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発明の名称 薬液封入体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−20823(P2007−20823A)
公開日 平成19年2月1日(2007.2.1)
出願番号 特願2005−206253(P2005−206253)
出願日 平成17年7月14日(2005.7.14)
代理人 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修
発明者 静野 聡仁 / 湯浅 治 / 岩本 辰也
要約 課題
液保持シートに多量の薬液を含浸させた場合であっても、収納体内において液保持シートが皺になったりヨレたりしづらくなる薬液封入体を提供すること。

解決手段
薬液封入体10は、所定量の薬液を含浸した液保持シート12と、液保持シート12を密封収納し且つ開封可能に封止された開口13を有する液不透過性の収納体11とを備える。液保持シート12が収納体11内に収納された状態において、該液保持シートと該収納体の内面とが接合されている。液保持シート12が収納体11内に収納された状態において、液保持シート12と収納体11の内面とが接合されている。収納体11は扁平な袋状をしており、収納体11は、その一面に、開封可能に封止された開口13を有すると共に、その他面側において液保持シート12と収納体11の内面とが接合されていることが好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】
所定量の薬液を含浸した液保持シートと、該液保持シートを密封収納し且つ開封可能に封止された開口を有する液不透過性の収納体とを備え、
該液保持シートが該収納体内に収納された状態において、該液保持シートと該収納体の内面とが接合されている薬液封入体。
【請求項2】
前記収納体が扁平な袋状をしており、該収納体は、その一面に、開封可能に封止された前記開口を有すると共に、その他面側において前記液保持シートと該収納体の内面とが接合されている請求項1記載の薬液封入体。
【請求項3】
前記液保持シートと前記収納体の内面とがヒートシールによって接合されている請求項1又は2記載の薬液封入体。
【請求項4】
前記液保持シートが、ポリエチレンテレフタレート/低融点ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの組成を有する熱融着性複合繊維を少なくとも一種含んでいる請求項3記載の薬液封入体。
【請求項5】
前記液保持シートに、含浸前の状態の該液保持シートの重量の500〜3000%の前記薬液が含浸されている請求項1ないし4の何れかに記載の薬液封入体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の薬液が含浸された液保持シート、収納体に密封収納されてなる薬液封入体に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は先に、硬質表面の清掃、つや出し、保護に好適に用いられる清掃用ウェットシートを提案した(特許文献1参照)。この清掃用ウェットシートは、所定量の洗浄剤等が含浸されており且つ繊維材料又はフォーム材からなる液保持シートが収納体に密封収納されてなる第1の部材の一方の面に、液保持シートよりも通気度が低く且つ繊維材料からなる液徐放シートを配してなる。この清掃用ウェットシートの使用に先立ち、収納体の一部に開口を設けることで、薬液は該開口から外部へ放出される。液保持シートは、清掃用ウェットシートを使用するまでの間、収納体内において薬液を保持するために用いられる。また、使用時に、開口を通じて薬液が一度に多量に放出されないようにするために用いられる。
【0003】
広面積の対象面に薬液を施すためには、多量の薬液を液保持シートに含浸させておく必要がある。しかし、例えば含浸率500重量%以上の高含浸率で液保持シートに多量の薬液を含浸させると、輸送等の衝撃によって収納体中の液保持シートに皺やヨレが入ることがある。特に収納体が、特許文献1に記載されているような扁平な袋状のものであり、収納体内に収容されている液保持シートを取り出すことなく使用する場合には、前記の皺やヨレは、薬液の均一塗布を損なう原因になるおそれがある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−105710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は、前述した従来技術よりも性能が一層向上した薬液封入体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、所定量の薬液を含浸した液保持シートと、該液保持シートを密封収納し且つ開封可能に封止された開口を有する液不透過性の収納体とを備え、
