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発明の名称 超音波診断装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−144216(P2007−144216A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2007−60750(P2007−60750)
出願日 平成19年3月9日(2007.3.9)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 川岸 哲也
要約 課題
本発明の目的は、超音波診断装置において、造影エコーを効果的に映像化することにある。

解決手段
本発明による超音波診断装置は、血液中に造影剤を注入された被検体に互いに極性反転している波形で超音波を少なくとも2レートで送受信する送受信ユニット15と、送受信ユニットから出力される少なくとも2レートの受信信号を加算する加算回路21と、加算回路から出力される加算信号に含まれるハーモニックエコー成分を減衰するエコーフィルタ22と、フィルタからの出力信号に基づいて画像データを生成する表示ユニット18とを具備する。
特許請求の範囲
【請求項1】
血液中に造影剤を注入された被検体に互いに極性反転している波形で超音波を少なくとも2レートで送受信する送受信ユニットと、
前記送受信ユニットから出力される少なくとも2レートの受信信号を加算する加算回路と、
前記加算回路から出力される加算信号に含まれる前記超音波の基本周波数の整数倍を中心としたハーモニック帯域の成分を減衰するフィルタと、
前記フィルタからの出力信号に基づいて第1画像データを生成するユニットとを具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
血液中に造影剤を注入された被検体に略同一波形で超音波を少なくとも2レートで送受信する送受信ユニットと、
前記送受信ユニットから出力される少なくとも2レートの受信信号を減算する減算回路と、
前記減算回路から出力される減算信号に含まれる前記超音波の基本周波数の整数倍を中心としたハーモニック帯域の成分を減衰するフィルタと、
前記フィルタからの出力信号に基づいて第1画像データを生成するユニットとを具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項3】
血液中に造影剤を注入された被検体に超音波を少なくとも2レートで送受信する送受信ユニットと、
前記送受信ユニットから出力される少なくとも2レートの受信信号を使って固定エコーを除去するMTIフィルタと、
前記MTIフィルタからの出力信号に含まれる前記超音波の基本周波数の整数倍を中心としたハーモニック帯域の成分を減衰するフィルタと、
前記フィルタからの出力信号に基づいて第1画像データを生成するユニットとを具備することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項4】
前記フィルタは、前記超音波の基本周波数を中心とした基本波帯域の成分を減衰する特性を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記超音波は、1.8MHz又はその近似値を基本周波数として、500kHzの帯域又はその近似値で送信されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記超音波は、2.0MHz又はその近似値を基本周波数として、600kHzの帯域又はその近似値で送信されることを特徴とする請求項1、2又は3記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記超音波は、スイッチングパルサーを用いてデューティー比変調をかけたものであることを特徴とする請求項5又は6記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記送受信ユニットから出力される受信信号から、前記超音波の基本周波数を中心とした基本波帯域の成分と、前記超音波の基本周波数の整数倍を中心としたハーモニック帯域の成分との少なくとも一方を抽出するフィルタと、前記抽出された成分に基づいて第2画像データを生成するユニットとをさらに備えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記第2画像データを前記第1画像データと画面内に並列に又は1画像に合成して表示するユニットをさらに備えることを特徴とする請求項8記載の超音波診断装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に係り、特に造影剤映像化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断に用いられる造影剤(微小気泡)は、超音波照射により破壊され、照射音圧が高いほど破壊されやすい。