Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
超音波診断装置 - 株式会社東芝
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 医学 -> 株式会社東芝

発明の名称 超音波診断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−185525(P2007−185525A)
公開日 平成19年7月26日(2007.7.26)
出願番号 特願2007−65474(P2007−65474)
出願日 平成19年3月14日(2007.3.14)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 岩間 信行 / 内海 勲 / 平間 信
要約 課題
気泡を主成分とする超音波造影剤での反射で主に生じる基本周波数の整数倍に相当するハーモニック成分を高画質で画像化すること。

解決手段
超音波診断装置は、送信系から振動子に送信信号を印加することにより被検体に超音波を送信し、被検体から返ってきたエコーを受信系で受信し、この受信信号を処理することにより超音波情報を取得する超音波診断装置において、受信系には、振動子4と共に共振回路を構成するインダクタンス要素L1,L2が設けられていて、共振回路6の共振周波数は超音波の基本周波数に対する高調波に調整されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
送信系から振動子に送信信号を印加することにより被検体に超音波を送信し、被検体から返ってきたエコーを受信系で受信し、この受信信号を処理することにより超音波情報を取得する超音波診断装置において、前記受信系には、前記振動子と共に共振回路を構成するインダクタンス要素が設けられていて、前記共振回路の共振周波数は前記超音波の基本周波数に対する高調波に調整されていることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記共振回路は共振周波数が可変に構成されていることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡を主成分とする超音波造影剤や非線形反射を示す組織での反射で生じる基本周波数の整数倍に相当する高調波成分(ハーモニック成分)を画像化する超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波の医学的な応用としては種々の装置があるが、その主流は超音波パルス反射法を用いて生体の軟部組織の断層像を超音波診断装置である。この超音波診断装置は無侵襲検査法で、組織の断層像を表示するものであり、X線診断装置、X線CT装置、MRIおよび核医学診断装置などの他の診断装置に比べて、リアルタイム表示が可能、装置が小型で安価、X線などの被曝がなく安全性が高く、さらに超音波ドプラ法により血流イメージングが可能であるなどの独自の特徴を有している。
【0003】
このため心臓、腹部、乳腺、泌尿器、および産婦人科などでその活用範囲は広い。特に、超音波プローブを体表から割り当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査が行えるほか、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便である。
【0004】
このように様々な優位性のある超音波診断であるが、近年ではさらに、気泡を主成分とする超音波造影剤が開発され、その一部は既に実用されており、この造影剤により主に循環器系の診断に著しい効果を発揮している。
【0005】
この造影剤での反射の動きには、非線形現象を伴う。つまり、超音波がこの造影剤で反射すると、基本周波数の整数倍に相当する高調波成分(ハーモニック成分)が生じることが知られている。そこで、このハーモニック成分だけを抽出して画像化すれば(この画像化はハーモニックイメージングと呼ばれる)、主に造影剤を高コントラストで観察することができるのであるが、以下に説明するような様々な問題が存在している。
【0006】
(送信系の問題)
図18には、送受信系の主要部の機能ブロックを示している。送信系には、一定のレートでトリガ信号を発生するトリガコントローラが設けられている。このトリガコントローラからのトリガ信号によりパルサのスイッチ素子が微小期間だけオンすると、電源電圧が矩形のパルス波として振動子に印加されて、振動子から超音波が発生するようになっている。最近では、信号強度を高くするために、このパルス波を複数並べていわゆるバースト波で超音波を発生することが一般的に行われている。
【0007】
このようなバースト波で発生する超音波には、図19に示すように、基本周波数成分(f0 (例えば5MHz))だけでなく、その整数倍のハーモニック成分も含まれる。通常のイメージングでは、このハーモニック成分は、アーチファクトの原因となるし、また、ハーモニックイメージングでは、抽出したハーモニック成分には、主に造影剤の反射で生じるハーモニック成分だけでなく、送信波に元々含まれているハーモニック成分も混在することになり、主に造影剤の抽出能が低下してしまう。
