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発明の名称 電気湯沸かし器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2007−61126(P2007−61126A)
公開日 平成19年3月15日(2007.3.15)
出願番号 特願2005−247118(P2005−247118)
出願日 平成17年8月29日(2005.8.29)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄
発明者 松田 昇 / 竹下 豊晃 / 神庭 隆男 / 岡部 良行
要約 課題
外部からの浸水による制御回路基板の動作不良や、動作時の制御回路基板の温度上昇値を低減し、かつ底部の対流を抑制することで底部からの熱漏洩を大幅に低減するとともに、制御回路基板に接続されたリード線の配線による熱漏洩を低減し、省エネ効果を高くすること。

解決手段
容器2の外周部に位置する筒状の断熱材5と、容器2および断熱材5を内包する外郭6と、外郭6と断熱材5との間に配置した制御回路基板8と、制御回路基板8に対して電気接続されたリード線11と、断熱材5の下端部5aと外郭6の底内壁6aとの間で挟持された底断熱材7とを備え、これにより、底断熱材7は断熱材5の下端部5aと外郭6の底内壁6aとの間で挟持され、制御回路基板8に接続されたリード線11は底断熱材7で挟み込まれていること。
特許請求の範囲
【請求項1】
液体を収容する有底筒状の容器と、前記容器内の液体を加熱・保温する加熱手段と、前記容器内の液体の温度を検知する温度検知素子と、前記容器の上方開口部を覆う蓋体と、前記容器の外周部に位置する筒状の断熱材と、前記容器および前記断熱材を内包する外郭と、前記外郭に具備された電源供給部と、前記外郭と前記断熱材との間に配置した制御回路基板と、前記制御回路基板に対して電気接続されたリード線と、前記断熱材の下端部と前記外郭の底内壁との間で挟持された底断熱材とを備えた電気湯沸かし器。
【請求項2】
底断熱材は、略筒状の発泡体で形成した請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項3】
リード線は、底断熱材の下面と外郭の底内壁との間で挟み込む構成とした請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項4】
リード線は、断熱材の下端部と底断熱材の上面との間で挟み込む構成とした請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項5】
制御回路基板は、外郭と断熱材との間の側面空間に配置した請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項6】
制御回路基板は、その周囲を不燃材で覆う構成とした請求項1に記載の電気湯沸かし器。
【請求項7】
制御回路基板は、その周囲を難燃樹脂部材で覆い、かつ前記難燃樹脂部材の外表面に金属プレス部材を装着した請求項1に記載の電気湯沸かし器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱材を搭載し、制御回路基板を外郭と断熱材の側面空間に配置した電気湯沸かし器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気湯沸かし器としては、例えば、容器の外周部などに断熱材を配設して、容器側面および容器上方から漏洩する熱量を抑え、保温時の保温電力量を低減するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、制御回路基板を外郭と容器との側面空間に配置させたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
従来例の具体構成は、図2に示すように、液体101を収容する有底筒状の容器102と、容器102内の液体101を加熱・保温する加熱手段103と、容器102の上方開口部を覆う蓋体104と、容器102の外周部に位置する筒状の断熱材105と、容器102および断熱材105を内包する外郭106と、外郭106と容器102との側面空間に配置した制御回路基板108とから構成されていた。
【特許文献1】特開平11−290210号公報