該液保持シートが該収納体内に収納された状態において、該液保持シートと該収納体の内面とが接合されている薬液封入体を提供することにより前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の薬液封入体によれば、液保持シートに多量の薬液を含浸させた場合であっても、収納体内において液保持シートが皺になったりヨレたりしづらくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の薬液封入体を備えた薬液塗布材(以下、単に塗布材ともいう)の斜視図が示されている。塗布材1は、例えば洗浄剤やつや出し剤を含んでいて、硬質表面、例えばフローリングの清掃やつや出しに好適に用いられる。塗布材1は、2つの部材10,20から構成されている。使用前においてはこれらの部材10,20は別体となっている。
【0009】
図2に示すように、第1の部材10である薬液封入体は、所定量の薬液が封入されている収納体11を備えている。収納体11内には、薬液で含浸された液保持シート12が密封収納されている。つまり薬液封入体は、薬液を含浸した液保持シート12と、液保持シート12を密封収納する収納体11とを備えている。
【0010】
液保持シート12は例えば繊維材料又はフォーム材から構成されており、扁平な袋状をした収納体11内に収納されている。液保持シート12は、収納体11よりも若干小さな矩形状をしている。図1及び図2に示す状態の収納体11は、薬液で含浸された液保持シート12を密封収納しているが、これと共に、収納体11は、開封可能に封止された開口を有しており、封止を解くことによって形成された開口を通じて、液保持シート12に含浸された薬液が外部へ放出可能な構造にもなっている(これについては後述する)。
【0011】
収納体11は液不透過性材料からなる。詳細には、収納体11は、例えばフィルムや、フィルム層と金属箔とのラミネートからなる第1の液不透過性シート11a及び第2の液不透過性シート11bから構成されている。両液不透過性シート11a,11bは同種のものである。液不透過性シート11a,11bは同形であり、何れも平面視して縦長の矩形状をしている。収納体11は、互いに重ね合わされた2枚の液不透過性シート11a,11bを、それらの四辺を接合することで袋状に形成されている。
【0012】
液不透過性シート11a,11bは、その一方向に沿って引き裂いたときの引裂強度が、それと直交する方向に沿って引き裂いたときの引裂強度よりも低く、一方向に引き裂いた時にその方向に真直ぐ引き裂ける、直進カット性を有している。当該一方向は、液不透過性シート11a,11bの長手方向に一致している。つまり、液不透過性シート11a,11bは、その長手方向に沿って引き裂いたときの引裂強度が、幅方向に沿って引き裂いたときの引裂強度よりも低くなっている。引裂強度の大小に方向性を付与するには、例えば液不透過性シート11a,11bを構成するフィルム層の少なくとも1層に一軸延伸フィルムを用いればよい。一軸延伸フィルムはその延伸方向に沿って引き裂いたときの引裂強度が、それと直交する方向に沿って引き裂いたときの引裂強度よりも低くなる。尚、本発明において言う一軸延伸フィルムとは、引き裂き性を付与するために、縦方向又は横方向に対して著しく配向された合成樹脂フィルムを意味するものであって、目的とする引き裂き性を有すものであれば、他方向にも多少配向された延伸フィルムであっても差し支えない。
【0013】
第1の液不透過性シート11aには長手方向の一端部寄りの位置に摘み部15が設けられている。摘み部15は、第1の液不透過性シート11aの一部から形成されている。摘み部15は、第1の液不透過性シート11aに非接合状態となっていることによって形成されている。摘み部15は第1の液不透過性シート11aの直進カット性を利用して、開口13を形成するためのきっかけとなる部位である。この摘み部15を手で把持し、他端部に向けて引っ張ることで、第1の不透過性シート11aが所定の幅で引き裂かれ、開口13が形成される。この引き裂かれる領域を開封予定領域14という。
【0014】
塗布材1の使用前においては、第1の液不透過性シートは引き裂かれておらず、収納体11内に収納されている液保持シート12はその密封状態が保たれている。そして塗布材1の使用に先立ち、摘み部15を手で把持し、図3に示すように収納体11の長手方向に開封予定領域14を引き裂いて除去する。これによって第1の液不透過性シート11aには開口13が形成される。そしてこの開口13を通じて、液保持シート12に含浸されている薬液が放出可能になる。各開口13の面積は、薬液の放出の程度を制御する観点から、5〜13,000mm2であることが好ましい。同様の理由により、第1の液不透過性シート11aの面積に対する開口13の面積の総和の割合、つまり開口率は0.1〜50%、特に4〜33%であることが好ましい。