造影効果を継続させるためには、音圧を下げて造影剤の破壊を抑制する等の工夫がなされている。
【0003】
ところで超音波が造影剤に当たると、造影剤は非線形挙動を示す。それによりセカンドハーモニック成分(2次高調波成分)が発生される。そのセカンドハーモニックエコー成分により造影剤に由来するエコー成分(造影エコー成分という)を映像化することができる。この技術は、セカンドハーモニック法と呼ばれている。
【0004】
図15に、受信信号の成分スペクトルを示している。受信信号には、造影エコー成分と、基本波エコー成分と、組織ハーモニックエコー成分とが含まれる。造影検査では、主に造影エコー成分の映像化に重点が置かれている。上記セカンドハーモニック法では、基本波周波数f0の2倍の周波数を中心とした帯域が抽出される。
【0005】
しかしこの帯域には、造影エコー成分の他に、組織の非線形伝搬により発生する組織ハーモニックエコー成分と、基本波エコーのセカンドハーモニック帯域への漏れ成分とが比較的高い割合で含まれる。
【0006】
従って、造影エコー成分がこれら組織ハーモニックエコー成分と基本波エコー成分とに埋もれてしまい、造影エコー成分の視認性を下げて、それを効果的に映像化することが困難な場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、超音波診断装置において、基本波エコー成分及びハーモニックエコー成分に埋もれることなく、造影エコーをその視認性を高めて効果的に映像化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による超音波診断装置は、血液中に造影剤を注入された被検体に互いに極性反転している波形で超音波を少なくとも2レートで送受信する送受信ユニットと、前記送受信ユニットから出力される少なくとも2レートの受信信号を加算する加算回路と、前記加算回路から出力される加算信号に含まれる前記超音波の基本周波数の整数倍を中心としたハーモニック帯域の成分を減衰するフィルタと、前記フィルタからの出力信号に基づいて第1画像データを生成するユニットとを具備する。
本発明は、血液中に造影剤を注入された被検体に略同一波形で超音波を少なくとも2レートで送受信する送受信ユニットと、前記送受信ユニットから出力される少なくとも2レートの受信信号を減算する減算回路と、前記減算回路から出力される減算信号に含まれる前記超音波の基本周波数の整数倍を中心としたハーモニック帯域の成分を減衰するフィルタと、前記フィルタからの出力信号に基づいて第1画像データを生成するユニットとを具備する。
本発明は、血液中に造影剤を注入された被検体に超音波を少なくとも2レートで送受信する送受信ユニットと、前記送受信ユニットから出力される少なくとも2レートの受信信号を使って固定エコーを除去するMTIフィルタと、前記MTIフィルタからの出力信号に含まれる前記超音波の基本周波数の整数倍を中心としたハーモニック帯域の成分を減衰するフィルタと、前記フィルタからの出力信号に基づいて第1画像データを生成するユニットとを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基本波エコー成分及びハーモニックエコー成分に埋もれることなく、造影エコーをその視認性を高めて効果的に映像化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、造影検査を対象としており、その造影検査では、被検体の血液中に注入された微小気泡を主成分とする造影剤が注入される。この造影剤としては、後述する造影エコーが比較的ブロードで発生するタイプの採用が好ましい。その種の造影剤としては、例えば、レボビスト(Schering corp.社)、ソノビュー(BRACO corp.社)、ソナゾイド(NYCOMRD corp.社)があげられる。
