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発明の名称 清掃用物品及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−135666(P2007−135666A)
公開日 平成19年6月7日(2007.6.7)
出願番号 特願2005−329809(P2005−329809)
出願日 平成17年11月15日(2005.11.15)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 高林 圭馬 / 和田 稔
要約 課題
埃、ゴミ等の捕集性が高く且つ製造が容易な清掃用物品を提供すること。

解決手段
本発明の清掃用物品10は、全体として縦長で扁平な形状を有するものであり、繊維束3が一方向に配向されてなる縦長の4つの繊維層11a,11b,11c,11dと、2枚の基材シート13a,13bである把手装着用シートと、2枚の掻き出し用シート12a,12bとを備えている。各繊維層11a〜11dと把手装着用シート13a,13bと掻き出し用シート12a,12bとは、繊維層11a〜11dにおける繊維の配向方向が、把手装着用シート13a,13b及び掻き出し用シート12a,12bの長手方向と略直交するように積層されて接合されており、前記一方向と直交する方向に延びる各繊維層11a〜11dの中心線Cから該各繊維層11a〜11dの側縁部を形成する端部までの距離が長い繊維束31,31…と短い繊維束32,32…とが交互に配されている。
特許請求の範囲
【請求項1】
繊維束が一方向に配向されてなる繊維層と、基体シートとを備えている清掃用物品であって、
前記繊維層と前記基体シートとは積層されて接合されており、前記一方向と直交する方向に延びる該繊維層の中心線から該繊維層の側縁部を形成する端部までの距離が長い繊維束と短い繊維束とが交互に配されている清掃用物品。
【請求項2】
前記繊維層及び前記基体シートは、前記一方向と直交する方向の寸法が該一方向の寸法よりも大きい請求項1記載の清掃用物品。
【請求項3】
前記長い繊維束と前記短い繊維束との長さの差は3mm以上ある請求項1又は2記載の清掃用物品。
【請求項4】
前記繊維層の両側部は、該繊維層の幅方向外側に凸な部分と幅方向外側に凹な部分とが交互に配されており、該凸な部分の最外点は前記長い繊維束の端部から形成されており、該凹な部分の最内点は前記短い繊維束の端部から形成されており、
前記長い繊維束と前記短い繊維束との間には、両繊維束の中間の長さを有する繊維束が、その長さが漸次変化するように配されている請求項1〜3の何れかに記載の清掃用物品。
【請求項5】
繊維束が一方向に配向されてなる繊維層と、基体シートとを備えている清掃用物品であって、
前記繊維層と前記基体シートとは積層されて接合されており、前記一方向と直交する方向に延びる該繊維層の中心線から該繊維層の側縁部を形成する端部までの前記繊維束の長さは、該繊維層の厚さ方向に沿って漸次変化している清掃用物品。
【請求項6】
前記繊維層及び前記基体シートは、前記一方向と直交する方向の寸法が該一方向の寸法よりも大きい請求項5記載の清掃用物品。
【請求項7】
前記繊維層を2層以上有しており、前記基体シートを2枚有しており、隣り合う前記繊維層間に2枚の該基体シートが配されており、2枚の該基体シートが貼り合わされて、前記清掃用物品の長手方向に延びる空間が形成されており、該空間内に該清掃用物品に取り付けられる把手が挿入可能になっている請求項1〜6の何れか記載の清掃用物品。
【請求項8】
請求項1又は5記載の清掃用物品の製造方法であって、
繊維束が一方向に配向されてなる長尺状の繊維層の連続体と長尺状の基体シートの連続体とを積層し、両連続体同士を所定の間隔で幅方向に亘り接合して清掃用物品連続体を作製し、
