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発明の名称 清掃具
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−54402(P2007−54402A)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
出願番号 特願2005−244691(P2005−244691)
出願日 平成17年8月25日(2005.8.25)
代理人 【識別番号】100081385
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
発明者 田原 宏俊 / 野田 幸男
要約 課題
清掃具において、清掃ロールのタイヤベースを簡易な構成により本体フレームに確実に固定すること。

解決手段
清掃具10であって、タイヤベース80の取付座84から突出する挿入部85を、本体フレーム15に貫通させた固定孔15Aの外側から挿入し、タイヤベース80の挿入部85から突出し、上記固定孔15Aの内側に臨む係止部86に、固定クリップ90の係止部91を係入し、タイヤベース80の挿入部85まわりの取付座84を上記固定孔15Aの外側の外縁15Bの全周に当て、固定クリップ90の外周部92を上記固定孔15Aの内側の外縁15Cに当てるもの。
特許請求の範囲
【請求項1】
本体フレームに清掃ロールを支持してなり、清掃ロールが本体フレームに固定されるタイヤベースと、該タイヤベースに枢支されるタイヤを付帯的に有してなる清掃具であって、
タイヤベースの取付座から突出する挿入部を、本体フレームに貫通させた固定孔の外側から挿入し、
タイヤベースの挿入部から突出し、上記固定孔の内側に臨む係止部に、固定クリップの係止部を係入し、
タイヤベースの挿入部まわりの取付座を上記固定孔の外側の外縁の全周に当て、固定クリップの外周部を上記固定孔の内側の外縁に当てる清掃具。
【請求項2】
前記タイヤベースの挿入部に設けられた回り止め用の係止部が本体フレームの固定孔に設けられた対応する係止部に係合してなる請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
前記タイヤベースの係止部と固定クリップの係止部がU字状をなす請求項1又は2に記載の清掃具。
【請求項4】
前記清掃ロールが掻き上げるゴミを捕集する塵取部を、本体フレームの内側に形成し、本体フレームの清掃方向に沿う後部に接触回転体を回動自在に支持してなり、
接触回転体が本体フレームに固定されるタイヤベースと、該タイヤベースに枢支されるタイヤを付帯的に有し、
タイヤベースの取付座から突出する挿入部を、本体フレームに貫通させた固定孔の外側から挿入し、
タイヤベースの挿入部から突出し、上記固定孔の内側に臨む係止部に、固定クリップの係止部を係入し、
タイヤベースの挿入部まわりの取付座を上記固定孔の外側の外縁の全周に当て、固定クリップの外周部を上記固定孔の内側の外縁に当てる請求項1〜3のいずれかに記載の清掃具。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃具として、特許文献1に記載の如く、本体フレームに掻き上げロール(清掃ロール)を支持し、掻き上げロールが掻き上げたゴミを、本体フレームの内側に形成してある塵取部に捕集するものがある。
【0003】
このとき、掻き上げロールは、図10に示す如く、本体フレーム1に固定されるタイヤベース2と、タイヤベース2に枢支されるタイヤ3を付帯的に有する。タイヤベース2の嵌合部2Aを本体フレーム1の内側への張出部4に設けた凹部4Aに嵌め込み、タイヤベース2の取付凸部2Bを張出部4の孔部4Bに挿入し、孔部4Bから突出した取付凸部2Bに止め輪5を係着することにて、タイヤベース2を本体フレーム1に固定するものである。尚、タイヤベース2の回転軸挿着部2Cは、張出部4の孔部4Cに挿入され、掻き上げロールの回転軸が挿着される。
【特許文献1】特開2004-8415
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術には以下の問題点がある。
(1)本体フレーム1が内側へ張出る張出部4を備えるものであり、本体フレーム1を樹脂成形する際の型構造が複雑になる。
