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椅子の背凭れ装置 - 株式会社岡村製作所
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発明の名称 椅子の背凭れ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−143716(P2007−143716A)
公開日 平成19年6月14日(2007.6.14)
出願番号 特願2005−340235(P2005−340235)
出願日 平成17年11月25日(2005.11.25)
代理人 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
発明者 五十嵐 僚
要約 課題
背板の曲げ強度を低下させることなく、撓み易くし、快適な座り心地が得られるようにする。

解決手段
背板の21の全面に、大きさの等しい横拡がりの六角形をなす開口27を、上下及び左右方向に近接して並ぶように多数穿設し、各開口27を囲むようにして、上下及び左右に隣接する開口27同士を連結している連結片28の前後寸法を肉厚よりも大とする。
特許請求の範囲
【請求項1】
左右両側の下端部を脚体の後両側部により支持した背枠の内方に、合成樹脂よりなる可撓性の背板を有する椅子の背凭れ装置において、前記背板に、大きさの等しい非円形をなす開口を、上下及び左右方向に近接して並ぶように多数穿設し、各開口を囲むようにして、上下及び左右に隣接する開口同士を連結している連結片の前後寸法を肉厚よりも大としたことを特徴とする椅子の背凭れ装置。
【請求項2】
開口を、横拡がりの多角形としてなる請求項1記載の椅子の背凭れ装置。
【請求項3】
連結片を含む背板全体の厚さを、両側部から中央に向かうにしたがって漸次小としてなる請求項1または2記載の椅子の背凭れ装置。
【請求項4】
背枠を、背板よりも曲げ剛性の大きな方形枠状をなすものとし、合成樹脂製の背板と一体的に形成するとともに、前記背枠における左右の側枠の下端部に形成した下方に開口する取付孔を、脚体の後両側部に立設した背凭れ支持杆における上端部の背枠取付杆に適正に嵌合し、かつねじにより固定してなる請求項1〜3のいずれかに記載の椅子の背凭れ装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚体により支持された背枠の内方に、着座者の背中を支持する合成樹脂よりなる可撓性の背板を有する椅子の背凭れ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の背板を有する椅子の背凭れ装置は、例えば特許文献1及び2に記載されており、公知である。
【特許文献1】特開2001−128788号公報
【特許文献2】特開2005−160558号公報 (図10〜図17)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1及び2に記載されている背凭れ装置においては、いずれも、合成樹脂製の背板(又は基板)の全面に、大きさの等しい非円形をなす開口を、均等分布となるように多数穿設し、背中を背板に押し当てた際に、背板を後方に撓み易くして、快適な着座感が得られるようにしている。
【0004】
しかし、背板の厚さはほぼ均一であり、かつ互いに隣接する開口を囲むようにして連結している連結片の前後寸法や肉厚にも、何ら工夫が施されていないため、多数の開口を近接して設けると、背板の撓み剛性が小さくなって、その曲げ強度が低下し、耐久性を損なう恐れがある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、背板の曲げ強度を低下させることなく、撓み易くし、快適な座り心地が得られるようにした椅子の背凭れ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)左右両側の下端部を脚体の後両側部により支持した背枠の内方に、合成樹脂よりなる可撓性の背板を有する椅子の背凭れ装置において、前記背板に、大きさの等しい非円形をなす開口を、上下及び左右方向に近接して並ぶように多数穿設し、各開口を囲むようにして、上下及び左右に隣接する開口同士を連結している連結片の前後寸法を肉厚よりも大とする。
【0007】
(2)上記(1)項において、開口を、横拡がりの多角形とする。
【0008】
(3)上記(1)または(2)項において、連結片を含む背板全体の厚さを、両側部から中央に向かうにしたがって漸次小とする。