次いで、該清掃用物品連続体を前記繊維層の連続体と前記基体シートの連続体との接合部間で、幅方向に亘って切断して複数個の前記清掃用物品を得る清掃用物品の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用物品、特に埃、ゴミ等の捕集に好適に用いられ、その製造が容易な清掃用物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方向に延びる繊維束を用いた清掃用物品が知られている。この種の清掃用物品の刷毛は、繊維束からなる繊維層から形成されており、繊維間に埃、ゴミ等を捕捉して保持するという機構で清掃が行われる。また、熱溶着性シートと該シートに接合して一方向に延びる多数の熱溶着性繊維とからなる清掃用物品が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1記載の清掃用物品においては、多数の熱融着可能な繊維が密集して刷毛が形成され、前記繊維が基材シートに熱融着されており、前記刷毛の外層と内層とで繊維の長さが異なっている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−298650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の清掃用物品によれば、刷毛の外層と内層とで繊維の長さが異なっており、埃等の捕集性が高く、凹凸部や湾曲部を有する清掃対象部を払拭することができる。しかし、その製造において、外層と内層とで長さが異なっている繊維それぞれを用意し、更に、繊維の長さが異なる外層と内層とを積層する工程を有しており、その加工は容易でないと考えられる。
【0006】
従って本発明の目的は、埃、ゴミ等の捕集性が高く且つ製造が容易な清掃用物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、繊維束が一方向に配向されてなる繊維層と、基体シートとを備えている清掃用物品であって、前記繊維層と前記基体シートとは積層されて接合されており、前記一方向と直交する方向に延びる該繊維層の中心線から該繊維層の側縁部を形成する端部までの距離が長い繊維束と短い繊維束とが交互に配されている清掃用物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】
また、本発明は、繊維束が一方向に配向されてなる繊維層と、基体シートとを備えている清掃用物品であって、前記繊維層と前記基体シートとは積層されて接合されており、前記一方向と直交する方向に延びる該繊維層の中心線から該繊維層の側縁部を形成する端部までの前記繊維束の長さは、該繊維層の厚さ方向に沿って漸次変化している清掃用物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0009】
また、本発明は、前述した清掃用物品の好ましい製造方法として、繊維束が一方向に配向されてなる長尺状の繊維層の連続体と長尺状の基体シートの連続体とを積層し、両連続体同士を所定の間隔で幅方向に亘り接合して清掃用物品連続体を作製し、次いで、該清掃用物品連続体を前記繊維層の連続体と前記基体シートの連続体との接合部間で、幅方向に亘って切断して複数個の前記清掃用物品を得る清掃用物品の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の清掃用物品によれば、埃、ゴミ等の捕集性が高く且つその製造が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の清掃用物品の好ましい第1実施形態について、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0012】
本実施形態の清掃用物品10は、図1及び図2に示すように、全体として縦長で扁平な形状を有するものであり、繊維束3が一方向に配向されてなる4つの同形の繊維層11a,11b,11c,11dと、2枚の同形の基材シートである把手装着用シート13a,13bと、2枚の同形の掻き出し用シート12a,12bとを備えている。各繊維層11a〜11d及び各把手装着用シート13a,13bそれぞれは、その前記一方向と直交する方向の寸法が該一方向の寸法よりも大きい縦長の形状を有している。
各繊維層11a〜11dと、2枚の把手装着用シート13a,13bと、2枚の掻き出し用シート12a,12bとは、該繊維層11a〜11dにおける繊維の配向方向が、該把手装着用シート13a,13b及び掻き出し用シート12a,12bの長手方向と略直交するように積層されて接合されている。
また、本実施形態において、前記一方向と直交する方向に延びる各繊維層11a〜11dの中心線Cから該各繊維層11a〜11dの側縁部を形成する端部までの距離が長い繊維束31,31…と短い繊維束32,32…とが交互に配されている。
