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発明の名称 乗物用シート
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−111121(P2007−111121A)
公開日 平成19年5月10日(2007.5.10)
出願番号 特願2005−303282(P2005−303282)
出願日 平成17年10月18日(2005.10.18)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
発明者 藤本 宰
要約 課題
所定の場合にサイドホールド性を確保することができる乗物用シートを得る。

解決手段
車両用シート10は、シートクッション12の幅方向端部に座面部20よりも上方に突出したサイドサポート22を有する。サイドサポート22は、可動サイドサポート保持部材26が圧縮コイルスプリング32の付勢力で保持位置に位置して形状が保持され、所定値以上の下向きに荷重によって可動サイドサポート保持部材26が保持位置よりも下方の退避位置に至ると圧縮変形し得る。ロック部材38は、幅方向外向きの加速度によって錘部42が幅方向外側に移動すると、可動サイドサポート保持部材26を保持位置にロックするロック位置に至る。
特許請求の範囲
【請求項1】
シートクッション又はシートバックの側部に設けられ、サイドサポートを着座者の側方に突出するように保持する保持位置と、該保持位置に対し前記サイドサポートの突出側とは反対側の退避位置とを取り得るサイドサポート支持部材と、
前記サイドサポート支持部材を前記保持位置に偏倚させ、前記退避位置側への所定値以上の荷重によって前記サイドサポート支持部材の前記保持位置への偏倚状態が解除される偏倚手段と、
前記サイドサポート支持部材の前記退避位置への移動を許容するロック解除位置と、前記サイドサポート支持部材に係合することで該サイドサポート支持部材を前記保持位置にロックするロック位置とを取り得るロック部材と、
前記シートクッション又はシートバックの幅方向に作用する所定値以上の荷重によって前記ロック部材を前記ロック解除位置から前記ロック位置に移動させる移動力付与手段と、
を備えた乗物用シート。
【請求項2】
前記移動力付与手段は、前記シートクッション又はシートバックの幅方向外向きに作用する加速度によって、前記ロック部材を前記ロック解除位置から前記ロック位置に移動させるようになっている請求項1記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記移動力付与手段は、前記シートクッションの座面又は前記シートバックの上体支持面に対する前記サイドサポートの突出方向に沿う軸線廻りに回動するアーム部材を有し、該アーム部材の前記軸線に対する一端側が前記シートクッション又はシートバックの幅方向外向きの荷重が作用する荷重入力部とされると共に、前記アーム部材の前軸線に対する他端側に前記ロック部材が設けられて構成されている請求項1記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記サイドサポート支持部材は、前記シートクッションの側部に設けられた前記サイドサポートを前記座面よりも上方に突出するように保持する保持位置と、該保持位置よりも下側の退避位置とを取り得る構成とされており、
前記ロック部材又は荷重入力部は、前記シートクッションに着座した着座者の脚が側方に動く際に該脚によって押圧されるように配置されている請求項1又は請求項3記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記ロック部材を前記ロック解除位置側に付勢する付勢手段をさらに備えた請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の乗物用シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車等の乗物に搭載される乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
シートクッションの側方に該シートクッションの座面よりも上方に突出したシートサイド部(サイドサポート)を有し、サイドホールド性を確保した車両用シートにおいて、着座時はサイドサポートをトーションスプリングで上向きに付勢してサイドホールド性を確保し、シート折り畳みの際にはシートサイド部をシートクッションと同じ高さとして全体厚みを薄くすることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−316663号公報