【0008】
このような問題を解決するには、送信信号からハーモニック成分を除去しなければならないが、これには、高次のフィルタを送信系に組み込まなければならない。さらに、基本周波数やハーモニックはプローブの周波数仕様に応じて変化するので、これにカットオフ周波数を追従させる必要があるが、これには回路が複雑、大規模になるという欠点がある。
【0009】
(受信系の問題1)
一方、受信系は、図18に示すように、受信したエコー信号を、プリアンプAMPで増幅した後、アナログディジタル変換器ADCのサンプリング周波数の2倍以上の周波数成分をローパスフィルタLPFで除去してエリアシング(折り返し現象)が起きないようにしてからディジタル信号に変換している。
【0010】
ところで、エコー信号には、基本周波数成分とハーモニック成分が含まれるが、ハーモニック成分は図20に示すように基本周波数成分のパワーより40dBほど低いのが一般的である。一方、周知の通り、アナログディジタル変換器には飽和レベルが決まっている。この飽和レベルを上限として、プリアンプのゲインを調整しているのであるが、これはパワーの高い基本周波数成分を基準に行われる。従って、それより40dBほど低いハーモニック成分を十分増幅することはできないものであった。
【0011】
(受信系の問題2)
また、受信系には、図18に示すように、送信時の高電圧で受信系の主にプリアンプが破壊されることを防止するために、その前段に高圧リミッタが設けられている。この高圧リミッタは、図21に示すように、電圧レベルに応じて自動的に動作するようにダイオードで組んだものが一般的である。例えば、同図(a)に示すように、受信時の微小な信号は、Vcc―R1―D1―R2とVcc―R1―D2―R3とにバイアス電流が流れてダイオードD1,D2がオン状態になるので、当該リミッタを通過する。一方、基準電圧Vccを越える大振幅の送信パルスが当該リミッタに印加されると、ダイオードD1は逆バイアスになり、オフ状態になるので当該リミッタで遮断され得る。また、グランドGND以下の負の送信パルスが当該リミッタに印加されると、ダイオードD1はオン状態になるが、ダイオードD2は逆バイアスになり、オフ状態になるので当該リミッタで遮断され得る。また、同図(b)に示すように、ダイオードブリッジによる電流リミッタでは、ダイオードD5,D6でリミッタ電圧を決めてこれ以上の電圧を遮断するようにしている。
【0012】
しかし、このようなダイオードで組んだリミッタは、バイアス電流を大きくすることにより、オン抵抗を下げることができるが、消費電流が増大してしまい、また、逆に、消費電流を下げようとすると、オン抵抗が上がって信号損失が増大してしまい、熱雑音が増大して信号精度自体劣化してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、気泡を主成分とする超音波造影剤での反射で主に生じる基本周波数の整数倍に相当するハーモニック成分を高画質で画像化することのできる超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、送信系から振動子に送信信号を印加することにより被検体に超音波を送信し、被検体から返ってきたエコーを受信系で受信し、この受信信号を処理することにより超音波情報を取得する超音波診断装置において、前記受信系には、前記振動子と共に共振回路を構成するインダクタンス要素が設けられていて、前記共振回路の共振周波数は前記超音波の基本周波数に対する高調波に調整されていることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、受信信号に含まれるハーモニック成分を抽出して、画質の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明による超音波診断装置を好ましい実施形態により詳細に説明する。図1には、本実施形態に係る超音波診断装置の送受信系の構成を示している。なお、図1は、1チャンネル分の構成しか書かれていないが、複数チャンネルの場合には図1の構成がチャンネル数分パラレルに設けられる。送信系は、クロック発生回路1からのクロック信号CKに基づいてトリガコントローラ2から発生されるトリガ信号が、パルサ3に供給されると、パルサ3から振動子4に送信信号(電圧信号)が供給されるようになっている。なお、通常は、トリガコントローラ2とパルサ3との間に送信遅延素子が挿入されているが、ここでは省略している。
【0017】
振動子4は、送信信号を受けると、その振幅振動に従って機械的に伸縮する。これにより超音波が発生し、被検体に送信される。この超音波は生体内を伝播し、その途中にある音響インピーダンスの不連続面で反射し、このエコーは振動子4に返ってきて振動する。これにより、振動子4からは、微弱な電気信号(受信信号)が発生する。