図1に、本実施形態に係る超音波診断装置の構成を示している。11は、一次元または二次元的に配列された典型的には圧電効果を有する複数の振動素子(電気/音響変換素子)を備えた超音波プローブであり、図示しないコネクタを介して、ホストCPU14を中心として構成された装置本体12に装着される。なお、1つ又は近隣の数個の振動素子は、1つのチャンネルを構成している。ここでは1つ振動素子が1つのチャンネルを構成するものと仮定する。この超音波プローブ11の各振動素子には、パルサ/プリアンプユニット15から、基本周波数(f0)を中心として比較的狭帯域の送信信号(電圧パルス)が印加される。振動素子は、その電気的な振動を機械的な振動に変換する。これにより振動素子から基本周波数f0を中心として超音波が発生する。パルサ/プリアンプユニット15は、送信信号の印加タイミングに関して、チャンネル間で時間差を与える。この時間差(遅延時間)は、複数の振動素子から発生した超音波を集束するとともに、その集束超音波を偏向するために設けられている。この遅延時間を変化することにより、焦点距離及び偏向角(送信方位)を任意に変化することが可能である。
【0011】
送信された超音波は、エコーとしてプローブ11に返ってきて、各振動素子で電気的信号に変換される。このエコーには、主に基本波が組織境界に当たりその散乱により生じる基本波エコー成分と、やはり基本波が組織中を非線形に伝搬するのに由来する組織ハーモニックエコー成分と、そして被検体の血液中に注入された微小気泡を主成分とする造影剤に由来する造影エコー成分とが含まれる。
【0012】
振動素子で変換された電気的信号は、パルサ/プリアンプユニット15、受信遅延回路16を経由して、受信信号として検波ユニット19に送られて直交検波処理を施された後、造影エコー抽出ユニット17に送られる。検波ユニット19と造影エコー抽出ユニット17との信号処理の順序は逆になっても良い。
【0013】
受信遅延回路16は、受信の際のビームフォーミング(整相加算処理)を行い、超音波ビームの方向・集束を制御するためのものであり、複数のビームを形成し並列同時受信をするために複数の回路セットから構成されていても良い。受信信号は、信号処理に適したサンプリング周波数でサンプリングされ、ディジタル信号に変換され、そしてビーム形成される。
【0014】
検波ユニット19は、受信信号に90度位相のずれたリファレンス周波数の信号をそれぞれ乗じて直交検波を行い、I、Q信号を得る。この時、I,Q信号は受信信号からリファレンス周波数を減じた周波数の信号となる。リファレンス周波数は、一般的に超音波画像を生成する帯域の中心の周波数に設定すれば良い。
【0015】
造影エコー抽出ユニット17は、直交検波後の受信信号(I,Q信号)から、基本波エコー成分と組織ハーモニックエコー成分(両性分を合わせて組織エコー成分と称する)とに比べて、成分比の高いつまり造影エコー成分が支配的な帯域の成分を抽出する。造影エコー抽出ユニット17で抽出された成分に基づいて表示ユニット18で超音波画像データが生成される。その画像データは、モニタ13に表示される。
【0016】
本実施形態で特徴的なのは、受信信号から、造影エコー成分が支配的な帯域の成分を抽出することにある。基本波エコー成分及びハーモニックエコー成分に埋もれることなく、造影エコーをその視認性を高めて効果的に映像化することを実現する。この特徴的な部分について以下に説明する。本実施形態では、造影エコー成分が支配的な帯域の成分を抽出するための処理態様として3種類のモードを提供する。これら3種類のモードは、操作者の選択指示に従ってCPU14の制御のもとで切り換え可能である。以下に順番に説明する。
【0017】
(フェーズインバージョン法)
まず、送信信号としては、基本周波数f0を中心とした比較的狭帯域に帯域制限され、送信漏れの少ない信号(基本波成分以外の周波数成分が少ない信号)を用いる。そのために効果的なのは、リニアアンプ駆動で送信信号を発生させることであり、または一般的なスイッチングパルサであっても、デューティー比変調技術の採用である。図2(a)に、バースト波数を6としてデューティー比変調を受けた送信信号の時間波形を示し、図2(b)にその周波数スペクトルを示している。狭帯域送信を行うため、バースト波数は、4から8位にするのが好ましく、本実施の形態ではバースト波数を6にしている。