【特許文献2】実開平1−167928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の如き従来の技術では、シート折り畳みの際にシートサイド部を引き下げ得るように、単にトーションスプリングの付勢力でシートサイド部をサイドホールド位置に保持する構成であるため、トーションスプリングの付勢力よりも大きな下向き荷重がシートサイド部に作用した場合には該シートサイド部が下方に変位してサイドホールド性を確保することができなることが懸念される。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、所定の場合にサイドホールド性を確保することができる乗物用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る乗物用シートは、シートクッション又はシートバックの側部に設けられ、サイドサポートを着座者の側方に突出するように保持する保持位置と、該保持位置に対し前記サイドサポートの突出側とは反対側の退避位置とを取り得るサイドサポート支持部材と、前記サイドサポート支持部材を前記保持位置に偏倚させ、前記退避位置側への所定値以上の荷重によって前記サイドサポート支持部材の前記保持位置への偏倚状態が解除される偏倚手段と、前記サイドサポート支持部材の前記退避位置への移動を許容するロック解除位置と、前記サイドサポート支持部材に係合することで該サイドサポート支持部材を前記保持位置にロックするロック位置とを取り得るロック部材と、前記シートクッション又はシートバックの幅方向に作用する所定値以上の荷重によって前記ロック部材を前記ロック解除位置から前記ロック位置に移動させる移動力付与手段と、を備えている。
【0006】
請求項1記載の乗物用シートでは、サイドサポート支持部材が保持位置に位置してサイドサポートの突出状態を保持すると共にロック部材がロック解除位置に位置する状態では、サイドサポート支持部材は退避位置側への所定値以上の荷重が作用すると退避位置に移動する。移動力付与手段にシート幅方向の別途所定値以上の荷重が作用すると、移動力付与手段はロック部材をロック位置に移動させる。このロック状態でサイドサポート支持部材は、退避位置側に所定値以上の荷重が作用しても退避位置に移動することが防止され、サイドサポート性が確保される。
【0007】
このように、請求項1記載の乗物用シートでは、所定の場合にサイドホールド性を確保することができる。
【0008】
請求項2記載の発明に係る乗物用シートは、請求項1記載の乗物用シートにおいて、前記移動力付与手段は、前記シートクッション又はシートバックの幅方向外向きに作用する加速度によって、前記ロック部材を前記ロック解除位置から前記ロック位置に移動させるようになっている。
【0009】
請求項2記載の乗物用シートでは、例えば搭載された乗物の旋回などに伴ってシート幅方向外向きに加速度が作用すると、この加速度に基づき移動力付与手段にシート幅方向外向きに別途所定値以上の荷重が作用することで、ロック部材がロック位置に至る。このため、移動力付与手段は、例えば設定荷重(別途所定荷重)、想定加速度に応じた質量を有していれば足り、構造が簡単である。なお、この構成では、所定の質量を有するロック部材自体(ロック部材の質量)を移動力付与手段とすることも可能である。
【0010】
請求項3記載の発明に係る乗物用シートは、請求項1記載の乗物用シートにおいて、前記移動力付与手段は、前記シートクッションの座面又は前記シートバックの上体支持面に対する前記サイドサポートの突出方向に沿う軸線廻りに回動するアーム部材を有し、該アーム部材の前記軸線に対する一端側が前記シートクッション又はシートバックの幅方向外向きの荷重が作用する荷重入力部とされると共に、前記アーム部材の前軸線に対する他端側に前記ロック部材が設けられて構成されている。
【0011】
請求項3記載の乗物用シートでは、荷重入力部に別途所定値以上のシート幅方向外向きの荷重が作用したアーム部材は、軸線廻りに回動して、該軸線に対し荷重入力部とは反対側に位置するロック部材をロック位置に移動する。これにより、ロック部材の配置自由度が増す。
【0012】
請求項4記載の発明に係る乗物用シートは、請求項1又は請求項3記載の乗物用シートにおいて、前記サイドサポート支持部材は、前記シートクッションの側部に設けられた前記サイドサポートを前記座面よりも上方に突出するように保持する保持位置と、該保持位置よりも下側の退避位置とを取り得る構成とされており、前記ロック部材又は荷重入力部は、前記シートクッションに着座した着座者の脚が側方に動く際に該脚によって押圧されるように配置されている。
【0013】
請求項4記載の乗物用シートでは、シートクッションのサイドサポート保持用にサイドサポート支持部材、偏倚手段、ロック部材、移動力付与手段が設けられており、例えば搭載された乗物の旋回などに伴ってシート着座者にシート幅方向の加速度が作用すると、該加速度によってシート外方に移動する脚によってロック部材又はアーム部材の荷重入力部が押圧される。これにより、ロック部材がロック位置に移動してサイドサポート支持部材が保持位置に保持される。このように、本乗物用シートでは、シート幅方向の加速度によって着座者の腰部が移動する前に移動を開始する脚によってロック部材を確実にロック位置に移動することができる。
【0014】