【特許文献2】特許第3636161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、断熱材は単に容器の外周を覆っているにすぎないために、図2の矢印で示すように容器の底部から特に外郭側面を介して熱が漏洩するという課題があった。
【0005】
また、これを解決するために、断熱材を下方に延長する構成があるが、制御回路基板に対して電気接続されたリード線が断熱材の下端部と外郭の底内壁との間に配線されているために、その配線部から熱が漏洩するという課題があった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、底部の対流を抑制することで底部からの熱漏洩を大幅に低減するとともに、制御回路基板に接続されたリード線の配線による熱漏洩を低減し、省エネ効果の高い電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、容器の外周部に位置する筒状の断熱材と、容器および断熱材を内包する外郭と、外郭に具備された電源供給部と、外郭と断熱材との間に配置した制御回路基板と、制御回路基板に対して電気接続されたリード線と、断熱材の下端部と外郭の底内壁との間で挟持された底断熱材とを備えたものである。
【0008】
これにより、底断熱材は断熱材の下端部と外郭の底内壁との間で挟持され、制御回路基板に接続されたリード線は底断熱材で挟み込まれているため、底部の対流が抑制されて底部からの熱漏洩を大幅に低減することができるとともに、制御回路基板に接続されたリード線の配線による熱漏洩を低減し、省エネ効果の高いものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電気湯沸かし器は、外部からの浸水による制御回路基板の動作不良や、動作時の制御回路基板の温度上昇値を低減し、かつ底部の対流を抑制することで底部からの熱漏洩を大幅に低減するとともに、制御回路基板に接続されたリード線の配線による熱漏洩を低減し、省エネ効果の高いものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、液体を収容する有底筒状の容器と、前記容器内の液体を加熱・保温する加熱手段と、前記容器内の液体の温度を検知する温度検知素子と、前記容器の上方開口部を覆う蓋体と、前記容器の外周部に位置する筒状の断熱材と、前記容器および前記断熱材を内包する外郭と、前記外郭に具備された電源供給部と、前記外郭と前記断熱材との間に配置した制御回路基板と、前記制御回路基板に対して電気接続されたリード線と、前記断熱材の下端部と前記外郭の底内壁との間で挟持された底断熱材とを備えることにより、底部の対流が抑制されて底部からの熱漏洩を大幅に低減することができるとともに、制御回路基板に接続されたリード線の配線による熱漏洩を低減し、省エネ効果の高いものとすることができる。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明において、底断熱材は、略筒状の発泡体で形成することにより、発泡体のクッション性を利用して底断熱材の上面と断熱材の下端部、及び底断熱材の下面と外郭の底内面とを効果的に密着させることができるため、底部からの熱漏洩をさらに低減するとともに、発泡体で形成された底断熱材のクッション性を利用して制御回路基板に接続されたリード線を効果的に挟み込むことができるため、リード線の配線による熱漏洩をさらに低減し、省エネ効果の高いものとすることができる。
【0012】
第3の発明は、特に、第1の発明において、リード線は、底断熱材の下面と外郭の底内壁との間で挟み込む構成とすることにより、底断熱材の上面と断熱材の下端部との間にはリード線の配線がなくなり、確実に密着させることができる。
【0013】
第4の発明は、特に、第1の発明において、リード線は、断熱材の下端部と底断熱材の上面との間で挟み込む構成とすることにより、底断熱材の下面と外郭の底内面との間にはリード線の配線がなくなり、確実に密着させることができる。また、リード線を配線した本体に対して、あらかじめ底断熱材が装着された外郭を組み付けることができるため、組立作業が簡素化できる。
【0014】
