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発明の名称 清掃用物品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−159612(P2007−159612A)
公開日 平成19年6月28日(2007.6.28)
出願番号 特願2005−355921(P2005−355921)
出願日 平成17年12月9日(2005.12.9)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 大森 千晴 / 和田 稔 / 高林 圭馬
要約 課題
隅部に溜まった埃を容易に掻き出さすことができ、また清掃対象面にこびりついたゴミを容易に掻き取ることができ且つ製造容易な清掃用物品を提供すること。

解決手段
本実施形態の清掃用物品10は、繊維束からなる一対の繊維層11b,11cを備え、扁平で筒状の一対の把手挿入部15,15を有し、把手20を一対の把手挿入部15,15内に挿入して取り付け可能になされている。前記繊維束は、熱融着性繊維から形成されており、一対の繊維層11b,11cそれぞれが、前記熱融着性繊維の溶融により部分的に融着されており、一対の把手挿入部15,15は、一対の繊維層11b,11cにおける前記融着されている部分P同士が、把手20の挿入方向に延びる3つの接合部16a,16b,16cで接合されて形成されており、3つの接合部16a,16b,16cは、把手20の挿入方向と直交する方向に離間している。
特許請求の範囲
【請求項1】
繊維束からなる一対の繊維層を備え、扁平で筒状の把手挿入部を有し、把手を該把手挿入部内に挿入して取り付け可能になされている清掃用物品であって、
前記繊維束は、熱融着性繊維から形成されており、一対の前記繊維層が、前記熱融着性繊維の溶融により部分的に融着されており、
前記把手挿入部は、一対の前記繊維層における前記融着されている部分同士が、前記把手の挿入方向に延びる複数の接合部で接合されて形成されており、複数の該接合部は、前記把手の挿入方向と直交する方向に離間している清掃用物品。
【請求項2】
一対の前記繊維層における前記融着されている部分のバルクソフトネスの最大荷重値が0.01〜50N/10mmである請求項1記載の清掃用物品。
【請求項3】
前記融着されている部分が、一対の前記繊維層における前記把手の挿入方向と直交する方向における中央部分に形成されている請求項1又は2記載の清掃用物品。
【請求項4】
一対の前記繊維層における前記融着されている部分は、前記把手挿入部の全域に亘って形成されている請求項1〜3の何れかに記載の清掃用物品。
【請求項5】
一対の前記繊維層には、複数の前記融着されている部分が形成されており、該部分は、前記把手の挿入方向に延びる帯状に形成されている請求項1〜3の何れかに記載の清掃用物品。
【請求項6】
一対の前記繊維層は、前記把手の挿入方向における少なくとも一方の端部が、溶融により融着されている請求項1〜5の何れかに記載の清掃用物品。
【請求項7】
前記把手挿入部の開口縁部が着色されている請求項1〜6の何れかに記載の清掃用物品。
【請求項8】
一対の前記繊維層の上下に繊維束からなる繊維層を具備している請求項1〜7の何れかに記載の清掃用物品。
【請求項9】
一対の前記繊維層の前記繊維束を構成する繊維が捲縮を有している請求項1〜8の何れかに記載の清掃用物品。

発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、埃の掻き出し、捕集に好適に用いられる清掃用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、繊維束からなる繊維層を有する清掃用物品が知られている。この種の清掃用物品は、繊維層からなる刷毛部を有しており、繊維束を構成する繊維で埃を捕捉して清掃がなされ、埃の補足効果が高いものである。また、把手挿入部を有し、把手を該把手挿入部内に挿入して取り付け可能になされている清掃用物品が広く知られている。この種の清掃用物品は、把手を手で持って清掃がなされるもので、刷毛部等を清掃対象面に当てる力加減の調節が容易であり、清掃用物品の操作性が向上している。
また、繊維束からなる刷毛部を有しており且つ把手挿入部を有し、把手を該把手挿入部内に挿入して取り付け可能になされている清掃用物品がある。
【0003】