請求項5記載の発明に係る乗物用シートは、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の乗物用シートにおいて、前記ロック部材を前記ロック解除位置側に付勢する付勢手段をさらに備えた。
【0015】
請求項5記載の乗物用シートでは、ロック部材をロック解除位置に付勢する付勢部材を有するため、移動力付与手段に別途所定値以上のシート幅方向の荷重が作用しない場合、該荷重が解除された場合には、ロック部材がロック解除位置に偏倚される。このため、サイドサポート支持部材の退避位置への移動が許容され、例えば乗物への乗員の乗降やシートの折り畳み時にサイドサポートが邪魔になることが防止される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明に係る乗物用シートは、所定の場合にサイドホールド性を確保することができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の第1の実施形態に係る乗物用シートとしての車両用シート10について、図1乃至図4に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UPは、それぞれ車両用シート10が適用された自動車の前方向(進行方向)、上方向を示しており、矢印OUTは車幅方向に一致するシート幅方向の外側を示している。
【0018】
図2には、車両用シート10の概略全体構成が正面図にて示されている。この図に示される如く、車両用シート10は、自動車の乗員が着座するシートクッション12と、着座した乗員の上体を背後から支持するシートバック14とを有する。シートクッション12は、シートクッションフレーム16にクッション材18を設けて、車幅方向に一致する幅方向の中央部に位置する座面部20の幅方向外側にそれぞれサイドサポート22が形成されて構成されている。一対のサイドサポート22は、互いに対称に構成されるので、以下、一方のサイドサポート22についてのみ説明する。
【0019】
シートクッション12の幅方向端部では、内部からサイドサポート支持部24によって支持されたサイドサポート22が座面部20よりも上方に突出して、乗員(着座者)をホールドする(乗員の幅方向外側への位置ずれを抑制する)ようになっている。そして、車両用シート10では、サイドサポート支持部24が可動サイドサポート支持部材26を有し、所要の乗員ホールド性能を確保しつつ使い勝手の良い構造が実現されている。以下、具体的に説明する。
【0020】
図1に示される如く、可動サイドサポート支持部材26は、クッション材18内で該クッション材18を支持する支持板部26Aと、支持板部26Aから垂下された被ガイド軸部26Bとを有する。支持板部26Aは、幅方向内側が下向きに湾曲し、車幅方向外向きの荷重の一部を下向きの荷重に変換するカム形状とされている。
【0021】
また、サイドサポート支持部24は、ブラケット28を介して、シートクッションフレーム16の側部を構成するサイドフレーム16Aに固定されたガイド筒30を有する。ガイド筒30は、その軸線が座面部20に対する直立方向である上下方向に略一致されると共に、上端が開口部30Aとされている。
【0022】
ガイド筒30には、可動サイドサポート支持部材26の被ガイド軸部26Bが軸線方向へのスライド可能に挿入されている。これにより、可動サイドサポート支持部材26は、ガイド筒30にガイドされて上下方向に移動可能とされており、サイドサポート22が適正な形状に形成されるように該クッション材18を支持する保持位置(図1参照)と、保持位置よりも下方に位置することでサイドサポート22の圧縮(潰れ)を許容する退避位置(図4(C)参照)とを取り得る構成とされている。なお、図1、図4には、着座(沈み込み)状態の乗員Pの臀部(腰部)Hを破線にて示している。
【0023】
ガイド筒30の底部30Bと被ガイド軸部26Bの下端面との間には、偏倚手段としての圧縮コイルスプリング32が配設されている。圧縮コイルスプリング32は、可動サイドサポート支持部材26を上方に付勢して保持位置に偏倚させている。退避位置は、定位置はないが、圧縮コイルスプリング32が底付きする下限位置と保持位置との間の位置とされる。可動サイドサポート支持部材26は、圧縮コイルスプリング32の付勢力に抗する所定値以上の下向きの荷重が作用した場合に退避位置に至る。この実施形態では、上記カム形状とされた支持板部26Aが幅方向外向きに移動する乗員に押圧されることで、可動サイドサポート支持部材26が保持位置から退避位置に移動(下降)し得る構成とされている。
【0024】
そして、サイドサポート支持部24は、所定の場合に可動サイドサポート支持部材26を保持位置にロックするためのロック機構34を備えている。ロック機構34は、可動サイドサポート支持部材26の被ガイド軸部26Bに設けられたロック係合部36と、ロック係合部に係合するロック位置と該係合が解除されるロック解除位置とを取り得るロック部材38とを有する。
【0025】