【0005】
(2)タイヤベース2の嵌合部2Aを張出部4の凹部4Aに嵌め込み、タイヤベース2の取付凸部2Bを張出部4の孔部4Bに挿入し、この孔部4Bを止め輪5で止めることにより、タイヤベース2を本体フレーム1に固定しようとするものであり、嵌合部2Aよりも小径の凸部2Bに止め力を付与するにすぎず、本体フレーム1に対するタイヤベース2のガタを制止することに困難がある。また、止め輪5は小径の凸部2Bに対応して小型かつ薄くする必要性から金属製であって、タイヤベース2や本体フレーム1を合成樹脂製とした場合に、止め輪5によってこれらを削る場合がある。
【0006】
(3)タイヤベース2の回転軸挿着部2Cを突出して設ける必要があるから、回転軸挿着部2Cの突出した部分の外周面とタイヤベース2の本体との間から埃が侵入し、これがタイヤベース2の内部に設けられた歯車等に堆積して回転を阻害する問題がある。
【0007】
(4)本体フレーム1に対するタイヤベース2のガタを上述(2)の如くに制止できないから、本体フレーム1の内側に形成した塵取部が、張出部4の孔部4B、4Cを介して本体フレーム1の外側に連通し、塵取部に捕集した粉状等の微細ゴミが逃げ出るおそれがある。
【0008】
(5)本体フレーム1の張出部4が、塵取部を形成する本体フレーム1の内側に張り出るから、塵取部に捕集したゴミが張出部4に引っかかり易く、ゴミ排出性が悪い。
【0009】
本発明の課題は、清掃具において、清掃ロールのタイヤベースを簡易な構成により本体フレームに確実に固定することにある。
【0010】
本発明の他の課題は、更に、塵取部によるゴミの捕集性、排出性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、本体フレームに清掃ロールを支持してなり、清掃ロールが本体フレームに固定されるタイヤベースと、該タイヤベースに枢支されるタイヤを付帯的に有してなる清掃具であって、タイヤベースの取付座から突出する挿入部を、本体フレームに貫通させた固定孔の外側から挿入し、タイヤベースの挿入部から突出し、上記固定孔の内側に臨む係止部に、固定クリップの係止部を係入し、タイヤベースの挿入部まわりの取付座を上記固定孔の外側の外縁の全周に当て、固定クリップの外周部を上記固定孔の内側の外縁に当てたものである。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記タイヤベースの挿入部に設けられた回り止め用の係止部が本体フレームの固定孔に設けられた対応する係止部に係合してなるようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記タイヤベースの係止部と固定クリップの係止部がU字状をなすようにしたものである。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記清掃ロールが掻き上げるゴミを捕集する塵取部を、本体フレームの内側に形成し、本体フレームの清掃方向に沿う後部に接触回転体を回動自在に支持してなり、接触回転体が本体フレームに固定されるタイヤベースと、該タイヤベースに枢支されるタイヤを付帯的に有し、タイヤベースの取付座から突出する挿入部を、本体フレームに貫通させた固定孔の外側から挿入し、タイヤベースの挿入部から突出し、上記固定孔の内側に臨む係止部に、固定クリップの係止部を係入し、タイヤベースの挿入部まわりの取付座を上記固定孔の外側の外縁の全周に当て、固定クリップの外周部を上記固定孔の内側の外縁に当てるようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
(請求項1)
(a)本体フレームに貫通状の固定孔を設け、この固定孔にタイヤベースの挿入部を挿入して固定するものであり、本体フレームが内側への張出部の如くを備えないから、本体フレームを樹脂成形する際の型構造が簡易になる。
【0016】
(b)本体フレームの固定孔に挿入されたタイヤベースの係止部に固定クリップの係止部を係入し、タイヤベースの取付座を固定孔の外側の外縁の全周に当て、固定クリップの外周部を固定孔の内側の外縁に当てた。従って、本体フレームの固定孔の外縁をタイヤベースの取付座と固定クリップの外周部とで挟持することにより、タイヤベースを本体フレームにガタなく確実に固定できる。