【0015】
図1に示す第2の部材20は、液徐放シート21と表面シート22とを備えている。図4に示すように両シート21,22は重ね合わされて接合一体化している。液徐放シート21は、収納体11とほぼ同寸の矩形状をしている。表面シート22は、液徐放シート21の長さと同寸となっている。表面シート22は、液徐放シートの長手方向両側部から側方に延出しており、第2の部材20において一対のフラップ23,23を形成している。このフラップ23の使用目的については後述する。液徐放シート21と表面シート22とは、図4に示すように液徐放シート21の長辺が表面シート22と接合することによって一体化している。
【0016】
本実施形態の塗布材1の使用前においては、部材10,20は別体となっている。塗布材1を使用するに際しては、図1に示すように、第2の部材20における液徐放シート21が、収納体11における開口13が形成されている側である第1の液不透過性シート11aに対向するように配する。つまり液徐放シート21と収納体11とは積層されて用いられる。この状態にセットされた塗布材1を、図5に示す道具30に装着して使用する。図5に示す道具30は、本実施形態の塗布材1が装着可能である平坦なヘッド部31、及び該ヘッド部31と自在継手32を介して連結した棒状の柄33から構成されている。ヘッド部31は第1の部材10とほぼ同寸の矩形状をしている。塗布材1は、収納体11における第2の液不透過性シート11b(図2参照)が、ヘッド部31の下面に対向するように該ヘッド部31に装着される。このとき、第2の部材20におけるフラップ23,23をヘッド部31の上面側に折り返す。更に該フラップを、ヘッド部31に設けられた放射状のスリットを形成する可撓性の複数の片部34内に押し込む。これによって塗布材1をヘッド部31に固定する。そして、この状態でフローリング等の塗布対象物にヘッド部31を押し当てて薬液を塗布する。
【0017】
而して、本実施形態においては、図6(a)及び(b)に示すように、液保持シート12が収納体11内に収容された状態において、液保持シート12と収納体11の内面とが接合されている。両者は、液保持シート12の縦中心線に沿って、液保持シート12の長手方向における各端部寄りの位置にそれぞれ形成された2つの接合部16によって接合されている。この接合によって、液保持シート12に多量の薬液が含浸されている場合であっても、液保持シート12が皺になったりヨレたりしづらくなる。その結果、液保持シート12から薬液が均一に放出され、薬液の塗りむらが発生しづらくなる。
【0018】
液保持シート12と収容体11との接合は、例えばヒートシールによる融着、接着剤による接着などによって行うことができる。液保持シート12に薬液が含浸された状態において、液保持シート12と収容体11との接合強度が低下しないようにする観点からは、ヒートシールによる融着によって両者を接合することが好ましい。
【0019】
ヒートシールによる融着で液保持シート12と収容体11とを接合する場合には、液保持シート12及び収容体11それぞれに、互いに相溶性のある樹脂が含まれていることが好ましい。液保持シート12に関しては、熱融着性繊維が含まれていることが好ましい。熱融着性繊維は、単一の成分からなる繊維でもよく、或いは芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型などの2成分系複合繊維でもよい。熱融着性繊維が複合繊維である場合、該複合繊維としては、ポリエチレンテレフタレート/低融点ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン/ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの組成を有するものを用いることが好ましい。
【0020】
特に液保持シート12は、前記の繊維を含む繊維集合体からなることが好ましい。また液保持シート12は、多量の薬液を含浸でき且つ薬液の放出性に優れていることが望ましい。そのような材料としては、繊維材料の場合、嵩高な紙や不織布などの繊維集合体が適しており、特にエアレイド不織布、ニードルパンチ不織布などが好ましい。繊維の具体例としては、前記の繊維の他に、天然繊維及び化学繊維の何れか一方又は両方の繊維を使用することができる。天然繊維としては木材パルプ等が挙げられる。化学繊維としては、再生繊維であるレーヨンやアセテート、合成繊維であるポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維、ポリアクリロニトニル系繊維等が挙げられる。