【0013】
詳述すると、繊維層、把手装着用シート及び掻き出し用シートは、それらの幅方向中央部を一致させて、掻き出し用シート及び把手装着用シートの長手方向にわたり接合されている。本明細書において、清掃用物品10及び各シートそれぞれの長手方向は、繊維束3が配向する前記一方向と一致している。
前記接合は、所定幅をもった直線状の接合ライン14に沿って行われる。本実施形態において、接合ライン14は、長手方向に延びる中心線Cと重なっている。接合ライン14は、繊維層、把手装着用シート及び掻き出し用シートの幅方向中央部に形成される。接合ラインは、例えば熱融着、接着剤による接着などの公知の接合手段によって形成される。繊維層、掻き出し用シート及び把手装着用シートの何れもが熱融着性の材料から構成されている場合には、熱融着によって接合ライン14を形成することが簡便である。
【0014】
本実施形態の清掃用物品10について、更に説明すると、各繊維層11a〜11dは、所定の厚みをもって繊維束が一方向に配向されてなるものである。繊維束3は、清掃用物品10の幅方向に配向している。各繊維層11a〜11dの長手方向両側部それぞれは、図3に示すように、該繊維層の幅方向外側に凸な部分33と幅方向外側に凹な部分34とが交互に等間隔に配されている。各繊維層11a〜11dを平面視した長手方向両側部それぞれは、全体として三角波状の波形になっている。
各繊維層11a〜11dは、接合ライン14に対して略線対称な形状を有していて、幅方向外側に凸な部分33及び凹な部分34それぞれは、各繊維層11a〜11dの長手方向において、左右に揃って配されている。
【0015】
各繊維層11a〜11dにおいて、幅方向外側に凸な部分33の最外点は長い繊維束31の端部から形成されており、幅方向外側に凹な部分34の最内点は短い繊維束32の端部から形成されている。
各繊維層11a〜11dの幅方向中央部は接合ライン14で他の繊維層と接合されており、長い繊維束31及び短い繊維束32それぞれは、その長さ方向の中央部が中心線Cである接合ライン14で接合されている。各繊維層11a〜11dにおいて、
長手方向に延びる中心線Cから側縁部までの距離が長い繊維束31と短い繊維束32との長さの差は3mm以上であり、特に3〜20mmであることが好ましく、本実施形態においては、10mmである。
【0016】
また、各繊維層11a〜11dにおいて、長い繊維束31と短い繊維束32との間には、図3に示すように、両繊維束の中間の長さを有する繊維束3が、その長さが漸次変化するように配されていて、該凸な部分33と該凹な部分34との間の側縁部が略直線状に繋がっている。
【0017】
本実施形態の清掃用物品10における各繊維層11a〜11dは、その厚さ方向に複数の繊維束3が重なって配されていることが好ましく、具体的には、1千〜1千万本の繊維束3が重なって配されていることが好ましい。また、該繊維束3の長さは、図4に示すように、各繊維層11a〜11dの厚さ方向において略同じである。
【0018】
前述したような長手方向側部の形状を有する本実施形態の清掃用物品10は、埃、ゴミ等を捕集する長手方向の両側部の表面積が大きく、高い捕集性を有している。ここで、該表面積は、各繊維層11a〜11dの長手方向の両側部における繊維束の両端それぞれから形成される面の面積を合計したものである。具体的にいうと、4つの繊維層11a〜11dの長手方向両側部からなる8つの面の面積の合計である。
また、長手方向の両側部が波形を有していることは、隅部に溜まった埃の掻き出しや、清掃対象面にこびりついたゴミの掻き取り効果を一層高める観点からも好ましい。
【0019】
本実施形態の清掃用物品10において、各繊維層11a〜11dの長手方向両側部における幅方向外側に凸な部分33の数は、2〜50個形成されていることが、本物品10における両側部の表面積を高め、埃等の捕集性を高める観点から好ましい。
また、各繊維層11a〜11dの長手方向両側部における幅方向外側に凸な部分33と幅方向内側に凸な部分34との間を長手方向に沿って測った長さL(図3参照)は、同様の観点から、2〜100mmであることが好ましい。
長い繊維束31と短い繊維束32それぞれの繊維の断面形状は、既存の繊維あるいは、既存の分割繊維の形状であれば良い。繊維の直径は0.1dtex〜200dtexであることが、捕集性、立体構造の維持の観点から好ましい。