例えば、特許文献1において、刷毛部が、軟質なシートで細長く形成された複数の短冊片と、繊維束とで形成されており、把手挿入部を有し、把手を該把手挿入部内に挿入して取り付け可能になされている清掃用物品が提案されている。短冊片と繊維束とは、複数の短冊片を有する少なくとも1枚のシートと、少なくとも1層の繊維束とが重ねられて部分的に接合されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−369783号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の清掃用物品によれば、繊維間に埃を捕捉して保持するという機構で清掃が行われる。太さにもよるが、繊維は通常剛性が低い(コシが弱い)ので、これらの清掃用物品を用いて隅部に溜まった埃を除去しようとしても、繊維が屈曲してしまい隅部まで行き届かず、満足すべき清掃効果が得られない。清掃対象面にこびりついたゴミを除去することも困難である。
また、特許文献1記載の清掃用物品は、把手挿入部が、短冊片を有するシート及び繊維束からなる繊維層とは別な材料から形成されていて部材数が多く、その製造に手間がかかることが考えられる。
【0006】
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る清掃用物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、繊維束からなる一対の繊維層を備え、扁平で筒状の把手挿入部を有し、把手を該把手挿入部内に挿入して取り付け可能になされている清掃用物品であって、前記繊維束は、熱融着性繊維から形成されており、一対の前記繊維層が、前記熱融着性繊維の溶融により部分的に融着されており、前記把手挿入部は、一対の前記繊維層における前記融着されている部分同士が、前記把手の挿入方向に延びる複数の接合部で接合されて形成されており、複数の該接合部は、前記把手の挿入方向と直交する方向に離間している清掃用物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の清掃用物品によれば、部分的に融着された繊維層の作用によって、隅部に溜まった埃が容易に掻き出され、また清掃対象面にこびりついたゴミが容易に掻き取られ、繊維束からなる繊維層に絡み取られる。また、本清掃用物品の把手挿入部が、前記繊維層から形成されており、その製造が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の清掃用物品の好ましい第1実施形態について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0010】
本実施形態の清掃用物品10は、図1及び図2に示すように、全体として縦長で扁平な形状を有するものであり、繊維束からなる一対の繊維層11b、11cを備え、扁平で筒状の一対の把手挿入部15,15を有し、把手20を一対の把手挿入部15,15内に挿入して取り付け可能になされている。
また、本実施形態の清掃用物品10において、前記繊維束は、熱融着性繊維から形成されており、一対の繊維層11b、11cそれぞれが、前記熱融着性繊維の溶融により部分的に融着されており、一対の把手挿入部15,15は、一対の繊維層11b、11cにおける前記融着されている部分P同士が、図2及び図3に示すように、把手20の挿入方向に延びる3つの接合部16a、16b、16cで接合されて形成されており、3つの接合部16a、16b、16cは、把手20の挿入方向と直交する方向に離間している。本実施形態において、把手20の挿入方向は、清掃用物品10の長手方向と一致している。
【0011】
本実施形態の清掃用物品10における一対の繊維層11b、11cについて、更に説明すると、一対の繊維層11b、11cそれぞれは、略同形であり、その平面視形状は、図3に示すように、縦長矩形であり、その長手方向は清掃用物品10の長手方向と一致している。一対の繊維層11b、11cそれぞれは、所定の厚みをもって繊維束が一方向に配向されてなるものである。前記繊維束は、清掃用物品10の幅方向に配向している。また、一対の繊維層11b、11cそれぞれは、溶融による融着を阻害しない範囲で非熱融着性繊維を含んでいても良い。
【0012】
