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磁気共鳴映像化装置 - 株式会社東芝
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発明の名称 磁気共鳴映像化装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−29763(P2007−29763A)
公開日 平成19年2月8日(2007.2.8)
出願番号 特願2006−307238(P2006−307238)
出願日 平成18年11月13日(2006.11.13)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦
発明者 金沢 仁
要約 課題
磁気共鳴映像化装置において、ラベルされた血流を関心部分で映像化できるような好適な位置にラベル領域を簡便な操作で設定し、またはそのような好適な反転時間を簡便な操作で設定できるようにすること。

解決手段
第1のパルスシーケンスのもとで、傾斜磁場印加中に特定の高周波パルスを印加することによって、撮影領域内のラベル領域中の移動体を含む撮影対象を磁気的にラベルし、高周波パルスから待ち時間の後に撮影領域から信号を収集するための操作を実行することによって撮影対象がラベルされた第1の画像を取得し、第2のパルスシーケンスのもとで特定の高周波パルスを印加しないで撮影領域から信号を収集するための操作を実行することによって撮影対象がラベルされていない第2の画像を取得する。
特許請求の範囲
【請求項1】
第1のパルスシーケンスのもとで、傾斜磁場印加中に特定の高周波パルスを印加することによって、撮影領域内のラベル領域中の移動体を含む撮影対象を磁気的にラベルし、前記高周波パルスから待ち時間の後に、前記撮影領域から信号を収集するための操作を実行することによって前記撮影対象がラベルされた第1の画像を取得し、第2のパルスシーケンスのもとで、前記特定の高周波パルスを印加しないで前記撮影領域から信号を収集するための操作を実行することによって前記撮影対象がラベルされていない第2の画像を取得することを特徴とする磁気共鳴映像化装置。
【請求項2】
前記第1、第2の画像を差分することにより差分画像を生成することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像化装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、MRアンギオグラフィ(MRA)機能を備えた磁気共鳴映像化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴映像化は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数の高周波信号で励起し、この励起に伴って発生するFID(自由誘導減衰)信号やエコー信号から画像を得る手法である。
【0003】
この磁気共鳴映像化の一つのカテゴリーとして、血液の動態を画像化するMRアンギオグラフィがある。さらにMRアンギオグラフィの一形態として、インバージョンパルス(高周波反転パルス)により局所的にスピンに標識(ラベル)を付けて、信号抜けさせる方法がある。
【0004】
例えば、インバージョンパルスによりプリサチュレートさせる場所(ラベル領域)を、インバージョンパルスから本スキャンの励起パルスまでの時間間隔とともに設定し、プリサチュレーションの影響により信号変化(低信号化)する部分の移動軌跡を画像上で観察することにより、血液などの動きを観察するフローイメージング法(ボーラストラッキング法、Edelman, et.al., Radiology,Vol.171,551-556,1989)がある。
【0005】
図9にこの方法によるパルスシーケンスを、図10に従来のラベル領域の設定画面を示す。まず、インバージョンパルス1が印加される。このとき、関心のある領域ROIへの流入元と想定される領域(ラベル領域)が選択的に反転励起されるように、スライス選択傾斜磁場2が印加されるとともに、そのラベル領域の位置に対応するオフセット周波数3がインバージョンパルス1に付加されている。なお、ラベル領域は、例えば図9に点線で示した方向に印加することにより、、任意の方向に設定できる。これらの設定法については、Matt Bernstein et.al., JMRI, Vol.4, 105-108,1994等に示されている。
【0006】
インバージョンパルス1から、待ち時間(反転時間)TI[s] 後に、励起パルス4により撮影断面を励起する。位相エンコード傾斜磁場5を印加したのち、エコー時間TE後にエコー信号6を収集する。この一連の操作を画像の再構成に必要なエンコードステップ数だけ繰り返すことによって1回の撮影が完了する。
【0007】