図1に示される如く、ロック係合部36は、幅方向内向きに開口した凹部として形成されている。また、ガイド筒30には、ロック部材38がロック係合部36にアクセスするためのスリット40が形成されている。ロック部材38は、前後方向に長手とされたロック部38Aを有し、ロック部38Aがスリット40に入り込んでロック係合部36に係合するロック位置に位置することで、ガイド筒30に対する可動サイドサポート支持部材26の上下動を規制するようになっている。
【0026】
図3(A)に示される如く、ロック部材38は、ロック部38Aの前後端から幅方向外側延設された前後一対の被ガイド部38Bと、一対の被ガイド部の幅方向外端同士を連結する連結部38Cとを有し、ロック部38Aを含み全体としてガイド筒30を囲む矩形枠状に形成されている。連結部38Cには、所定質量を有する移動力付与手段としての錘部42が連結されている。
【0027】
一方、ガイド筒30には、ロック部材38の被ガイド部38Bを幅方向にスライド可能にガイドする上下一対のガイドフランジ44が、前後一対設けられている。これにより、ロック部材38は、ガイドフランジ44にガイドされて幅方向に移動することで、ロック部38Aがロック係合部36に係合する(入り込む)ロック位置(図4(B)参照)と、ロック部38Aがロック係合部36から抜け出たロック解除位置(図1参照)を取り得る構成とされる。
【0028】
また、図3(A)の3B−3B線に沿う断面図である図3(B)に示される如く、ロック機構34は、付勢部材としてのリターンスプリング46を有している。リターンスプリング46は、圧縮コイルスプリングとされており、幅方向外端が上下のガイドフランジ44間に位置するスプリング受け壁48に当接すると共に、幅方向内端が38Aの幅方向外向き面に当接している。これにより、リターンスプリング46は、ロック部材38を幅方向内側に付勢してロック解除位置に偏倚させる構成とされている。
【0029】
以上説明したロック機構34は、車両用シート10に所定値以上の幅方向外向きの加速度が作用した場合に、ロック部38Aがリターンスプリング46の付勢力に抗してロック解除位置からロック位置へ移動するように、錘部42(ロック部材38全体として)の質量が設定されている。
【0030】
なお、ロック機構34は、ガイド筒30を上下のガイドフランジ44間の上下で分割構造とするか、矩形枠状のロック部材38を分割構造とすることで、容易に組み立てることができる。
【0031】
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
【0032】
上記の構成の車両用シート10では、搭載された自動車の直線走行状態や停止状態では、図1及び図4(A)に示される如く、可動サイドサポート支持部材26が圧縮コイルスプリング32の付勢力によって保持位置に位置してサイドサポート22を適正な形状に保持すると共に、リターンスプリング46の付勢力によってロック部材38がロック解除位置に位置して可動サイドサポート支持部材26の退避位置への移動を許容している。このため、乗員Pは、サイドサポート22により過度に拘束されることがなく、比較的自由な着座姿勢を取り得る。
【0033】
一方、車両用シート10が搭載された自動車の旋回中(カーブ走行中)には、車両用シート10すなわちロック部材38(錘部42)に幅方向外向きの加速度が作用する。この加速度が所定値以上であると、ロック部材38はリターンスプリング46の付勢力に抗して幅方向外向きに移動し、図4(B)に示される如くロック部材38のロック部38Aが可動サイドサポート支持部材26のロック係合部36に係合する。
【0034】
これにより、可動サイドサポート支持部材26は、退避位置への移動が阻止された保持位置へのロック状態とされ、上記所定値以上の下向き荷重(支持板部26Aによって下向き荷重に変換される幅方向外向き荷重)が作用してもサイドサポート22を適正な形状に維持し続ける。したがって、車両用シート10では、その乗員Pにも幅方向外向きの加速度が作用する自動車の旋回中に、図4(B)に示す如くサイドサポート22が該乗員P(の特に腰部)を効果的に拘束するので、ホールド性に優れる。
【0035】
自動車が旋回を終えて直線走行に至ると、ロック部材38はリターンスプリング46の付勢力によってロック解除位置に復帰する。
【0036】
そして、自動車が停止して車両用シート10の乗員Pが降車する際には、図4(C)に示される如く、該乗員Pの脚Lに押圧された可動サイドサポート支持部材26は退避位置に移動し、サイドサポート22は圧縮変形される。これにより、乗員Pは、自然な姿勢で足を路面に着地させることができる。同様に、乗車の際にも乗員Pの体重でサイドサポート22圧縮されるので、自然な姿勢で乗車することができる。
【0037】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シート10では、幅方向外向きの加速度によって可動サイドサポート支持部材26を保持位置にロックするロック機構34を設けたため、自動車の旋回中等のサイドホールド性が要求される所定の場合に所要のサイドホールド性を確保することが実現された。しかも、車両用シート10では、アクチュエータに頼ることのない簡単な構造で、上記所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現されている。