【0021】
液保持シート12を一体又は別体の多層構造となし、多層構造の該液保持シート12における開口13に対向する層(以下、第1層という)を、合成繊維を主体とするエアレイド不織布から構成し、第1層に隣接する層(以下、第2層という)を、セルロース系繊維を主体とする紙または不織布から構成することが特に好ましい。このような多層構造の液保持シート12は、薬液が高含浸率で含浸された場合でも、開口13に対向する合成繊維を主体とする第1層が、第1層に隣接するセルロース系繊維を主体とする第2層に比べて含浸液保持性が低くなるので、薬液は主にセルロース系繊維を主体とする第2層に含浸保持される。従って、収納体11の開封時に薬液が液保持シート12から飛散したり、薬液の放出初期に多量の薬液が放出することを抑えることができ、結果として薬液の徐放性に優れる。なお、「合成繊維を主体とする」とは、合成繊維の重量割合が過半数であることをいう。「セルロース系繊維を主体とする」についても同様である。
【0022】
多層構造の液保持シート12は、例えば第1層及び第2層の2層構造とすることができる。液保持シート12と収納体11とのヒートシール性を一層高めることを目的として、液保持シート12を3層構造とすることもできる。この場合、液保持シート12は、開口13に対向する第1層と、第1層に隣接する第2層と、第2層に隣接する第3層からなる。第1層及び第3層は合成繊維を主体とし、一方、第2層はセルロース系繊維を主体とする。
【0023】
液保持シート12は、薬液の保持容量を高め、また薬液の塗布時における薬液の放出を良好にする点から、その密度が0.02〜0.2g/cm3、特に0.03〜0.15g/cm3であることが好ましい。また、液保持シート12は、その坪量が20〜400g/m2、特に60〜200g/m2であることが好ましい。坪量がこの範囲であることにより、保持容量を十分に大きなものとすることができ、また液保持シート12の加工性も良好となる。
【0024】
液保持シート12には、出来るだけ多量の薬液を含浸させることが好ましい。薬液が例えばフローリングの洗浄剤やつや出し剤である場合、一般家庭でのフローリングを一枚の塗布材1で塗布する場合を考えると、含浸前の状態の液保持シート12の重量の500〜3000%、特に500〜2500%程度となる。
【0025】
一方、収容体11としては、熱可塑性樹脂のフィルムとアルミニウム等の金属箔との積層体からなるラミネートシートなどを用いることができ、特に、液保持シート12と対向する面である収容体11の内面は、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂を主成分とするシーラント層から構成されていることが好ましい。前記のラミネートシートの具体例としては、例えば外面から内面への積層順序として、延伸ポリエチレンテレフタレート層/アルミニウム箔層/延伸ポリプロピレン層/未延伸ポリプロピレンを主成分としたシーラント層の4層をラミネート接着した構造からなるものが挙げられる。
【0026】
図6(a)及び(b)に示すように、収納体11は、その一面に、開封可能に封止された開口13を有すると共に、その他面側において液保持シート12と収納体11の内面とが接合されている。つまり、収容体11においては、開口13が形成される面と、液保持シート12が接合される面とが異なっている。別の見方をすれば、液保持シート12は、収容体11における相対向する二つの内面の双方へ接合していない。それによって、液保持シート12の薬液保持性が損なわれにくくなり、また液保持シート12に含浸されている薬液が開口13を通じ外部へ円滑に放出されるようになる。
【0027】
接合部16は、その接着強度が高く、また接着面積が大きくほど、液保持シート12に皺が発生しづらくなり、またヨレが起こりにくくなる観点から有利である。接合部16の接着状態としては、接着された液保持シート12と収容体11を剥がした時に、液保持シート12の表面が材料破壊し、収容体11に液保持シート12の構成繊維の一部が残る程度の強度が好ましい。具体的には接合部16の接着強度は100cN/15mm以上、特に150cN/15mm以上であることが好ましい(引張強度試験機による180°剥離テスト、チャック間距離100mm、引張速度300mm/min)。液保持シート12においては、接着に寄与した部分の液保持性が損なわれるので、接着は液保持シート12の表面に留めることが好ましい。また、接合部16の面積の総和は、液保持シート12の面積に対して3〜20%、特に6〜20%、とりわけ10〜20%であることが好ましい。
【0028】