エコー時間TEが反転時間TIにくらべ十分に短いとすると、血流が平均速度v[m/s] で一定方向に移動するとき、ラベル領域7内でプレサチュレートされた血流は、ほぼv×TI[m] だけ移動した位置でとらえらえる。これにより、撮影対象の撮影中の動きを観察することができる。
【0008】
この方法を診断に利用する場合、ラベル領域の場所の設定と、反転時間TIの設定とが、最も重要な撮影パラメータであり、しかしそれは操作者にとって直感的でなく使いにくいという問題があった。
【0009】
例えば、関心領域ROI付近での血流の動態を観察したいとき、プリサチュレートされた血流が励起パルス4を印加する時点で、ちょうど当該関心領域ROIに到達しているように、当該関心領域に対して適切な距離だけ上流の位置にラベル領域を設定する必要がある。この距離は、血流速度vと、反転時間TIとに依存して決まる。このため、目的の画像を収集するためには、反転時間TIを様々に変えながら撮影したり、ラベル領域を移動させながら撮影を繰り返す必要があり、非常に不便である。特に、撮影対象のT1値等の事情により、反転時間TIとして設定できる範囲は限られており、設定は困難な場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、磁気共鳴映像化装置において、ラベルされた血流を関心部分で映像化できるような好適な位置にラベル領域を簡便な操作で設定し、またはそのような好適な反転時間を簡便な操作で設定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1のパルスシーケンスのもとで、傾斜磁場印加中に特定の高周波パルスを印加することによって、撮影領域内のラベル領域中の移動体を含む撮影対象を磁気的にラベルし、前記高周波パルスから待ち時間の後に、前記撮影領域から信号を収集するための操作を実行することによって前記撮影対象がラベルされた第1の画像を取得し、第2のパルスシーケンスのもとで、前記特定の高周波パルスを印加しないで前記撮影領域から信号を収集するための操作を実行することによって前記撮影対象がラベルされていない第2の画像を取得することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、磁気共鳴映像化装置において、ラベルされた血流を関心部分で映像化できるような好適な位置にラベル領域を簡便な操作で設定し、またはそのような好適な反転時間を簡便な操作で設定できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明による磁気共鳴映像化装置(MRI装置)を実施形態により説明する。このMRI装置は、特徴的には、造影剤を使用することなく、被検体内の動く対象物(移動体)としての例えば血流の動態を表す画像を取得する非造影MRアンギオグラフィ(MRA)を実行する機能を有している。この非造影MRAを行なうパルスシーケンスには、選択励起の高調波反転(インバージョン)パルスを用いる。
【0014】
図1に本実施形態によるMRI装置の概略構成を示す。このMRI装置は、被検体としての患者Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心時相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部とを備えている。
【0015】
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石101と、この磁石101に電流を供給する静磁場電源102とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場Hを発生させる。なお、この磁石部にはシムコイル114が設けられている。このシムコイル114には、ホスト計算機106の制御下で、シムコイル電源115から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石101の開口部に退避可能に挿入できる。
【0016】
傾斜磁場発生部は、磁石101に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット103を備える。この傾斜磁場コイルユニット103は、互いに直交するX、Y及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル103x、103y、103zを備える。傾斜磁場部はまた、x,y,zコイル103x、103y、103zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもと、x,y,zコイル103x、103y、103zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0017】