このように比較的狭帯域で送信漏れの少ない送信を行うことにより、超音波エコーに含まれる基本波成分と組織によるハーモニック成分の重畳が少なくなるため、造影剤により生じた基本波成分とハーモニック成分の間の周波数成分を良好に抽出することができる。 フェーズインバージョン法では、この帯域制限された送信信号を、少なくとも2レートで発生する。また、送信信号の極性は、レート間では互いに反転される(互いに180°位相がずれている)。基本波エコーは、その送信極性に応じた極性で発生し、ハーモニックエコー成分はその送信極性に関わらず同極性で発生する。これはハーモニックエコー成分が、周知の通り、非線形現象は、基本波の二乗として近似され得ることを理由としている。基本波を、a(t)sinωtと表すと、非線形性は、(a(t)sinωt)として近似される。従って、ハーモニックエコー成分は、正負の両レートでともに正極で生じ、逆に、基本波エコー成分は送信極性に依存して正負反転して発生する。図4(a)は正極性レートの受信信号のスペクトルであり、図4(b)は負極性レートの受信信号のスペクトルを示している。造影エコー成分と組織ハーモニックエコー成分は両レートで正極性で発生し、基本波エコー成分は1レート目(正極性レート)では正極性で発生し、2レート目(負極性レート)では負極性で発生する。
【0018】
図3には、フェーズインバージョン法に対応した造影エコー抽出ユニット17の構成例を示している。上述したように、組織ハーモニックエコー成分は両レートで正極性で発生し、基本波エコー成分は正負両極性で発生するので、1レート目の受信信号と2レート目の受信信号を加算回路21で加算することにより、原理的に基本波エコー成分は除去され、造影エコー成分と組織ハーモニックエコー成分は残る。
【0019】
図5に、加算回路21の出力信号(加算信号)の周波数スペクトルを示している。上述にように、基本波エコー成分が除去されるのはあくまで原理的で有り、実際には、組織の動きによって、基本波エコー成分の一部が残留する。しかし、図15のスペクトルと比較すると分かるとおり、残留基本波エコー成分は充分減衰される。
【0020】
加算回路21の出力信号は、エコーフィルタ22に供給される。エコーフィルタ22は、CPU14の制御下にある複素ディジタルフィルタで構成され、フィルタ特性は、操作者の指示に従ってフィルタ係数を変えることにより任意に変化する。具体的には、フィルタ係数を超音波診断装置の映像モード毎に予め設定しておき、操作者が映像モードを選択した時に、その映像モードに対応したフィルタ係数に変わるようにすれば良い。ここでは主な3種類のフィルタ特性を説明する。まず、第1のフィルタ特性では、図5に示すように、基本周波数の2倍の2・f0を中心とした帯域(組織ハーモニックエコー成分が支配的な帯域:THI帯域という)を減衰帯域としている。その前後の帯域は、全て通過する。尚、直交検波処理後の受信信号はリファレンス周波数分周波数がずれた信号となっているため、直交検波後の受信信号にフィルタ処理を行う場合はフィルタ特性を検波後の周波数特性に合わせたものにする必要があるが、ここでは説明を分かりやすくするため直交検波処理前の受信信号の周波数を基準にして説明を行うものとする。
【0021】
この第1のフィルタ特性は、主に腹部検査で有効とされる。腹部は体動が比較的少なく、従って残留基本波エコー成分が比較的少ないことをその理由とする。
【0022】
第1のフィルタ特性で動作するエコーフィルタ22によりTHI帯域の成分が減衰された受信信号は、造影エコー成分が支配的である。従って、その信号に基づいて画像データを生成することにより、基本波エコー成分及びハーモニックエコー成分に埋もれることなく、造影エコーをその視認性を高めて効果的に映像化することができる。
【0023】
なお、上述のように、循環器では体動が比較的大きく、従って残留基本波エコー成分が比較的多く発生する。この場合、第1のフィルタ特性では、造影エコーを効果的に映像化することが困難なことがある。この場合に効果的なのが、第2のフィルタ特性である。
【0024】
図6には、第2のフィルタ特性を示している。第2のフィルタ特性では、基本周波数の2倍の2・f0を中心としたTHI帯域とともに、基本周波数f0を中心とした基本波帯域を減衰帯域としている。THI帯域と基本波帯域との間の帯域#1、そして基本波帯域に対して低周波数側に隣接する帯域#2、さらにTHI帯域に対して高周波数側に隣接する帯域#3は、通過帯域である。