【0038】
一方、車両用シート10では、ロック部材38をロック解除位置に偏倚させるリターンスプリング46を備えるため、通常使用時に可動サイドサポート支持部材26が保持位置にロックさせてしまうことがない。このため、車両用シート10では、乗降性等の通常使用時の使い勝手を向上しつつ、上記所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。
【0039】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略し、また図示を省略する場合がある。
【0040】
(第2の実施形態)
図5(A)には、第2の実施形態に係る車両用シート50の幅方向の一端側における概略構成が平面図にて示されており、図5(B)には、車両用シート50の概略構成が側面図にて示されている。これらの図に示される如く、車両用シート50は、ロック機構34に代えてロック機構52を備えている点で、第1の実施形態に係る車両用シート10とは異なる。
【0041】
ロック機構52は、略矩形平板状のロック部材54がスリット40を通じて可動サイドサポート支持部材26のロック係合部36に係合するロック位置に位置することで、可動サイドサポート支持部材26を保持位置にロックするようになっている。ロック部材54は、ガイド筒30に対する幅方向外側がロック解除位置とされており、該ロック解除位置から幅方向内側に移動してロック位置を取る構成とされている。
【0042】
このロック部材54は、前後方向に沿って長手とされたアーム部材56の後端側に幅方向内向きに突出するように設けられている。アーム部材56は、その長手方向中間部に設けられた支持ボス部56Aに挿通された上下方向(座面部20に対する直立方向)に沿う軸線を有する回動軸58によって、略水平面内での回動可能に軸支されている。これにより、ロック部材54は、アーム部材56が回動軸58に対し前側部分を幅方向外向き移動させるように矢印A方向に回動するとロック解除位置からロック位置に移動し、ロック位置から矢印Aとは反対向きの矢印B方向に回動することでロック解除位置に移動する構成とされている。
【0043】
また、ロック機構52は、アーム部材56を矢印B方向に付勢する付勢部材としてのリターンスプリング60を備えている。リターンスプリング60は、コイル部分に回動軸58を挿通させかつ一端側がアーム部材56に係止されると共に他端側がサイドフレーム16Aに係止された捻りコイルばねとされている。リターンスプリング60によって矢印B方向に付勢されたアーム部材56は、ストッパ62に係合することでロック部材54をロック解除位置に位置させる構成とされている。
【0044】
一方、アーム部材56における回動軸58に対しロック部材54設置位置とは反対の前端部には、荷重入力部としての押圧板部64が設けられている。押圧板部64は、上下方向及び前後方向に沿う平板状に形成され、サイドサポート22内に配設されている。押圧板部64は、図6(A)に示される如く乗員Pの脚Lが幅方向外側に移動する際に、図6(B)に示される如く該脚Lに押圧されて幅方向外側に移動するようになっている。したがって、ロック機構52では、乗員Pの脚Lが幅方向外側に移動しようとすると、アーム部材56が矢印A方向に回動してロック部材54がロック位置に至る設定とされている。
【0045】
このように、アーム部材56は、押圧板部64に入力した脚Lからの荷重をリターンスプリング60に抗するロック部材54のロック位置側への移動力に変換する移動力付与手段としての機能と、ロック部材54とロック位置とロック解除位置との間の所定起動でガイドするガイド機能とを果たす構成とされている。
【0046】
以上説明した車両用シート50では、搭載された自動車の直線走行状態や停止状態では可動サイドサポート支持部材26が圧縮コイルスプリング32の付勢力によって保持位置に位置してサイドサポート22を適正な形状に保持すると共に、図5(A)に実線にて示される如く、リターンスプリング60の付勢力によってロック部材54がロック解除位置に位置して可動サイドサポート支持部材26の退避位置への移動を許容している。このため、乗員Pは、サイドサポート22により過度に拘束されることがなく、比較的自由な着座姿勢を取り得る。
【0047】
一方、車両用シート50が搭載された自動車の旋回中(カーブ走行中)等に車両用シート50の乗員P乗員に幅方向外向きの加速度が作用すると、該乗員の脚Lが腰部よりも時間的に先に幅方向外側に動き出す。幅方向外側に所定距離以上動いた脚Lは、該クッション材18を介して押圧板部64を幅方向外側に押圧してアーム部材56を矢印A方向に回動させ、ロック部材54を可動サイドサポート支持部材26のロック係合部36に係合するロック位置に移動させる。