液保持シート12と収容体11とを接合する接合部16の形成パターンは、図6(a)及び(b)に示すものに制限されない。例えば図7(a)に示すように、液保持シート12の縦中心線に沿って、液保持シート12の長手方向全域にわたり一条の接合部16を形成してもよい。また図7(b)に示すように、液保持シート12の長手方向における各端部の位置に、液保持シート12の幅方向に延びる一対の接合部16をそれぞれ形成してもよい。なお、図7(a)及び(b)の何れの場合においても、図6(a)及び(b)と同様に、収容体11においては、開口13が形成される面と、液保持シート12が接合される面とが異なっている。
【0029】
接合部をヒートシールによって形成する場合には、図8(a)に示すように、いわゆるベタの接合パターンを採用することができる。或いは、図8(b)及び(c)に示すように、接合部間に非接合部が形成されるように接合部を断続的に形成するパターンを採用することができる。図8(b)に示す断続パターンでは、接合部は横方向に延びている。図8(c)に示す断続パターンでは、接合部は斜め方向に伸びている。これらの接合パターンに代えて、図8(d)に示すパターンを採用することもできる。図8(d)に示す接合パターンは、断続的に形成された多数の花柄模様の接合部からなる。
【0030】
第1の部材10である薬液封入体と併用される第2の部材20における液徐放シート21は、繊維材料からなる1枚の繊維シート、又は、同一の若しくは異なる複数枚の繊維シートの積層体からなる。液徐放シート21は、液保持シート12から放出された薬液を一旦液徐放シート全体に拡散させて、薬液が液保持シート12から放出される際の速度よりも低速度でこれらを放出させることによって、広い面積の塗布対象物に対して、塗布の初期から終期にいたるまで、所定範囲の薬液を徐々に放出する目的で用いられる。
【0031】
液徐放シート21には、親水性繊維が含まれていることが好ましい。親水性繊維は液徐放シート21における主成分をなすものであり、主として液徐放シート21に薬液の保持拡散効果を付与するために用いられる。この観点から、親水性繊維の配合量は、液徐放シート21の重量を基準として60〜95重量%、好ましくは65〜80重量%である。親水性繊維としては例えばパルプ、コットン、レーヨン等を用いることができる。特にパルプを用いることが好ましい。
【0032】
液徐放シート21には、親水性繊維に加えて、熱融着繊維などの熱可塑性繊維が含まれていることが好ましい。これによって液徐放シート21の強度やヒートシール性が高まる。熱可塑性繊維の配合量は、液徐放シート21の重量を基準として5〜40重量%、好ましくは20〜35重量%である。熱可塑性繊維としては、例えば各種熱可塑性樹脂からなる単独繊維や、芯鞘型、サイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることができる。具体的にはポリエチレンの単独繊維、ポリエチレンテレフタレート/低融点ポリエチレンテレフタレートの複合繊維、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレート/ポリ(エチレン−ビニルアルコール)の複合繊維、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維、ポリプロピレン/ポリ(エチレン−酢酸ビニル)の複合繊維などが挙げられる。液徐放シート21の製造方法にもよるが、例えば湿式抄紙によって液徐放シート21を製造する場合には、熱可塑性繊維は数ミリメートルないし数十ミリメートルの短繊維であることが好ましい。
【0033】
液徐放シート21が1枚のシートからなるか、シート積層体からなるかを問わず、液徐放シート21はその坪量が20〜350g/m2、特に40〜200g/m2であることが、十分な徐放性能を発現し得る点、及び薬液の過剰な含浸を防止する点から好ましい。
【0034】
液徐放シート21の製造方法に特に制限はない。例えばスパンレース法やメルトブローン法などの各種不織布製造方法によって液徐放シート21を製造できる。また、湿式抄紙によって製造することもできる。
【0035】
液徐放シート21は表面に多数の凹凸を有していることが好ましい。これによって液徐放シート21はその上下面に位置する他の部材との接触面積が低下する。その結果、塗布初期に生じ易い薬液の過放出を低下させることができ、徐放性を一層高めることができる。この凸部はシート全体に亘って形成されていることが好ましい。凸部としては、例えばリブ状やドット状の形状のものが用いられる。本実施形態の液徐放シート21は、凸部の間が凹部となっており、シート全体に亘って凹凸付形されている。凹部と凸部とはシートの長手方向及び幅方向それぞれにおいて交互に配されている。凹部の形状は凸部を反転させた形状となっている。液徐放シート21に凹凸を設けるには、エンボス加工、特にスチールマッチエンボス加工を行うことが好ましい。
【0036】