【0025】
第2のフィルタ特性で動作するエコーフィルタ22によりTHI帯域の成分と基本波帯域の成分とが減衰された受信信号は、造影エコー成分の支配傾向はさらに高まっている。従って、その信号に基づいて画像データを生成することにより、循環器検査であっても、基本波エコー成分及びハーモニックエコー成分に埋もれることなく、造影エコーを効果的に映像化することが可能となる。
【0026】
なお、第2のフィルタ特性では、離散的な3つの帯域#1、#2、#3が通過帯域であり、その中で造影エコーの支配傾向が最も高いのが、THI帯域と基本波帯域との間の帯域#1である。両端の2つの帯域#2、#3を除き、帯域#1だけを映像化することが好ましい場合もある。この場合には第3のフィルタ特性が提供される。
【0027】
フィルタ係数設計・実装の容易性から1つの帯域を映像化することが現実的であり、例として帯域#1を映像化する場合について説明する。図7には、第3のフィルタ特性を示している。第3のフィルタ特性では、THI帯域と、基本波帯域との間の帯域#1だけが、通過帯域とされ、他の帯域の成分は、減衰される。第3のフィルタ特性で動作するエコーフィルタ22により帯域#1の成分だけが抽出された受信信号は、帯域#2に比べて高周波なので方位分解能が高く、又、帯域#3にひかくして低周波なのでペネトレーションが良い。従って、その信号に基づいて画像データを生成することにより、基本波エコー成分及びハーモニックエコー成分に埋もれることなく、造影エコーを最も効果的に映像化することが可能となる。
【0028】
(サブトラクション法)
まず、送信信号は、フェーズインバージョン法と同様に、リニアアンプ駆動またはスイッチングパルサであっても、デューティー比変調技術の採用により基本周波数f0を中心とした比較的狭帯域に帯域制限される。
【0029】
サブトラクション法でも、フェーズインバージョン法と同様に、この帯域制限された送信信号を、少なくとも2レートで発生する。しかし、サブトラクション法では、フェーズインバージョン法と異なり、レート間で送信信号は同一極性で発生される。従って、図8(a)、図8(b)に示すように、基本波エコー、組織ハーモニックエコー成分、造影エコー成分は共に正極性で発生する。
【0030】
図9には、サブトラクション法に対応した造影エコー抽出ユニット17の構成例を示している。上述したように基本波エコー、組織ハーモニックエコー成分、造影エコー成分は共に正極性で発生する。基本波エコー成分及び組織ハーモニックエコー成分は、組織に由来する成分であり、レート間の時間差の体動により変移する。一方、造影エコー成分は造影剤に由来する成分であり、その造影剤は血流とともに移動するので、そのレート間の信号変移は、基本波エコー成分及び組織ハーモニックエコー成分のそれよりも大きい。
【0031】
従って、図9に示すように、1レート目の受信信号と2レート目の受信信号を減算回路25で減算することにより、基本波エコー成分と組織ハーモニックエコー成分とは体動の影響で多少残留するものの、造影エコー成分のそれよりも低く、従って造影エコー成分が相対的に強調される。
【0032】
減算回路25の出力信号は、エコーフィルタ26に供給される。エコーフィルタ26のフィルタ特性は、上述と同様に、操作者の指示に従ってCPU14の制御のもとで、第2、第3の2種類のフィルタ特性で変化する。第2のフィルタ特性は、図10に示すように、基本周波数の2倍の2・f0を中心としたTHI帯域とともに、基本周波数f0を中心とした基本波帯域を減衰帯域とし、THI帯域と基本波帯域との間の帯域#1、そして基本波帯域に対して低周波数側に隣接する帯域#2、さらにTHI帯域に対して高周波数側に隣接する帯域#3を、通過帯域とする。さらに、第3のフィルタ特性は、図11に示すように、THI帯域と、基本波帯域との間の帯域#1だけを、通過帯域とし、他の帯域を減衰帯域としている。
【0033】
このように2種類のフィルタ特性を検査対象部位に応じて選択的に用いることで、基本波エコー成分及びハーモニックエコー成分に埋もれることなく、造影エコーを最も効果的に映像化することが可能となる。
【0034】
(ドプラ法)