傾斜磁場電源104からx,y,zコイル103x、103y、103zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸である3軸X,Y,Z方向の傾斜磁場を合成して、互いに直交するスライス方向傾斜磁場Gs、位相エンコード方向傾斜磁場Ge、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Grの各論理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は、静磁場Hに重畳される。
【0018】
送受信部は、磁石101内の撮影空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル107と、このコイル107に接続された送信器108T及び受信器108Rとを備える。この送信器108T及び受信器108Rは、シーケンサ105の制御のもとで動作する。送信器108Tは、核磁気共鳴(NMR)を起こさせるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル107に供給する。受信器108Rは、RFコイル107が受信したエコー信号(高周波信号)を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してエコー信号に応じたデジタル量のエコーデータ(原データ)を生成する。
【0019】
制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)105、ホスト計算機106、演算ユニット110、記憶ユニット111、表示器112、入力器113、音声発生器116、さらにMRAエキスパートシステム120を備える。この内、ホスト計算機106は、記憶したソフトウエア手順により、シーケンサ105にパルスシーケンス情報を指令するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有する。
【0020】
ホスト計算機106は、位置決め用スキャンなどの準備作業に引き続いて、パルスシーケンスに基づいてイメージングスキャンを実施する。このイメージングスキャンは、画像再構成に必要なエコーデータの組を収集するスキャンであり、ここでは2次元スキャンに設定されている。イメージングスキャンは、ECG信号に依るECGゲート法を併用して行われる。なお、このECGゲート法は場合によっては併用しなくてもよい。
【0021】
このパルスシーケンスとしては、3次元(3D)スキャンまたは2次元(2D)スキャン)である。そのパルス列の形態としては、SE(スピンエコー)法、FSE(高速SE)法、FASE(高速 Asymmetric SE)法(すなわち、高速SE法にハーフフーリエ法を組み合わせたイメージング法)、EPI(エコープラナーイメージング)法、などが用いられる。
【0022】
シーケンサ105は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機106から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源104、送信器108T、受信器108Rの動作を制御するとともに、受信器108Rが出力したエコーデータを一旦入力し、これを演算ユニット1010に転送するように構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源104、送信器108Tおよび受信器108Rを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル103x、103y、103zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
【0023】
また、演算ユニット110は、受信器108Rが出力したエコーデータ(原データ又は生データ)をシーケンサ105を通して入力し、その内部メモリ上のフーリエ空間(k空間または周波数空間とも呼ばれる)にエコーデータを配置し、このエコーデータを各組毎に2次元又は3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。また演算ユニットは、必要に応じて、画像に関するデータの合成処理、差分演算処理などを行うことができる。
【0024】
この合成処理には、2次元の複数フレームの画像データを対応する画素毎に加算する加算処理、3次元データに対して視線方向の最大値又は最小値を選択する最大値投影(MIP)又は最小値(MIP)投影処理などが含まれる。また、合成処理の別の例として、フーリエ空間上で複数フレームの軸の整合をとってエコーデータのまま1フレームのエコーデータに合成するようにしてもよい。なお、加算処理には、単純加算処理、加算平均処理、重み付け加算処理などが含まれる。
【0025】
記憶ユニット111は、再構成された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管することができる。表示器112は画像を表示する。また入力器113を介して、術者が希望する撮影条件、パルスシーケンス、画像合成や差分演算に関する情報をホスト計算機106に入力できる。