【0018】
受信系は、振動子5側から順番に、高圧リミッタ5、共振要素6、バッファ7、ハイパス型フィルタ(HPF)8、プリアンプ9、ローパス型フィルタ(LPF)10、アナログディジタル変換器(ADC)11とを有している。なお、図示していないが、アナログディジタル変換器11の出力側には、受信遅延素子(整相回路)と加算器とからなるディジタルビームフォーマと呼ばれるディジタル回路が設けられ、ここで、ある方向からのエコー成分を強調するようになっている。この受信系で得られたエコー信号は、図示しないが、Bモードやカラードップラモード等の信号処理系に送られ、ここで、軟部組織断層像(Bモード画像)や血流画像(平均速度、分散、パワー)等の超音波情報に処理される。そしてこの情報は、カラーディスプレイで表示される。
【0019】
図2には、図1のパルサ3の回路図を示している。パルサ3には、正の電源電圧VH に対応するスイッチ素子としてのPチャンネルのMOSFET(酸化金属半導体電界効果トランジスタ)12と、負の電源電圧VN に対応するスイッチ素子としてのNチャンネルのMOSFET13とが設けられている。これら2つのMOSFET12,13にはトリガコントローラ2からゲート制御のためのトリガ信号TRG1,TRG2がそれぞれ供給される。そして、MOSFET12,13の出力側に、ローパス型フィルタ14が設けられている。このローパス型フィルタ14のカットオフ周波数fcut は、送信信号の中心周波数(基本周波数)の整数倍、ここでは2倍の周波数(2次高調波)に調整されている。この調整により、MOSFET12,13からの出力(矩形波)に含まれる高調波成分(ハーモニック成分)を抑制できるようになっている。
【0020】
図3には、ローパス型フィルタ14の回路図を示している。基本周波数は、主に振動子4の厚さによって決まる振動子4の共振周波数に合わされる。ところで、現在では、様々な診断部位や診断部位の深さ等に合わせて、いろいろなタイプのプローブが用意されており、これらを自由に差し替えて使い分けることができるようになっている。このプローブのタイプに合わせて、振動子4の共振周波数もそれぞれ最適化されており、従って振動子4の共振周波数は、一定とはいえない。このような様々な振動子4の共振周波数に合わせて、カットオフ周波数fcut を変更できるように、ローパス型フィルタ14は、インダクタンスの異なる複数のインダクタンス素子L1、L2、L3を選択可能に設けている。
【0021】
図4にこのパルサ3の動きを示している。トリガコントローラ2は、クロック信号CKに従って、MOSFET12,13にトリガ信号TRIG1,TRIG2をそれぞれ発生する。なお、トリガ信号が“H”レベルのときに、MOSFET12,13がオン状態になり、そのオン期間の間、それぞれの電源電圧VH ,VN がパルス波として振動子4に印加される。この電圧パルスのパルス幅は、Hレベル期間によりほぼ完全に調整することができる。これらトリガ信号TRIG1,TRIG2は、交互にHレベルにされる。また、このHレベルの期間は、トリガ信号TRIG1,TRIG2の区別無く、時間経過に伴って、段階的に長くなり、その後、段階的に短くなるように変調されている(W1<W2<W3、W4>W5>W6)。このようなトリガ信号TRIG1,TRIG2でMOSFET12,13のオンオフが制御されると、ローパス型フィルタ14には、極性が交番し、パルス幅が段階的に長くなり、その後、段階的に短くなるように変化する一連の電圧パルスの列が印加される。この電圧パルス列が、ローパス型フィルタ14を通ると、短いパルスの波高値は小さく、長いパルスの波高値は大きくなる傾向に変調され、その結果、出力波形としては、正弦波曲線又はシンク関数曲線に近似する。逆に、トリガコントローラ2は、ローパス型フィルタ14の出力波形が正弦波曲線又はシンク関数曲線に近似するように、MOSFET12,13のオンオフを制御してパルス幅を変調する。
【0022】
このように正弦波曲線又はシンク関数曲線に近似したような波形の周波数スペクトラムを、従来のような矩形波の周波数スペクトラムと比較して、図5に示している。周知の通り、あるいは図5から分かるとおり、正弦波曲線又はシンク関数曲線に近似したような波形では、基本周波数f0 の成分が支配的で、その整数倍のハーモニック成分は著しく抑制されている。
【0023】
ところで、ハーモニックイメージングは、受信信号から基本波成分を除去又は抑制して、ハーモニック成分を抽出し、この抽出したハーモニック成分に基づいて画像を生成するというものであり、その目的は、主に造影剤を増強して画像化することにある。上述したように、送信超音波は基本周波数f0 の成分が支配的で、その整数倍のハーモニック成分は著しく抑制されているので、受信信号から抽出したハーモニック成分には、造影剤の反射で生じるハーモニック成分が支配的になり、造影剤の抽出能が向上することになる。また、ハーモニックイメージングだけでなく、通常のイメージングでも、ハーモニック成分はアーチファクトの原因になるので、送信超音波のハーモニック成分を抑制することにより、アーチファクトを低減するという効果を得ることができる。
