートの固定が確実になされるための固定接着剤の坪量は、包装シートの種類によっても変わるが、概ね5〜50g/m2、好ましくは7〜30g/m2である。固定接着剤は、当業者公知の任意の接着剤を好ましく使用可能であるが、ホットメルト接着剤、特にSBS、SIS、SEBS系ホットメルト粘着剤が好適に利用可能である。
【0048】
剥離処理シートの大きさは本発明の趣旨に反しない限り自由に決定できる。図1では、ライナーよりも小さな剥離処理シートを使用しているが、ライナーと略同じ大きさや、幅や長さが大きな剥離処理シートを組み合わせて使うことも可能である。また、剥離処理シートが包装シートより大きな形態してもよい。
【0049】
また、図2では粘着層は塗工領域内において連続した薄膜状に塗工しているが、剥離処理シートの固定接着剤との位置関係であれば、任意のパターンで塗工可能である。例えば、2枚の離間した剥離処理シートを用いる場合では、長手方向に連続した直線状パターン、幅方向に連続した直線状パターン、ドット状、波状、渦巻き状等に塗工できる。
【0050】
また、包装材の剥離処理層の剥離性や粘着層の粘着力を、一部の領域において調整することにより、前述の第1実施形態と同様の効果を発現することができる。剥離処理シート又は剥離処理を施した包装材の剥離処理層については、引き剥がし動作を一時停止させたい位置から先の引き剥がして行く方向の剥離領域において、剥離性を重く設計することによってなされる。ずれとめとして用いる粘着層の粘着力については、引き剥がし動作を一時停止させたい位置から先の領域の粘着層の粘着力を、強く設計することによってなされる。即ち、この場合、引き剥がしの規制手段がライナーの粘着層になされることが特徴である。この場合には、包装材側に切断線、切断誘導線、固定用接着剤での工夫などの特別な工夫を施すことなく、上記の全ての実施形態に比較して単純な加工工程で同様の効果を発現させることができる。
【0051】
このうち、まず剥離処理シートや剥離処理を施した包装シートの剥離処理層の剥離性の調整は、以下のようにして行うことができる。
剥離性の調整方法としては、剥離処理に用いるシリコーン樹脂の塗工量を変える場合、剥離処理に用いるシリコーン樹脂のシリコーン純度を上げる場合等が挙げられる。
例えば、では、剥離処理シートAのシリコーン塗工量を4g/m2、剥離処理シートBを1g/m2として、ライナー2の粘着層4にSEBS(スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン)系ホットメルト粘着剤50g/m2を薄膜塗工して、剥離処理シートAでは20cN程度、剥離処理シートBでは120cN程度の接着力の差を得ることが可能である。
【0052】
剥離力の測定は、テンシロン引張り試験(オリエンテック(株)製テンシロンRTM25)を用い、チャック間距離15mm、剥離速度300mm/分で行う。まず個装体のシールを開けて開封し、ライナーを広げてから、包装材とは引き剥がさずに、試験器の上チャックで包装材(包装シートと剥離処理シート)を、下チャックでライナーをはさんで、T剥離試験を行う。尚、上下チャックに固定するために、ライナーと包装材の端部は必要に応じて、一部剥離をする。この様に、切断線または切断誘導線によって区画される2つの領域における、該剥離手段の剥離性が異なることによって、ライナーの剥離を規制すること、及び/またはライナーの剥離の規制を補助することが可能である。
【0053】
剥離力調整の他の実施形態としては、粘着層の塗工領域を連続形成する場合の他の実施形態として、引き剥がし規制手段を、粘着層4を覆う剥離処理シートAの剥離処理面に所定の非剥離パターンを形成して構成することも有効である。例えば、図8に示したようにスリット状の(幅方向の)非塗工領域Sを複数本筋状に配した形態を示している。このように何本かの筋があると、この区間で(筋をまたぐときに)剥離が滑らかにならず、振動して特有の違和感を生じさせる(いわゆる「びびる」)ので、一旦停止しやすい。
【0054】
ずれ止め用の粘着層の粘着力の調整は、以下のようにして調整することができる。