【0009】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、背枠を、背板よりも曲げ剛性の大きな方形枠状をなすものとし、合成樹脂製の背板と一体的に形成するとともに、前記背枠における左右の側枠の下端部に形成した下方に開口する取付孔を、脚体の後両側部に立設した背凭れ支持杆における上端部の背枠取付杆に適正に嵌合し、かつねじにより固定する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、背板における各開口を囲む連結片の前後寸法を、肉厚よりも大としたことにより、背板は、適度な曲げ抵抗が付与されて後方に撓むようになる。従って、多数の非円形をなす開口を近接して穿設することにより、撓み易くし、座り心地を向上させたにも拘らず、背板の曲げ強度が低下するおそれはない。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、開口の大きさが大となり、かつ横方向に拡がるので、背板全体が背中にフィットするように後方に撓み易くなり、座り心地が向上する。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、背中の押圧力が最も大きく加わる背板の中央部ほど、曲げ剛性が小さくなって後方に大きく撓み易くなるため、背中の中央部はもとより、背中全体が快適に支持されるようになる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、背枠と背板とが一体感を呈して見栄えが向上するとともに、背枠における側枠の下端部が、背凭れ支持杆の上端部の背枠取付杆に強固に固定されるので、背枠の下端部の曲げ剛性が大となり、背板の上方を効果的に後方に撓ませることができる。従って背中の上部が快適に支持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した椅子の正面図、図2は、同じく側面図、図3は、背凭れの拡大正面図である。
【0015】
椅子(1)は、先端にキャスタ(2)が取付けられた放射方向を向く5本の脚杆(3)を有する脚体(4)と、その中心に立設され、内部に収容されたガススプリング(図示略)により伸縮可能な脚柱(5)と、この脚柱(5)の上端に固着された支基(6)とを備えている。
【0016】
支基(6)の前端には、斜め前上方を向く座支持フレーム(7)が一体的に連設され、また支基(6)における脚柱(5)よりもやや後方の両側部には、図4にも示すように(左右対称であるため一方のみ図示する)、側面視概ね前向きくの字形をなすとともに、下端部が内向L字状に折曲された左右1対の背凭れ支持杆(8)(8)が、その内向折曲部内端の枢軸部(8a)を、支基(6)の内部に設けられたゴムトーションユニット(図示略)に枢嵌することにより、前向きの付勢力が付与された状態で前後方向に回動可能に取付けられている。
【0017】
上記座支持フレーム(7)の前端部上面により、座体すなわち上面にクッション材(9)が張設された座板(10)の前端部下面の左右両側部が、前後方向に移動可能に支持されている。座板(10)の後端部の左右両側部は、左右の背凭れ支持杆(8)の上端に、次のようにして枢着されている。すなわち、座板(10)の後端部の上端縁には、左右1対の支持片(11)(11)が立設され、この両支持片(11)の外側面に皿ねじ(12a)により固定された1対の座支持ブラケット(12)の上端の円孔(12b)を、図4に示すように、背凭れ支持杆(8)の上端に固着された左右方向を向く軸状支持部(13)の内側面に突設した内向きの支軸(13a)に、平座金(15)とブッシュ(16)(16)を介して嵌合することにより、座板(10)の後端部の左右両側部は、左右の背凭れ支持杆(8)の上端により、後傾可能に支持されている。
【0018】
上記支軸(13a)の内端部に連設された角軸(13b)には、後記する背凭れ(19)の下端部を支持する上下方向を向く背枠取付杆(14)の下端の軸状部(14a)の角孔(14b)が、上記座支持ブラケット(12)を挟持するようにして、相対回動不能に嵌合され、軸状支持部(13)の外側方より挿入したボルト(17)を、支軸(13a)と角軸(13b)を貫通して軸状部(14a)の内部のめねじ(図示略)に螺合することにより固定されている。
【0019】
(18)は、軸状支持部(13)の外側面の開口に止着されたキャップで、ボルト(17)の頭部を目隠ししている。