【0020】
本実施形態の清掃用物品10について、更にまた説明すると、隣り合う繊維層である繊維層11aと繊維層11bとの間には、図1及び図2に示すように、縦長の掻き出し用シート12aが配されている。同様に繊維層11cと繊維層11dとの間には、縦長の掻き出し用シート12bが配されている。2枚の掻き出し用シート12a,12bは同形をしている。また2枚の掻き出し用シート12a,12bはそれらの長手方向が、清掃用物品10の長手方向と一致している。更に、2枚の掻き出し用シート12a,12bは、それらの形状が、繊維層11a〜11dと同形を有しており、掻き出し用シート12a,12bにおける左右の側部も波形になっている。
【0021】
本実施形態の清掃用物品10において、繊維層11bと繊維層11cとの間には、図1及び図2に示すように、何れも繊維層と同形である2枚の把手装着用シート13a,13bが配されている。2枚の把手装着用シート13a,13bはそれらの長手方向が、清掃用物品10の長手方向と一致している。把手装着用シート13a,13bは、それらの長さが繊維層11a〜11dの長さとほぼ同じになっている。更に、2枚の把手装着用シート13a,13bは、それらの形状が、繊維層11a〜11dと同形を有しており、把手装着用シート13a,13bにおける左右の側部も波形になっている。
【0022】
前記の接合ライン14による接合の他に、把手装着用シート13a,13bにおいては、それらの左右両側部も接合されている。つまり把手装着用シート13a,13bにおいては、それらの幅方向中央部が、長手方向に沿って直線状に接合されると共に、それらの左右両側部が、長手方向に沿って直線状に接合されて貼り合わされている。その結果、これら2枚の把手装着用シート13a,13bによって、清掃用物品10の長手方向に延びる筒状の空間である把手挿入部15が並列して形成されている。筒状の空間15は、以下に述べる把手20が挿入可能なものである。把手装着用シート13a,13bにおいて、左右両側部の接合部は、左右の波形の部分よりも、それぞれ、幅方向内側に形成されている。
【0023】
また把手20は、図2に示すように、把持部21と把持部の先端から二股に分岐した挿入部22,22とを備えている。把持部21と挿入部22とは所定の角度をなしている。挿入部22は細長い扁平な板状の形状をしている。挿入部22がこのような形状となっていることで、挿入部22に可撓性が付与される。このことは、曲面や凹凸を有する清掃対象面を清掃した場合に、清掃用物品10が清掃対象面に追従し易くなり、埃の除去効率が高まる観点から有利である。各挿入部22は、2枚の把手装着用シート13a,13bによって形成される把手挿入部15内にそれぞれ挿入される。挿入部22,22間には、挿入部22よりも短い長さを有するフック部23が設けられている。フック部23はその先端が所定の角度をなして上方を向いている。フック部23は、挿入部22が把手挿入部15内に挿入された状態で清掃用物品10と係合することで、挿入部22が清掃用物品10から抜けにくくする働きを有している。
【0024】
本実施形態の清掃用物品10を構成する各部材について説明すると、各繊維層11a〜11dを構成する繊維としては、連続繊維であれば、特に臨界的ではないが、コスト等の観点から通常不織布用の繊維を用いることが好ましい。また清掃用品とする場合は、繊維層の配列方向から見て製品の繊維層の幅が繊維長になる。本実施形態においては、このような繊維を繊維束(トウ)の状態で用いる。その際には公知の開繊装置を用いて繊維を十分に開繊しておくことが好ましい。
【0025】
繊維の太さは本発明において特に臨界的ではないが、埃の絡み取り性や、清掃対象面への傷付き防止性の観点から、0.1〜200dtex、特に2〜30dtexであることが好ましい。
【0026】
繊維の構成材料も本発明においては特に臨界的ではない。例えば、通常用いられている熱可塑性樹脂を原料とする繊維を用いることができる。各繊維層11a〜11dを、掻き出し用シート12a,12b及び把手装着用シート13a,13bと熱融着によって接合する場合には、繊維は、芯鞘構造を有する熱融着性複合繊維であることが好ましい。
【0027】
各繊維層11a〜11dの坪量はそれぞれ20〜2000g/m2、特に20〜500g/m2であることが好ましい。この場合、各繊維層11a〜11dの坪量は同じでもよく、或いは異なっていてもよい。