融着されている部分Pは、一対の繊維層11b、11cそれぞれにおける把手20の挿入方向と直交する方向における中央部分に形成されている。詳述すると、一対の繊維層11b、11cそれぞれの幅方向中央部分が、図2及び図3に示すように、各該繊維層11b、11cにおける長手方向の両端部に亘って、溶融によって面状に融着されている。該部分Pの平面視形状は、縦長矩形であり、その長手方向は清掃用物品10の長手方向と一致している。融着されている部分Pは、その厚さは、溶融される前よりも薄くなっているが、その剛性は高められている。一対の繊維層11b、11cそれぞれにおいて、その幅方向の中央部分は、幅方向の両端部を含まない部分である。
一対の繊維層11b、11cの長手方向の両側部は、融着されてなく、繊維束のままとなっている。
【0013】
一対の繊維層11b、11cおいて、それぞれの融着されている部分P同士が、図3に示すように、その長手方向に接合されて、一対の把手挿入部15,15が形成されている。本実施形態において、一対の繊維層11b、11cそれぞれにおける融着されている部分Pは、一対の把手挿入部15,15の全域に亘って形成されている。詳述すると、一対の把手挿入部15,15は、一対の融着されている部分同士P,Pが、該部分Pの幅方向に離間し、それぞれ長手方向に延びる3つの接合部16a,16b,16cで接合されて形成されている。該接合の方法は、熱融着、接着剤による接着等の公知の接合手段を用いることができる。
【0014】
3つの接合部16a,16b,16cそれぞれは、図3に示すように、一対の繊維層11b、11cの長手方向の両端部に亘り、帯状に形成されている。接合部16a、16cは、前記部分Pそれぞれにおける長手方向の両側部が接合されて形成されている。2つの該接合部16a、16cの間に位置している接合部16bは、両側に位置する接合部16a,16cよりも幅狭に形成されている。接合部16bは、繊維層11b、11cの縦中心線に沿って形成されている。2つの接合部16a、16cそれぞれは、接合部16bから幅方向に略等距離離れて形成されている。
【0015】
一対の把手挿入部15,15それぞれは、清掃用物品10が使用される前までは、一対の繊維層11b、11cにおける融着されている部分P同士が重なった状態にあり、筒状の空間が閉じた状態にあるが、使用時に把手20が挿入されると、扁平な筒状の空間が形成されるようになされている。
一対の把手挿入部15、15それぞれは、その長手方向の両端部に開口部を有しており、2つの該開口部の何れからも把手が挿入できる。本実施形態の清掃用物品10で清掃する際には、図1に示すように、把手20を一対の把手挿入部15,15に挿入固定した状態で用いられる。
一対の繊維層11b、11cそれぞれは、把手挿入部15の入り口近傍である把手20の挿入方向における両端部が、溶融により面状に融着されている。そのため、該入り口近傍を摘みやすくなっており、把手20を把手挿入部15へ挿入し易くなっている。
【0016】
本実施形態の清掃用物品10において、一対の繊維層11b、11cそれぞれにおける融着されている部分Pのバルクソフトネスの最大荷重値は、0.01〜50N/10mmが好ましい。バルクソフトネスの最大荷重値は、融着されている部分Pの剛性の高さの尺度となるものである。バルクソフトネスの最大荷重値が大きいほど、融着されている部分Pはその剛性が高いことを意味する。こびりついた汚れを清掃するシートの場合、バルクソフトネス値は10〜20N/10mmが好ましく、デリケートな対象物を清掃するシートの場合、バルクソフトネス値は0.01〜5N/10mmが好ましい。本実施形態の清掃用物品10においては、融着されている部分Pのバルクソフトネスの最大荷重値を10〜20N/10mmとすることで、一対の繊維層11b、11cの幅方向中央部分に十分な剛性が付与され、隅部に溜まった埃を容易に掻き出すことができ、また清掃対象面にこびりついたゴミを容易に掻き取ることができる。一方、バルクソフトネスの最大荷重値を0.01〜5N/10mmとすることで、十分な清掃効果が得られながら、清掃対象面への引っ掻き傷などの損傷を効果的に防止することができる。
【0017】
バルクソフトネスの最大荷重値は次の方法で測定される。各繊維層11b、11cにおいて、融着されている部分Pをその長手方向に150mm、幅方向に30mmの寸法で矩形に切り出す。切り出された部分を、その長辺が周方向となるように丸めて、高さ30mm、円周140mmの円筒を形成する。その際、ステープラーを用いて円筒形状を保持する。テンシロン引張試験器に円筒を設置し、10mm/minの圧縮モードで円筒を圧縮する。圧縮の荷重を測定し、その最大値をもってバルクソフトネスの最大荷重値とする。試験は3個の試料について行い、測定結果の平均値を算出する。
