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発明の名称 ミスト洗浄装置付き浴槽
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−89706(P2007−89706A)
公開日 平成19年4月12日(2007.4.12)
出願番号 特願2005−280946(P2005−280946)
出願日 平成17年9月27日(2005.9.27)
代理人 【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
発明者 北村 仁史 / 六嶋 一雅 / 山口 重行 / 前田 康成 / 北地 範行 / 伊藤 良泰 / 柴田 尚紀
要約 課題
浴槽壁に形成した連通空間を介して浴槽内空間に連通するミスト発生部に浴槽内空間から浴水が侵入するのを防止することができるミスト洗浄装置付き浴槽を提供する。

解決手段
浴槽壁1に浴槽内空間2に連通する連通空間3を形成すると共に前記連通空間3にミスト発生部40を設け、ミスト発生部40にて発生させた洗剤液5のミストを前記連通空間3を介して浴槽内空間2に吐出することで浴槽壁1のミスト洗浄を行うミスト洗浄装置4付き浴槽において、浴水が連通空間3を介してミスト発生部40に侵入するのを防止する浴水侵入防止手段6を設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】
浴槽壁に浴槽内空間に連通する連通空間を形成すると共に前記連通空間にミスト発生部を設け、ミスト発生部にて発生させた洗剤液のミストを前記連通空間を介して浴槽内空間に吐出することで浴槽壁のミスト洗浄を行うミスト洗浄装置付き浴槽において、浴水が連通空間を介してミスト発生部に侵入するのを防止する浴水侵入防止手段を設けて成ることを特徴とするミスト洗浄装置付き浴槽。
【請求項2】
浴水侵入防止手段として、連通空間の浴槽内空間への開口部とミスト発生部との間に排水ドレインを設けて成ることを特徴とする請求項1記載のミスト洗浄装置付き浴槽。
【請求項3】
浴水侵入防止手段として、連通空間の浴槽内空間への開口部とミスト発生部との間に開閉弁を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のミスト洗浄装置付き浴槽。
【請求項4】
浴水侵入防止手段として、ミスト発生部を浴槽の上端部よりも上方に配置して成ることを特徴とする請求項1記載のミスト洗浄装置付き浴槽。
【請求項5】
連通空間に浴槽内空間側へ行く程下方に位置する勾配を設けて成ることを特徴とする請求項1記載のミスト洗浄装置付き浴槽。
【請求項6】
連通空間の浴槽内空間への開口部に設けた開閉弁と、前記開閉弁の開閉とミスト発生部でのミスト発生を制御する制御部を備え、制御部へミスト洗浄の指令を入力した時に開閉弁を開くと共にミスト発生部を作動させてミスト洗浄を行い、ミスト洗浄の指令を入力していない時には開閉弁を閉じるように制御して成ることを特徴とする請求項1記載のミスト洗浄装置付き浴槽。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽壁の汚れを洗剤液を微粒子状にした洗剤ミストによって洗浄するミスト洗浄装置付き浴槽に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、浴槽壁の表面に付着した汚れを除去するのには手間がかかり、殊に入浴後の浴槽壁に付着した垢の除去は不愉快で面倒な作業であった。
【0003】
従来より、浴槽壁等の浴室の汚れを除去するための洗浄システムとして、浴室の上部に設置したスプレーノズルから洗剤をスプレーし、その後、水噴霧ノズルから水を霧状に噴霧して洗剤をすすぐものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところが、上記特許文献1に示された洗浄システムでは、洗剤用のスプレーノズルと水噴霧ノズルとがそれぞれ必要となり、設備コストが高くつくだけでなく、浴槽壁の細部には洗剤が浸透しないものであった。殊に洗剤や水の行き渡らない陰になる部分は汚れが除去され難く十分な洗浄ができないという課題を有していた。
【特許文献1】特開2002−253440号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで出願人は、浴槽にミスト発生部を設け、ミスト発生部にて洗剤液のミストを発生させて浴槽内空間に吐出することで浴槽壁のミスト洗浄を行うミスト洗浄装置付き浴槽を発明した。
【0006】