【0028】
また、把手装着用シート13a,13b及び掻き出し用シート12a,12bの形成材料としては、従来の清掃用物品に用いられている不織布等の繊維シートを用いることができる。またフィルム状のものを用いることもできる。いずれの場合も特に、熱可塑性繊維を用いたシートが好ましい。
【0029】
前述した本実施形態の清掃用物品10によれば、清掃用物品10の側部が波型を有しており、埃、ゴミ等の高い捕集性を備えている。また、不織布からなる掻き出し用シート12a,12bを有しており、該掻き出し用シート12a,12bの左右の形状も波型であるため、隅部に溜まった埃の掻き出しや、清掃対象面にこびりついたゴミの掻き取り効果を更に一層高めている。
【0030】
次に本発明の第2及び第3実施形態の清掃用物品10を、図5及び図6を参照しながら説明する。第2及び第3実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図5及び図6において、図1〜図4と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0031】
本発明の第2実施形態の清掃用物品10は、図5(a)及び(b)に示すように、
繊維束3が配向する一方向と直交する方向に延びる各繊維層11a〜11dの中心線Cから該各繊維層11a〜11dの側縁部を形成する端部までの繊維束3の長さは、各繊維層11a〜11dの厚さ方向に沿って漸次変化している。
詳述すると、各繊維層11a〜11dの厚さ方向における外側の端部において最も長くなっていて、各繊維層11a〜11dの厚さ方向における内側の端部において最も短くなっている。厚さ方向の両端部の間には、該両端部における前記繊維束の中間の長さを有する繊維束3が、その長さが漸次変化するように配されており、図5(b)に示すように、該両端部間の側縁部が略直線状に繋がっている。本実施形態において、各繊維層11a〜11dの厚さ方向における内側は、該各繊維層において把手装着用シート13が位置する側であり、各繊維層の厚さ方向の外側は、その反対の側である(以下、同じ)。
【0032】
前述したような構成を有する本実施形態の清掃用物品10は、その断面形状が、図5(b)に示すように、厚さ方向の中心線に対して略線対称となっている。把手装着用シート13a,13bの上側に位置する2つの繊維層11a,11bの長手方向の両側部の断面形状は、図5(b)に示すように、幅方向の内側から外側に向け直線状に斜めに延びている。また、把手装着用シート13の下側に位置する2つの繊維層11c,11dの長手方向の両側部の断面形状も、同様に、幅方向の内側から外側に向け直線状に斜めに延びている。
本実施形態の清掃用物品10によれば、長手方向の両側部の表面積が大きくなっており、第1実施形態と同様に、埃、ゴミ等の高い捕集性を有している。
【0033】
本発明の第3実施形態の清掃用物品10は、図6(a)及び(b)に示すように、繊維束3が配向する一方向と直交する方向に延びる各繊維層11a〜11dの中心線Cから該各繊維層11a〜11dの側縁部を形成する端部までの繊維束3の長さは、各繊維層11a〜11dの厚さ方向に沿って漸次変化している。
詳述すると、各繊維層11a〜11dにおける繊維束3の長さは、各繊維層11a〜11dの厚さ方向における内側の端部において最も長くなっていて、各繊維層11a〜11dの厚さ方向における外側の端部において最も短くなっている。厚さ方向の両端部の間には、該両端部における前記繊維束の中間の長さを有する繊維束3が、その長さが漸次変化するように配されており、図6(b)に示すように、該両端部間の側縁部が略直線状に繋がっている。
【0034】
前述したような構成を有する本実施形態の清掃用物品10は、その断面形状が、図6(b)に示すように、厚さ方向の中心線に対して略線対称となっている。把手装着用シート13a,13bの上側に位置する2つの繊維層11a,11bの長手方向の両側部の断面形状は、図6(b)に示すように、幅方向の内側から外側に向け直線状に斜めに延びている。また、把手装着用シート13の下側に位置する2つの繊維層11c,11dの長手方向の両側部の断面形状も、同様に、幅方向の内側から外側に向け直線状に斜めに延びている。
本実施形態の清掃用物品10によれば、長手方向の両側部の表面積が大きくなっており、第1実施形態と同様に、埃、ゴミ等の高い捕集性を有している。