【0018】
本実施形態の清掃用物品10において、融着されている部分Pの面積は、一対の繊維層11b、11cそれぞれの平面視形状の1〜90%、特に40〜90%であることが、清掃用物品10の剛性を高めてホコリの掻き取り効果を向上する上で好ましい。該部分Pの面積を40%以上とすることで、各繊維層11b、11cの幅方向中央部分に十分な剛性が付与される。また、端部は融着をしないことで、清掃対象面に引っ掻き傷などの損傷を防止するとともに、各繊維層11b、11cの長手方向両側部に繊維束の部分を残して、刷毛部とすることができる。
また、一対の繊維層11b、11cそれぞれの坪量は、25〜300g/m2であることが、融着された部分Pの剛性を高めてホコリの掻き取り効果を向上する上で好ましい。
【0019】
本実施形態の清掃用物品10について、更に説明すると、一対の繊維層11b、11cの上下それぞれに、図1及び図2に示すように、繊維束からなる2つの繊維層11a、11dを具備している。
2つの繊維層11a、11dそれぞれは、繊維層11b、11cと略同形であり、それらの長手方向は清掃用物品10の長手方向と一致している。2つの繊維層11a、11dそれぞれは、繊維層11b、11cと同様に、所定の厚みをもって繊維束が一方向に配向されてなるものである。該繊維束は、清掃用物品10の幅方向に配向している。
【0020】
本実施形態の清掃用物品10において、各繊維層11a〜11dは積層されて、それらの幅方向中央部を一致させて、長手方向にわたり接合されている。接合は、所定幅をもった直線状の接合ライン14に沿って行われる。接合ライン14は、繊維層の幅方向中央部に形成される。接合ラインは、例えば熱融着、接着剤による接着などの公知の接合手段によって形成される。繊維層11a、11dが熱融着性繊維から構成されている場合には、熱融着によって接合ライン14を形成することが簡便であり、接合部16bを接合ライン14の形成と同時に設けることが好ましい。
【0021】
また、本実施形態の清掃用物品10において、把手20は、図2に示すように、把持部21と把持部の先端から二股に分岐した挿入部22,22とを備えている。把持部21と挿入部22とは所定の角度をなしている。挿入部22は細長い扁平な板状の形状をしている。挿入部22がこのような形状となっていることで、挿入部22に可撓性が付与される。このことは、曲面や凹凸を有する清掃対象面を清掃した場合に、清掃用物品10が清掃対象面に追従し易くなり、埃の除去効率が高まる観点から有利である。各挿入部22は、把手挿入部15内に挿入される。挿入部22,22間には、挿入部22よりも短い長さを有するフック部23が設けられている。フック部23はその先端が所定の角度をなして上方を向いている。フック部23は、挿入部22が把手挿入部15内に挿入された状態で清掃用物品10と係合することで、挿入部22が清掃用物品10から抜けにくくする働きを有している。
【0022】
本実施形態の清掃用物品10を構成する各部材について説明すると、一対の繊維層11b、11cを形成する熱融着性繊維としては、各種公知のものを用いることが出来るが、特にポリエステルとポリエチレンの芯鞘繊維やポリプロピレンとポリエチレンの芯鞘繊維が好ましい。一対の繊維層11b、11cに含まれる熱融着性繊維の割合は、溶融により融着される観点から、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。
一対の繊維層11b、11cを構成する繊維としては、連続繊維であることが好ましく、コスト等の観点から通常不織布用の繊維を用いることが好ましい。また清掃用物品とする場合は、繊維層の配列方向から見て製品の繊維層の幅が繊維長になる。
本実施形態においては、このような繊維を繊維束(トウ)の状態で用いる。その際には公知の開繊装置を用いて繊維を十分に開繊しておくことが好ましい。
【0023】
また、2つの繊維層11a、11dを構成する繊維としては、一対の繊維層11b、11cと同じものを用いても良いし、異なっていても良い。
【0024】
各繊維層11a〜11dを構成する繊維としては、繊維長が30〜150mm、特に50〜100mmのものを用いることが、埃の絡み取り性の点から好ましい。