このミスト洗浄装置付き浴槽は、図7に示すように、浴槽壁1に連通空間3を形成すると共に、この連通空間3を介して浴槽内空間2に連通するようにミスト発生部40を設けてある。ミスト発生部40は、ミストにする洗剤液5を溜めることができると共に、前記洗剤液5中に浸漬されるように超音波振動子47を配設してあり、この超音波振動子47を振動させて洗剤液5を微粒子状のミストにして連通空間3を介して浴槽内空間2に吐出するものである。吐出した洗剤ミストは浴槽壁1に付着し、浴槽壁1の表面に付着している汚れに浸透してこの汚れを浮かせ、これをすすぐことで汚れを除去するものである。図7中符号71はミストノズルを、72は洗剤液注入部を示す。
【0007】
ところで、この従来のミスト洗浄装置4付き浴槽においては、入浴中に浴水が連通空間3を介してミスト発生部40に侵入してしまい、ミスト発生部40に溜めてある洗剤液5が所定の濃度よりも薄まったり、流れ去ってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは、浴槽壁に形成した連通空間を介して浴槽内空間に連通するミスト発生部に浴槽内空間から浴水が侵入するのを防止することができるミスト洗浄装置付き浴槽を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために請求項1記載のミスト洗浄装置付き浴槽は、浴槽壁1に浴槽内空間2に連通する連通空間3を形成すると共に前記連通空間3にミスト発生部40を設け、ミスト発生部40にて発生させた洗剤液5のミストを前記連通空間3を介して浴槽内空間2に吐出することで浴槽壁1のミスト洗浄を行うミスト洗浄装置4付き浴槽において、浴水が連通空間3を介してミスト発生部40に侵入するのを防止する浴水侵入防止手段6を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、浴槽内空間2から浴水が連通空間3を介してミスト発生部40へ侵入するのを防止することが可能となる。
【0010】
また請求項2記載の発明は、請求項1において、浴水侵入防止手段6として、連通空間3の浴槽内空間2への開口部31とミスト発生部40との間に排水ドレイン61を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、簡単な構成でミスト発生部40へ浴水が侵入するのを防止することが可能となる。
【0011】
また請求項3記載の発明は、請求項1において、浴水侵入防止手段6として、連通空間3の浴槽内空間2への開口部31とミスト発生部40との間に開閉弁62を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、簡単な構成でミスト発生部40へ浴水が侵入するのを防止することが可能となる。
【0012】
また請求項4記載の発明は、請求項1において、浴水侵入防止手段6として、ミスト発生部40を浴槽の上端部よりも上方に配置して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、簡単な構成でミスト発生部40へ浴水が侵入するのを防止することが可能となる。
【0013】
また請求項5記載の発明は、請求項1において、連通空間3に浴槽内空間2側へ行く程下方に位置する勾配を設けて成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、簡単な構成でミスト発生部40へ浴水が侵入するのを防止することが可能となる。
【0014】
また請求項6記載の発明は、請求項1において、連通空間3の浴槽内空間2への開口部31に設けた開閉弁62と、前記開閉弁62の開閉とミスト発生部40でのミスト発生を制御する制御部を備え、制御部へミスト洗浄の指令を入力した時に開閉弁62を開くと共にミスト発生部40を作動させてミスト洗浄を行い、ミスト洗浄の指令を入力していない時には開閉弁62を閉じるように制御して成ることを特徴とするものである。このような構成とすることで、自動でミスト洗浄を行うものにおいてミスト洗浄を行わない時にミスト発生部40へ浴水が侵入するのを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のミスト洗浄装置付き浴槽にあっては、浴槽内空間から浴水が連通空間を介してミスト発生部へ侵入するのを防止することが可能となって、ミスト発生部に溜めている洗剤液が所定の濃度よりも薄まったり流れ去ったりするのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0017】
本実施形態のミスト洗浄装置付き浴槽におけるミスト洗浄装置4は、図1に示すように、浴槽壁1に形成された連通空間3及びミスト発生部40と、ミスト発生部40に溜める洗剤液5を生成するための液貯留タンク41、液搬送経路42、給水経路43で基本部分が構成され、これに本発明の特徴である浴水侵入防止手段6を設けたもので、まず基本部分について説明する。