【0035】
次に、本発明の清掃用物品の製造方法を、前述した本実施形態の清掃用物品の製造方法の好ましい実施態様について説明する。
【0036】
本発明の清掃用物品を製造する好ましい一実施態様としては、例えば以下の方法が挙げられる。
本発明の清掃用物品の製造方法の第1実施態様は、図7に示すように、まず、繊維束が一方向に配向されてなる長尺状の繊維層の連続体110と長尺状の基体シートの連続体である把手装着用シートの連続体130とを積層し、両連続体同士を所定の間隔で幅方向に亘り接合して清掃用物品連続体100を作製し、次いで、清掃用物品連続体100を繊維層の連続体110と基体シートの連続体130との接合部間で、幅方向に亘って切断して複数個の清掃用物品10を得る。
【0037】
本発明の清掃用物品10の製造方法の本実施態様について、詳述すると、繊維束3が一方向に配向されてなる長尺状の4つの繊維層の連続体110a,110b,110c,110dと、長尺状の2枚の把手装着用シートの連続体130a,130bと、長尺状の2枚の掻き出し用シートの連続体120a,120bとを重ねる。各連続体を重ねる順番は、上から、繊維層の連続体110a、掻き出し用シートの連続体120a、繊維層の連続体110b、2枚の把手装着用シートの連続体130a,130b、繊維層の連続体110c、掻き出し用シートの連続体120b、繊維層の連続体110dとする。各繊維層の連続体110a〜110dにおいて、繊維束3は各繊維層の連続体110a〜110dの長手方向に配向している。
また、2枚の把手装着用シートの連続体130a,130bは、事前に、所定の間隔で、幅方向に亘る一対の直線状の接合部が形成されている。所定の間隔は、将来個々の清掃用物品となった場合の幅に対応している。一対の前記接合部は、後述する接合ライン14の両脇に等間隔になるように1本ずつ形成されていて、また、後述する波形の切断部よりも幅方向の内側になるように形成されている。
【0038】
次に、前述したように重ねられた前記連続体同士を、図7中央に示すように、所定の間隔で幅方向に亘り接合して清掃用物品連続体100を作製する。接合する間隔は、将来個々の清掃用物品となった場合の幅に対応している。接合手段は、例えば熱融着、接着剤による接着などの公知の接合手段が好ましく用いられる。繊維層の連続体、掻き出し用シートの連続体及び把手装着用シートの連続体の何れもが熱融着性の材料から構成されている場合には、熱融着によって接合することが簡便であり好ましい。この接合により形成された接合部は、将来個々の清掃用物品10となった場合の接合ライン14に対応する。
【0039】
前述したようにして得られた清掃用物品連続体100を、図7右手に示すように、所定の間隔で幅方向に亘って波形に切断して、本発明の清掃用物品10を得る。該切断は、連続体100の長手方向に所定の間隔で配されている前記接合ライン14の間で行われる。切断された清掃用物品10は、その接合ライン14に対して略線対称であり、長手方向両側部は波型に形成されている。前記切断の手段としては、ロータリーカッター方式、ウォータージェット及びパンチング等の方法が好ましく用いられる。
【0040】
前記切断は、特に、ロータリーカッターを用いることが好ましい。この場合、ロータリーカッターは、1対のロールから形成されており、各ロールの周面に、2対の刃が付いていることが好ましい。一方の1対の刃は、それぞれ、各ロールの周面に180度離れて形成されている。他方の1対の刃も、それぞれ、ロールの周面に180度離れて形成されていて、一方の1対の刃それぞれとは、ロールの周面に90度離れて形成されている。一方の1対の刃と他方の1対の刃とは、図7右手に示すように、波型の形状が互いに嵌め合いとなるように異なっている。
このロータリーカッターで清掃用物品連続体100を切断する際には、1対のロールそれぞれにおける一方及び他方の1対の刃同士が互いに噛み合うようになされる。
【0041】
ロータリーカッターにおける刃の形状としては、例えば、図3に示すような三角波形状の波形を有していることが好ましい。この場合、幅方向外側に凸な部分の最外点と、幅方向外側に凹な部分の最内点との間の距離を、刃の縦方向に沿って測った距離は、3mm以上であることが好ましく、特に5〜30mmであることが好ましい。尚、刃の縦方向とは、波形の刃が連なる方向(横方向)と直交する向きである。