液徐放シート21と接合される表面シート22は液透過性のものであり、繊維材料から構成されていることが好ましい。表面シート22は塗布材1の使用時における薬液の塗布面となるものであり、塗布時の操作性の向上、液徐放シート21の保護の目的で用いられる。また、薬液の放出を更に制御する目的でも用いられる。塗布時の操作性を向上させるために、表面シート22はその塗布対象面と対向する側に多数の凸部を有していることが好ましい。これによって、塗布対象面との接触面積が低下して、塗布時の摩擦が低下し、塗布操作性を向上させることができる。表面シート22に形成される凸部の形状は、液徐放シート21と同様とすることができる。
【0037】
表面シート22は、例えば湿式抄紙で製造された紙、各種不織布、又はこれらの複合材からなる。表面シート22は、その坪量が10〜100g/m2、特に20〜80g/m2であることが、塗布に必要なシート強度を満たすと共に不必要なコストがかからない点から好ましい。
【0038】
本実施形態で用いられる薬液の種類としては、例えばフローリングの洗浄剤やつや出し剤が挙げられる。洗浄剤は、土ボコリ、皮脂、油汚れのような乾式清掃では取り切れない汚れを溶解して、拭き取り除去することを目的とした剤である。つや出し剤は、フローリングのつや出し、保護を目的とした剤である。つや出し剤は洗浄機能を併せ持っていてもよい。洗浄剤等の詳細については、例えば本出願人の先の出願に係る特開2004−105710号公報の段落〔0032〕ないし〔0038〕に記載されている。薬液としては、これらの他に、抗菌剤、制菌剤、ダニ・害虫などの忌避成分、防汚剤、耐UV剤などを適宜用いることもできる。
【0039】
以上のような薬液を用いた本実施形態の塗布材1は、特にフローリングの清掃に好適であるが、これ以外の硬質表面、例えば自動車のボディや革靴などの清掃やつや出し、防汚等に用いることもできる。
【0040】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、収容体11と液徐放シート21とは、塗布材1の使用前は別体になっており、塗布対象物に薬液を塗布するに際して積層されて用いられるが、これに代えて、予め収容体11と液徐放シート21とを積層させ、少なくとも部分的に接合させておいてもよい。この場合には、塗布材1の使用前に、収容体11から薬液が放出可能になるような開封手段を、該収容体11に設けておくことが好ましい。そのような開封手段としては、例えば特開平10−127549号公報に記載のものが挙げられる。
【0041】
また、液徐放シート21が十分な強度を有する場合には、表面シート22を用いずに、液徐放シート21を薬液の塗布面となしてもよい。また、液徐放シート21及び/又は表面シート22に凸部を形成しなくてもよい。
【実施例】
【0042】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されるものではない。特に断らない限り「%」は「重量%」を意味する。
【0043】
〔実施例1〕
液保持シートとして3層構造のエアレイド不織布を用いた。第1層は、パルプ25%と、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの組成を有する芯鞘型の熱融着性複合繊維75%から構成されていた。第2層は、パルプ70%と、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの組成を有する芯鞘型の熱融着性複合繊維30%から構成されていた。第3層は、パルプ20%と、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの組成を有する芯鞘型の熱融着性複合繊維80%から構成されていた。各層をこの順序で積層し、バインダー樹脂で一体化した。3層構造のエアレイド不織布は、その坪量が100g/m2であり、各層の坪量比は第1層:第2層:第3層=3:2:3であった。このエアレイド不織布を二つ折りし、液保持シートとして用いた。従って液保持シートの坪量は200g/m2であった。寸法は225mm×75mmであった。
【0044】
液保持シートを収容する収容体として、熱可塑性樹脂フィルムとアルミニウム箔からなるラミネートシートを用いた。ラミネートシートの構造は、外面から内面への積層順序として、延伸ポリエチレンテレフタレート層/アルミニウム箔層/延伸ポリプロピレン層/未延伸ポリプロピレンを主成分としたシーラント層の4層をラミネート接着した構造であり、長手方向に直進カット性を有するものであった。ラミネートシートの寸法は270mm×95mmであった。このラミネートシートにおける内面、即ちシーラント層側の面が対向するように2枚のラミネートシートを重ね、ラミネートシートにおける四辺のうちの三辺をヒートシールし、一辺に開口部を有する袋状の収納体を形成した。ラミネートシートには摘み部が形成されていた。