粘着層は、引き剥がし方向の奥側を、手前よりも大きい粘着力を有する粘着層とすることが好ましい。引き剥がし動作の停止のため、引き剥がし開始と停止部との粘着力の差は100cN以上が望ましい。このとき、粘着力の小さい側、100cN以下が好ましく、特に10cN〜75cNが好ましい。一方、粘着力の大きい側は100cN以上が好ましく、特に100〜500cNが好ましく、120〜300cNが一層好ましい。尚、粘着力の測定は、前述の剥離力の測定と同様に行う。
この様に、上記剥離手段の剥離性の工夫に替えて、該粘着剤の一部の粘着力が、他と異なることによって、同様にライナーの剥離を規制すること、及び/またはライナーの剥離の規制を補助することが可能である。
【0055】
剥離力の調整は、ずれとめ粘着剤としての所定の機能を満たしながら、なおかつ粘着力を変えるには、該粘着剤の一部を、他の部位より粘着力の高い(別の)粘着剤で形成することが効果的である。具体的には、粘着剤中の粘着付与成分量を変えるのが最も簡便である。例えば、手前側の軽く剥離させる部分は水素添加石油樹脂系粘着付与剤を40%含み、奥側の重くしたい部分は、該粘着付与剤を63%含むSEBS系ホットメルト粘着剤とするなど、重くしたい方の粘着付与成分を増やすことで調整可能である。粘着付与成分の好ましい配合量は、軽くしたい側は、粘着剤として好ましい粘着力があり、かつ剥離が軽いためには16重量%以上55重量%以下、一方重くしたい側は、十分剥離が重く、かつ糊残りやショーツから剥がしにくく不快等のトラブルを起こさないためには50重量%以上75重量%以下、が好ましい。尚、他の一旦停止工夫と組み合わせて用いる場合は、組成範囲はより広汎に選択可能である。
同様に、剥離力の調整は、粘着層の幅、塗工坪量、粘着剤の塗工パターン等を変えることでも可能である。これらの方法は複数併用可能である。
【0056】
粘着層の塗工幅を変える場合には、引き剥がし方向手前側の塗工幅に対し、一旦停止させたい位置の塗工幅を1.5倍程度に広げることが好ましい。(例えば手前側の塗工幅を30mm、奥側の塗工幅を45mmとする)好ましい粘着力の差を得るには、塗工幅の比率は(奥側の塗工幅)/(手前側の塗工幅)が1.4以上が好ましく、より好ましくは1.5以上である。
【0057】
粘着層の坪量を変える場合には、引き剥がし方向手前側に対し、一旦停止させたい位置の粘着層の坪量を1.6倍程度に上げることが好ましい。(例えば、手前側の塗工坪量は35g/m2、奥側を60g/m2とする。)好ましい粘着力の差を得るには、坪量差を大きくすることが望ましいが、引き剥がし動作の一旦停止性以外にも、ずれとめ剤として好ましい接着力、糊残り防止との観点から、好ましい塗工量は、引き剥がし方向手前の低坪量側の塗工坪量は20〜40g/m2が好ましく、奥の高坪量側は30〜80g/m2が好ましい。坪量差は、(高坪量側)/(低坪量側)1.4〜2.0が好ましく、1.6〜1.8が一層好ましい。
【0058】
粘着剤パターンを変える場合には、例えば図9に示すように、手前側の塗工パターンを長手方向に連続した線状のパターン40で奥側を薄膜パターン41としたり(図9(a)参照)、手前側を薄膜パターン42にして奥側を横縞状パターン43にする(図9(b)参照)ことができる。特に、後述のパターンの場合、薄膜パターンから幅広の横縞状パターンに変わる場合、滑らかなライナーの剥離から剥離力の重く不連続に振動して特有の違和感を生じさせる(いわゆる「びびる」)剥離モードに変わるため、心理的にも動作が停止しやすい。この様に使用者に知覚可能なサインを送れる場合、ならびに冒頭に示した前記各実施形態のような構成工夫を併用する場合などは、剥離力設計は下目に設計可能である。この場合は、ライナーを剥離面から剥がすときの剥離力(T-剥離力)の差で25〜200cNが好ましく、40〜100cNが一層好ましい。このとき剥離処理シートA側の剥離力は100cN以下が好ましく、10cN〜75cNが特に好ましく、剥離処理シートB側の剥離力は50〜300cNが好ましく、60〜200cNが特に好ましい。
【0059】
本発明は前記実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
【0060】
前記各実施形態では、本発明を、肌当接面及び非肌当接面を構成するシート間に吸収体が配されていない形態の個装体に適用したが、本発明は、これらのシートの間に吸収体が配されている吸収性物品にも適用することができる。
【0061】