【0017】
(請求項2)
(c)タイヤベースの挿入部に設けられた回り止め用の係止部が本体フレームの固定孔に設けられた対応する係止部に係合することにより、タイヤベースを本体フレームにタイヤの回転方向で確実に係止し、タイヤの回転により駆動される清掃ロールに作用する回転抵抗に確実に対抗できる。
【0018】
(請求項3)
(d)タイヤベースの係止部と固定クリップの係止部がU字状をなすことにより、タイヤベースに対する固定クリップの係止範囲を広くとり、本体フレームに対するタイヤベースの固定の確実を図る。
【0019】
(請求項4)
(e)タイヤベースの取付座を固定孔の外側の外縁の全周に当て、かつ本体フレームに対するタイヤベースのガタを前述(b)の如くになくすから、本体フレームの固定孔をタイヤベースの取付座によって封止できる。これにより、塵取部に捕集した粉状等の微細ゴミの逃げ出しを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
清掃具10は、床面等の清掃面上の塵埃とゴミ、例えば大粒、小粒の粒ゴミ、又はカーペット等の繊維に絡み付いた髪の毛等のゴミを捕集するものであり、図1〜図4に示す如く、柄11の先端部に継手12を介して支持アーム13を清掃方向に交差する左右方向に揺動自在に結合し、支持アーム13の両側アーム部13Aに枢着部14を介してフレーム15を清掃方向に沿う前後方向に揺動自在に支持している。
【0021】
フレーム15の清掃方向に沿う前部には清掃ロールを回動自在に支持する。清掃ロールは、被清掃面に接触して回転しながら被清掃面上のゴミ(塵埃)を後方に導くものであればスポンジロール、ブラシロール、ザラザラした面(又は凹凸面)を有するロール形状のもの等を採用しうるが、ブラシロール等の掻き上げ体が好ましく、本実施形態の清掃具10は掻き上げ体16を採用している。
【0022】
フレーム15の清掃方向に沿う前部には可撓性の掻き上げ体16が回動自在に支持され、フレーム15の清掃方向に沿う後部には接触回転体18が回動自在に支持され、掻き上げ体16と接触回転体18は平行に並べられて配置される。
【0023】
掻き上げ体16は、回転軸16Aと、回転軸16Aの軸方向の全長に渡ってブラシの毛が植設されたブラシロールからなる掻き上げ部16Bと、回転軸16Aの両端部に結合された両側の増速タイヤ17(変速タイヤ)を有する。掻き上げ部16Bは粘着ロール21に接触しなくても良いが、接触させた場合は掻き上げ部16Bにからみついたゴミを転写容易とする点で好ましい。掻き上げ部16Bの毛の長さは互いに5mm程(ロール径に30mmに対して)ばらつくように作ってある。両側のタイヤ17は該タイヤ17にゴミがかみ込まないようにフレーム15の両外側に配置される。
【0024】
接触回転体18は、粘着ロール21のための駆動手段であり、回転軸18Aと、回転軸18Aの軸方向の両端側2位置(軸方向3位置等の複数位置でも可)に固定される円盤状の回転子18Bと、回転軸18Aの両端部に結合された両側の増速タイヤ19(変速タイヤ)を有する。回転子18Bは粘着ロール21に接触する。両側のタイヤ19はフレーム15の両外側に配置される。
【0025】
掻き上げ体16の掻き上げ部と接触回転体18の回転子18Bの上には、それらに跨がる粘着ロール21が乗せられて載置され、粘着ロール21は接触回転体18の回転に連れ回り、粘着ロール21は掻き上げ体15の回転方向と反対方向に回転する。粘着ロール21は、粘着シートの巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能とする構成等を含む。本実施例の粘着ロール21は、粘着シート21Aをコア21Bに巻き回し、粘着シート21Aの粘着面を外側に向けて巻出し可能かつ切断可能にした巻取りロール又は、1回使用分をさなだ巻きにして重ねて巻いた巻取りロールにて構成される。
【0026】
清掃具10は、図3に示す如く、フレーム15における掻き上げ部16Bに対する清掃方向の後部に塵取部30(ゴミ捕集部)を配置する。塵取部30は、フレーム15にネジにて取付けられるゴミ受け部31を有し、ゴミ受け部31の前方下部から下ゴミ止め部32を立ち上げ、前方上部に上ゴミ止め部33を設ける。上ゴミ止め部33は後述する粘着ロールホルダ50の回転カバー52の回転によって進入する際の外周に沿う円弧状をなし、上ゴミ止め部33の下縁は掻き上げ部16Bの外周に近接する。下ゴミ止め部32の上縁と上ゴミ止め部33の下縁の間をゴミ送り間隔(ゴミ送り込み口)34とする。掻き上げ部16Bが弾き飛ばすゴミがゴミ送り込み口34経由でゴミ受け部31に捕集される。