第5の発明は、特に、第1の発明において、制御回路基板は、外郭と断熱材との間の側面空間に配置することにより、製品外形を大きくすることなく、デザイン上の空きスペースを有効に利用できるため、コンパクトでかつ省エネ効果の高いものとすることができる。
【0015】
第6の発明は、特に、第1の発明において、制御回路基板は、その周囲を不燃材で覆う構成とすることにより、万が一、制御回路基板上の電気接続部などの接触不良が原因により発火した場合でも、その周囲を覆う不燃材が延焼を防止するため、近傍にある可塑性樹脂などに燃え拡がる危険性は少なくなり、被害を最小限にとどめることができるため、より安全性の高いものとすることができる。
【0016】
第7の発明は、特に、第1の発明において、制御回路基板は、その周囲を難燃樹脂部材で覆い、かつ前記難燃樹脂部材の外表面に金属プレス部材を装着することにより、まず難燃樹脂部材で延焼を防止し、万が一、難燃樹脂部材が燃えたとしても、外表面の金属プレス部材は不燃であるため、それ以上の延焼を防止することができるため、より安全性の高いものとすることができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電気湯沸かし器を示すものである。
【0019】
図1に示すように、液体1を収容する容器2はステンレス鋼板で有底円筒状に形成されたものであり、容器2の底面裏側には容器2内の液体1を加熱・保温するヒーターで形成された加熱手段3が固着されている。加熱手段3の定格消費電力は1000Wであり、保温時は75Wである。容器2内の液体1の温度を検知する温度検知素子9は容器2の略中央底面裏側に感熱的に備えられたサーミスタである。蓋体4は容器2の上方開口部を覆うものであり、蓋体4は本体に対して回動自在であり、容器2の上方からは着脱自在に取り付けられている。蓋断熱材4aは蓋体4に内蔵された発泡ポリプロピレンなどで成形されたものである。断熱材5は容器2の外周部に位置する筒状に形成されたものであり、外郭6は容器2および断熱材5を内包するものである。制御回路基板8はであり、外郭6と断熱材5との間の側面空間に配置したものである。制御回路基板8は電気二重層コンデンサー12を同一基板上に有し、外郭6に具備された電源供給部10と、加熱手段3と、温度検知素子9に対して複数のリード線11で電気接続されている。
【0020】
また、断熱材5は、特に、その構成が限定されるものではないが、本実施の形態においては、断熱材5を真空断熱材としているものである。これは、真空部を外袋で覆い、真空部はヒュームドシリカやパーライトなどの無機粉末、あるいはグラスウールなどの無機繊維、硬質ウレタンフォーム、発泡フェノール樹脂などの芯材が充填されており、外袋はガスバリア性を有した樹脂フィルム、樹脂・金属箔ラミネートフィルム(例えば、ナイロン・PET・アルミ箔・無延伸ポリプロピレン)などで構成され、内部を減圧して封止したものである。通常、真空断熱材である断熱材5は平板状なるものなので、容器2への装着を可能とするため3本のローラーなどを用いて筒状に加工している。
【0021】
ここで、本実施の形態における特徴的な構成は、断熱材5の下端部5aと外郭6の底内壁6aとの間に、底断熱材7が挟持されている点である。また、底断熱材7の材質はメラミン樹脂の発泡体とし、その形状は打ち抜き加工による円筒形状としたものである。また、リード線11は、断熱材5の下端部5aと底断熱材7の上面との間で挟み込む構成としている。また、制御回路基板8は2部品に分割された難燃ポリプロピレン樹脂製の難燃樹脂部材13で覆われ、かつ各々の難燃樹脂部材13の外表面に2部品の金属プレス部材14が装着されている。
【0022】
なお、本実施の形態では、底断熱材7としてメラミン発泡体を用いているが、耐熱性とクッション性のある断熱材であれば何を用いてもよい。
【0023】
次に、本実施の形態における電気湯沸かし器の作用を説明する。
【0024】
電気湯沸かし器は、一般によく知られているように、蓋体4を開放して容器2内に液体1を入れ、液体1を加熱・保温し、ポンプ10の駆動により、湯を適宜吐出させることができるものである。
【0025】
ここで、本実施の形態において、液体1は加熱手段3により加熱・保温され、保温中は容器2の外周部に配置した筒状の断熱材5と、蓋体4内部の蓋断熱材4aおよび断熱材5の下端部5aと外郭6の底内壁6aとの間に狭持された底断熱材7により、容器2側面と、容器2上方および容器2底面からの放熱を抑制できるものである。ここで、断熱材5を高断熱効率なる真空断熱材(真空断熱材の熱伝導率=0.002〜0.008W/mK)を筒状に加工し、容器2の外周部に配置することにより、保温時の電力量を大幅に低減でき経済性が高く、しかも製品重量を増加させることなく、組立作業性・使い勝手を良化できるものである。