【0042】
前述した構成を有するロータリーカッターにより清掃用物品連続体100を切断すると、図7右手に示すように、長手方向側部の波形の形状が異なる2種類の清掃用物品が交互に作製される。
【0043】
本実施態様によれば、前述した本実施形態の清掃用物品が得られる。また、ロータリーカッター等による清掃用物品連続体100の切断により、長い繊維束と短い繊維束それぞれが同時に形成され、その製造が容易である。
【0044】
また、本発明の清掃用物品の製造方法として、以下の好ましい第2実施態様を用いることも出来る。第2実施態様において、特に説明しない点については、第1実施態様に関して詳述した説明が適宜適用される。
本発明の清掃用物品における製造方法の第2実施態様においては、第1実施態様と同様にして得られた清掃用物品連続体100を、所定の間隔で幅方向亘って直線状に切断して、本発明の清掃用物品10を得る。該切断は、連続体100の長手方向に所定の間隔で配されている前記接合ライン14の間で行われる。切断された清掃用物品10は、その接合ライン14に対して略線対称であり、また、切断された清掃用物品10は、図6(b)に示すような断面形状を有している。
【0045】
このような切断手段は、以下のように行われる。断面形状が2等辺三角形状の刃で繊維層を切断し繊維層の断面視、斜め形状に1度切断する。更に切断された繊維層を、該繊維層の反対面から、同様の断面形状が2等辺三角形状の刃で繊維層を断面視斜め形状に切断することで、図6に示すような断面形状の繊維層が得られる。
【0046】
本発明の清掃用物品は、前述した実施形態及び実施態様に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、本発明の清掃用物品は、各繊維層の繊維を毛羽立たせても良い。各繊維層の繊維全体を毛羽立たせた場合、本物品は、その全体の形状が円柱状となり、繊維層端部の面積が増加し、その捕集効果が更に高められる。
また、各実施形態における繊維層の数は4つであったが、4層より少なくとも良いし、多くても良い。
また、第1実施形態における各繊維層の長手方向両側部の形状は、図8(a)〜(d)のようであっても良い。図8(a)においては、矩形波状に形成されている。図8(b)においては、矩形波と三角波が交互に形成されている。図8(c)においては、半円状の円弧が連なって形成されている。図8(d)においては、各繊維層の長手方向両側部は、幅方向外側に凹に湾曲していて、且つその側縁部は鋸歯状に形成されている。
【0047】
前述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【0048】
本発明の清掃用物品は、通常乾式の状態で、使い捨ての物品として、例えばテーブルや机、タンスなどの家具、テレビやビデオデッキ、冷蔵庫などの家電製品等の清掃に用いられる。また、部屋の隅部や、壁と家具との間の狭い隙間の清掃にも用いられる。
【実施例】
【0049】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
【0050】
〔実施例〕
図1及び図2に示すような清掃用物品を製造した。本実施例では、図1及び図2とは異なり、繊維層として把手装着用シートの下側2層11c、11dのみを有し、2枚の把手装着用シート13a、13bは長さが異なっており、また掻き出し用シートを有していない。
各繊維層11c、11dの寸法は、長さ160mm×幅120mmであった。各繊維層11c、11dとして、繊維長80mmの芯鞘型熱融着性複合繊維を用いた。この複合繊維は、芯がポリエチレンテレフタレート、鞘がポリエチレンから構成されていて、太さは4.4dtexであった。各繊維層11c、11dの坪量は何れも150g/m2であった。各繊維層11c、11dは、前記の複合繊維の繊維束(トウ)を開繊装置で開繊したものであった。
【0051】
把手装着用シートは、把手の挿入を容易にするため、上側に位置する把手装着用シート13aの長さを、下側に位置する把手装着用シート13bよりも短くした。把手装着用シート13aの寸法は、長さ120mm×幅120mmであり、把手装着用シート13bの寸法は、長さ160mm×幅120mmであった。
把手装着用シート13aとしては、坪量35g/m2のエアスルー不織布を用いた。また、把手装着用シート13bとしては、坪量20g/m2のスパンボンド不織布を用いた。