【0027】
塵取部30は、ゴミ受け部31の後部開口31Aに後蓋35を開閉自在に備える。後蓋35は、ゴミ受け部31の後方下部に設けた支軸35Aに下端部を揺動自在に支持され、上端部に係止レバー36を備える。係止レバー36は、後蓋35に軸37を介して枢着され、コイルばね38のばね力によりゴミ受け部31の後方上部に設けた係止爪31Bに係止し(図3)、手動操作によって回動されて係止爪31Bとの係止を解除する。塵取部30へのゴミ捕集時には、後蓋35によりゴミ受け部31の後部開口31Aを閉じ、ゴミ払い出し時には、係止レバー36により開き操作される後蓋35によりゴミ受け部31の後部開口31Aを開き、後部開口31Aからゴミ除去する。尚、ゴミ受け部31と後蓋35の間で、支軸35Aのまわりには、後蓋35を開き方向に付勢する後蓋開き用コイルばね39が設けられる。塵取部30のゴミ受け部31、後蓋35等は、ゴミの捕集状態を視認できるような透明材料にて構成されるのが良い。
【0028】
塵取部30は、ゴミ受け部31の下ゴミ止め部32の前縁側、かつ掻き上げ体16の掻き上げ部16Bの後部に設けられ、掻き上げ部16Bの全幅に渡って隙間なく又は隙間を介して)相対するピックアップ部材40を備える。ピックアップ部材40は、掻き上げ部16Bが床から掻き上げるゴミを塵取部30へとガイドするすくい面41と、床にならってすくい面41を床に対して一定の角度に保持する底面42とを有する。すくい面41は左右両側部から立上るガイド壁43を備える。ガイド壁43は、掻き上げ部16Bが掻き上げたゴミの横外方へのこぼれ落ち防止を図るとともに、すくい面41から前方に突出した部分の下角部に大きなアールを設け、この下角部がカーペットの下に潜り込むことを防止する。
【0029】
塵取部30は、ゴミ受け部31の下ゴミ止め部32の前縁の左右2ヶ所に、ゴミ受け部31の底部に対し鋭角をなして斜交するスライド筒44を設ける。ピックアップ部材40は、底面42の上面の左右2ヶ所に、すくい面41に平行するスライドロッド45を設け、すくい面41の裏面とスライドロッド45の間につなぎ板46を設ける。
【0030】
塵取部30は、ピックアップ部材40のスライドロッド45をゴミ受け部31のスライド筒44に対してスライド自在にし、ピックアップ部材40をゴミ受け部31に対し、上下方向に変位自在にする。ピックアップ部材40の底部は、ゴミ受け部31の底部より被清掃面寄りに突き出る下降位置と、ゴミ受け部31の底部と概ね面一をなす上昇位置との間で、上下方向に変位する。ピックアップ部材40は、下降位置にあっても、上昇位置にあっても、平面状(又は曲面状)のすくい面41を、掻き上げ体16の掻き上げ部16Bの全巾に沿って隙間なく(又は隙間を介して)相対する後方に向けて上がり勾配をなし、該すくい面41の最下端部を被清掃面としての床面に接し、掻き上げ体16の掻き上げ部16Bが掻き上げるゴミを床面に沿う後方に逃がすことなく上方にガイドする。
【0031】
清掃具10によるフローリング等の清掃時には、塵取部30のピックアップ部材40が下降位置に設定され、ピックアップ部材40の最下端部を床面に隙間なく接し、ゴミ受け部31の底部を床面から浮かす。
【0032】
他方、清掃具10によるカーペット等の清掃時には、塵取部30のピックアップ部材40がカーペットの毛足の抵抗によりゴミ受け部31に近づく側に上昇せしめられる。
【0033】
尚、ゴミ受け部31の側のスライド筒44と、ピックアップ部材40の側のスライドロッド45は余裕(ガタ)をもって挿入されており、ピックアップ部材40がスライド軸方向にスライドしたり、清掃前後方向に揺動したり、左右方向に揺動したりできる。これにより、ピックアップ部材40のすくい面41、床面42が床の凹凸に柔軟に追従できる。
【0034】
清掃具10は、フレーム15における掻き上げ体16と接触回転体18の上部に粘着ロールホルダ50を設け、掻き上げ体16と接触回転体18の上に粘着ロール21を載置する。粘着ロール21は、粘着ロールホルダ50の後述する両ロール支軸に径方向遊びをもってセットされながら、掻き上げ体16と接触回転体18の上に載置され、接触回転体18の回転に連れ回り、掻き上げ体16の回転方向と逆方向に回転する。