【0025】
本実施形態の清掃用物品10において、一対の繊維層11b、11c及び他の一対の繊維層11a、11dそれぞれの前記繊維束を構成する繊維が捲縮を有している。繊維として捲縮繊維を用いると、埃の絡み取り性が一層向上するので好ましい。捲縮繊維としては、二次元又は三次元捲縮したものを用いることができる。捲縮率(JIS L0208)は5〜50%、特に10〜30であることが、埃の絡み取り性の向上の点から好ましい。捲縮率は、繊維を引き伸ばしたときの長さAと、元の繊維の長さBとの差の、伸ばしたときの長さAに対する百分率で定義され、下記の式から算出される。
捲縮率=(A−B)/A × 100 (%)
【0026】
元の繊維の長さBとは、繊維が自然状態において、繊維の両端部を直線で結んだ長さをいう。自然状態とは、繊維の一方の端部を水平な板に固定し、繊維の自重で下方に垂らした状態をいう。繊維を引き伸ばした時の長さAとは、繊維の捲縮がなくなるまで伸ばした時の最小荷重時の長さをいう。
【0027】
繊維の捲縮率は前述の通りであり、捲縮数は1cm当たり2〜10個であることが好ましい。
【0028】
繊維の太さは本発明において特に臨界的ではないが、埃の絡み取り性や、清掃対象面への傷付き防止性の観点から、0.1〜200dtex、特に2〜30dtexであることが好ましい。
【0029】
本実施形態の清掃用物品10における埃やゴミの掻き出し・保持機構は次の通りである。図1に示すように、清掃作業前の状態の清掃用物品10においては、繊維層11a〜11dを構成する繊維はその先端部が、融着されている部分Pの長手方向における両側縁部を越えて存在している。従って、融着されている部分Pにおける両側縁部は、外部に露出していない。つまり、この状態では、清掃用物品10は、繊維層11a〜11dを構成する繊維の部分のみが外部に露出している。このような状態は、テーブルの上やテレビの画面、タンス、冷蔵庫といった比較的広い面積の部分に存する埃を、繊維間に絡めて除去するのに好適な状態である。また、融着されている部分Pにおける両側縁部は、外部に露出していないので、清掃対象面に傷がつくおそれもない。
【0030】
一方、隅部や壁と家具の間の隙間などを清掃する場合には、清掃用物品10を押し付ける動作を伴うので、清掃用物品10に或る程度の力が加わる。繊維層11a〜11dを構成する繊維は一般にコシが弱いので、加えられた力によって屈曲しやすい。これに対して、融着されている部分Pは前述したバルクソフトネス値を有しているので、加えられた力によっても屈曲しづらい。その結果、加えられた力によって繊維層11a〜11dを構成する繊維の部分が相対的に後退して、融着されている部分Pにおける両側縁部が清掃用物品10の外部に露出する。露出した側縁部はそのバルクソフトネス値が高いので、隅部や隙間に存する埃を容易に掻き出す。掻き出された埃は繊維によって絡め取られて除去される。清掃対象面にこびりついたゴミの掻き取り、除去も同様の機構によって行われる。尚、融着されている部分Pにおける両側縁部には、融着されていない繊維が接合されているので、該側縁部が清掃用物品10の外部に露出した状態には、該側縁部と外部との間に、その基部で折曲している該繊維が介在している状態も含まれる。
【0031】
以上の説明から明らかなように、隅部に溜まった埃の掻き出しや、清掃対象面にこびりついたゴミの掻き取りに大きく寄与するのは、融着されている部分Pにおける両側縁部の部位である。従って、側縁部の部位の剛性を、融着されている部分Pにおける他の部位よりも高めることが一層効果的である。例えば、(イ)側縁部の溶融の温度を高めるか、(ロ)側縁部に、繊維層11b、11cの構成材料と同種又は異種の材料を貼り合わせて、側縁部の部位の剛性を高めることができる。これらの場合には、先に述べたバルクソフトネスの最大荷重値は、側縁部の剛性を高めた部位を対象として測定される。
【0032】
次に、前述した本実施形態の清掃用物品10の好ましい製造方法の一例の要部を、以下に説明する。
まず、常法に従い一方向に配列した繊維束からなる一対の縦長の繊維層11b、11cを作成する。該繊維束は熱融着性繊維から形成されている。次に、一対の繊維層11b、11cそれぞれの幅方向の中央部分を、その長手方向の両端部に亘って、溶融により面状に融着し、一対の繊維層11b、11cそれぞれにおいて、面状に融着した部分Pの長手方向の両側部同士を熱融着して、接合部16a、16cを形成する。