【0052】
これらの各部材を図2に示す分解斜視図のように積層し、幅方向の中央部において幅1.5mmの接合ライン14によって熱融着した。この時、把手装着用シート13aは、把手装着用シート13bの長手方向中央部に幅を揃えて載置した。また、2枚の把手装着用シート13a、13bと繊維層11cとは、接合ライン14の幅方向に離間して、それぞれ長手方向に亘る2本の直線状の接合部16a、16cによっても熱融着した。2本の接合部16a、16cの幅は、それぞれ1.5mmであった。筒状の一対の把手挿入部15,15それぞれは、長さが把手装着用シート13aと同じであって、把手入口の幅は20mmであった。また、把手挿入部15における長手方向の中央部に、長さ60mmに亘って、接合ライン14及び2本の接合部16a、16cの幅それぞれを、把手挿入部15の内側に向けて幅広(幅は4mm)となるようにし、挿入した把手20が抜け難いようにした。
次に、長手方向両側部を波型に切断し、これによって目的とする清掃用物品を得た。各繊維層11c、11dの長手方向両側部における幅方向外側に凸な部分33の数は、9個形成した。各繊維層11a〜11dにおいて、長手方向に延びる各繊維層11c、11dの中心線Cから各繊維層11c、11dの側縁部を形成する端部までの距離が長い繊維束31と短い繊維束32との長さの差は、10mmであった。
【0053】
〔比較例〕
清掃用物品10の長手方向両側部は切断せず直線状である以外は実施例1と同様にして清掃用物品を得た。
【0054】
〔ダストの捕集性〕(補充訂正をお願いします。)
実施例及び比較例で得られた清掃用物品10について、清掃前の清掃用物品10の重量を測定した後、図1に示す把手20を取り付けて清掃操作を行い、ダストの捕集性を評価した。
まず、A4のPPC用紙を横長に置き、その中央部20cm×17cm(横×縦)に開繊アクリル毛糸(2−3mmカット)を50mg散布し(ハケを用いて全面に均一散布)した。次に、把手20に装着した清掃用物品10を縦長に置き、向かって左端から連続2回往復して、清掃した。更に向かって右端から連続2回往復した。把手20を外し、汚れた清掃用物品10の重量を測定し、清掃前の清掃用物品の重量を差し引いてダスト捕集量を算出した。前記清掃操作を2回繰り返し、ダスト捕集量の平均値を求め、その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】


【0056】
表1に示す結果から明らかなように、本実施例の清掃用物品の捕集ダスト量は、比較例の清掃用物品の捕集ダスト量に対して多く、そのダスト捕集性が高いことが判る。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の清掃用物品の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す清掃用物品の分解斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す清掃用物品の平面図である。
【図4】図4は、図3のX―X線断面図である。
【図5】図5は、本発明の清掃用物品の第2実施形態を示しており、(a)は斜視図であり、(b)は図4に相当する断面図である。
【図6】図6は、本発明の清掃用物品の第3実施形態を示しており、(a)は斜視図であり、(b)は図4に相当する断面図である。
【図7】図7は、本発明の清掃用物品を製造する本実施態様の要部を模式的に示す平面図である。
【図8】図8(a)〜(d)は、本発明の清掃用物品の他の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0058】
10 清掃用物品
100 清掃用物品の連続体
11a,11b,11c,11d 繊維層
110 繊維層の連続体
12a,12b 掻き出し用シート
120 掻き出し用シートの連続体
13a,13b 把手装着用シート(基体シート)
130 把手装着用シートの連続体(基体シートの連続体)
14 接合ライン
15 把手挿入部(空間)
20 把手
3 繊維束
31 長い繊維束
32 短い繊維束
33 幅方向外側に凸な部分
34 幅方向外側に凹な部分
C 中心線




 

 


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