【0024】
図6には、パルサ2の他の構成例を示している。図2の場合には、電源電圧を直接的にMOSFET12,13に供給していたが、この構成例では、レギュレータ17,18で適当な波形に整形してからMOSFET12,13に供給するようにしている。レギュレータ17,18で作る波形は、ディジタルアナログ変換器(D/A)15,16からの制御信号の波形によって決まる。さらに、ディジタルアナログ変換器15,16からの制御信号の波形は、トリガコントローラ2からのディジタル信号の波形に従って決まる。トリガコントローラ2は、レギュレータ17,18からの出力波形が、図7に示すように、正弦波曲線又はシンク関数曲線に近似する波形になるように、ディジタル信号を発生する。
【0025】
このような電圧波形に対して、トリガコントローラ2は、MOSFET12,13が一定の周期で交互にオンするように、トリガ信号TRIG1,TRIG2を発生する。これにより、振動子4には、図8に示すように、包絡線が正弦波曲線又はシンク関数曲線に近似する波形を示すようなパルス列が印加される。なお、スイッチSWは、FET12,13の両方がオフの時に振動子4の蓄積電荷を基準電位(例えばGNDゼロボルトレベル)まで放電させるために設けられている。
【0026】
このようなパルス列で発生される送信超音波は、基本周波数f0 の成分が支配的になり、その整数倍のハーモニック成分は著しく抑制されることになるので、受信信号から抽出したハーモニック成分には、造影剤の反射で生じるハーモニック成分が支配的になり、造影剤の抽出能が向上することになる。なお、図6には示していないが、図2のようなローパス型フィルタ14を設けることにより、ハーモニック成分を送信超音波から抑制する効果が期待できる。
【0027】
ここで、図2や図6では、正負で交番する電圧波形を振動子4に印加するいわゆるバイポーラ型パルサとして説明したが、正側のみ、または負側のみのユニポーラ型パルサでも近似的に同様の効果を得ることができる。また、LPF14のカットオフ周波数をインダクタンス素子の切替により変更する方法を示したが、MOSFET12,13のバイアス電圧制御によるON抵抗可変でも実現できる。また、バリキャップダイオード等制御可能な素子であれば種々変更して実施できる。
【0028】
次に受信系について説明する。図9には、図1の高圧リミッタ5の構成を示している。この高圧リミッタ5は、高電圧の送信信号で受信系の特にプリアンプ9が破壊されるのを防止するためのものであり、振動子4からの受信信号の経路上にMOSFET20が介在され、そしてこのMOSFET20にゲート制御信号Vgateを供給して経路の遮断/導通を制御するためのゲートコントローラ19が設けられてなる。また、図10に示すように、2つ又はそれ以上のMOSFET20をカスケードに設けるようにしてもよい。
【0029】
ゲートコントローラ19は、図11に示すように、トリガコントローラ2からトリガ信号を入力し、このトリガ信号に基づいて、高電圧の送信信号が受信系に流れ込むのを防止するように、MOSFET20のゲートのオン/オフを制御する。具体的には、MOSFET20のゲートは、トリガ信号の立ち上がりに同期してオフされ、そしてこのオフ状態は、トリガ信号の立ち下がり時から、過渡応答が所定レベル以下に安定するために必要な所定の時間Δtだけ遅延した時まで継続される。送信信号が図12に示すように複数のパルス波(バースト波)からなる場合でも同様である。
【0030】
MOSFET20には、数オーム乃至数十オーム程度の比較的オン抵抗に低いタイプがあり、このタイプのMOSFET20を遮断用スイッチとして採用することにより、従来のダイオード方式に比べて、熱雑音の発生を抑えて、画質の向上を図ることができ、また省電力化も図ることができる。
【0031】
次に共振要素6について説明する。図13は、共振要素6の構成を示しており、インダクタンスの異なる複数のインダクタンス要素L1、L2が選択可能に設けられており、選択されたインダクタンス要素と、キャパシタンス要素として機能する振動子4とで直列共振回路を構成する。この共振回路の共振周波数は、超音波の基本周波数に対する高調波に調整されている。もちろん、超音波の基本周波数が変化すると、別のインダクタンス要素を選択して対応すればよいし、共振回路が不要ならインダクタンス要素をパスする経路も用意されている。このように共振要素6を設けることにより、受信信号からハーモニック成分を効果的に抽出することができる。
【0032】
なお、図13に示すように共振要素6を振動子4に対して直列に入れて直列共振を構成するようにしてもよいし、図14に示すように、共振要素6、つまりインダクタンス要素L1,L2,L3を振動子4に対して並列に入れて並列共振を構成するようにしてもよい。
【0033】