次に、別に用意した熱融着性繊維からなる2つの繊維層11a、11dを、一対の繊維層11b、11cの上下それぞれに位置するように外形状の輪郭を揃えて、繊維層11a〜11dを積層し、繊維層の幅方向中央部で、所定幅をもった直線状に熱融着し、繊維層11a〜11dを接合して、本発明の清掃用物品10を得る。尚、清掃用物品の製造は、個々に行なっても良いし、例えば、長尺状の繊維層連続体を用いて、連続的に行なっても良い。
【0033】
前述した本実施形態の清掃用物品10によれば、一対の繊維層11b、11cそれぞれの幅方向の中央部分が、溶融により面状に融着されて剛性が高められているので、隅部に溜まった埃が容易に掻き出され、また清掃対象面にこびりついたゴミが容易に掻き取られ、繊維束からなる繊維層に絡み取られる。
また、融着されている部分Pの面積を変えることで、清掃用物品10の剛性を、その用途に合わせて調整が可能である。
更に、一対の把手挿入部15,15が、一対の繊維層11b、11cから形成されており、把手挿入部として他の部材を用いないため、清掃用物品の製造が容易である。
【0034】
次に、本発明の第2〜4実施形態の清掃用物品10を、図4〜図6を参照しながら説明する。第2〜4実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図4〜図6において、図1〜図3と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0035】
本発明の好ましい第2実施形態の清掃用物品10において、一対の繊維層11b、11cそれぞれには、図4に示すように、複数の融着されている部分P,P…が形成されており、該部分Pは、把手20の挿入方向に延びる帯状に形成されている。
【0036】
本実施形態の複数の融着されている部分P,P…について、更に説明すると、一対の繊維層11b、11cそれぞれには、平面視した場合3つの接合部16a、16b、16cと同じ部分に、3つの帯状に融着されている部分P1、P1、P1が形成されている。更に、一対の繊維層11b、11cそれぞれには、接合部16aと接合部16bとの間及び接合部16aと接合部16cとの間それぞれにおいて、長手方向の両端部に亘り、2つの帯状に融着されている部分P2,P2が形成されている。また、本実施形態の各繊維層11a〜11dを構成している繊維は、捲縮を有している。
その他の構成は、前述した実施形態と同様である。
【0037】
帯状に融着されている部分P2の数、幅及び間隔は、その用途に応じた清掃用物品10の剛性に合わせて、選ぶことができる。また、3つの接合部16a、16b、16cと同じ部分に形成されている帯状に融着されている部分P1の幅、間隔及び数等は、一対の繊維層11b、11cの接合状態及び把手20の形状とも関係して定められることが好ましい。
【0038】
清掃用物品10を家庭内で一般的に使用する場合には、帯状に融着されている部分P2の数は、2〜34個であることが好ましい。該部分P2の幅は、1〜40mmであることが好ましく、相隣り合う該部分P2同士の間の距離は、2〜20mmであることが好ましい。
【0039】
前述した本実施形態の清掃用物品10によれば、帯状に融着されている部分Pの幅、間隔及び数を適宜調整することで、その用途に合った剛性を清掃用物品10に付与することができる。また、前実施形態と同様の効果が得られる。
また、一対の繊維層11b、11cが捲縮を有する繊維から構成されているので、把手挿入部15の入り口が伸張性を有しており、把手を該把手挿入部15内に挿入し易い。
【0040】
本発明の好ましい第3実施形態の清掃用物品10において、一対の繊維層11b、11cそれぞれにおける融着されている部分Pは、図5に示すように、その長手方向の両側縁部が波型になっている。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。
前記部分Pにおける長手方向の両側縁部を波型にすることは、隅部に溜まった埃の掻き出しや、清掃対象面にこびりついたゴミの掻き取り効果を更に一層高める上で好ましい。図5には波形の一例として、側縁部が鋸歯状になっている状態が示されている。しかし、波形の形状はこれに限られず、他の形状、例えば正弦波の形状、台形の繰り返しの形状、或いは種々の形状を組み合わせた形状であってもよい。
【0041】