【0045】
この収納体の開口部から液保持シートを袋内に挿入した。次いで、所定温度に加熱されたシールバーを収納体の外側から押し当て、液保持シートと収納体の内面とをヒートシールによって融着させ接合部を形成した。シールバーの押し当ては、収納体における開封誘導領域及び摘み部が形成されている面と反対側の面から行った。接合部のパターンは、図6(a)及び(b)に示す通りとした。各接合部はその幅が12mmであり、長さは、一方が40mm、他方が60mmであった。
【0046】
次いで、収容体の一辺に形成されている開口部内にノズルを挿入し、そのノズルによって収容体内に薬液を充填した。薬液はアクリル系樹脂エマルジョンを25重量%含む水系のつや出し剤である。薬液の充填量は、乾燥状態の液保持シートの重量に対して1100%の含浸率になるような量とした。最後に、収容体の一辺に形成されている開口部をヒートシールによって封止した。このようにして図1及び図2に示す第1の部材である薬液封入体を得た。
【0047】
液徐放シートとして、クラフトパルプ/熱可塑性繊維(ポリプロピレン(芯)/ポリエチレン(鞘)の複合繊維)=75/25(重量比)の混合繊維原料を用い、通常の湿式抄造法によって得られた坪量30g/m2の紙を2枚重ね、更にスチールマッチによるエンボス加工によって凹凸賦形して貼り合わせたものを用いた。更に表面シートとして、クラフトパルプ/熱可塑性繊維(ポリプロピレン(芯)/ポリエチレン(鞘)の複合繊維)/熱可塑性繊維(熱融着性ポリエステル繊維)=30/60/10(重量比)からなる混合繊維原料を用い、湿式抄造の乾燥工程でヒートロール不織布(ポリエステル(芯)/ポリエチレン(鞘)の複合繊維)坪量18g/m2と貼り合わせて坪量46g/m2のシートとし、更にスチールマッチヒートエンボス加工によって凹凸賦形したものを用いた。そして表面シートと液徐放シートとを図4に示すように一体化して第2の部材を得た。これによって、第1の部材及び第2の部材からなる薬液塗布材を得た。
【0048】
〔比較例1〕
第1の部材である薬液封入体において、液保持シートと収納体の内面とを接合しない以外は実施例1と同様にして薬液塗布材を得た。
【0049】
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた薬液塗布材について、それぞれ第1の部材5枚と第2の部材5枚を重ねあわせ、縦50mm×横110mm×高さ280mmの紙箱に、第1の部材の摘み部が下になるように収納した(第2の部材の方向は問わない)。そして、この紙箱を用いて以下の落下テストを行い、第1の部材中の液保持シートの皺・ヨレの発生の程度、薬液の均一塗布性を評価した。結果を表1に示す。
【0050】
〔落下テスト〕
第1の部材の摘み部が下になるように収納した紙箱を、80cm及び20cmの高さからそれぞれコンクリートの床面に真直落とし、落下試験を行った。
【0051】
〔液保持シートの皺・ヨレの発生の程度〕
○ 皺、ヨレが発生しない
△ 小さな皺、ヨレが発生する
× 大きな皺、ヨレが発生する(液保持シートの初期長さに対して90%未満まで収縮する)
【0052】
〔薬液の均一塗布性〕
○ 均一な塗布ができる
△ 塗布方向に沿って縦筋が入り、均一な塗布ができない
× 塗布方向に沿って大きな縦筋が入り、均一な塗布ができず、塗布面積も低下する
【0053】
【表1】


【0054】
表1に示す結果から明らかなように、実施例の薬液塗布材においては、比較例に比べ、液保持シートの皺・ヨレの発生が抑えられており、それによって薬液を均一に塗布できることが判る。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】薬液塗布材の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】使用前の薬剤封入体(第1の部材)の状態を示す斜視図である。
【図4】図1におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図1に示す薬液塗布材の使用状態を示す斜視図である。
【図6】薬剤封入体(第1の部材)の実施形態を示す平面図及び断面図である。
【図7】薬剤封入体(第1の部材)の別の実施形態を示す平面図である。
【図8】接合部の接合パターンを示す模式図である。
【符号の説明】
【0056】
1 薬液塗布材
10 薬剤封入体(第1の部材)
11 収納体
11a,11b 液不透過性シート
12 液保持シート
13 開口
14 開封誘導領域
16 接合部
20 第2の部材
21 液徐放シート
22 表面シート




 

 


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