【0020】
(19)は板状の背凭れで、正面視ほぼ方形枠状をなす背枠(20)と、それにより囲まれた内方の背板(21)とからなり、それら全体を合成樹脂により一体成形することにより、一体感を呈するようにし、見栄えを向上させている。
【0021】
図3に示すように、背枠(20)における左右の側枠(20a)(20a)の下部は、外側方に若干拡開し、かつ下端部には、背凭れ支持杆(8)への取付部(20c)(20c)が下向きに連設されている。
【0022】
側枠(20a)は、背板(21)と連続する板状をなし、その前後寸法(厚さ)は、図2の側面図及び図5の断面図に示すように、下端部が大きく、上端に向かうにしたがって漸次小さくなるように形成され、また、その断面形状は、図7に示すように、平面視外向コ字状をなし、外側面には、外方と下方に開口する凹溝(22)が、上下方向に向かって上端付近まで形成されている。
【0023】
上記凹溝(22)における下端部を除いた対向面同士は、ほぼ水平をなす平板状の多数のリブ(23)により、一定間隔おきに連結され、側枠(20a)の前後方向への曲げ剛性を高めている(図2参照)。
【0024】
背枠(20)の下端の円弧状に湾曲する下枠(20b)は、背板(21)と連続する板状をなし、その断面形状は、図6に示すように、側面視下向コ字状をなし、下面に形成された下方に開口する凹溝(24)の対向面同士は、ほぼ垂直をなす平板状の多数のリブ(25)により連結され、下枠(20b)の曲げ剛性を高めている。
【0025】
側枠(20a)の下端部における取付部(20c)とその上方の凹溝(22)の奥面には、後記肘掛け(29)取付用のボルトが挿通する2個の段付孔(26)(26)が形成されている(図4、図5参照)。
【0026】
図6に示すように、背板(21)の厚さ(前後寸法)は、側枠(20a)と同様、下部側が大きく、上端に向かうにしたがって漸次小とされ、また、図7に示すように、両側部が大きく、中央に向かって漸次小となるように形成されている。
【0027】
背板(21)の全面には、横拡がりの扁平六角形をなす開口(27)が、ほぼ1/2ピッチずつ横方向にずらすことにより、上下左右及び斜め上下方向にX線上に並ぶように規則正しい配列で多数形成されている。
【0028】
図8に拡大して示すように、各開口(27)を囲むようにして連結している連結片(28)、すなわち互いに左右方向に隣接する開口(27)同士を連結している左右連結片(28a)及び互いに斜め上下方向に隣接する開口(27)同士を連結している斜連結片(28b)は、図9に示すように(同じ断面形状につき、左右連結片のみ図示する)、それらの前後寸法(L)が肉厚(t)よりも大とされ、前後方向に長い長方形をなす断面形状とされている。
【0029】
背板(21)をこのような構造とすると、背板(21)に背中を押し当てた際に、薄厚とした上方ほど後方に撓み易くなり、背中の上部を快適に支持することができる。また、背板(21)の厚さを、両側部から中央に向かうにしたがって漸次小としているため、背中の押圧力が最も大きく加わる背板(21)の中央部ほど、曲げ剛性が小さくなって後方に大きく撓み易くなり、背中にフィットするようにして、その中央部が快適に支持されるようになる。
【0030】
さらに、各開口(27)を囲む連結片(28)を、前後寸法(L)が肉厚(t)よりも大きい前後方向に長い断面形状としているため、背板(21)全体に適度な曲げ抵抗が付与されて後方に撓むようになる。従って多数の開口(27)を互いに近接して穿設したにも拘らず、背板(21)の曲げ強度が低下することがなくなる。
【0031】
図10に示すように、背枠(20)における左右の側枠(20a)(左右対称で同一構造であるため一方のみ図示する)の下端部には、上記背枠取付杆(14)と補形をなす下端が開口する方形断面の取付孔(29)が、上下方向に向かって形成され、この取付孔(29)には、上述した背凭れ支持杆(8)の上端に取付けた角柱状の背枠取付杆(14)が適正に嵌合され、肘掛け(30)と共に次のようにして固定されている。
【0032】
図4に示すように、背枠(20)における側枠(20a)の下端部の外側面に形成された凹溝(22)に、肘掛け(30)の内端に連設された下向取付部(30a)を嵌合し、この下向取付部(30a)における外面の凹溝(31)の奥面に形成された上下2個の段付孔(32)に外側方より挿入したボルト(33)を、凹溝(22)の奥面の上下2個の段付孔(26)を介して、側枠(20a)の下端の取付孔(29)に嵌合した背枠取付杆(14)における左右方向を向く上下2個のめねじ孔(34)(34)に螺合して締付ける。