また、前記実施形態のように、前記規制手段の配設位置を、包装材の内側に設定する(例えば、3つ折などの包装材の内側の端(奥側)に固定がある)ことができる。
【0062】
また、前記規制手段の配設する位置を包装材の解放側(外側、あけ口側)とすることもできる。
【0063】
前記各実施形態では、前記規制手段を、吸収性物品の端部又は該端部に対向する包装材の領域の何れかに具備させたが、これらを両方に具備させてもよい。
【0064】
また、剥離処理層に設ける切断誘導線の形態は、前記第4実施形態におけるようなミシン目状以外に、例えば、剥離処理層を深さ方向に深く切り込んだ薄肉の切断誘導線の形態とすることもできる。
【0065】
また、前記第1実施形態のように、剥離処理シートの剥離処理部の間に隙間を設ける場合に、粘着テープを介在させて剥離処理シートを包装シートに固定するときは、例えば剥離処理シートの隙間に粘着テープを配することが好ましい。
【0066】
また、剥離処理シートの上に剥離処理シートが重なっている形態で、粘着層の塗工領域を連続に塗工する場合には、図10に示すように、剥離処理シートBの引き剥がし方向の始端を、当該剥離処理シートBを包装材に固定する接着剤6Bの引き剥がし方向の始端よりも包装材3の始端部3A側に位置設定することによって、引き剥がしを一旦停止させることもできる。この場合の始端間の距離は0〜3mmが好ましく、0.5〜2mmがより好ましい。尚、図10の剥離処理シートAと粘着層4の間に隙間があるが、実際は隙間なく接着されている。
【0067】
また、吸収性物品と包装材の折曲形態に制限はなく、二つ折りや他の形態であってもよい。
【0068】
本発明は、前記各実施形態のようなライナーのほか、生理用ナプキン、失禁パッド、汗取りパッド、医療用介助布等の吸収性物品の包装に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の吸収性物品の個装体の第1実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の吸収性物品の個装体の展開状態を模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】第1実施形態の個装体において包装材を引き剥がしている状態を示す図である。
【図4】本発明の吸収性物品の個装体の第3実施形態の展開状態を模式的に示す図(図2相当図)であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図5】本発明の吸収性物品の個装体の第4実施形態の展開状態を模式的に示す図(図2相当図)であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】本発明の吸収性物品の個装体の第5実施形態の展開状態を模式的に示す図(図2相当図)であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】本発明の吸収性物品の個装体の第6実施形態の展開状態を模式的に示す図(図2相当図)であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図8】本発明の他の実施形態による粘着層と剥離処理シートの剥離処理層との関係を模式的に示す要部拡大図である。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の他の実施形態による粘着層のパターンを模式的に示す図である。
【図10】本発明の吸収性物品の個装体の他の実施形態の展開状態を模式的に示す図(図2相当図)であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 吸収性物品の個装体
2 パンティライナー(吸収性物品)
21 肌当接面
22 非肌当接面
3 包装材
31 包装シート
3A 始端部
3B 終端部
4、4A、4B、4C 粘着層
6、6A、6B、6A1、6A2、6B1、6B2、6C1、6C2 接着剤(接着手段)
7 接合手段
50 切断線
50’ 切断誘導線
A、B 剥離処理シート
R、R’ 引き剥がし方向





 

 


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