【0026】
さらに、心電計測部は、被検体の体表に付着させてECG信号を電気信号として検出するECGセンサ117と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施してホスト計算機106およびシーケンサ105に出力するECGユニット118とを備える。この心電計測部による計測信号は、イメージングスキャンを実行するときにシーケンサ105により用いられる。これにより、ECGゲート法(心電同期法)による同期タイミングを適切に設定でき、この同期タイミングに基づくECGゲート法のイメージングスキャンを行ってデータ収集できるようになっている。
【0027】
MRAエキスパートシステム120は、ラベル領域の位置と、インバージョンパルスから励起パルスまでの待ち時間(反転時間)TIとの設定を支援する機能を備えている。この支援機能としては、撮影断面の位置決め及びラベル領域のポジショニングのために予め取得された参照画像を、ラベル領域を表すマークと、インバージョンパルスでラベルされた血流がラベル領域から反転時間TIを経て励起パルス印加時点に到達する位置を表す指標とともに表示器112に表示させるというもので、その支援モードとして、本実施形態では、2種類容易する。操作者は、第1と第2の2種類の支援モードを選択的に用いることができる。
【0028】
第1の支援モードでは、ある反転時間TIを想定し、その想定した反転時間TIのもとで様々な血流速度vに対応する複数の到達位置が提示され、一方、第2の支援モードは、ある血流速度vを想定し、その想定した血流速度vのもとで様々な反転時間TIに対応する複数の到達位置が提示される。
【0029】
図2(a)に第1の支援モードにおけるラベル領域の設定支援画面の一例を示している。参照画像9は、本スキャン前に、スピンエコー又はエコープラナー法等を使って比較的低解像度仕様で取得された画像である。ラベル領域の設定シーンでは、MRAエキスパートシステム120により、この参照画像9上に、ラベル領域を表す矩形のマーク10が、血流がラベル領域から、想定した反転時間TIを経て、様々な血流速度vのもとで到達する複数の想定位置を点線で表す複数のラインマーク11と、それぞれ対応する想定流速Vと、想定した反転時間TIとともに表示される。図2では、3本のラインマーク11が、それぞれ対応する流速10cm/s、20cm/s、30cm/sの付箋とともに表示される。ラインマーク11とそれぞれ対応する流速との関係は、任意に設定可能であり、操作者が数値設定するようにしてもよいし、検査部位に応じてデフォルト値として設定されるようにしてもよい。
【0030】
各ラインマーク11は、それぞれ対応する流速をvとして、それらに、想定した反転時間TIをかけた距離の画像縮尺換算距離を、ラベル領域マーク10の端(又は中央)から、離間させた位置であって、ラベル領域マーク10の長軸と平行に配置される。
【0031】
操作者は、参照画像9で関心領域ROIを確認し、そのROIの位置に対してラインマーク11を参考にして、関心領域ROIに対して好適な位置にラベル領域をそのマーク10により設定でき、またラベル領域を固定した状態で、想定した反転時間TIを変更することで、反転時間TIを好適な時間に設定することができる。具体的には、操作者は、入力器113の例えばマウス等のポインタを操作して、参照画像9上でラベル領域のマーク10を移動し、また必要に応じてその形状を変化させる。また、操作者は、入力器113の例えばキーボードをたたいて想定反転時間TIを変更する。
【0032】
ラベル領域のマーク10が移動されたとき、MRAエキスパートシステム120は、参照画像9上のラインマーク11の位置を再計算し、その位置にラインマーク11を再表示させる。それによりラベル領域のマーク10の移動に追従して、ラインマーク11の表示位置が移動する。
【0033】
想定反転時間TIが変更されたとき、MRAエキスパートシステム120は、その変更された反転時間TIに従って、参照画像9上のラインマーク11の位置を再計算し、その位置にラインマーク11を再表示させる(図2(b)参照)。
【0034】
さらに、操作者は、ラベル領域のマーク10を回転操作することが可能である。図3には、回転されたラベル領域のマーク13を示している。ラベル領域のマーク13の長軸との平行を維持するように、MRAエキスパートシステム120は、このラベル領域のマーク13の回転に追従して、ラインマーク11を傾斜させる。撮影対象はラベル領域からどの方向にも移動する可能性があるので、ラベル領域のマーク13の長軸と平行に、上下どちらもラインマーク14を点線で表示する。
【0035】