【0035】
粘着ロールホルダ50は、フレーム15の前方寄り上面で清掃方向に直交する横方向において、掻き上げ体16と接触回転体18に相並ぶ範囲に渡る、概ね矩形枠状をなす窓枠51を設け、この窓枠51の左右両側部内面に回転カバー52を回転可能に設ける。回転カバー52は、半円弧状段面又はU字状断面等の透明材料からなる略半割筒状体をなし、両側壁を有する。回転カバー52の左右一方の側壁に固定側ロール支軸53を設けるとともに、左右他方の側壁にスライド側ロール支軸54(不図示)を設け、両ロール支軸53、54に粘着ロール21のコア21Bを回転自在に支持する。
【0036】
粘着ホルダ50は、掻き上げ体16及び接触回転体18と粘着ロール21をフレーム15に支持された状態を維持してそれらの掻き上げ体16及び接触回転体18と粘着ロール21との接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を構成する。具体的には、粘着ロールホルダ50は、回転カバー52の両側壁の外面に突設させた左右の回転支軸55を、窓枠51の左右両側部に設けた軸孔に嵌合し、回転カバー52をそれらの回転支軸55まわりで開閉回転できる。このとき、回転カバー52の回転支軸55を、ロール支軸53、54に対し偏芯させる。回転カバー52の閉じ状態で、回転支軸55よりも、ロール支軸53、54を掻き上げ体16と接触回転体18に近づける(回転支軸51が掻き上げ体16、接触回転体18に対する距離よりも、ロール支軸53、54が掻き上げ体16、接触回転体18に対する距離を小さくする)。これにより、回転カバー52の回転時に、回転カバー52が掻き上げ体16、接触回転体18に干渉しない。
【0037】
回転カバー52は、図3に示す如く、回転カバー52の半円弧状断面又はU字状断面等の半割断面の前縁フランジ(磁石56を具備する)を窓枠51の前部上縁の鉄板57に当接する閉じ位置に位置付けられた状態で、窓枠52を閉じ、両ロール支軸53、54に支持されている粘着ロール21を覆い、掻き上げ体16及び接触回転体18と粘着ロール21を接触状態にする。他方、回転カバー52の前縁フランジを窓枠51の後部上縁の鉄板58に当接する開き位置に位置付けられた状態で、窓枠51を開き、回転カバー52を掻き上げ体16、接触回転体18と粘着ロール21の間に介在して粘着ロール21を外界に臨ませ、掻き上げ体16及び接触回転体18と粘着ロール21を非接触状態にし、両支軸53、54に新旧粘着ロール21のコア21Bを着脱し、又は両ロール支軸53、54にセットされている粘着ロール21の使用済粘着シート21Aを剥離除去可能にする。即ち、回転カバー52は閉じ位置から開き位置へ移行するとき、回転カバー52の前縁フランジと反対側の後縁部を掻き上げ体16、接触回転体18の上方に通過させ、これによって掻き上げ体16、接触回転体18と粘着ロール21の間に介在する。これにより、回転カバー52を開き状態にして、両支軸53、54にセットされている粘着ロール21の粘着シート21Aの使用済の1周巻き分を剥離除去しようとするとき、粘着シート21Aを掻き上げ体16、接触回転体18の外周に粘着させずにスムースに剥離できる。粘着シート21Aの剥離端は、回転カバー52の前縁又は後縁のエッジを用いて切断することもできる。
【0038】
清掃具10は、図3に示す如く、ピックアップ部材40の底面42における、すくい面41の最下端部に隣接(近接)する前側部の左右方向で概ね全幅に渡る拭部材61を備える。
【0039】
また、ピックアップ部材40の底面42における、すくい面41から離隔する後側部にサブ拭部材62を備える。サブ拭部材62は、底面42の左右方向の中央部の狭幅範囲にだけ設けられる。
【0040】
拭部材61、62は、起毛布、スポンジ等のクッション性のある柔軟材料からなる。本実施例では、拭部材61(62も同じ)は、平板状基部に多数の起毛を植設した起毛布からなる。
【0041】
清掃具10は、ピックアップ部材40の底面42における拭部材61、62が設けられる部分にくぼみを設け、拭部材61の基部は粘着テープ等の接着剤を介してくぼみの内部でその底面に接着され、拭部材62の基部も粘着テープ等の接着剤を介してくぼみの内部でその底面に接着される。