【0033】
これにより、背凭れ支持杆(8)に取付けた背枠取付杆(14)と、背枠(20)の側枠(20a)と、肘掛け(30)とが、2本のボルト(33)により強固に共締めされる。特に、肘掛け(30)の下向取付部(30a)は、側枠(20a)の凹溝(22)に嵌合されて固定されているので、前後及び上下方向にぐらつくことはない。
【0034】
なお、図10に示すように、肘掛け(30)の下向取付部(30a)の内側面におけるボルト(33)の挿通部には、側枠(20a)の段付孔(26)における外側の大径部に嵌合される突部(35)が突設され、側枠(20a)に取付ける際の位置決めを容易としてある。
【0035】
また、下向取付部(30a)と側枠(20a)の下端には、それぞれ図4に示すように、背凭れ支持杆(8)の上端の軸状支持部(13)の上面及び背枠取付杆(14)の軸状部(14a)の上面に嵌合される上向き円弧状の嵌合凹部(36)(36)が形成され、背凭れ支持杆(8)に背凭れ(19)や肘掛け(30)の下端を取付ける際に、前後方向に位置ずれしたり、ぐらついたりするのが防止されるとともに、取付後の見栄えが向上する。
【0036】
ボルト(33)の頭部は、下向取付部(30a)の凹溝(31)の奥面において段付孔(32)の外側の大径部内に位置し、肘掛け(30)の外部に露呈しないようになっている。
【0037】
このようにして、背凭れ(19)を左右の背凭れ支持杆(8)に取付けると、背枠(20)における側枠(20a)の下端部が、背凭れ支持杆(8)と実質的に一体をなす背枠取付杆(14)に嵌合されて、ボルト(33)により強固に固着されているので、背枠(20)の下端部の曲げ剛性が大となり、背板(21)の中央部や上方を効果的に後方に撓ませることができる。
従って、背中の中央部や上部が快適に支持される。
【0038】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、背板(21)に穿設した開口(27)の形状を、横拡がりの六角形としているが、これ以外の非円形、例えば横向きのひし形、楕円形、六角形以外の多角形などとしてもよい。
【0039】
本発明は、肘掛け(30)のない椅子にも適用しうる。この際には、若干短寸のボルト(33)を、側枠(20a)の段付孔(26)より挿入し、背枠取付杆(14)のめねじ孔(34)に直接螺合すればよい。また、背凭れ支持杆(8)の上端部を、側枠(20a)の取付孔(29)に嵌合しうる形状とすれば、背凭れ支持杆(8)の上端部に背枠(20)の下端部を直接取付けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明を適用した椅子の正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じく、背凭れの拡大正面図である。
【図4】同じく、背凭れと肘掛けの取付部の分解斜視図である。
【図5】図3のV−V線拡大縦断側面図である。
【図6】同じく、VI−VI線拡大縦断側面図である。
【図7】同じく、VII−VII線拡大横断平面図である。
【図8】背板の一部の拡大正面図である。
【図9】図8のIX−IX線横断平面図である。
【図10】図1のX−X線拡大横断平面図である。
【符号の説明】
【0041】
(1)椅子
(2)キャスタ
(3)脚杆
(4)脚体
(5)脚柱
(6)支基
(7)座支持フレーム
(8)背凭れ支持杆
(8a)枢軸部
(9)クッション材
(10)座板
(11)支持片
(12)座支持ブラケット
(12a)皿ねじ
(12b)円孔
(13)軸状支持部
(13a)支軸
(13b)角軸
(14)背枠取付杆
(14a)軸状部
(14b)角孔
(15)平座金
(16)ブッシュ
(17)ボルト
(18)キャップ
(19)背凭れ
(20)背枠
(20a)側枠
(20b)下枠
(20c)取付部
(21)背板
(21a)(21b)連結片
(22)凹溝
(23)リブ
(24)凹溝
(25)リブ
(26)段付孔
(27)開口
(28)連結片
(28a)左右連結片
(28b)斜連結片
(29)取付孔
(30)肘掛け
(30a)下向取付部
(31)凹溝
(32)段付孔
(33)ボルト
(34)めねじ孔
(35)突部
(36)嵌合凹部
(L)前後寸法
(t)肉厚




 

 


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