【0018】
液貯留タンク41は、洗剤の原液44を貯留するタンクであり、浴槽外に設置される。液貯留タンク41の底部付近には、液貯留タンク41内に貯留している洗剤の原液44を搬送する液搬送経路42となる配管の一端部が配置される。液搬送経路42には、途中に液搬送経路42を開閉するための液搬送バルブ45が設けてあり、液搬送経路42の他端部はミスト発生部40に接続される。
【0019】
ミスト発生部40は、液体を溜めることができる構造となっており、液搬送経路42の他端部が接続されると共に、水道等の給水源からの給水経路43が接続される。給水経路43の途中には給水弁46が設けてある。このミスト発生部40には、液搬送バルブ45を開いて液貯留タンク41内に貯留してある洗剤の原液44を液搬送経路42を介して供給すると共に、給水弁46を開いて給水源より給水経路43を介して水を供給し、洗剤の原液44の所定の濃度の水溶液を生成してミスト洗浄用の洗剤液5とするものである。なお、すすぎ洗浄を行う場合には、ミスト発生部40に水のみを溜めておくものである。
【0020】
ミスト発生部40には超音波振動子47が配設してある。超音波振動子47はミスト発生部40に溜まっている洗剤液5中に浸漬されるように配置され、発信器(図示せず)からの発振出力が供給されて洗剤液5を超音波振動させて、例えばミスト径が0.1mm〜50μm程度の微粒子状の洗剤ミストが生成されるようになっている。このミスト発生部40は、連通空間3を介して浴槽内空間2に連通している。
【0021】
連通空間3は、浴槽内空間2とミスト発生部40とを連通してミストの浴槽内空間2への経路となる空間であり、本実施形態ではダクト状部材30の一端側の開口を浴槽壁1に形成した開口に接続して浴槽内空間2への開口部31とすると共に、他端側の開口をミスト発生部40に接続してあり、ダクト状部材30内が連通空間3となるものである。
【0022】
このミスト洗浄装置4付き浴槽の基本部分の動作について説明すると、まず、液搬送バルブ45を開いて、洗剤の原液44を液貯留タンク41から液搬送経路42を介してミスト発生部40に搬送すると共に、給水弁46を開いて水道等の給水源より給水経路43を介してミスト発生部40に給水し、洗剤の原液44を所定の濃度に薄めてミスト洗浄用の洗剤液5を生成する。次に、ミスト発生部40の超音波振動子47を振動させて、ミスト発生部40に溜まっている洗剤液5を霧状化して洗剤ミストを発生させる。発生した洗剤ミストは、連通空間3を介して浴槽内空間2に吐出し、浴槽壁1に付着することで既に浴槽壁1に付着している汚れを浮かせて除去するものである。
【0023】
また、浴槽壁1のすすぎ洗浄を行う場合には、液搬送バルブ45は閉じたままにしてミスト発生部40に洗剤の原液44を供給せず、給水弁46を開いてミスト発生部40に給水して水のみを溜める。そして、ミスト発生部40の超音波振動子47を振動させて、ミスト発生部40に溜まっている水を霧状化して水のミストを発生させて浴槽内空間2に吐出し、水のミストを浴槽壁1に付着させて浴槽壁1のすすぎ洗浄を行うものである。
【0024】
また、基本部分の他例を図2に示す。図2に示す例では、液貯留タンク41に洗剤の原液44ではなく洗浄用の洗剤液5を貯留すると共に給水経路43は設けていない。この基本部分の動作について説明すると、予め洗剤の原液44を所定の濃度に薄めて生成した洗浄用の洗剤液5を液貯留タンク41に貯留しておく。そして、液搬送経路42に設けた液搬送ポンプ48を駆動して、洗剤液5を液貯留タンク41から液搬送経路42を介してミスト発生部40に搬送して溜める。それからは上例と同様にして、ミスト発生部40の超音波振動子47を振動させて、ミスト発生部40に溜まっている洗剤液5を霧状化して洗剤液5のミストを発生させ、浴槽壁1に付着している汚れを除去するものである。また、浴槽壁1のすすぎ洗浄を行う場合には、液貯留タンク41に水を貯留させておき、ミスト発生部40に水を供給し、それからは同様にして水のミストを発生させて浴槽内空間2に吐出し、浴槽壁1のすすぎ洗浄を行うものである。
【0025】
次に、本発明の特徴である浴水侵入防止手段6について説明する。本実施形態では、浴水侵入防止手段6として、連通空間3に排水ドレイン61を設けてある。排水ドレイン61は、図1又は図2に示すように、連通空間3を形成するダクト状部材30の浴槽内空間2への開口部31とミスト発生部40との間の部分の底面に開口を形成して配管を接続したものである。ただし、連通空間3は浴槽の通常の水位よりも上側に形成してある。
【0026】