【0042】
清掃具10のフローリング上での前進時、フローリング上のほこりや小さなゴミは、ピックアップ部材40のすくい面41の最下端部に隣接する底面42の拭部材61により集められ、拭部材61により集められてすくい面41の最下端部から前方に溢れたゴミは、掻き上げ体16の掻き上げ部16B(ブラシロール)によりすくい面41上を掻き上げられる。従って、細かいほこりや小さなゴミも、拭部材61の後方に逃がすことなく捕集できる。尚、この前進時に拭部材61からすくい面41の最下端部の間に残るほこりは、後述する後進時に除去される。
【0043】
ピックアップ部材40の底面42の前後2ヶ所に拭部材61、62を設けたから、硬質プラスチックからなる底面42を床に接触させず、床をこする異音の発生がない。また、底面42と床の間に直に土ほこり等の硬い汚れを挟んでこれを床に押し付けることがなく、床を傷つけることもない。サブ拭部材62は底面42の全幅に渡って設けても良いが、カーペット清掃時の抵抗が大きくなるし、底面42の中央部に設けるだけで上述の底面42を床に接触させない機能を果たすことができるから、本実施例では底面42の中央部にだけ設けることにした。
【0044】
清掃具10は、掻き上げ体16の掻き上げ部16Bのブラシの毛の長さを前述の如く5mm程度ばらつくように作ってあるから、掻き上げ部16Bの一部の毛は塵取部30の上ゴミ止め部33に接触して抵抗を受け、またピックアップ部材40のすくい面41に接触して抵抗を受ける。清掃具10の後進時には、前タイヤ17が若干浮き、掻き上げ体16を駆動する力が小さいため、掻き上げ部16B(ブラシロール)は上記抵抗により回転しない。尚、清掃具10の前進時には、前タイヤ17に柄11からの操作力が加わり、掻き上げ体16を駆動する力が大きくなるため、掻き上げ部16Bは上記抵抗に打ち勝って回転する。
【0045】
清掃具10のフローリング上での後進時には、掻き上げ部16Bが回転しないので、上述の前進時に拭部材61からすくい面41の最下端部にかけて残ったほこりや小さなゴミが掻き上げ部16Bの方へと移動し、掻き上げ部16Bのブラシの間に絡む。従って、残ったほこりが床に筋状に残ることがない。また、掻き上げ部16Bのブラシに絡んだほこりは次の前進時に掻き上げ体16の回転とともに掻き上げられ、塵取部30或いは粘着ロール21に捕捉される。
【0046】
即ち、掻き上げ体16は前タイヤ17の回転によって回転する。後進時には、柄11を引く力が働くため後進力が前タイヤ17に伝わりにくい(前進時には柄11からの押圧力がアーム軸を介して前タイヤ17に伝わり、前タイヤ17が強く清掃面にクリップして回転する)ため、前タイヤ17が回転しにくい。その結果、掻き上げ体16が回転しにくいから前進時に拭部材61からすくい面41の最下端部にかけて残ったゴミは掻き上げ体16のブラシロールからなる掻き上げ部16Bの方へ移動し、ブラシロールからなる掻き上げ部16Bの毛の間にからむ。従って、後進時に残った上述のゴミが床にすじ状に残ることがない。ブラシロールからなる掻き上げ部16Bの毛の間にからんだゴミは、次の前進時に、掻き上げられ、ゴミ受け部31に捕集される。
【0047】
清掃具10のカーペットでの清掃時には、ピックアップ部材40の床面42のくぼみに接着されている拭部材61、62は、カーペットの毛にそれらの起毛を押されてなびき、抵抗は小さい。
【0048】
また、ピックアップ部材40の底面42は硬質プラスチックからなり、カーペットの毛がこの広い硬質床面42を押し上げるから、ピックアップ部材40が必要以上にカーペットに沈み込むことがなく、抵抗は小さい。尚、拭部材61、62の起毛とカーペットとの抵抗により、ピックアップ部材40は適度な抵抗を受け、少しカーペットに沈むから、すくい面41によりカーペット表面のゴミをすくい上げ易くなる。
【0049】
清掃具10による清掃動作は以下の通りなされる。
(1)柄11の軸方向に加える操作力によりフレーム15を介して掻き上げ体16のタイヤ17及び接触回転体18のタイヤ19を床面に加圧しながら清掃具10を前進させ、タイヤ17、19の回動によって掻き上げ体16及び接触回転体18を回動させ、同時に粘着ロール21を掻き上げ体16と反対方向に回転させる。