図12にドプラ法に対応した造影エコー抽出ユニット17の構成を示している。このドプラ法の組織エコー(基本波エコー成分と組織ハーモニックエコー成分)の除去能力は、上記2つの方法よりも高く、特に冠動脈検査で有効である。このドプラ法でも、フェーズインバージョン法と同様に、リニアアンプ駆動またはスイッチングパルサであっても、デューティー比変調技術の採用により基本周波数f0を中心とした比較的狭帯域に帯域制限された送信信号が、複数レートで発生される。レート間では、同一波形で送信してもよいし、サブトラクション法と同様に位相反転してもよい。さらに、90°ずつ移動を回転しながら4レート又はその整数倍のレートで送信するようにしてもよい。
【0035】
レート間で送信信号を同一波形で発生する場合、またレート間で送信信号を位相反転する場合、MTIフィルタ28で、体動により基本波エコー成分及び組織ハーモニックエコー成分がそれぞれ多少残留(抽出)するするものの、基本波エコー成分及び組織ハーモニックエコー成分それぞれの大部分は除去され、また造影エコー成分はその血流により大部分が抽出される(図13(a)、図13(b)参照)。
【0036】
従って、上述した2つの方法と同様に、エコーフィルタ29で3種類のフィルタ特性を検査対象部位に応じて選択的に用いることで、基本波エコー成分及びハーモニックエコー成分に埋もれることなく、造影エコーを最も効果的に映像化することが可能となる。
【0037】
また、90°ずつ移動を回転しながら4レート又はその整数倍のレートで送信する場合、加算により基本波エコー成分と組織ハーモニックエコー成分の両方を消すことができる。
【0038】
次に、画像表示について説明する。上述のいずれかの方法で抽出又は強調された造影エコー成分に基づいて表示ユニット18で画像データ(造影強調画像データ)が生成され、さらにその中のルックアップテーブルで白黒グレースケール又はカラーデータに展開されて、図14(a)に示すようにモニタ13に表示される。このように造影強調画像を単独で表示してもよいし、さらにこの造影強調画像を得るために収集した受信信号をそのまま流用して、又は造影強調画像を得るためのレートとは別のレートで収集した受信信号から、基本波帯域とTHI帯域との両方又はいずれか一方の帯域の成分を抽出し、その抽出した成分で画像データ(基本波画像、THI画像、又は基本波成分とTHI成分とを含む基本波+THI画像)を生成し、図14(b)に示すように、造影強調画像をカラーで、またそれと同時に、同じ画面に並列に配置して白黒グレイスケールで濃淡表示するようにしてもよい。さらに、図14(c)に示すように、基本波帯域とTHI帯域との両方又はいずれか一方の帯域の成分を抽出し、その抽出した成分で画像データ(基本波画像、THI画像、又は基本波成分とTHI成分とを含む基本波+THI画像)を濃淡画像として、カラーの造影強調画像と1枚の画像に合成して、表示するようにしてもよい。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態において、送信波形とそのスペクトルを示す図。
【図3】本実施形態において、フェーズインバージョン法に対応した図1の造影エコー抽出ユニットの構成例を示す図。
【図4】図3の加算回路に供給される正負2レートの受信信号のスペクトルを示す図。
【図5】図2のエコーフィルタの第1のフィルタ特性を示す図。
【図6】図2のエコーフィルタの第2のフィルタ特性を示す図。
【図7】図2のエコーフィルタの第3のフィルタ特性を示す図。
【図8】図9の減算回路に供給される2レートの受信信号のスペクトルを示す図。
【図9】本実施形態において、サブトラクション法に対応した図1の造影エコー抽出ユニットの構成例を示す図。
【図10】図8のエコーフィルタのフィルタ特性を示す図。
【図11】図8のエコーフィルタのフィルタ特性を示す図。
【図12】本実施形態において、ドプラ法に対応した図1の造影エコー抽出ユニットの構成例を示す図。
【図13】図12のMTIフィルタに供給される受信信号のスペクトルと、図12のエコーフィルタに供給される信号のスペクトルを示す図。
【図14】図1の表示ユニットで生成される表示画像の態様を示す図。
【図15】従来の受信信号の成分毎のスペクトルとセカンドハーモニック法におけるエコーフィルタのフィルタ特性を示す図。
【符号の説明】
【0041】
11…超音波プローブ、12…装置本体、13…モニタ、14…ホストCPU、15…パルサ/プリアンプユニット、16…受信遅延回路、17…造影エコー抽出ユニット、18…表示ユニット、19…検波ユニット。




 

 


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