【0048】
これにより、可動サイドサポート支持部材26は、退避位置への移動が阻止された保持位置へのロック状態とされ、所定値以上の下向き荷重(支持板部26Aによって下向き荷重に変換される幅方向外向き荷重)が作用してもサイドサポート22を適正な形状に維持し続ける。したがって、車両用シート50では、その着座車にも幅方向外向きの加速度が作用する自動車の旋回中に、サイドサポート22が該乗員P(の特に腰部)を効果的に拘束するので、ホールド性に優れる。
【0049】
自動車が旋回を終えて直線走行に至ると、ロック部材54はリターンスプリング60の付勢力によってロック解除位置に復帰する。
【0050】
そして、自動車が停止して車両用シート50の乗員Pが降車する際には、乗員Pの脚Lがサイドサポート22上に載ることで、ロック部材54がロック位置に移動することがなく又はロック位置側に移動したロック部材54がロック解除位置に復帰し、該乗員Pの脚Lに押圧された可動サイドサポート支持部材26は退避位置に移動し、サイドサポート22は圧縮変形される。これにより、乗員Pは、自然な姿勢で足を路面に着地させることができる。同様に、乗車の際にも乗員Pの体重でサイドサポート22圧縮されるので、自然な姿勢で乗車することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る車両用シート50では、幅方向外向きの荷重によって可動サイドサポート支持部材26を保持位置にロックするロック機構52を設けたため、自動車の旋回中等のサイドホールド性が要求される所定の場合に所要のサイドホールド性を確保することが実現された。
【0052】
しかも、車両用シート50では、アクチュエータに頼ることのない簡単な構造で、上記所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。特に、アーム部材56を介してロック部材54を駆動する構造であるため、ロック機構の配置自由度が高い。さらに、ロック機構52は、幅方向外向きの加速度が作用した場合に乗員Pの腰部よりも脚Lが先に幅方向外側に移動する特性を利用して、脚Lに押圧(無意識に操作)される押圧板部64をアーム部材56におけるロック部材54とは反対側に設けたため、ロック部材54を確実にロック位置に位置させて、脚Lがサイドサポート22(押圧板部64)を押圧する期間中にわたりサイドホールド性を確保することができる。
【0053】
一方、車両用シート50では、ロック部材54をロック解除位置に偏倚させるリターンスプリング60を備えるため、通常使用時に可動サイドサポート支持部材26が保持位置にロックさせてしまうことがない。このため、車両用シート50では、乗降性等の通常使用時の使い勝手を向上しつつ、上記所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。
【0054】
(第3の実施形態)
図7(A)には、本発明の第3の実施形態に係る車両用シート70の幅方向の一端側における概略構成が平面図にて示されている。この図に示される如く、車両用シート70は、サイドサポート支持部24に代えて、サイドサポート支持部72を備える点で、第1の実施形態に係る車両用シート10とは異なる。
【0055】
サイドサポート支持部72は、上向きに凸に湾曲した板状に形成された可動サイドサポート支持部材74を有する。支持板は、その幅方向内端に設けられたボス74Aに挿通されると共にサイドフレーム16Aに固定された前後方向に長手の支軸76によって、該支軸76周りに回動自在に軸支されている。この支軸76周りの矢印C方向又は矢印D方向への回動によって、可動サイドサポート支持部材74は、サイドサポート22が適正な形状に形成されるようにクッション材18を支持する保持位置(図7(A)の実線参照)と、保持位置よりも下方に位置することでサイドサポート22の圧縮(潰れ)を許容する退避位置(図7(A)の想像線参照)とを取り得る構成とされている。
【0056】
また、サイドサポート支持部72は、可動サイドサポート支持部材74を保持位置側(矢印D参照)に付勢する捻りコイルばね78を有する。捻りコイルばね78は、コイル部分に支軸76を挿通させかつ一端側が可動サイドサポート支持部材74に係止されると共に他端側がサイドフレーム16Aに係止されている。可動サイドサポート支持部材74は、捻りコイルばね78の付勢力によって、図示しないストッパに押し当てられて保持位置に偏倚した状態が維持されるようになっている。そして、この実施形態では、上方及びシート内方を向いて傾斜した保持位置に位置する可動サイドサポート支持部材74は、幅方向外向きに移動する乗員に押圧されることで、保持位置から退避位置に移動し得る構成とされている。
【0057】
さらに、車両用シート70は、ロック機構34に代えてロック機構80を備えている。図7(B)に示される如く、ロック機構80は、可動サイドサポート支持部材74のボス74Aにロック位置で幅方向内向きに開口するように設けられたロック孔82と、幅方向の移動によってロック孔82に対する進退可能とされたロック部材84とを有する。ロック部材は、ロック位置でロック孔82に入り込むロック部84Aと、ロック部84Aの幅方向内側に設けられた移動力付与手段としての錘部84Bとを有する。