また、操作者は、ラベル領域のマーク10の形状を、円形に変更することが可能である。図4には、円形に変更されたラベル領域のマーク19を示している。ラベル領域のマーク13と同心円を描くように、MRAエキスパートシステム120は、ラベル血流の到達位置を表すマーク20を円形に変更する。ラベル領域のマーク13の中心又は辺縁から、各マーク20までの距離は、矩形の場合と同様に、TI×vに相当する距離に設定される。なお、このような矩形でない領域を反転励起する方法に関しては、P.A.Bottomley, et.al., J.of Appl. Phys. Vol62, 4284, 1987 あるいは、C.J. Hardy ,et.al., J.of Magn. Reso.,Vol77, 233-250, 1988に示されている。
【0036】
次に、第2の支援モードについて説明する。上述の第1の支援モードでは、反転時間TIを想定し、それのもとで様々な血流速度vに対応する複数の到達位置が提示されていたが、この第2の支援モードは、ある血流速度vを想定し、それのもとでの様々な反転時間TIに対応する複数の到達位置を提示する。
【0037】
図5(a)に第2の支援モードにおけるラベル領域の設定支援画面の一例を示している。MRAエキスパートシステム120により、参照画像9上に、ラベル領域を表す矩形のマーク15が、血流がラベル領域から、想定した流速で流れ出て、様々な反転時間TIを経て到達する複数の想定位置を点線で表す複数のラインマーク16と、それぞれ対応する反転時間TIと、想定した流速Vともに表示される。
【0038】
図5(a)では、3本のラインマーク16が、それぞれ対応する反転時間TI200ms、400ms、600msの付箋とともに表示される。ラインマーク16とそれぞれ対応する反転時間TIとの関係は、任意に設定可能であり、操作者が数値設定するようにしてもよいし、検査部位に応じてデフォルト値として設定されるようにしてもよい。
【0039】
各ラインマーク16は、それぞれ対応する反転時間TIに、想定した流速vをかけた距離に相当する距離を、ラベル領域マーク15の端(又は中央)から、画像の縮尺で離間させた位置であって、ラベル領域マーク15の長軸と平行に配置される。
【0040】
操作者により、入力器113の例えばマウス等のポインタを操作して、参照画像上でラベル領域のマーク15が移動されたとき、MRAエキスパートシステム120は、ラベル領域のマーク15の移動に従って、参照画像上のラインマーク16の位置を再計算し、その位置にラインマーク16を再表示させる。それによりラベル領域のマーク15の移動に追従して、ラインマーク16の表示位置が移動する。また、操作者により想定流速vが変更されたとき、MRAエキスパートシステム120は、その変更された想定流速vに従って、参照画像上のラインマーク18の位置を再計算し、その位置にラインマーク18を再表示させる(図5(b)参照)。さらに、第1の支援モードと同様に、ラベル領域のマーク15を回転操作することが可能であり、そのときラベル領域のマーク15の長軸との平行を維持するようにラインマーク16は傾斜される。また、ラベル領域のマーク15の形状が円形に変更されたとき、そのラベル領域のマーク15と同心円を描くように、ラベル血流の到達位置を表すマーク16が円形に変更される。
【0041】
このように本実施形態では、反転時間TIを想定して様々な流速vでのそれぞれの到達位置を、ラベル領域の位置設定又は反転時間TIの調整のための指標として表示し、また逆に、流速vを想定して様々な反転時間TIでのそれぞれの到達位置を、ラベル領域の位置設定の指標として表示するようにしたことで、好適な位置にラベル領域を設定し、又は好適な反転時間TIを設定することができる。
【0042】
以上のように設定されたラベル領域の位置、反転時間TIに従って、MRAエキスパートシステム120は、標準パルスシーケンスを更新し、そのデータをシーケンサ105に供給する。シーケンサ105は、供給されたパルスシーケンスのデータに従って、傾斜磁場電源104、送信器108T及び受信器108Rを制御することにより、当該パルスシーケンスを実行する。
【0043】
次に、パルスシーケンスの実行により収集されたMRデータにより演算ユニット110で画像データが生成され、表示器112で表示される。MRAエキスパートシステム120は、この画像データの表示に際して、診断支援情報を提供する機能を備える。
【0044】
図6は、画像の表示画面の一例を示している。24は生成された画像であり、この画像24上に、ラベル領域を示すマーク21と、血流速度スケール22とが重ねられる。なお、23は、ラベルされた血流像を示している。速度スケール22には、撮影のために使われたパルスシーケンスの反転時間TIに対して、様々な血流速度vとかけた距離に相当する画像上の距離で目盛られている。このスケール22により、ラベルされた血流23の流動経路を推定することができる。
【0045】