【0050】
(2)掻き上げ体16の掻き上げ部16Bが床面上のゴミを掻き上げると、このゴミは塵取部30を構成するピックアップ部材40のすくい面41にガイドされて粘着ロール21の側に送り出され、粘着ロール21の粘着面に吸着捕捉される。大きなゴミはすくい面41からゴミ受け部31に送り込まれて捕捉される。
【0051】
(3)粘着ロール21の粘着面の全周に多量のゴミが捕捉されたことが視認されたら、粘着ロールホルダ50の回転カバー52を開き、粘着シート21Aの1周分を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめる。
【0052】
(4)塵取部30のゴミ受け部31に多量のゴミがたまったことを視認したら、後蓋35を開き、ゴミ受け部31のゴミを廃棄する。
尚、清掃具10は前進だけでなく、後進もできる。
【0053】
清掃具10にあっては、フレーム15に対する掻き上げ体16、接触回転体18の支持構造を以下の如くにする。尚、掻き上げ体16、接触回転体18の支持構造は実質的に同じであり、接触回転体18の支持構造を代表として説明する。
【0054】
接触回転体18は、図5〜図9に示す如く、フレーム15に固定されるタイヤベース80を有し、このタイヤベース80にタイヤ19を枢支している。
【0055】
タイヤ19は、図5に示す如く、ホイール71の大径外輪部71Aの外周に嵌着される。ホイール71は大径外輪部71Aの内周をタイヤベース80の大径部81の外周に回転可能に枢支されるとともに、中心支軸71Bをタイヤベース80の中心軸孔82に回転可能に枢支される。ホイール71の一側部には、ホイール71をタイヤベース80の大径転81に対して抜け止めするロックリング72が係止される。タイヤベース80の中心軸孔82に対する偏心位置に設けた偏心孔83には小歯車73が回転可能に枢支され、ホイール71の大径外輪部71Aに対してタイヤベース80の大径部81を介する内周側には内歯車71Cが形成され、小歯車73を内歯車71Cに噛合いさせている。タイヤ19及びホイール71の回転により、内歯車71Cと小歯車73の噛合いを介して、小歯車73が増速回転せしめられるものである。接触回転体18の回転軸18Aは、タイヤベース80の偏心孔83から小歯車73の中空係合部73Aに係着され、偏心孔83の開口部にガタ防止リング18Cが嵌合される。
【0056】
タイヤベース80は、図6〜図9に示す如く、大径部81の側傍に環状取付座84を備え、この取付座84から突出する円形状挿入部85を、フレーム15に貫通させた固定孔15Aにフレーム15の外側から挿入する。タイヤベース80の挿入部85とフレーム15の固定孔15Aとは、挿入部85に設けた凹部85Aと固定孔15Aに設けた凸部85Bにより、タイヤ19の回転方向に対して凹凸係合する。
【0057】
タイヤベース80は挿入部85から突出する係止部86を有し、係止部86をフレーム15の内側に臨ませる。タイヤベース80の係止部86には、固定クリップ90の係止部91が差し込まれて係入する。固定クリップ90の係止部91をタイヤベース80の係止部86に係入したとき、タイヤベース80の挿入部85まわりの取付座84は固定孔15Aの外側の外縁15Bに引き寄せられて外縁15Bの全周に密着するように当たり、固定クリップ90の円形状外周部92は固定孔15Aの内側の外縁15Cに密着するように当たり、タイヤベース80をフレーム15に固定する。尚、タイヤベース80と固定クリップ90との密着安定性の観点から、固定孔15Aはタイヤベース80の大径部81よりやや小径に設けられることが好ましい。また、固定クリップ90、及びタイヤベース80、本体フレーム15は合成樹脂で成形すると、本体フレーム15とタイヤベース80の係止部86との隙間を固定クリップ90の厚みよりやや狭く設計することで、本体フレーム15とタイヤベース80と固定クリップ90の各合成樹脂の弾発力によって、より強固な密着性を得ることができる。
【0058】
タイヤベース80の係止部86は、タイヤベース80の軸方向視で中心軸孔82と偏心孔83を囲むU字状溝86Aを有し、固定クリップ90の係止部91は、係止部86のU字状溝86Aに一方から係入するU字状突部91Aを有する。U字状突部91AのU字の両端には、固定クリップ90の係止部86への差し込み端でU字状溝86AのU字の両端に係合する突起状爪91Bが設けられ、固定クリップ90の抜け止めを図っている(図9)。