【0026】
ここで、本実施の形態における特徴的な作用は、断熱材5の下端部5aと外郭6の底内壁6aとの間に、底断熱材7が挟持されているため、容器2の底部は加熱手段3からの熱で高温になり、熱が漏洩しやすいが、底断熱材7で底部の対流を抑制することで底部に熱を籠らせる点である。これにより、底部からの熱漏洩を低減することができ、従来の構成よりも少量の保温電力量で容器2内の液体1を保温することができる。
【0027】
また、底断熱材7の材質はメラミン樹脂の発泡体としているので、発泡体のクッション性を利用して底断熱材7の上面と断熱材5の下端部5a、および底断熱材7の下面と外郭6の底内面6aとを効果的に密着させることができる。これにより、底部からの熱漏洩をさらに低減し、省エネ効果の高いものとすることができる。
【0028】
また、制御回路基板8は外郭6と断熱材5との間の側面空間に配置しているので、底部空間に配置した場合に比べ、製品外形を大きくすることなく、デザイン上の空きスペースを有効に利用できるため、コンパクトでかつ省エネ効果の高いものとすることができる。また、外部からの浸水による制御回路基板8の動作不良や、動作時の制御回路基板8の温度上昇値を低減することができる。さらに、制御回路基板8は、電気二重層コンデンサー12を同一基板上に有しているので、温度条件等により基板外に配置する場合より安価な構成となる。
【0029】
また、制御回路基板8は、その周囲を難燃樹脂部材13で覆い、かつ難燃樹脂部材13の外表面に金属プレス部材14を装着しているので、万が一、制御回路基板8上の電気接続部などの接触不良が原因により発火した場合でもまず難燃樹脂部材13で延焼を防止し、さらに万が一、難燃樹脂部材13が燃えたとしても、外表面の金属プレス部材14は不燃であるため、近傍にある可塑性樹脂などに燃え拡がる危険性は少なくなり、被害を最小限にとどめることができるため、より安全性の高いものとすることができる。
【0030】
また、制御回路基板8に接続されたリード線11は発泡体で形成された底断熱材7のクッション性を利用して効果的に挟み込むことができるため、リード線11の配線による熱漏洩をさらに低減し、省エネ効果の高いものとすることができる。
【0031】
また、リード線11は断熱材5の下端部5aと底断熱材7の上面との間で挟み込んでいるので、底断熱材7の下面と外郭6の底内面6aとの間にはリード線11の配線がなくなり、確実に密着させることができる。また、リード線11を配線した本体に対して、あらかじめ底断熱材7が装着された外郭6を組み付けることができるため、組立作業が簡素化できる。
【0032】
なお、本実施の形態では、真空断熱材は外袋と芯材が充填された真空部で構成されるものとしたが、特にこれに限定するものではなく、内部を減圧して封止した2重層のステンレスなどで構成される断熱材5であっても同様の効果を得ることができる。また、容器2の形状としては、有底円筒状や有底多角筒状をなし、断熱材5は容器2に沿うような円筒状や多角筒状が望ましいが、特に限定するものではない。
【0033】
なお、上記した実施の形態に示した要件は、必要に応じて適宜組み合わせて電気湯沸かし器を構成することができるものであり、実施の形態そのものの構成に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明にかかる電気湯沸かし器は、断熱特性が非常に高く、他の熱機器への転用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1における電気湯沸かし器の断面図
【図2】従来の電気湯沸かし器の断面図
【符号の説明】
【0036】
1 液体
2 容器
3 加熱手段
4 蓋体
5 断熱材
5a 下端部
6 外郭
6a 底内壁
7 底断熱材
8 制御回路基板
9 温度検知素子
10 電源供給部
11 リード線
12 電気二重層コンデンサー
13 難燃樹脂部材
14 金属プレス部材




 

 


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