【0058】
このロック部材84は、ロック部84Aがガイド体86によって幅方向のスライド可能にガイドされており、ガイド体86と錘部84Bとの間にはロック部材84をロック解除位置側に付勢するリターンスプリング88が配設されている。リターンスプリング88は、圧縮コイルスプリングとされており、その内側にロック部84Aを挿通させている。ロック部材84は、リターンスプリング88の付勢力によってロック部84Aに設けた突起84Cがガイド体86のストッパ86Aに係合することで、ロック解除位置に偏倚されている。
【0059】
ロック機構80は、所定値以上の幅方向外向きの加速度が作用した場合に、ロック部材84がロック部84Aをロック孔82に入り込ませるロック位置に至るように、リターンスプリング88の付勢力に対して錘部84Bの質量が決められている。なお、この実施形態では、ロック位置に位置するロック部84Aの先端を入り込ませる逃がし凹部76Aが支軸76に設けられている。
【0060】
以上説明した車両用シート70によっても、幅方向外向きの加速度によって可動サイドサポート支持部材74を保持位置にロックするロック機構80を設けたため、車両用シート10と同様に、自動車の旋回中等のサイドホールド性が要求される所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。しかも、車両用シート70によっても、アクチュエータに頼ることのない簡単な構造で、上記所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。
【0061】
また、車両用シート70では、車両用シート10と同様に、ロック部材84をロック解除位置に偏倚させるリターンスプリング88を備えるため、通常使用時に可動サイドサポート支持部材74が保持位置にロックさせてしまうことがない。このため、車両用シート70によっても、乗降性等の通常使用時の使い勝手を向上しつつ、上記所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。
【0062】
(第4の実施形態)
図8には、本発明の第4の実施形態に係る車両用シート90の幅方向の一端側における概略構成が斜視図にて示されている。この図に示される如く、車両用シート90は、サイドサポート支持部24に代えて、サイドサポート支持部92を備える点で、第1の実施形態に係る車両用シート10とは異なる。
【0063】
サイドサポート支持部92は、前後方向に長手とされた可動サイドサポート支持部材94と、上端部が可動サイドサポート支持部材94の前端部にリンクピン96Aを介して回動可能に連結されると共に下端がサイドフレーム16Aにリンクピン96Bを介して回動可能に連結された前リンク96と、上端部が可動サイドサポート支持部材94の後端部にリンクピン98Aを介して回動可能に連結されると共に下端がサイドフレーム16Aにリンクピン98Bを介して回動可能に連結された後リンク98とを有する。
【0064】
これにより、サイドサポート支持部92は、サイドフレーム16Aを固定リンクとする4節リンクを構成しており、可動サイドサポート支持部材94は、前後のリンク96、98がサイドフレーム16Aに対し起立した保持位置(図8参照)と、保持位置に対して前後のリンク96、98が後傾して下降した退避位置(図示省略)とを取り得る構成とされている。
【0065】
また、サイドサポート支持部92は、可動サイドサポート支持部材94を保持位置側(矢印C参照)に付勢する捻りコイルばね100を有する。捻りコイルばね100は、コイル部分にリンクピン98Bを挿通させかつ一端側が後リンク98に係止されると共に他端側がサイドフレーム16Aに係止されている。可動サイドサポート支持部材94は、捻りコイルばね100の付勢力によって、図示しないストッパに押し当てられて保持位置に偏倚した状態が維持されるようになっている。
【0066】
可動サイドサポート支持部材94は、クッション材18内で該クッション材18を支持する支持板部94Aと、支持板部94Aの幅方向外端から垂下されたリンク連結部94Bとを有し、リンク連結部94Bにおいて上記リンクピン96A、98Aを介して前リンク96、後リンク98が連結されている。図8の9A−9A線、9B−9B線に沿った断面図である図9(A)、図9(B)に示される如く、支持板部94Aは、幅方向内側が下向きに湾曲すると共に幅方向の内端が前端側よりも後端側で幅方向内側に位置するように傾斜しており、車幅方向外向きの荷重の一部を後下向きの荷重に変換するカム形状とされている。これにより、可動サイドサポート支持部材94は、支持板部94Aが幅方向外向きに移動する乗員に押圧されることで、保持位置から退避位置に移動し得る構成とされている。
【0067】