同様の目的で、振動子4とアナログディジタル変換器11との間のいずれかの位置、ここではプリアンプ9の直前に、ハイパス型フィルタ8が設けられている。このハイパス型フィルタ8のフィルタ特性、つまりカットオフ周波数fcut は、図15に示すように、受信信号から、基本周波数成分を効果的に抑制し、ハーモニック成分、特に2次高調波成分(2・f0 )を抽出するように、基本周波数f0 に基づいて調整されている。このハイパス型フィルタ8により、受信信号から、基本周波数成分を抑制し、ハーモニック成分を抽出することができる。
【0034】
ここでも様々な振動子4の共振周波数(基本周波数)に合わせて、カットオフ周波数fcut を変更できるように、図16に示すように、ハイパス型フィルタ8に、フィルタ特性の異なる複数のハイパス型フィルタ要素22,23を選択可能に設けるようにしてもよい。また、通常のイメージングに対応できるように、ハイパス型フィルタ8をパスする経路を選択できるようにしてもよい。さらに、ハイパス型フィルタ8として、図17に示すように、フィルタ特性を連続的に可変できるタイプを採用してもよい。
【0035】
このように共振やハイパス型フィルタ6を使って受信信号から基本波成分を抑制し、ハーモニック成分を抽出することにより、次のような効果を獲得できる。まず、周知の通り、受信信号には基本周波数成分とハーモニック成分が含まれるが、ハーモニック成分は基本周波数成分のパワーより40dBほど低いのが一般的である。一方、アナログディジタル変換器11には飽和レベルが決まっている。この飽和レベルを上限として、プリアンプ9のゲインを調整しているのであるが、従来では、パワーの高い基本周波数成分を基準に行われていた。従って、それより40dBほど低いハーモニック成分を十分増幅して広いダイナミックレンジで扱うことはできないものであった。これに対して、共振やハイパス型フィルタ6を使って、アナログディジタル変換前に基本周波数成分を十分抑制し、受信信号をハーモニック成分で支配的にしているので、ハーモニック成分を基準にしてプリアンプ9のゲインを調整して、ハーモニック成分をアナログディジタル変換器11の飽和レベル付近まで増幅することができる。これにより、ハーモニックイメージングの画質を向上することができる。
【0036】
以上のように本実施形態によれば、
(1)送信信号に含まれるハーモニック成分を抑制することにより、受信信号から抽出したハーモニック成分には、造影剤の反射で生じるハーモニック成分が支配的になり、造影剤の抽出能が向上する、
(2)アナログディジタル変換前に受信信号をハーモニック成分で支配的にしておくことにより、ハーモニック成分を基準にしてプリアンプのゲインを調整してハーモニック成分を飽和レベル付近まで増幅することができる、
(3)FETを使って、プリアンプに至る経路を遮断してプリアンプが送信の高電圧で破壊することを防止するので、従来のダイオード方式に比べて、熱雑音の発生を抑えることができる、
という送受信両面から改良を施したことにより、気泡を主成分とする超音波造影剤での反射で主に生じる基本周波数の整数倍に相当するハーモニック成分を非常に高画質で画像化することができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態による超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図2】図1のパルサの回路図。
【図3】図2のローパスフィルタの回路図。
【図4】図2のパルサの動きを示す図。
【図5】図2のパルサで発生するサイン波の周波数スペクトラムを示す図。
【図6】図1のパルサの他の構成図。
【図7】図6の2つのレギュレータの出力波形を示す図。
【図8】図6のパルサからの出力波形を示す図。
【図9】図1の高圧リミッタの構成図。
【図10】図1の高圧リミッタの他の構成図。
【図11】図9と図10のMOSFETの動きを示す図。
【図12】図9と図10のMOSFETの動きを示す図。
【図13】図1の共振要素の構成図。
【図14】図1の共振要素の他の構成図。
【図15】図1のハイパスフィルタのフィルタ特性を示す図。
【図16】図1のハイパスフィルタの他の構成図。
【図17】図1のハイパスフィルタのさらに他の構成図。
【図18】従来の超音波診断装置の送受信系の主要部のブロック図。
【図19】矩形送信波の周波数スペクトラムを示す図。
【図20】受信信号のスペクトラムの概略図。
【図21】従来の高圧リミッタの回路図。
【符号の説明】
【0039】
1…クロック発生回路、2…トリガコントローラ、3…パルサ、4…振動子、5…高圧リミッタ、6…共振要素、7…バッファ、8…ハイパスフィルタ、9…プリアンプ、10…ローパスフィルタ、11…アナログディジタル変換器、12…PチャンネルMOSFET、13…NチャンネルMOSFET、14…ローパスフィルタ、15…ディジタルアナログ変換器、16…ディジタルアナログ変換器、17…レギュレータ、18…レギュレータ、19…ゲートコントローラ、20…MOSFET、21…ダイオード、22…ハイパスフィルタ、23…ハイパスフィルタ。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013