このように排水ドレイン61を設けたことで、浴水が浴槽内空間2より連通空間3内に侵入しても排水ドレイン61より排水されてミスト発生部40に侵入しないものであり、簡単な構成でミスト発生部40に溜めている洗剤液5が所定の濃度よりも薄まったり流れ去ったりするのを防止することができるものである。
【0027】
次に、浴水侵入防止手段6の他の実施形態について図3に基いて説明する。なお本実施形態においても基本部分は上実施形態と同様であるため同符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0028】
本実施形態では浴水侵入防止手段6として、連通空間3に開閉弁62を設けたものである。開閉弁62は、図3に示すように、連通空間3の浴槽内空間2への開口部31とミスト発生部40との間に設けてあり、この開閉弁62の開閉によってミスト発生部40と浴槽内空間2との連通・分断を切り替えるものである。ミスト洗浄やすすぎ洗浄を行う場合には、前記開閉弁62を開いてミスト発生部40と浴槽内空間2とを連通させてミストを浴槽内空間2に吐出し、ミスト洗浄やすすぎ洗浄を行わない場合には、開閉弁62を閉じておくことでミスト発生部40への浴水の侵入を防止することができる。
【0029】
また、浴水侵入防止手段6の更に他の実施形態として、特に図示はしないが、連通空間3の浴槽内空間2への開口部31に着脱自在な蓋を設け、入浴時には蓋によりミスト発生部40を密閉してもよい。これにより、ミスト発生部40へ浴水が侵入するのを防止することができる。
【0030】
次に、浴水侵入防止手段6の更に他の実施形態について図4に基いて説明する。本実施形態においても基本部分は同様であるため同符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0031】
本実施形態では浴水侵入防止手段6として、ミスト発生部40を浴槽の上端部よりも上方に配置したものである。これにより、浴槽に水を張った場合でも、ミスト発生部40は浴槽の上端部よりも上方に位置するため浴水がミスト発生部40へ侵入することがないものである。
【0032】
次に、浴水侵入防止手段6の更に他の実施形態について図5に基いて説明する。本実施形態においても基本部分は同様であるため同符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0033】
本実施形態では浴水侵入防止手段6として、連通空間3に浴槽内空間2側へ行く程下方に位置するような勾配を設けたものである。ただし、連通空間3の浴槽内空間2への開口は浴槽の通常の水位よりも上側に形成してある。
このように勾配を設けたことで、浴水が浴槽内空間2より連通空間3に侵入しても上り勾配となっているため浴水はミスト発生部40に到達しないものである。
【0034】
次に、浴水侵入防止手段6の更に他の実施形態について図6基いて説明する。本実施形態においても基本部分は同様であるため同符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0035】
本実施形態では、連通空間3の浴槽内空間2への開口部31に設けた開閉弁63と、前記開閉弁63の開閉とミスト発生部40でのミスト発生を制御する制御部(図示せず)を備えたものである。制御部へは浴室に設けた操作部64よりミスト洗浄の指令を入力することができる。
そして、通常は開閉弁63は閉じておき、制御部へミスト洗浄の指令を入力した時に開閉弁63を開くと共にミスト発生部40を作動させてミスト洗浄を行うように制御部にて制御するものである。
【0036】
ミスト洗浄やすすぎ洗浄を行う場合には、操作部64のミスト洗浄ON釦64aを操作して制御部へ洗浄指令を入力することにより開閉弁63を開いて洗剤ミストによる浴槽壁1のミスト洗浄を行い、ミスト洗浄を行わない時には開閉弁63が閉じられるため、ミスト発生部40へ浴水が侵入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態の構成断面図である。
【図2】同上の他例の構成断面図である。
【図3】同上の他の実施形態の要部構成断面図である。
【図4】同上の更に他の実施形態の要部構成断面図である。
【図5】同上の更に他の実施形態の要部構成断面図である。
【図6】同上の更に他の実施形態を示し、(a)は要部構成断面図であり、(b)は操作部の正面図である。
【図7】従来例の構成断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 浴槽壁
2 浴槽内空間
3 連通空間
40 ミスト発生部
5 洗剤液
6 浴水侵入防止手段




 

 


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