【0059】
フレーム15においてタイヤベース80、固定クリップ90が設けられる部分は、前述の塵取部30の両側壁を形成する。
【0060】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)本体フレーム15の壁面に貫通状の固定孔15Aを設け、この固定孔15Aにタイヤベース80の挿入部85を挿入して固定するものであり、本体フレーム15の固定孔15Aを設けた壁面周囲は概ね平坦であり、本体フレーム15が内側への張出部の如くを備えないから、本体フレーム15を樹脂成形する際の型構造が簡易になる。
【0061】
(b)本体フレーム15の固定孔15Aに挿入されたタイヤベース80の係止部86に固定クリップ90の係止部91を係入し、タイヤベース80の取付座84を固定孔15Aの外側の外縁15Bの全周に当て、固定クリップ90の外周部92を固定孔15Aの内側の外縁15Cに当てた。従って、本体フレーム15の固定孔15Aの外縁15B、15Cをタイヤベース80の取付座84と固定クリップ90の外周部92とで挟持することにより、タイヤベース80を本体フレーム15にガタなく確実に固定できる。
【0062】
(b´)回転軸18Aが係着される中空係合部73Aの開口側である偏心孔83がタイヤベース80によって覆われているから、中空係合部73Aを備える小歯車73とタイヤベース80との隙間から埃がタイヤベース80の内部に侵入しにくい。更に、偏心孔83の開口部にガタ防止リング18Cが嵌合されることにより、タイヤベース80の内部への埃の侵入を防止している。タイヤベース80の内部への埃の侵入を防止することによって、タイヤベース80内の内歯車71C、小歯車73の回転を阻害することを防止している。
【0063】
(c)タイヤベース80の挿入部85と本体フレーム15の固定孔15Aとがタイヤ19の回転方向に対して凹凸係合することにより、タイヤベース80を本体フレーム15にタイヤ19の回転方向で確実に係止し、タイヤ19の回転により駆動される接触回転体18に作用する回転抵抗に確実に対抗できる。
【0064】
(d)タイヤベース80の係止部86と固定クリップ90の係止部91がU字状をなすことにより、タイヤベース80に対する固定クリップ90の係止範囲を広くとり、本体フレーム15に対するタイヤベース80の固定の確実を図る。
【0065】
(e)タイヤベース80の取付座84を固定孔15Aの外側の外縁15Bの全周に当て、かつ本体フレーム15に対するタイヤベース80のガタを前述(b)の如くになくすから、本体フレーム15の固定孔15Aをタイヤベース80の取付座84によって封止できる。これにより、塵取部30に捕集した粉状等の微細ゴミの逃げ出しを防止できる。
【0066】
(f)本体フレーム15が前述(a)の如くに内側への張出部を備えないから、塵取部30に捕集したゴミが本体フレーム15の内側面に引っかかることがなく、ゴミ排出性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は清掃具を示す全体図である。
【図2】図2は清掃具を示す斜視図である。
【図3】図3は清掃具を示す断面図である。
【図4】図4は清掃具の後蓋を開いて示す斜視図である。
【図5】図5は増速タイヤを示す断面図である。
【図6】図6は本体フレームへの清掃ロール支持構造を示す斜視図である。
【図7】図7は本体フレームへのタイヤ取付構造を示す断面図である。
【図8】図8は本体フレームへのタイヤ取付構造を示す断面図である。
【図9】図9は本体フレームへのタイヤ取付構造を示す斜視図である。
【図10】図10は従来のタイヤ取付構造を示す模式図である。
【符号の説明】
【0068】
10 清掃具
15 本体フレーム
15A 固定孔
15B、15C 外縁
16 掻き上げ体(清掃ロール)
18 接触回転体(清掃ロール)
19 タイヤ
30 塵取部
80 タイヤベース
84 取付座
85 挿入部
85A 凸部
85B 凹部
86 係止部
90 固定クリップ
91 係止部
92 外周部




 

 


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