前述した本実施形態の清掃用物品10によれば、融着されている部分Pにおける長手方向の両側縁部を波型にしているため、埃の掻き出し効果が更に高められている。また、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0042】
本発明の好ましい第4実施形態の清掃用物品10において、一対の繊維層11b、11cそれぞれは、図6に示すように、その長手方向の両端部が、溶融により面状に融着されており強度が高められている。前記長手方向の両端部は、各繊維層11b、11cの幅方向の両端部に亘り融着されている。
また、一対の把手挿入部15,15の開口縁部が、一対の繊維層11b、11cの他の部分とは異なる色に着色されている。本実施形態において、前記開口縁部は、前記長手方向の両端部の面状に融着されている部分である。本実施形態の清掃用物品10は、その把手挿入部15の入り口近傍が着色されており、見た目に分かり易くなっているので、摘み易くなっている。
前記開口縁部を着色する方法としては、該開口縁部に顔料等を塗工する方法や、色の付いたシート材を貼りあわせる方法等がある。
【0043】
本実施形態の清掃用物品10について、更に説明すると、繊維層11bの長さが、繊維層11cの長さよりも短く形成されている。一対の繊維層11b、11cは、その長手方向の中心線を揃えて接合されているので、図6に示すように、把手挿入部15における入り口の端縁の位置がずれている。
【0044】
前述した本実施形態の清掃用物品10によれば、一対の繊維層11b、11cそれぞれの長手方向の両端部が幅方向全体に亘り面状に融着されているので、把手挿入部15の入り口近傍が更に摘み易くなっており、把手20を該把手挿入部15に挿入し易くなっている。また、繊維層11bの長さが、繊維層11cの長さよりも短く形成されており、且つ前記両端部が、一対の繊維層11b、11cの他の部分とは異なる色に着色されているので、把手挿入部15の入り口近傍が一層摘み易くなっている。
【0045】
本発明の清掃用物品は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の清掃用物品10は、各繊維層11a〜11dの繊維を毛羽立たせても良い。各繊維層11a〜11dの繊維全体を毛羽立たせた場合、本物品10は、その全体の形状が円柱状となり、繊維層端部の面積が増加し、その捕集効果が高められる。
また、各実施形態において、一対の把手挿入部15,15が設けられていたが、把手挿入部15は、図7に示すように、一つでも良い。この場合、把手20の挿入部22の形状は、その幅が2股に分岐している挿入部の全幅と同じであれば、前述した各実施形態と同様に2股に分岐していても良いし、分岐していない一体的形状であっても良い。
【0046】
前述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
本発明の清掃用物品は、通常乾式の状態で、使い捨ての物品として、例えばテーブルや机、タンスなどの家具、テレビやビデオデッキ、冷蔵庫などの家電製品等の清掃に用いられる。また、部屋の隅部や、壁と家具との間の狭い隙間の清掃にも用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1は、本発明の清掃用物品の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す清掃用物品の分解斜視図である。
【図3】図3は、第1実施形態における清掃用物品の一対の繊維層を示す平面図である。
【図4】図4は、本発明の清掃用物品の第2実施形態における一対の繊維層を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明の清掃用物品の第3実施形態における一対の繊維層を示す平面図である。
【図6】図6は、本発明の清掃用物品の第4実施形態における一対の繊維層を示す平面図である。
【図7】図7は、本発明の清掃用物品の他の実施形態における一対の繊維層を示す平面図である。
【符号の説明】
【0048】
10 清掃用物品
11a,11b,11c,11d 繊維層
14 接合ライン
15 把手挿入部
16a、16b、16c 接合部
20 把手
P 繊維層の融着されている部分





 

 


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