さらに、車両用シート90は、ロック機構34に代えてロック機構102を備えている。ロック機構102は、図8に一部分解して示すように、ロック部材84のロック部84Aがサイドフレーム16Aのロック孔104に入り込んで可動サイドサポート支持部材94を保持位置にロックする以外は、ロック機構80と同様に構成されている。ロック部材84は、ロック部84Aをロック孔104に入り込ませることで、保持位置に位置する前リンク96の前側に係合して後傾を阻止する構成とされている。
【0068】
以上説明した車両用シート90によっても、幅方向外向きの加速度によって可動サイドサポート支持部材94を保持位置にロックするロック機構102を設けたため、車両用シート10と同様に、自動車の旋回中等のサイドホールド性が要求される所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。しかも、車両用シート90によっても、アクチュエータに頼ることのない簡単な構造で、上記所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。
【0069】
また、車両用シート90では、車両用シート10と同様に、ロック部材84をロック解除位置に偏倚させるリターンスプリング88を備えるため、通常使用時に可動サイドサポート支持部材94が保持位置にロックさせてしまうことがない。このため、車両用シート90によっても、乗降性等の通常使用時の使い勝手を向上しつつ、上記所定の場合のサイドホールド性を確保することが実現された。
【0070】
なお、上記各実施形態では、シートクッション12のサイドサポート22日本発明が適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、シートバック14のバックレストの両側に前方に突出して形成されたサイドサポートに本発明を適用しても良い。
【0071】
また、本発明は、上記各実施形態には限定されず、適宜変更して実施することができる。例えば、第3又は第4の実施形態におけるロック部材84に代えて、アーム部材56に設けられてロック孔82又はロック孔104に入り込むロック部材を設けても良い。また、ロック部材38等がアーム部材56等を介在させず、乗員Pの脚Lに押圧されてロック位置に至る構成としても良い。
【0072】
さらに、本発明は、自動車に搭載される車両用シートには限定されず、各種乗物用シートに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る乗物用シートの要部を拡大して示す正面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る乗物用シートの概略全体構成を示す正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る乗物用シートを構成するロック気候を示す図であって、は(A)は斜視図、(B)は図3(A)の3B−3B線に沿った断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る乗物用シートを示す図であって、(A)は直線走行時の状態を示す正面断面図、(B)は旋回走行時の状態を示す正面断面図、(C)は降車時の状態を示す正面断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る乗物用シートを示す図であって、(A)は要部を拡大して模式的に示す平面図、(B)は要部を拡大して模式的に示す側面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る乗物用シートに着座した乗員の脚の動きを模式的に示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る乗物用シートを示す図であって、(A)は要部を拡大して示す模式的に示す正面図、(B)はロック機構の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る乗物用シートの要部を拡大して模式的に示す斜視図である。
【図9】(A)は図8の9A−9A線に沿った断面図、(B)は図8の9B−9B線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0074】
10 車両用シート(乗物用シート)
12 シートクッション
14 シートバック
22 サイドサポート
26 可動サイドサポート支持部材(サイドサポート支持部材)
32 圧縮コイルスプリング(偏倚手段)
38 ロック部材
42 錘部(移動力付与手段)
46 リターンスプリング(付勢手段)
50・70・90 車両用シート
54・84 ロック部材
56 アーム部材
60・88 リターンスプリング(付勢手段)
74・94 可動サイドサポート支持部材(サイドサポート支持部材)
78・100 捻りコイルばね(偏倚手段)




 

 


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