さらに、MRAエキスパートシステム120は、血流の平均速度を計算する機能を備えている。図7は、血流の平均速度計算時の画面を示している。25はラベル領域マークである。画像上には、血管像31とともに、ラベルされた血流30が例えば低信号として表示される。操作者は、ポインタ29を操作して、ラベル領域から、測定対象としてのラベルされた血流30までの経路を、血管像31に従って複数の直線27を関節(頂点)26で近似的になぞっていく。つまり、操作者は、ラベル領域の下の端から、撮影対象30が移動したと思われる経路をポインタ29でなぞりながら順次マウスクリックにより関節26を指定していく。
【0046】
MRAエキスパートシステム120は、折れ線27の距離L[m] を実際の距離に換算すると共に、その距離Lを、反転時間TI[m/s] でわり算することにより、平均速度を計算し、それを数値28で表示する。これにより、撮影対象の速度が正確にしかも簡便に測定できるようになり、操作者にとって便利である。必要に応じて、エコー時間TE[s] の間の撮影対象の移動による速度の補正をしてもよい。
【0047】
図8は、MRAエキスパートシステム120により提供されるパルスシーケンスを示している。Aで示す部分は、図9で示した従来例と同じである。Bで示す部分は、A部分から、インバージョンパルス1,スライス選択用傾斜磁場パルス2,ラベル領域のロケーションのための周波数シフトパルス3を含むプリサチュレーション部分を削除して、信号発生部分40だけの部分である。機能的には、インバージョンパルス1だけを削除してもよい。A部分とB部分の撮影を交互に行い、それぞれ別に画像を再構成し、2組の画像データを得る。得られた画像データの差画像を作成することにより、撮影対象(ここでは血流)の動きのない部分からの信号を抑制できる。これにより、動きのある部分をより明瞭に描出することができる。図6の速度スケールは22は図8の差画像にも表示される。また図8の差画像上で、図7の平均速度計算のための設定を行うようにしてもよい。
【0048】
図8のパルスシーケンスは、プレサチュレーション部分(インバージョンパルス1,スライス選択用傾斜磁場パルス2,ラベル領域のロケーションのための周波数シフトパルス3)の後であって、信号発生部分(実際のイメージングパルス列部分)40の前に、高周波反転パルス1を、スライス選択用傾斜磁場パルス2及びラベル領域のロケーションのための周波数シフトパルス3を印加しないで、もう一度印加することによって、プレサチュレート領域を、A部分の反転励起領域以外の領域に設定するようにしてもよい。つまり、上記方法では、ラベル領域を、それ以外の領域に対して、低信号化することでラベル化を実現していたが、逆に、ラベル領域以外の領域を低信号化することでラベル領域を抽出できるようにしてもよい。
【0049】
また、図8で40で示される実際のイメージングの部分は、FE法の場合を示したが、その他のパルスシーケンス例えば、スピンエコー(spin echo) 法、エコープラナー(echo planar) 法、レア(RARE)法(fast spin echo法ともいう)、trueFISP法などでも可能である。また、撮影対象の動きは、心時相、呼吸による体動に関係したものも多いため、高周波反転パルスの印加に関しては、心電同期、脈波同期、呼吸同期などの波形に合わせて同期させて収集してもよい。呼吸同期波形のトリガ後、始めての心電波形に同期させて収集してもよい。
【0050】
(変形例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明による磁気共鳴映像化の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】図1のMRAエキスパートシステムによる流速指標を含むラベル領域設定画面の一例を示す図。
【図3】図1のMRAエキスパートシステムによる流速指標を含むラベル領域設定画面の他の例を示す図。
【図4】図1のMRAエキスパートシステムによる流速指標を含むラベル領域設定画面のさらに他の例を示す図。
【図5】図1のMRAエキスパートシステムによるTI指標を含むラベル領域設定画面の一例を示す図。
【図6】図1のMRAエキスパートシステムにより再構成画像とともに表示されるラベル領域マーク及び流速スケールの一例を示す図。
【図7】図1のMRAエキスパートシステムによる平均速度計算のための設定画面の一例を示す図。
【図8】図1のMRAエキスパートシステムによるMRAサブトラクション用のパルスシーケンスの一例を示す図。
【図9】一般的なフローイメージング法のパルスシーケンスの一例を示す図。
【図10】従来のラベル領域設定画面を示す図。
【符号の説明】
【0052】
101…磁石
102…静磁場電源
103…傾斜磁場コイルユニット
104…傾斜磁場電源
105…シーケンサ
106…ホスト計算機
107…RFコイル
108T…送信器
108R…受信器
110…演算ユニット
111…記憶ユニット
112…表示器
113…入力器
120…MRAエキスパートシステム。




 

 


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